JPH06128362A - 封止剤用化合物およびそれを用いた半導体封止用エポキシ樹脂組成物ならびに半導体装置 - Google Patents

封止剤用化合物およびそれを用いた半導体封止用エポキシ樹脂組成物ならびに半導体装置

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JPH06128362A
JPH06128362A JP27750392A JP27750392A JPH06128362A JP H06128362 A JPH06128362 A JP H06128362A JP 27750392 A JP27750392 A JP 27750392A JP 27750392 A JP27750392 A JP 27750392A JP H06128362 A JPH06128362 A JP H06128362A
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JP
Japan
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epoxy resin
semiconductor
compound
resin composition
curing agent
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Application number
JP27750392A
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English (en)
Inventor
Yoshinobu Nakamura
吉伸 中村
Shinya Akizuki
伸也 秋月
Kiyoshi Saito
潔 斎藤
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 TCTテストで評価される各特性の向上およ
び半田溶融液に浸漬時の耐クラック性に優れた半導体装
置を得ることのできるノボラック体、エポキシ樹脂およ
びそれを用いた半導体封止用エポキシ樹脂組成物ならび
に半導体装置の提供をする。 【構成】 エポキシ樹脂,下記の一般式(1)で表され
る繰り返し単位を有する封止剤用化合物および無機質充
填剤を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用い
て半導体素子を樹脂封止する。 【化1】 〔上記式(1)において、Xはアントラセンから誘導さ
れる二価の有機基であって、水酸基を1〜3個有するも
のである。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、信頼性に優れた半導体
装置を作製するために用いられる封止用化合物およびそ
れを用いた半導体封止用エポキシ樹脂組成物ならびに半
導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トランジスター,IC,LSI等の半導
体素子は、従来セラミックパッケージ等によって封止さ
れ、半導体装置化されていたが、最近では、コスト,量
産性の観点から、プラスチックパッケージを用いた樹脂
封止が主流になっている。この種の樹脂封止には、従来
からエポキシ樹脂が使用されており良好な成績を収めて
いる。しかしながら、半導体分野の技術革新によって集
積度の向上とともに素子サイズの大形化,配線の微細化
が進み、パッケージも小形化,薄形化する傾向にあり、
これに伴って封止材料に対してより以上の信頼性(得ら
れる半導体装置の熱応力の提言,耐湿信頼性,耐熱衝撃
試験に対する信頼性等)の向上が要望されている。特に
近年、半導体素子サイズはますます大形化する傾向にあ
り、半導体封止樹脂の性能を評価する加速試験である熱
サイクル試験(TCTテスト)に対するより以上の性能
の向上が要求されている。また、半導体パッケージの実
装方法として表面実装が主流となってきており、このた
めに半導体パッケージを吸湿させたうえで半田溶融液に
浸漬してもパッケージにクラックや膨れが発生しないと
いう特性が要求されている。これに関して従来よりTC
Tテストで評価される各特性の向上のためにシリコーン
化合物でエポキシ樹脂を変性して熱応力を低減させるこ
とが検討されており、また半田浸漬時の耐クラック性の
向上のためにリードフレームとの密着性の向上等が検討
されてきたが、その効果は未だ充分ではない。
【0003】上記のように、これまでの封止用エポキシ
樹脂組成物は、TCTテストの結果や半田浸漬時の耐ク
ラック性の特性が充分ではなかった。このために、上記
の技術革新による半導体素子サイズの大形化や表面実装
