JP2010008131A - 応力感応装置、応力感応装置の製造方法、及び加速度センサ - Google Patents

応力感応装置、応力感応装置の製造方法、及び加速度センサ Download PDF

Info

Publication number
JP2010008131A
JP2010008131A JP2008165518A JP2008165518A JP2010008131A JP 2010008131 A JP2010008131 A JP 2010008131A JP 2008165518 A JP2008165518 A JP 2008165518A JP 2008165518 A JP2008165518 A JP 2008165518A JP 2010008131 A JP2010008131 A JP 2010008131A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stress
stress sensitive
diaphragms
diaphragm
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008165518A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshikuni Saito
佳邦 齋藤
Kenta Sato
健太 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Miyazaki Epson Corp
Original Assignee
Miyazaki Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Miyazaki Epson Corp filed Critical Miyazaki Epson Corp
Priority to JP2008165518A priority Critical patent/JP2010008131A/ja
Publication of JP2010008131A publication Critical patent/JP2010008131A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pressure Sensors (AREA)

Abstract

【課題】他軸感度を抑圧し、2つの応力感応素子関の音響結合を低減した差動型の応力感
応装置を得る。
【解決手段】2つのダイヤフラム10、15と、応力感応部及びこの応力感応部の両端部
に夫々固定部を有する2つの応力感応素子2、6と、重り部20と、を備え、2つの応力
感応素子2、6は、夫々の応力感応素子2、6が、2つのダイヤフラム10、15の中間
領域を夫々跨ぐようにダイヤフラム10、15の一方の面に接続し、重り部20は、2つ
のダイヤフラム10、15の間に配置され、2つのダイヤフラム10、15の他方の面の
中間領域に接続するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、応力感応装置、その製造方法及び加速度センサ関し、特に他軸感度を大幅に
抑制し、検出感度を高めた応力感応装置、その製造方法及び加速度センサに関する。
加速度センサは従来から自動車、航空機、ロッケットから各種プラントの異常振動監視
等まで、広く使用されている。特許文献1には、図7(a)に示すような一体形プッシュ
プル力変換器が開示されている。この力変換器は、取付部材72、74と、力感知部材7
6、78と、から成る本体70を有している。力感知部材78は、取付部材72に接続し
た第1の端部82と、取付部材74に接続した第2の端部84と、第1及び第2の端部8
2、84の間に形成された一対の振動ビーム86を有している。力感知部材76の第1の
端部92は、変換器軸心80と平行に取付部材74から取付部材72に向かって延びるア
ーム98の端部に接続されている。力感知部材76の第2の端部94は、変換器軸心80
と平行に取付部材72から取付部材74に向かって延びるアーム100の端部に接続され
ている。力感知部材76、78の力感知軸心は、変換器軸心80と平行に形成した振動ビ
ーム86、96と平行となるように構成されている。
取付部材72、74は構造部分102、104に取付けられていて、力変換器が構造部
分102、104によって伝達される引張力又は圧縮力の測定を行う。取付部材72に作
用する力は、力感知部材76の第2の端部94と、力感知部材78の第1の端部82に伝
