以下、添付図面を参照して、部品供給ユニットと電子部品装着装置本体とから構成される電子部品装着装置の一実施形態について説明する。この電子部品装着装置は、いわゆる多機能型チップマウンタであり、各種電子部品をプリント基板Pに実装できる。
図1は電子部品装着装置の平面図であり、図2は電子部品装着装置1の下部本体の正面図、図3は電子部品装着装置1の右側面図で、電子部品装着装置1の基台2上のフィーダベース3A、3B、3C、3D上には種々の電子部品を夫々その部品取出し位置(部品吸着位置)に1個ずつ供給する部品供給ユニット3が不動の状態で着脱可能に複数並設固定されている。対向する部品供給ユニット3群の間には、供給コンベア4、位置決め部5及び排出コンベア6が設けられている。供給コンベア4は上流より受けたプリント基板Pを前記位置決め部5に順次搬送し、位置決め部5で位置決め機構により位置決めされた該基板P上に電子部品が装着された後、排出コンベア6に搬送される。
8は装着装置1の左右部にそれぞれに設けられるX方向に長い前後一対のビームであり、各リニアモータ9の駆動により左右一対のガイド10に沿って前記各ビーム8に固定されたスライダ11が摺動して位置決め部5上のプリント基板Pや部品供給ユニット3の部品取出し位置上方を個別にY方向に移動する。前記リニアモータ9は、基台2に固定された上下一対の固定子9Aと、前記ビーム8の両端部に設けられた取付板の下部に固定された可動子9Bとから構成される。
各ビーム8にはその長手方向(X方向)にリニアモータ14によりガイド13に沿って移動する装着ヘッド体7が夫々設けられている。図3に示すように、前記リニアモータ14はビーム8に固定された前後一対の固定子14Aと、各固定子14Aの間に位置して前記装着ヘッド体7に設けられた可動子14Bとから構成される。
各装着ヘッド体7は12本の各バネ12により下方へ付勢されている吸着ノズル15を有する装着ヘッド16を備えている。そして、各装着ヘッド体7の各装着ヘッド16には基板認識カメラ19が設けられ、位置決めされているプリント基板Pに付された位置決めマークを撮像する。
以下、装着ヘッド16の昇降装置及び装着ヘッド16について、図5及び図6に基づいて詳細に説明する。20はガイド13に沿って移動する装着ヘッド体7の基盤、21はこの基盤20に固定されたビーム側ベースである。また、22は装着ヘッド16の上部及び下部に固定された装着ヘッド側ベースであり、この装着ヘッド側ベース22とビーム側ベース21との間にヘッド昇降装置23が設けられている。
ヘッド昇降装置23は、装着ヘッド16の昇降時に装着ヘッド16を案内するガイド24と、ビーム側ベース21に取り付けられたボールネジ25、ボールネジ25を回転駆動し装着ヘッド16を昇降させるヘッド昇降モータ26、ボールネジ25と螺合した昇降ナット27、ヘッド昇降モータ26が取り付られると共にボールネジ25の上部を回転自在に支持する支持体28などから構成され、昇降ナット27はヘッド側ベースに22に固定されている。このため、ヘッド昇降モータ26の回転によるボールネジ25の回転により、昇降ナット27は昇降し、この結果、装着ヘッド16がガイド24に案内されて昇降する。
また、スリップリング30は装着装置本体と装着ヘッド16との間の通信及びノズル支持部の回転モータへの電力供給のために設けられている。また、31は装着ヘッド16下部に所定角度毎に円周上に12本配設された各吸着ノズル15を上下動可能に支持するノズル支持体、32は装着ヘッド16下部の外筒体、33は外筒体32とノズル支持体31との間に設けられた吸着ノズル15のθ回転用のノズル回転モータである。このノズル回転モータ33のロータ34はノズル支持体31の外周面に設けられ、外筒体32に設けられたステータ35の内側でノズル支持体31と共にθ方向に回転可能に設けられる。
37はヘッド支持体31の中心から下方に突出して設けられた部品有無検出及び吸着姿勢(吸着状態)検出の検出手段、電子部品Dの厚さの検出手段及び吸着ノズル15の存在の検出手段(ノズル径の検出手段)としてのラインセンサユニットで、各装着ヘッド16の略中央部に設けられた支持体38下端に設けられ円筒状の発光ユニット取付体41内上部にLED等の発光素子42を配設すると共にその下方にレンズ43及びそのレンズ43の下方に円錐状の反射面44aを有する反射体44を配設して構成された発光ユニット45と、前記外筒体32底面に固定されて前記反射体44を介する前記発光素子42からの光を受光する複数の受光素子であるCCD素子を備えた受光ユニット46とから構成される。
例えば、装着ヘッド16に設けられ部品の吸着を行うと選択された吸着ノズル15による電子部品Dの吸着動作が終了し、ノズル支持体31が回転する度に、電子部品Dの下端面の高さ位置を各CCD素子の受光状態より遮光から受光に変わる境界位置として検出することにより部品が図5に示すように正常に吸着されている場合と、吸着すべきでない面が吸着されて所謂立ち状態や斜め吸着状態の場合とが区別して検出される。即ち、吸着ノズル15が下降して部品供給ユニット3から電子部品Dを吸着取出し、上昇した後にノズル回転モータ33の駆動によりノズル支持体31を回転させ、電子部品Dを吸着保持している吸着ノズル15を旋回させ、その旋回中に吸着ノズル15が吸着している電子部品Dが前記反射体44と受光ユニット46との間に位置するので、複数位置で電子部品Dの下端面の高さ位置を検出することにより、部品の有無検出、吸着姿勢の検出、吸着ノズル15に吸着保持された部品の厚さの検出等が可能となる。
