JP4983024B2 - 鉛蓄電池用エキスパンド格子体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、鉛蓄電池用エキスパンド格子体の製造方法に関するものである。
鉛蓄電池用格子体の製造方式としては、ブックモールドタイプの鋳型に溶融鉛合金を注入し、冷却凝固させて枠骨と中骨を成型して格子体とする、いわゆる鋳造方式や、鉛合金シートにスリットを千鳥状に形成するとともに、スリット部を展開して得たエキスパンド網目を格子マス目として用いる、いわゆるエキスパンド方式が用いられている。
鋳造方式による格子体では、格子体の外形寸法および格子体を構成する枠骨や中骨の形状に対する自由度が高いが、溶融鉛の鋳型への注入や溶融鉛の冷却凝固に数秒単位の時間を要するため、時間当たりの生産数量を高める上で障害となる。
一方、エキスパンド方式では、格子成型時に溶融鉛の注入や冷却凝固といったプロセスがなく、機械的加工によって網目を形成するため、鋳造方式に比較して時間当たりの格子生産数量をより多くできる。
エキスパンド加工における格子生産速度は、特に、往復運動する加工刃によって、鉛合金シートにスリットを形成し、このスリットを展開する、いわゆるレシプロ方式によるエキスパンド加工においては、プレス回転数を900SPM、すなわち、加工刃が1分間に900回往復運動するよう設定された例が示されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、スリット部を展開してエキスパンド網目を形成する過程において、骨部や骨部同士が交わる交点部で骨切れが発生するというエキスパンド加工特有の問題がある。特に、格子体の耐食性や機械的強度を高めるために、CaやBa、さらにはSnやAgを添加した、Pb−Ca−Sn合金、Pb−Ca−Ba−Sn合金あるいはPb−Ca−Sn−Ag合金といった鉛合金からなるシートをエキスパンド加工する場合、このような骨切れが頻発する傾向にある。
また、骨切れに至らないまでも、骨部や交点部に発生したクラックや、残留する応力が集中した部分が起点となって、電池使用中に腐食が進行し、比較的短期に電池が寿命となり、使用不能となることが知られている(例えば特許文献2参照)。
特開2002−86222号公報 特開平7−14583号公報
本発明は、前記したような、レシプロ方式のエキスパンド加工時における、骨部や交点部に発生するクラックや骨切れを抑制した鉛蓄電池用エキスパンド格子体の製造方法を提供するものである。
前記した課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、PbもしくはPb合金のシートに周期が0.04秒以下で往復運動する上刃で、スリットを形成するとともにスリットを展開してエキスパンド網目を形成する鉛蓄電池用エキスパンド格子体の製造方法を示すものである。
また、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1の鉛蓄電池用エキスパンド格子体の製造方法において、シートはPb−Ca−Sn−Ba合金であることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る発明は、請求項1に記載の鉛蓄電池用エキスパンド格子体の製造方法において、シートはPb−Ca−Sn−Ag合金であることを特徴とする。
前記した本発明の構成によれば、レシプロ方式のエキスパンド加工によって鉛蓄電池の格子体を製造する際に発生する、格子体の骨部や交点部での骨切れやクラックの発生を抑制し、長寿命の鉛蓄電池を得ることができる。
本発明による鉛蓄電池用エキスパンド格子体の製造方法を説明する。
図1は、本発明の鉛蓄電池用エキスパンド格子体の製造方法において、格子体の材料となるシート101をエキスパンド加工する工程を示す図である。
エキスパンド格子体の材料となるシート101は、格子として必要とされる機械的強度や耐食性を付与する目的で、0.02〜1.0質量%程度のCa、0.1〜2.0質量%程度のSnを含むPb合金とすることができる。また、Caにかえて、あるいはCaに併存させて他のアルカリ土類金属であるBa、Srを0.01〜0.05質量%程度含むことができる。また、後述するように、Agを0.001〜0.05質量%程度含むことができる。
また、Pb合金中にはNi、Bi、Fe、Sb、S、Seといった元素が不可避的な不純物として含まれる場合があるが、電池の減液特性や寿命特性に悪影響を及ぼさない程度に制限することが好ましい。特にその量はNi、Fe、Sbにおいては0.006質量%以下、Biに関しては0.05質量%以下である。S、Seに関しては減液特性に大きく影響しないが、多量に含まれる場合はPb合金が脆くなることがあるため、0.01質量%程度以下とすることが一般的である。
