以下、本発明による電子部品装着装置の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。図1は電子部品装着装置1の平面図、図2は電子部品装着装置1の下部本体の正面図、図3は電子部品装着装置1の右側面図で、該装置1の基台2上のフィーダベース3A、3B、3C、3D上には種々の電子部品を夫々その部品取出し位置(部品吸着位置)に1個ずつ供給する部品供給ユニット3が不動の状態で着脱可能に複数並設固定されている。対向するユニット3群の間には、供給コンベア4、位置決め部5及び排出コンベア6が設けられている。供給コンベア4は上流より受けたプリント基板Pを前記位置決め部5に順次搬送し、位置決め部5で図示しない位置決め機構により位置決めされた該基板P上に電子部品が装着された後、排出コンベア6に搬送される。
8は装着装置1の左右部にそれぞれに設けられるX方向に長い前後一対のビームであり、各リニアモータ9の駆動により左右一対のガイド10に沿って前記各ビーム8に固定されたスライダ11が摺動して位置決め部5上のプリント基板Pや部品供給ユニット3の部品取出し位置(部品吸着位置)上方を個別にY方向に移動する。前記リニアモータ9は、基台2に固定された上下一対の固定子9Aと、前記ビーム8の両端部に設けられた取付板の下部に固定された可動子9Bとから構成される。
各ビーム8にはその長手方向、即ちX方向にリニアモータ14によりガイド13に沿って移動する装着ヘッド体7が夫々設けられている。図3に示すように、前記リニアモータ14は、ビーム8に固定された前後一対の固定子14Aと、前記装着ヘッド体7に設けられ各固定子14Aの間に位置した可動子14Bとから構成される。
各装着ヘッド体7は下部に設けられ12本の各バネ12により下方へ付勢されている吸着ノズル15を有する装着ヘッド16を備えている。そして、各装着ヘッド体7の各装着ヘッド16には、基板認識カメラ19が設けられ、位置決め部5に位置するプリント基板Pに付された位置決めマーク(図示せず)を撮像する。
以下、装着ヘッド16の昇降装置及び装着ヘッド16について、図5及び図6に基づいて詳細に説明する。20はガイド13に沿って移動する装着ヘッド体7の基盤、21はこの基盤20に固定されたビーム側ベースである。また、22は装着ヘッド16の上部及び下部に固定された装着ヘッド側ベースであり、この装着ヘッド側ベース22とビーム側ベース21との間にヘッド昇降装置23が設けられている。
ヘッド昇降装置23は、装着ヘッド16の昇降時に装着ヘッド16を案内するガイド24と、ビーム側ベース21に取り付けられたボールネジ25、ボールネジ25を回転駆動し装着ヘッド16を昇降させるヘッド昇降モータ26、ボールネジ25と螺合した昇降ナット27、ヘッド昇降モータ26が取り付られると共にボールネジ25の上部を回転自在に支持する支持体28などから構成され、昇降ナット27はヘッド側ベースに22に固定されている。このため、ヘッド昇降モータ26の回転によるボールネジ25の回転により、昇降ナット27は昇降し、この結果、装着ヘッド16が昇降する。
また、30はスリップリングであり、スリップリング30は装着装置本体と装着ヘッド16との間の通信及び後述するノズル支持部の回転モータへの電力供給のために設けられている。また、31は装着ヘッド16下部に設けられそれぞれ所定間隔を存して円周上に12本配設された各吸着ノズル15を上下動可能に支持するノズル支持体、32は同じく装着ヘッド16下部の外筒体、33は外筒体32とノズル支持体31との間に設けられた吸着ノズル15のθ回転用の例えばパルスモータであるノズル回転モータである。このノズル回転モータ33のロータ34はノズル支持体31の外周面に設けられ、外筒体32に設けられたステータ35の内側でノズル支持体31と共にθ方向に回転可能に設けられる。
37はヘッド支持体31の中心から下方に突出して設けられた部品有無検出及び吸着姿勢(吸着状態)検出の検出手段及び電子部品Dの下端位置の検出手段としてのラインセンサユニットで、各装着ヘッド16の略中央部に設けられた支持体38下端に設けられ円筒状の発光ユニット取付体41内上部にLED等の発光素子42を配設すると共にその下方にレンズ43及びそのレンズ43の下方に円錐状の反射面44aを有する反射体44を配設して構成された発光ユニット45と、前記外筒体32底面に固定されて前記反射体44を介する前記発光素子42からの光を受光する複数の受光素子であるCCD素子を備えた受光ユニット46とから構成される。