また、吸着ノズル15を旋回させて旋回中に吸着ノズル15の有無検出もできる。尚、ノズル支持体31が回転しながら移動するときに検出する構成にしたが、電子部品Dが前記反射体44と受光ユニット46との間に位置したときに前記回転を停止させて検出するようにしてもよい。
そして、吸着ノズル15が電子部品Dを吸着していない場合には、発光素子42からの光のうち遮光されるべき光(吸着されている電子部品により)が受光ユニット46に受光されることとなるので電子部品Dの「無し」を検出し、各ノズル軸64の側方に設けられた後述する真空バルブ入切用作動体であるソレノイドバルブ82の動作により吸着ノズル15に真空源47に連通する流路を遮断し、真空源47からの真空通路を断って真空吸着動作を停止してリークを防止し、また吸着すべきでない面が吸着され所謂立ち状態となっているとか斜めに吸着されていると検出した場合には、当該吸着ノズル15を回収箱79上方に移動させて電子部品Dを落下させる。
次に、装着ヘッド16に設けられたノズル昇降装置50について説明する。51はヘッド側ベース22に取り付けられたノズル昇降用のノズル昇降モータ、52はノズル昇降モータ51の回転軸511が連結部材59により連結されノズル昇降モータ51により回転駆動されるボールネジ、53はこのボールネジ52に螺合してボールネジ52の回転により昇降する昇降体、55はヘッド側ベース22に取り付けられ昇降体53の昇降を案内するガイド、56は昇降体53の下端に回転自在に取り付けられたローラである。
更に、57は装着ヘッド16の中心軸60が中心を貫通した第1筒体であり、この第1筒体57に形成された環状の鍔部58はローラ56の上に位置し、第1筒体57はローラ56に支持されている。ここで、第1筒体57は例えばボールスプラインから構成され、鍔部58の上面にその下端が当接したバネ61により下方に付勢される共に後述するプーリのθ回転と共にθ回転し、且つ昇降体53の昇降に伴うローラ56の昇降に伴い昇降する。62は第1筒体57の下部に固定され第1筒体57と共にθ回転するノズル支持部材であり、このノズル支持部材62の下端には円周方向に水平に伸びた昇降支持片63が形成されている。そして、この昇降支持片63は第1筒体57の昇降に伴い昇降し、昇降支持片63の下降により複数の吸着ノズル15のうち所定の吸着ノズル15が下降する。
即ち、それぞれの吸着ノズル15から上方に延びた各ノズル軸64の上端にはローラ65が回転自在に取り付けられ、後述するノズル選択装置により選択された1本の吸着ノズル15のノズル軸64上端のローラ65が昇降支持片63の上面に乗っている状態で、第1筒体57の下降に伴うノズル支持部材62及び昇降支持片63の下降により昇降する。即ち、昇降支持片63及びローラ65が、例えば昇降支持片63A及びローラ65Aにて示した位置まで下降した場合には、この下降に伴い、所定の吸着ノズル15も下降する。更に、ノズル昇降モータ51の回転量を制御して、昇降体53下降時の停止高さを調整することにより、前記吸着ノズル15を所定ストローク降下させることとなる。
また、66はノズル支持部材62の下に設けられたθ回転可能な第3筒体であり、この第3筒体66の上部には下降前のノズル支持部材62の昇降支持片63と同じ高さ位置にほぼ円盤状の固定支持片67が形成されている。固定支持片67には、図7に示したように昇降支持片63に対応して切欠き68が形成され、上記下降するノズル15を除いたノズル15のノズル軸64上端の各ローラ65が固定支持片67により支持されている。即ち、固定支持片67には、円周方向にノズル15の数分の12等分した角度であるほぼ30°の位置に切欠き68が形成され、この切欠き68の箇所にノズル支持部材62の昇降支持片63が位置している。
70は装着ヘッド16に設けられたノズル選択装置であり、71は下降ノズル選択用のノズル選択モータ、72はノズル選択モータ71の回転軸73に固定された第1のプーリ、74は中心軸60に回動可能に支持された第2のプーリ、75は第1のプーリ72と第2のプーリ74とに渡されたベルト、76は中心軸60の外側に位置し第2のプーリ74の中心から下方に延びた筒状の回転体であり、バネ61は第2のプーリ74と第1筒体57の鍔部58との間に設けられている。
また、回転体76下部の外周面外側には第1筒体57が位置し、第1筒体57のボールスプラインとしての作用により、第1筒体57は第2のプーリ74の回転に伴う回転体76の回転と共に回転し、且つ昇降体53が昇降したときにはその昇降に伴い回転体76に沿い下降する。
即ち、電子部品Dの吸着及び装着に伴うノズル選択時には、ノズル選択モータ71が回転すると、第1のプーリ72ベルト75及び第2のプーリ74及び回転体76を介して第1筒体57が回転し、更に第1筒体57と連結されたノズル支持部材62が第3筒体66と共に回転し、ノズル支持部材62の昇降支持片63が選択されたノズル15から伸びたノズル軸64の下に位置する。このような状態で、ノズル昇降モータ51が回転し、吸着及び装着する電子部品の厚さに応じて昇降体53が下降すると、それに伴い第1筒体57及びノズル支持部材62が下降し、昇降支持片63の下降により選択されたノズル15のみが電子部品の厚さに応じて所定ストローク下降する。
