JP4667091B2 - 電子部品装着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品を部品供給ユニットより吸着ノズルにより吸着して取出し、プリント基板上に装着するようにした電子部品装着装置及び電子部品装着方法に関する。
一般に、電子部品実装装置においては、電子部品の装着時の押込み量は一定値(固定値)であるため、電子部品の高さのバラツキ、及び、半田の盛り上がり状態による装着高さのバラツキに対応できず、電子部品を装着したときに部品を基板上に押込みすぎ、その後のノズルの上昇動作時に、基板の弾性により電子部品が跳ね上がる現象が生じ、結果として電子部品の位置ずれが生じる等、装着後の部品精度が悪化するという問題点がある。このため、電子部品装着後の位置ずれを防止し、生産性を向上させる技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許第3574666号の特許公報
前記特許文献1に開示する技術によれば、吸着ノズルに保持された電子部品をプリント基板に接触させた後、押込み量だけさらに下降させて電子部品のプリント基板への装着を行い、その後、前記吸着ノズルの前記押込み量相当分だけ前記吸着ノズルを上昇させたのち、一旦停止させて前記電子部品を前記吸着ノズルにより押さえ、この押さえ状態で一定時間経過後、前記吸着ノズルを更に上昇させるように駆動装置を制御装置が制御している。
そして、プリント基板の反りによる電子部品の倒れは考慮されているが、吸着ノズルの真空破壊時間を考慮した吸着ノズルの上昇時の制御は行われていなく、真空破壊が終わる前に吸着ノズルを再び上昇させた場合、或いは高速にて上昇させた場合には、電子部品が吸着ノズルに引かれて上昇し、電子部品の位置ずれ、倒れが発生する虞があった。
そこで本発明は、プリント基板の反りは勿論、吸着ノズルの真空吸引の破壊時間などをも考慮して、電子部品装着後の位置ずれを防止することを目的とする。
このため第1の電子部品装着装置に係る発明は、電子部品を保持しプリント基板に対して上下動する吸着ノズルと、前記吸着ノズルを上下動させる駆動装置と、前記電子部品を保持した前記吸着ノズルを前記プリント基板に向けて下降させて電子部品を前記プリント基板に接触させたのち押込み量だけさらに下降させて前記電子部品の前記プリント基板への装着を行い、そののち前記吸着ノズルの前記押込み量に所定量を加えた分だけ前記吸着ノズルを低速度で上昇させ、そののち前記吸着ノズルを高速度で上昇させるように前記駆動装置を制御させる制御装置とを備え、前記吸着ノズルを低速度で上昇させる量のうちの前記所定量は電子部品を真空吸着する吸着ノズルの真空破壊時間を考慮した量であることを特徴とする。
第2の電子部品装着装置に係る発明は、電子部品を保持しプリント基板に対して上下動する吸着ノズルと、前記吸着ノズルを上下動させる駆動装置と、前記電子部品を保持した前記吸着ノズルを前記プリント基板に向けて下降させて電子部品を前記プリント基板に接触させたのち押込み量だけさらに下降させて前記電子部品の前記プリント基板への装着を行い、そののち前記吸着ノズルの前記押込み量に所定量を加えた分だけ前記吸着ノズルを低速度で上昇させた後停止し、そののち前記吸着ノズルを高速度で上昇させるように前記駆動装置を制御させる制御装置とを備え、前記吸着ノズルを低速度で上昇させる量のうちの前記所定量は電子部品を真空吸着する吸着ノズルの真空破壊時間を考慮した量であることを特徴とする。
第3の電子部品装着装置に係る発明は、第1または第2の発明において、前記所定量を設定する設定装置を備えたことを特徴とする。
第4の電子部品装着装置に係る発明は、第1または第2の発明において、前記吸着ノズルを低速度で上昇させるときの速度を設定する設定装置を備えたことを特徴とする。
本発明は、吸着ノズルの真空吸引の破壊時間などをも考慮して、電子部品装着後の位置ずれを防止することができる。