例えば、装着ヘッド16に設けられ部品の吸着を行うと選択された吸着ノズル15による電子部品Dの吸着動作が終了し、ノズル支持体31が回転する度に、電子部品Dの下端面の高さ位置を各CCD素子の受光状態より遮光から受光に変わる境界位置として検出することにより部品が図5に示すように正常に吸着されている場合と、吸着すべきでない面が吸着され所謂立ち状態となっている場合や斜めに吸着されている場合とが区別して検出される。即ち、吸着ノズル15が下降して部品供給ユニット3から電子部品Dを吸着取出し、上昇した後にノズル回転モータ33の駆動によりノズル支持体31を回転させ、電子部品Dを吸着保持している吸着ノズル15を旋回させ、その旋回中に吸着ノズル15が吸着している電子部品Dが前記反射体44と受光ユニット46との間に位置するので、複数位置で電子部品Dの下端面の高さ位置を検出することにより、部品の有無検出及び吸着姿勢の検出等が可能となる。尚、ノズル支持体31が回転しながら移動するときに検出する構成にしたが、電子部品Dが前記反射体44と受光ユニット46との間に位置したときに前記回転を停止させて検出するようにしてもよい。
そして、吸着ノズル15が電子部品Dを吸着していない場合には、発光素子42からの光のうち遮光されるべき光(吸着されている電子部品により)が受光ユニット46に受光されることとなるので電子部品Dの「無し」を検出し、各ノズル軸64の側方に設けられた後述する真空バルブ入切用作動体であるソレノイドバルブ82の動作により吸着ノズル15に真空源47に連通する流路を遮断し、真空源47からの真空通路を断って真空吸着動作を停止してリークを防止し、また吸着すべきでない面が吸着され所謂立ち状態となっているとか斜めに吸着されていると検出した場合には、装着ヘッド16及び吸着ノズル15を回収箱79上方に移動させて電子部品Dを落下させる。
50は装着ヘッド16に設けられたノズル昇降装置であり、以下、このノズル昇降装置について説明する。51はヘッド側ベース22に取り付けられたノズル昇降用のノズル昇降モータ、52はノズル昇降モータ51の回転軸511が連結部材59により連結されノズル昇降モータ51により回転駆動されるボールネジ、53はこのボールネジ52に螺合してボールネジ52の回転により昇降する昇降体、55はヘッド側ベース22に取り付けられ昇降体53の昇降を案内するガイド、56は昇降体53の下端に回転自在に取り付けられたローラである。
更に57は装着ヘッド16の中心軸60が中心を貫通した第1筒体であり、この第1筒体57に形成された環状の鍔部58はローラ56の上に位置し、第1筒体57はローラ56に支持されている。ここで、第1筒体57は例えばボールスプラインから構成され、鍔部58の上面にその下端が当接したバネ61により下方に付勢される共に、後述するプーリのθ回転と共にθ回転し、且つ昇降体53の昇降に伴うローラ56の昇降に伴い昇降する。62は第1筒体57の下部に固定され第1筒体57と共にθ回転するノズル支持部材であり、このノズル支持部材62の下端には、円周方向に水平に伸びた昇降支持片63が形成されている。そして、この昇降支持片63は第1筒体57の昇降に伴い昇降し、昇降支持片63の下降により複数の吸着ノズルのうち所定の吸着ノズル15が下降する。
即ち、それぞれの吸着ノズル15から上方に延びた各ノズル軸64の上端にはローラ65が回転自在に取り付けられ、後述するノズル選択装置により選択された1本の吸着ノズル15のノズル軸64上端のローラ65が昇降支持片63の上面に乗っている状態で、第1筒体57の下降に伴うノズル支持部材62及び昇降支持片63の下降により昇降する。即ち、昇降支持片63及びローラ65が例えば昇降支持片63A及びローラ65Aにて示した位置まで下降した場合には、この下降に伴い、所定のノズル15が下降する。更に、ノズル昇降モータ51の回転量を制御して、昇降体53下降時の停止高さを調整することにより、前記吸着ノズル15を所定ストローク降下させることとなる。
また、66はノズル支持部材62の下に設けられたθ回転可能な第3筒体であり、この第3筒体66の上部には下降前のノズル支持部材62の昇降支持片63と同じ高さ位置にほぼ円盤状の固定支持片67が形成されている。固定支持片67には、図7に示したように昇降支持片63に対応して切欠き68が形成され、上記下降するノズル15を除いたノズル15のノズル軸64上端の各ローラ65が固定支持片67により支持されている。即ち、固定支持片67には、円周方向にノズル15の数分、等分した角度の箇所、本実施形態の場合は12等分した角度であるほぼ30°の位置に切欠き68が形成され、この切欠き68の箇所にノズル支持部材62の昇降支持片63が位置している。
70は装着ヘッド16に設けられたノズル選択装置であり、71は下降ノズル選択用のノズル選択モータ、72はノズル選択モータ71の回転軸73に固定された第1のプーリ、74は中心軸60に回動可能に支持された第2のプーリ、75は第1のプーリ72と第2のプーリ74とに渡されたベルト、76は中心軸60の外側に位置し第2のプーリ74の中心から下方に延びた筒状の回転体であり、バネ61は第2のプーリ74と第1筒体57の鍔部58との間に設けられている。
また、回転体76下部の外周面外側には第1筒体57が位置し、第1筒体57のボールスプラインとしての作用により、第1筒体57は第2のプーリ74の回転に伴う回転体76の回転と共に回転し、且つ昇降体53が昇降したときにはその昇降に伴い回転体76に沿い下降する。