80はエアー切替バルブで、各ノズル15より周方向外側の位置に各ノズル15に対応して等角度間隔に設けられ、個別にエアーの吸引と吹き出しとの切替が可能である。このエアー切替バルブ80は上部に設けられたケース81と、このケース81内に上部が位置し、通電がCPU90からの信号により制御されるソレノイドバルブ82とから構成されている。ソレノイドバルブ82はケース81の内面に設けられた環状の電磁石83と、この電磁石83への通電、非通電によりケース81内を昇降し、上部には電磁石83に対応して円柱状の永久磁石84が設けられた通路切替体85などから構成されている。この通路切替体85とケース81下部の筒部81Aとの間には、上から下に順番にエアーブロー用通路86、ノズル連通通路87、真空引き用通路88とが形成されている。また、ノズル軸64にはノズル15の内部通路及びノズル連通通路87と連通するノズル軸通路100が形成され、通路切替体85の昇降によりノズル連通通路87を介してノズル通路100と真空引き用通路88或いはエアーブロー用通路86との間の連通が切り替る。
即ち、ソレノイドバルブ82の電磁石83への通電により通路切替体85が上昇しているときには、真空引き用通路88とノズル連通通路87とが連通し、ノズル連通通路87とエアーブロー用通路86とが遮断され、吸着ノズル15の内部通路はノズル軸通路100、ノズル連通通路87及び真空引き用通路88を介して真空源47と連通し、吸着ノズル15は電子部品の真空吸着を維持する。また、電磁石83が非通電になり、通路切替体85が下降しているときには、真空源47に連通した真空引き用通路88とノズル連通通路87とが遮断され、ノズル連通通路87とエアーブロー用通路86とが連通し、吸着ノズル15による電子部品Dの真空吸着を止めると共に吸着ノズル15の内部通路にエアー供給源48からの空気がエアーブロー用通路86、ノズル連通通路87及びノズル軸通路100を介して吹き込まれる。
49Aは一端がエアー切替バルブ80に連通する切替バルブで、他端が前記真空源47に連通して吸着ノズル15が吸引するかエアー供給源48に連通して吸着ノズル15が吹き出しするかを切り替えるバルブである。49Bは一端がエアー切替バルブ80に連通すると共に他端がエアー供給源48に連通する開閉バルブで、吸着ノズル15により電子部品を装着する際に、エアー切替バルブ80がエアー吸引からエアー吹き出しに切り替る前に開いてエアー供給源48からのエアーを吹き出し状態として、吸着ノズル15が電子部品を吸着して下降し始めたときにエアー切替バルブ80がエアー吹き出しに切り替ったときにこの真空を破壊するためのバルブである。
図3に示すように、89は部品認識カメラで、前記各装着ヘッド16に対応してそれぞれ1個ずつ計4個基体2の取付板99に設けられ、電子部品が吸着ノズル15に対してどれだけ位置ずれして吸着保持されているかXY方向及び回転角度につき、位置認識するために複数の前記吸着ノズル15に吸着保持された全ての電子部品Dを一括して撮像し、吸着ノズル15に電子部品Dが吸着保持しているか否かも確認することができる。
次に図4の本電子部品装着装置1の制御ブロック図に基づいて、以下説明する。90は本装着装置1を統括制御する制御部としてのCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)で、該CPU90にはバスラインを介して、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)92及びROM(リ−ド・オンリー・メモリ)93が接続されている。そして、CPU90は前記RAM92に記憶されたデータに基づいて、前記ROM93に格納されたプログラムに従い、電子部品装着装置1の部品装着動作に係る動作を統括制御する。即ち、CPU90は、インターフェース94及び駆動回路95を介して前記リニアモータ9及び14、ヘッド昇降モータ26、ノズル回転モータ33、ノズル昇降モータ51、ノズル選択モータ71、ソレノイドバルブ82、各装着ヘッド16毎に設けられる開閉バルブ49B及び切替バルブ49Aなどの駆動を制御している。
前記RAM92には、部品装着に係る装着データが記憶されており、その装着順序毎(ステップ番号毎)に、プリント基板内でのX方向(Xで示す)、Y方向(Yで示す)及び角度(Zで示す)情報や、各部品供給ユニット3の配置番号情報等が記憶されている。また前記RAM92には、部品配置データが記憶されており、これは前記各部品供給ユニット3の配置番号に対応して各電子部品の種類(部品ID)や該供給ユニット3の配置座標等が記憶されている。
また、RAM92には、電子部品装着装置において、図10に示した部品供給ユニット(以下、フィーダという。)について発生する複数種類の異常項目とそれらの異常の原因として予め設定された複数の異常の原因との対応表、図11に示した吸着ノズル15について発生する複数種類の異常項目とそれらの異常の原因として予め設定された複数の異常の原因との対応表、及び図12に示した例えばフィーダの異常などそれぞれ異なる異常原因ごとのメンテナンス作業(メンテナンス項目)を示した対応表が記憶されている。
さらに、RAM92は、後述する異常発生回数などの管理データを記憶する。
