JP4984501B2 - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び半導体装置に関するものである。例えば、高い耐湿信頼性や高温保管性が求められる車載用等屋外使用機器に使用される半導体装置に好適に用いられる。
従来から半導体装置は、耐熱性・耐湿信頼性に優れたエポキシ樹脂、フェノール樹脂等の硬化剤、溶融シリカ、結晶シリカ等の無機充填材を配合したエポキシ樹脂組成物を混合及び/又は溶融混練してなるエポキシ樹脂成形材料を用いて封止されている。ところが集積回路の高集積化に伴い半導体素子が大型化し、かつ半導体装置はTSOP、TQFP、BGA等の表面実装型に変わってきており、半田をリフローする際の熱応力は従来よりも厳しくなっている。表面実装型半導体装置では、実装時の熱応力により半導体装置のクラック、半導体素子やその他の構成部材とエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面での剥離と言った問題が生じ易く、耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物が強く求められてきた。更に、近年の環境問題に対して、半導体装置の実装に用いる半田に含まれる鉛を無くす方向になってきており、それに伴い、半田リフロー処理の温度が従来より高くなり、より高い耐半田リフロー性が必要になっている。そのため、これら表面実装型半導体装置に使用されるエポキシ樹脂組成物として、従来のオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂系よりも、より強靱な、低吸湿性の少ない樹脂系が要求されている。
一方、半導体装置は自動車等屋外使用機器においても多数搭載されるようになってきており、屋内機器で用いられた場合、より一層厳しい環境に耐える信頼性を要求される様になっている。高温又は多湿下ではエポキシ樹脂組成物に含まれる塩素イオン等のイオン性不純物が動きやすくなるため、半導体回路の腐食が進み易く、従来の半導体封止用エポキシ樹脂組成物では、車載用途での必須要求項目である耐湿信頼性及び150℃程度の高温雰囲気下でも半導体装置がその機能を維持できる保存信頼性(以下、高温保管性という)に難点があった。これら耐湿信頼性や高温保管性の不良原因となるエポキシ樹脂組成物に含まれるイオン性不純物を捕捉するために、Bi系無機化合物を含んだイオン捕捉剤を配合する提案がなされているが(例えば、特許文献1参照。)、Bi系無機化合物を使用した場合には耐湿信頼性や高温保管性の両立が必ずしも充分でなかった。また他のイオン捕捉剤として、ハイドロタルサイト類化合物を用いて陰イオン性不純物を捕捉する提案もなされているが(例えば、特許文献2、3参照。)、これを配合したエポキシ樹脂組成物は高温保管性の向上は認められるものの、ハイドロタルサイト類化合物がイオン性不純物を十分に捕捉することができないため、十分な耐湿信頼性向上の効果が得られなかった。
特開平11−240937号公報(第2〜11頁) 特開平09−157497号公報(第2〜6頁) 特開平09−169830号公報(第2〜6頁)
本発明は、耐半田リフロー性、耐湿信頼性、高温保管性に優れた半導体装置を与える半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いた半導体装置を提供するものである。
本発明は、
[1] 一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(a1)を含むエポキシ樹脂(A)、一般式(2)で示されるフェノール樹脂(b1)を含む硬化剤(B)、及び活性アルミナ(C)を必須成分として含み、前記活性アルミナ(C)中の全NaO量が0.3重量%以下であり、活性アルミナ(C)の配合量が全エポキシ樹脂組成物中に0.01重量%以上、0.5重量%以下であることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
Figure 0004984501
(但し、上記一般式(1)中、R1、R2は水素又は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同一であっても異なっていてもよい。aは0〜3の整数、bは0〜4の整数。nは平均値で、1〜5の正数。)
Figure 0004984501
(但し、上記一般式(2)中、R1、R2は水素又は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同一であっても異なっていてもよい。aは0〜3の整数、bは0〜4の整数。nは平均値で、1〜5の正数。)
[2] 前記活性アルミナ(C)が、バイヤー法又は水中放電法で製造された水酸化アルミニウムを、焼成して製造された活性アルミナである第[1]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[3] 前記活性アルミナ(C)が多孔質の活性アルミナである第[1]項又は第[2]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[4] 前記活性アルミナ(C)の比表面積が30m/g以上、400m/g以下である第[1]項ないし第[3]項のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
] さらに硬化促進剤(D)を含むものである第[1]項ないし第[]項のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
] さらに前記活性アルミナ(C)以外の無機充填材(E)を含むものである第[1]項ないし第[]項のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
