JP4983175B2 - 感圧センサ - Google Patents
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Description
これは、厚肉部115の内側に連接された薄肉部に設けた2つの突起111によって応力感応素子117を支持する構造であり、各突起111に相当するダイヤフラム部分の肉厚T1が突起と各厚肉部とを連接する外側連接部112の肉厚T2よりも厚いため、薄肉部に曲げ応力Pが加わった際に突起111よりも内側のダイヤフラム部分(内側連接部113)はほとんど変形せずに気密空間S側に押し出される(平行移動する)に過ぎないからである。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、ダイヤフラムの厚肉部の内側に連接された薄肉部内壁に設けた2つの素子搭載部によって応力感応素子を支持する構造の周波数変化型絶対圧センサにおいて、薄肉部外面に曲げ応力が加わった場合に両素子搭載部を拡開方向へ変形させて応力感応素子を引張り方向へ応答性よく変形させることができる感圧センサを提供することを目的としている。
本発明では、変形領域に加わる曲げ応力を各素子搭載部により支持された応力感応素子を軸方向へ伸張させる引張り応力に変換する応力変換部を設けたので上記不具合を解消することができる。
応力変換部としては、素子搭載部が外側へ拡開することによって応力感応素子をその軸方向へ伸張させる方向への引張り応力を発生させるようにした構成であれば、どのような構成であってもよい。
また、本発明の圧力センサは、前記各素子搭載部は、前記変形領域内壁から前記気密空間内に突出する突起であり、前記応力変換部は、前記各突起間を連接する内側連接部下面の高さ位置を、前記各突起と前記接合部との間を連接する外側連接部下面の高さ位置よりも上方に設定した構成を備えていることを特徴とする。
内側連接部と外側連接部の高さ位置に差異を設け、内側連接部の変形をより容易にしたので、感度を高めることが可能となる。
突起としての素子搭載部の上側面に凹所を設けることにより突起を薄肉化して変形を容易化したものである。
また、本発明の圧力センサは、前記各突起の肉厚と、前記突起間を連接する内側連接部の肉厚と、前記各突起と前記接合部間を連接する外側連接部の肉厚を略同等としたことを特徴とする。
このように構成することにより、外側連接部に対する内側連接部の変形し易さを同等か、或いはそれ以上とすることができる。
各突起の肉厚と、内側連接部の肉厚と、外側連接部の肉厚を略同等としつつ、内側連接部を外側連接部よりも上方に配置したので、感度を更に高めることが可能となる。
また、本発明の圧力センサは、前記素子搭載部は、前記変形領域の中央部を上方へ凹陥させることにより該凹陥部の両側縁部に形成された平坦面であることを特徴とする。
素子搭載部は必ずしも突起である必要はなく、変形領域の中央部を上方にへこませることによって、該凹陥部の両側に形成される平坦面を素子搭載部としてもよい。
また、本発明の圧力センサは、前記応力感応素子は、双音叉型圧電振動子であることを特徴とする。
双音叉振動子は引張り応力に対する感度と圧縮感度が良好であり、高度計用、或いは深度計用の応力感応素子として使用した場合には分解能力が優れるために僅かな気圧差から高度差、深度差を知ることができる。
ダイヤフラムと圧電振動素子基板とを同じ材料にて構成することにより、部材間の熱膨張差に起因した感度のバラツキという不具合を防止できる。
また、本発明の圧力センサは、前記圧電振動基板は、水晶であることを特徴とする。
図1(a)は本発明の一実施形態に係る周波数変化型の絶対圧測定用の圧力センサの構成を示す縦断面図であり、(b)はダイヤフラムと基台の内側面を示す展開図である。
圧力センサ1は、ソーダガラス等の絶縁材料から成る基台2上に、単結晶材料としての弾性材料、例えば水晶、シリコン等から成るダイヤフラム10を接合することにより基台上面とダイヤフラム下面との間に気密空間(真空空間)Sを形成すると共に、ダイヤフラム10側によって圧電振動素子等の応力感応素子30を支持することにより応力感応素子を気密空間S内に封止した構成を備えている。
