JP4980024B2 - 像振れ補正装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カメラや双眼鏡などの光学機器に搭載される像振れ補正装置に関する。
像振れ補正装置は、光学機器に加わる振れの大きさと方向に応じて光学系の一部を光軸に対してずらすように駆動させて、焦点面位置での被写体像の振れを抑制するものである。このような像振れ補正装置は、像振れ補正用の光学要素を光軸外の軸を中心に揺動させるタイプと、直交二方向に移動させる(XYステージ)タイプとに大別される。直交二方向タイプは振れをキャンセルする方向に正しく像振れ補正用光学要素を移動させることができるという利点があるが、光学機器の非使用時には、像振れ補正用光学要素が不用意に移動すると駆動機構が損傷するおそれがあるので、損傷から保護するべく像振れ補正用光学要素の固定手段が設けられる。固定手段としては、モータやアクチュエータからなる駆動源に駆動信号を与え続けて一定の位置に保たせる電気的な保持手段と、機械的に固定させる手段とがあるが、前者の電気的保持手段は電力消費が大きくなってしまうので一般的には用いられない。特にバッテリ使用の光学機器には不向きである。後者の機械的固定手段は、例えば特開平5-100280号で提案されたものがある。この機械的固定手段は、機械的なロック機構を設け、レンズ鏡筒の沈胴状態と撮影準備状態間の移動動作に連動させてロック機構を動作させている。しかし、ロック機構を別設するため、装置が大型になってしまうという欠点がある。
特開平5-100280号公報
本発明は従って、光学機器の未使用時に、装置の大型化を招くことなく簡単な構成で像振れ補正用の光学要素とその駆動機構を保護することができる像振れ補正装置を提供することを目的とする。
本発明の像振れ補正装置は、光学系の光軸と直交する平面内において、機械的に制限される作動範囲内で振れ補正光学要素を移動自在に案内する案内手段と、像振れ補正用の駆動信号に応じて、該案内手段に沿って振れ補正光学要素を移動させる駆動手段と、振れ補正光学要素を作動範囲の正逆いずれかの移動端方向に移動付勢する付勢手段と、光学系が使用状態から非使用状態になるとき、駆動手段によって、付勢手段の付勢方向と反対方向に向けて、像振れ補正時の移動範囲よりも案内手段の移動端に接近した待機位置まで振れ補正要素を移動させる駆動制御手段を備えたことを特徴としている。
振れ補正光学要素の待機位置は、案内手段の移動端であることが好ましい。あるいは、案内手段の移動端の近傍位置を振れ補正光学要素の待機位置としてもよい。
動手段は、駆動源と、この駆動源によって案内手段の案内方向へ移動される第1の移動体と、この第1の移動体と案内手段の案内方向へ相対移動可能に支持され、振れ補正光学要素に移動力を与える第2の移動体と、振れ補正光学要素に対する付勢手段の付勢方向と反対方向へ、該付勢手段よりも強い付勢力で第2の移動体を付勢する第2の付勢手段とを備えていることが好ましい。
固定部材上に、光軸と直交する平面内において第1の方向に直進移動自在に支持された第1ステージと、この第1ステージ上に、光軸と直交する平面内において第1の方向と直交する第2の方向に直進移動自在に支持された、振れ補正光学要素を搭載した第2ステージとを案内手段として備え、第1ステージを第1の方向に正逆に駆動するための第1駆動手段と、第2ステージを第2の方向に正逆に駆動するため第2駆動手段とを備え、駆動制御手段は、光学系が使用状態から非使用状態になるとき、第1と第2の駆動手段によって第1ステージと第2ステージをそれぞれ待機位置まで移動させるようにすることもできる。
駆動手段による振れ補正光学要素の待機位置への駆動量を示す待機位置駆動データを記憶する記憶手段を備え、光学系が使用状態から非使用状態になるとき、この記憶手段から読み出した待機位置駆動データに基づき駆動制御手段が駆動手段を駆動させるようにするとよい。駆動手段としてステッピングモータを備える場合、記憶手段に記憶される待機位置駆動データはステッピングモータのパルスデータとすることができる。
本発明によれば、光学機器の未使用時に、装置の大型化を招くことなく簡単な構成で像振れ補正用の光学要素とその駆動機構を保護することができる像振れ補正装置られる
「本発明による像振れ補正装置を備えたデジタルカメラ全体の説明」