91はインターフェース94を介して前記CPU90に接続される認識処理装置で、部品認識カメラ89により撮像して取込まれた画像の認識処理及び基板認識カメラ19により撮像して取込まれた画像の認識処理が部品認識処理装置91により行われる。
尚、前記部品認識カメラ89及び基板認識カメラ19より撮像された画像は表示装置としてのモニタ96に表示される。そして、前記モニタ96には種々のタッチパネルスイッチ97が設けられ、作業者がタッチパネルスイッチ97を操作することにより、教示指定のための設定を含む種々の設定を行うことができる。
なお、前記ラインセンサユニット37の受光ユニット46はインターフェ−ス110を介して検出コントローラ111のCPU112に接続され、CPU112にはバスラインを介してRAM(ランダム・アクセス・メモリ)113及びROM(リ−ド・オンリー・メモリ)114が接続されている。そして、CPU112はインターフェ−ス115及びシリアル回線116を介して前記CPU90に接続されている。
ここで、吸着ノズル15に吸着保持された電子部品Dの有無検出をしたり、吸着姿勢(吸着状態)を検出したり、吸着ノズル15に吸着保持された電子部品Dの厚さを検出したり、吸着ノズル15の存在を検出するために、12本の吸着ノズル15のうちの電子部品Dを吸着保持した吸着ノズル15や吸着ノズル15の種類を判別したい任意の吸着ノズル15を発光ユニット45と受光ユニット46との間に位置させるために、前記ラインセンサユニット37を構成する発光ユニット45をノズル回転モータ33によりノズル支持体31と共に回転させることとなる。
また、CPU90はインターフェース94を介して外部の管理パソコン120に接続され、RAM92に記憶された後述する管理データは所定の時間毎に管理パソコン120に送られる。管理パソコン120は、管理データなどを格納するRAM121、CPU122及び管理データなどを表示するモニタ123を備えている。
そして、RAM121には、電子部品装着装置において、図10に示した部品供給ユニット(以下、フィーダという。)について発生する複数種類の異常項目とそれらの異常の原因として予め設定された複数の異常の原因との対応表、図11に示した吸着ノズル15について発生する複数種類の異常項目とそれらの異常の原因として予め設定された複数の異常の原因との対応表、及び図12に示した例えばフィーダの異常などそれぞれ異なる異常原因ごとのメンテナンス作業(メンテナンス項目)を示した対応表が記憶されている。
以上のような構成により、以下電子部品装着装置1による電子部品Dの吸着及び装着の動作について詳細に説明する。先ず、プリント基板Pを上流装置より供給コンベア4を介して位置決め部5に搬入し、位置決め機構により位置決め動作を開始する。
次に、CPU90は、RAM92に格納された装着データに従い、電子部品Dの吸着動作を実行する。即ち、RAM92にプリント基板Pの装着すべきXY座標位置、鉛直軸線回りへの回転角度位置及び配置番号等が指定された装着データ等に従い、電子部品の部品種に対応した吸着ノズル15が装着すべき該電子部品を所定の部品供給ユニット3から吸着して取出す。
このとき、CPU90によりリニアモータ9及び14が制御されて、各装着ヘッド体7の各装着ヘッド16の吸着ノズル15が装着すべき電子部品を収納する各部品供給ユニット3の先頭の電子部品上方に位置するよう移動するが、Y方向は駆動回路95によりリニアモータ9が駆動して一対のガイド10に沿って各ビーム8が移動し、X方向は同じく駆動回路95によりリニアモータ14が駆動してガイド13に沿って各装着ヘッド体7が移動する。
そして、既に所定の各供給ユニット3は駆動されて部品吸着位置にて部品が取出し可能状態にあるため、CPU90からインターフェース94及び駆動回路95を介して出力される信号に基づいて、ヘッド昇降モータ26が回転し、装着ヘッド16がガイド24に沿い所定の高さまで下降する。次に、初めに電子部品を吸着する吸着ノズル(以下、「1番吸着ノズル」という)15が吸着位置、即ち、装着ヘッド16の概略底面図である図8に示す吸着位置(この位置を0°とする)101からずれている場合には、CPU90はその吸着ノズル15を吸着位置である図8に示す吸着位置101まで移動させるための信号を出力してノズル回転モータ33を回転駆動させ、装着ヘッド16のノズル支持体31を中心軸60の回りをθ回転させる。
そして、ローラ65が昇降支持片63に乗った時点で、CPU90はノズル支持体31の回転角度と昇降支持片63の側縁の角度(昇降支持片の中央から15°ずれた位置)とに基づいてインターフェース94及び駆動回路95を介して信号をノズル昇降モータ51へ出力する。すると、この信号に基づいて、ノズル昇降モータ51は1番吸着ノズル15を下降させる方向へ回転し、ボールネジ52の回転により昇降体53及び昇降支持片63は下降し、1番吸着ノズル15は所定の高さ、即ち予め設定されていた供給ユニット3から電子部品を吸着するのに適した高さに向かい下降する。即ち、ノズル支持体31のθ回転及び昇降支持片63の下降により、1番吸着ノズル15は旋回すると共に下降し、ローラ65が昇降支持片63の中央に到達し、1番吸着ノズル15は吸着位置101に到達すると共に、電子部品を吸着するのに適した高さまで下降する。