化に対応できるように、上記の両特性の向上が強く望ま
れている。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、TCTテストで評価される各特性の向上および
半田溶融液に浸漬時の耐クラック性に優れた半導体装置
を得ることのできる封止剤用化合物およびそれを用いた
半導体封止用エポキシ樹脂組成物ならびに半導体装置の
提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の一般式(1)で表される繰り返し
単位を有する封止剤用化合物を第1の要旨とし、
【化3】 〔上記式(1)において、Xはアントラセンから誘導さ
れる二価の有機基であって、水酸基を1〜3個有するも
のである。〕 下記の一般式(2)で表される繰り返し単位を有する封
止剤用化合物を第2の要旨とする。
【化4】 〔上記式(2)において、Yは1〜3個のOH基を有す
るアントラセンにおいて、OH基の少なくとも一部をグ
リシジルエーテル化したものから誘導される二価の有機
基である。〕
【0006】また、エポキシ樹脂と、上記第1の要旨の
封止剤用化合物からなる硬化剤と、硬化促進剤とを含有
する半導体封止用エポキシ樹脂組成物を第3の要旨と
し、上記第2の要旨の封止剤用化合物からなるエポキシ
樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤とを含有する半導体封止
用エポキシ樹脂組成物を第4の要旨とし、上記第2の要
旨の封止剤用化合物からなるエポキシ樹脂と、第1の要
旨の封止剤用化合物からなる硬化剤と、硬化促進剤とを
含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物を第5の要旨
とする。さらに、上記第3の要旨である半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半
導体装置を第6の要旨とし、第4の要旨である半導体封
止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止して
なる半導体装置を第7の要旨とし、第5の要旨である半
導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封
止してなる半導体装置を第8の要旨とする。
【0007】
【作用】本発明者らは、TCTテストで評価される各特
性の向上および半田溶融液に浸漬した際の耐クラック性
の向上を実現すために一連の研究を重ねた。その結果、
封止剤用化合物として特殊な骨格を有する化合物、すな
わち前記のように繰り返し単位中にアントラセン骨格を
有する化合物を用いると、封止樹脂中の主骨格にアント
ラセン骨格が形成され、TCTテストおよび吸湿後の半
田溶融液に浸漬した際の耐クラック性の双方に優れるよ
うになることを見出し本発明に到達した。
【0008】つぎに、本発明を詳しく説明する。
【0009】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
としては、主成分を構成するエポキシ樹脂成分と、硬化
剤成分との組み合わせにより、つぎの3種類の態様があ
る。そして、上記3種類の態様に、それぞれ無機質充填
剤が加えられる。
【0010】第1の態様は、通常のエポキシ樹脂と、新
規の封止剤用化合物からなる硬化剤との組み合わせであ
り、第2の態様は、新規の封止剤用化合物からなるエポ
キシ樹脂と通常の硬化剤との組み合わせであり、第3の
態様は上記新規の封止剤用化合物からなるエポキシ樹脂
と新規の封止剤用化合物からなる硬化剤との組み合わせ
である。このような組み合わせからなる半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物は、通常、粉末状あるいはこれを打錠
したタブレット状になっている。
【0011】まず、第1の態様について説明する。
【0012】上記第1の態様において用いられる通常の
エポキシ樹脂は、2個以上のエポキシ基を有するもので
あれば特に分子量,分子構造等に制限するものではなく
従来の公知のものが用いられる。例えば、ビスフェノー
ルA型,フェノールノボラック型,クレゾールノボラッ
ク型等が用いられる。これら樹脂のなかでも融点が室温
を超えており、室温下では固形状もしくは高粘度の溶液
状を呈するものが好結果をもたらす。上記ノボラック型
エポキシ樹脂としては、通常、エポキシ当量160〜2
50、軟化点50〜130℃のものが用いられ、クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量
180〜210、軟化点60〜110℃のものが一般に
用いられる。
