JP4984820B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に係り、定着装置及び定着装置を備えた画像形成装置に関する。
従来から、電子写真方式の画像形成装置には、記録媒体上に転写されたトナーを記録媒体に定着させるための定着装置が設けられている。
このような定着装置として、加熱源を有する定着ロールと、この定着ロールに圧接して設けられ定着ロールと共に回転移動する無端ベルトと、を含んで構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような定着装置においては、無端ベルトの内周側に加圧パット等の圧力部材を設けて、この圧力部材により無端ベルトを定着ロールに向かって押圧することで、無端ベルトと定着ロールとを圧接させる。この無端ベルトと定着ロールとの間の加圧された加圧領域に記録媒体を通過させることで、記録媒体上の未定着トナーを該記録媒体に定着させている。
このような構成の定着装置においては、圧力部材によって無端ベルトを定着ロール側へと押圧することにより無端ベルトの外周面を定着ロール表面に圧接させているため、無端ベルトと圧力部材との間の摺動抵抗により、無端ベルトの内周面が摩耗する場合があり、摩耗した状態で無端ベルトと定着ロールとの間に記録媒体を通過させると、定着ロールと無端ベルトとの間に一様な圧力がかかりにくくなり、トナーの定着が十分に行われず、画質劣化が発生する懸念があった。
また、無端ベルトの内周面が摩耗すると、無端ベルトを搬送するためのモーター等の駆動部に係る負担が、摩耗が発生していないときに比べて大きくなり、消費電力が大きくなる懸念や駆動部の破損の懸念があった。
そこで、本出願人は、上記の問題点を解決するため、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4に記載された技術を既に提案している。
特許文献2〜特許文献4の技術によれば、圧力部材と無端ベルトとの間にポリテトラフルオロエチレンが含浸された摺動シートを介在させて圧力部材を摺動シートで被覆するとともに、圧力部材と無端ベルトとの間に、シリコーンオイル等の潤滑剤を塗布供給するように構成している。このように構成することで、摺動シート表面に潤滑剤が保持され、この摺動シート表面に保持された潤滑剤によって無端ベルトと圧力部材との間の滑りが向上される。このため、圧力部材と無端ベルトとの間の摩耗を抑制することができる。
これらの技術で使用されている圧力部材の表面を保護する上記摺動シートは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が含浸されたガラス繊維シートを基材とし、この基材を変性PTFEフィルム等の表面層により被覆して加熱圧着した構成となっている。
このガラス繊維シートは、ガラス繊維で構成されたガラス繊維織物をポリテトラフルオロエチレンに含浸、焼成して得られたものである。摺動シートは、この基材としてのPTFE含浸ガラス繊維シートを、変性PTFEフィルムなどの表面層により被覆し、加熱圧着することで厚膜化して構成されている。
上記摺動シートは、摺動性に優れたフッ素樹脂表面を持っている。また、基材であるガラスクロスにガラス繊維の織物による凹凸がある。詳細には、織物とは、縦糸と横糸とがたがいに直角の方向に交差してできた布地のことであり、この縦糸と横糸との交錯状態としての組織には、縦糸と横糸とが各々2本ずつで完全組織が作られ縦糸と横糸とが交互に浮沈して交錯する平織、縦糸と横糸とが各々3本以上から完全組織が作られ平織りに比べて交錯度が少なく地が厚い斜文織、縦糸と横糸とが5本以上で完全組織が作られ交錯点は一定間隔で且つ隣り合わないように配置された朱子織などがある。
これらの組織の種類の中でも製造上、最も簡便に製造できること、また用途上、意匠性や装飾性が必要とされない等の理由から、縦糸と横糸とが交互に浮沈して交錯する平織の布が、摺動シートとして用いられることが多い。
このような織物を摺動シートの基材として用いているため、摺動シート表面には、ある程度の表面凹凸があり、摺動部においてシリコーンオイルなどの潤滑剤と併用した場合には、この凹部にオイルが入り込み、摺動面との潤滑を良好に保つことが出来る。このため、摺動シート表面に潤滑剤が保持されることにより、無端ベルトと圧力部材との間の摩耗を抑制することができる。
特開平8−262903号公報 特開平10−213984号公報 特開平10−228196号公報 特開平11−45018号公報等
しかしながら、上記従来技術によれば、圧力部材と無端ベルトとの間に摺動シートを介在させることによって、圧力部材と無端ベルトの摩耗を抑制することができるものの、定着装置においてこの摺動シートが長期間使用されると、摺動シートの表面層に摩耗等による穴が発生し、この表面層の穴を介して、基材と表面層との間に潤滑剤が入り込む場合がある。このように基材と表面層との間に潤滑剤が入り込むと、この潤滑剤により表面層に水泡状の膨れが生じる場合があった。
このような基材と表面層との間へ潤滑剤が入り込むことにより、摺動シートの表面に水泡状の膨れが生じると、無端ベルトの内周面に接触する側の面に生じたこの水泡状の膨れにより、無端ベルト内周面と摺動シートとの間の潤滑剤による潤滑状態が阻害されるため、結果的に定着装置における定着性能の低下を引き起こす場合があった。
本発明は、シート状部材の表面層の膨れを抑制し、定着性能の低下を抑制可能な定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために、本発明の定着装置は、回転可能に配設された定着ローラと、前記定着ローラに接触して回転する無端ベルトと、前記無端ベルトの内側に配置され、前記無端ベルトを前記定着ローラに圧接させる圧力部材と、前記無端ベルトの内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、前記圧力部材と前記無端ベルトとの間に介在され、縦糸と前記縦糸に対して交差するように織り込まれた横糸とを有する織物からなる基材と、前記基材の両面に積層された表面層と、を有し、前記縦糸の延伸方向及び前記横糸の延伸方向各々の前記無端ベルトの回転方向に対する角度が20°以上70°以下であるシート状部材と、を備えている。
前記縦糸の延伸方向及び前記横糸の延伸方向各々の前記無端ベルトの回転方向に対する角度が30°以上60°以下であるシート状部材を備えた定着装置であることが好ましく、更に、前記縦糸の延伸方向及び前記横糸の延伸方向各々の前記無端ベルトの回転方向に対する角度が40°以上50°以下であることがより好ましい。
本発明の画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーにより現像して前記像保持体上にトナー像を形成する現像手段と、前記像保持体上のトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、回転可能に配設された定着ローラと、前記定着ローラに接触して回転し該定着ローラとの間で前記記録媒体を挟持搬送する無端ベルトと、前記無端ベルトの内側に配置され、前記無端ベルトを前記定着ローラに圧接させる圧力部材と、前記無端ベルトの内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、前記圧力部材と前記無端ベルトとの間に介在され、縦糸と前記縦糸に対して交差するように織り込まれた横糸とを有する織物からなる基材と、前記基材の両面に積層された表面層と、を有し、前記縦糸の延伸方向及び前記横糸の延伸方向各々の前記無端ベルトの回転方向に対する角度が20°以上70°以下であるシート状部材と、を有し、前記記録媒体に転写されたトナー像を該記録媒体に定着させる定着装置と、を備えている。
前記縦糸の延伸方向及び前記横糸の延伸方向各々の前記無端ベルトの回転方向に対する角度が30°以上60°以下であるシート状部材を有する定着装置を備えた画像形成装置であることが好ましく、更に、前記縦糸の延伸方向及び前記横糸の延伸方向各々の前記無端ベルトの回転方向に対する角度が40°以上50°以下であるシート状部材を有する定着装置を備えた画像形成装置であることより好ましい。
本発明の定着装置及び画像形成装置によれば、定着装置におけるシート状部材の表面層の膨れを抑制し、定着性能の低下を抑制可能な定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明に係る定着装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る定着装置10は、定着部材としての定着ロール12と、無端ベルト14と、加圧手段としての圧力部材16とを備えている。
