JP3388538B2 - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP3388538B2
JP3388538B2 JP19798298A JP19798298A JP3388538B2 JP 3388538 B2 JP3388538 B2 JP 3388538B2 JP 19798298 A JP19798298 A JP 19798298A JP 19798298 A JP19798298 A JP 19798298A JP 3388538 B2 JP3388538 B2 JP 3388538B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形性、高温での
信頼性、耐半田クラック性、難燃性に優れた硬化物を与
える半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物に
よって封止された半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在、
半導体装置の高密度実装化に伴って表面実装型パッケー
ジが主流になってきている。これら表面実装型パッケー
ジを実装する際には、ぺーパーフェーズリフロー、赤外
線リフロー、半田浸漬等の工程が採用されている。しか
し、これらの工程では、パッケージが高温(215〜2
60℃)にさらされるため、従来の封止樹脂で封止した
パッケージは、実装時に樹脂部分にクラックが発生し、
信頼性が保証できないという大きな問題が生じている。
【0003】更に、近年では薄型のTSOP、TQFP
のようなパッケージが主流となりつつあり、耐リフロー
クラック性の要求はますます強くなっている。また、近
年ではガラス転移温度が100℃前後の封止樹脂の使用
により、耐リフロークラック性が改善されてはきている
が、高温での信頼性の低下が懸念されている。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、成形性に優れ、かつ高温での信頼性及び耐リフロー
性に優れ、高い難燃性を有する硬化物を与える半導体封
止用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物で封止された半
導体装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、エポキシ樹脂として下記一般式(1)のビフェニル
アラルキル骨格を有するエポキシ樹脂と、硬化剤として
下記一般式(2)のビフェニルアラルキル骨格を有する
フェノール樹脂とを併用すると共に、下記一般式(3)
及び/又は(4)で示される硬化促進剤を使用すること
により、良好な成形性を有し、高温での信頼性及び耐リ
フロークラック性に優れ、難燃性の高い硬化物を与える
半導体封止用エポキシ樹脂組成物が得られ、その硬化物
で封止された半導体装置は高い信頼性を有することを見
出した。
【0006】即ち、本発明者は、エポキシ樹脂として下
記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂及びその硬化剤
として下記一般式(2)で表されるフェノール樹脂を必
須成分としてなるエポキシ樹脂組成物は、その硬化物が
耐熱性に優れるが、より優れた高温信頼性、耐クラック
性を示すためには十分に硬化反応が行われていることが
重要であることを知見した。しかし、式(1)で表され
るエポキシ樹脂及び式(2)で表されるフェノール樹脂
の間の硬化反応は、従来硬化促進剤として用いてきた
1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−
7、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチル
イミダゾール、トリフェニルホスフィン、テトラフェニ
ルホスホニウム・テトラフェニルボレート等では十分進
行せず、成形性、高温信頼性及び耐クラック性に優れた
硬化物が得られないという問題があった。
【0007】これに対して、本発明者は、トリフェニル
ホスフィンもしくはテトラフェニルホスホニウム・テト
ラフェニルボレートのフェニル基に電子供与基を導入
し、リン原子の塩基性を高めた下記一般式(3)及び/
又は(4)で表される硬化促進剤を使用することによ
り、式(1)のエポキシ樹脂と式(2)のフェノール樹
脂硬化剤との間の硬化反応が十分に進行し、成形性に優
れ、かつ高温信頼性及び耐クラック性に優れ、しかもブ
ロム化樹脂、三酸化アンチモン等の難燃化剤を配合しな
くても難燃性の高い硬化物を与え得ること、従って、こ
の硬化物で半導体装置を封止するこにより、信頼性の高
い半導体装置を得ることができることを見出し、本発明
をなすに至ったものである。
【0008】
【化5】 (式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基及
びフェニル基から選択される同一もしくは異種の原子又
は基であり、n=0〜10の数である。)
【0009】
【化6】 (式中、R2は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基及
びフェニル基から選択される同一もしくは異種の原子又
は基であり、m=0〜10の数である。)
【0010】
【化7】 (式中、R3は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ
基、アミノ基及びN,N−ジメチルアミノ基から選ばれ
る同一又は異種の基であり、rは1〜3の整数、aは0
〜2の整数である。)
【0011】