以下、図面に基づき、電子部品装着装置の実施形態を説明する。図1は電子部品装着装置1の平面図で、電子部品装着装置1の機台(装置本体)2上には部品供給装置としての電子部品を部品取出位置(部品吸着位置)に1個ずつ供給する公知の部品供給ユニット3が4つのブロックに複数並設されている。即ち、電子部品装着装置1は、左右のステージ1及びステージ2に分けられ、更に各ステージ毎に前後のSIDE−A及びSIDE−Bに分けられ、この結果4つのブロックに分けられる。
そして、該装着装置1の中間部には供給コンベア4が設けられ、プリント基板Pの搬送方向が左右方向となるように設けられている。前記供給コンベア4には上流側装置より受けたプリント基板Pを2つの位置決め部において夫々位置決めする位置決め機構が設けられ、該基板P上に電子部品が装着された後、下流側装置に搬送される。
8はX方向に長い一対のビームであり、各リニアモータ9の駆動により左右一対のガイドに沿って前記各ビーム8に固定されたスライダが摺動して位置決め部機構により固定されたプリント基板Pや部品供給ユニット3の部品送り出し位置(部品吸着位置)上方を個別にY方向に移動する。前記リニアモータ9は、基台2に固定された上下一対の固定子と、前記ビーム8の両端部に設けられた取付板の下部に固定された可動子とから構成される。
各ビーム8にはその長手方向、即ちX方向にリニアモータ14によりガイド13に沿って移動する装着ヘッド体7が夫々設けられている。図3等に示すように、前記リニアモータ14は、ビーム8に固定された前後一対の固定子14Aと、前記装着ヘッド体7に設けられた可動子14Bとから構成される。各装着ヘッド体7は夫々バネ12により上方へ付勢されている12本の吸着ノズル15を有する装着ヘッド16とを備えている。
以下、装着ヘッド16について、図2及び図3に基づき詳述する。20は第1内筒体17Aの上部に設けられたパルスモータ21のロータで、前記装着ヘッド体7に固定された外筒体18に設けられたステータ22内側でベアリング23を介してθ方向に回転可能に設けられる。また、25は第2内筒体17Bの下部に設けられたパルスモータ26のロータで、前記装着ヘッド体7に固定された外筒体18に設けられたステータ27内側でベアリング28を介してθ方向に回転可能に設けられる。そして、前記吸着ノズル15は、電子部品を真空吸着保持するもので、それぞれ所定間隔を存して円周上に12本配設されて第2内筒体17B内に上下動可能に設けられている。
30は前記吸着ノズル15の上下動の基本ストロークを作る第1カムで、駆動モータ31が駆動すると駆動軸32に設けたプーリ33及び従動軸34に設けたプーリ35との間に張架されたベルト36により前記従動軸34に固定した第1カム30が回転する(図4参照)。また、装着ヘッド体7から延びた支持部7Aに支持された支軸29を支点として回動可能な第1レバー38の他端側にはカムフォロア39が設けられ、該支軸29と従動軸34とは連結レバー37とで連結されている。
40は駆動モータ41により回転され電子部品の厚さに応じて前記吸着ノズル15の上下動の調整ストロークを作る第2カムで、この第2カム40外周には前記カムフォロア39が圧接している。そして、前記第1カム30外周には支軸42を支点として回動する第2レバー43の一端側に設けられたカムフォロア44が圧接している。また、前記第2レバー43の他端側にはカムフォロア45が設けられ、該カムフォロア45は装着ヘッド16のθ回転の中心となる支柱46に沿って上下動可能な昇降体47のカム係合部48に係合している。そして、前記昇降体47と支持体49との間にはスプリング50が介在し、該昇降体47を下方に付勢している。
52は駆動モータ53により回転する真空バルブ入切用の第3カムで、支軸54を支点として回動可能な第3レバー55の一端側のカムフォロア56が前記第3カム52に圧接しており、他端側のカムフォロア57が前記昇降体47に沿って上下動可能な真空バルブ入切用作動体58のカム係合部59に係合している。