無端ベルト14の外周面は、定着ロール12の外周面に対して定着ロール12の軸方向に接触して配置されている。なお、無端ベルト14と定着ロール12の軸方向は互いに同じ方向となるように設けられている。圧力部材16は、無端ベルト14の軸方向に長い長尺状であって、無端ベルト14の内周面側に配置されている。圧力部材16は、無端ベルト14の内周面側から無端ベルト14を介して定着ロール12へ圧力を加えるように配置されており、圧力部材16と無端ベルト14との間に圧力の加えられた加圧領域Nを形成する。
この無端ベルト14と定着ロール12との間の加圧領域Nに、図示を省略する搬送機構によって未定着のトナーTを担持した記録媒体Kが搬送されて、無端ベルト14と定着ロール12との間を挟持搬送されることにより、記録媒体K上にトナーTが定着される。
定着ロール12は、図2に示すように、円筒状のコア12Aと、このコア12Aの表面に被覆された弾性体層12Bと、この弾性体層12Bの表面に被覆された離型層12Cとを有しており、コア12Aの内部には、加熱源18が設けられている。
コア12Aの材質としては、機械的強度に優れ、熱伝導性の良好な材質のものであれば、特に制限はないが、例えば、アルミニウム、SUS、鉄、銅、真鍮等の金属や合金等が挙げられる。
弾性体層12Bの材質としては、弾性体層12Bとして公知の材料の中から適宜選択でき、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いることができる。そして、この弾性体層12Bは、公知の手法によってコア12Aの表面に形成され、その手法については、特に制限がなく、例えば、それ自体公知の注入成型法またはコーティング法等を採用することができる。
離型層12Cは、記録媒体K上の未定着のトナーが定着ロール12側に付着することを好適に防止するために設けられるものであって、その材質としては、耐熱性がありトナーに対し適度な離型性を示すものであれば特に制限はなく、例えば、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フッ素樹脂等が用いられる。
加熱源18としては、図1に示すように、コア12Aの内部に収容することができる形状及び構造のものや、コア12Aの外部に設けることができる形状及び構造のものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、ハロゲンランプ等を用いることができる。この加熱源18により加熱された定着ロール12の表面温度は、例えば、定着ロール12の表面に接触するように温度を検出するための温度センサ(図示省略)を設けて、この温度センサによる温度検知結果に基づいて、定着ロール12の表面温度が所定の温度となるように、加熱源18による定着ロール12の加熱温度を調整するようにすればよい。
このような温度センサとしては、特に制限はなく、例えば、サーミスタ、熱電対等が用いられる。また、制御手段としては、特に制限はなく、たとえば、温度コントローラー、コンピューターなどを用いることができる。
定着ロール12に接触して、定着ロール12との間で記録媒体Kを挟持搬送する上記無端ベルト14としては、無端状で且つシート状であればよく、形状、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択して使用することができる。
無端ベルト14の構造としては、単層構造であっても良いが、本実施の形態においては、図1に示すように、基材14Aの表面に離型層14Bを形成したものが用いられる。
基材14Aの材質としては、例えば、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性ポリマーや、ステンレス、ニッケル、銅等の金属が挙げられるが、本実施例では厚み80μmのポリイミド基材を使用する場合を説明する。
離型層14Bとしては、トナーに対する剥離性に優れていることが好ましく、その材質としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)等のフッ素樹脂が挙げられるが、本実施例では厚み25μmのPFAを用いる場合を説明する。
圧力部材16は、図3に示すように、支持部材16B及び圧力パット16Aから構成されている。圧力パット16Aは、シリコーンゴムやフッ素ゴム等から構成されている。支持部材16Bは、圧力パット16Aを支持するための部材である。
支持部材16Bには、コイルスプリング等の付勢部材20の一端が接続されている。付勢部材20の他端は、金属製の圧力部材16に支持されている。この圧力部材16には、図示を省略する支持部材を介して、無端ベルト14の外周方向への走行を支持するためのガイド部材24が設けられている。
圧力パット16Aは、付勢部材20によって支持部材16Bを介して定着ロール12の外周面に近づく方向へ、所定の圧力(例えば、1〜2kg/cm)で付勢されている。
上記圧力部材16の形状、構造、大きさ等については特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができ、また、単一の部材からなる構造であってもよいし、本実施の形態のように異なる機能を有する複数の部材からなる構造であってもよい。
無端ベルト14の内周側には、無端ベルト14の内周面に潤滑剤を供給するための潤滑剤供給部材26が設けられている。
潤滑剤供給部材26は、無端ベルト14の内周面に接触配置された塗布部材28と、塗布部材28を支持する図示を省略する支持部材と、を含んで構成されている。この塗布部材28には、予め潤滑剤が含浸されている。
塗布部材28としては、耐熱温度が130℃以上、好ましくは、200℃以上の耐熱性を有する材料が用いられ、この塗布部材28としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等からなる不織物を好適に用いることができる。この塗布部材28を支持する支持部材としては、潤滑剤を透過、含浸しないもので、耐熱性が130℃以上であればよく、具体的には、アルミニウム、鉄、ステンレス、銅等の金属や、ポリカーボネート、メラミン樹脂等の耐熱性樹脂を用いることができる。
潤滑剤としては、常温(25℃)、湿度50%RHにおける粘度が50〜3000csであるシリコーンオイルを好適に用いることができる。このようなシリコーンオイルとしては、アミノ変性シリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル等を用いることができる。
潤滑剤の粘度が50cs未満であると、蒸発により無端ベルト14の内周面を潤滑させる機能を満たさなくなり、粘度が3000csより高いと、無端ベルト14の内周面に供給された潤滑剤により無端ベルト14の内周面に接触して設けられている部材との間の摩擦抵抗が増大するという問題が生じる場合がある。
ここで、アミノ変性シリコーンオイルは、以下の一般式(1)に示すように、アミノ基が塩基性を示すため、酸性物質が存在すると、定着ロール12の熱によって反応が促進され、中和によって粘度が増加したり、不溶物を発生させたりする場合がある。

そこで、アミノ変性シリコーンオイルに、下記一般式(2)に示すような構造式の酸化防止剤を500ppm程度添加したヒンダードアミンオイルを用いることにより、下記一般式(3)に示すように、アミノ変性シリコーンオイル中のアミノ基が酸化されて活性ラジカルとなるHを、酸化防止剤のアミンのベンゼン環でトラップ(共鳴)することにより、アミノ変性シリコーンオイルの中和による連鎖反応を抑制することができ、アミノ変性シリコーンオイルが中和によって粘度が増加したり、不溶物を発生させたりするのを抑制することができる。
このため、潤滑剤としては、ヒンダードアミンオイルを用いることが特に好ましい。


潤滑剤が含浸された塗布部材28は、無端ベルト14の軸方向のほぼ全域に当接して設けられている。このため、無端ベルト14の回転に伴って、無端ベルト14の内周面全面に潤滑剤を供給することができる。
無端ベルト14と圧力部材16との間には、無端ベルト14と圧力部材16との間の摩擦を抑制するためのシート状部材30が介在して設けられている。このため、圧力部材16は、シート状部材30を介して、無端ベルト14を定着ロール12へと加圧することで、上記加圧領域Nを形成している。
シート状部材30は、無端ベルト14と圧力部材16との間の、少なくとも上記加圧領域Nを含む領域を覆うように設けられていればよく、図1に示すように、無端ベルト14の軸方向に長尺状でシート状の部材であってもよいし、図4及び図7に示すように、無端ベルト14の周方向に長尺状のシート状の部材であってもよい。
