JP2009271029A - 加速度検知ユニット、及びその製造方法 - Google Patents

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想 市川
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Abstract

【課題】構造が簡素化され、小型、低背化に適し、且つ他軸感度を抑制した加速度検知ユ
ニットを得る。
【解決手段】固定部材、可動部材、固定部材と可動部材とによって両端部が夫々支持され
た二本の長尺梁、及び各長尺梁により両端部を固定され且つ各長尺梁と略直交する方向へ
延びる短尺梁を備え、二本の長尺梁の端縁であって固定部材寄りの対向する二面に夫々く
びれ部を備えた構造体と、応力感応部、及び応力感応部の両端部に夫々固定された固定端
を有する応力感応素子と、を備え、固定部材及び可動部材の各一面上に、応力感応素子の
2つの固定端を夫々接合した加速度検知ユニットであって、二本の長尺梁は、印加される
加速度により加速度検出軸方向にくびれ部を支点として撓むように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、加速度検知ユニットに関し、特に構造を簡素化して小型、低背化に適し、且
つ他軸感度を抑制した加速度検知ユニット、及びその製造方法に関するものである。
加速度センサは、従来から自動車、航空機、ロッケット、更には各種プラントの異常振
動監視装置等まで広い用途に用いられている。民生機器用加速度センサとしては、加速度
検知機構を半導体プロセス技術により作製したMEMS(Micro Electro Mechanical Sys
tems)センサが良く知られている。
特許文献1には、一枚の基板(水晶、シリコン等)に形成された加速度検出素子が開示
されている。
図7は、従来の加速度検出素子TAの斜視図である。
この図7に示す加速度検出素子TAは、横長の直方体状の固定部材81と、略逆U字状
の第1の可動部材82と、第1の可動部材82の中間部から下方へ延びる細い棒状(直方
体)の振動素子83と、振動素子83の下端部により中間部を支持された略U字状の第2
の可動部材84と、各部材82、83、84を包囲する中空矩形状の外枠85と、各部材
82、83、84と外枠85の下部とを連結する短尺棒状(直方体)の梁86と、外枠8
5の上部と固定部材81とを連結する梁87と、を備えている。外枠85は、4つの細い
直方体85a、85b、85c、85dの端部同士を互いに接合した口字形状をしており
、その輪郭が変形可能である。外枠85の上辺85dは、その中央部を短尺な梁87にて
直方体状の固定部材81に接合されている。
外枠85の内縁より小さい長方形状の枠体の対向する左右の2側辺の中央部にくぼみ部
91、92を形成し、該くぼみ部91、92より上部側を第1の可動部材(逆U字状)8
2とし、下部側を第2の可動部材(U字状)84とする。第1及び第2の可動部材82、
84の夫々上下の中央部を、細片の振動素子83の両端で連結する。第2の可動部材84
の中央下部は、短尺な梁86で外枠85の下辺85cの中央部に結合されている。つまり
、振動素子83で中央部を連結された第1及び第2の可動部材82、84は、外枠85の
内部に収まり上下の短尺な梁86、87の中央軸(Z−Z’軸)に関し、対称に配置され
ている。なお、くぼみ部91、92の厚さは、振動素子83の厚さと同じとし、振動素子
83上には励振電極が形成されている。
加速度検出素子TAは、水晶、シリコン等の平板にフォトリソグラフィ技法とエッチン
グ手法(Chemical Machining)で形成される。
図7のPM面に垂直な方向の加速度が印加されると、くぼみ部91、92より撓み、振
動素子83には圧縮応力、又は伸長応力が加わり、その共振周波数を変化させる。変化し
た周波数により印加された加速度が求められる。
この加速度検出素子TAの特徴は以下の通りである。振動素子83が両端固定の屈曲振