基台2とダイヤフラム10はハウジングを構成している。このハウジングの寸法は、例えば縦横寸法が5mm、厚みが1mm程度である。
応力感応素子30は、水晶等の圧電材料から成る圧電振動基板と、圧電振動基板面に形成された図示しない複数の励振電極膜と、各励振電極膜から夫々圧電振動基板端縁に引き出された図示しないリード電極膜と、を備えた圧電振動素子である。この例では、応力感応素子30として2本の振動ビームを平行に配置した双音叉型圧電振動素子を用いている。双音叉振動子は引張り応力に対する感度と圧縮感度が良好であり、高度計用、或いは深度計用の応力感応素子として使用した場合には分解能力が優れるために僅かな気圧差から高度差、深度差を知ることができる。
以上のように、ダイヤフラム10の変形領域11を形成するが、内側連接部41と、外側連接部45のそれぞれの領域に、厚み方向に交流電界を印加して、共振周波数を測定することで、内側連接部41と、外側連接部45のそれぞれの領域の厚みを測定することが出来る。
なお、ダミー基板用いてエッチングレートを測定し、エッチング時間を調整することもできるが、ダイヤフラム10そのものを測定したほうが、製品のばらつきを抑えることができる。
外力Fを2本の振動ビームに加えたときの共振周波数
を求めると、
但し K:基本波モードによる定数(=0.0458)で表され、断面2次モーメント
より、(1)式は、次式のように変形することができる。
但し
の関係は、図2に示すように力Fが圧縮で共振周波数
が減少し、引張りでは増加する。また応力感度
は振動ビームの
の2乗に比例する。
ここでは、双音叉振動子を用いたが、引張・圧縮の力に応答するその他の素子を用いることもできる。
基台2をガラス材料にて構成する場合には、水晶材料から成るダイヤフラム10に対しては引出し導体膜35、36を介して陽極接合することができる。
応力変換部40は、各素子搭載部12間を連接する内側連接部41と、各素子搭載部12と各接合領域20との間を連接する外側連接部45と、を含んでいる。
応力変換部40は、変形領域11の外面に対してこれを圧縮変形させる曲げ応力Pが加わった場合に、内側連接部41を図1(a)中に破線で示すように応答性よく弾性変形させて素子搭載部間距離を離間させるように作用する。両素子搭載部12が略ハ字状に拡開することにより、各素子搭載部12の端部間に固定された応力感応素子30は引き延ばされる方向への応力を受けて共振周波数を変化させる。この共振周波数の変化を引出し導体35、36を介して接続された図示しない発振回路を介して測定することにより共振周波数の変化に応じた応力Pの圧力値を算出することができる。
ダイヤフラム10の内側面には、図1(b)に示すように接合領域20に沿って形成された引出し導体膜35と、スルーホール36aを介してダイヤフラム外面の電極と導通した引出し導体膜36と、が配置されている。更に、破線で示した矩形の領域は基台2側の凹所2aに対応しており、この領域内には素子搭載部12が突設されている。
即ち、図7に示した従来の圧力センサのダイヤフラムにおける外側連接部112の下面の高さ位置h2’と、内側連接部113の下面の高さ位置h1’は同等であり、しかも外側連接部112の上面と内側連接部113の上面の高さ位置も同等であるため、応力Pが加わった際に素子搭載部111と内側連接部113を十分に弾性変形させることが困難であった。
これに対して、本実施形態のダイヤフラム10にあっては内側連接部41下面の高さ位置と外側連接部45下面の高さ位置を異ならせており、その結果として内側連接部41上面の高さ位置と、外側連接部45上面の高さ位置が異なっているため、応力Pが加わった際に内側連接部41が下方(真空空間S側)へ変形し易くなり、各素子搭載部12がハ字状に拡開し易くなるため、応力感応素子30を引き延ばす方向への応力を応答性よく発生させて共振周波数を変化させることができる。従って、感度の高い圧力センサを得ることができる。
この圧力センサ1は、変形領域11の内壁から気密空間(真空空間)S内に突出した突起としての各素子搭載部12に対応した変形領域の上面側部位に凹所12aを設けることにより各素子搭載部12に相当するダイヤフラム部分の肉厚を薄肉化した構成が特徴的である。