【0013】上記新規の封止剤用化合物からなる硬化剤
は、下記の一般式(1)で表される繰り返し単位を有す
るものである。
【0014】
【化5】 〔上記式(1)において、Xはアントラセンから誘導さ
れる二価の有機基であって、水酸基を1〜3個有するも
のである。〕
【0015】上記式(1)で表される繰り返し単位を有
する封止剤用化合物は、水酸基を1〜3個有するアント
ラセンと、アラルキルエーテル(p−キシレンあるいは
o−キシレン)を用い、フリーデルクラフツ反応により
縮合させることにより得られる。上記アントラセンとし
ては、ヒドロキシアントラセン,ジヒドロキシアントラ
セン,トリヒドロキシアントラセンがあげられる。具体
的には、1−ヒドロキシアントラセン、2−ヒドロキシ
アントラセン、9−ヒドロキシアントラセン、1,2−
ジヒドロキシアントラセン、1,4−ジヒドロキシアン
トラセン、9,10−ジヒドロキシアントラセン、1,
2,10−トリヒドロキシアントラセン、1,8,9−
トリヒドロキシアントラセン、1,2,7−トリヒドロ
キシアントラセンを用いるのが好適である。なかでも、
水酸基当量が70〜130で、軟化点が70〜140℃
のものが好ましい。また、上記アラルキルエーテルとし
ては、α,α′−ジメトキシパラエチレンを用いるのが
好ましい。さらに、上記式(1)において、繰り返し数
nは2〜500の範囲が好ましく、特に好ましくは2〜
10である。そして、上記式(1)で表される繰り返し
単位を有する封止剤用化合物は、硬化剤成分として用い
る場合、水酸基当量106〜200、軟化温度60〜1
80℃のものが好ましい。
【0016】上記通常のエポキシ樹脂と新規の封止剤用
化合物からなる硬化剤との配合比は、上記エポキシ樹脂
中のエポキシ基1当量当たり硬化剤中の水酸基が0.8
〜1.2当量となるように配合することが好ましい。
【0017】上記通常のエポキシ樹脂および新規の硬化
剤とともに用いられる無機質充填剤としては、特に限定
するものではなく、一般に用いられてい石英ガラス粉
末,タルク,シリカ粉末およびアルミナ粉末等があげら
れる。特にシリカ粉末を用いるのが好適である。このよ
うな無機質充填剤の含有量は、シリカ粉末の場合、エポ
キシ樹脂組成物全体中の50重量%(以下「%」と略
す)以上に設定することが好ましい。より好ましくは7
0%以上であり、特に好ましくは75%以上である。す
なわち、無機質充填剤の含有量が50%を下回ると充填
剤を含有した効果が大幅に低下する傾向がみられるから
である。
【0018】つぎに、前記第2の態様について説明す
る。
【0019】前記第2の態様に用いられる新規の封止剤
用化合物からなるエポキシ樹脂は、下記の一般式(2)
で表される繰り返し単位を有するものである。
【0020】
【化6】 〔上記式(2)において、Yは1〜3個のOH基を有す
るアントラセンにおいて、OH基の少なくとも一部をグ
リシジルエーテル化したものから誘導される二価の有機
基である。〕
【0021】上記式(2)で表される繰り返し単位を有
する封止剤用化合物は、つぎのようにして作製される。
すなわち、まず、水酸基を1〜3個有するアントラセン
と、アラルキルエーテル(p−キシレンあるいはo−キ
シレン)を用い、フリーデルクラフツ反応により縮合さ
せる。このようにして前記一般式(1)で表される繰り
返し単位を有する封止剤用化合物を作製する。この化合
物の水酸基当量は、前記一般式(1)の場合と同様に、
水酸基当量が106〜200で、軟化温度が60〜18
0℃が好ましい。ついで、このようにして得られる化合
物をエピクロルヒドリンと反応させてグリシジルエーテ
ル化することにより新規の封止剤用化合物が得られる。
上記アントラセンとしては、ヒドロキシアントラセン,
ジヒドロキシアントラセン,トリヒドロキシアントラセ
ンがあげられる。具体的には、1−ヒドロキシアントラ
セン、2−ヒドロキシアントラセン、9−ヒドロキシア
ントラセン、1,2−ジヒドロキシアントラセン、1,
4−ジヒドロキシアントラセン、9,10−ジヒドロキ
シアントラセン、1,2,10−トリヒドロキシアント
ラセン、1,8,9−トリヒドロキシアントラセン、
1,2,7−トリヒドロキシアントラセンを用いるのが
好適である。なかでも、水酸基当量が70〜130で、
軟化点が70〜140℃のものが好ましい。また、上記
アラルキルエーテルとしては、α,α′−ジメトキシパ
ラエチレンを用いるのが好ましい。さらに、上記式
(2)において、繰り返し数nは2〜500の範囲が好
ましく、特に好ましくは2〜10である。さらに、上記
式(2)で表される繰り返し単位を有する封止剤用化合
物は、エポキシ樹脂成分として用いる場合、エポキシ基
当量112〜338、軟化温度60〜150℃のものが