また、前記昇降体47には前記吸着ノズル15を昇降させる昇降棒62が設けられ、前記第1カム30及び第2カム40の回転により支軸29を支点として第1レバー38及び支軸42を支点として第2レバー43が揺動し、昇降体47が下降して昇降棒62により前記吸着ノズル15が電子部品Dの厚さに応じて所定ストローク降下して、プリント基板P上に電子部品Dを装着する構成である。
更に、この装着時の前記吸着ノズル15の降下時には、前記第3カム52の回転による第3レバー55の揺動によりカム係合部59を介して真空バルブ入切用作動体58が前記昇降体47に沿って降下する。従って、真空バルブ入切用作動体58の昇降棒63が第1切換棒65を押し下げ、支軸67を支点として切換レバー68を揺動させて第2切換棒66を押し上げて停止用突部61がこの第2切換棒66の係合溝69Bに係合する。そして、吸着時には、図3及び図7に示すように、真空バルブ入切用作動体58の昇降棒63が第2切換棒66を押し下げ、支軸67を支点として切換レバー68を揺動させて第1切換棒65を押し上げて停止用突部61が第2の切換棒66の係合溝69Aに係合する構成である。
このとき、装着時の真空バルブ入切用作動体58の昇降棒63の降下による第1切換棒65が降下している状態では、真空源からの真空通路を断って吸着ノズル15による電子部品Dの真空吸着を止めると共に空気を吸着ノズル15に吹き込み、第2切換棒66が降下している状態では、真空源に連通する真空通路を形成して吸着ノズル15による電子部品Dの真空吸着を維持するものである。
即ち、第1切換棒65が降下している状態では、吸着ノズル15の内部通路15Aにエアー供給源からの空気が空気路70、通路71及び連通路72を介して吹き込まれ、また第2切換棒66が降下している状態では、吸着ノズル15の内部通路15Aは真空源に連通路72、通路71及び真空通路73を介して連通して真空吸着する。
74は部品有無検出、吸着姿勢検出及び吸着ノズル径の検出手段としてのラインセンサユニットで、図7に示すように、各装着ヘッド16の略中央部に設けられた支柱75下端に設けられ第3内筒体17Cとの間にベアリングBが介在した円筒状の発光ユニット取付体76内上部にLED等の発光素子77を配設すると共にその下方にレンズ78及びそのレンズ78の下方に45度に傾斜した反射面79aを有するプリズム79を配設して構成された発光ユニット80と、前記外筒体18底面に固定されて前記プリズム79を介する前記発光素子77からの光を受光する複数の受光素子であるCCD素子を縦方向及び横方向に複数並設された受光ユニット81とから構成される。各装着ヘッド16へのラインセンサユニット74の上記のような配置により、ラインセンサユニットを備えた装着ヘッド16のコンパクト化を図ることができる。
例えば、電子部品Dの下端面の高さ位置を各CCD素子の受光状態より遮光から受光に変わる境界位置として検出することにより部品が図7に示すように正常に吸着されている場合と、吸着すべきでない面が吸着され所謂立ち状態となっている場合や斜めに吸着されている場合とが区別して検出される。即ち、吸着ノズル15が下降して部品供給ユニット3から電子部品Dを吸着取出し動作をして上昇した後にパルスモータ21及び26の駆動により装着ヘッド16を回転させ、詳述すると支柱75を支点として第1内筒体17A及び第2内筒体17Bが回動して電子部品Dを吸着保持している吸着ノズル15を旋回させ、その旋回中に前記プリズム79と受光ユニット81との間に位置するので、複数位置で電子部品Dの下端面の高さ位置を検出することにより、部品の有無検出及び吸着姿勢の検出等が可能となる。
そして、吸着ノズル15が電子部品Dを吸着していない場合には、発光素子77からの光のうち遮光されるべき光(吸着されている電子部品により)が発光ユニット80に受光されることとなるので電子部品Dの「無し」を検出し、真空バルブ入切用作動体58の昇降棒63の降下により第1切換棒65を降下させ、真空バルブ(図示せず)を閉じて真空源からの真空通路を断って真空吸着動作を停止してリークを防止し、また吸着すべきでない面が吸着され所謂立ち状態となっているとか斜めに吸着されていると検出した場合には、必要に応じたタイミングで装着ヘッド16及び吸着ノズル15を排出箱82(図1参照)上方に移動させて電子部品Dを落下させる。