動をすると、その両端部には曲げモーメントCが生じ、第1及び第2の可動部材82、8
4には剪断応力Rが働く。この応力で第2の可動部材84に連結する梁86には屈曲振動
が生じ、外枠85には輪郭振動が生じる。外枠85と固定部材81とを連結する梁87に
もトルクcが、固定部材81には剪断応力rが生じるが、C及びRに比べて数百分の1に
なる。つまり、外枠85の変形性と、2つの可動部材82、84の位置がメカニカルフィ
ルタを構成し、振動素子83のQ値の劣化を防止するので、加速度の測定精度が改善され
ると開示されている。
米国特許第5,962,786号公報
しかしながら、特許文献1に開示の加速度検出素子は、加速度検出軸以外の他軸感度の
抑圧が難しいという問題と、振動素子83のQ値の劣化は防止できるものの構造が複雑で
あり、フォトリソグラフィ技法とエッチング手法を用いたとしても、製造歩留まりが悪い
という問題があった。また、加速度検出素子を構成する部材の一部にでも不良があると、
所望の測定精度が得られないという問題があった。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、構造を簡素化して小型、低背化に
適し、且つ他軸感度を抑制した加速度検知ユニットを提供することにある。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本発明に係る加速度検知ユニットは、固定部材、可動部材、前記固定部材
と前記可動部材とによって両端部を夫々支持された二本の第1の梁、及び前記各第1の梁
により両端部を固定され且つ各第1の梁と略直交する方向へ延びる第2の梁を備え、前記
二本の第1の梁の前記固定部材寄りの端部の対向する二面に夫々くびれ部を備えた構造体
と、応力感応部、及び該応力感応部の両端部に夫々固定された固定端を有する応力感応素
子と、を備え、前記固定部材及び前記可動部材の各一面上に、前記応力感応素子の2つの
固定端を夫々接合した加速度検知ユニットであって、前記二本の第1の梁は、印加される
加速度により加速度検出軸方向に前記くびれ部を支点として撓むように構成されているこ
とを特徴とする。
以上のように加速度検知ユニットを構成すると、小型化、低背化が可能となると共に可
動部材に重りを付加するこいとにより、加速度の測定感度も向上する。その上、固定部材
、可動部材、二本の第1の梁、第1の梁を連設する第2の梁とで構成する構造体(枠体)
は、構造体面に垂直方向(Z軸方向)の応力にはくぼみ部を支点として撓むが、構造体面
に平行な方向(X軸、Y軸)の応力には変形しにくい構造となっているので他軸感度は抑
圧されるという効果がある。
[適用例2]また加速度検知ユニットは、前記構造体と前記応力感応素子とが圧電材料
で構成されていることを特徴とする適用例1に記載の加速度検知ユニットである。
以上のように加速度検知ユニットを構成すると、構造体及び応力感応素子の製造工程が
ほぼ同じとなると共に、構造体及び応力感応素子の線膨張係数が同一であるので、温度に
よる測定ノイズが低減されるという効果がある。
[適用例3]また加速度検知ユニットは、前記構造体と前記応力感応素子とが水晶で構
成されていることを特徴とする適用例1又は2に記載の加速度検知ユニットである。
以上のように加速度検知ユニットを構成すると、水晶は良質の結晶が多量に生産されて
おり、その上加工に用いるフォトリソグラフィ技法とエッチング手法は多年の経験を積ん
でいるので、加速度検知ユニットの量産化が容易であり、コスト低減が期待できる。また
構造体及び応力感応素子の製造工程がほぼ同じとなり、が同一材料で構成されているので
、温度による測定ノイズが低減されるという効果がある。
[適用例4]また加速度検知ユニットは、前記構造体が金属、又はシリコンで、前記応
力感応素子が圧電材料で構成されていることを特徴とする適用例1に記載の加速度検知ユ
ニット。
以上のように加速度検知ユニットを構成すると、金属材料を用いて構造体を加工するの