なお、無端ベルト14の裏面と圧力部材16を保持する部材の表面とが摺り合うのを防止するなどの理由から、図4に示すような無端ベルト14の周方向に長い長尺シート状であることが好ましい。
シート状部材30は、例えば、図4及び図7に示すように、無端ベルト14の回転方向(図4中、及び図1中、矢印A方向参照)上流側端部30Aを、支持体22を構成する部材によって挟持されることにより固定されており、加圧領域Nを経由して無端ベルト14の回転方向下流側へ沿って覆うように配設されている。なお、シート状部材30の、無端ベルト14の回転方向下流側端部30Bは、固定せずに自由状態のままであってもよく、固定されていてもよい。
シート状部材30は、図5に示すように、基材31上に、表面層33を積層して構成されている。なお、本実施の形態では、表面層33は、基材31の表裏に設けられる場合を説明するが、少なくとも基材31の無端ベルト14内周面に接触する側に設けられていればよく、基材31の無端ベルト14内周面に接触する側にのみ設けられていてもよい。
基材31は、織物として構成されている。ここで、本発明において「織物」とは、図6に示すように、縦糸32(縦糸32〜縦糸32)と、横糸34(横糸34〜横糸34)と、が直角に一定の規則に従って交錯して織られることにより構成されたものである。
この規則としての、縦糸32と横糸34との交錯状態としての組織には、縦糸32と横糸34とが各々2本ずつで完全組織が作られ縦糸と横糸とが交互に浮沈して交錯する平織、縦糸32と横糸とが各々3本以上から完全組織が作られ平織りに比べて交錯度が少なく地が厚い斜文織、縦糸と横糸とが5本以上で完全組織が作られ交錯点は一定間隔で且つ隣り合わないように配置された朱子織などがある。
これらの組織の種類の中でも製造上、最も簡便に製造できること、また用途上、意匠性や装飾性が必要とされない等の理由から、縦糸と横糸とが交互に浮沈して交錯する平織の布が好ましい。
この縦糸32及び横糸34各々の材質としては、綿、レーヨン、セルロース等の天然高分子繊維、脂肪族ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリイミド、芳香族ポリアミドなどの合成高分子繊維、及びカーボン繊維、ガラス繊維、及びスチールワイヤのうちから選択される少なくとも1種を用いることができる。
これらの材質の中でも、定着装置内の加圧領域にシート状部品を用いるには高強度に加えて、耐熱性、耐屈曲性が必要なため、ガラス繊維を用いることが好ましい。
シート状部材30は、基材31を構成する縦糸32及び横糸34各々の延伸方向の、無端ベルト14の回転方向(図3、図7及び図8中、矢印A方向参照)に対する角度が20°以上70°以下となるように、無端ベルト14と圧力部材16との間に介在して設けられている。
具体的には、図8に示すように、基材31を構成する縦糸32(縦糸32〜縦糸32)の延伸方向(図8中、矢印C方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1、及び基材31を構成する横糸34(34〜34)の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2の各々が、20°以上70°以下となるように、シート状部材30は定着装置10に設けられている。
なお、この基材31を構成する縦糸32及び横糸34各々の延伸方向の、無端ベルト14の回転方向に対する角度は、上述のように、20°以上70°以下であるが、25°以上65°以下であることが更に好ましく、30°以上60°以下であることが特に好ましい。
基材31を構成する縦糸32及び横糸34各々の延伸方向の、無端ベルト14の回転方向に対する角度が20°未満であると、用紙走行方向に対して、織物を交差させ繊維の屈曲を減少させる作用が少なくなるため、縦糸32が主に定着装置内の加圧範囲出口で屈曲され、用紙走行が継続された場合、この屈曲部で表面層に穴があき、オイルが染込んで表面層とガラス繊維布の間にオイル溜りを作ると言う問題が生じる場合がある。また、70°を超えると、20℃未満の場合と同様に、横糸34が主に定着装置内の加圧範囲出口で屈曲されることになる。そして、用紙走行が継続された場合、この屈曲部で表面層に穴があき、オイルが染込んで表面層とガラス繊維布の間にオイル溜りを作ると言う問題が生じる場合がある。
基材31の厚みは、50μm〜1mmが好ましく、より好ましくは、80μm〜200μmである。厚さが50μm未満では、加圧領域N内における摩擦等の摺動ストレスに耐えうる十分な強度が得られず、厚さが1mmを超えると、定着ロール12に対して十分な圧力を均一に与えられず、また加圧領域Nにおける外周方向の幅が均一に得られにくくなる。
基材31上には、表面層33が積層されている。この表面層33が基材31上に積層されていることによって、シート状部材30の表面平滑性を向上させることができ、耐久性の向上や、摺動抵抗の低減を図ることが可能となる。また、表面層33は基材31上の片面に設ける場合と、基材31の両面に設ける場合がある。前者の場合、表面層33はシート状部材30が無端ベルト裏面と摺動する面に設けられる。また、後者の場合は前者に比べて、オイルから圧力部材16を保護する作用が高いシート状部材30を得られるという利点がある(図5)。本発明においては、後者の表面層は基材の両面を設ける場合とする。
表面層33を構成する材料としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)等のフッ素樹脂が挙げられる。
表面層33の厚みは、10μm〜80μmが好ましく、より好ましくは、20μm〜40μmである。フィルム層36の厚みが10μm未満であると、加圧領域N内における摺動ストレスにより、フィルム層36の摩耗が生じ、十分な強度と潤滑剤保持性を得ることができない。また、厚みが80μmを超えると、フッ素樹脂は熱伝導性が低いため、加圧領域N内の伝熱が阻害され、記録媒体KへのトナーTの定着性が悪化する場合がある。
シート状部材30は、上記基材31に対してフッ素樹脂塗料の含浸や、フッ素樹脂からなるフィルム(フッ素樹脂フィルム)を基材31に対して加熱圧着することによって、基材31上に上記表面層33を形成することにより、作製することができる。
以上の構成において、本実施の形態に係る定着装置10では、以下のようにして、無端ベルト14と圧力部材16との間に介在されるシート状部材30の、基材31と表面層33との間に入り込んだ潤滑剤による表面層33の水泡状の膨れを抑制することができ、定着装置10による定着性能の低下を抑制することができる。
すなわち、定着装置10では、図1に示すように、定着ロール12が図示を省略するモーターの駆動によって所定方向(図1中、矢印E方向)に所定の回転速度で回転駆動されると、定着ロール12の回転に従動して、無端ベルト14が回転する(定着ロール12の反回転方向に回転。図1中、矢印A方向)。
このとき、定着ロール12と無端ベルト14との間の加圧領域Nに、未定着トナー像Tを保持した記録媒体Kが存在すると、記録媒体Kは加圧領域Nに取り込まれて、定着ロール12と無端ベルト14とによって挟持搬送される。
定着ロール12と無端ベルト14との間の加圧領域Nにおいては、記録媒体Kが加圧及び加熱される。その結果、未定着トナー像Tは記録媒体K上に加熱加圧定着される。
無端ベルト14の回転が開始されると、無端ベルト14の内周面には、潤滑剤供給部材26によって潤滑剤が供給される。無端ベルト14の内周面に供給、すなわち塗布された潤滑剤は、無端ベルト14の回転に伴って加圧領域Nに到達し、シート状部材30表面(シート状部材30の無端ベルト14に接する側の面)に保持されて、無端ベルト14の内面に除々に供給される。
このように、シート状部材30と無端ベルト14との間に潤滑剤が保持されるので、無端ベルト14とシート状部材30との間には、潤滑剤が介在された状態となるため、圧力部材16により加圧された状態で無端ベルト14が回転することによる無端ベルト14の内周面の摩耗を抑制することができる。
ここで、定着装置10では、シート状部材30が、圧力部材16によって無端ベルト14を介して定着ロール12の設置位置に向かって圧接されることにより、シート状部材30の表面に摩擦が生じて表面層33に穴があき、この穴を介して基材31と表面層33との間に潤滑剤が入り込むことで、表面層33に潤滑剤による水泡のような膨れが発生する場合がある。このような膨れが発生し、膨れが加圧範囲にまで影響を与えるほど、大きくなると、定着装置10に通紙される記録用紙に、膨れが無端ベルト14を介して接触し、定着画像にグロスむら等の画像欠陥が発生したり、記録紙の剥離性が低下して定着不良が発生したりする場合がある。