] 第[1]項ないし第[]項のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を混合及び/又は溶融混練してなる半導体封止用エポキシ樹脂成形材料、
] 第[]項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置、
である。
本発明のエポキシ樹脂組成物を混合及び/又は溶融混練してなる半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて半導体素子を封止すると、耐半田リフロー性に優れ、かつ従来技術では両立が困難であった耐湿信頼性と高温保管性が共に優れている半導体装置を得ることができるものである。
本発明は、一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(a1)を含むエポキシ樹脂(A)、一般式(2)で示されるフェノール樹脂(b1)を含む硬化剤(B)、及び活性アルミナ(C)を必須成分として含み、前記活性アルミナ(C)中の全Na2O量が0.3重量%以下であることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物を混合及び/又は溶融混練してなる半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて半導体素子を封止することにより、耐半田リフロー性、耐湿信頼性、高温保管性が優れた半導体装置が得られるものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられる一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(a1)は、エポキシ基間に疎水性で剛直なビフェニレン骨格を有しており、これを用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は吸湿率が低く、ガラス転移温度(以下、Tgという)を越えた高温域での弾性率が低く、半導体素子、有機基板、及び金属基板との密着性に優れる。また架橋密度が低い割には耐熱性が高いという特徴を有している。
Figure 0004984501
(但し、上記一般式(1)中、R1、R2は水素又は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同一であっても異なっていてもよい。aは0〜3の整数、bは0〜4の整数。nは平均値で、1〜5の正数。)
一般式(1)中のnは平均値で、1〜5の正数、好ましくは1〜3の正数である。nが上記範囲内であると、エポキシ樹脂組成物の硬化性の低下を引き起こす恐れが少ない。また、nが上記範囲内であると、樹脂粘度の上昇によるエポキシ樹脂組成物の流動性の低下を引き起こす恐れが少なく、より一層の低吸湿化、低そり化のための無機充填材の高充填化が可能となる。一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(a1)としては、例えばフェノールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられるが、式(1)の構造であれば特に限定するものではない。一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(a1)は、1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
本発明では、一般式(1)示されるエポキシ樹脂(a1)を用いることによる効果が損なわれない範囲で、他のエポキシ樹脂と併用することができる。併用できるエポキシ樹脂としては、例えばビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェニレン骨格を含むフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種類を単独で用いても2種以上を併用しても良い。半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物における耐湿信頼性を考慮すると、イオン性不純物であるNaイオンやClイオンが極力少ない方が好ましく、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化性の点からエポキシ当量としては100〜500g/eqが好ましい。
本発明で用いられる一般式(2)で示されるフェノール樹脂(b1)は、フェノール性水酸基間に疎水性で剛直なビフェニレン骨格を有しており、これを用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は、低反りの特徴を有し、また吸湿率が低く、Tgを越えた高温域での弾性率が低く、半導体素子、有機基板、及び金属基板との密着性に優れる。また架橋密度が低い割には耐熱性が高いという特徴を有している。
Figure 0004984501
(但し、上記一般式(2)中、R1、R2は水素又は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同一であっても異なっていてもよい。aは0〜3の整数、bは0〜4の整数。nは平均値で、1〜5の正数。)
一般式(2)中のnは平均値で、1〜5の正数、好ましくは1〜3の正数である。nが上記範囲内であると、エポキシ樹脂組成物の硬化性の低下を引き起こす恐れが少ない。また、nが上記範囲内であると、樹脂粘度の上昇によるエポキシ樹脂組成物の流動性の低下を起こすことがなく、より一層の低吸湿化、低そり化のための無機充填材の高充填化が可能となる。一般式(2)で示されるフェノール樹脂(b1)としては、例えばフェノールビフェニルアラルキル樹脂などが挙げられるが、式(2)の構造であれば特に限定するものではない。一般式(2)で示されるフェノール樹脂(b1)は、1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