は容易であり、量産化、コスト低減を図れるという利点がある。またシリコンの加工につ
いては、半導体素子の加工で大いなる経験があるので、品質の安定した構造体が得られる
という利点がある。
[適用例5]また加速度検知ユニットは、前記各第1の梁により両端部を固定され且つ
各第1の梁と略直交する方向へ延びる複数本の第2の梁を備えていることを特徴とする適
用例1乃至4の何れか1項に記載の加速度検知ユニットである。
以上のように構造体に複数の第2の梁を設けた加速度検知ユニットを構成すると、構造
体が面方向の応力に対してより強い構造となるので、他軸方向の感度を抑圧する効果があ
る。
[適用例6]また加速度検知ユニットは、前記応力感応素子は、両端部に位置する固定
端、及び各固定端間を連設する振動領域を備えた圧電基板と、該圧電基板の振動領域上に
形成した励振電極と、を備えた圧電振動素子であることを特徴とする適用例1乃至5の何
れか1項に記載の加速度検知ユニットである。
以上のように圧電振動素子を用いて加速度検知ユニットを構成すると、加速度検知ユニ
ットの加速度測定の感度、精度が向上し、再現性が改善されるという効果がある。
[適用例7]また加速度検知ユニットは、前記応力感応素子は、両端部に位置する固定
端、及び各固定端間を連設する2つの振動ビームを備えた圧電基板と、該圧電基板の振動
領域上に形成した励振電極と、を備えた双音叉型圧電振動素子であることを特徴とする適
用例1乃至5の何れか1項に記載の加速度検知ユニットである。
以上のように双音叉型圧電振動素子を用いて加速度検知ユニットを構成すると、構造体
と応力感応素子の接合が容易であり、加速度検知ユニットの品質も安定する。更に加速度
検知ユニットの加速度測定精度、感度が大幅に向上し、温度特性、再現性が改善されると
いう効果がある。
[適用例8]加速度検知ユニットの製造方法は、固定部材、可動部材、前記固定部材と
前記可動部材とによって両端部を夫々支持された二本の第1の梁、及び前記各第1の梁に
より両端部を固定され且つ各第1の梁と略直交する方向へ延びる第2の梁を備え、前記二
本の第1の梁の前記固定部材寄りの端部の対向する二面に夫々くびれ部を備えた構造体と
、応力感応部、及び該応力感応部の両端部に夫々固定された固定端を有する応力感応素子
と、を備え、前記固定部材及び前記可動部材の各一面上に、前記応力感応素子の2つの固
定端を夫々接合した加速度検知ユニットの製造方法であって、複数の支持片にて連結され
た複数の前記構造体を有する構造体基板を用意する工程と、複数の素子支持片にて連結さ
れた複数の応力感応素子を有する応力感応素子基板を用意する工程と、前記各構造体を構
成する固定部材及び可動部材に対して、前記各応力感応素子の固定端を接続する為に、前
記構造体基板と前記応力感応素子基板とを重ね合わせる工程と、前記素子支持片、支持片
を切断する工程と、からなることを特徴とする。
以上のような加速度検知ユニットの製造方法を採用すると、フォトリソグラフィ技術と
エッチング手法により、品質の均一な加速度検知ユニットの量産化が可能となり、コスト
の大幅低減が図れるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る第
1の実施の形態の加速度検知ユニット1の構成を示す概略斜視図である。加速度検知ユニ
ット1の一例は、矩形状の構造体5と、応力感応素子7と、を備えている。図2(a)は
、矩形状の構造体5の平面図、(b)は側面図である。図3(a)は、応力感応素子7の
平面図、(b)は側面図である。
矩形状の構造体5は、直方体状の固定部材10と、直方体状の可動部材11と、固定部
材10と可動部材11とによって両端部を夫々支持された二本の平行な長尺梁(第1の梁
)12、13と、該長尺梁12、13により両端部を固定され、且つ各長尺梁12、13
と直交する方向へ延びる短尺梁(第2の梁)14と、を備えている。固定部材10及び可
動部材11の夫々の一方の上面10a、11aは、同一平面となるように構成されている