即ち、電子部品Dの吸着及び装着に伴うノズル選択時には、ノズル選択モータ71が回転すると、第1のプーリ72ベルト75及び第2のプーリ74及び回転体76を介して第1筒体57が回転し、更に第1筒体57と連結されたノズル支持部材62が第3筒体66と共に回転し、ノズル支持部材62の昇降支持片63が選択されたノズル15から伸びたノズル軸64の下に位置する。このような状態で、ノズル昇降モータ51が回転し、吸着及び装着する電子部品の厚さに応じて昇降体53が下降すると、それに伴い第1筒体57及びノズル支持部材62が下降し、昇降支持片63の下降により選択されたノズル15のみが電子部品の厚さに応じて所定ストローク下降する。
80はエアー切替バルブで、各ノズル15より周方向外側の位置に各ノズル15に対応して等角度間隔に設けられ、個別にエアーの吸引と吹き出しとの切替が可能である。このエアー切替バルブ80は上部に設けられたケース81と、このケース81内に上部が位置し、通電がCPU90からの信号により制御されるソレノイドバルブ82とから構成されている。ソレノイドバルブ82はケース81の内面に設けられた環状の電磁石83と、この電磁石83への通電、非通電によりケース81内を昇降し、上部には電磁石83に対応して円柱状の永久磁石84が設けられた通路切替体85などから構成されている。この通路切替体85とケース81下部の筒部81Aとの間には、上から下に順番にエアーブロー用通路86、ノズル連通通路87、真空引き用通路88とが形成されている。また、ノズル軸64にはノズル15の内部通路及びノズル連通通路87と連通するノズル軸通路100が形成され、通路切替体85の昇降により、ノズル連通通路87を介してノズル通路100と真空引き用通路88或いはエアーブロー用通路86との間の連通が切り替る。
即ち、ソレノイドバルブ82の電磁石83への通電により通路切替体85が上昇しているときには、真空引き用通路88とノズル連通通路87とが連通し、ノズル連通通路87とエアーブロー用通路86とが遮断され、吸着ノズル15の内部通路はノズル軸通路100、ノズル連通通路87及び真空引き用通路88を介して真空源47と連通し、吸着ノズル15は電子部品の真空吸着を維持する。また、電磁石83が非通電になり、通路切替体85が下降しているときには、真空源47に連通した真空引き用通路88とノズル連通通路87とが遮断され、ノズル連通通路87とエアーブロー用通路86とが連通し、吸着ノズル15による電子部品Dの真空吸着を止めると共に吸着ノズル15の内部通路にエアー供給源48からの空気がエアーブロー用通路86、ノズル連通通路87及びノズル軸通路100を介して吹き込まれる。
このように、各吸着ノズル15に対応してそれぞれ設けられたエアー切替バルブ80(ソレノイドバルブ82の電磁石83)への通電、非通電により、吸着ノズル15と真空源47或いはエアー供給源48との連通を切り替えることができ、選択された吸着ノズル15に対応したエアー切替バルブ80を個別に切り替えることができる。
49Aは一端がエアー切替バルブ80に連通する切替バルブで、他端が前記真空源47に連通して吸着ノズル15が吸引するかエアー供給源48に連通して吸着ノズル15が吹き出しするかを切り替えるバルブである。49Bは一端がエアー切替バルブ80に連通すると共に他端がエアー供給源48に連通する開閉バルブで、吸着ノズル15により電子部品を装着する際に、エアー切替バルブ80がエアー吸引からエアー吹き出しに切り替る前に開いてエアー供給源48からのエアーを吹き出し状態として、吸着ノズル15が電子部品を吸着して下降し始めたときにエアー切替バルブ80がエアー吹き出しに切り替ったときにこの真空を破壊するためのバルブである。
89は部品認識カメラで、前記各装着ヘッド16に対応してそれぞれ1個ずつ計4個基体2の取付板99に設けられ、電子部品が吸着ノズル15に対してどれだけ位置ずれして吸着保持されているかXY方向及び回転角度につき、位置認識するために複数の前記吸着ノズル15に吸着保持された全ての電子部品Dを一括して撮像するが、それぞれ同時に複数個の電子部品を撮像可能である。また、部品認識カメラ89は撮像することにより、吸着ノズル15に電子部品Dが吸着保持しているか否かも確認することができる。
次に図4の本電子部品装着装置1の制御ブロック図に基づいて、以下説明する。90は本装着装置1を統括制御する制御部としてのCPU(装着制御部)で、該CPU90にはバスラインを介して、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)92及びROM(リ−ド・オンリー・メモリ)93が接続されている。そして、CPU90は前記RAM92に記憶されたデータに基づいて、前記ROM93に格納されたプログラムに従い、電子部品装着装置1の部品装着動作に係る動作を統括制御する。即ち、CPU90は、インターフェース94及び駆動回路95を介して前記リニアモータ9及び14、ヘッド昇降モータ26、ノズル回転モータ33、ノズル昇降モータ51、ノズル選択モータ71、ソレノイドバルブ82、各装着ヘッド16毎に設けられる開閉バルブ49B及び切替バルブ49Aなどの駆動を制御している。