本発明では、一般式(2)で示されるフェノール樹脂(b1)を用いることによる効果が損なわれない範囲で、他の硬化剤と併用することができる。併用できる硬化剤としては、エポキシ樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定されず、それらの具体例としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、トリフェノールメタン樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェニレン骨格を含むフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格を含む)等のフェノール系樹脂、ビスフェノールA等のビスフェノール化合物、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物、並びにメタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン等が挙げられる。これらの硬化剤の中でも特にフェノール系樹脂を用いることが好ましく、更に硬化性の点から水酸基当量が90〜250g/eqのフェノール系樹脂がより好ましい。これらの硬化剤は、1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
併用する硬化剤としてもフェノール系樹脂を用いる場合において、全エポキシ樹脂と全フェノール系樹脂との配合量としては、全エポキシ樹脂のエポキシ基数(EP)と全フェノール系樹脂のフェノール性水酸基数(OH)との当量比(EP/OH)で、0.9以上、1.2以下が好ましい。上記範囲内であると、エポキシ樹脂組成物の硬化性の低下、或いは硬化物のガラス転移温度の低下、耐湿信頼性の低下等を引き起こす恐れが少ない。
本発明に用いられる活性アルミナ(C)は、全Na2O量が0.3重量%以下であることを必須とする。全Na2O量が上記範囲内であると、活性アルミナから溶出したナトリウムイオンにより半導体回路の腐食が起こりやすくなって、半導体装置の耐湿信頼性が低下するのを抑えることができる。全Na2O量が0.3重量%以下である活性アルミナ(C)は、バイヤー法、あるいは水中放電法で製造された全Na2O量が0.3重量%以下である水酸化アルミニウムを焼成すること等によって得られる。活性アルミナの全Na2O量は、以下の方法で求めることができる。活性アルミナを希硫酸で加熱溶解し、得られた溶液からJIS H1901−1977準拠の炎光光度法によりナトリウム量を測定し、Na2O換算する。
本発明に用いられる活性アルミナ(C)は、30m2/gを超える大きな比表面積をもつ多孔質の構造を持ち、この極めて大きな表面に無機イオン、水、低分子有機化合物を吸着することができるため、イオン捕捉剤として作用するものである。活性アルミナを添加することにより、エポキシ樹脂組成物の硬化物中のイオン性不純物が活性アルミナに吸着されるため、耐湿信頼性、高温保管性が向上する。イオン性不純物の吸着能、エポキシ樹脂組成物としての耐湿信頼性、高温保管性及び流動性のバランス等の観点から、上記のような活性アルミナのうち、平均比表面積が30m2/g以上、400m2/g以下である多孔質の活性アルミナがより好ましい。
本発明に用いられる活性アルミナ(C)の配合量としては、全エポキシ樹脂組成物中に0.01重量%以上、5重量%以下が好ましく、0.05重量%以上、4重量%以下がより好ましい。上記範囲内であると、充分なイオン捕捉効果が得られ、半導体装置の耐湿信頼性の向上を図ることができる。また、上記範囲内であると、吸湿率が大きくなって、耐半田リフロー性が低下するのを抑えることができる。耐湿信頼性、高温保管性を維持できる範囲であれば活性アルミナ以外のイオン捕捉剤を併用しても良い。
本発明に用いることができる硬化促進剤(D)としては、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を促進させるものであればよく、一般に封止材料に使用されているものを広く使用することができる。例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のジアザビシクロアルケン及びその誘導体、トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン等のアミン系化合物、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ安息香酸ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイックアシッドボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイルオキシボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフチルオキシボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート等が挙げられるが、これらに限定するものではない。これらの硬化促進剤は、1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
本発明に用いることができる前記活性アルミナ(C)以外の無機充填材(E)としては、特に限定するものではないが、例えば、溶融シリカ、球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、多孔質シリカ、2次凝集シリカ又は多孔質シリカを粉砕したシリカ、アルミナ、窒化珪素等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。特に溶融シリカ、結晶シリカが好ましい。また、無機充填材の形状としては、破砕状でも球状でもかまわないが、流動特性、機械強度及び熱的特性のバランスの点から球状溶融シリカが好ましい。また、無機充填材の粒度分布としては、流動性をよくするために、できるだけブロードであることが好ましい。更に、カップリング剤等で予め表面処理をしたものを用いても差し支えない。