【化8】 (式中、R4、R5はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル
基、アルコキシ基、アミノ基及びN,N−ジメチルアミ
ノ基から選ばれる同一又は異種の基である。s、tはそ
れぞれ1〜3の整数、b、cはそれぞれ0〜3の整数で
ある。)
【0012】従って、本発明は、(A)上記式(1)の
エポキシ樹脂、(B)上記式(2)のフェノール樹脂硬
化剤、(C)無機充填剤、(D)上記式(3)及び/又
は(4)の硬化促進剤を必須成分とすることを特徴とす
る半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこの硬化物で
封止された半導体装置を提供する。
【0013】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、
(A)成分として下記一般式(1)で表されるビフェニ
ルアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂(即ち、ビフェ
ニル骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹
脂)を配合する。このエポキシ樹脂は、熱分解開始温度
が他のエポキシ樹脂に比べて高く、熱分解速度が緩やか
であり、耐熱性に優れた樹脂である。
【0014】
【化9】 (式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基及
びフェニル基から選択される同一もしくは異種の原子又
は基であり、n=0〜10の数である。)
【0015】上記式(1)において、R1は水素原子、
炭素数1〜4のメチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ter
t−ブチル基といったアルキル基及びフェニル基から選
択される同一もしくは異種の原子又は基である。nは0
〜10、好ましくは0〜2の数である。
【0016】上記式(1)のエポキシ樹脂の具体例とし
ては、以下のものが例示される。
【0017】
【化10】 (n=0〜10である。)
【0018】なお、これらの中では、特に上記式(1−
1)のエポキシ樹脂が好適に使用される。
【0019】本発明に用いる(A)成分の式(1)で表
されるエポキシ樹脂は、150℃においてICI粘度計
(コーンプレート型)により測定される樹脂溶融粘度が
0.1〜2.5ポイズ、特に0.1〜0.8ポイズであ
ることが望ましい。上記樹脂溶融粘度が2.5ポイズを
超えると、半導体封止用エポキシ樹脂組成物としての無
機充填剤量を80〜90重量%にした場合、溶融時の流
動性が著しく低下してしまう場合があり、0.1ポイズ
に満たないと成形時に内部ボイドが発生し易くなり、信
頼性が低下したり、成形性に問題が生ずる場合がある。
【0020】本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に
応じて上記式(1)のビフェニルアラルキル骨格を有す
るエポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂を配合すること
ができる。他のエポキシ樹脂としては、例えばフェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、トリフェ
ノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン
型エポキシ樹脂等のトリフェノールアルカン型エポキシ
樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹
脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を
含有しないフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベ
ン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうち1種又は
2種以上と併用することができる。これらの中では、特
に溶融時に低粘度であるビフェニル型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等が好ましい。
【0021】本発明のエポキシ樹脂組成物において、エ
ポキシ樹脂全量(式(1)のエポキシ樹脂と上記他のエ
ポキシ樹脂との総和)に対して上記式(1)のエポキシ
樹脂の含有割合が50〜100重量%、特に70〜10
0重量%の範囲であることが好ましい。上記式(1)の
エポキシ樹脂の含有割合が50重量%未満では、満足な
耐熱性が得られない場合がある。
【0022】次に、本発明では、硬化剤として(B)成
分の下記一般式(2)で表される、ビフェニル骨格を含
有するアラルキル型フェノール樹脂(即ち、ビフェニル
アラルキル骨格を有するフェノール樹脂)を配合する。
このフェノール樹脂も上記式(1)のエポキシ樹脂と同
様、ビフェニルアラルキル骨格を有する樹脂であり、耐
熱性に優れたものである。
【0023】
【化11】 (式中、R2は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基及
びフェニル基から選択される同一もしくは異種の原子又
は基であり、m=0〜10の数である。)
【0024】上記式(2)中、R2としては、上記R1
おいて例示したものと同じものを挙げることができ、m
は0〜10、好ましくは0〜2の数である。
【0025】上記式(2)のフェノール樹脂の具体例と
しては、以下のものが例示される。
【0026】
【化12】 (m=0〜10の数である。)
【0027】なお、これらの中では、特に上記式(2−