図1に示すダイス刃102を配列した上刃103と上刃103と組み合わされる下刃104の間隙にシート101が間欠的に供給される。上刃103は図1中の矢印A方向に往復運動する。
図2は、上刃103と下刃104とが嵌合した状態を図1における下方から上方に投影視した状態を示す図である。なお、本形態では、シート101の幅方向中央部を除く、両側部をエキスパンド加工する例を示しているが、いずれか一方の側部のみエキスパンド加工することもできる。
ダイス刃102の刃面102aはシート101の進行方向(矢印C)に対して段階的にシート101幅方向内側に順次設定され、それとともに、下刃104もその刃面104aを段階的にシート101幅方向内側に順次設定する。
上刃103を下刃104に対して嵌合−分離を繰り返す往復運動(図1におけるA方向の往復運動)を行う間に、シート101を所定ピッチで矢印C方向に送り出す。上刃103に設けられたダイス刃102と下刃104によりせん断される。図3に示したように、シート101には、スリットが千鳥状に形成され、スリットで挟まれた部分は、ダイス刃102の先端形状に応じて、シート101面に垂直方向に展開伸張して骨部105と交点部106とからなるエキスパンド網目107を形成する。
エキスパンド網目107を形成した後、所望形状に切断加工することにより、本発明の鉛蓄電池用のエキスパンド格子体108を得る。なお、一般的な鉛蓄電池製造においては、エキスパンド網目107を形成した後、活物質ペーストを充填し、必要に応じてペースト紙を貼り付けた後、切断加工するため、本発明のエキスパンド格子体にすでに活物質が充填された状態で取り扱われることは言うまでもない。
本発明では、上刃103の往復運動の周期(T)を0.04秒以下とする。本発明の発明者らは、この周期(T)が0.06秒以下の領域では、周期(T)が短くなるに従い、エキスパンドの骨切れの頻度(P)が増大するが、周期(T)が0.05秒以下、特に0.04以下の領域では、骨切れの頻度(P)は逆に減少することを見出した。
このような現象のメカニズムは定かではないが、以下のように推測される。すなわちシート101にスリット301を形成する際に、骨部105および骨部105同士を連結する交点部106に周期(T)の繰り返し荷重が加わる。繰り返し荷重によって、シート101に周期的な内部応力が発生する。上刃103が下死点に到達した直後に上刃103による荷重がなくなるが、骨部105および交点部106には内部応力が残存している。この内部応力は時間とともに緩和し減少していく。
上刃の周期(T)、すなわち繰り返し荷重の周期(T)が0.06秒以上の領域では、内部応力の緩和が進行してから次の繰り返し荷重による内部応力の上昇が起こると推測される。すなわち内部応力も周期的に大きく変動すると考えられる。
一方、繰り返し荷重の周期(T)が0.04秒以下の領域では、内部応力の緩和が進行する以前に次の繰り返し荷重が加わるため、内部応力は周期的に変動するものの、その変動幅は周期(T)が0.06秒以上の場合に比較して少ない。このような内部応力の変動幅が骨部105や交点部106でのクラックや骨切れの発生に関与していると考えられ、本発明では、このような現象により、内部応力の変動幅が抑制され、これらのクラックや骨切れを極めて顕著に抑制することができると推測される。
また、このような本発明の構成により、クラックや骨切れの発生頻度の低下とともに、エキスパンド網目の展開幅寸法(図4における寸法W)の精度、さらには、このエキスパンド格子体を用いた極板の寸法精度が向上することも発明者らは見出した。これは内部応力変動の減少が展開幅寸法の精度向上に寄与していると推測される。
なお、周期(T)の下限値については、上刃103を往復運動させるプレス機の能力および上刃103の質量に関連し、これらの設備的制約を受ける。設備コストと生産性向上効果とを勘案すると、周期(T)は0.024秒程度を下限に設定できる。これ未満とすることは設備コストが増大するが、周期(T)が0.024秒未満の領域、例えば周期(T)が0.02秒においても、本発明の効果は得られる。
シート101の素材としては、通常の鉛蓄電池用エキスパンド格子体に用いられるPb−Ca−Sn合金を用いることができ、通常はこの圧延シートを用いることができる。特に、Caを0.03〜0.10質量%、Snを1.0〜1.8質量%の範囲で含むPb合金は高耐食性・高強度の反面、クラックや骨切れが発生しやすいため、このような組成のPb合金シートに本発明は好適である。
とりわけ、Pb−Ca−Sn合金に付加的にBaやAgを添加した場合、Pb合金の耐食性はさらに向上するものの、前記したようなクラックや骨切れの発生は、より高い頻度で発生する傾向にある。本発明はこのようなPb−Ca−Sn−Ba合金あるいはPb−Ca−Sn−Ag合金においてもクラックや骨切れの発生を特に顕著に抑制するため、これらのPb合金を用いたエキスパンド格子体製造に特に好適である。
