JP4981603B2 - 電磁アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、ソレノイド部の励磁作用下に発生する電磁力によって可動コアを固定コア部に吸引することにより、前記可動コアと一体的に弁シャフトを変位させることが可能な電磁アクチュエータに関する。
この種の電磁装置に関し、本件出願人は、流体通路を流通する圧力流体の流れを切り換える三方弁に係る電磁弁を提案している(特許文献1参照)。
この特許文献1に開示された電磁弁では、ハウジングの内部にソレノイド部が収容され、前記ソレノイド部から離間する方向に第1開閉弁を配置すると共に、前記第1開閉弁よりもソレノイド部に近接する同軸方向に第2開閉弁を配置し、前記第2開閉弁の第2バルブシールのシート径を前記第1開閉弁の第1バルブシートのシート径よりも小さく設定したバルブシート構造が採用されている。
この特許文献1に開示された電磁弁では、前記第2開閉弁の第2バルブシールのシート径を前記第1開閉弁の第1バルブシートのシート径よりも小さく設定することにより、前記第2開閉弁に対する流体圧力による開弁力を減少させることができるため、ソレノイド部に設けられたスプリングのばね力を弱めることができ、前記ソレノイド部を小型化することができる。
特開平9−280391号公報(段落0015〜0016、図1)
本発明は、前記提案に関連してなされたものであり、可動コア部と一体成形されたハウジングの磁気抵抗を抑制すると共に、全体構成を小型化することが可能な電磁アクチュエータを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、圧力流体が流通するインレットポート及びアウトレットポートを有する弁ボデイとハウジングとを含む弁本体部と、前記ハウジングの内部に配設されコイルボビンに巻回されたコイルと、炭素鋼材料によって前記ハウジングと一体成形された固定コア部と、外表面に非磁性層が形成され前記コイルに対する通電作用下に前記固定コア部に吸引される可動コアとを有するソレノイド部と、前記可動コアに連結されて該可動コアと一体的に変位する弁シャフトと、前記弁シャフトの変位作用下に前記インレットポートと前記アウトレットポートとの連通状態と非連通状態とを切り換える弁体と、前記弁ボデイの外周面に設けられ、半径外方向に突出する環状フランジ部と、を備え、前記固定コア部、前記ハウジング、前記環状フランジ部、及び、前記可動コアによって磁気回路が構成され、前記ハウジングは、前記固定コア部を含んで一体成形された後、所定温度まで加熱された後に徐々に冷却する焼き鈍し処理が施されて前記一体成形された固定コア部とハウジングとの結合部における歪みが除去され、さらに、前記ハウジングは、有底円筒形状を呈し、所定の肉厚によって形成された円筒部と、前記円筒部に連続して形成され前記環状フランジ部が当接する段部と、前記段部に連続し開口端に形成された薄肉円筒部とを有し、前記薄肉円筒部が前記環状フランジ部に加締められることにより、前記ハウジングと前記弁ボデイとが固定されることを特徴とする。
本発明によれば、炭素鋼材料によって固定コア部を含んでハウジングを一体成形した場合、磁気回路の一部を構成する固定コア部とハウジングとの結合部において歪みが発生して磁気抵抗が増大する現象が発生するが、所定温度まで加熱した後に徐々に冷却する焼き鈍し処理が施されることにより、前記歪みを除去して磁気抵抗を抑制することができる。
すなわち、本願発明者らは、炭素鋼材料により固定コア部を含んでハウジングを一体成形したものに対し、コイル及び可動コア等を組み付けてソレノイド部を製造した場合、前記ソレノイド部を作動させる(可動コアを固定コア部に吸引してソレノイド部をオン状態とする)ための最低の電圧(電流)が従来品と比較して高くなっている現象が発生し、この原因をCAE(Computer Aided Engineering)解析によって分析した結果、磁気回路の一部を構成する固定コア部とハウジングとの結合部(境界部)に応力が集中して歪み(内部歪み)が発生し、この歪みによって磁束の流れが制限されて磁気抵抗が大きくなっていることがわかった。