1番吸着ノズル15が吸着位置101に到達すると共に、電子部品を吸着するのに適した高さまで下降したとき、1番吸着ノズル15に対応したソレノイドバルブ82はCPU90からの信号に基づいて通電されて、通路切替体85が上昇し真空引き用通路88とノズル連通通路87とが連通すると共にノズル連通通路87とエアーブロー用通路86とが遮断され、吸着ノズル15の内部通路はノズル軸通路100、ノズル連通通路87、真空引き用通路88及び吸引側に切替っている切替バルブ49Aを介して真空源47と連通し、吸着ノズル15は電子部品の真空吸着を維持する。
上記のように、1番吸着ノズル15による電子部品の吸着動作が終了すると、CPU90は信号をノズル昇降モータ51へ出力し、この信号に基づいて、ノズル昇降モータ51は1番吸着ノズル15を上昇させる方向へ回転し、ボールネジ52の回転により昇降体53は所定に高さ、即ち、下降前の高さまで上昇する。
そして、装着ヘッド16により電子部品を連鎖吸着できる場合には、1番吸着ノズルと同様に、上記のようにノズル支持体31に設けられた12本の吸着ノズル15のうち、即ち2番吸着ノズルから12番吸着ノズルのうち残りの選択された吸着ノズルについてもマルチ連鎖吸着(可能な限り多くの電子部品Dを連続して吸着する)する。即ち、残りの各吸着ノズル15に部品供給ユニット3から電子部品が供給され、ノズル回転モータ33の回転により、ノズル支持体32は間欠的に回動し、ノズル支持体32の停止時に各吸着ノズル15は昇降し、電子部品を吸着保持する。
そして、各吸着ノズル15による電子部品の吸着動作に伴うラインセンサユニット37による電子部品の有無検出、吸着姿勢の検出及び吸着ノズル15に吸着保持された電子部品の厚さの検出がなされる。即ち、ラインセンサユニット37の受光ユニット46は図8に示した吸着位置101より例えば45°ずれた位置に設けられ、ノズル支持体32の矢印方向への間欠的な回動に伴い電子部品を吸着した吸着ノズル15が図8に示す検出位置102を通過した際に、上述したようにラインセンサユニット37により吸着ノズル15の下端での全ての電子部品の有無検出、吸着姿勢の検出及び部品の厚さの検出等を装着ヘッド16を1回転させて行なう。
この場合、発光ユニット45の発光素子42から発せられた光が反射体44の反射面44aで反射されて受光ユニット46により受光され、検出コントローラ111に検出値が送られ、検出コントローラ111からの検出情報に基づいて、CPU112はこの電子部品Dの下端レベルに応じて電子部品の有無検出、吸着姿勢の検出及び部品の厚さの検出を確実に行なえることとなる。
従って、検出コントローラ111からの検出情報に基づいて、CPU112が電子部品が無いと判定した場合には、再度部品供給ユニット3から取り出し動作を行ったり、吸着すべきでない面が吸着され所謂立ち状態となっているとか斜めに吸着されていると姿勢状態の異常を検出した電子部品であると判定した場合には、当該電子部品の認識及び装着の前に、装着ヘッド16及び吸着ノズル15を回収箱79上方に移動させて電子部品Dを落下させる個別廃棄(回収)動作がそれぞれの電子部品についてなされる。
そして、全ての個別廃棄動作を行なった後に部品認識カメラ89による電子部品の撮像及び認識処理装置91の認識処理等の部品認識動作を行なうか、電子部品の姿勢異常が無かった場合に部品認識動作を行なって、プリント基板Pへの装着動作を行う。
即ち、CPU90は認識処理装置91からの認識処理結果を加味して、位置決め部5で位置決めされているプリント基板P上の装着座標位置に吸着ノズル15が移動するようにリニアモータ9及び14を制御し、Y方向は駆動回路95によりリニアモータ9が駆動して一対のガイド10に沿って各ビーム8が移動し、X方向は同じく駆動回路95によりリニアモータ14が駆動してガイド13に沿って各装着ヘッド体7が移動し、ノズル回転モータ33、ヘッド昇降モータ26及びノズル昇降モータ51を制御して、プリント基板Pに電子部品を装着する。
そして、上述したように吸着ノズル15による電子部品の吸着動作、及び吸着保持された電子部品のプリント基板Pへの装着動作が繰り返され、1枚のプリント基板Pへの電子部品の装着が終了する。
また、上述したプリント基板Pへの電子部品の吸着動作から装着操作が終了するまでに発生し、ラインセンサユニット37による検出或いは部品認識カメラ89による電子部品の撮像に基づいて吸着ノズル15で部品の無し状態或いは部品の立ち状態などが発生したとCPU90が判定したときは、そのような状態、すなわち異常発生の都度、CPU90がカウントする。そしてカウントされた回数は管理データとしてRAM92に格納される。
次に、上述したように、プリント基板Pへの電子部品の装着運転が行われているときに、例えば所定時間ごとに行われる異常原因の抽出処理及び異常原因に基づくメンテナンス項目の確定動作について、図13、図14及び図15のフローチャートに基づいて説明する。
まず、管理パソコン120のCPU122は、部品無しなどの異常のデータ取得時間か否かを判定する(図13のステップST1)。そして、前回のデータ取得時刻から所定時間(例えば3分)経過してデータ取得時間になったときには、CPU122は動作して管理データの要求信号が管理パソコン120から電子部品装着装置1に出力される。要求信号を入力した電子部品装着装置1は、インターフェース94を介して管理データを管理パソコン120に出力し、管理パソコン120は管理データを受信する(図13に示したステップST2)。