前記RAM92には、図12に示すような部品装着に係る装着データが記憶されており、その装着順序毎(ステップ番号毎)に、プリント基板内でのX座標、Y座標及び角度情報や、各部品供給ユニット3の配置番号情報等が記憶されている。また前記RAM92には、図13に示すような部品配置データが記憶されており、これは前記各部品供給ユニット3の配置番号に対応して各電子部品の種類(部品ID)が記憶されている。更には、図14乃至図24に示すような部品ライブラリデータ、即ち各電子部品(部品ID)毎に種別、X方向のサイズ、Y方向のサイズ、厚さ方向のサイズ等から構成される部品ライブラリデータも格納されており、図14に示すように、例えば部品IDが「C0402」は種別がコンデンサ、X方向のサイズが0.4ミリメートル、Y方向のサイズが0.2ミリメートル、厚さ方向のサイズが0.2ミリメートルである。
なお、電子部品のサイズや品種と重量との関係において、参考ではあるが、軽い電子部品、標準的な重さの電子部品、重い電子部品の3種類に区分した一覧表を図25に示す。
91はインターフェース94を介して前記CPU90に接続される部品認識処理装置で、部品認識カメラ89により撮像して取込まれた画像の認識処理及び基板認識カメラ19により撮像して取込まれた画像の認識処理が部品認識処理装置91により行われる。
尚、前記部品認識カメラ89及び基板認識カメラ19より撮像された画像は表示装置としてのモニタ96に表示される。そして、前記モニタ96には種々のタッチパネルスイッチ97が設けられ、作業者がタッチパネルスイッチ97を操作することにより、教示指定のための設定を含む種々の設定を行うことができる。
前記タッチパネルスイッチ97はガラス基板の表面全体に透明導電膜がコーティングされ、四辺に電極が印刷されている。そのため、タッチパネルスイッチ97の表面に極微小電流を流し、作業者がタッチすると四辺の電極に電流変化を起こし、電極と接続した回路基板によりタッチした座標値が計算される。従って、その座標値がある作業を行わせるスイッチ部として予め後述するRAM92に記憶された座標値群の中の座標値と一致すれば、当該作業が行なわれることとなる。
以上のような構成により、モニタ96に図10に示すような画面を表示させて、電子部品のプリント基板Pへの装着動作後に、吸着ノズル15に電子部品が保持されているかを検出するために、ラインセンサユニット37のみで行うか、部品認識カメラ89のみで行うか、両者で行うかを選択する。ここでは、先ずラインセンサユニット37のみで行うこととし、作業者がスイッチ部100Aを押圧し、決定スイッチ部100Dを押圧するとそのように設定され、RAM92にその設定内容が格納され、ROM93に格納されたこの設定内容に応じたプログラムに従い、CPU90が制御する。
当該設定は、電子部品の種類毎、あるいは電子部品装着データの装着順序毎に行うことができる。
以下、電子部品装着装置1による電子部品Dの吸着及び装着の動作について詳細に説明する。先ず、プリント基板Pを上流装置より供給コンベア4を介して位置決め部5に搬入し、位置決め機構により位置決め動作を開始する。
次に、CPU90は、RAM92に格納された装着データから吸着シーケンスデータを生成する。即ち、初めにCPU90は、装着データからのデータの読み出し処理をし、吸着ノズル15による吸着手順の決定処理をし、連鎖吸着(1つの装着ヘッド16当り最高12個吸着可能)の最終の電子部品Dを供給する部品供給ユニット3を判定し最終吸着位置の配置座標をRAM92に格納し、連鎖吸着を完了した後の最初に装着すべき電子部品Dの装着座標位置(部品吸着ズレ補正前の装着データの位置)を判定し、その座標をRAM92に格納する。
そして、電子部品Dの吸着動作を実行する。即ち、RAM92にプリント基板の装着すべきXY座標位置、鉛直軸線回りへの回転角度位置及び配置番号等が指定された装着データ等に従い、電子部品の部品種に対応した吸着ノズル15が装着すべき該電子部品を所定の部品供給ユニット3から吸着して取出す。
このとき、CPU90によりリニアモータ9及び14が制御されて、各装着ヘッド体7の各装着ヘッド16の吸着ノズル15が装着すべき電子部品を収納する各部品供給ユニット3の先頭の電子部品上方に位置するよう移動するが、Y方向は駆動回路95によりリニアモータ9が駆動して一対のガイド10に沿って各ビーム8が移動し、X方向は同じく駆動回路95によりリニアモータ14が駆動してガイド13に沿って各装着ヘッド体7が移動する。
そして、既に所定の各供給ユニット3は駆動されて部品吸着位置にて部品が取出し可能状態にあるため、CPU90からインターフェース94及び駆動回路95を介して出力される信号に基づいて、ヘッド昇降モータ26が回転し、装着ヘッド16がガイド24に沿い所定の高さまで下降する。次に、初めに電子部品を吸着する吸着ノズル(以下、「1番吸着ノズル」という)15が吸着位置、即ち、装着ヘッド16の概略底面図である図8に示す吸着位置(この位置を0°とする)101からずれている場合には、CPU90はその吸着ノズル15を吸着位置である図8に示す吸着位置101まで移動させるための信号を出力し、この信号により、ノズル回転モータ33が回転する。ノズル回転モータ33の駆動により装着ヘッド16のノズル支持体31が中心軸60の回りをθ回転する。