そこで、本願発明者らは、前記知見に基づいて、加工硬化による内部歪みを除去して組織を軟化させるために、所定温度まで加熱した後に徐々に冷却する従来から周知の焼き鈍し処理を施すことによって、前記不具合を解決することに成功した。
この場合、前記焼き鈍し処理を行う際、磁気特性を回復させるための加熱温度は、実験により、650℃〜750℃の範囲内が良好であって、最適には700℃に設定されるとよいことがわかった。
このように本発明では、炭素鋼材料によって固定コア部を含んでハウジングを一体成形した場合であっても、良好な磁気特性を有する磁気回路が得られ、磁気吸引力を向上させて全体構成を小型化することができる、という効果が得られた。
なお、前記ハウジングは、例えば、鍛造成形、プレス成形等によって固定コア部と一体成形されるとよい。
また、本発明では、前記ハウジングが、所定の肉厚によって形成された円筒部と、前記円筒部に連続して形成され前記環状フランジ部が当接する段部と、前記段部に連続し開口端に形成された薄肉円筒部とを有する有底円筒形状に構成され、前記薄肉円筒部が前記環状フランジ部に加締められることにより、前記ハウジングと前記弁ボデイとを簡便に固定することができる。
この場合、本発明によれば、ハウジングの円筒部は所定の肉厚に形成されると共に、開口端側には径方向に沿って所定の肉厚からなる段部及び薄肉円筒部が形成され、前記段部及び薄肉円筒部は、前記ハウジングが炭素鋼材料によって形成されることにより、例えば、純鉄系の材料で形成した場合と比較して硬度が高くなっているため、前記段部及び薄肉円筒部の径方向における肉厚を薄肉とすることができる。
この結果、本発明では、ハウジングの円筒部の肉厚を薄く設定することが可能となり、前記ハウジングの外径寸法を小さくして全体構成をより一層小型化することができる。
可動コア部と一体成形されたハウジングの磁気抵抗を抑制すると共に、全体構成を小型化することが可能な電磁アクチュエータを得ることができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電磁アクチュエータの軸方向に沿った縦断面構造図であり、図2は、図1に示されるオフ状態からソレノイド部が通電されたオン状態の縦断面構造図である。
この電磁アクチュエータ10は、内部にソレノイド部12が収容されたハウジング14と、前記ハウジング14に一体的に結合され、内部に弁機構部16が設けられた弁ボデイ18とを含む。前記ハウジング14及び弁ボデイ18は、弁本体部として機能するものであり、前記ハウジング14は、例えば、S10C(JIS規格)等の炭素鋼からなる磁性材料によって形成され、前記弁ボデイ18は、例えば、SUM(JIS規格)等の磁性材料によって形成されるとよい。なお、前記炭素鋼は、鉄と炭素の合金からなり、炭素含有量が0.02〜2%の範囲のものを用いるとよい。
図5に示されるように、前記ハウジング14は有底円筒形状を呈し、所定の肉厚によって形成された円筒部14aと、前記円筒部14aに連続して形成され後記する環状フランジ部68が当接する段部14bと、前記段部14bに連続し開口端に形成された薄肉円筒部14cとを有する。この場合、図示しない加締め装置の押圧部によって前記薄肉円筒部14cが内側に折曲して後記する環状フランジ部68に加締められることにより、前記ハウジング14と前記弁ボデイ18とが一体的に組み付けられて固定される。
前記弁ボデイ18は、略円筒体からなり、該弁ボデイ18の下端部には圧力流体(例えば、圧油)が導入されるインレットポート20が形成され、前記インレットポート20から上方の側部には、連通孔22を介して該インレットポート20に連通するアウトレットポート24が形成される。なお、前記インレットポート20の開口部には、圧油内に含まれる塵埃等を除去するためのフィルタ部材25が装着される。前記アウトレットポート24の上方には、弁ボデイ18の内部に軸方向に沿って延在する室26に連通する排出ポート28が形成される。