管理パソコン120では受信した管理データを読み込み(ステップST3)、RAM121に格納する。
次に、管理パソコン120では、フィーダ異常原因抽出処理を行う(ステップST4)。以下、図14のフローチャートに基づいてフィーダ異常原因抽出処理の動作について説明する。
即ち、フィーダベース3A、3B、3C、3D上のフィーダ3のうち、まず、例えばフィーダベース3Aに配置されたナンバー1のフィーダについて、CPU122は異常率、即ち、部品吸着個数に対する異常の個数の割合が、予め設定されている基準、即ち、警告値を超えているか否かを判定する(ステップST5)。ここで、警告値を超えていないときには、判定されたフィーダが最終のフィーダか否かが判定され(ステップST6)、最終のフィーダでないときには、ステップST5に戻り次のフィーダについて異常率の判定が行われる。
また、ステップST5にて、フィーダについての異常率が警告値を超えているときには、ラインセンサユニット37による部品立ちの検出回数(C)と、部品認識異常の発生回数(D)と、部品厚み異常の発生回数(E)と、部品認識カメラ89による撮像結果に基づく部品の吸着ズレの検出回数(F)と、部品認識カメラ89による撮像結果に基づく部品の姿勢異常の検出回数(G)とを加算した値(以下、第1の合計値という。)が、ラインセンサユニット37による部品無しの検出回数(A)と、部品認識カメラ89による撮像結果に基づく部品無しの検出回数(B)とを加算した値(以下、基準値という。)より少ないか否かが判定される(ステップST7)。ここで、ラインセンサユニット37による部品無しの検出回数(A)及び部品認識カメラ89による撮像結果に基づく部品無しの検出回数(B)は、その他の部品無しなどの異常より発生する頻度が高いため、それぞれを加算した回数を基準値とする。
そして、第1の合計値が基準値以下、即ち基準値が第1の合計値より多いときには、図10に示した原因項目中から部品無しの原因として推測できるフィーダの異常(テープの詰まりなど):a、フィーダでの供給位置(フィーダが電子部品を供給するときの位置)の異常:b、部品ライブラリデータの異常:c、フィーダの種類の間違え:d及びフィーダの部品間違え:eの項目をRAM121に格納されている原因リストに入れる(ステップ8)。
また、第1の合計値が基準値以上のときには、次に、ラインセンサユニット37による部品立ちの検出回数(C)が基準値より多いか否かが判定される(ステップST9)。そして、多いときには、原因リストに図10に示した原因項目中の部品立ちの原因として推測できるb、c及びラインセンサユニット37、即ち、発光ユニット45と受光ユニット46などの汚れ:fの項目が追加、即ち、入れられる(ステップST10)。また、部品立ちの検出回数(C)が基準値以下のときには、次の判定である部品認識異常の発生回数(D)が基準値より多いか否かが判定される(ステップST11)。
そして、多いときには、原因リストに図10に示した原因項目中の部品認識異常の原因として推測できるb及びcの項目が追加される(ステップST12)。また、部品認識異常の発生回数(D)が基準値以下のときには、次の判定である部品厚み異常の発生回数(E)が基準値より多いか否かが判定される(ステップST13)。そして、多いときには、原因リストに図10に示した原因項目中の部品厚み異常の原因として推測できるc及びfの項目が追加される(ステップST14)。また、部品厚み異常の発生回数(E)が基準値以下のときには、次の判定である吸着位置のズレの発生回数(F)と部品姿勢の異常、即ち吸着ノズルに吸着された電子部品が裏返っていたときなどの異常の発生回数(G)との合計の回数が基準値より多いか否かが判定される(ステップST15)。そして、多いときには、原因リストに図10に示した原因項目中の吸着位置のズレ及び部品姿勢の異常の原因として推測できるb及びcの項目が追加される(ステップST16)。また、吸着位置のズレの発生回数(F)と部品姿勢の異常の発生回数(G)との合計回数が基準値以下のときには、原因リストのカウント、即ちa、b・・・などの原因項目のデータが0(無し)か否かが判定される(ステップST17)。
ステップST17で、原因項目が原因リストに無いと判定されると、原因リストに原因項目のa、b、c、d及びeが追加、即ち入れられる(ステップST7)。また、原因項目が1つでも有ると判定されると、原因リストに載っている原因項目のうち重複している項目について、1つにまとめる統合処理(ステップST18)が行われる。このとき、例えばステップST9で原因リストに原因項目のb、c及びfが載り、次いでステップST11で原因項目のb、cが追加された場合には、b及びcが原因リストに重複して載っているが、上述した統合処理によって原因項目b及びcはそれぞれ一つずつに纏められる。
そして、ステップST6で電子部品装着装置1のフィーダベース3A、3B、3C、3D上の各フィーダ3のうち、最終のフィーダが否かが判定され、最終のフィーダでないときには、異常原因抽出処理が行われていないフィーダについて、異常率が基準を超えているか否かが判定され、異常率が超えているときには、そのフィーダについて上述したステップST6からステップ18までの異常原因抽出処理が同様に繰り返される。