達される。同様に、取付部材74に作用する力は力感知部材76の第1の端部92と、力
感知部材78の第2の端部84に伝達される。連結構造に形成されているため、力感知軸
心80に直交した取付部材72、74に作用する力は引張力であれ、圧縮力であれ、一方
の感知部材には圧縮力が、他方の感知部材には引張力が作用すると開示されている。
なお、本体70は一体構造をしており、例えば、水晶やシリコンウェハーからなる基板
をエッチングして形成することができる。また、力感知部材76、78は複振動ビーム型
の例を示しているが、表面音響変換器、単振動ビーム変換器、ピエゾ抵抗歪み計のような
他の変換器のものも使用できる。
図7(b)は、揺動加速度計への力変換器の利用を示している。加速度計は試験質量1
12が弾性部材(梁)114によって吊り下げ支持される支持体110を有している。力
変換器70は、変換器軸心122が試験質量112の搖動軸心124に平行又は実質的に
平行であるように試験質量112と支持体110の間に連結された構造をしている。
特表平3−501531号公報
図7(b)に示した特許文献1の加速度計は、弾性部材(梁)114がZ軸方向に撓む
ことにより加速度を検知するように構成されている。しかしながら、弾性部材(梁)11
4はX軸方向に沿って双曲線状に薄く加工されているためX軸方向にも撓み易く、X軸方
向の加速度も検知するという問題があった。
また、図7(b)に示したような、支持体110と試験質量112と弾性部材114と
からなるカンチレバー構造を用いて差動型加速度計を構成すると、2つの力変換器同士が
試験質量112を介して音響結合し易いという問題があった。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、他軸感度を大幅に抑圧し、音響結
合の低減し応力感応装置、その製造方法を提供することにある。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本発明に係る応力感応装置は、2つのダイヤフラムと、応力感応部及び該
応力感応部の両端部に夫々固定部を有する2つの応力感応素子と、重り部と、を備え、前
記2つの応力感応素子は、夫々の応力感応素子が、前記2つのダイヤフラムの中間領域を
夫々跨ぐように前記ダイヤフラムの一方の面と前記固定部とを固定、前記重り部は、前記
2つのダイヤフラムの間に配置され、前記2つのダイヤフラムの他方の面の中間領域と固
定した応力感応装置を特徴とする。
以上のように応力感応装置を構成し、2つのダイヤフラムの端部を固定部材に支持して
用いると、ダイヤフラムの垂直方向の力に対し、ダイヤフラムは変形するように構成され
ているため、該方向の加速度が検出される。ダイヤフラムと平行な長辺方向の力に対して
は、ダイヤフラムの変形は極めて小さいし、ダイヤフラムと平行な短辺方向の力に対して
は、さらに変形しづらい。つまり、他軸感度は極めて小さいという効果がある。また、2
つの応力感応素子が搭載されたダイヤフラムは、重り部の両端に立設した突部を介して接
しているため、応力感応素子相互の音響漏れは極めて小さいという効果がある。さらに、
2つの応力感応素子が差動型構成であるので、応力感度(加速度感度)が1つの場合の2
倍であり、加速度方向も検出できるという利点がある。
[適用例2]前記ダイヤフラムと前記重り部との間に突部を有し、該突部を介して前記
重り部と前記2つのダイヤフラムとが夫々接続されることを特徴とする適用例1に記載の
応力感応装置である。
以上のように応力感応装置を構成すると、応力感応素子相互の音響漏れは極めて小さく
、加速度の測定精度が向上すると共に、加速度の感度が上がるという効果がある。
[適用例3]前記突部が菱型形状をしていることを特徴とする適用例2に記載の応力感
応装置である。
以上のように重り部の突部を菱型形状に構成すると、加速度の感度が最もよくなると共
に、応力感応素子相互の音響漏れが少ないという効果がある。
[適用例4]前記突部が楕円形状をしていることを特徴とする適用例2に記載の応力感
応装置である。
以上のように重り部の突部を楕円形状に構成すると、加速度の感度が長方形に比較して
よくなると共に、過度の加速度に耐用でき、音響漏れ防止による加速度精度も向上すると
いう効果がある。
[適用例5]前記応力感応素子は、圧電振動素子であることを特徴とする適用例1乃至
4の何れか1項に記載の応力感応装置である。
以上のように圧電振動素子を用いて応力感応装置を構成すると、応力感応装置の加速度
測定の感度、精度が向上し、再現性が改善されるという効果がある。