前記インレットポート20が設けられた弁ボデイ18の孔部29には、第1着座部30に着座することにより前記連通孔22を閉塞し、前記第1着座部30から離間することにより前記連通孔22を開成する弁体として機能するボール32が設けられる。このボール32は、例えば、SUJ(JIS規格)等のベアリング鋼によって形成されるとよい。また、前記弁ボデイ18の孔部29には、樹脂製材料によって形成され、段部31によって前記ボール32を保持すると共に、ガイド面33によって前記ボール32を案内する保持ガイド部材35が装着される。
ソレノイド部12のコイル34(後記する)が非通電状態にある場合、前記ボール32は、後記するリターンスプリング36のばね力によって押圧された弁シャフト38を介して、第1着座部30から離間した弁開状態にあり(図1参照)、所謂、ノーマルオープンタイプの三方電磁アクチュエータとして構成される。
前記弁ボデイ18内部の室26には、軸方向に沿って変位可能な弁シャフト38が配設される。前記弁シャフト38は、一端部(図1中の下端部)から上方に向かって順序に、球面状の図示しない当接面を有して前記ボール32の球面に当接する小径な第1軸端部38aと、前記第1軸端部38aに連続し徐々に拡径するテーパ部38bと、前記テーパ部38bに連続し後記する可動コア40の孔部42内に圧入される拡径部38cと、前記拡径部38cに連続し前記拡径部38cよりも縮径した小径部38dと、前記小径部38dに連続し、外周面の一部を軸方向に沿った一平面で切り欠くことにより後記する可動コア40の孔部42の内壁面との間で空間部が形成される平面切り欠き部38eと、前記平面切り欠き部38eに連続し後記する固定コア部54の凹部62に臨む第2軸端部38fとから構成される。なお、前記弁シャフト38は、例えば、SUS(JIS規格)等の非磁性材料によって形成されるとよい。
弁ボデイ18の中間部には室26を形成する隔壁が設けられ、前記隔壁の中央部には、弁シャフト38の第1軸端部38aを挿通させると共に、アウトレットポート24と排出ポート28とを連通させるための貫通孔46が形成される。前記貫通孔46の周辺部には、前記弁シャフト38のテーパ部38bが着座する第2着座部48が形成される。
なお、弁ボデイ18の外周面には、軸方向に沿って所定間隔離間して配置され、環状溝に装着された第1〜第3シール部材50a〜50cがそれぞれ設けられる。
ソレノイド部12は、有底円筒状からなり、弁シャフト38の軸方向に沿って所定長だけ突出した凸部によって形成される固定コア部54を有するハウジング14と、前記ハウジング14の内部に収納され、コイルボビン56に巻回されたコイル34と、略円筒体からなり中央部に軸方向に沿って貫通する孔部42が形成された可動コア40とを含む。
前記可動コア40には、軸方向と直交し弁シャフト38の小径部38dに連通する通路(呼吸孔)58が形成される。この場合、通路58と、弁シャフト38の小径部38dと可動コア40の内壁との間に形成された空間部と、平面切り欠き部38eと可動コアの内壁との間に形成された空間部とが相互に連通するように設けられ、前記通路58は、固定コア部54と可動コア40との間のクリアランス60に充填された圧力流体(圧油)を逃がす(流通させる)機能を有する。なお、前記コイルボビン56は、例えば、樹脂製材料によって形成される。
前記固定コア部54は、例えば、図示しない金型を用いた鍛造成形、プレス成形等によってハウジング14と一体成形される。ハウジングと別体で形成された図示しない円柱体をハウジングに固定して固定コアとした場合と比較して、本実施形態では、固定コア部54をハウジング14と一体成形することにより、部品点数を削減して製造コストを低減することができる。
さらに、ソレノイド部12は、一端部が前記固定コア部54の凹部62の内壁面に係着され、他端部が前記可動コア40の端面に当接された非磁性材料製のマグネットキラー35に弁シャフト38の第2軸端部38fを囲繞しつつ係着されたリターンスプリング36を有する。前記リターンスプリング36のばね力によって、可動コア40は、固定コア部54から離間する方向に押圧された状態にあり、ソレノイド部12のコイル34が通電されないオフ状態にある場合、可動コア40と固定コア部54との間には所定のクリアランス60が形成される(図1参照)。なお、前記マグネットキラー35は、ソレノイド部12に対する通電が停止されたとき、残留磁気の影響によって可動コア40が固定コア部54に吸着されたままになることを防止する機能(貼り付き防止機能)を有する。