フィーダの異常原因抽出処理は、電子部品装着装置1のフィーダベース3A、3B、3C、3D上に複数並設固定されている各フィーダについて順次行われる。そして、最終のフィーダまで異常原因抽出処理が行われ、ステップST6で、最終フィーダであると判定されると、フィーダの異常原因抽出処理が終了し、次にノズルについての異常原因抽出処理が行われる(図13のステップ19)。
以下、ノズルについての異常原因抽出処理の動作について、図15のフローチャートに基づいて説明する。なお、このノズル異常原因抽出処理は各装着ヘッド体7の各ノズルを対象に行われる。
即ち、まず、一つ目の装着ヘッド体7の一つ目のノズルについて、異常率が基準を超えているか否かが判定され(ステップST20)。ここで、警告値を超えていないときには、判定されたノズルが最終のノズルか否かが判定され(ステップST21)、最終のノズルでないときには、ステップST19に戻り次のノズルについて異常率の判定が行われる。
また、ステップST19にて、ノズルについての異常率が警告値を超えていると判定されたときには、ラインセンサユニット37による部品立ちの検出回数(C)と、部品認識異常の発生回数(D)と、部品厚み異常の発生回数(E)と、部品認識カメラ89による撮像結果に基づく部品の吸着ズレの検出回数(F)と、部品認識カメラ89による撮像結果に基づく部品の姿勢異常の検出回数(G)とを加算した第1の合計値が、ラインセンサユニット37による部品無しの検出回数(A)と、部品認識カメラ89による撮像結果に基づく部品無しの検出回数(B)とを加算した基準値より少ないか否かが判定される(ステップST22)。
そして、基準値が第1の合計値より多いときには、RAM121に格納されている原因リストに、図11に示した原因項目中の部品無しの原因として推測される吸着ノズルの汚れ:a、吸着ノズルの穴詰まり:b、真空フィルタの汚れ:c、真空切替えバルブの異常:d、吸着ノズルが電子部品を吸着するときのレベルの異常であるノズルレベルの相違:e、フィーダの異常:f及びラインセンサの汚れ:gの項目を入れる(図11参照)(ステップ23)。
また、第1の合計値が基準値以上のときには、ラインセンサユニット37による部品立ちの検出回数(C)が基準値より多いか否かが判定される(ステップST24)。そして、多いときには、原因リストに図11に示した原因項目中の部品たちの原因として推測できるe及びgの項目が追加、即ち、入れられる(ステップST25)。また、部品立ちの検出回数(C)が基準値以下のときには、次の判定である部品認識異常の発生回数(D)が基準値より多いか否かが判定される(ステップST26)。
そして、多いときには、原因リストに図11に示した原因項目中の部品認識異常の原因として推測できるe、フィーダオフセットの異常:j、部品ライブラリデータの異常:k及び部品の間違え:iの項目が追加される(ステップST27)。また、部品認識異常の発生回数(D)が基準値以下のときには、次の判定である部品厚み異常の発生回数(E)が基準値より多いか否かが判定される(ステップST28)。そして、多いときには、原因リストに図11に示した原因項目中の部品厚み異常の原因として推測できるg及びjの項目が追加される(ステップST29)。また、部品厚み異常の発生回数(E)が基準値以下のときには、次の判定である吸着位置のズレの発生回数(F)と部品姿勢の異常の発生回数(G)との合計の回数が基準値より多いか否かが判定される(ステップST30)。そして、多いときには、原因リストに図11に示した原因項目中の吸着位置のズレ及び部品姿勢の異常の原因として推測できるe、j、k及びiの項目が追加される(ステップST31)。また、吸着位置のズレの発生回数(F)と部品姿勢の異常の発生回数(G)との合計回数が基準値以下のときには、原因リストの原因項目のデータが0(無し)か否かが判定される(ステップST32)。
ステップST32で、原因項目が原因リストに無いと判定されると、原因リストに原因項目のa、b、c、d、e、f及びgが追加、即ち入れられる(ステップST23)。また、原因項目が1つでも有ると判定されると、原因リストに載っている原因項目のうち重複している項目について、1つにまとめる統合処理(ステップST33)が行われる。ここで、例えばe及びgが原因リストに重複して載っているときには、上述した統合処理によって原因項目e及びgはそれぞれ一つずつに纏められる(ステップST33)。
そして、ステップST20で電子部品装着装置1の各装着ヘッド体7の各ノズル3のうち、最終のノズルが否かが判定され、最終のノズルでないときには、異常原因抽出処理が行われていないノズルについて、異常率が基準を超えているか否かが判定され、異常率が超えているときには、そのノズルについて上述したステップST21からステップ33までの異常原因抽出処理が同様に繰り返される。
ノズルの異常原因抽出処理は、電子部品装着装置1の各装着ヘッド7に複数個設けられている各ノズルについて順次行われる。そして、最終のノズルまで異常原因抽出処理が行われ、ステップST20で、最終ノズルであると判定されると、2本以上のノズルで異常が発生しているか否かが判定される(ステップST34)。2本以上のノズルで異常が発生しているときには、原因リストにラインセンサの傷:hが追加される(ステップST35)。また、2本以上のノズルで異常が発生していないときには、ノズルについての異常原因抽出処理が終了する。
次に、図13のフローチャートに基づいて、フィーダ異常原因抽出処理及びノズル異常原因抽出処理の終了後のメンテナンス項目の作成及び表示について、説明する。