しかし、本実施の形態の定着装置10に設けられたシート状部材30においては、シート状部材30の基材31が上記織物から構成され、且つこの基材31を構成する縦糸32と横糸34各々の延伸方向の、無端ベルト14の回転方向に対する角度が20°以上70°以下であることから、記録紙の走行方向に対して、織物を交差して配置されることで、繊維の屈曲が減少され、シート部材上の表面層磨耗と膨れの発生が抑制されるために、定着装置における画像ディフェクト発生や記録紙の剥離性低下などの問題発生を防止することができる。
従って、無端ベルト14と圧力部材16との間に介在されるシート状部材30の、基材31と表面層33との間に入り込んだ潤滑剤による表面層33の水泡状の膨れを抑制することができ、定着装置10による定着性能の低下を抑制することができる。
次に、上記定着装置10を備えた画像形成装置50について説明する。
図9に示すように、本発明の画像形成装置50は、所定方向(図9中、矢印F方向)に回転する感光体52を備えている。
感光体52の周辺には、感光体52の回転方向に沿って、帯電装置54、露光装置56、現像装置58、転写装置60、及びクリーニング部材62が設けられている。
帯電装置54は、感光体52の表面を所定電位に帯電する。露光装置56は、帯電装置54によって帯電された感光体52の表面を露光することにより、画像データに応じた静電潜像を形成する。
現像装置58は、静電潜像を現像するためのトナーを含む現像剤を予め貯留すると共に、貯留された現像剤を感光体52表面に供給することにより静電潜像を現像してトナー像を形成する。
転写装置60は、感光体52上に形成されたトナー像を、感光体52との間で記録媒体Kを挟持搬送することにより、記録媒体Kに転写する。
画像形成装置50には、定着装置10が設けられている。転写装置60によってトナー像を転写された記録媒体Kは、転写装置60に図示を省略する搬送機構によって定着装置10へと搬送されると、定着装置10によって、転写されたトナー像を定着される。
クリーニング部材62は、感光体52の表面に接触するように設けられ、感光体52表面との摩擦力によって、表面の付着物を除去する。
所定方向(図9中、矢印F方向)に回転する感光体52の表面は、帯電装置54によって一様に帯電される。
露光装置56は、表面を一様に帯電された感光体52表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する。感光体52の静電潜像の形成された領域が、現像装置58との対向領域に達すると、静電潜像は、現像装置58に貯留された現像剤によって現像される。このように、静電潜像が現像剤によって現像されることにより、感光体52上には、静電潜像に応じたトナー像が形成される。
感光体52上に形成されたトナー像の領域が、感光体52の回転によって転写装置60との対向領域に達すると、この対向領域において、トナー像は記録媒体Kに転写される。記録媒体Kが、図示を省略する搬送ロールによって搬送されて、定着装置10の設置位置に達すると、記録媒体K上に転写されたトナー像は、定着装置10によって加熱加圧処理されて、記録媒体K上に定着される。
本実施の形態の画像形成装置50によれば、定着装置10において、無端ベルト14と圧力部材16との間に介在されるシート状部材30の、基材31と表面層33との間に入り込んだ潤滑剤による表面層33の水泡状の膨れを抑制することができ、定着性能の低下を抑制することができる定着装置10を用いていることから、トナー像の記録媒体Kへの定着時における画質劣化を抑制することができる。
なお、上記定着装置10を搭載した画像形成装置としては、図9に示す画像形成装置50のように、現像装置58と1つの感光体52とを組み合わせたタイプのものであってもよいが、色毎に対応した感光体を複数設けた、所謂タンデム型の画像形成装置であってもよい。
このようなタンデム型の画像形成装置である場合には、上記説明した感光体52、帯電装置54、露光装置56、現像装置58、転写装置60、及びクリーニング部材62を少なくとも含む構成の画像形成ユニットを複数並べて配置し、その各画像形成ユニットの転写部(感光体52と転写装置60との間)で接触して回転するように用紙搬送ベルト(図示省略)を複数のベルト支持ロール(図示省略)間に張架して配設したものであり、その用紙搬送ベルト(図示省略)に吸着して担持した記録媒体Kを各画像形成ユニットの転写部を通過させるように搬送することにより、各画像形成ユニットで形成される各トナー像を同じ記録媒体Kに順次重ねあわせるように転写し、最後に上記定着装置10によって定着させてカラー画像とするものである。
このようなタンデム型の画像形成装置に上記定着装置10を搭載した場合についても上記説明した画像形成装置50と同様に、定着装置10において、無端ベルト14と圧力部材16との間に介在されるシート状部材30の、基材31と表面層33との間に入り込んだ潤滑剤による表面層33の水泡状の膨れを抑制することができ、定着性能の低下を抑制することができる定着装置10を用いていることから、トナー像の記録媒体Kへの定着時における画質劣化を抑制することができる。
以下実施例を交えて、本発明を詳細に説明するが、何ら本発明を限定するものではない。
(実施例1)
基材31として、平織りのガラスクロスファブリック(中興化成工業製、商品名:FGF200−4)を用意し、このガラスクロスファブリックの両面に、表面層33として、厚み25μの変性フッ素樹脂フィルム(変性PTFE)を融着させて、フッ素樹脂被覆ガラス織物の反物を作製した。
次に、このフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、図7に示す形状(長辺34cm(図7中、矢印A方向に直角な方向の最大長)、短辺9cm(図7中矢印A方向の最大長))を、シート打ち抜き用金型を用いて打ち抜き、シート状部材30を作製した。
このとき、打ち抜いた後のシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、定着装置10に搭載したときに無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるようにし、且つ基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の該短辺方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が20°であり、基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が70°となるように、フッ素樹脂皮膜ガラス織物の反物からシート状部材30を打ち抜いた。
次に、画像形成装置として、富士ゼロックス株式会社製(商品名:DocuCentreC6550I)の画像形成装置を用意した。この画像形成装置の定着装置に上記シート状部材30を組み込む改造を施し、図4に示す構造の定着装置を得た。
また、定着装置の稼働条件は下記のように設定した。
・圧力部材16の圧力パット16Aの構成:長さ340mm×幅8.2mm×厚み3.0mm:材質耐熱シリコーンゴム
・定着ロールと無端ベルトとの間の接触領域における、無端ベルトの回転方向の幅(所謂、ニップ幅) :9mm
・定着ロール表面の温度 :185℃
・潤滑剤:ヒンダードアミンオイル(信越化学工業社製、商品名X22−9416、温度25℃湿度50%RH下における粘度30cs)
・塗布部材28:材質:耐熱性ポリアミド繊維、 全長320mm×幅8mm×厚み3mm、上記潤滑剤を4cc含浸させた。(320mm×8mmの面を無端ベルト内周に接触させるように配置した。)
・シート状部材の設置位置:上記作成したシート状部材30を、定着装置10の圧力部材16と無端ベルト14との間に介在するように配置した。そして、シート状部材30の、無端ベルト14の回転方向(図1中、矢印A方向参照)上流側端部30Aを、支持体22を構成する部材によって挟持することにより固定して、加圧領域Nを経由して無端ベルト14の回転方向下流側へ沿って覆うように配設した。さらに、無端ベルト14の無端ベルト14の回転方向下流側端部30Bは、固定せずに自由状態のままとした。
なお、シート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるように、配置した。
このようにシート状部材30を定着装置10に設けることによって、シート状部材30の基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が20°であり、且つ基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が70°となるように、シート状部材30が定着装置10に配設された。
―表面層の膨れ評価―