前記可動コア40は、略円筒体からなり、例えば、SUM(JIS規格)等の快削鋼製材料によって形成される。前記可動コア40の外表面全体には、所定の深さからなる非磁性層64が形成される(図3参照)。また、該可動コア40の固定コア部54に対向する端部外周面には、可動コア40の他の部分と比較して直径が徐々に拡径し且つ固定コア部54と略同径からなる拡径部66が設けられる。
この場合、可動コア40に対して固定コア部54と略同径からなる拡径部66を形成することにより、固定コア部54に対する可動コア40の対向面積を増大させ、磁気特性を向上させることができる。
前記可動コア40の非磁性層64は、例えば、無電解ニッケルメッキからなるカニゼンメッキ(登録商標)処理を施すことによって形成される。このカニゼンメッキ処理を用いることにより、非磁性層64を簡便に形成することができる利点がある。なお、前記可動コア40の外表面に非磁性層64を形成する他の方法としては、例えば、高周波焼き入れ処理を施すとよい。高周波焼き入れ処理を施して非磁性層64を形成した場合、高速加熱処理が可能となり、製造工程の短縮化を図ることができる。
図4に示されるように、弁ボデイ18の上部側には、外周面から半径外方向に向かって所定長だけ突出する環状フランジ部68が設けられる。前記環状フランジ部68を起点とした上部には、該環状フランジ部68と一体的に薄肉に形成され、可動コア40の外周面を囲繞する円筒内壁面70を有し軸方向に沿って所定長だけ延在する上部側円筒部72aが設けられる。また、前記環状フランジ部68を起点とした下部には、該環状フランジ部68と一体的に厚肉に形成され、可動コア40の外周面を囲繞する円筒内壁面70を有し軸方向に沿って所定長だけ延在する下部側円筒部72bが設けられる。
前記上部側円筒部72aの軸方向に沿った端面は、図1に示されるソレノイド部12のオフ状態時において可動コア40の拡径部66の近傍まで延在し、前記下部側円筒部72bは、ソレノイド部12のオフ状態時において可動コア40の端面を超えた部位まで延在するように形成される。
前記上部側円筒部72a及び前記下部側円筒部72bにそれぞれ形成された円筒内壁面70、70は、可動コア40が軸方向に沿って摺動変位するときのガイド面として機能するものである。この場合、上部側円筒部72aの円筒内壁面70と下部側円筒部72bの円筒内壁面70とが軸方向に沿って連続して形成され、ガイド面の軸方向長さが大きく設定されることにより、可動コア40との同軸性を向上させることができる。
前記ハウジング14の薄肉円筒部14cは、図示しない加締め装置の押圧部によって加圧されることにより、弁ボデイ18の環状フランジ部68の下面部に加締められて一体的に連結される。
図1に示されるように、ハウジング14とコイル34の間には、該コイル34の外周面及びコイルボビン56の一部をモールドする樹脂封止体74が設けられ、前記樹脂封止体74は、後記するカプラ部76に連続して樹脂製材料によって一体成形される。
上部側円筒部72aと環状フランジ部68との境界部位には、縦断面三角形状からなりシール機能を有する第1Oリング78aが装着される。また、ハウジング14とコイルボビン56との間には、シール機能を有する第2Oリング78bが装着される。
前記ハウジング14の側部には、コイル34に導通するカプラ部76が設けられ、前記カプラ部76には、前記コイル34と電気的に接続されたターミナル77の端子部が露呈するように設けられる。また、前記カプラ部76と反対側のハウジング14の側部には、略L字状に屈曲する取付ステー80が固着されている。
本発明の実施形態に係る電磁アクチュエータ10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