前記活性アルミナ(C)を含めた全無機充填材の配合量としては、成形性と信頼性のバランスから、全エポキシ樹脂組成物中に70重量%以上、95重量%以下が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記(A)〜(E)成分の他、必要に応じて、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシランカップリング剤や、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤等のカップリング剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、カルナバワックス等の天然ワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス、ステアリン酸やステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸及びその金属塩類若しくはパラフィン等の離型剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、フォスファゼン等の難燃剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力添加剤、等の種々の添加剤を適宜配合しても差し支えない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(E)成分、及びその他の添加剤等を、例えば、ミキサー等を用いて充分に均一に常温混合した後、更に熱ロール又はニーダー等で溶融混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂成形材料とすることができる。これらのエポキシ樹脂組成物を混合及び/又は溶融混練してなるエポキシ樹脂成形材料は、電気部品あるいは電子部品であるトランジスタ、集積回路等の被覆、絶縁、封止等に適用することができる。
本発明のエポキシ樹脂成形材料を用いて、半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の従来からの成形方法で成形硬化すればよい。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。配合割合は重量部とする。
なお、実施例、及び比較例で用いたエポキシ樹脂、フェノール樹脂の略号及び構造、イオン捕捉剤の内容を以下にまとめて示す。
エポキシ樹脂(E−1):式(5)で表されるエポキシ樹脂
(日本化薬(株)製、NC3000、軟化点58℃、エポキシ当量274、式(5)においてn=2.3)
Figure 0004984501
エポキシ樹脂(E−2):オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(日本化薬(株)製、EOCN1020、軟化点55℃、エポキシ当量196)
フェノール樹脂(H−1):式(6)で表されるフェノール樹脂
(明和化成(株)製、MEH−7851SS、軟化点65℃、水酸基当量203、式(5)においてn=1.6)
Figure 0004984501
フェノール樹脂(H−2):フェノールノボラック樹脂
(住友ベークライト(株)製、PR−HF−3、軟化点80℃、水酸基当量104)
イオン捕捉剤(IC−1):バイヤー法で製造された水酸化アルミニウムを焼成して製造された多孔質の活性アルミナ(平均粒径8.6μm、比表面積230m2/g、全Na2O量0.2重量%)
イオン捕捉剤(IC−2):水中放電法で製造された水酸化アルミニウムを焼成して製造された多孔質の活性アルミナ(平均粒径0.5μm、比表面積48m2/g、全Na2O量0.001重量%)
イオン捕捉剤(IC−3):バイヤー法で製造された水酸化アルミニウムを焼成して製造された多孔質の活性アルミナ(平均粒径20.5μm、比表面積260m2/g、全Na2O量0.4重量%)
イオン捕捉剤(IC−4):BiO1.0(OH)0.7(NO30.3 (Bi系無機化合物、東亞合成(株)製、IXE−500)
イオン捕捉剤(IC−5):ハイドロタルサイト系化合物(協和化学工業(株)製、DHT−4H)
実施例1
エポキシ樹脂(E−1) 7.29重量部
フェノール樹脂(H−1) 5.41重量部
イオン捕捉剤(IC−1) 0.50重量部
トリフェニルホスフィン(以下、TPPという) 0.15重量部
溶融球状シリカ(平均粒径26.5μm) 85.00重量部
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(以下、エポキシシランという)
0.20重量部
カーボンブラック 0.30重量部
カルナバワックス 0.40重量部
を常温でミキサーを用いて混合し、70〜100℃でロール混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂成形材料を得た。得られたエポキシ樹脂成形材料を用いて以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
吸湿率:低圧トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒の条件で、直径50mm、厚さ3mmの円盤状試験片を成形した。ポストキュアとして175℃で8時間加熱処理した。試験片の吸湿処理前の重量と、85℃、相対湿度85%の環境下で168時間加湿処理した後の重量を測定し、試験片の吸湿率を百分率で示した。単位は重量%。