上記のように構成した画像形成装置において、定着装置を下記(1)〜(3)の工程を1サイクルとする稼働実験を、12万サイクル実行した。
(1)圧力部材16により無端ベルト14を、温度25℃、湿度50%RHの環境下で38kg/cmの加圧力で定着ロール12に圧接。
(2)上記無端ベルト14を定着ロール12に圧接した状態で、定着ロール12無端ベルト14を回転速度320mm/sで2.1秒間回転駆動。
(3)上記(2)の回転駆動を0.2秒間停止した後に、圧力部材16による、無端ベルト14の定着ロール12への圧接を解除(圧接時の無端ベルト14の定着ロール12に対する加圧力:38kg/cm
なお、上記(1)〜(3)の工程を1サイクルとしたときに、1サイクルに要した時間は4.3秒であった。
なお、上記(1)〜(3)における圧力部材16による無端ベルト14の無端ベルト14への加圧、及び加圧解除は、使用した画像形成装置(商品名:DocuCentreC6550I、富士ゼロックス社製)に装備されている定着加圧範囲における加圧及び加圧解除の自動化機構を使用して行った。
上記12万サイクルの稼働実験において、4万サイクル(所要時間 約48時間)毎に定着装置からシート状部材を取り出し、表面層の膨れの発生状態について、以下の評価基準に基づいて目視評価を行った。評価結果を表1に示した。
なお、「表面層の膨れ」とは、表面層上に生じた水泡状の膨れを示す(図10中、膨れ部40参照)。
―表面層膨れ評価基準―
G1:表面層の膨れ無し
G2:表面層の膨れ有り。発生した膨れの内、最大膨れの外径2mm未満。
G3:表面層の膨れ有り。発生した膨れの内、最大膨れの外径2mm以上5mm未満。
G4:表面層の膨れ有り。発生した膨れの内、最大膨れの外径5mm以上10mm未満。
G5:表面層の膨れ有り。発生した膨れの内、最大膨れの外径10mm以上。
―定着性能評価―
上記耐久試験中、4万サイクルごとに画像形成装置を使用して、A4サイズのP紙(富士ゼロックス株式会社製)に、濃度100%の270mm×100mmの黒色画像を100枚プリントする画像形成処理を行った後に、1時間休止する一連の工程を繰り返し、500枚の画像形成テストを行い、画質劣化を評価することにより定着性能の評価を行った。評価結果を表2に示した。
―定着性能評価基準―
◎:オイル膨れによるグロスむらの発生なし
○:オイル膨れによるグロスむら発生率0.1以上1%未満
×:オイル膨れによるグロスむら発生率1%以上5%未満
××:オイル膨れによるグロスむら発生率5%以上10%未満
×××:オイル膨れによるグロスむら発生率10%以上
(実施例2)
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、下記のようにしてシート状部材30を作製するとともに、下記のようにして実施例1で用いた定着装置に作成したシート状部材30を搭載した以外は、実施例1と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、及び定着性能評価を行った。
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、図7に示す形状(長辺34mm(図7中、矢印A方向に直角な方向の最大長)、短辺9mm(図7中矢印A方向の最大長))を、シート打ち抜き用金型を用いて打ち抜き、シート状部材30を作製した。
このとき、打ち抜いた後のシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、定着装置10に搭載したときに無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるようにし、且つ基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の該短辺方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が30°であり、基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が60°となるように、フッ素樹脂皮膜ガラス織物の反物からシート状部材30を打ち抜くことにより、シート状部材30を作製した。
さらに、この作製したシート状部材30を、実施例1と同様にしてシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるように、配置した。
このようにシート状部材30を定着装置10に設けることによって、シート状部材30の基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が30°であり、且つ基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が60°となるように、シート状部材30が定着装置10に配設された。
実施例2の表面層の膨れ評価結果を表1に示し、定着性能評価結果を表2に示した。
(実施例3)
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、下記のようにしてシート状部材30を作製するとともに、下記のようにして実施例1で用いた定着装置に作成したシート状部材30を搭載した以外は、実施例1と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、及び定着性能評価を行った。
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、図7に示す形状(長辺34cm(図7中、矢印A方向に直角な方向の最大長)、短辺9cm(図7中矢印A方向の最大長))を、シート打ち抜き用金型を用いて打ち抜き、シート状部材30を作製した。
このとき、打ち抜いた後のシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、定着装置10に搭載したときに無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるようにし、且つ基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の該短辺方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が40°であり、基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が50°となるように、フッ素樹脂皮膜ガラス織物の反物からシート状部材30を打ち抜くことにより、シート状部材30を作製した。
さらに、この作製したシート状部材30を、実施例1と同様にしてシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるように、配置した。
このようにシート状部材30を定着装置10に設けることによって、シート状部材30の基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が40°であり、且つ基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が50°となるように、シート状部材30が定着装置10に配設された。
実施例3の表面層の膨れ評価結果を表1に示し、定着性能評価結果を表2に示した。
(実施例4)
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、下記のようにしてシート状部材30を作製するとともに、下記のようにして実施例1で用いた定着装置に作成したシート状部材30を搭載した以外は、実施例1と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、及び定着性能評価を行った。
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、図7に示す形状(長辺34cm(図7中、矢印A方向に直角な方向の最大長)、短辺9cm(図7中矢印A方向の最大長))を、シート打ち抜き用金型を用いて打ち抜き、シート状部材30を作製した。
このとき、打ち抜いた後のシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、定着装置10に搭載したときに無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるようにし、且つ基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の該短辺方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が45°であり、基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が45°となるように、フッ素樹脂皮膜ガラス織物の反物からシート状部材30を打ち抜くことにより、シート状部材30を作製した。