なお、ソレノイド部12のコイル34が通電されていないオフ状態では、図1に示されるように、ボール32が第1着座部30から離間して、インレットポート20とアウトレットポート24とが連通状態にあると共に、弁シャフト38のテーパ部38bが第2着座部48に着座して、アウトレットポート24と排出ポート28とが非連通状態にある。
そこで、図示しない電源を付勢してコイル34に通電することによりソレノイド部12が励磁されてオン状態となり、図6に示されるような磁気回路が発生する。この磁気回路は、ハウジング14、環状フランジ部68、可動コア40及び固定コア部54を順次経由してハウジング14に復帰する磁束を有する。
前記磁気回路によって発生する電磁力により、可動コア40は、リターンスプリング36の押圧力に打ち勝って固定コア部54に吸引される。その際、可動コア40は、上部側円筒部72a及び下部側円筒部72bによるガイド作用によって直線状に摺動し、前記可動コア40と一体的に連結された弁シャフト38が上方に向かって変位する。従って、インレットポート20から導入された圧力流体(圧油)の押圧力によってボール32が第1着座部30に着座すると共に、弁シャフト38のテーパ部38bが第2着座部48から離間する。
ボール32が第1着座部30に着座し、且つ弁シャフト38のテーパ部38bが第2着座部48から離間することにより、インレットポート20とアウトレットポート24との連通が遮断された非連通状態となると共に、アウトレットポート24と排出ポート28とが連通状態となる。
なお、ソレノイド部12のコイル34に対する通電を停止することにより、電磁力が消滅し、リターンスプリング36のばね力の作用下に可動コア40及び弁シャフト38が下方側に変位し、ボール32を押圧して該ボール32が第1着座部30から離間した初期状態に復帰する。
本実施形態では、炭素鋼材料によって固定コア部54を含んでハウジング14を一体成形した場合、磁気回路の一部を構成する固定コア部54とハウジング14との結合部(図6(a)、(b)参照)において歪みが発生して磁気抵抗が増大する現象が発生するが、所定温度まで加熱した後に徐々に冷却する焼き鈍し処理が施されることにより、前記歪みを除去して磁気抵抗を抑制することができる。
すなわち、炭素鋼材料により固定コア部54を含んでハウジング14を一体成形したものに対し、コイル34及び可動コア40等を組み付けてソレノイド部12を製造した場合では、図示しないハウジングと固定コアとをそれぞれ別個に形成してソレノイド部に組み付けた場合と比較して、前記ソレノイド部12を作動させる(可動コア40を固定コア部54に吸引してソレノイド部12をオン状態とする)ための最低の電圧(電流)が高くなる現象が発生する。
この原因をCAE(Computer Aided Engineering)解析によって分析した結果、磁気回路の一部を構成する固定コア部54とハウジング14との結合部(境界部)に応力が集中して歪み(内部歪み)が発生し(図7(b)参照)、この歪みによって磁束の流れが制限されて磁気抵抗が大きくなっていることがわかった。
そこで、前記知見に基づいて、加工硬化による内部歪みを除去して組織を軟化させるために、所定温度まで加熱した後に徐々に冷却する従来から周知の焼き鈍し処理を施すことによって、前記不具合を解決することに成功した。
例えば、図6は、磁気回路の結合部における磁束の流れ易さを磁束の本数で表したものであり(本数が多いほど磁束が流れ易いものとする)、焼き鈍し処理が施された本実施形態では、図6(a)に示されるように、固定コア部54とハウジング14との結合部(境界部)に沿って磁束が流れ易くなっているのに対し、焼き鈍し処理が施されていない比較例では、図6(b)に示されるように、前記結合部を流れる磁束量が抑制されて磁束の流通が困難となっている。
このことは、図7(a)の本実施形態に示されるように、結合部において発生した内部歪みが焼き鈍し処理によって軟化して結晶組織が再結合されているのに対し、図7(b)の比較例では、焼き鈍し処理がなされていないために、鎖状に延在する組織からなる歪みが結合部にそのまま残存した状態していることからも諒解される。