[適用例6]前記応力感応素子は、双音叉型圧電振動素子であることを特徴とする適用
例1乃至4の何れか1項に記載の応力感応装置である。
以上のように双音叉型圧電振動素子を用いて応力感応装置を構成すると、応力感応装置
の品質が安定すると共に、応力感応装置の加速度測定精度、感度が大幅に向上し、温度特
性、再現性が改善されるという効果がある。
[適用例7]適用例1乃至6の何れか1項に記載の応力感応装置の製造方法であって、
複数の素子支持片にて連結された、複数の前記応力感応素子を有する応力感応素子基板を
用意する工程と、複数のダイヤフラム支持片にて連結された、複数の前記ダイヤフラムを
有するダイヤフラム基板を用意する工程と、複数の重り部支持片にて連結された、複数の
前記重り部を有する重り部基板を用意する工程と、前記重り部基板の両面の複数の突部と
、前記各ダイヤフラム基板の複数のダイヤフラムの他方の面とを夫々重ね合わせて第1の
積層体を形成する工程と、
前記応力感応素子基板を前記積層体の両面に夫々重ね合わせて第2の積層体を形成する
工程と、前記第2の積層体の前記素子支持片、前記ダイヤフラム支持片及び前記重り部支
持片を切断する工程と、からなることを特徴とする応力感応装置の製造方法である。
以上のように、フォトリソグラフィ技術とエッチング手法を用いた応力感応装置の製造
方法を採用すると、品質の均一な応力感応装置の量産化が可能となり、コストの大幅低減
が図れるという効果がある。また、品質のばらつきが小さい応力感応装置を効率良く生産
できるという利点もある。
[適用例8]適用例1乃至6の何れか1項に記載された応力感応装置と、該応力感応装
置を気密封止するハウジング及び蓋と、前記2つの応力感応素子を構成する励振電極と夫
々電気的に接続される2つの発振回路と、該発振回路の周波数変化を処理する処理装置と
、を備えたことを特徴とする加速度センサである。
以上のように加速度センサを構成すると、加速度センサは他軸感度が極めて小いと共に
、応力感応素子相互の音響漏れが少ないので、加速度の測定精度が向上するという効果が
ある。さらに、差動型構成であるので、加速度感度が良く、加速度方向も検出できるとい
う利点がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る応力感応装置の構成を示す分解斜視図であり、図2
は応力感応装置の断面図である。応力感応装置1は、第1及び第2の応力感応素子2、6
と、該応力感応素子2、6を搭載した第1及び第2のダイヤフラム10、15と、該第1
及び第2のダイヤフラム10、15の間に配置された重り部20と、を備えている。
第1及び第2の応力感応素子2、6と、第1及び第2のダイヤフラム10、15とは、
共に同一構造をしているので、一方の応力感応素子、ダイヤフラムについて説明する。第
1の応力感応素子2は、例えば図1に示すように、2つ固定部3、4、及び各固定部3、
4間を連設する2つの振動ビームを備えた圧電基板からなる応力感応部5と、該圧電基板
の振動領域上に形成した励振電極と、を備えた双音叉型圧電振動素子である。
第1のダイヤフラム10は、図1に示すように、矩形状平板の一方の主面11a上の周
縁部に環状に立設された外周壁12と、該外周壁12内であって、図中左右の端部寄りに
平行に配置した2つの搭載パッド13、14と、を備えている。他方の主面11bは平坦
面である。
重り部20は、矩形状平板の両主面21a、21bの中央部に対称に突き出た突部23
(23a、23b)を備えている。
そして、第1及び第2のダイヤフラム10、15と、第1及び第2の応力感応素子2、
6とは、重り部20の厚さの中心線に対して上下に対称に配置されている。
第1の応力感応素子2、例えば双音叉型水晶振動素子は、フォトリソグラフィ技術とエ
ッチング手法を用いて水晶基板を微細に加工し、大量生産する技術が確立されている。ま
た、第1のダイヤフラム10及び重り部20もフォトリソグラフィ技術と、エッチング手
法と用いて、水晶基板を加工して形成することができる。ダイヤフラム10は一方の主面
のみ、重り部20は両主面を加工して形成する。なお、第1及び第2のダイヤフラム10
、15及び重り部20は必ずしも圧電材料である必要はない。例えばダイヤフラム10、
15及び重り部20は、恒弾性の金属材料でもよい。ただ、応力感応素子と線膨張係数が
同等であることが望ましい。
本実施の形態に係る応力感応装置1の構成は、重り部20の両主面21a、21bに立
設している突部23a、23bの端面に接着剤等を塗布し、該接着剤に夫々第1及び第2
のダイヤフラム10、15の平坦面11b、16bを載置し、接着、固定する。そして、