そして、ローラ65が昇降支持片63に乗った時点で、CPU90はノズル支持体31の回転角度と昇降支持片63の側縁の角度(昇降支持片の中央から15°ずれた位置)とに基づいてインターフェース94及び駆動回路95を介して信号をノズル昇降モータ51へ出力し、この信号に基づいて、ノズル昇降モータ51は1番吸着ノズル15を下降させる方向へ回転し、ボールネジ52の回転により昇降体53及び昇降支持片63は下降し、1番吸着ノズル15は所定の高さ、即ち予め設定されていた供給ユニット3から電子部品を吸着するのに適した高さに向かい下降する。即ち、ノズル支持体31のθ回転及び昇降支持片63の下降により、1番吸着ノズル15は旋回すると共に下降し、ローラ65が昇降支持片63の中央に到達し、1番吸着ノズル15は吸着位置101に到達すると共に、電子部品を吸着するのに適した高さまで下降する。
このように、1番吸着ノズル15の吸着位置101への旋回中に1番吸着ノズル15は下降を開始し、1番吸着ノズル15の吸着位置101への旋回と下降とが平行して行われるので、電子部品Dの吸着動作に要する時間を短縮することができ、この結果、プリント基板への電子部品装着時間を短縮することが可能になる。この吸着ノズル15の旋回及び下降は装着ヘッド16のXY方向の移動中に開始される。
なお、上述したようなノズル支持体31のθ回転時に、更に早く1番吸着ノズル15の下降を開始させることも可能であり、そのための制御について、説明する。即ち、CPU90がその吸着ノズル15を吸着位置である図8に示す吸着位置101まで移動させるための信号を出力すると同時にノズル選択モータ71はCPU90からの信号に基づいて、1番吸着ノズル15に対応した位置にくるように信号を出力する。このため、ノズル回転モータ33の駆動により装着ヘッド16のノズル支持体31が中心軸60の回りをθ回転すると共に、ノズル選択モータ71の回転が第1のプーリ72、ベルト75、第2のプーリ74及び第1筒体57を介してノズル支持部材62に伝わり、ノズル支持部材62の回転により昇降支持片63が回動し、昇降する1番吸着ノズル15に対応した位置に到達する。
この時点では、1番吸着ノズル15は吸着位置101に到達していないため、ノズル支持体31が中心軸60の回りのθ回転を継続する。また、CPU90は昇降支持片63が回動し、1番吸着ノズル15に対応した位置を維持するよう信号を出力し、ノズル支持部材62の回転により昇降支持片63がノズル支持体31のθ回転と共に回動する。
また、昇降支持片63が1番吸着ノズル15に対応した位置に到達すると、CPU90はインターフェース94及び駆動回路95を介して信号をノズル昇降モータ51へ出力し、この信号に基づいて、ノズル昇降モータ51は1番吸着ノズル15を下降させる方向へ回転し、ボールネジ52の回転により昇降体53及び昇降支持片63は下降し、1番吸着ノズル15は所定の高さ、即ち、予め設定されていた供給ユニット3から電子部品を吸着するのに適した高さに向かい下降する。即ち、ノズル支持体31のθ回転及び昇降支持片63の下降により、1番吸着ノズル15は旋回すると共に下降し、1番吸着ノズル15は吸着位置101に到達すると共に、電子部品を吸着するのに適した高さまで下降する。
このように、1番吸着ノズル15の吸着位置101への旋回中であり、一番吸着ノズル15が吸着位置101から15°以上ずれている時点から1番吸着ノズル15は下降を開始し、1番吸着ノズル15の吸着位置101への旋回と下降とが平行して行われるので、1番吸着ノズル15の下降の開始時点を一層早め、電子部品Dの吸着動作に要する時間を一層短縮することができ、この結果、プリント基板への電子部品装着時間を一層短縮することが可能になる。
前述したように、1番吸着ノズル15が吸着位置101に到達すると共に、電子部品を吸着するのに適した高さまで下降したとき、1番吸着ノズル15に対応したソレノイドバルブ82はCPU90からの信号に基づいて通電されて、通路切替体85が上昇し真空引き用通路88とノズル連通通路87とが連通すると共にノズル連通通路87とエアーブロー用通路86とが遮断され、吸着ノズル15の内部通路はノズル軸通路100、ノズル連通通路87、真空引き用通路88及び吸引側に切替っている切替バルブ49Aを介して真空源47と連通し、吸着ノズル15は電子部品の真空吸着を維持する。
上記のように、1番吸着ノズル15による電子部品の吸着動作が終了すると、CPU90は信号をノズル昇降モータ51へ出力し、この信号に基づいて、ノズル昇降モータ51は1番吸着ノズル15を上昇させる方向へ回転し、ボールネジ52の回転により昇降体53は所定に高さ、即ち、下降前の高さまで上昇する。