このように構成することにより、内側連接部41に上側から加わる応力Pによって内側連接部41は破線で示すように下方へ撓みを起こし易くなり、その結果として突起としての各素子搭載部12が外側へ拡開する方向へ変形し易くなる。このため、各素子搭載部12の端部により支持された応力感応素子30は伸張する方向への引張り力を受け、共振周波数を変化させる。
次に、図4に示した圧力センサ1は、一点鎖線で示した従来構造のダイヤフラムの変形領域の上面に広い範囲に亘って凹所11aを形成することにより、各素子搭載部12と内側連接部41と外側連接部45の一部分に夫々対応するダイヤフラムの肉厚を薄くして応力Pに対する感度を高めた構成が特徴的である。
即ち、この実施形態では各素子搭載部12を含む変形領域11を所定の範囲に亘って薄肉化したので、内側連接部41に上側から加わる応力Pによって内側連接部41は破線で示すように下方へ撓みを起こし易くなり、その結果として突起としての各素子搭載部12が外側へ拡開する方向へ変形し易くなる。このため、素子搭載部12の端部により支持された応力感応素子30は引張り方向へ伸張し易くなり、共振周波数を変化させ易くなる。
即ち、この実施形態では各素子搭載部12を含む変形領域11を所定の範囲に亘って均一肉厚で薄肉化したので、内側連接部41に上側から加わる応力Pによって内側連接部41は破線で示すように下方へ撓みを起こし易くなる、その結果として突起としての各素子搭載部12が外側へ拡開する方向へ変形し易くなる。このため、素子搭載部12の端部により支持された応力感応素子30は引張り方向へ伸張し易くなり、共振周波数を変化させ易くなる。
なお、図5中に一点鎖線で示すように内側連接部41の高さ位置を外側連接部45の高さ位置よりも高く設定することにより、更に感度を高めることができる。
この実施形態に係る圧力センサによれば、内側連接部41に上側から加わる応力Pによって内側連接部41は破線で示すように下方へ撓みを起こし易くなり、その結果として突起としての各素子搭載部12が外側へ拡開する方向へ変形し易くなる。このため、素子搭載部12の端部により支持された応力感応素子30は引張り方向へ伸張し易くなり、共振周波数を変化させ易くなる。
なお、基台2をダイヤフラムと同材質の水晶材料から構成することにより、部材間の熱膨張係数差をなくして、温度差による圧力センサの特性の変動を防止することができる。
Claims (7)
- 一方の主面に複数の突起を有している変形領域と、前記変形領域を囲む接合領域を有しているダイヤフラムと、
前記突起を覆い且つ前記接合領域の一方の主面と接合して、前記ダイヤフラムと共に気密空間を構成している基台と、
前記突起に支持されている応力感応素子と、を備え、
一方の主面において、前記突起の頂点高さと前記各突起の間の内側連接部の底面の高さとの間に、前記各突起と前記接合領域との間の外側連接部の底面が位置することを特徴とする圧力センサ。 - 前記ダイヤフラムは、他方の主面における前記外側連接部の底面の位置が、一方の主面における前記内側連接部の底面の位置よりも基台側にあることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
- 前記応力感応素子を支持している前記各突起の他方の面側に凹部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力センサ。
- 前記応力感応素子を支持している前記各突起の厚さと、前記内側連接部の肉厚と、前記外側連接部の厚さとが、略同等であること特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の圧力センサ。
- 前記応力感応素子は、双音叉型圧電振動子であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の圧力センサ。
- 前記ダイヤフラムと前記応力感応素子とは、同じ材料から構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の圧力センサ。
- 前記応力感応素子は、水晶であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の圧力センサ。
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