。二本の長尺梁12、13の端縁であって固定部材10寄りの上下面の対向する位置に、
夫々くびれ部15a、15bを備えている。くびれ部15a、15bの形状は、矩形状、
半円状、双曲線状、楔状等であり、加速度αが加速度検出軸方向(図1ではZ軸方向)か
ら構造体5に印加されると、くびれ部15a、15bを支点として長尺梁12、13が撓
むように構成されている。
また、図1、図3では短尺梁14の位置は、長尺梁12、13の中央に位置するように
図示されているが、必ずしもこの位置に限らず、他軸(X軸、Y軸)方向の加速度感度が
抑圧される位置であればよい。短尺梁14の本数は一本に限らず複数本であってもよい。
応力感応素子7は、図3に示すように、応力感応部20a、20bと、該応力感応部2
0a、20bを挟むよう該応力感応部20a、20bと連結した2つの固定端21、22
と、を備えている。応力感応部20a、20bには、両端固定の屈曲振動が互いに逆位相
で励振されるように励振電極23a、23bが設けられており、応力感応部20a、20
bに形成したリード電極24a、24bにより一方の固定端21上に設けた端子電極25
a、25bに接続されている。固定端21、22の夫々の下面は同一面となるように形成
されている。図3(a)では、固定端21、22の大きさを、夫々固定部材10及び可動
部材11の大きさと同じ大きさに図示しているが、小さくてもよい。
矩形状の構造体5の固定部材10及び可動部材11の夫々の一方の面10a、11a上
に、応力感応素子7の各固定端21、22の一方の面(下面)を接合剤により夫々接合し
て加速度検知ユニット1を構成する。応力感応素子7の応力感応部20a、20bの両端
の基部は、構造体5の固定部材10及び可動部材11の内縁より中央部寄りに位置するよ
うに構成されているので、接合による応力感応部20a、20bの振動に対する影響は極
めて小さい。
また、応力感応部20a、20bと、短尺梁14との接触は、接合剤の厚みにより避け
られるが、短尺梁14の中央部をエッチングにより彫り込んでもよい。以上のように、応
力感応素子7のQ値の劣化を極力低減する。
加速度検知ユニット1に加速度検出軸方向(図1では+Z軸方向)の加速度αを印加す
ると、慣性力により可動部材11は−Z軸方向に力(−mα、mは質量)を受け、矩形状
の構造体5の長尺梁12、13のくびれ部15a、15bを支点として撓む(屈曲する)
。長尺梁12、13が撓むことにより、可動部材11に接合された応力感応素子7の固定
端22を介して、応力感応部20a、20bには伸張応力が加わり、応力感応素子7の共
振周波数が変化する。
加速度検知ユニット1に印加する加速度αの方向が逆の場合(−Z軸方向)は、応力感
応部20a、20bには圧縮応力が加わり、応力感応素子7の共振周波数が変化する。応
力感応素子7の周波数の変化より印加された加速度の大きさと方向を求めることができる

以上説明したように加速度検知ユニットを構成すると、小型化、低背化が可能となると
共に可動部材に重りを付加するこいとにより、加速度の測定感度も向上する。その上、固
定部材、可動部材、二本の長尺梁、長尺梁を連設する短尺梁とで構成する構造体(枠体)
は、構造体面に垂直方向(図1のZ軸方向)の応力にはくぼみ部を支点として撓むが、構
造体面に平行な方向(X軸、Y軸)の応力には変形しにくい構造となっているので、他軸
感度は抑圧されるという効果がある。
また、二本の長尺梁と、該二本の長尺梁とを連設する複数の短尺梁とで構成する構造体
は、構造体が面方向の応力に対してより強い構造となるので、他軸方向の感度を抑圧する
効果がある。
構造体5を構成する長尺梁12、13を平行する二本の長尺梁と説明したが、必ずしも
平行である必要はなく、曲線状を呈していてもよい。つまり、構造体5は長円形、楕円形
であってもよい。要は応力感応素子7の両固定端21、22が接合される、固定部材10
及び可動部材11があり、二本の長尺梁12、13の固定部材10寄りの端部に対向する
