JP2002161196A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性、硬化性等の成形性、耐半田クラック
性に優れ、臭素化合物、アンチモン化合物を配合しなく
ても難燃性に優れるため高温保管特性に優れた半導体封
止用エポキシ樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)フェノールアラルキル型エポキシ
樹脂、(B)α−ナフトールアラルキル樹脂、(C)無
機充填材、及び(D)硬化促進剤を必須成分とすること
を特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形性に優れた半
導体封止用エポキシ樹脂組成物及び耐半田クラック性に
優れた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】IC、LSI等の半導体素子の封止方法
として、エポキシ樹脂組成物のトランスファー成形によ
る方法が、低コスト、大量生産に適した方法として採用
されて久しく、信頼性もエポキシ樹脂や硬化剤であるフ
ェノール樹脂の改良により向上が図られてきた。しか
し、近年の電子機器の小型化、軽量化、高性能化の市場
動向において、半導体素子の高集積化も年々進み、又半
導体装置の表面実装化が促進されるなかで、半導体封止
用エポキシ樹脂組成物への要求は益々厳しいものとなっ
てきている。このため、従来からのエポキシ樹脂組成物
では解決できない問題点も出てきている。
【0003】その最大の問題点は、半導体装置の表面実
装の採用により半導体装置が半田浸漬或いはリフロー工
程で急激に200℃以上の高温にさらされ、半導体装置
が吸湿した水分が爆発的に気化する際の応力により、半
導体装置が割れたり、半導体素子、リードフレーム、イ
ンナーリード上の各種メッキされた接合部分との各界面
で、剥離が生じ信頼性が著しく低下する現象である。更
に、近年半導体装置の薄型化に伴い、半導体装置中に占
めるエポキシ樹脂組成物の硬化物の厚みが一段と薄くな
ってきており、64M、256MDRAM用の半導体装
置は、1mm厚のTSOPが主流となりつつある。これ
らの薄型半導体装置には、エポキシ樹脂組成物の成形時
の充填性が良好で、金線変形が少なく、半導体素子やリ
ードフレームの変形(チップシフトやダイパッドシフト
と呼ぶ)がないことが要求され、そのためエポキシ樹脂
組成物には、成形時の流動性に優れることが必要であ
る。
【0004】一方、半導体封止用エポキシ樹脂組成物に
は難燃剤成分として、臭素含有の有機化合物(以下、臭
素化合物という)、及び三酸化アンチモン、四酸化アン
チモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物が配合
されている。しかしながら、世界的な環境保護の意識の
高まりのなか、臭素化合物や、アンチモン化合物を使用
せずに難燃性を有するエポキシ樹脂組成物の要求が大き
くなってきている。更に、半導体装置を150〜200
℃での高温で長時間保管すると、難燃剤である臭素化合
物やアンチモン化合物は、半導体素子の抵抗値の増加
や、金線の断線を引き起こすことが知られている。この
観点からも、臭素化合物やアンチモン化合物を使用しな
い高温保管特性に優れるエポキシ樹脂組成物の開発が求
められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、流動性、硬
化性等の成形性に優れ、熱時強度の向上、吸湿率の低減
により、基板実装時における半導体装置の耐半田クラッ
ク性を著しく向上させ、更に難燃性に優れるため、臭素
化合物、アンチモン化合物を削減もしくは全く含まず、
高温保管特性を向上させた半導体封止用エポキシ樹脂組
成物及びこれを用いた半導体装置を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)(A)
式(1)で示されるエポキシ樹脂、(B)式(2)と式
(3)がメチレン基を介して得られるフェノール樹脂
(2a)、式(3)同士が式(4)を介して得られるフ
ェノール樹脂(2b)、又は式(2)と式(3)が式
(4)を介して得られるフェノール樹脂(2c)の群か
ら選ばれる1種以上を含むフェノール樹脂、(C)無機
充填材、及び(D)硬化促進剤を必須成分とすることを
特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
【化3】 (pは平均値で1〜6の正数)
【0007】
【化4】 (R1、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、互いに
同一でも異なっていてもよい。aは0〜3の整数、bは