また、CPU90はノズル昇降モータ51へ信号を出力すると同時に1番吸着ノズル15の隣の2番吸着ノズル15により電子部品を吸着させるための信号を出力する。即ち、CPU90は、2番吸着ノズル15が吸着する電子部品を供給する部品供給ユニット3の部品供給部の上方に位置し、且つ、ノズル支持体31での吸着位置に位置するように、信号を出力する。そして、この信号に基づく各リニアモータ9、14の駆動、及びノズル回転モータ33の回転により、2番吸着ノズル15は電子部品を供給する部品供給ユニット3の上方に移動すると共に、1番吸着ノズル15と同様な吸着位置まで旋回する。また、上記ノズル回転モータ33の回転によるノズル支持体31の回転と平行して、CPU90からの信号に基づいて、ノズル選択モータ71が回転し、この回転がノズル支持部材62に伝わり、ノズル支持部材62の回転により上記第1吸着ノズルのときと同様に第1支持片63が回転し、今回昇降する2番吸着ノズル15に対応した位置にて停止する。
この後、上記1番吸着ノズル15のときと同様に、CPU90からの信号に基づいて、ノズル昇降モータ51が回転すると共に2番吸着ノズル15に対応したソレノイドバルブ82が動作すると、通路切替体85が上昇し真空引き用通路88とノズル連通通路87とが連通し、吸着ノズル15の内部通路はノズル軸通路100、ノズル連通通路87、真空引き用通路88及び吸引側に切替っている切替バルブ49Aを介して真空源47と連通し、吸着ノズル15は電子部品の真空吸着を維持する。
以後、装着ヘッド16により電子部品を連鎖吸着できる場合には、1番吸着ノズル及び2番吸着ノズル15と同様に、上記のようにノズル支持体31に設けられた12本の吸着ノズル15のうち、即ち3番吸着ノズルから12番吸着ノズルのうち残りの選択された吸着ノズルについてもマルチ連鎖吸着(可能な限り多くの電子部品Dを連続して吸着する)する。即ち、残りの各吸着ノズル15に部品供給ユニット3から電子部品が供給され、ノズル回転モータ33の回転により、ノズル支持体32は間欠的に回動し、ノズル支持体32の停止時に各吸着ノズル15は昇降し、電子部品を吸着保持する。
そして、各吸着ノズル15による電子部品の吸着動作に伴うラインセンサユニット37による電子部品の有無検出及び吸着姿勢の検出がなされる。即ち、ラインセンサユニット37の受光ユニット46は図8に示した吸着位置101より例えば45°ずれた位置に設けられ、ノズル支持体32の矢印方向への間欠的な回動に伴い電子部品を吸着した吸着ノズル15が図8に示す検出位置102を通過した際に、上述したようにラインセンサユニット37により吸着ノズル15の下端での全ての電子部品の有無検出及び吸着姿勢の検出等を装着ヘッド16を1回転させて行なう。
そして、吸着すべきでない面が吸着され所謂立ち状態となっているとか斜めに吸着されていると姿勢状態の異常を検出した電子部品がある場合には、当該電子部品の認識及び装着の前に、装着ヘッド16及び吸着ノズル15を回収箱79上方に移動させて電子部品Dを落下させる個別廃棄(回収)動作がそれぞれの電子部品についてなされる。
即ち、CPU90はラインセンサユニット37が電子部品の姿勢異常を検出した対象の吸着ノズル15に対応するエアー切替バルブ80(ソレノイドバルブ82の電磁石83)をエアー吸引側からエアー吹き出し側に切り替るべく非通電とする前に、開閉バルブ49Bを開いてエアー供給源48からエアーを吹出す状態とする。そして、電子部品を吸着保持した吸着ノズル15が下降し始めたときにエアー切替バルブ80をエアー吹き出し側に切り替え、エアー供給源48からの開閉バルブ49Bを介するエアーにより吸着ノズル15の真空吸引を破壊し、回収箱79内に電子部品Dを落下させ個別廃棄(回収)動作がなされる。即ち、吸着ノズル15の内部通路にエアー供給源48からの空気がエアーブロー用通路86、ノズル連通通路87及びノズル軸通路100を介して吸着ノズル15からエアーが吹き出されて、電子部品Dを落下させ個別廃棄(回収)動作がなされる。このとき、部品装着動作時の部品の安定などを考慮し、開閉バルブ49Bからエアー切替バルブ80に至る経路は閉じられていないため、吸着ノズル15からのエアー吹き出し圧力は小さい。
そして、CPU90はこの個別廃棄動作後、対象の吸着ノズル15に対応するエアー切替バルブ80(ソレノイドバルブ82の電磁石83)をエアー吹き出し側からエアー吸引側に切り替るべく通電し、更にノズル支持体32を30°回転させる信号をノズル回転モータ33に出力して対象吸着ノズル15を図8に示す検出位置102を通過させ、再度上述したようにラインセンサユニット37により吸着ノズル15の下端での電子部品の有無検出等を行なわせる。そして、電子部品があると検出された場合には、次の(他の)個別廃棄すべき電子部品があるかをCPU90は確認し、ある場合には当該部品について前述と同様な個別廃棄動作を行わせるが、電子部品が無いと検出された場合には、対象の吸着ノズル15に対応するエアー切替バルブ80(ソレノイドバルブ82の電磁石83)をエアー吸引側からエアー吹き出し側に切り替える。このため、電子部品を吸着していない吸着ノズル15が無駄に真空吸引することが防止される。
そして、全ての個別廃棄動作を行なった後に部品認識カメラ89による電子部品の撮像及び認識処理装置91の認識処理等の部品認識動作を行なうか、電子部品の姿勢異常が無かった場合に部品認識動作を行なって、プリント基板Pへの装着動作を行う。