くぼみ部夫々が設けられ、該くぼみ部を支点として撓むように構成されていればよい。長
尺梁が曲線状を呈する場合、長尺梁12、13により両端部を固定され短尺梁は、長尺梁
12、13と略直交する。
構造体5の材料としては、応力感応素子7と同一の圧電材料である、例えば水晶、タン
タル酸リチーム、ニオブ酸リチーム、ランガサイト等があり、望ましくは化学的安定性が
よい水晶を用い、フォトリソグラフィ技法とエッチング手法を用いて一体的に構成される
とよい。また、半導体素子に多量に用いられ、その特質がよく知られ、加工法が確立して
いるシリコンを用いて構成してもよい。
また、構造体5は、真鍮、アルミニウム、燐青銅、エリンバー等の金属材料を機械加工
して一体的に構成してもよい。
構造体と応力感応素子とを同一圧電材料で構成すると、構造体及び応力感応素子の製造
工程がほぼ同じとなると共に、構造体及び応力感応素子の線膨張係数が同一であるので、
温度による測定ノイズが低減されるという効果がある。
また、構造体と応力感応素子とを水晶材料で構成すると、水晶は良質の結晶が多量に生
産されており、その上加工に用いるフォトリソグラフィ技法とエッチング手法は多年の経
験を積んでいるので、加速度検知ユニットの量産化が容易であり、コスト低減が期待でき
る。また構造体及び応力感応素子の製造工程がほぼ同じとなり、が同一材料で構成されて
いるので、温度による測定ノイズが低減されるという効果がある。
また、構造体を金属で構成する場合、金属材料を用いて構造体を加工するのは容易であ
り、量産化、コスト低減を図れるという利点がある。また、構造体をシリコンで構成する
場合、シリコンの加工については、半導体素子の加工で豊富な経験があるので、品質の安
定した構造体が得られるという利点がある。
応力感応素子7としては、両端部に位置する固定端、及び各固定端間を連設する振動領
域を備えた圧電基板と、該圧電基板の振動領域上に形成した励振電極と、を備えた圧電振
動素子を用いる。圧電振動素子を用いて加速度検知ユニットを構成すると、加速度検知ユ
ニットの加速度測定の感度、精度が向上し、再現性が改善されるという効果がある。
図1、図3では、両端部に位置する固定端21、22、及び各固定端間を連設する2つ
の振動ビームを備えた圧電基板と、該圧電基板の振動領域上に形成した励振電極23a、
23bと、を備えた双音叉型圧電振動素子を示している。
双音叉型圧電振動素子を用いると、固定部材10及び可動部材11に接着、固定する際
に、双音叉型圧電振動素子の感度への影響が少ないため、構造体5と応力感応素子7の接
合が容易であり、加速度検知ユニットの品質も安定する。更に加速度検知ユニットの加速
度測定精度、感度が大幅に向上し、温度特性、再現性が改善されるという効果がある。
2本の振動ビームを備えた双音叉型水晶振動素子について少し説明する。双音叉型水晶
振動素子は伸張・圧縮応力に対する感度が良好であり、高度計用、或いは深度計用の応力
感応素子として使用した場合には分解能力が優れるために僅かな気圧差から高度差、深度
差を知ることができる。また、双音叉型水晶振動素子が呈する周波数温度特性は、上に凸
の二次曲線となり、その頂点温度が常温(25℃)になるように各パラメータを設定する
双音叉型水晶振動素子の2本の振動ビームに外力Fを加えたときの共振周波数fFは以
下の如くである。
F=f0(1−(KL2F)/(2EI))1/2 (1)
ここで、f0は外力がないときの双音叉型水晶振動素子の共振周波数、Kは基本波モー
ドによる定数(=0.0458)、Lは振動ビームの長さ、Eは縦弾性定数、Iは断面2
次モーメントである。断面2次モーメントIはI=dw3/12より、式(1)は次式のよ
うに変形することができる。ここで、dは振動ビームの厚さ、wは幅である。
F=f0(1−SFσ)1/2 (2)
但し、応力感度SFと、応力σとはそれぞれ次式で表される。
F=12(K/E)(L/w)2 (3)
σ=F/(2A) (4)
ここで、Aは振動ビームの断面積(=w・d)である。以上から双音叉型振動子に作用