第1及び第2のダイヤフラム10、15に形成した搭載パッド13、14及び18、19
に接着剤等を塗布し、該接着剤上に夫々第1及び第2の双音叉型水晶振動素子2、6の固
定部4、5および7、8を載置し、接着、固定して、構成される。つまり、第1及び第2
の双音叉型水晶振動素子2、6の応力感応部5、9は、夫々搭載パッド13、14及び1
8、19の間に位置し、第1及び第2のダイヤフラム10、15の中間領域を夫々が跨ぐ
ように構成され、自由に励振できる。応力感応装置1の構造は、図2に示すように、厚さ
方向に対し対称に構成されている。
図2に示す応力感応装置1の動作について説明する。応力感応装置1の第1及び第2の
ダイヤフラム10、15夫々の少なくとも一方の端部は、固定部材に固定され、+Z軸方
向の加速度αが応力感応装置1に印加されたものとする。応力感応装置1には、慣性力に
より−Z軸方向の力F(mα、mは質量)が作用する。この力Fが重み部20の突部23
(23a、23b)に作用し、第1のダイヤフラム10は−Z軸方向に引っ張られ、第2
のダイヤフラム15は−Z軸方向に押され、第1及び第2のダイヤフラム10、15共に
湾曲に撓むことになる。ダイヤフラム10、15が加速度により変形することにより、第
1及び第2のダイヤフラム10、15の夫々の搭載パッド13、14及び18、19が湾
曲に撓む。その結果、搭載パッド13、14及び18、19に固定された双音叉型水晶振
動素子2、6はダイヤフラム10、15の変形に伴うY軸方向の力を受けて湾曲に変形し
、応力感応部5、9にY軸方向の応力が加わるため、双音叉型水晶振動素子2、6の共振
周波数が変化する。第1及び第2のダイヤフラム10、15の形状は、応力感応装置1の
厚さの中心線に対し上下対称に構成されているので、第1及び第2のダイヤフラム10、
15の撓みより第1の双音叉型水晶振動素子2には圧縮応力が働き、第2の双音叉型水晶
振動素子6には伸長応力が働くことになる。つまり、第1の双音叉型水晶振動素子2の共
振周波数は減少し、第2の双音叉型水晶振動素子6の共振周波数は増加するように動作す
る。
例えば、第1及び第2の双音叉型水晶振動素子2、6の無負荷時の共振周波数F1、F
2を共に40kHzに設定したものとする。+Z軸方向にある加速度(α)が印加され、
共振周波数F1がf1=38kHzに、F2がf2=42kHzに変化したとする。差周
波数の絶対値|f2−f1|は4kHzになる。反対に、−Z軸方向に同じ大きさの加速
度(−α)が印加されると、共振周波数F1がf1=42kHzに、F2がf2=38k
Hzに変化する。差周波数の絶対値|f2−f1|は4kHzになる。このように、2つ
の応力感応素子2、6を用いて差動構造の応力感応装置1を構成すると、応力感応素子が
1つの場合の変化量2kHzに比べて、加速度検出感度は2倍となる。更に、差周波数の
符号により加速度の方向が判別される。なお、第1及び第2の双音叉型水晶振動素子2、
6の無負荷時の共振周波数F1、F2は必ずしも同一である必要はない。
図1、2に示した応力感応装置1では、第1及び第2の応力感応素子2、6は、夫々2
つの固定部3、4及び8、9と、各固定部間を連設する2つの振動ビームを備えた圧電基
板からなる応力感応部5、9と、圧電基板の振動領域上に形成した励振電極と、を備えた
双音叉型水晶振動素子を用いている。
双音叉型水晶振動素子は伸張・圧縮応力に対する感度が良好であり、高度計用、或いは
深度計用の応力感応素子として使用した場合には分解能力が優れるために僅かな気圧差か
ら高度差、深度差を知ることができる。また、双音叉型水晶振動素子が呈する周波数温度
特性は、上に凸の二次曲線となり、その頂点温度が常温(25℃)になるように各パラメ
ータを設定する。
双音叉型水晶振動素子の2本の振動ビームに外力Fを加えたときの共振周波数fFは以
下の如くである。
F=f0(1−(KL2F)/(2EI))1/2・・・(1)
ここで、f0は外力がないときの双音叉型水晶振動素子の共振周波数、Kは基本波モー
ドによる定数(=0.0458)、Lは振動ビームの長さ、Eは縦弾性定数、Iは断面2
次モーメントである。断面2次モーメントIはI=dw3/12より、式(1)は次式の
ように変形することができる。ここで、dは振動ビームの厚さ、wは幅である。
F=f0(1−SFσ)1/2・・・(2)
但し、応力感度SFと、応力σとはそれぞれ次式で表される。
F=12(K/E)(L/w)2・・・(3)
σ=F/(2A)・・・(4)
ここで、Aは振動ビームの断面積(=w・d)である。以上から双音叉型水晶振動素子
に作用する力Fを圧縮方向のとき負、伸張方向(引張り方向)を正としたとき、力Fと共