なお、Pb−Ca−Sn合金に付加的に添加されるBaは0.01〜0.06質量%、Agについては0.001〜0.05質量%の範囲で、Pb合金の耐食性向上効果が生じる。本発明では、このような濃度範囲のAgやBaを含むPb合金を用いた場合においても、前述したような、クラックや骨切れの発生を抑制する。また、これに伴い、エキスパンド網目の展開幅寸法精度およびこれを用いた極板の寸法精度を顕著に向上できる。
エキスパンド格子体における骨切れやクラックは、特に正極において格子腐食を引き起こし、集電効率の低下および格子体の変形を発生させることによって、鉛蓄電池の寿命低下の要因となる。したがって、本発明で得たエキスパンド格子体を少なくとも正極側に用いることにより、長寿命の鉛蓄電池を得ることができる。
また、本発明のエキスパンド格子体を負極に用いることもできる。本発明のエキスパンド格子体の寸法精度が極めて良好であるため、極板の寸法不良、特に高さ寸法のばらつきが大きくなって発生する内部短絡や極板耳の溶接深さのばらつきが抑制され、極めて高精度の極板群を製造できる。
本発明例と比較例の製造方法により、エキスパンド格子体を作成した。また、これらのエキスパンド格子体に活物質ペーストを充填して得た正極板を用いて55D23形の始動用鉛蓄電池を作成した。
エキスパンド格子体素材に用いるPb合金シートとして、表1の組成を有する幅68.00mm、厚み0.9mmの圧延Pb合金シートを作成した。
Figure 0004983024
上記したシートA〜Cを用いて、図1に示した工程でエキスパンド加工を行い、エキスパンド網目を形成した。なお、表2に示すように、上刃103の往復運動の周期(T)を0.100秒〜0.020秒の範囲で変化させ、エキスパンド網目を形成した。なお、エキスパンド網目は、活物質ペーストを充填せず、エキスパンド格子体に切断加工したものと、正極活物質ペーストを充填し、ペースト紙を貼り付けた後、切断加工して正極板としたものを作成した。
なお、上刃103に用いたダイス刃102はシート101の入材側の第1刃につては、先端が台形形状(刃先が上底に対応し、上底長さ6.0mm)のものであり、第2刃以降については、刃先角96°とし、先端部に2.5mmのR加工を施した形状のものとした。なお、スリット長さは8.5mmとした。
Figure 0004983024
表2に示したエキスパンド格子体において、エキスパンド網目の展開幅寸法(W)のばらつきを標準偏差として、また、エキスパンド加工時における骨切れの頻度を計測した。なお、骨切れの頻度は、切断加工前のエキスパンド網目長さ10mにおける骨切れ数を係数することにより、測定した。展開幅寸法の標準偏差値と骨切れ頻度(箇所/10m)の測定結果を表3に示す。
Figure 0004983024
表3に示した結果から、上刃の往復運動の周期(T)を0.100〜0.050秒の領域においては、周期(T)が短くなると、展開幅の標準偏差、すなわちばらつき量は増大し、骨切れもより頻発する。ところが、周期(T)が0.020〜0.040秒の領域では、その傾向は全く逆となり、周期(T)が短くなるにつれて、展開幅の標準偏差(ばらつき量)と骨切れ頻度は著しく低下した。
これらの傾向はそれぞれPb合金組成の異なるシートA〜Cに共通であるが、合金成分をCaおよびSnとしたシートAよりも、BaもしくはAgを添加したシートBおよびシートCにおいてその傾向はより顕著であった。
すなわち、周期(T)が0.050秒における展開幅の標準偏差で比較すると、シートAを用いた格子体A4が0.65mm、シートBを用いた格子体B4が0.78mm、さらにシートCを用いた格子体C4が0.74mmであり、BaもしくはAgの添加により、標準偏差は増大する傾向にあることがわかる。
一方、周期(T)を0.024秒とした本発明例では、シートA〜Cにおいて、標準偏差はそれぞれ0.20mm、0.18mmおよび0.18mmであり、比較例とは反対にBaもしくはAgを添加したものの方が、添加しないものに比べて標準偏差は減少する、すなわち展開幅のばらつきは低下した。
このような傾向は、骨切れの発生頻度に関しても全く同様であり、比較例においてBaもしくはAgを添加したシートB、Cはこれらを添加しないシートAに比較して骨切れの発生頻度が高いが、本発明では、骨切れはいずれも0まで抑制されており、特にBaやAgを含むPb−Ca−Sn合金において、本発明の効果が顕著に得られた。
次に表2に示す正極板を用いて55D23形始動用鉛蓄電池を作成し、JIS D5301で規定する軽負荷寿命試験を75℃中の気相雰囲気下で行った。なお、正極板は表2に示すとおり、格子体Aを用いた正極板を正極板Aとし、以下同様に、格子体の記号と正極板の記号を一致させている。