する力Fを圧縮方向のとき負、伸張方向(引張り方向)を正としたとき、力Fと共振周波
数fFの関係は、力Fが圧縮力で共振周波数fFが減少し、伸張(引張り)力では増加する
。また応力感度SFは振動ビームのL/wの2乗に比例する。
しかし、応力感応素子7としては、双音叉型水晶振動素子に限らず、伸張・圧縮応力に
よって周波数が変化する圧電振動素子であればどのようなものを用いても良い。
図4(a)に示すように、構造体5の長尺梁12、13の中央に短尺梁14がブリッジ
している加速度検知ユニット1と、同じ形状寸法であって短尺梁14を設けない加速度検
知ユニットについて、夫々の検出感度、他軸感度のシミュレーションを行った。構造体5
、応用力感応素子7共に水晶を用い、固定部材10及び可動部材11の寸法(幅w×長さ
L×厚さt)は共に1.0×0.8×0.2mm、長尺梁12、13は0.2×3.3×
0.2mm、端尺梁14は0.2×0.6×0.19mmとした。双音叉型水晶振動素子
7のビーム長は2.5mm、幅は0.08mmとした。
図4(b)は、短尺梁14を設けた加速度検知ユニット1のZ軸、X軸、Y軸方向の感
度(ppm/G)であり、図4(c)は、短尺梁14を設けない加速度検知ユニットの夫
々の軸方向の感度(ppm/G)である。印加した検出軸方向(Z軸方向)の加速度αは
、1Gである。ただ、他軸方向(X軸、Y軸)の感度は小さいので、加速度として10G
を印加して測定し、その値を1Gに換算し直した数値である。
図4(b)、(c)を比較して、短尺梁14を設けることにより、検出軸方向の感度は
−20.98(ppm/G)から−21.40(ppm/G)と改善され、他軸感度は−
0.07(ppm/G)から−0.04(ppm/G)と抑圧されることが判明した。
以上のシミュレーションの結果より短尺梁を設けることは、検出軸方向の感度を改善し
、他軸方向の感度を抑圧するという効果がある。
次に、本発明に係る加速度感知ユニット1の製造方法を説明する。図5、図6は、製造
方法を説明する斜視図であり、加速度感知ユニットは、固定部材10、可動部材10、固
定部材10と可動部材10とによって両端部を夫々支持された二本の長尺梁12、13、
及び長尺梁12、13間をブリッジする短尺梁14を備えた構造体5と、応力感応部20
a、20b及び該応力感応部20a、20bの両端部に一体化された固定端21、22を
有した応力感応素子7と、を備えている。長尺梁12、13の端部であって固定部材10
寄りには、対向してくびれ部15a、15bが形成されている。加速度が印加されるとく
びれ部15a、15bを支点として撓むように構成されている。
本発明はこのような加速度感知ユニットの製造方法であり、図5の斜視図に示すように
、支持片31にて連結された複数の構造体32を有する構造体基板30を用意する工程と
、図6に示すように、素子支持片36にて連結された複数の応力感応素子37を有する応
力感応素子基板35を用意する工程と、を有している。更に、各構造体32を構成する固
定部材及び可動部材に対して、各応力感応素子37の各固定端を接続する為に、各固定部
材及び可動部材の面に接着剤を塗布し、構造体基板30と応力感応素子基板35とを重ね
合わせる工程と、接着剤を硬化させた後、素子支持片43及び支持片53を切断する工程
と、から構成されている。
図5を用いて構造体基板30の製造方法を説明する。所定の厚さの水晶板(Z板)を用
い、該水晶板に蒸着あるいはスパッタ等の手段で金属薄膜を成膜し、フォトリソグラフィ
技法とエッチング手法とを用いて、水晶板を所望の形状に加工し、図5の破線で囲んだ構
造体32がマトリクス状に配列した構造体基板30を形成する。構造体32の固定部材1
0及び可動部材11は、複数の支持片31により支持された構造をしている。
次に、応力感応素子基板35の製造方法は、所定の大きさの水晶薄板(Z板)を用い、
該水晶薄板に蒸着あるいはスパッタ等の手段で金属薄膜を成膜し、周知のフォトリソグラ