フィーダ異常原因抽出処理及びノズル異常原因抽出処理が終了すると、原因リストのカウントが0か否かが判定される(図13のステップST36)。そして。原因リストのカウントが0であり、原因項目が載っていないときには、ステップST1の部品無しなどの異常のデータ取得時間か否かの判定が行われる。
また、原因リストのカウントが0でないときには、抽出した原因項目からメンテナンス項目が作成される(ステップST37)。即ち、RAM121には上述したように、図12に示したようにフィーダ或いはノズルの異常などそれぞれ異なる異常原因ごとのメンテナンス作業(メンテナンス項目)を示した対応表が記憶されているので、この対照表に基づいて、例えばフィーダについて原因リストに挙げられた原因項目がa、b、c、d及びeのときには、まず、原因項目がaのフィーダの異常に対応した図12に示した「フィーダの異常ときには、対応した「フィーダNo.XXXを取り外し、テープに異常がないか確認してください。異常があった場合は部品を取り外しセットし直してください。」というメンテナンス項目が作成され、また、原因項目がその他のb、c、d及びeに対応したメンテナンス項目、例えば原因項目がeの部品の間違えについては、対応した「フィーダNo.XXXの部品が正しい部品か確認してください。間違っていた場合には、部品を交換してください。」というメンテナンス項目が作成される。
また、吸着ノズルについてもフィーダと同様に、原因リストに挙げられた原因項目に対応して対照表に基づいてメンテナンス項目が作成される。
メンテナンス項目が作成されると、CPU122が動作してモニタ123にメンテナンス情報ボタンが表示される(ステップST38)。図16はモニタ123での表示画面の一例である。モニタ123はタッチパネルスイッチを備え、工場内に複数の電子部品装着装置が設置され、それぞれが連結されて基板への電子部品の装着ラインが構成されているときは、モニタ123に装着ラインを構成する各電子部品装着装置ABC−1、ABC−2及びABC−3が分割されて表示される。そして、異常が発生しており、メンテナンスの項目が作成され、の対象になった電子部品装着装置ABC−1の表示部130には、メンテナンス情報ボタン124が表示される。
このように、異常が発生し、電子部品装着装置の吸着ノズル15或いはフィーダ3の異常率が上昇したときには、複数の異常項目から異常の原因を判定して決定するので、作業者による原因の絞込みに手間取ることを回避できる。また、複数の異常項目から異常の原因を判定して決定するときには、それぞれ種類が異なる異常のうちのある異常の発生件数、実施例では、異常の発生件数が多い部品無しの異常の発生件数を基準値とし、この基準値とその他の異なる種類のそれぞれの異常の発生件数と比較し、比較結果に基づいて異常の原因を判定して決定するので、異常の種類に対するその原因を極力確実に絞り込むことができる。
さらに、基準値がその他の異なる種類のそれぞれの異常の発生件数を加算した合計値より多いときには、部品無しの異常の原因として推測できる総ての原因を異常の原因として決定するので、原因の漏れを回避することができる。
また、基準値より発生回数が多い異常の種類があったときには、その異常の種類の原因として推測可能な原因を原因リストに追加していくので、部品無し以外の異常の種類が主な異常であったときにも、異常の原因の漏れを回避することができる。
そして、作業者がメンテナンス情報ボタン124を押すと、異常の種類に対応した作成されたメンテナンス項目131が図16に示したようにモニタ123に表示される。複数のメンテナンス項目が有った場合には、モニタ123に表示されている送り或いは戻り矢印部132を押すことによって順次表示される。なお、複数のメンテナンス項目をモニタ123に同時に表示するようにしてもよい。
また、作業者がモニタ123に表示されている終了ボタン125を押したか否かが判定される(ステップST38)。そして、作業者が終了ボタン125を押すと、管理パソコン120による異常データの取得、異常原因の抽出処理などの電子部品装着装置の異常管理及びメンテナンスの表示動作が終了し、モニタ123でのメンテナンス表示ボタン124及びメンテナンス項目の表示が終了する。
このように、異常率が基準を超えたときには、異なる異常に対して極力漏れを無くしてその原因を判定して決定することができ、決定された原因に対応した適切なメンテナンス項目をモニタ123に表示することができ、この結果、異常が発生したときの作業者によるメンテナンスの作業を極力簡略化することができる。
なお、作成されたメンテナンス項目を、モニタ123と同様に例えば異常が発生している電子部品装着装置1に設けられたモニタ96に表示させてもよく、また、電子部品装着装置1に設けられた制御部が管理パソコン120と同様に、図13、図14及び図15のフローチャートに示したように動作し、作成されたメンテナンス項目をモニタ96に表示させるようにしてもよく、このようにすることによって同様の作用効果を得ることができる。
また、電子部品装着装置として、いわゆるモジュラ型のチップマウンタを例にして説明したが、これに限らずロータリテーブル型などの高速型チップマウンタに適用してもよい。
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。