1又は2、cは0〜5の整数、dは0〜4の整数。 又
水酸基はナフタレン環のいずれのリングに結合してもよ
く、両リングに結合してもよい)(2) 全エポキシ樹
脂組成物中に含有される臭素原子及びアンチモン原子
が、それぞれ0.1重量%以下である第(1)項記載の
半導体封止用エポキシ樹脂組成物、(3)無機充填材
が、 全エポキシ樹脂組成物中80〜85重量%である
第(1)項又は第(2)記載の半導体封止用エポキシ樹
脂組成物、(4)第(1)〜(3)項のいずれかに記載
のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してな
ることを特徴とする半導体装置、である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる式(1)で示
されるエポキシ樹脂について述べる。汎用のオルソクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂をエポキシ化する前の
ベース樹脂は、メチレン結合を介してオルソクレゾール
が繰り返し構造に組み込まれているのに対し、本発明で
用いられる式(1)で示されるエポキシ樹脂はエポキシ
化する前のベース樹脂は、パラキシリレン結合を介して
フェノールが繰り返し構造に組み込まれていることか
ら、このベース樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂を用
いたエポキシ樹脂組成物は、耐熱性を低下させることな
く、エポキシ基の官能基密度が適当に緩和されることに
より、耐半田クラック性及び熱時強度等が優れているも
のと考えられる。更にフェノール間がパラキシリレンで
結合されているため、主鎖中の芳香環の含有率が一定
で、かつフェノール樹脂との結合点濃度が小さくなり、
優れた耐燃性を示す特徴を有し耐湿性にも優れている。
【0009】式(1)で示される樹脂の特性を損なわな
い範囲で他のエポキシ樹脂と併用することができる。併
用する場合の式(1)のエポキシ樹脂の配合量として
は、全エポキシ樹脂中に30重量%以上が好ましく、更
に望ましくは50重量%以上が好ましい。併用するエポ
キシ樹脂としては、分子内にエポキシ基を有するモノマ
ー、オリゴマー、ポリマー全般を指す。例えば、ビスフ
ェノールA型、フェノールノボラック型、オルソクレゾ
ールノボラック型、トリフェノールメタン型、ジシクロ
ペンタジエン変性フェノール型、ビフェニル型、ハイド
ロキノン型、スチルベン型、ビスフェノールF型等のエ
ポキシ樹脂が挙げられるが、これらは限定されるもので
はない。
【0010】本発明で用いられる式(2)と式(3)が
メチレン基を介して得られるフェノール樹脂(2a)
は、フェノール類と、ヒドロキシナフタレン類、もしく
はジヒドロキシナフタレン類とを酸触媒存在下、アルデ
ヒド源としてのホルムアルデヒド等で共縮合して得られ
るノボラック型樹脂であり、フェノール類と、ヒドロキ
シナフタレン類、もしくはジヒドロキシナフタレン類と
はランダム共重合型であるのが一般的である。又ヒドロ
キシナフタレン類としては、α−ナフトール類、β−ナ
フトール類のいずれでもよい。式(2)と式(3)がメ
チレン基を介して得られるフェノール樹脂(2a)中の
骨格の式(2)をm、骨格の式(3)をnとした場合、
n/(m+n)の比率は、0.25以上が難燃性や耐
半田クラック性等の点から好ましい。
【0011】本発明で用いられる式(3)同士が式
(4)を介して得られるフェノール樹脂(2b)、又は
式(2)と式(3)が式(4)を介して得られるフェノ
ール樹脂(2c)は、例えばビス(メトキシメチル)ベ
ンゼン類とヒドロキシナフタレン類、もしくはジヒドロ
キシナフタレン類、或いはビス(メトキシメチル)ベン
ゼン類とフェノール類、ヒドロキシナフタレン類、もし
くはジヒドロキシナフタレン類とをフリーデル・クラフ
ツ・アルキル化反応により重合させたものである。又ヒ
ドロキシナフタレン類としては、α−ナフトール類、β
−ナフトール類のいずれでもよい。式(2)と式(3)
が式(4)を介して得られるフェノール樹脂(2c)中
の骨格の式(2)をm、骨格の式(3)をnとした場
合、 n/(m+n)の比率は、0.25以上が難燃性
や耐半田クラック性等の点から好ましい。フェノール樹
脂(2a)、(2b)、(2c)の具体例を以下に示
す。
【化5】
【0012】式(2)と式(3)がメチレン基を介して
得られるフェノール樹脂(2a)、式(3)同士が式
(4)を介して得られるフェノール樹脂(2b)、又は
式(2)と式(3)が式(4)を介して得られるフェノ
ール樹脂(2c)の群から選ばれる1種以上を含むフェ
ノール樹脂を式(1)で示されるエポキシ樹脂の硬化剤