83は部品認識カメラで、前記各装着ヘッド16に対応してそれぞれ1個ずつ計4個設けられ、電子部品が吸着ノズル15に対してどれだけ位置ずれして吸着保持されているかXY方向及び回転角度につき、位置認識するために複数の前記吸着ノズル15に吸着保持された全ての電子部品Dを一括して撮像するが、それぞれ同時に複数個の電子部品を撮像可能である。また、部品認識カメラ83は撮像することにより、吸着ノズル15に電子部品Dが吸着保持しているか否かも確認することができる。
次に図9の本電子部品装着装置1の制御ブロック図に基づいて、以下説明する。90は本装着装置1を統括制御する制御部としてのCPU(装着制御部)で、該CPU90にはバスラインを介して、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)92及びROM(リ−ド・オンリー・メモリ)93が接続されている。そして、CPU90は前記RAM92に記憶されたデータに基づき、前記ROM93に格納されたプログラムに従い、電子部品装着装置1の部品装着動作に係る動作を統括制御する。即ち、CPU90は、インターフェース94及び駆動回路95を介して前記リニアモータ9、14、パルスモータ21及び26、駆動モータ31、41及び53の駆動を制御している。
前記RAM92には、部品装着に係る装着データが記憶されており、その装着順序毎(ステップ番号毎)に、プリント基板内でのX方向(Xで示す)、Y方向(Yで示す)及び角度(Zで示す)情報や、各部品供給ユニット3の配置番号情報等が記憶されている。また前記RAM92には、部品配置データが記憶されており、これは前記各部品供給ユニット3の配置番号に対応して各電子部品の種類(部品ID)や該供給ユニット3の配置座標等が記憶されている。
更に、電子部品の種類毎に、当該電子部品のXY方向のサイズ及び厚さデータや、種々のデータから構成される部品ライブラリデータが格納されている。この部品ライブラリデータの1つとして、図10に示すように、押込み量データがあり、電子部品のプリント基板Pへの装着時に前記吸着ノズル15の上昇待機時の下端レベルから位置決めされたプリント基板Pの表面レベルまでのストロークNから電子部品の厚さtを引いて押込み量Sを足して吸着ノズル15の下降目的位置がCPU90により算出され、そのように前記吸着ノズル15が下降するように駆動モータ31を制御する。
91はインターフェース94を介して前記CPU90に接続される認識処理装置で、部品認識カメラ83により撮像して取込まれた画像の認識処理が該認識処理装置91にて行われる。
尚、前記部品認識カメラ83により撮像された画像は表示装置としてのCRT96に表示される。そして、前記CRT96には種々のタッチパネルスイッチ97が設けられ、作業者がタッチパネルスイッチ97を操作することにより、教示指定のための設定を含む種々の設定を行うことができる。
なお、部品ライブラリデータとして、装着後上昇の際の第1減速度データ(減速無し〜99%減速まで設定可)、同じく第2減速度データ(減速無し〜99%減速まで設定可)、同じく減速時の増加ストロークα(0.0mm〜1.5mm設定可)がある。前記押込み量Sは電子部品の種類毎に設定された固定値であって、吸着ノズル15の下降により電子部品がプリント基板Pの上面に到達した後の当該電子部品の押込量であり、そのプラスα分も設定されるが、このプラスαは、プリント基板Pの反りによる部品倒れや、吸着ノズル15の真空吸引の真空破壊時間を考慮した数値である。
