JPH0786466A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物

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JPH0786466A
JPH0786466A JP23018393A JP23018393A JPH0786466A JP H0786466 A JPH0786466 A JP H0786466A JP 23018393 A JP23018393 A JP 23018393A JP 23018393 A JP23018393 A JP 23018393A JP H0786466 A JPH0786466 A JP H0786466A
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由美子 鶴見
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、
中でも高集積で高い信頼性を要求される半導体に適しか
つ、吸水性、半田耐熱性が良好であるだけでなく、低硬
化収縮で生産性にも優れた半導体封止用エポキシ樹脂組
成物を提供することにある。 【構成】 エポキシ樹脂、硬化剤、充填材を含有してな
るエポキシ樹脂組成物であって、前記硬化剤がナフトー
ル/フェノールパラキシリレンコポリマーを必須成分と
して含有し、充填剤の割合が全体の80〜95重量%で
あることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成
物。 【効果】吸水性、半田耐熱性、低硬化収縮で生産性に優
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低吸水性で半田耐熱性
に優れ、低硬化収縮で成形直後のパッケージの反りが少
ない半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は耐熱性、耐湿性、電気特
性、接着性などに優れており、さらに配合処方により種
々の特性が付与できるため、塗料、接着剤、電気絶縁材
料など工業材料として利用されている。
【0003】たとえば、半導体装置などの電子回路部品
の封止方法として従来より金属やセラミックスによるハ
ーメチックシールとフェノール樹脂、シリコーン樹脂、
エポキシ樹脂などによる樹脂封止が提案されている。し
かし、経済性、生産性、物性のバランスの点からエポキ
シ樹脂による樹脂封止が中心になっている。
【0004】近年、プリント基板への部品実装において
も高密度化、自動化が進められており、従来のリードピ
ンを基板の穴に挿入する“挿入実装方式”に代わり、基
板表面に部品を半田付けする“表面実装方式”が盛んに
なってきた。それに伴いパッケ−ジも従来のDIP(デ
ュアル・インライン・パッケージ)から高密度実装、表
面実装に適した薄型のFPP(フラット・プラスチック
・パッケージ)に移行しつつある。
【0005】表面実装方式への移行に伴い、従来あまり
問題にならなかった半田付け工程が大きな問題になって
きた。従来のピン挿入実装方式では半田付け工程はリー
ド部が部分的に加熱されるだけであったが、表面実装方
式ではパッケージ全体が熱媒に浸され加熱される。表面
実装方式における半田付け方法としては半田浴浸漬、不
活性ガスの飽和蒸気による加熱(ベーパーフェイズ法)
や赤外線リフロー法などが用いられるが、いずれの方法
でもパッケージ全体が210〜270℃の高温に加熱さ
れることになる。そのため従来の封止樹脂で封止したパ
ッケージは、半田付け時に樹脂部分にクラックが発生し
たり、チップと樹脂の間に剥離が生じたりして、信頼性
が低下して製品として使用できないという問題がおき
る。
【0006】半田付け工程におけるクラックの発生は、
後硬化してから実装工程の間までに吸湿した水分が半田
付け加熱時に爆発的に水蒸気化、膨張することに起因す
るといわれており、その対策として後硬化したパッケー
ジを完全に乾燥し密封した容器に収納して出荷する方法
が用いられている。
【0007】封止樹脂の改良も種々検討されている。た
とえば、フェノールアラルキル樹脂を硬化剤として配合
する方法(特開昭53−299号公報、特開昭59−6
7660号公報、特開平3−207714号公報、特開
平4−48759号公報、特開平4−55423号公
報)などが提案されている。
【0008】また、最近のパッケージの薄型化により、
封止樹脂の硬化収縮に起因する成形直後のパッケージの
反りが問題になってきた。パッケージに反りが発生する
と、タイバーカッター工程においてパッケージにクラッ
クが発生したり、リフロー半田工程においてピン先が基
板と接触しなくなり、半田付けが不十分になるなどの問
題が発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかるに乾燥パッケー
ジを容器に封入する方法は製造工程および製品の取扱い
作業が繁雑になるうえ、製品価格が高価になる欠点があ
る。
【0010】また、種々の方法で改良された樹脂も、そ
れぞれ少しずつ効果をあげてきているが、まだ十分では
ない。フェノールアラルキル樹脂を硬化剤として配合す
る方法(特開昭53−299号公報、特開昭59−67
660号公報、特開平3−207714号公報、特開平
4−48759号公報、特開平4−55423号公報)
は半田付け時の樹脂部分のクラック防止に効果があるも
のの、薄型パッケージ成形直後の反りが大きく、薄型パ
ッケージの生産性を考慮した場合実用的ではなかった。
【0011】本発明の目的は、かかる半田付け工程で生
じるクラックの問題を解消するとともに、成形直後のパ