さらに、この作製したシート状部材30を、実施例1と同様にしてシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるように、配置した。
このようにシート状部材30を定着装置10に設けることによって、シート状部材30の基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が45°であり、且つ基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が45°となるように、シート状部材30が定着装置10に配設された。
実施例4の表面層の膨れ評価結果を表1に示し、定着性能評価結果を表2に示した。
(実施例5)
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、下記のようにしてシート状部材30を作製するとともに、下記のようにして実施例1で用いた定着装置に作成したシート状部材30を搭載した以外は、実施例1と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、及び定着性能評価を行った。
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、図7に示す形状(長辺34cm(図7中、矢印A方向に直角な方向の最大長)、短辺9cm(図7中矢印A方向の最大長))を、シート打ち抜き用金型を用いて打ち抜き、シート状部材30を作製した。
このとき、打ち抜いた後のシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、定着装置10に搭載したときに無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるようにし、且つ基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の該短辺方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が50°であり、基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が40°となるように、フッ素樹脂皮膜ガラス織物の反物からシート状部材30を打ち抜くことにより、シート状部材30を作製した。
さらに、この作製したシート状部材30を、実施例1と同様にしてシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるように、配置した。
このようにシート状部材30を定着装置10に設けることによって、シート状部材30の基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が50°であり、且つ基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が40°となるように、シート状部材30が定着装置10に配設された。
実施例5の表面層の膨れ評価結果を表1に示し、定着性能評価結果を表2に示した。
(実施例6)
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、下記のようにしてシート状部材30を作製するとともに、下記のようにして実施例1で用いた定着装置に作成したシート状部材30を搭載した以外は、実施例1と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、定着性能評価を行った。
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、図7に示す形状(長辺34cm(図7中、矢印A方向に直角な方向の最大長)、短辺9cm(図7中矢印A方向の最大長))を、シート打ち抜き用金型を用いて打ち抜き、シート状部材30を作製した。
このとき、打ち抜いた後のシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、定着装置10に搭載したときに無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるようにし、且つ基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の該短辺方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が60°であり、基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が30°となるように、フッ素樹脂皮膜ガラス織物の反物からシート状部材30を打ち抜くことにより、シート状部材30を作製した。
さらに、この作製したシート状部材30を、実施例1と同様にしてシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるように、配置した。
このようにシート状部材30を定着装置10に設けることによって、シート状部材30の基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が60°であり、且つ基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が30°となるように、シート状部材30が定着装置10に配設された。
実施例6の表面層の膨れ評価結果を表1に示し、定着性能評価結果を表2に示した。
(実施例7)
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、下記のようにしてシート状部材30を作製するとともに、下記のようにして実施例1で用いた定着装置に作成したシート状部材30を搭載した以外は、実施例1と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価を行った。
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、図7に示す形状(長辺34cm(図7中、矢印A方向に直角な方向の最大長)、短辺9cm(図7中矢印A方向の最大長))を、シート打ち抜き用金型を用いて打ち抜き、シート状部材30を作製した。
このとき、打ち抜いた後のシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、定着装置10に搭載したときに無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるようにし、且つ基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の該短辺方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が70°であり、基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が20°となるように、フッ素樹脂皮膜ガラス織物の反物からシート状部材30を打ち抜くことにより、シート状部材30を作製した。
さらに、この作製したシート状部材30を、実施例1と同様にしてシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるように、配置した。
このようにシート状部材30を定着装置10に設けることによって、シート状部材30の基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が70°であり、且つ基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が20°となるように、シート状部材30が定着装置10に配設された。
実施例7の表面層の膨れ評価結果を表1に示し、定着性能評価結果を表2に示した。
(比較例1)
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、下記のようにしてシート状部材30を作製するとともに、下記のようにして実施例1で用いた定着装置に作成したシート状部材30を搭載した以外は、実施例1と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、及び定着性能評価を行った。