正極板に用いた活物質ペーストはボールミル式の鉛粉(75質量%PbO、25質量%Pb)の80質量部に鉛丹(90質量%Pb34、10質量%PbO)の20質量部からなる原料鉛粉に水と希硫酸および5.0mm長さのポリエステル繊維を混合して得たものである。活物質充填後、熟成乾燥を行い正極板とした。
負極板については、すべて比較例による格子体A1に負極活物質ペーストを充填し、熟成乾燥して得たものである。負極活物質ペーストはボールミル式の鉛粉(75質量%PbO、25質量%Pb)のみを原料鉛粉とし、それぞれ0.5質量%のカーボン、0.2質量%のリグニンおよび0.3質量%の硫酸バリウムを添加し、水と希硫酸で混合して得たものである。
上記の負極板を微孔性ポリエチレンシートの袋状セパレータに収納し、正極板5枚と袋状セパレータに収納した負極板6枚で極板群を構成し、前記した55D23形電池とした。
寿命試験方法は以下の通りである。
試験温度:75℃気相雰囲気
(1)放電 25A×4分
(2)充電 14.8V定電圧(最大電流25A)×10分
(3)上記放電−充電サイクルを480サイクル毎に確認放電
確認放電は356A放電×30秒
上記の確認放電における放電30秒目電圧が7.2Vを下回った時点で試験終了する。この確認放電の回数をn回目とすると、このn回目確認放電(サイクル数は480×n)における放電30秒目電圧Vnと、(n−1)回目の確認放電(サイクル数は480×(n−1))おける放電30秒目電圧V(n−1)とから、2点のサイクル数と放電30秒目電圧を結んだ直線を求め、この直線から、放電30秒目電圧が7.2Vとなるサイクル数を寿命サイクル数として求めた。
上記の寿命試験結果を表4に示す。なお、寿命サイクル数は正極板A(格子体A)を用いた電池Aにおける寿命サイクル数に対する百分率で示した。
Figure 0004983024
表4に示した結果から、上刃の往復運動の周期(T)を0.100〜0.050秒の領域においては、周期(T)が短くなると、寿命サイクル数は減少する。ところが、周期(T)が0.020〜0.040秒の領域では、その傾向は全く逆となり、周期(T)が短くなるにつれて、寿命サイクル数は増大した。特に、寿命試験後の電池を分解調査したところ、周期(T)が0.100〜0.050秒のものはエキスパンド格子体の交点部および交点部に近接した格子骨で腐食により切れが生じていた。一方、周期(T)が0.020〜0.040秒のものは格子体の腐食が顕著に抑制されており、切れの発生も顕著に抑制されていた。
このような傾向は、骨切れの発生頻度に関連付けられ、骨切れ発生頻度の増加は寿命サイクル数の減少、骨切れ発生頻度の減少は寿命サイクル数の増加に対応していた。本発明では、骨切れを抑制することにより、正極格子体へのクラックやこれを基点とした腐食が抑制され、結果として電池の寿命特性が顕著に改善される。
また、このような寿命サイクル数の増減の挙動はそれぞれPb合金の組成の異なるシートA〜Cに共通であるが、合金成分をCaおよびSnとしたシートAよりも、BaもしくはAgを添加したシートBおよびシートCにおいて本発明の効果はより顕著であった。
以上説明してきたように、本発明の構成によれば、レシプロ方式のエキスパンド加工による鉛蓄電池用格子体の製造方法において、エキスパンド網目展開幅のばらつきを抑制するとともに、骨部や交点部に発生するクラックや切れを抑制する顕著な効果を奏する。またこのようなエキスパンド格子体を特に正極に用いることにより、鉛蓄電池の寿命特性を顕著に改善できる。
本発明は、上記の構成を有し、エキスパンド格子体を用いた様々な鉛蓄電池に好適である。
シートをエキスパンド加工する工程を示す図 上刃と下刃とを示す図 スリットが形成されたシートを示す図 エキスパンド格子体を示す図
符号の説明
101 シート
102 ダイス刃
102a 刃面
103 上刃
104 下刃
104a 刃面
105 骨部
106 交点部
107 エキスパンド網目
108 エキスパンド格子体

Claims (3)

  1. PbもしくはPb合金のシートに周期が0.04秒以下で往復運動するダイス刃で、スリットを形成するとともにスリットを展開してエキスパンド網目を形成する鉛蓄電池用エキスパンド格子体の製造方法。
  2. 前記シートはPb−Ca−Sn−Ba合金であることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池用エキスパンド格子体の製造方法。
  3. 前記シートはPb−Ca−Sn−Ag合金であることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池用エキスパンド格子体の製造方法。
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