として用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は、従来のフ
ェノールノボラック樹脂を用いた場合に比べ、硬化物の
ガラス転移温度を越えた高温域での強度が高く、又硬化
物の吸湿率が低い。その結果として吸湿後の半導体装置
の表面実装における半田付け時の耐半田クラック性に優
れている。又ナフタレン骨格は芳香族骨格を多く有する
ため、難燃性に優れ、エポキシ樹脂との組合せによって
は、良好な難燃性を発現できる。
【0013】式(2)と式(3)がメチレン基を介して
得られるフェノール樹脂(2a)、式(3)同士が式
(4)を介して得られるフェノール樹脂(2b)、又は
式(2)と式(3)が式(4)を介して得られるフェノ
ール樹脂(2c)の150℃での溶融粘度としては、
0.1〜1.5ポイズが好ましい。0.1ポイズ未満だ
と、エポキシ樹脂組成物の硬化性が低下し、更に硬化物
の架橋密度が低下するためガラス転移温度が低下するの
で好ましくない。1.5ポイズを越えると、溶融時の流
動性が低下するので好ましくない。150℃での溶融粘
度は、ICI粘度計(コーン&プレート型)を用いて測
定した。
【0014】式(2)と式(3)がメチレン基を介して
得られるフェノール樹脂(2a)、式(3)同士が式
(4)を介して得られるフェノール樹脂(2b)、又は
式(2)と式(3)が式(4)を介して得られるフェノ
ール樹脂(2c)の群から選ばれる1種以上を含むフェ
ノール樹脂の配合量を調節することにより、耐半田クラ
ック性を最大限に引き出すことができる。耐半田クラッ
ク性の効果を引き出すためには、前記の樹脂硬化剤の配
合量は、全樹脂硬化剤中に30重量%以上が好ましく、
望ましくは50重量%以上が好ましい。30重量%未満
だと、高温時の強度や低吸湿化が十分に得られず、その
結果として充分な耐半田クラック性の向上が望めないお
それがあり、又難燃性が低下するので好ましくない。併
用するフェノール樹脂としては、フェノールノボラック
樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキ
ル樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタ
ジエン変性フェノール樹脂、トリフェノールメタン型樹
脂等が挙げられるが、これらは限定されるものではな
い。
【0015】本発明に用いられる無機充填材としては、
溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素等が挙げ
られ、これらは単独でも混合して用いてもよい。これら
の内では、球状の溶融シリカを全量、或いは一部破砕シ
リカを併用することが好ましい。無機充填材の平均粒径
としては5〜30μm、最大粒径としては150μm以
下が好ましく、特に平均粒径5〜20μm、最大粒径7
4μm以下が好ましい。又、粒子の大きさの異なるもの
を混合することにより充填量を多くすることができる。
更に無機充填材は、予めシランカップリング剤等で表面
処理されているものを用いてもよい。本発明の無機充填
材の配合量としては、全エポキシ樹脂組成物中に80〜
85重量%が好ましい。80重量%未満だと、該エポキ
シ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止して得られる半
導体装置の吸湿量が増加し、半田処理温度での強度が低
下し、半田処理時にクラックが発生し易くなるので好ま
しくない。一方85重量%を越えると、流動性が低下
し、未充填やチップシフト、パッドシフトが発生し易く
なり、難燃性も劣る。難燃性については、その機構は不
明だが、無機充填材の配合量には最適値がある。
【0016】本発明に用いられる硬化促進剤は、エポキ
シ樹脂と樹脂硬化剤との架橋反応の触媒であり、具体例
としては、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7等のアミン系化合物、ト
リフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・
テトラフェニルボレート塩等の有機リン系化合物、2−
メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げら
れる。これらは単独でも混合して用いてもよい。
【0017】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分の他、必要に応じて臭素化エポキシ樹脂、三
酸化アンチモン等の難燃剤を含有することは差し支えな
いが、半導体装置が150〜200℃の高温下で電気特
性の安定性を要求される用途では、臭素原子、アンチモ
ン原子の含有量が、それぞれ全エポキシ樹脂組成物中に
0.1重量%以下であるものが好ましく、完全に含まれ