好ましい。
【0022】上記新規の封止剤用化合物からなるエポキ
シ樹脂とともに用いられる硬化剤としては、例えば通常
のノボラック型フェノール樹脂があげられ、具体的には
フェノールノボラック,クレゾールノボラック樹脂等が
好適に用いられる。これらノボラック樹脂は、軟化点が
50〜110℃、水酸基当量が70〜150のものを用
いることが好ましい。特に上記ノボラック樹脂のなかで
もフェノールノボラック樹脂を用いることが好結果をも
たらす。
【0023】上記新規の封止剤用化合物からなるエポキ
シ樹脂と通常の硬化剤との配合比は、前記第1の態様と
同様、上記新規のエポキシ樹脂中のエポキシ基1当量当
たり通常の硬化剤中の水酸基が0.8〜1.2当量とな
るように配合することが好ましい。
【0024】また、上記新規の封止剤用化合物からなる
エポキシ樹脂および通常の硬化剤とともに用いられる無
機質充填剤は、前記第1の態様と同様のものがあげら
れ、含有量も同様の割合に設定することが好適である。
【0025】つぎに、前記第3の態様について説明す
る。
【0026】前記第3の態様は、新規の封止剤用化合物
からなるエポキシ樹脂と新規の封止剤用化合物からなる
硬化剤との組み合わせであり、上記新規の封止剤用化合
物からなるエポキシ樹脂,新規の封止剤用化合物からな
る硬化剤および無機質充填剤とも、前記第1の態様およ
び第2の態様において用いられるものと同様のものがあ
げられる。
【0027】なお、前記第1〜第3の態様において、エ
ポキシ樹脂成分として上記特殊なエポキシ樹脂を用いる
場合、従来用いられる通常のエポキシ樹脂をエポキシ樹
脂成分全体の50%以内の割合で併用してもよい。ま
た、硬化剤成分として上記特殊な硬化剤を用いる場合、
上記エポキシ樹脂成分と同様従来用いられる通常の硬化
剤を硬化剤成分全体の50%以内の割合で併用してもよ
い。すなわち、通常のエポキシ樹脂および通常の硬化剤
が各成分全体の50%を超えると目的とするTCTテス
トで評価される各特性の向上効果が得られ難くなるから
である。
【0028】さらに、前記第1〜第3の態様において用
いられるエポキシ樹脂成分,硬化剤成分および無機質充
填剤に加えて、シリコーン化合物を併用することも効果
的である。上記シリコーン化合物としては、下記の一般
式(3)および(4)で表されるものがあげられ、単独
でもしくは併せて用いられる。
【0029】
【化7】
【0030】このようなシリコーン化合物の配合量は、
シリコーン化合物が半導体封止用エポキシ樹脂組成物全
体の5%以下になるように設定するのが好ましい。特に
好ましくは0.5〜3.0%の範囲内である。すなわ
ち、シリコーン化合物の配合量が5%を超えると耐熱性
等の特性が低下する傾向がみられるからである。
【0031】なお、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物には、前記第1〜第3の態様で用いられるエポキ
シ樹脂成分,硬化剤成分,無機質充填剤およびシリコー
ン化合物以外に、必要に応じて硬化促進剤、三酸化アン
チモン,リン系化合物等の難燃剤や顔料、シランカップ
リング剤等のカップリング剤等を用いることができる。
【0032】上記硬化促進剤としては、特に限定するも
のではなく従来公知のもの、例えばトリフェニルホスフ
ィン等のトリアリルホスフィン化合物、三級アミン、四
級アンモニウム塩、イミダゾール類およびホウ素化合物
等があげられる。これらは単独でもしくは併せて用いら
れる。
【0033】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
は、例えばつぎのようにして製造することができる。す
なわち、第1〜第3の態様で用いられるエポキシ樹脂成
分,硬化剤成分および無機質充填剤、さらにこれらに加
えてシリコーン化合物、そして必要に応じて硬化促進
剤,難燃剤,顔料およびカップリング剤を所定の割合で
配合する。ついで、これらの混合物をミキシングロール
機等の混練機にかけ、加熱状態で溶融混練してこれを室
温に冷却した後、公知の手段によって粉砕し、必要に応
じて打錠するという一連の工程によって目的とする半導
体封止用エポキシ樹脂組成物を得ることができる。
【0034】このような半導体封止用エポキシ樹脂組成
物を用いての半導体素子の封止等は特に限定するもので
はなく、通常のトランスファー成形,注型方法等の公知
のモールド方法によって行うことができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明は、特殊な骨格を
有する化合物、すなわちアントラセン骨格を有する封止
剤用化合物をエポキシ樹脂成分および硬化剤の少なくと