振周波数fFの関係は、力Fが圧縮力で共振周波数fFが減少し、伸張(引張り)力では増
加する。また応力感度SFは振動ビームのL/wの2乗に比例する。しかし、応力感応素
子としては、双音叉型水晶振動素子に限らず、伸張・圧縮応力によって周波数が変化する
圧電振動素子であればどのようなものを用いても良い。
また、応力と頂点温度との関係は、双音叉型水晶振動素子に伸張応力を付加すると頂点
温度は低音側へシフトし、圧縮応力を加えると高温側へシフトする特性を有している。
図3は、ダイヤフラム10(15)の長辺を19mm、短辺を11.5mmとし、双音
叉型水晶振動素子2(6)の長さを13.6mm、幅を3mm、厚さを150μmとし、
重り部20の厚みを600μmとした応力感応装置1の基準化感度を示す図である。重り
部20の突部23の形状を長方形とし、その短辺を1mm、長辺を2mmから6mmの間
で変化させた場合の応力感応装置1の感度をシミュレーションにより求めた図である。長
辺の寸法は3mmから4mmの範囲で感度が最も良好になる。
また、図4は突部23の形状と変えた場合の相対的な感度比較である。長辺寸法を4m
m、短辺寸法(突起横幅)を0.5mmから4mmまで変化させた場合、突部23の形状
を、長方形、楕円、菱型の形状とした場合、相対感度がどのように変化するかシミュレー
ションにより求めた図である。相対感度としては菱型形状が最も良く、次が楕円、長方形
の形状となった。
尚、長方形とは、X軸方向とY軸方向とに延びる辺を備えた四角形であり、この場合、
長辺寸法とはY軸方向に延びる辺の長さのことであり、短辺寸法とはX軸方向に延びる辺
の長さのことである。
更に、楕円形とは、Y軸方向に楕円の長軸が延び、X軸方向に楕円の短軸方向が延びた
け以上であり、この場合、長辺寸法とは長径のことであり、短辺寸法とは短径のことであ
る。
また、菱形とは、X軸方向とY軸方向とに延びた対角線を備えた四角形であり、この場
合、長辺寸法とはY軸方向に延びる対角線の長さのことであり、短辺寸法とはX軸方向に
延びる対角線の長さのことである。
図4より突部の短辺の幅を狭くするほど感度はよく、長辺方向が応力感応素子2の長手
方向と一致する場合が、感度が良い。シミュレーションした中では突部の形状が菱型の場
合が、感度が最も高かった。
これは、四角形状の突部23を備えたダイヤフラム場合は、楕円形の突部23を備えた
ダイヤフラムと比較して、突部23の角部(頂点部分)に応力が集中し易いため、その角
部を結ぶ対角線方向にダイヤフラムが大きく撓む性質がある。
その為、菱形の突部23の場合では、突部23の対角線の方向とY軸方向(振動ビーム
の延び方向)とが一致しているため、ダイヤフラムに発生した応力はY軸方向の成分が大
きい。
そしてY軸方向に発生した大きな応力が、応力感応部5を振動ビームの延び方向に撓ま
せるように作用する為、応力感応装置1は感度が高いものとなる。
一方、長方形の突部23の場合では、突部23の対角線の方向と振動ビームの延び方向
とが一致していない。
その為、応力感応部5を振動ビームの延び方向に撓ませる応力は、菱形の突部23を備
えた場合よりも小さい。
即ち、等しい値の加速度が加わる条件下において長方形の突部23を備えたダイヤフラ
ムを備えた応力感応装置1と、これと短辺寸法並びに長辺寸法とが等しい菱形の突部23
を備えたダイヤフラムを備えた応力感応装置1との感度特性を比較すると、菱形の突部2
3を備えたダイヤフラムを有する応力感応装置1の方が、突部23の対角線方向と応力感
応部5の振動ビームの延長方向(感度軸方向)とのズレが小さい。
その為、突部23の対角線上に発生する大きな応力は、応力感応部5を圧縮、伸張する
応力へとダイヤフラムを介して効率よく伝達される。
従って、菱形の突部23を備えた応力感応装置1の方が、他の形の突部23を備えた応
力感応装置よりも感度特性に優れたものとなる。
また、突部の形状を楕円とした場合、ダイヤフラムへの応力集中が緩和され、過度の応
力にも耐用できる利点がある。また、ダイヤフラムの薄型化が可能であり、応力感応装置
の感度を高めることができるという利点がある。
本実施の形態に係る応力感応装置の特徴は、図2に示すようにダイヤフラム10、15
の端部を固定部材に支持し、ダイヤフラム10、15に対し垂直方向、つまりZ軸(厚さ
)方向の力に対し、ダイヤフラム10、15は容易に変形するように構成されているので
、Z軸方向の加速度が検出される。ダイヤフラム10、15と平行、つまりY軸(長辺)
方向に力に対しては、ダイヤフラム10、15の変形は極めて小さい。ダイヤフラム10