ッケージの反りが少なく生産性に優れる半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の構
造の硬化剤を添加することにより、上記の課題を達成
し、目的に合致したエポキシ樹脂組成物が得られること
を見出し、本発明に到達した。
【0013】すなわち本発明は、エポキシ樹脂(A) 、硬
化剤(B) 、充填剤(C) を含有してなるエポキシ樹脂組成
物であって、前記硬化剤(B) がナフトール/フェノール
パラキシリレンコポリマー(b) (以下コポリマー(b) と
称する)を必須成分として含有し、前記充填剤(C) の割
合が全体の80〜95重量%であることを特徴とする半
導体封止用エポキシ樹脂組成物である。
【0014】以下、本発明の構成を詳述する。
【0015】本発明におけるエポキシ樹脂(A) は、1分
子中にエポキシ基を2個以上有するものであれば特に限
定されず、これらの具体例としては、たとえばクレゾ−
ルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、線状脂肪族型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、
複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂およ
び臭素化エポキシ樹脂などがあげられる。
【0016】本発明におけるエポキシ樹脂(A) は、下記
式(I)
【化1】 (ただし、R1 〜R8 は水素原子、C1 〜C4 の低級ア
ルキル基またはハロゲン原子を示す。)で表される骨格
を有するエポキシ樹脂(a) を含有することが、半田耐熱
性の点で好ましい。さらに好ましくは、エポキシ樹脂
(A) 中のエポキシ樹脂(a) の含有量は50重量%以上、
特に好ましくは70重量%以上である。
【0017】エポキシ樹脂(a) の好ましい具体例として
は、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビ
フェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキ
シ)−3,3´,5,5´−テトラメチルビフェニル、
4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,
3´,5,5´−テトラメチル−2−クロロビフェニ
ル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−
3,3´,5,5´−テトラメチル−2−ブロモビフェ
ニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)
−3,3´,5,5´−テトラエチルビフェニル、4,
4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3
´,5,5´−テトラブチルビフェニル、4,4´−ビ
ス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4
´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,
5,5´−テトラメチルビフェニルなどがあげられる。
【0018】本発明において、エポキシ樹脂(A) の配合
量は通常3〜15重量%、好ましくは3〜10重量%で
ある。エポキシ樹脂(A) の配合量が3重量%未満では成
形性や接着性が不十分であり、15重量%を越えると線
膨脹係数が大きくなり、低応力化が困難になるため好ま
しくない。
【0019】本発明における硬化剤(B) は、コポリマー
(b) を必須成分として含有することが重要である。コポ
リマー(b) を含有しない場合は、半田耐熱性および成形
直後のパッケージの反りの両方に優れる樹脂を得ること
はできない。
【0020】コポリマー(b) すなわちナフトール/フェ
ノールパラキシリレンコポリマー(b) において、ナフト
ールとフェノールの比率は、通常モル比で1/9〜9/
1、好ましくは3/7〜8/2、さらに好ましくは3/
7〜7/3である。
【0021】また、本発明における硬化剤(B) はコポリ
マー(b) 以外の硬化剤をも併用して用いることができ
る。併用できる硬化剤としては、たとえば、フェノール
ノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、次の一般
式(II)
【化2】 (式中、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水
素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基を示
す。nは0以上の整数を示す。)で表される骨格を有す
るフェノール化合物、無水マレイン酸、無水フタル酸、
無水ピロメリット酸などの酸無水物およびメタフェニレ
ンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフ
ェニルスルホンなどの芳香族アミンなどがあげられる。
【0022】本発明におけるコポリマー(b) の添加量は
特に制限がなく必須成分としてコポリマー(b) が含有さ
れれば本発明の効果は発揮されるが、より十分な効果を
発揮させるためには、コポリマー(b) を硬化剤(B) 中に
通常20重量%以上、好ましくは50重量%以上、さら
に好ましくは70重量%以上含有せしめる必要がある。
【0023】本発明において、硬化剤(B) の配合量は通
常2〜15重量%、好ましくは2〜10重量%、さらに
好ましくは2〜8重量%である。さらには、エポキシ樹
脂(A) と硬化剤(B) の配合比は、機械的性質および耐湿
信頼性の点から(A) に対する(B)の化学当量比が0.