ない方がより好ましい。臭素原子、アンチモン原子のい
ずれかが0.1重量%を越えると、高温に放置した時に
半導体装置の抵抗値が時間と共に増大し、最終的には半
導体素子の金線が断線する不良が発生するおそれがあ
る。又環境保護の点からも、臭素原子、アンチモン原子
のそれぞれの含有量が0.1重量%以下で、極力含有さ
れていないことが望ましい。
【0018】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分を必須成分とするが、これ以外に必要に応じ
てシランカップリング剤、カーボンブラック等の着色
剤、天然ワックス、合成ワックス等の離型剤、及びシリ
コーンオイル、ゴム等の低応力添加剤等の種々の添加剤
を適宜配合しても差し支えない。又本発明のエポキシ樹
脂組成物は、(A)〜(D)成分、及びその他の添加剤
等をミキサー等を用いて充分に均一に混合した後、更に
熱ロール又はニーダー等で溶融混練し、冷却後粉砕して
得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導
体素子等の各種の電子部品を封止し、半導体装置を製造
するには、トランスファーモールド、コンプレッション
モールド、インジェクションモールド等の従来からの成
形方法で硬化成形すればよい。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例で具体的に説明する。
配合割合は重量部とする。 実施例1 式(5)で示されるエポキシ樹脂A(軟化点53℃、エポキシ当量239) 9.0重量部
【化6】
【0020】 式(6)で示されるフェノール樹脂C(軟化点81℃、水酸基当量210、1 50℃での溶融粘度1.4ポイズ) 8.0重量部
【化7】
【0021】 球状溶融シリカ 82.0重量部 1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUという ) 0.2重量部 カーボンブラック 0.3重量部 カルナバワックス 0.5重量部 をミキサーを用いて混合した後、表面温度が90℃と4
5℃の2本ロールを用いて混練し、冷却後粉砕してエポ
キシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物を
以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0022】評価方法 スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイ
ラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、
注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で測定した。 硬化性:金型温度175℃、注入圧力70kg/c
2、硬化時間2分で成形し、型開き10秒後のバコー
ル硬度を測定した。 熱時曲げ強度/熱時曲げ弾性率:240℃での曲げ強度
/曲げ弾性率をJISK 6911に準じて測定した。
単位はそれぞれN/mm2 。 難燃性:試験片(厚さ1/16インチ)を金型温度17
5℃、注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分でトラ
ンスファー成形し、UL−94垂直試験に準じて、Fma
x、ΣFを求め難燃性を評価した。 耐半田クラック性:100ピンTQFP(パッケージサ
イズは14×14mm、厚み1.4mm、シリコンチッ
プのサイズは、8.0×8.0mm、リードフレームは
42アロイ製)を、金型温度175℃、注入圧力70k
g/cm2、硬化時間2分でトランスファー成形し、1
75℃、8時間で後硬化した。85℃、相対湿度85%
の環境下で168時間放置し、その後240℃の半田槽
に10秒間浸漬した。顕微鏡で観察し、クラック発生率
[(外部クラック発生パッケージ数)/(全パッケージ
数)×100]を%で表示した。又チップとエポキシ樹
脂組成物の硬化物との剥離面積の割合を超音波探傷装置
を用いて測定し、剥離率[(剥離面積)/(チップ面
積)×100]を%で表示した。 吸湿率:半田クラック性評価における吸湿前後のパッケ
ージの重量変化から求めた。 高温保管特性:模擬素子を25μm径の金線で配線した
16ピンSOPを、金型温度175℃、注入圧力70k
g/cm2、硬化時間2分でトランスファー成形し、1
75℃、8時間で後硬化した。185℃の恒温槽で処理
し、一定時間毎にピン間の抵抗値を測定した。初期の抵
抗値から10%以上抵抗値が増大したパッケージ数が、
15個中8個以上になった恒温槽処理時間を高温保管特
性として表示した。この時間が長いと、高温安定性に優