、15と平行なX軸(短辺)方向に力に対しては、さらに変形しづらい。つまり、他軸(
X、Y軸)感度は極めて小さいという特徴がある。
また、第1及び第2の応力感応素子2、6が固定されたダイヤフラム10、15は、重
り部20の突部23を介して接しているため、互いの音響漏れは極めて小さいという効果
がある。
さらに、第1及び第2の応力感応素子2、6が差動型構成であるので、応力感度(加速
度感度)が2倍であり、加速度方向も検出できるという効果もある。
次に、本発明に係る応力感応装置1の製造方法を、図5(a)、(b)、(c)を用い
て説明する。図5(a)は応力感応素子基板30の斜視図であり、応力感応素子基板30
は、格子状に並んだ複数の応力感応素子2と、各応力感応素子2を支持する複数の素子支
持片31と、を備えている。図5(b)はダイヤフラム基板35の斜視図であり、ダイヤ
フラム基板35は、格子状に並んだ複数のダイヤフラム10と、各ダイヤフラム10を支
持する複数のダイヤフラム支持片36と、を備えている。また、図5(c)は重り部基板
40の斜視図であり、重り部基板40は、格子状に並んだ複数の重り部20と、各重り部
20を支持する複数の重り部支持片41と、を備えている。
応力感応装置1は、形状寸法が同一に形成された第1及び第2の応力感応素子2、6と
、該応力感応素子2、6を夫々搭載する、同一形状に形成された第1及び第2のダイヤフ
ラム10、15と、第1及び第2のダイヤフラム10、15の間に配置された重り部20
と、から構成される。第1及び第2のダイヤフラム10、15の夫々の少なくとも一方の
端部は固定部材に支持され、重り部20はZ軸方向の加速度が印加されると揺動するよう
に構成されている。重り部20が揺動することにより、第1及び第2のダイヤフラム10
、15はZ軸方向に変形し、第1及び第2の応力感応素子3、6には互いに異なる応力が
加わることになる。
本実施の形態の応力感応装置の製造方法は、図5(a)の斜視図に示すように、素子支
持片31にて連結された複数の応力感応素子2を有する応力感応素子基板30を用意する
工程と、図5(b)に示すように、ダイヤフラム支持片36にて連結された複数のダイヤ
フラム10を有するダイヤフラム基板35を用意する工程と、図5(c)に示すように、
重り部支持片41にて連結された複数の重り部20を有する重り部基板40を用意する工
程と、を有している。
更に、重り部基板40の各重り部20の突部23(23a、23b)の両端面に接着剤
を塗布し、該突部23の両端面にダイヤフラム基板35の各ダイヤフラム10の平坦面を
重ね合わせる工程と、ダイヤフラム基板35の各ダイヤフラム10(15)の搭載パッド
13、14(18、19)に接着剤を塗布し、該搭載パッド13、14(18、19)に
応力感応素子基板30の各応力感応素子2を重ね合わせる工程と、接着剤を硬化させた後
、複数の素子支持片31、ダイヤフラム支持片36及び重り部支持片41を切断する工程
と、から構成されている。
応力感応素子基板30、ダイヤフラム基板35及び重り部基板40の製造方法は同様で
あるので、応力感応素子基板30を例にして説明する。所定の厚さの水晶板(Z板)を用
い、該水晶板に蒸着あるいはスパッタ等の手段で金属薄膜を成膜し、フォトリソグラフィ
技法とエッチング手法とを用いて、水晶板を所望の形状に加工し、図5(a)の破線で囲
んだ応力感応素子2が格子状に配列した応力感応素子基板30を形成する。応力感応素子
基板30の各応力感応素子2は、複数の素子支持片31により支持された構造をしている
。この応力感応素子基板30に図示しないメタルマスクをセットして蒸着装置等に入れ、
真空中で各応力感応素子2に励振電極、電極端子等を形成して、応力感応素子基板35を
製造する。
なお、ダイヤフラム基板35及び重り部基板40については、電極等の形成は必要とし
ないし、基板材料として必ずしも水晶板を用いる必要はない。ただ、応力感応装置に精度
を上げるには、応力感応素子2(6)、ダイヤフラム10(15)及び重り部20の線膨
張係数がほぼ等しいことが望ましい。
次に、重り部基板40の両面にダイヤフラム基板35を整合するように重ね合わせ、両
ダイヤフラム基板35の各搭載パッドに応力感応素子基板30の各応力感応素子2の固定
部を整合するように重ね合わせ、加熱乾燥した後、素子支持片36、ダイヤフラム支持片
31及び重り部支持片41を、ダイシングソー等を用いて切断すれば、応力感応装置1が
得られる。
又は、応力感応素子基板30、ダイヤフラム基板35及び重り部基板40を製造する際
に、各素子支持片31、ダイヤフラム支持片36及び重り部支持片41と、応力感応素子