1)のフェノール樹脂が好適に使用される。
【0028】(B)成分の上記式(2)のフェノール樹
脂硬化剤は、150℃においてICI粘度計(コーンプ
レート型)により測定される樹脂溶融粘度が0.1〜
1.2ポイズ、特に0.2〜0.8ポイズであることが
望ましい。樹脂溶融粘度が上記範囲であることが好まし
いのは、エポキシ樹脂と同様の理由によるものである。
【0029】本発明では、上記式(2)のビフェニルア
ラルキル骨格を有するフェノール樹脂の他に必要に応じ
て他の硬化剤を配合することができる。他の硬化剤とし
ては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノ
ボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、ナフタ
レン環含有フェノール樹脂、ビフェニル骨格を含有しな
いフェノールアラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル
型フェノール樹脂、トリフェノールメタン型樹脂、トリ
フェノールプロパン型樹脂等のトリフェノールアルカン
型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、複素環型フ
ェノール樹脂、ビスフェノールA型フェノール樹脂、ビ
スフェノールF型フェノール樹脂等のビスフェノール型
フェノール樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種又は
2種以上を使用することができる。
【0030】上記式(2)のフェノール樹脂硬化剤の配
合量は、硬化剤全量(式(2)のフェノール樹脂と他の
硬化剤との総和)に対して50〜100重量%、特に7
0〜100重量%であることが好ましい。上記式(2)
のフェノール樹脂の配合量が50重量%未満では、満足
な耐熱性が得られない場合がある。
【0031】本発明では、式(1)で表されるエポキシ
樹脂と式(2)で表されるフェノール樹脂硬化剤の併用
が必須であるが、特にエポキシ樹脂として上記式(1−
1)のエポキシ樹脂をエポキシ樹脂全体の50重量%以
上、フェノール樹脂硬化剤として上記式(2−1)のフ
ェノール樹脂を硬化剤全体の50重量%以上、とりわけ
両樹脂をそれぞれ80重量%以上使用することが好まし
く、これにより高温時の信頼性、耐リフロークラック性
により優れた硬化物を与えると共に、組成物中にハロゲ
ン化樹脂、三酸化アンチモンを含有しなくともV−0レ
ベルの難燃性を得ることが可能である。
【0032】なお、式(1−2)、(1−3)、(1−
4)のエポキシ樹脂の配合量がエポキシ樹脂全体の50
重量%以上になった場合や、式(2−2)、(2−
3)、(2−4)のフェノール樹脂の配合量が硬化剤全
体の50重量%以上になった場合、置換基であるメチル
基の数が多くなり、耐熱性が若干低下する場合がある。
【0033】本発明において、エポキシ樹脂及び硬化剤
の配合量は特に制限されないが、硬化剤の配合量は、エ
ポキシ樹脂中に含まれるエポキシ基1モルに対して、硬
化剤中に含まれるフェノール性水酸基がモル比で0.5
〜1.5となる量であることが好ましい。
【0034】また、本発明では、硬化促進剤として下記
一般式(3)で表されるトリフェニルホスフィンの置換
体及び/又は下記一般式(4)で表されるテトラフェニ
ルホスホニウム・テトラフェニルボレートの置換体を配
合する。
【0035】
【化13】 (式中、R3は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ
基、アミノ基及びN,N−ジメチルアミノ基から選ばれ
る同一又は異種の基であり、rは1〜3の整数、aは0
〜2の整数である。)
【0036】
【化14】 (式中、R4、R5はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル
基、アルコキシ基、アミノ基及びN,N−ジメチルアミ
ノ基から選ばれる同一又は異種の基である。s、tはそ
れぞれ1〜3の整数、b、cはそれぞれ0〜3の整数で
ある。)
【0037】上記式(3)中、R3としては、例えばメ
チル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、
n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基とい
った炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシメトキシ基、
メトキシエトキシ基といった炭素数1〜4の非置換又は
アルコキシ置換のアルコキシ基、アミノ基、N,N−ジ
メチルアミノ基などを挙げることができる。
【0038】一般式(3)で表されるトリフェニルホス
フィンの置換体又は一般式(4)で示されるテトラフェ
ニルホスホニウム・テトラフェニルボレートの置換体の
配合量は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計量100重量部
に対して0.1〜5重量部、特に0.5〜3重量部の範
囲が望ましい。配合量を上記範囲とすることにより成形
性、高温信頼性、耐クラック性に優れた硬化物を得るこ
とができるもので、0.1重量部に満たないと高温信頼
性、耐クラック性に劣る場合があり、5重量部を超える
と硬化時間が短く、成形できない場合がある。
【0039】本発明では、硬化促進剤として上記式
(3)又は(4)の硬化促進剤の他に一般に封止材料に
用いられている他の硬化促進剤も併用することができ
る。他の硬化促進剤としては、例えば1,8−ジアザビ
シクロ(5.4.0)ウンデセン−7等のシクロアミジ
ン系化合物、トリフェニルホスフィン、テトラフェニル