耐半田リフロー性:低圧トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒の条件で、80pQFP(厚さ2.0mm、チップサイズ6.0mm×6.0mm)を成形した。ポストキュアとして175℃で8時間加熱処理したパッケージ6個を、85℃、相対湿度60%の環境下で168時間加湿処理した後、IRリフロー処理(240℃)を行った。処理後の内部の剥離又はクラックの有無を超音波探傷装置で観察し、不良パッケージの個数を示す。
高温保管性:低圧トランスファー成形機を用いて、成形温度175℃、圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で、16pDIP(チップサイズ3.0mm×3.5mm)を成形し、アフターベークとして175℃、8時間加熱処理した後、高温保管試験(185℃、1000時間)を行い、配線間の電気抵抗値が初期値に対し20%増加したパッケージを不良と判定した。15個のパッケージ中の不良個数を示す。
耐湿信頼性:低圧トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒の条件で、16pDIP(チップサイズ3.0mm×3.5mm)を成形し、ポストキュアとして175℃で8時間加熱処理した後、プレッシャークッカー試験(125℃、圧力2.2×105Pa、1000時間)を行い、回路の断線によるオープン不良を測定した。15個のパッケージ中の不良個数を示す。
実施例2、3、5、、参考例4、比較例1〜6
表1、表2に従って配合し、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂成形材料を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表1、表2に示す。
Figure 0004984501


Figure 0004984501
実施例1〜3、5、6は、NaO量が0.3重量%以下である活性アルミナの種類や添加量を変えたもの、或いは、樹脂の種類を一部変えたものを含むが、いずれも、良好な耐半田リフロー性、耐湿信頼性、高温保管性が得られた。これに対し、NaO量が0.4重量%と多い活性アルミナを用いた比較例1と比較例4は、耐湿信頼性が著しく劣る結果となった。また、NaO量が0.3重量%以下である活性アルミナの代わりにBi系無機化合物を用いた比較例2は、高温保管性が著しく劣る結果となった。また、NaO量が0.3重量%以下である活性アルミナの代わりにハイドロタルサイト系化合物を用いた比較例3は、耐湿信頼性が著しく劣る結果となった。更に、一般式(1)で示されるエポキシ樹脂及び一般式(2)で示されるフェノール樹脂を用いていない比較例5と比較例6は、耐半田リフロー性が著しく劣る結果となった。以上のとおり、本発明のエポキシ樹脂組成物を混合及び/又は溶融混練してなる半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて半導体素子を封止すると、耐半田リフロー性に優れ、かつ従来技術では両立が困難であった耐湿信頼性と高温保管性が共に優れた半導体装置が得られることがわかる。
本発明に従うと、従来技術では得られなかった、耐半田リフロー性、耐湿信頼性、高温保管性の全てに優れた半導体装置を得ることができるため、車載用途など高温環境下で使用される半導体装置に好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(a1)を含むエポキシ樹脂(A)、一般式(2)で示されるフェノール樹脂(b1)を含む硬化剤(B)、及び活性アルミナ(C)を必須成分として含み、前記活性アルミナ(C)中の全NaO量が0.3重量%以下であり、活性アルミナ(C)の配合量が全エポキシ樹脂組成物中に0.01重量%以上、0.5重量%以下であることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 0004984501
    (但し、上記一般式(1)中、R1、R2は水素又は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同一であっても異なっていてもよい。aは0〜3の整数、bは0〜4の整数。nは平均値で、1〜5の正数。)
    Figure 0004984501
    (但し、上記一般式(2)中、R1、R2は水素又は炭素数1〜4のアルキル基で、互いに同一であっても異なっていてもよい。aは0〜3の整数、bは0〜4の整数。nは平均値で、1〜5の正数。)
  2. 前記活性アルミナ(C)が、バイヤー法又は水中放電法で製造された水酸化アルミニウムを、焼成して製造された活性アルミナである請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記活性アルミナ(C)が多孔質の活性アルミナである請求項1又は請求項2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記活性アルミナ(C)の比表面積が30m/g以上、400m/g以下である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. さらに硬化促進剤(D)を含むものである請求項1ないし請求項のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. さらに前記活性アルミナ(C)以外の無機充填材(E)を含むものである請求項1ないし請求項のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を混合及び/又は溶融混練してなる半導体封止用エポキシ樹脂成形材料。
  8. 請求項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
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