2、ダイヤフラム10及び重り部20との接合部であって夫々の支持片31、36、41
にエッチングによる溝を形成する。このような溝を形成しておけば、ダイシングソーを用
いなくても夫々の支持片31、36、41を容易に折り取りにより切断することが可能で
あり、各応力感応装置に分割することが可能となる。
重り部基板40とダイヤフラム基板35との接合、ダイヤフラム基板35と応力感応素
子基板30との接合は、接合剤として、エポキシ系、反応型アクリル系、ポリウレタン系
、フェノール系の接着剤、ガラスを高温で溶融して接合する方法、金錫を用いて接合する
方法、陽極接合法等、種々な手法を用いることが可能である。
また、重り部20を重くするか、ダイヤフラム10(15)を薄くすることにより応力
感応装置の感度を改善することができる。
フォトリソグラフィ技術とエッチング手法を用いた応力感応装置の製造方法を採用する
と、品質の均一な応力感応装置の量産化が可能となり、コストの大幅低減が図れるという
効果がある。また、品質のばらつきが小さい応力感応装置を効率良く生産できるという利
点もある。
図6は加速度センサ50の断面図であり、図2に示した応力感応装置1を90°回転し
、匡体51の台座52にダイヤフラム10(15)を固定したものである。加速度センサ
50は、応力感応装置1と、該応力感応装置1を固定する台座52と、気密的に封止する
匡体51及び蓋57と、第1及び第2の応力感応素子の励振電極と夫々電気的に接続され
る2つの発振回路54と、該発振回路54の周波数の変化を処理するデータ処理装置53
と、を備えている。なお、匡体51の底部には外部電極が設けられている。応力感応装置
1の第1及び第2の応力感応素子2、6と、2つの発振回路54の端子とはボンディング
ワイヤにて接続する。
本発明に係る応力感応装置の分解斜視図。 本発明に係る応力感応装置の断面図。 応力感応装置の突部の長辺方向を変化させたときの相対感度をグラフで示す図。 応力感応装置の突部の形状と、その短辺方向を変化させたときの相対感度をグラフで示す図。 応力感応装置の製造方法を説明図で、(a)は応力感応素子基板、(b)はダイヤフラム基板、(c)は重り部基板の斜視図。 加速度センサの断面図。 (a)は従来の一体形プッシュプル力変換器の平面図、(b)は揺動加速度計の斜視図。
符号の説明
1…応力感応装置、2、6…応力感応素子、3、4、7、8…固定部、5、9…応力感
応部、10、15…ダイヤフラム、11a、16a…凹陥面、11b、16b…平坦面、
12、17…外周壁、13、14、18、19…搭載パッド、20…重り部、21a、2
1b…主面、23(23a、23b)…突部、30…応力感応素子基板、31…素子支持
片、35…ダイヤフラム基板、36…ダイヤフラム支持片、40…重り部基板、41…重
り部支持片

Claims (8)

  1. 2つのダイヤフラムと、応力感応部及び該応力感応部の両端部に夫々固定部を有する2
    つの応力感応素子と、重り部と、を備え、
    前記2つの応力感応素子は、夫々の応力感応素子が、前記2つのダイヤフラムの中間領
    域を夫々跨ぐように前記ダイヤフラムの一方の面と前記固定部とを固定し、
    前記重り部は、前記2つのダイヤフラムの間に配置され、前記2つのダイヤフラムの他
    方の面の中間領域と固定したものであることを特徴とする応力感応装置。
  2. 前記ダイヤフラムと前記重り部との間に突部を有し、該突部を介して前記重り部と前記
    2つのダイヤフラムとが夫々接続されることを特徴とする請求項1に記載の応力感応装置
  3. 前記突部が菱型形状をしていることを特徴とする請求項2に記載の応力感応装置。
  4. 前記突部が楕円形状をしていることを特徴とする請求項2に記載の応力感応装置。
  5. 前記応力感応素子は、圧電振動素子であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1
    項に記載の応力感応装置。
  6. 前記応力感応素子は、双音叉型圧電振動素子であることを特徴とする請求項1乃至4の
    何れか1項に記載の応力感応装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の応力感応装置の製造方法であって、
    複数の素子支持片にて連結された、複数の前記応力感応素子を有する応力感応素子基板
    を用意する工程と、
    複数のダイヤフラム支持片にて連結された、複数の前記ダイヤフラムを有するダイヤフ
    ラム基板を用意する工程と、