ホスホニウム・テトラフェニルボレート等の有機リン系
化合物、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メ
チルイミダゾール等のイミダゾール化合物などを挙げる
ことができる。
【0040】本発明において、無機充填剤としては、通
常樹脂組成物に配合されるものを使用することができ
る。具体的には、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ
類、アルミナ、ムライト、窒化珪素、窒化アルミニウ
ム、窒化硼素、酸化チタン、ガラス繊維等が例示され
る。これらの中では、特に球状の溶融シリカ、結晶シリ
カ、アルミナが望ましく、その平均粒径は5〜30μm
のものが成形性、流動性の面から望ましい。
【0041】無機充填剤の配合量は、エポキシ樹脂と硬
化剤の合計量100重量部に対して600〜1100重
量部、特に700〜900重量部が好ましい。配合量が
600重量部未満では、樹脂の割合が高く、十分な耐リ
フロークラック性が得られない場合があり、1100重
量部を超えると、粘度が高くなるために成形できなくな
る場合がある。
【0042】更に、無機充填剤は、樹脂と無機充填剤表
面との結合強度を強くするため、予めシランカップリン
グ剤などで表面処理したものを配合することが好まし
い。なお、表面処理に用いるカップリング剤の種類及び
量や表面処理方法は特に制限されず、通常と同様とする
ことができる。
【0043】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
には、上記必須成分以外に必要に応じて各種の添加剤を
配合することができる。添加剤としては、例えば熱可塑
性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、シリコ
ーン系等の低応力剤、カルナバワックス等のワックス
類、カーボンブラック等の着色剤、ハロゲン化樹脂、ア
ンチモン酸化物、モリブデン酸塩等の難燃剤、ハロゲン
トラップ剤等の添加剤を配合することができる。なお、
これら添加剤の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲
で通常量とすることができる。
【0044】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
を成形材料として調製する場合の一般的な方法として
は、上記必須成分、その他の添加物を所定の組成比で配
合し、これをミキサー等によって十分均一に混合した
後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶
融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさ
に粉砕して成形材料とすることができる。
【0045】このようにして得られる本発明の半導体封
止用エポキシ樹脂組成物は、各種の半導体装置の封止に
有効に利用でき、この場合、封止の最も一般的な方法と
しては低圧トランスファー成形法が挙げられる。なお、
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の成形温度は
150〜185℃で30〜180秒、後硬化は150〜
185℃で2〜20時間行うことが望ましい。
【0046】
【発明の効果】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物は、特定構造のエポキシ樹脂、フェノール樹脂及び硬
化促進剤を併用して配合したことにより、成形性、高温
での信頼性及び耐リフロークラック性に優れ、しかもハ
ロゲン化樹脂、三酸化アンチモンを含有しなくても高い
難燃性を有する硬化物を与え得る。従って、本発明の半
導体封止用エポキシ樹脂組成物で封止した半導体装置
は、高い信頼性を有するものである。
【0047】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるもの
ではない。なお、以下の例において部はいずれも重量部
である。
【0048】[実施例1〜7、比較例1〜3]下記に示
す原料を使用し、表1に示す組成成分を熱2本ロールで
均一に溶融混合し、冷却、粉砕して半導体封止用エポキ
シ樹脂組成物を得た。
【0049】更に、得られた成形材料をタブレット化
し、低圧トランスファー成形機にて175℃、70kg
/cm2、120秒の条件で127×12.7×1.6
mmの耐熱テスト用試験片を成形した。また、耐リフロ
ークラック試験用として、14×20×2.7mmのフ
ラットパッケージを成形した。各特性を下記方法で評価
した。試験結果を表2に示す。 使用した原材料 ・エポキシ樹脂: (イ):式(1−1)で表されるエポキシ樹脂:NC3
000P(日本化薬社製、エポキシ当量272、150
℃におけるICI粘度計(コーンプレート型)による溶
融粘度0.8ポイズ) (ロ):式(1−2)で表されるエポキシ樹脂:(日本
化薬社製、エポキシ当量290、150℃、ICI粘度
計(コーンプレート型)による溶融粘度1.6ポイズ) (ハ):ビフェニル型エポキシ樹脂:YX4000HK
(油化シェル社製、エポキシ当量190、150℃にお
けるICI粘度計(コーンプレート型)による溶融粘度
0.8ポイズ) ・硬化剤: (ニ):式(2−1)で表されるフェノール樹脂:ME
H7851L(明和化成社製、フェノール当量199、
150℃におけるICI粘度計(コーンプレート型)に
よる溶融粘度0.8ポイズ) (ホ):フェノールアラルキル樹脂:MEH7800S
S(明和化成社製、フェノール当量175、150℃、
ICI粘度計(コーンプレート型)による溶融粘度1.