即ち、CPU90は認識処理装置91からの認識処理結果を加味して、位置決め部5で位置決めされているプリント基板P上の装着座標位置に吸着ノズル15が移動するようにリニアモータ9及び14を制御し、Y方向は駆動回路95によりリニアモータ9が駆動して一対のガイド10に沿って各ビーム8が移動し、X方向は同じく駆動回路95によりリニアモータ14が駆動してガイド13に沿って各装着ヘッド体7が移動し、ノズル回転モータ33、ヘッド昇降モータ26及びノズル昇降モータ51を制御して、プリント基板Pに電子部品を装着する。
なお、電子部品の装着の際には、電子部品を吸着保持した吸着ノズル15が下降し始めたときに対応するエアー切替バルブ80をエアー吹き出し側に切り替え、エアー供給源48からの開閉バルブ49Bを介するエアーにより吸着ノズル15の真空吸引を破壊し、プリント基板Pに装着する。即ち、吸着ノズル15の降下時、吸着ノズル15に対応したソレノイドバルブ82はCPU90からの信号に基づいて通電状態から非通電状態に切り替り、真空源47を遮断し吸着ノズル15は真空吸着動作を停止し、エアー供給源48からの空気がエアーブロー用通路86及びノズル連通通路87を介して吸着ノズル15の内部通路に吹き込まれて、プリント基板Pに装着する。
このとき、図26のフローチャートに示すように、前記プリント基板Pへの各電子部品の装着の際に該電子部品の重量に応じて真空源47を介する前記吸着ノズル15による吸着動作の停止開始タイミング及び前記吸着ノズル15の前記装着後の上昇開始タイミングをCPU90が制御する。
即ち、初めに装着すべき当該電子部品が軽い、即ちX方向のサイズが0.6ミリメートル以下で且つY方向が0.3ミリメートル以下の電子部品であるか否かがCPU90により判定され、ステップ番号0001の電子部品を供給する部品供給ユニット3の配置番号は「F304」(図12参照)であり、その部品IDは「R0603」(図13参照)で、そのX方向のサイズは0.6ミリメートル、Y方向は0.3ミリ(図16参照)であるので、CPU90は軽い電子部品であると判定する。このように、CPU90は当該電子部品は軽い電子部品であると判定すると、CPU90は図27に示すような「タイミングA」となるように、真空源47を介する前記吸着ノズル15による吸着動作の停止開始タイミング及び前記吸着ノズル15の前記装着後の上昇開始タイミングを制御する。
次のステップ番号0002の電子部品を供給する部品供給ユニット3の配置番号は「F303」(図12参照)であり、その部品IDは「C0603」(図13参照)で、そのX方向のサイズは0.6ミリメートル、Y方向は0.3ミリ(図15参照)であるので、CPU90は軽い電子部品であると判定し、「タイミングA」となるように制御する。
次のステップ番号0003の電子部品を供給する部品供給ユニット3の配置番号は「F305」(図12参照)であり、その部品IDは「C1608」(図13参照)で、そのX方向のサイズは1.6ミリメートル、Y方向は0.8ミリ(図20参照)であるので、軽い電子部品ではないと判定される。次に、当該電子部品が標準的な重さ、即ちX方向のサイズが1.6ミリメートル以下で且つY方向が0.8ミリメートル以下のコンデンサであるか又はX方向のサイズが2.0ミリメートル以下で且つY方向が1.2ミリメートル以下の抵抗であるか否かがCPU90により判定され、CPU90は当該電子部品が標準的な重さの電子部品と判定する。
従って、CPU90は図28に示すような「タイミングB」となるように、真空源47を介する前記吸着ノズル15による吸着動作の停止開始タイミング及び前記吸着ノズル15の前記装着後の上昇開始タイミングを制御する。
そして、装着すべきステップ番号0004、0005の電子部品を供給する部品供給ユニット3の配置番号、部品ID及び部品ライブラリデータから、CPU90は標準的な重さの電子部品と判定するので、CPU90は図28に示すような「タイミングB」となるように、真空源47を介する前記吸着ノズル15による吸着動作の停止開始タイミング及び前記吸着ノズル15の前記装着後の上昇開始タイミングを制御する。
次のステップ番号0006の電子部品を供給する部品供給ユニット3の配置番号は「F308」(図12参照)であり、その部品IDは「R3216」(図13参照)で、そのX方向のサイズは3.2ミリメートル、Y方向は1.6ミリ(図23参照)であるので、CPU90は当該電子部品は重い電子部品であると判定するので、CPU90は図29に示すような「タイミングC」となるように、真空源47を介する前記吸着ノズル15による吸着動作の停止開始タイミング及び前記吸着ノズル15の下降動作が開始されてから該吸着ノズル15の前記装着後の上昇開始タイミングを制御する。
以上のように、各ステップ番号の電子部品を供給する部品供給ユニット3の配置番号、部品ID及び部品ライブラリデータから、CPU90は電子部品の重量に応じて、真空源47を介する前記吸着ノズル15による吸着動作の停止開始タイミング及び前記吸着ノズル15の下降動作が開始されてから該吸着ノズル15の前記装着後の上昇開始タイミングを制御する。