も一方として用いて得られる半導体封止用エポキシ樹脂
組成物によって半導体素子を樹脂封止する。このため、
封止樹脂中にアントラセン骨格が形成され、TCTテス
トで評価される特性が向上して長寿命になる。また、吸
湿後、半田溶融液に浸漬した場合においてもパッケージ
クラックが発生しにくい。さらに、上記特殊な半導体封
止用エポキシ樹脂組成物による封止により、8ピン以
上、特に16ピン以上の、もしくは半導体素子の長辺が
4mm以上の大形の半導体装置において、上記のような
高信頼性が得られるようになるのであり、これが大きな
特徴である。
【0036】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0037】半導体封止用エポキシ樹脂組成物の作製に
先立って、下記のシリコーン化合物a〜d、エポキシ樹
脂A〜Gおよび硬化剤A〜Gを準備した。
【0038】〔シリコーン化合物a〕
【化8】 エポキシ当量:1800
【0039】〔シリコーン化合物b〕
【化9】 エポキシ当量:3000
【0040】〔シリコーン化合物c〕
【化10】 エポキシ当量:7000
【0041】〔シリコーン化合物d〕
【化11】 アミン当量:3800
【0042】なお、上記シリコーン化合物a〜dにおい
て、nの値は、シリコーン化合物aでは40、シリコー
ン化合物bでは60、シリコーン化合物cでは29であ
る。Xの値は、シリコーン化合物cでは152、シリコ
ーン化合物dでは148である。Yの値は、シリコーン
化合物cおよびシリコーン化合物dとも3である。Zの
値は、シリコーン化合物cでは5である。
【0043】〔エポキシ樹脂A〕下記の構造式で表され
る1,4−ジヒドロキシアントラセンとp−キシレンと
を反応させた。
【化12】 ついで、これにエピクロルヒドリンを反応させてグリシ
ジルエーテル化した。 エポキシ当量:212、軟化温度:110℃
【0044】〔エポキシ樹脂B〕下記の構造式で表され
る9,10−ジヒドロキシアントラセンとp−キシレン
とを反応させた。
【化13】 ついで、これにエピクロルヒドリンを反応させてグリシ
ジルエーテル化した。 エポキシ当量:112、軟化温度:108℃
【0045】〔エポキシ樹脂C〕下記の構造式で表され
る1,2,10−トリヒドロキシアントラセンとp−キ
シレンとを反応させた。
【化14】 ついで、これにエピクロルヒドリンを反応させてグリシ
ジルエーテル化した。 エポキシ当量:162、軟化温度:90℃
【0046】〔エポキシ樹脂D〕下記の構造式で表され
る1−モノヒドロキシアントラセンとp−キシレンとを
反応させた。
【化15】 ついで、これにエピクロルヒドリンを反応させてグリシ
ジルエーテル化した。 エポキシ当量:338、軟化温度:82℃
【0047】〔エポキシ樹脂E〕1,4−ジヒドロキシ
アントラセンと1,2,10−トリヒドロキシアントラ
センの混合物〔混合比(重量比)=1/1〕とp−キシ
レンとを反応させた。これにエピクロルヒドリンとを反
応させてグリシジルエーテル化した。 エポキシ当量:182、軟化温度:98℃
【0048】〔エポキシ樹脂F〕9,10−ジヒドロキ
シアントラセンと1,8,10−トリヒドロキシアント
ラセンの混合物〔混合比(重量比)=1/1〕とp−キ
シレンとを反応させた。これとエピクロルヒドリンとを
反応させてグリシジルエーテル化した。 エポキシ当量:182、軟化温度:96℃
【0049】〔エポキシ樹脂G〕 o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 エポキシ当量:195、軟化温度80℃
【0050】〔硬化剤A〕下記の構造式で表される1,
4−ジヒドロキシアントラセンとp−キシレンとを反応
させた。
【化16】 水酸基当量:156、軟化温度:130℃
【0051】〔硬化剤B〕下記の構造式で表される9,
10−ジヒドロキシアントラセンとp−キシレンとを反
応させた。
【化17】 水酸基当量:156、軟化温度:129℃
【0052】〔硬化剤C〕下記の構造式で表される1,
2,10−トリヒドロキシアントラセンとp−キシレン
とを反応させた。
【化18】 水酸基当量:106、軟化温度:110℃
【0053】〔硬化剤D〕下記の構造式で表される1−
モノヒドロキシアントラセンとp−キシレンとを反応さ
せた。
【化19】 水酸基当量:282、軟化温度:101℃
【0054】〔硬化剤E〕1,4−ジヒドロキシアント
ラセンと1,2,10−トリヒドロキシアントラセンの
混合物〔混合比(重量比)=1/1〕とp−キシレンと
を反応させた。(水酸基当量:126、軟化温度:11
6℃)
【0055】〔硬化剤F〕9,10−ジヒドロキシアン
トラセンと1,8,10−トリヒドロキシアントラセン