フィ技法とエッチング手法とを用いて水晶薄板をエッチング加工すると、図6の破線で囲
んだ水晶双音叉板37(水晶双音叉板に図示しない励振電極、電極端子を形成したものが
応力感応素子)が、マトリクス状に配列した応力感応素子基板35が得られる。水晶双音
叉板37は、複数の素子支持片36により支持された構造をしている。この応力感応素子
基板35に図示しないメタルマスクをセットして蒸着装置等に入れ、真空中で各水晶双音
叉板37に励振電極、電極端子等を形成して、応力感応素子基板35を製造する。
次に、複数の構造体32の固定部材10及び可動部材11に接着材を塗布した構造体基
板30に、電極等を形成した応力感応素子基板35を整合するように重ね合わせ、加熱乾
燥した後、素子支持片36、支持片31を、ダイシングソー等を用いて切断すれば、加速
度感知ユニットが得られる。
又は、構造体基板30を製造する際に、各支持片31と各構造体32との接合部であっ
て支持片31にエッチングによる溝を形成する。同様に応力感応素子基板35を製造する
際に、各素子支持片36と各応力感応素子37の接合部であって素子支持片36にエッチ
ングによる溝を形成する。このような溝を形成しておけば、ダイシングソーを用いなくて
も素子支持片36、支持片31を容易に折り取りにより切断することが可能であり、各加
速度検知ユニットに分割することが可能となる。
また、構造体基板30を製造する際に、構造体の長尺梁と垂直に連結する短尺梁を複数
本形成し、用途に応じて適切な短尺梁のみを残し、他の短尺梁を折り取りようにしてもよ
い。
応力感応素子基板35と構造体基板30との接合は、接合剤として、エポキシ系、反応
型アクリル系、ポリウレタン系、フェノール系の接着剤、ガラスを高温で溶融して接合す
る方法、金錫を用いて接合する方法、陽極接合法等、種々な手法を用いることが可能であ
る。
また、可動部材11の質量が不足し加速度検出感度が小さい場合には、可動部材11の
上下面にほぼ同じ重さの質量を付加することにより加速度検出感度を改善することができ
る。
フォトリソグラフィ技術とエッチング手法を用いた加速度検知ユニットの製造方法を採
用すると、品質の均一な加速度検知ユニットの量産化が可能となり、コストの大幅低減が
図れるという効果がある。また、品質のばらつきが小さい加速度検知ユニットを効率良く
生産できるという利点もある。
尚、本願発明の加速度検知ユニットを凹部を有する容器内に収容する場合は、凹部の内
底面と応力感応素子7とが対面し、構造体5が容器の開口側を向くように加速度検知ユニ
ットを容器内に搭載してもよい。
このような構成であれば、加速度検知ユニットを容器内に収容する際に、加速度検知ユ
ニットを容器まで運ぶための手段は構造体7のみに触れることが可能であり、応力感応素
子7を傷つけることがない。
このような構成であっても、容器の開口側から構造体5の開口を介して露出した応力感
応部20a、20bの励振電極23a、23bへ電子ビーム等を照射し、応力感応素子7
の共振周波数を調整することが可能である。
本発明に係る加速度検知ユニット1の構成を示す概略斜視図。 (a)は構造体の平面図、(b)はその側面図。 (a)は応力感応素子の平面図、(b)はその側面図。 (a)は加速度検知ユニット1の平面図、(b)は短尺梁を設けた加速度検知ユニット1のシミュレーションによる各軸方向の感度、(c)短尺梁を設けない加速度検知ユニットの各軸方向の感度を表にした図。 構造体基板の構成を示す斜視図。 応力感応素子基板の構成を示す斜視図。 従来の加速度検出素子の構成を示す斜視図。
符号の説明
1…加速度検知ユニット、5…構造体、7…応力感応素子、10…固定部材、10a…
固定部材の表面、11…可動部材、11a…可動部材の表面、12、13…長尺梁、14
…短尺梁、15a、15b…くぼみ部、20a、20b…応力感応部、21、22…固定
端、23a、23b…励振電極、24a、24b…リード電極、25a、25b…端子電
極、30…構造体基板、31…支持片、32…構造体、35…応力感応素子基板、36…