以下、吸着ノズル15の上昇速度の制御に関する設定動作について、図11に基づき、説明する。先ず、CRT96に表示されたタッチパネルスイッチ97を操作して、図11に示す画面を表示させ、前記第1減速度データを設定するための第1減速設定スイッチ部97Aを押圧して、数字キースイッチ部97Dを押圧して例えば「9」、[0]と入力した後、SETキースイッチ部97Eを押圧すると所定の高速度の90%の減速度(高速度の10%の速度になる)が設定され、前記第2減速度データを設定するための第2減速設定スイッチ部97Bを押圧して、数字キースイッチ部97Dを押圧して[0]と入力した後、SETキースイッチ部97Eを押圧すると減速なしの所定の高速度が設定され、減速時の増加ストロークデータを設定するための増加ストロークスイッチ97Cを押圧して「0」、[3]と入力した後、SETキースイッチ部97Eを押圧すると、減速時の増加ストロークαが0.3mmと設定される。これらの設定データは、CPU90の制御によりRAM92に格納される。
なお、減速しなくとも倒れる虞がない電子部品については、第1減速度データを「減速無し」として設定すればよく、また電子部品の種類が異なっても減速時の増加ストロークαの値が同一に設定される場合もある。
以上のような構成により、以下電子部品Dの装着動作について説明する。先ず、プリント基板Pを上流装置より供給コンベア4を介して位置決め部に搬入し、位置決め機構により位置決め動作を開始する。
次に、CPU90は、RAM92に格納された装着データに従い、電子部品の部品種に対応した装着ヘッド16の吸着ノズル15が装着すべき該電子部品を所定の部品供給ユニット3から吸着して取出す。このとき、CPU90によりリニアモータ9及び14が制御されて、各装着ヘッド体7の装着ヘッド16の吸着ノズル15が装着すべき電子部品を収納する各部品供給ユニット3の先頭の電子部品上方に位置するよう移動するが、Y方向は駆動回路95によりリニアモータ9が駆動して一対のガイドに沿って各ビーム8が移動し、X方向は同じく駆動回路95によりリニアモータ14が駆動してガイド13に沿って各装着ヘッド体7が移動する。
そして、既に所定の各供給ユニット3は駆動されて部品吸着位置にて部品が取出し可能状態にあるため、またパルスモータ21及び26の駆動により装着ヘッド16の第1内筒体17A及び第2内筒体17Bが回転して選択された吸着ノズル15が当該装着ヘッド16における0時、3時、6時、9時のうちのいずれかの位置において当該部品供給ユニット3の部品送り出し位置上方に位置しており、駆動モータ31により第1カム30が所定角度回転して第2レバー43が支軸42を支点として揺動し、昇降体47が下降して昇降棒62により前記吸着ノズル15を所定ストローク降下させ、当該部品供給ユニット3から確実に電子部品Dを吸着し、更に第1カム30が所定角度回転して第2レバー43が揺動して前記昇降体47が上昇すると共に当該吸着ノズル15が上昇する。
このとき、駆動モータ53により第3カム52が回転して第3レバー55が揺動して前記昇降体47に沿って真空バルブ入切用作動体58が下降して昇降棒63の降下による第2切換棒66が降下して、吸着ノズル15の内部通路15Aは真空源に連通路72、通路71及び真空通路73を介して連通して、吸着ノズル15は部品供給ユニット3から電子部品Dを真空吸着して取出すこととなる。このように、次々と装着ヘッド16に設けられた12本の吸着ノズル15が電子部品Dを吸着した後に上昇しながら対応する部品認識カメラ83の上方へ移動するが、この移動途中において、パルスモータ21及び26の駆動により装着ヘッド16を回転させ、詳述すると支柱75を支点として第1内筒体17A及び第2内筒体17Bが回動して電子部品Dを吸着保持している吸着ノズル15を旋回させ、その旋回中に吸着された電子部品Dは前記プリズム79と受光ユニット81との間に位置するので、複数位置での電子部品Dの下端面の高さ位置を検出することにより、ラインセンサユニット74により各電子部品Dの有無検出及び吸着姿勢の検出等が行なわれる。
そして、吸着すべきでない面が吸着され所謂立ち状態となっているとか斜めに吸着されていると検出した場合には、装着ヘッド16及び吸着ノズル15を排出箱82上方に移動させて検出異常に係る電子部品Dを落下させて部品廃棄処理をする。