    複数の重り部支持片にて連結された、複数の前記重り部を有する重り部基板を用意する
    工程と、
    前記重り部基板の両面の複数の突部と、前記各ダイヤフラム基板の複数のダイヤフラム
    の他方の面とを夫々重ね合わせて第1の積層体を形成する工程と、
    前記応力感応素子基板を前記積層体の両面に夫々重ね合わせて第2の積層体を形成する
    工程と、
    前記第2の積層体の前記素子支持片、前記ダイヤフラム支持片及び前記重り部支持片を
    切断する工程と、からなることを特徴とする応力感応装置の製造方法。
  8. 請求項1乃至6の何れか1項に記載された応力感応装置と、該応力感応装置を気密封止
    するハウジング及び蓋と、前記2つの応力感応素子を構成する励振電極と夫々電気的に接
    続される2つの発振回路と、該発振回路の周波数変化を処理する処理装置と、を備えたこ
    とを特徴とする加速度センサ。
JP2008165518A 2008-06-25 2008-06-25 応力感応装置、応力感応装置の製造方法、及び加速度センサ Withdrawn JP2010008131A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008165518A JP2010008131A (ja) 2008-06-25 2008-06-25 応力感応装置、応力感応装置の製造方法、及び加速度センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008165518A JP2010008131A (ja) 2008-06-25 2008-06-25 応力感応装置、応力感応装置の製造方法、及び加速度センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010008131A true JP2010008131A (ja) 2010-01-14

Family

ID=41588830

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008165518A Withdrawn JP2010008131A (ja) 2008-06-25 2008-06-25 応力感応装置、応力感応装置の製造方法、及び加速度センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010008131A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5305028B2 (ja) 圧力センサー
US8297124B2 (en) Pressure sensor
JP5375624B2 (ja) 加速度センサー、及び加速度検出装置
US8939027B2 (en) Acceleration sensor
JP2004530134A (ja) 加速度計歪軽減構造体
JP2012093135A (ja) 圧力センサー
JP2012073163A (ja) 圧力センサー
JP4332859B2 (ja) 圧力センサ
JP2010243276A (ja) 相対圧力センサー、相対圧力測定装置及び相対圧力測定方法
JP4420038B2 (ja) 応力感応素子
JP2008170203A (ja) 加速度検知ユニット、及び加速度センサ
JP2011169671A (ja) 慣性センサー及び慣性センサー装置
JP2010008131A (ja) 応力感応装置、応力感応装置の製造方法、及び加速度センサ
JP6044607B2 (ja) 振動式センサ装置
JP2011141152A (ja) 加速度センサー、及び加速度計
JP2008309731A (ja) 加速度検知ユニット及び加速度センサ
JP2008261750A (ja) 圧力センサおよび圧力センサ用ダイヤフラム
JP2011153836A (ja) 加速度センサー、及び加速度計
JP2010230401A (ja) 圧力センサー
JP6958533B2 (ja) 振動式センサ装置
JP2010249659A (ja) 圧力センサー素子
JP2008261839A (ja) 加速度検知ユニットの製造方法
JP2008170166A (ja) 加速度検知ユニット、及び加速度センサ
JP4848973B2 (ja) 加速度検知ユニット及び加速度センサ
JP2009271029A (ja) 加速度検知ユニット、及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20110906