れていることを示す。単位は時間。 ブロム原子、アンチモン原子の含有量:直径40mm、
厚さ5〜7mmの成形品を金型温度175℃、注入圧力
70kg/cm2、硬化時間2分でトランスファー成形
し、蛍光X線分析装置を用いて、全エポキシ樹脂組成物
中の臭素原子、アンチモン原子の含有量を定量した。単
位は重量%。
【0023】実施例2〜7、比較例1〜3 表1の配合に従って、実施例1と同様にエポキシ樹脂組
成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表1
に示す。なお、実施例1以外に用いた樹脂を以下に示
す。 ビフェニル型エポキシ樹脂B(融点105℃、エポキシ
当量195:油化シェルエポキシ(株)・製、YX40
00) 式(7)で示されるフェノル樹脂D( 軟化点92℃、
水酸基当量128、150℃での溶融粘度2.6ポイ
ズ、樹脂中のオルソクレゾールの骨格をm、α−ナフト
ールの骨格をnとしたとき、n/(m+n)=0.3
【化8】
【0024】式(7)で示されるフェノール樹脂E(軟
化点79℃、水酸基当量110、147℃での溶融粘度
2.0ポイズ、樹脂中のオルソクレゾールの骨格をm、
α−ナフトールの骨格をnとしたとき、n/(m+n)
=0.1 式(8)で示されるフェノール樹脂F(軟化点110
℃、水酸基当量104、150℃での溶融粘度20ポイ
ズ以上)
【化9】 臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点8
4℃、エポキシ当量285、臭素原子含有率35重量
%:日本化薬(株)・製、BREN−S)
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、流動
性、硬化性等の成形性と共に硬化物が高温で高強度であ
り、かつ低吸湿性により、これを用いて得られた半導体
装置は基板実装時における耐半田クラック性に優れ、更
に臭素化合物、アンチモン化合物を配合しなくても難燃
性に優れるため、高温保管特性に優れる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CC062 CD041 CD051 CD061 CD071 CE002 DE146 DJ006 DJ016 EN027 EU117 EU137 EW147 EY017 FD016 FD142 FD157 GQ05 4J036 AC02 AD07 AD08 AD10 AE07 AF06 AF08 AF16 DC05 DC06 DC40 DC46 DD07 FA04 FA05 FB06 FB08 GA04 GA06 GA23 JA07 4M109 AA01 BA01 CA21 CA22 EA03 EB03 EB04 EB06 EB07 EB08 EB09 EB12 EB13 EB19 EC03 EC05 EC20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)式(1)で示されるエポキシ樹
    脂、(B)式(2)と式(3)がメチレン基を介して得
    られるフェノール樹脂(2a)、式(3)同士が式
    (4)を介して得られるフェノール樹脂(2b)、又は
    式(2)と式(3)が式(4)を介して得られるフェノ
    ール樹脂(2c)の群から選ばれる1種以上を含むフェ
    ノール樹脂、(C)無機充填材、及び(D)硬化促進剤
    を必須成分とすることを特徴とする半導体封止用エポキ
    シ樹脂組成物。 【化1】 (pは平均値で1〜6の正数) 【化2】 (R1、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、互いに
    同一でも異なっていてもよい。aは0〜3の整数、bは
    1又は2、cは0〜5の整数、dは0〜4の整数。又水
    酸基はナフタレン環のいずれのリングに結合してもよ
    く、両リングに結合してもよい)
  2. 【請求項2】 全エポキシ樹脂組成物中に含有される臭
    素原子及びアンチモン原子が、それぞれ0.1重量%以
    下である請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 無機充填材が、全エポキシ樹脂組成物中
    80〜85重量%である請求項1又は2記載の半導体封
    止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキ
    シ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを
    特徴とする半導体装置。
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