0ポイズ) ・無機充填剤: 球状溶融シリカ ・硬化促進剤: (ヘ):式(3−1)で表される化合物 (ト):式(4−1)で表される化合物 (チ):テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニル
ボレート (リ):トリフェニルホスフィン (ヌ):1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデ
セン−7 ・カーボンブラック ・離型剤:カルナバワックス(日興ファインプロダクツ
(株)製) ・イオントラップ剤:KW2200(協和化学工業
(株)製) ・シランカップリング剤:N−フェニル−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシランKBM573(信越化学工業
(株)製) ・三酸化アンチモン:Sb23RX(住友金属鉱山
(株)製) ・ブロモ化エポキシ樹脂:AER8049(旭チバ社
製)
【0050】
【化15】
【0051】評価方法: 《スパイラルフロー》EMMI規格に準じた金型を使用
して、175℃、70kg/cm2、成形時間90秒の
条件で測定した。 《耐熱試験》UL−94垂直試験(試料厚さ1.587
5mm(1/16inch))、難燃性で表した。 《耐リフロークラック試験》14×20×2.7mmの
フラットパッケージを成形した。180℃で4時間ポス
トキュアしたものを、85℃/85%RHの恒温恒湿器
に168時間放置して吸湿させた後、温度240℃の半
田浴に30秒浸漬し、パッケージ外部のクラックを観察
した。 《高温放置特性》シリコンチップ上にアルミ配線を形成
した模擬素子と部分金メッキされた42アロイリードフ
レームとを太さ30μmの金線でボンディングし、17
5℃、70kg/cm2、成形時間120秒の条件で1
4pinDIPを成形した。180℃、4時間ポストキ
ュアしたものを200℃の乾燥器に放置した後、樹脂硬
化物を発煙硝酸で溶かし、チップ側のボンディング部の
引張り強度を測定した。この引張り強度の値が初期値の
50%以下になったものを不良とした。 《内部ボイド》オートモールド装置を用いて、14×2
0×2.7mmのフラットパッケージを175℃、70
kg/cm2の圧力で成形した。成形したパッケージを
超音波探傷装置を用い、パッケージ内部のボイドを観察
した。
【0052】表2の結果より、本発明の特定構造のエポ
キシ樹脂、フェノール樹脂及び硬化促進剤を使用した組
成物は、ハロゲン化樹脂、三酸化アンチモンを含有しな
いにも拘らず、難燃性に優れ、かつ成形性及び耐リフロ
ークラック性に優れる硬化物を与えることが確認され
た。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (72)発明者 浅野 英一 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (72)発明者 青木 貴之 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (72)発明者 塩原 利夫 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開2000−80155(JP,A) 特開2000−17054(JP,A) 特開 平9−25334(JP,A) 特開2000−34393(JP,A) 特開 平4−318019(JP,A) 特開 昭61−204954(JP,A) 特開 平9−176283(JP,A) 特開 平9−268219(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 63/00 - 63/04 C08G 59/20 - 59/32 C08G 59/40 C08G 59/62 H01L 23/29

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(1)で表されるエポ
    キシ樹脂 【化1】 (式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基及
    びフェニル基から選択される同一もしくは異種の原子又
    は基であり、n=0〜10の数である。) (B)下記一般式(2)で表されるフェノール樹脂硬化
    剤 【化2】 (式中、R2は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基及
    びフェニル基から選択される同一もしくは異種の原子又
    は基であり、m=0〜10の数である。) (C)無機充填剤 (D)下記一般式(3)及び/又は(4)で表される硬
    化促進剤 【化3】 (式中、R3は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ
    基、アミノ基及びN,N−ジメチルアミノ基から選ばれ
    る同一又は異種の基であり、rは1〜3の整数、aは0
    〜2の整数である。) 【化4】 (式中、R4、R5はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル
    基、アルコキシ基、アミノ基及びN,N−ジメチルアミ
    ノ基から選ばれる同一又は異種の基である。s、tはそ
    れぞれ1〜3の整数、b、cはそれぞれ0〜3の整数で
    ある。)を必須成分とすることを特徴とする半導体封止
    用エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表されるエポキシ樹脂
    が、150℃においてICI粘度計(コーンプレート
    型)により測定される樹脂溶融粘度が0.1〜2.5ポ
    イズのものである請求項1記載の半導体封止用エポキシ
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(2)で表されるフェノール樹脂
    が、150℃においてICI粘度計(コーンプレート
    型)により測定される樹脂溶融粘度が0.1〜1.2ポ
    イズのものである請求項1又は2記載の半導体封止用エ
    ポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (D)成分の硬化促進剤の配合量が、エ
    ポキシ樹脂及び硬化剤の合計配合量100重量部に対し
    て0.1〜5重量部である請求項1、2又は3記載の半
    導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項記載の半
    導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半
    導体装置。
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