図8は、前記焼き鈍し処理における加熱温度である焼き鈍し温度と、前記焼き鈍し処理を経たハウジング14及び固定コア部54を用いてソレノイド部12を構成したときに前記ソレノイド部12が作動する印加電圧との関係における実験結果を示したものである。
図7から諒解されるように、前記焼き鈍し処理を行う際、磁気特性を回復させるための焼き鈍し温度は、650℃〜750℃の範囲内(点A2、A3、A4)に設定されると印加電圧を低く設定することができて良好であり、最適には700℃に設定されるとよいことがわかった。なお、点A1及び点A5に示されるように、650℃〜750℃の範囲外では、印加電圧が高くなって不適である。
このように本実施形態では、炭素鋼材料によって固定コア部54を含んでハウジング14を一体成形した場合であっても、良好な磁気特性を有する磁気回路が得られ、磁気吸引力を向上させて全体構成を小型化することができる。
また、本実施形態では、前記ハウジング14が、所定の肉厚によって形成された円筒部14aと、前記円筒部14aに連続して形成され前記環状フランジ部68が当接する段部14bと、前記段部14bに連続し開口端に形成された薄肉円筒部14cとを有する有底円筒形状に構成され、前記薄肉円筒部14cが前記環状フランジ部68に加締められることにより、前記ハウジング14と前記弁ボデイ18とを簡便に固定することができる。
この場合、本実施形態によれば、ハウジング14の円筒部14aは所定の肉厚に形成されると共に、開口端側には径方向に沿って所定の肉厚からなる段部14b及び薄肉円筒部14cが形成され、前記段部14b及び薄肉円筒部14cは、前記ハウジング14が炭素鋼材料によって形成されることにより、例えば、純鉄系の材料で形成した場合と比較して硬度が高くなっているため、前記段部14b及び薄肉円筒部14cの径方向における肉厚を薄肉とすることができる。
換言すると、ハウジング14を純鉄系の材料で形成した場合、磁気特性が良好であるために前記磁気特性の観点からは小型化が可能であるものの、開口部端を環状フランジ部68に対して加締めるときには材料硬度が低いことから、前記加締め部分の肉厚を大とせざると得ず、小型化が困難となる。また、ハウジング14を炭素鋼材料で形成した場合、材料硬度が高いため、前記加締め部分の肉厚を小として小型化が可能であるものの、磁気特性が良好でないことから大型化せざるを得ず、やはり小型化が困難となる。これに対して、本実施形態では、上記2つの関係、すなわち、材料硬度及び磁気特性をそれぞれ両立させることで、小型化を達成することが可能となったものである。
この結果、本実施形態では、ハウジング14の円筒部14aの肉厚を薄く設定することが可能となり、前記ハウジング14の外径寸法を小さくして全体構成をより一層小型化することができる。
なお、本実施の形態では、可動コア40の外表面全体にカニゼンメッキ処理によって非磁性層64が形成されているため、上部側円筒部72a(及び下部側円筒部72b)の円筒内壁面70と可動コア40の外周面との間のクリアランスからなる磁気ギャップを極力小さくすることができる。この結果、本実施形態では、磁気吸引力を向上させてより一層全体構成の小型化を達成することができる。
この場合、可動コア40の外表面全体は、非磁性層64が形成されているため、可動コア40のみの外径寸法を管理することにより、容易に所定寸法に形成することができる。従って、前記磁気ギャップを精度よく管理することができ、極めて良好な磁気特性を得ることができる。
さらに、本実施形態では、弁ボデイ18自体に可動コア40の外周面を囲繞して前記可動コア40を軸方向に沿って直線状に案内するガイド部を設けているため、従来から設けられていた別体の軸受け部材(例えば、環状体からなるヨーク等)が不要となり、部品点数及び組み付け工数が削減されて製造コストを低減することができる。
この場合、前記ガイド部は、半径外方向に突出する環状フランジ部68を起点として、上部側に設けられた上部側円筒部72aからなる第1ガイド部と、下部側に設けられた下部側円筒部72bからなる第2ガイド部とを有し、前記第1ガイド部と前記第2ガイド部とが軸方向に沿って連続して形成される。