図1は本発明による像振れ補正装置を備えるデジタルカメラ200の外観を示している。カメラボディ202の正面に、ズームレンズ鏡筒201、光学ファインダー203、ストロボ204を備え、カメラボディ202の上面には、シャッタボタン205を備えている。
図2と図3に側断面を示すデジタルカメラ200のズームレンズ鏡筒201は、撮影時には図2のようにカメラボディ202から被写体側へ繰り出され、撮影を行わないときは図3のようにカメラボディ202内に収納(沈胴)される。図2では、ズームレンズ鏡筒201の上半断面がワイド端、下半断面がテレ端の撮影状態を示している。図5及び図6に示すように、ズームレンズ鏡筒201は、2群直進案内環10、カム環11、第3繰出筒12、第2繰出筒13、直進案内環14、第1繰出筒15、ヘリコイド環18、固定環22といった略同心の複数の環状(筒状)部材を備えており、これらの環状部材の共通中心軸を図2と図3の鏡筒中心軸Z0として示している。
ズームレンズ鏡筒201の撮像光学系は、物体側から順に第1レンズ群LG1、シャッタS及び絞りA、第2レンズ群LG2、第3レンズ群LG3、ローパスフィルタ25及びCCD60を備えている。第1レンズ群LG1からCCD60までの各光学要素は、撮影状態において共通の撮影光軸(共通光軸)Z1上に位置する。この撮影光軸Z1は、鏡筒中心軸Z0と平行であり、かつ該鏡筒中心軸Z0に対して下方に偏心している。ズーミングは、第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2を撮影光軸Z1に沿って所定の軌跡で進退させることによって行い、フォーカシングは同方向への第3レンズ群LG3の移動で行う。なお、以下の説明中で「光軸方向」とは撮影光軸Z1と平行な方向を意味し、被写体側を前方、像面側を後方とする。また、撮影光軸Z1と垂直な平面における上下方向をY軸、左右方向をX軸とする。
固定環22はカメラボディ202内に固定されており、この固定環22の後部に固定ホルダ23が固定されている。固定ホルダ23には、Yステージ71とXステージ21を介してX軸方向とY軸方向へ移動可能に、CCD60とローパスフィルタ25が支持されている。固定ホルダ23の後部には、画像や撮影情報を表示するLCD20が設けられている。
第3レンズ群LG3を保持する3群レンズ枠51は、ガイド軸52、53を介して撮影光軸Z1と平行な方向に直進案内されており、3群枠付勢ばね55によって前方へ付勢されている。3群レンズ枠51には光軸方向に直進案内されたAFナット54が当て付いており、AFナット54はフォーカスモータ160のドライブシャフトの周面に形成した送りねじに螺合している。フォーカスモータ160のドライブシャフトの回転に応じてAFナット54が後方へ移動されると、3群レンズ枠51はAFナット54に押圧されて後方へ移動される。逆にAFナット54が前方へ移動されると、3群レンズ枠51は、3群枠付勢ばね55の付勢力によってAFナット54に追随して前方へ移動される。以上の構造により、3群レンズ枠51を光軸方向に進退移動させることができる。
図4に示すように、固定環22の上部にはズームモータ150が支持されている。ズームモータ150の駆動力は、減速ギヤ機構を介してズームギヤ28(図5)に伝達される。ズームギヤ28は、撮影光軸Z1と平行なズームギヤ軸29によって固定環22に枢着されている。
固定環22の内側にはヘリコイド環18が支持されている。ヘリコイド環18はズームギヤ28によって回転駆動され、図3の収納状態から図2の撮影状態になるまでの間(及びその逆)は、ヘリコイド機構を介してヘリコイド環18が回転しながら光軸方向に移動し、図2の撮影状態(ワイド端からテレ端の間)では、ヘリコイド環18が光軸方向に移動せずに定位置で回転される。第1繰出筒15は、ヘリコイド環18と共に回転及び光軸方向移動を行うように結合されている。
第1繰出筒15とヘリコイド環18の内側には、直進案内環14が支持されている。直進案内環14は、固定環22に形成した直線溝を介して光軸方向に直進案内されており、第1繰出筒15とヘリコイド環18に対しては、相対回転は可能で光軸方向に共に移動するように係合している。