そして、CPU90は、この異常として検出された電子部品の廃棄処理後に、部品認識カメラ83の上方へ移動して、装着ヘッド16が前記認識カメラ83上を通過するタイミングになったものと判断したときには、部品認識カメラ83がビーム8移動中に装着ヘッド16の全吸着部品Dの同時撮像及びその画像取込を実行し、認識処理装置91により部品認識処理をする。
そして、部品認識処理の結果が、例えば電子部品の立ち状態や不良電子部品を吸着保持しているとかの認識異常か、電子部品Dを吸着保持していない場合には、装着ヘッド16及び吸着ノズル15を排出箱82上方に移動させて認識異常に係る電子部品Dを落下させて部品廃棄処理をする。
そして、この異常として検出された電子部品の廃棄処理後に、正常な検出や正常な認識であると判断された電子部品Dは真空吸着が維持され、図12に示すように、CPU90はRAM92に格納された前記装着データ、部品配置データ及び部品ライブラリデータに基づき、装着下降ストロークを算出する。即ち、前記吸着ノズル15の上昇待機時の下端レベルから位置決めされたプリント基板Pの表面レベルまでのストロークNから当該電子部品の厚さtを引いて押込み量Sを足して吸着ノズル15の装着下降ストロークを算出する。
そして、CPU90は駆動波形を算出し、吸着ノズル15の下降動作を開始する。即ち、駆動モータ31を駆動制御して、第1カム30を所定角度回転させて第2レバー43を支軸42を支点として揺動させ、昇降体47が下降して昇降棒62により前記吸着ノズル15を所定ストローク降下させて、電子部品Dを装着する。この場合、前記認識処理装置91による認識結果を加味して前記装着ヘッド16及び吸着ノズル15を移動させ、プリント基板Pへ電子部品Dを装着する。即ち、認識処理装置91による認識処理結果をCPU90が取得し、XYθの移動目的値を算出処理をし、ズレ量を加味してリニアモータ9を駆動してビーム8をY方向に移動させ、リニアモータ14を駆動して装着ヘッド16をX方向に移動させ、パルスモータ21及び26を駆動して吸着ノズル15をθ回転させ、第1カム30及び第2カム40を回転させることにより当該部品Dの厚さに応じて当該吸着ノズル15を所定ストローク降下させてプリント基板P上に電子部品Dを装着する。
この場合、吸着ノズル15の下降停止をエンコーダにより確認した後、所定の装着停留時間が経過したら、装着上昇目的位置を算出する。なお、当該電子部品Dをプリント基板Pに接触させた後、押込み量Sだけ押し込むので、部品装着時はプリント基板Pが多少下方向にたわみ、電子部品の装着完了後に吸着ノズル15を高速で上昇させると、プリント基板Pのたわみの反発力が電子部品に伝わり、電子部品が倒れたり、ズレが発生したりすることなるが、吸着ノズル15の上昇は図13に示すように制御されこれが防止される。
また、従来電子部品を真空吸着する吸着ノズル15の真空破壊が終わる前に吸着ノズルを再び上昇させたり、或いは高速にて上昇させた場合に、電子部品が吸着ノズルに引かれて上昇することによる電子部品の位置ずれ、倒れが発生する虞があったが、前述したように、吸着ノズルの真空破壊時間を考慮した制御を行なうことにより、これも防止される。
先ず、図14に示すように、装着後上昇の際の第1減速度データ(90%減速に設定)に従い、駆動モータ31の駆動波形がCPU90により算出され、次に速度変更位置が算出される。即ち、前記ストロークNから電子部品の厚さtを引いた後、押込み量Sを足した値からこの押込み量Sと増加ストロークαとの和を引くことにより速度変更位置が算出される。
この算出後、吸着ノズル15が上昇動作を開始して、第1減速度で上昇し、前記速度変更位置をエンコーダが検出したら、CPU90は第2減速度データ(減速無し設定)に従いその駆動波形を算出し、次に吸着ノズル15の上昇速度を変更するように制御する。そして、エンコーダが目的位置への到達を検出したら、駆動モータ31を停止するようCPU90が制御する。