このように、本実施の形態では、可動コア40の外周面に沿って軸方向に延在する円筒内壁面70を有し、上部側円筒部72aからなる第1ガイド部と下部側円筒部72bからなる第2ガイド部とを弁ボデイ18自体に設けることにより、可動コア40が摺動するガイド面を軸方向に沿って長尺に設定することが可能となり、前記可動コア40の安定したガイド機能を発揮させることができる。
さらにまた、可動コア40の外面全体に非磁性層64が形成されているため、前記円筒内壁面70との間で貼り付きが防止され、円筒内壁面70に対する可動コア40の良好な摺動性を得ることができる。すなわち、円筒内壁面70に対する可動コア40の摺動面(外周面)は、非磁性層64によってその内面の磁性層よりも硬質化(硬化処理)されているため、良好な摺動特性を得ることができる。
本発明の実施形態に係る電磁アクチュエータの軸方向に沿った縦断面構造図である。 図1に示されるオフ状態からソレノイド部が通電されたオン状態の縦断面構造図である。 前記電磁アクチュエータを構成する可動コアの軸方向に沿った縦断面図である。 前記固定コアを案内するガイド部を示す部分拡大縦断面図である。 図1に示す電磁アクチュエータを構成する固定コア部が一体成形されたハウジングの軸方向に沿った縦断面図である。 (a)は、本実施形態においてソレノイド部に通電することによって発生する磁気回路を示す一部省略断面図、(b)は、比較例にかかる磁気回路の一部省略断面図である。 (a)は、本実施形態における結合部の組織状態を示した説明図であり、(b)は、比較例における結合部の組織状態を示した説明図である。 焼き鈍し処理における焼き鈍し温度と、ソレノイド部が作動する印加電圧との関係を示す説明図である。
符号の説明
10 電磁アクチュエータ
12 ソレノイド部
14 ハウジング
14a 円筒部
14b 段部
14c 薄肉円筒部
16 弁機構部
18 弁ボデイ
20 インレットポート
24 アウトレットポート
28 排出ポート
32 ボール(弁体)
34 コイル
38 弁シャフト
40 可動コア
54 固定コア部
68 環状フランジ部

Claims (2)

  1. 圧力流体が流通するインレットポート及びアウトレットポートを有する弁ボデイとハウジングとを含む弁本体部と、
    前記ハウジングの内部に配設されコイルボビンに巻回されたコイルと、炭素鋼材料によって前記ハウジングと一体成形された固定コア部と、外表面に非磁性層が形成され前記コイルに対する通電作用下に前記固定コア部に吸引される可動コアとを有するソレノイド部と、
    前記可動コアに連結されて該可動コアと一体的に変位する弁シャフトと、
    前記弁シャフトの変位作用下に前記インレットポートと前記アウトレットポートとの連通状態と非連通状態とを切り換える弁体と、
    前記弁ボデイの外周面に設けられ、半径外方向に突出する環状フランジ部と、
    を備え、
    前記固定コア部、前記ハウジング、前記環状フランジ部、及び、前記可動コアによって磁気回路が構成され、
    前記ハウジングは、前記固定コア部を含んで一体成形された後、所定温度まで加熱された後に徐々に冷却する焼き鈍し処理が施されて前記一体成形された固定コア部とハウジングとの結合部における歪みが除去され、
    さらに、前記ハウジングは、有底円筒形状を呈し、所定の肉厚によって形成された円筒部と、前記円筒部に連続して形成され前記環状フランジ部が当接する段部と、前記段部に連続し開口端に形成された薄肉円筒部とを有し、前記薄肉円筒部が前記環状フランジ部に加締められることにより、前記ハウジングと前記弁ボデイとが固定されることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  2. 請求項記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記焼き鈍し処理が施されるときに加熱される所定温度は、650℃〜750℃の範囲内に設定されることを特徴とする電磁アクチュエータ。
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