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、図7に示す形状(長辺34cm(図7中、矢印A方向に直角な方向の最大長)、短辺 9cm(図7中矢印A方向の最大長))を、シート打ち抜き用金型を用いて打ち抜き、シート状部材30を作製した。
このとき、打ち抜いた後のシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、定着装置10に搭載したときに無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるようにし、且つ基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の該短辺方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が0°であり、基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が90°となるように、フッ素樹脂皮膜ガラス織物の反物からシート状部材30を打ち抜くことにより、シート状部材30を作製した。
さらに、この作製したシート状部材30を、実施例1と同様にしてシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるように、配置した。
このようにシート状部材30を定着装置10に設けることによって、シート状部材30の基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が0°であり、且つ基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が90°となるように、シート状部材30が定着装置10に配設された。
比較例1の表面層の膨れ評価結果を表1に示し、定着性能評価結果を表2に示した。
(比較例2)
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、下記のようにしてシート状部材30を作製するとともに、下記のようにして実施例1で用いた定着装置に作成したシート状部材30を搭載した以外は、実施例1と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、及び定着性能評価を行った。
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、図7に示す形状(長辺34cm(図7中、矢印A方向に直角な方向の最大長)、短辺9cm(図7中矢印A方向の最大長))を、シート打ち抜き用金型を用いて打ち抜き、シート状部材30を作製した。
このとき、打ち抜いた後のシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、定着装置10に搭載したときに無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるようにし、且つ基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の該短辺方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が10°であり、基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が80°となるように、フッ素樹脂皮膜ガラス織物の反物からシート状部材30を打ち抜くことにより、シート状部材30を作製した。
さらに、この作製したシート状部材30を、実施例1と同様にしてシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるように配置した。
このようにシート状部材30を定着装置10に設けることによって、シート状部材30の基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が10°であり、且つ基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が80°となるように、シート状部材30が定着装置10に配設された。
比較例2の表面層の膨れ評価結果を表1に示し、定着性能評価結果を表2に示した。
(比較例3)
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、下記のようにしてシート状部材30を作製するとともに、下記のようにして実施例1で用いた定着装置に作成したシート状部材30を搭載した以外は、実施例1と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、及び定着性能評価を行った。
実施例1で作製したフッ素樹脂被覆ガラス織物の反物から、図7に示す形状(長辺34cm(図7中、矢印A方向に直角な方向の最大長)、短辺9cm(図7中矢印A方向の最大長))を、シート打ち抜き用金型を用いて打ち抜き、シート状部材30を作製した。
このとき、打ち抜いた後のシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、定着装置10に搭載したときに無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるようにし、且つ基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の該短辺方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が80°であり、基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が10°となるように、フッ素樹脂皮膜ガラス織物の反物からシート状部材30を打ち抜くことにより、シート状部材30を作製した。
さらに、この作製したシート状部材30を、実施例1と同様にしてシート状部材30の短辺方向(図7中、矢印A方向)が、無端ベルト14の回転方向(図1及び図4中、矢印A方向)と同一となるように、配置した。
このようにシート状部材30を定着装置10に設けることによって、シート状部材30の基材31を構成する縦糸32の延伸方向(図8中、矢印C方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ1が80°であり、且つ基材31を構成する横糸34の延伸方向(図8中、矢印D方向)の、無端ベルト14の回転方向(図8中、矢印A方向)に対する角度θ2が10°となるように、シート状部材30が定着装置10に配設された。
比較例3の表面層の膨れ評価結果を表1に示し、定着性能評価結果を表2に示した。
(実施例8)
実施例1で作製したシート状部材30の稼働実験において、圧力部材16による無端ベルト14から定着ロール12への加圧力を、42kg/cmとした以外は、実施例1で作製したシート状部材30を用いて実施例1と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、及び定着性能評価を行った。実施例8の表面層の膨れ評価結果を表3に示し、定着性能評価結果を表4に示した。
(実施例9)
実施例2で作製したシート状部材30の稼働実験において、圧力部材16による無端ベルト14から定着ロール12への加圧力を、42kg/cmとした以外は、実施例2で作製したシート状部材30を用いて実施例2と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、及び定着性能評価を行った。実施例9の表面層の膨れ評価結果を表3に示し、定着性能評価結果を表4に示した。
(実施例10)
実施例3で作製したシート状部材30の稼働実験において、圧力部材16による無端ベルト14から定着ロール12への加圧力を、42kg/cmとした以外は、実施例3で作製したシート状部材30を用いて実施例3と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、及び定着性能評価を行った。実施例10の表面層の膨れ評価結果を表3に示し、定着性能評価結果を表4に示した。
(実施例11)
実施例4で作製したシート状部材30の稼働実験において、圧力部材16による無端ベルト14から定着ロール12への加圧力を、42kg/cmとした以外は、実施例4で作製したシート状部材30を用いて実施例4と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、及び定着性能評価を行った。実施例11の表面層の膨れ評価結果を表3に示し、定着性能評価結果を表4に示した。
(実施例12)