の混合物〔混合比(重量比)=1/1〕とp−キシレン
とを反応させた。 (水酸基当量:126、軟化温度:118℃)
【0056】〔硬化剤G〕 フェノールノボラック樹脂。 水酸基当量:105、軟化温度:80℃
【0057】
【実施例1〜34、比較例1〜3】上記シリコーン化合
物a〜d,エポキシ樹脂A〜Gおよび硬化剤A〜Gと、
下記の表1〜表6に示す各成分を同表に示す割合で配合
し、ミキシングロール機(温度100℃)で3分間溶融
混練を行い、冷却固化後粉砕して目的とする粉末状の半
導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】以上の実施例および比較例によって得られ
たエポキシ樹脂組成物を用い、半導体素子をトランスフ
ァー成形(条件:175℃×2分、175℃×5時間後
硬化)することにより半導体装置を得た。このパッケー
ジは80ピンQFP(クウオッドフラットパッケージ、
サイズ:20×14×2mm)であり、ダイパッドサイ
ズは8×8mmである。
【0065】このようにして得られた半導体装置につい
て、−50℃/5分〜150℃/5分の熱サイクルテス
ト(TCTテスト)を行った。また、85℃/85%相
対湿度の恒温槽中に放置して吸湿させた後に、260℃
の半田溶融液に10秒間浸漬する試験を行った。この結
果を下記の表7〜表10に示した。
【0066】
【表7】
【0067】
【表8】
【0068】
【表9】
【0069】
【表10】
【0070】上記表7〜表10の結果から、実施例品の
TCTテストおよび半田溶融液への浸漬時の耐クラック
性が比較例である従来品に比べて著しく優れていること
がわかる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1)で表される繰り返し
    単位を有することを特徴とする封止剤用化合物。 【化1】 〔上記式(1)において、Xはアントラセンから誘導さ
    れる二価の有機基であって、水酸基を1〜3個有するも
    のである。〕
  2. 【請求項2】 下記の一般式(2)で表される繰り返し
    単位を有することを特徴とする封止剤用化合物。 【化2】 〔上記式(2)において、Yは1〜3個のOH基を有す
    るアントラセンにおいて、OH基の少なくとも一部をグ
    リシジルエーテル化したものから誘導される二価の有機
    基である。〕
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂と、請求項1記載の封止剤
    用化合物からなる硬化剤と、硬化促進剤とを含有するこ
    とを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の封止剤用化合物からなる
    エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤とを含有するこ
    とを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の封止剤用化合物からなる
    エポキシ樹脂と、請求項1記載の封止剤用化合物からな
    る硬化剤と、硬化促進剤とを含有することを特徴とする
    半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の半導体封止用エポキシ樹
    脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半導体装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の半導体封止用エポキシ樹
    脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半導体装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の半導体封止用エポキシ樹
    脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半導体装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2005085316A1 (ja) * 2004-03-03 2007-08-09 日立化成工業株式会社 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2019172717A (ja) * 2018-03-26 2019-10-10 味の素株式会社 樹脂組成物

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