素子支持片、37…応力感応素子

Claims (8)

  1. 固定部材、可動部材、前記固定部材と前記可動部材とによって両端部を夫々支持された
    二本の第1の梁、及び前記各第1の梁により両端部を固定され且つ各第1の梁と略直交す
    る方向へ延びる第2の梁を備え、前記二本の第1の梁の前記固定部材寄りの端部の対向す
    る二面に夫々くびれ部を備えた構造体と、応力感応部、及び該応力感応部の両端部に夫々
    固定された固定端を有する応力感応素子と、を備え、前記固定部材及び前記可動部材の各
    一面上に、前記応力感応素子の2つの固定端を夫々接合した加速度検知ユニットであって

    前記二本の第1の梁は、印加される加速度により加速度検出軸方向に前記くびれ部を支
    点として撓むように構成されていることを特徴とする加速度検知ユニット。
  2. 前記構造体と前記応力感応素子とが同一圧電材料で構成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の加速度検知ユニット。
  3. 前記構造体と前記応力感応素子とが水晶で構成されていることを特徴とする請求項1に
    記載の加速度検知ユニット。
  4. 前記構造体が金属、又はシリコンで、前記応力感応素子が圧電材料で構成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の加速度検知ユニット。
  5. 前記各第1の梁により両端部を固定され且つ各第1の梁と略直交する方向へ延びる複数
    本の第2の梁を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の加速度
    検知ユニット。
  6. 前記応力感応素子は、両端部に位置する固定端、及び各固定端間を連設する振動領域を
    備えた圧電基板と、該圧電基板の振動領域上に形成した励振電極と、を備えた圧電振動素
    子であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の加速度検知ユニット。
  7. 前記応力感応素子は、両端部に位置する固定端、及び各固定端間を連設する2つの振動
    ビームを備えた圧電基板と、該圧電基板の振動領域上に形成した励振電極と、を備えた双
    音叉型圧電振動素子であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の加速度
    検知ユニット。
  8. 固定部材、可動部材、前記固定部材と前記可動部材とによって両端部を夫々支持された
    二本の第1の梁、及び前記各第1の梁により両端部を固定され且つ各第1の梁と略直交す
    る方向へ延びる第2の梁を備え、前記二本の第1の梁の前記固定部材寄りの端部の対向す
    る二面に夫々くびれ部を備えた構造体と、応力感応部、及び該応力感応部の両端部に夫々
    固定された固定端を有する応力感応素子と、を備え、前記固定部材及び前記可動部材の各
    一面上に、前記応力感応素子の2つの固定端を夫々接合した加速度検知ユニットの製造方
    法であって、
    複数の支持片にて連結された複数の前記構造体を有する構造体基板を用意する工程と、
    複数の素子支持片にて連結された複数の応力感応素子を有する応力感応素子基板を用意
    する工程と、
    前記各構造体を構成する固定部材及び可動部材に対して、前記各応力感応素子の固定端
    を接続する為に、前記構造体基板と前記応力感応素子基板とを重ね合わせる工程と、
    前記素子支持片、支持片を切断する工程と、
    からなることを特徴とする加速度検知ユニットの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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