以上のように、電子部品の装着後に吸着ノズル15は上昇し、以下同様に当該装着ヘッド16の各吸着ノズル15に吸着保持された電子部品Dの全てが完了するまで繰り返す。
なお、第1減速度から第2減速度に変更する際に駆動モータ31を停止しない実施形態として説明したが、これに限らず変更する前に駆動モータ31を停止するように制御してもよい。
そして、装着データで指定した電子部品Dの全ての取出し及びプリント基板Pへの装着が終了した場合には、上流側装置から左部のステージ1にプリント基板Pを移載すると共に左部のステージ1のプリント基板Pを右部のステージ2に移動させ、且つステージ2のプリント基板Pを下流側装置に移載する。
以上本発明の実施形態について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の代替例、修正又は変形を包含するものである。
電子部品装着装置の平面図である。 装着ヘッド体の縦断正面図である。 厚さが薄い電子部品を吸着している状態の装着ヘッド体の縦断側面図である。 第1カム及び第1レバー等の平面図である。 装着ヘッド体の平面図である。 吸着ノズルの吸着又は装着の際の真空又は空気吹出しの状態を説明する簡略平面図である。 厚さが薄い電子部品を吸着している状態の装着ヘッド体要部の縦断側面図である。 図2の底面図である。 制御ブロック図である。 吸着ノズル下降目的位置の算出方法を示すための参考図である。 吸着ノズルの上昇速度の制御に関する設定画面を示す図である。 吸着ノズルの下降及び上昇に係るフローチャート図である。 吸着ノズルの上昇の際の速度変更の参考図である。 吸着ノズルの上昇時の駆動モータの駆動波形図である。
符号の説明
1 部品装着装置
3 部品供給ユニット
15 吸着ノズル
16 装着ヘッド
31 駆動モータ
90 CPU
92 RAM
95 駆動回路
96 CRT
97 タッチパネルスイッチ

Claims (4)

  1. 電子部品を保持しプリント基板に対して上下動する吸着ノズルと、前記吸着ノズルを上下動させる駆動装置と、前記電子部品を保持した前記吸着ノズルを前記プリント基板に向けて下降させて電子部品を前記プリント基板に接触させたのち押込み量だけさらに下降させて前記電子部品の前記プリント基板への装着を行い、そののち前記吸着ノズルの前記押込み量に所定量を加えた分だけ前記吸着ノズルを低速度で上昇させ、そののち前記吸着ノズルを高速度で上昇させるように前記駆動装置を制御させる制御装置とを備え、前記吸着ノズルを低速度で上昇させる量のうちの前記所定量は電子部品を真空吸着する吸着ノズルの真空破壊時間を考慮した量であることを特徴とする電子部品装着装置。
  2. 電子部品を保持しプリント基板に対して上下動する吸着ノズルと、前記吸着ノズルを上下動させる駆動装置と、前記電子部品を保持した前記吸着ノズルを前記プリント基板に向けて下降させて電子部品を前記プリント基板に接触させたのち押込み量だけさらに下降させて前記電子部品の前記プリント基板への装着を行い、そののち前記吸着ノズルの前記押込み量に所定量を加えた分だけ前記吸着ノズルを低速度で上昇させた後停止し、そののち前記吸着ノズルを高速度で上昇させるように前記駆動装置を制御させる制御装置とを備え、前記吸着ノズルを低速度で上昇させる量のうちの前記所定量は電子部品を真空吸着する吸着ノズルの真空破壊時間を考慮した量であることを特徴とする電子部品装着装置。
  3. 前記所定量を設定する設定装置を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品装着装置。
  4. 前記吸着ノズルを低速度で上昇させるときの速度を設定する設定装置を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品装着装置。
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