5〜1.5、特に0.8〜1.2の範囲にあることが好
ましい。
【0024】また、本発明においてエポキシ樹脂(A) と
硬化剤(B) の硬化反応を促進するため硬化触媒を用いて
もよい。硬化触媒は硬化反応を促進するものならば特に
限定されず、たとえば2−メチルイミダゾール、2,4
−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−
4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾー
ルなどのイミダゾール化合物、トリエチルアミン、ベン
ジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミ
ン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
などの3級アミン化合物、ジルコニウムテトラメトキシ
ド、ジルコニウムテトラプロポキシド、テトラキス(ア
セチルアセトナト)ジルコニウム、トリ(アセチルアセ
トナト)アルミニウムなどの有機金属化合物およびトリ
フェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチ
ルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチ
ルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホス
フィンなどの有機ホスフィン化合物があげられる。なか
でも耐湿性の点から、有機ホスフィン化合物が好まし
く、トリフェニルホスフィンが特に好ましく用いられ
る。これらの硬化触媒は、用途によっては二種以上を併
用してもよく、その添加量はエポキシ樹脂(A) 100重
量部に対して0.1〜10重量部の範囲が好ましい。
【0025】本発明における充填剤(C) としては、溶融
シリカ、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、アルミナ、マグネシア、クレー、タルク、ケイ酸
カルシウム、酸化チタン、酸化アンチモン、アスベス
ト、ガラス繊維などがあげられるが、中でも溶融シリカ
は線膨張係数を低下させる効果が大きく、低応力化に有
効なため好ましく用いられる。
【0026】ここでいう溶融シリカは真比重2.3以下
の非晶性シリカを意味する。その製造は必ずしも溶融状
態を経る必要はなく、任意の製造法を用いることができ
る。たとえば、結晶性シリカを溶融する方法、各種原料
から合成する方法などがあげられる。
【0027】溶融シリカの形状および粒径は特に限定さ
れないが、球状溶融シリカを充填材(C) 中に40重量%
以上、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは9
0重量%以上含有することが流動性と半田耐熱性の点か
ら好ましい。
【0028】本発明において、充填材(C) の割合は成形
性および低応力性の点から全体の80〜95重量%であ
る。
【0029】本発明において、充填剤(C) をシランカッ
プリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリ
ング剤であらかじめ表面処理することが、信頼性の点で
好ましい。カップリング剤としてエポキシシラン、アミ
ノシラン、メルカプトシランなどのシランカップリング
剤が好ましく用いられる。
【0030】本発明のエポキシ樹脂組成物にはハロゲン
化エポキシ樹脂などのハロゲン化物、リン化合物などの
難燃剤、三酸化アンチモンなどの難燃助剤、カーボンブ
ラック、酸化鉄などの着色剤、シリコーンゴム、オレフ
ィン系共重合体、変性ニトリルゴム、変性ポリブタジエ
ンゴム、変性シリコーンオイルなどのエラストマー、ポ
リエチレンなどの熱可塑性樹脂、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪
酸の金属塩、長鎖脂肪酸のエステル、長鎖脂肪酸のアミ
ド、パラフィンワックスなどの離型剤、ハイドロタルサ
イト類などのイオン捕捉剤、有機過酸化物などの架橋剤
を任意に添加することができる。
【0031】本発明のエポキシ樹脂組成物は溶融混練す
ることが好ましく、たとえばバンバリーミキサー、ニー
ダー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機およびコニー
ダーなどの公知の混練方法を用いて溶融混練することに
より、製造される。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例中の%は、重量%を示す。
【0033】実施例1〜3、比較例1〜2 表1に示した成分を、表5に示した組成比でミキサーに
よりドライブレンドした。これを、ロール表面温度90
℃のミキシングロールを用いて5分間加熱混練後、冷却
・粉砕して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を製造し
た。この組成物を用い、低圧トランスファー成形法によ
り175℃×2分の条件で成形し、180℃×5時間の
条件でポストキュアして次の物性測定法により各組成物
の物性を測定した。
【0034】半田耐熱性:表面にAl蒸着した模擬素子
を搭載したチップサイズ12×12mmの160pin
TQFP 20個を成形しポストキュアし,85℃/8
5%RHで72時間加湿後、最高温度240℃のIRリ
フロー炉で加熱処理し、外部クラック発生数を調べた。
【0035】耐湿信頼性:半田耐熱評価後のQFPを用
い、121℃/100%RHのPCT条件下で、Al配
線の断線を故障として累積故障率50%になる時間を求
め寿命とした。
【0036】硬化収縮率:4inchの円板を成形し、
成形直後の直径をマイクロメーターで測定し成形収縮率
を求めた。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表2にみられるように、本発明のエポキシ
樹脂組成物(実施例1〜3)は、半田耐熱性、吸水性、
硬化収縮性に優れている。中でも、ナフトール含有量の
多い硬化剤を用いた実施例2、3は半田耐熱性、吸水
性、硬化収縮率に優れている。これに対して硬化剤(B)
中にコポリマー(b) を含有しない比較例1〜2は、半田
耐熱性、吸水性、硬化収縮性が劣っている。
【0040】
【発明の効果】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物は、硬化剤として特定のコポリマーを配合したため
に、半田耐熱性、吸水性が良好でしかも硬化収縮性が小
さく生産性に優れている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂(A) 、硬化剤(B) 、充填剤
    (C) を含有してなるエポキシ樹脂組成物であって、前記
    硬化剤(B) がナフトール/フェノールパラキシリレンコ
    ポリマー(b) を必須成分として含有し、前記充填剤(C)
    の割合が全体の80〜95重量%であることを特徴とす
    る半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001279056A (ja) * 2000-03-31 2001-10-10 Toray Ind Inc 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2002161196A (ja) * 2000-11-28 2002-06-04 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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