なお、前述したように、タイミングA、B及びCとなるように、前記プリント基板Pへの電子部品の装着の際に該電子部品の重量に応じて、真空源47を介する前記吸着ノズル15による吸着動作の停止開始タイミング及び前記吸着ノズル15の下降動作が開始されてから該吸着ノズル15の前記装着後の上昇開始タイミングをCPU90が制御するのは、軽い電子部品にあっては真空度が下がっても(大気圧に近づいても)、電子部品が吸着ノズルから離れず、逆に重い電子部品にあっては真空度が下がると、電子部品が吸着ノズル15から離れ易くなるからである。
即ち、標準的な重さの電子部品に対して、CPU90は前述したように「タイミングB」となるように制御するが(図28参照)、軽い電子部品に対しては、「タイミングB」よりは吸着ノズル15の下降開始から真空源47を介する吸着ノズル15による吸着動作の停止(エアー切替バルブ80をエアー吸引側からエアー吹き出し側へ切り替え)を開始するタイミングが早くなるようにエアー切替バルブ80を制御すると共に吸着ノズル15の下降限である下死点にいる時間を短くして装着後の上昇開始タイミングが早くなるようにノズル昇降モータ51を制御する。このため、標準的な重さの電子部品よりも軽い電子部品の装着に係る時間、即ち電子部品の装着のために吸着ノズル15が下降を開始してから装着後に上昇し終える時間を短く制御する(図27参照)。この結果、軽い電子部品について、1電子部品当りの装着時間を短縮することができる。
なお、前記吸着ノズル15の下降開始時点では真空度は高く(略ゼロ気圧)、吸着ノズル15の下死点は吸着ノズル15から電子部品が落下する真空度(黒点で示す)と同じタイミングであり、装着後の上昇を開始するタイミングは大気圧に近い気圧であって部品を持ち帰らない程度の真空度(黒点で示す)である。
また、重い電子部品に対しては、「タイミングB」よりは吸着ノズル15の下降開始から真空源47を介する吸着ノズル15による吸着動作の停止開始タイミングが遅くなるようにエアー切替バルブ80を制御し、下降途中での電子部品の落下を防止すると共に吸着ノズル15の下降限である下死点にいる時間を長くして装着後の上昇開始タイミングが遅くなるようにノズル昇降モータ51を制御する。このため、標準的な重さの電子部品よりも重い電子部品の装着に係る時間、即ち電子部品の装着のために吸着ノズル15が下降を開始してから装着後に上昇し終える時間を長く制御する(図29参照)。
上述したように、重い電子部品より標準的な重さの電子部品の1電子部品の装着時間を短縮することができ、軽い重さの電子部品については1電子部品の装着時間を一層短縮することができ、1電子部品の平均装着時間を短くできるので、1プリント基板当りの仕上がり時間を短縮することができる。
しかし、前述したように個別廃棄を行なったが、まだ廃棄すべき電子部品がある場合には、以下のような動作が行われる。即ち、全ての吸着ノズル15のエアー切替バルブ80(ソレノイドバルブ82の電磁石83)をエアー吸引側に切り替える。次いで、切替バルブ49Aを正圧側(吹き出し側)に切り替えると共にエアー供給源48に連通させる。この結果、エアー供給源48から空気が切替バルブ80の真空引き用通路88を介して全ての吸着ノズル15の内部通路に吹き込まれ、全ての吸着ノズル15から吹き出され、部品回収箱79内に吸着ノズル15に吸着保持された全ての一括廃棄すべき電子部品を落下させる。このとき、エアー供給源48から切替バルブ49Aを経てエアー切替バルブ80に至る経路は閉じられているため、各吸着ノズル15からのエアー吹き出し圧力は大きいので、即ち一括廃棄動作時のエアー吹き出し圧力は上述した個別廃棄動作時より大きいので、一層確実に部品を廃棄することが可能になる。その後、切替バルブ49Aを負圧側(吸引側)に切り替え、更に全ての吸着ノズル15のエアー切替バルブ80(ソレノイドバルブ82の電磁石83)をエアー吹き出し側に切り替える。
以上のように本実施形態によれば、電子部品のサイズを重量にみたてて、例えばサイズの大きい電子部品は重い電子部品として、小さいものは軽いものとして、プリント基板Pへの電子部品の装着の際に該電子部品の重量に応じて真空源47を介する吸着ノズル15による吸着動作の停止開始タイミング及び吸着ノズル15の装着後の上昇開始タイミングを制御するようにした。しかし、部品ライブラリデータとして、図25に示したような電子部品の重量に応じた区分名や、電子部品の重量を格納して、CPU90が電子部品の装着の際にRAM92に格納された区分名を読み取って、あるいは重量を読み取ることにより、前記吸着ノズル15による吸着動作の停止開始タイミング及び前記吸着ノズル15の前記装着後の上昇開始タイミングを制御するようにしてもよい。更には、図25に示す一覧表をRAM92に格納して、CPU90がこの一覧表を参照して、装着する電子部品が属する区分に応じた前述せる制御をしてもよい。
以上本発明の実施形態について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の代替例、修正又は変形を包含するものである。