実施例5で作製したシート状部材30の稼働実験において、圧力部材16による無端ベルト14から定着ロール12への加圧力を、42kg/cmとした以外は、実施例5で作製したシート状部材30を用いて実施例5と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、及び定着性能評価を行った。実施例12の表面層の膨れ評価結果を表3に示し、定着性能評価結果を表4に示した。
(実施例13)
実施例6で作製したシート状部材30の稼働実験において、圧力部材16による無端ベルト14から定着ロール12への加圧力を、42kg/cmとした以外は、実施例6で作製したシート状部材30を用いて実施例6と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、及び定着性能評価を行った。実施例13の表面層の膨れ評価結果を表3に示し、定着性能評価結果を表4に示した。
(実施例14)
実施例7で作製したシート状部材30の稼働実験において、圧力部材16による無端ベルト14から定着ロール12への加圧力を、42kg/cmとした以外は、実施例7で作製したシート状部材30を用いて実施例7と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、及び定着性能評価を行った。実施例14の表面層の膨れ評価結果を表3に示し、定着性能評価結果を表4に示した。
(比較例4)
比較例1で作製したシート状部材30の稼働実験において、圧力部材16による無端ベルト14から定着ロール12への加圧力を、42kg/cmとした以外は、比較例1で作製したシート状部材30を用いて比較例1と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、及び定着性能評価を行った。比較例4の表面層の膨れ評価結果を表3に示し、定着性能評価結果を表4に示した。
(比較例5)
比較例2で作製したシート状部材30の稼働実験において、圧力部材16による無端ベルト14から定着ロール12への加圧力を、42kg/cmとした以外は、比較例2で作製したシート状部材30を用いて比較例2と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、及び定着性能評価を行った。比較例5の表面層の膨れ評価結果を表3に示し、定着性能評価結果を表4に示した。
(比較例6)
比較例3で作製したシート状部材30の稼働実験において、圧力部材16による無端ベルト14から定着ロール12への加圧力を、42kg/cmとした以外は、比較例3で作製したシート状部材30を用いて比較例3と同様にして稼働実験を行い、表面層の膨れ評価、及び定着性能評価を行った。比較例6の表面層の膨れ評価結果を表3に示し、定着性能評価結果を表4に示した。




表面層膨れ評価結果について、比較例1〜比較例3では、表1に示すように、実施例1〜実施例7に比べて、表面層の膨れ発生が早い段階(低サイクル数)で発生すると共に、サイクル数の増大に伴って発生した膨れ外径Φの増大率が大きいことが分かる。
このため、実施例1〜実施例7においては、比較例1〜比較例3に比べて表面層の膨れ発生を抑制することができているといえる。
同様に、比較例4〜比較例6では、表3に示すように、実施例8〜実施例14に比べて、表面層の膨れ発生が早い段階(低サイクル数)で発生すると共に、サイクル数の増大に伴って発生した膨れ外径Φの増大率が大きいことが分かる。
このため、実施例8〜実施例14においては、比較例4〜比較例6に比べて表面層の膨れ発生を抑制することができているといえる。
定着性能評価について、
比較例1〜比較例3では、表2に示すように、実施例1〜実施例7に比べて、膨れに起因する画像むらが早い段階(低サイクル数)で発生すると共に、サイクル数の増大に伴って、出力サンプル内における発生率が顕著に増加していることが分かる。
このため、実施例1〜実施例7においては、比較例1〜比較例3に比べて画像むら発生を抑制することができているといえる。
同様に、比較例4〜比較例6では、表4に示すように、実施例8〜実施例14に比べて、画像むらが早い段階(低サイクル数)で発生すると共に、出力サンプル内における発生率が顕著に増加していることが分かる。
このため、実施例1〜実施例14では、比較例1〜比較例6に比べて、定着性能の低下を抑制することができるといえる。
本実施の形態の定着装置を示す概略構成図である。 定着ロールの断面を示す模式図である。 本実施の形態の定着装置の要部を示す概略構成図である。 本実施の形態の定着装置の要部を示す概略構成図である。 シート状部材の断面を示す模式図である。 シート状部材の基材を構成する縦糸と横糸との交錯状態を示す模式図である。 シート状部材を示す概略模式図である。 シート状部材の基材を構成する縦糸と横糸各々の延伸方向各々の、無端ベルトの回転方向に対する角度を示す模式図である。 本実施の形態の画像形成装置を示す模式図である。 シート状部材の表面層に発生した膨れ部を示す画像である。
符号の説明
10 定着装置
12 定着ロール
14 無端ベルト
16 圧力部材
26 潤滑剤供給部材
30 上記シート状部材
50 画像形成装置
52 感光体
54 帯電装置
56 露光装置
58 現像装置
60 転写装置

Claims (8)

  1. 回転可能に配設された定着ローラと、
    前記定着ローラに接触して回転する無端ベルトと、
    前記無端ベルトの内側に配置され、前記無端ベルトを前記定着ローラに圧接させる圧力部材と、
    前記無端ベルトの内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、
    前記圧力部材と前記無端ベルトとの間に介在され、縦糸と前記縦糸に対して交差するように織り込まれた横糸とを有する織物からなる基材と、前記基材の両面に積層された表面層と、を有し、前記縦糸の延伸方向及び前記横糸の延伸方向各々の前記無端ベルトの回転方向に対する角度が20°以上70°以下であるシート状部材と、
    を備えた定着装置。
  2. 前記縦糸の延伸方向及び前記横糸の延伸方向各々の前記無端ベルトの回転方向に対する角度が30°以上60°以下であるシート状部材を備えた請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記縦糸の延伸方向及び前記横糸の延伸方向各々の前記無端ベルトの回転方向に対する角度が40°以上50°以下であるシート状部材を備えた請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記基材の材質がガラス繊維であり、表面層がフッ素樹脂フィルムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 像保持体と、
    前記像保持体に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記静電潜像をトナーにより現像して前記像保持体上にトナー像を形成する現像手段と、
    前記像保持体上のトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    回転可能に配設された定着ローラと、前記定着ローラに接触して回転し該定着ローラとの間で前記記録媒体を挟持搬送する無端ベルトと、前記無端ベルトの内側に配置され、前記無端ベルトを前記定着ローラに圧接させる圧力部材と、前記無端ベルトの内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、前記圧力部材と前記無端ベルトとの間に介在され、縦糸と前記縦糸に対して交差するように織り込まれた横糸とを有する織物からなる基材と、前記基材の両面に積層された表面層と、を有し、前記縦糸の延伸方向及び前記横糸の延伸方向各々の前記無端ベルトの回転方向に対する角度が20°以上70°以下であるシート状部材と、を有し、前記記録媒体に転写されたトナー像を該記録媒体に定着させる定着装置と、
    を備えた画像形成装置。
  6. 前記縦糸の延伸方向及び前記横糸の延伸方向各々の前記無端ベルトの回転方向に対する角度が30°以上60°以下であるシート状部材を有する定着装置を備えた請求項に記載の画像形成装置。
  7. 前記縦糸の延伸方向及び前記横糸の延伸方向各々の前記無端ベルトの回転方向に対する角度が40°以上50°以下であるシート状部材を有する定着装置を備えた請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記基材の材質がガラス繊維であり、表面層がフッ素樹脂フィルムである請求項5〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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