図5に示すように、直進案内環14には、内周面と外周面を貫通する貫通ガイド溝14aが形成されている。貫通ガイド溝14aは、撮影光軸Z1に対して斜行するリード溝部分と、鏡筒中心軸Z0を中心とする周方向溝部分とを有していて、カム環11の外周面に設けた外径突起11aが摺動可能に嵌まっている。外径突起11aはさらに、第1繰出筒15の内周面に形成した撮影光軸Z1と平行な回転伝達溝15aに係合しており、カム環11は第1繰出筒15と共に回転される。カム環11は、貫通ガイド溝14aのリード溝部分に外径突起11aが係合するときには、このリード溝部分の案内を受けて回転しながら光軸方向に進退され、貫通ガイド溝14aの周方向溝部分に外径突起11aが係合するときには、光軸方向に移動せずに定位置で回転する。ヘリコイド環18と同様に、図3の収納状態と図2の撮影状態の間(及びその逆)ではカム環11が回転進退され、図2の撮影状態(ワイド端とテレ端の間)ではカム環11が定位置回転される。
直進案内環14は、その内周面に形成した撮影光軸Z1と平行な直線溝によって、2群直進案内環10と第2繰出筒13を光軸方向に直進案内している。2群直進案内環10は、第2レンズ群LG2を支持する2群レンズ移動枠8を光軸方向に直進案内し、第2繰出筒13は、第1レンズ群LG1を支持する第3繰出筒12を光軸方向へ直進案内する。2群直進案内環10と第2繰出筒13はそれぞれ、カム環11に対して相対回転可能かつ光軸方向に一体に移動するように支持されている。
カム環11の内周面に形成した2群案内カム溝11bに対し、2群レンズ移動枠8の外周面に設けた2群用カムフォロア8aが係合している。2群レンズ移動枠8は2群直進案内環10を介して光軸方向に直進案内されているため、カム環11が回転すると、2群案内カム溝11bの形状に従って、2群レンズ移動枠8が光軸方向へ所定の軌跡で移動する。
図6に示すように、2群レンズ移動枠8の内側には、第2レンズ群LG2を保持する2群レンズ枠6が、退避回動軸33を中心として回動可能に支持されている。退避回動軸33は撮影光軸Z1と平行な軸であり、2群レンズ枠6が揺動することによって第2レンズ群LG2が、撮影光軸Z1上の撮影位置(図2)と、撮影光軸Z1の上方に退避された退避位置(図3)とに移動される。2群レンズ枠6はトーションばね39によって撮影位置側に付勢されており、固定ホルダ23には、2群レンズ移動枠8が後退したときにトーションばね39に抗して2群レンズ枠6を退避位置に回動させる退避カム突起23aが設けられている。
2群直進案内環10によって光軸方向へ直進案内された第2繰出筒13は、さらに第3繰出筒12を光軸方向へ直進案内している。第3繰出筒12は内径方向に突出する1群用カムフォロア31を有し、この1群用カムフォロア31が、カム環11の外周面に形成した1群案内カム溝11cに摺動可能に嵌合している。第3繰出筒12内には、1群調整環2を介して1群レンズ枠1が支持されている。1群レンズ枠1は第1レンズ群LG1を保持している。
第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の間には、シャッタSと絞りAを有するシャッタユニット100が支持されている。シャッタユニット100は、2群レンズ移動枠8の内側に固定されている。
以上の構造からなるズームレンズ鏡筒201は次のように動作する。図3の鏡筒収納状態においてデジタルカメラ200の外面に設けたメインスイッチ101(図25)をオンすると、制御回路102(図25)に制御されてズームモータ150が鏡筒繰出方向に駆動される。ズームモータ150によりズームギヤ28が回転駆動され、ヘリコイド環18と第1繰出筒15がヘリコイドによって前方へ回転繰出される。直進案内環14は、第1繰出筒15及びヘリコイド環18と共に前方に直進移動する。このとき、第1繰出筒15から回転力が付与されるカム環11は、直進案内環14の前方への直進移動分と、該直進案内環14との間に設けたリード構造(貫通ガイド溝14aのリード溝部分と外径突起11a)による繰出分との合成移動を行う。ヘリコイド環18とカム環11が前方の所定位置まで繰り出されると、それぞれの回転繰出構造(ヘリコイド、リード)の機能が解除されて、鏡筒中心軸Z0を中心とした周方向回転のみを行うようになる。
カム環11が回転すると、その内側では、2群直進案内環10を介して直進案内された2群レンズ移動枠8が、2群用カムフォロア8aと2群案内カム溝11bの関係によって光軸方向に所定の軌跡で移動される。図3の収納状態では、2群レンズ移動枠8内の2群レンズ枠6は、固定ホルダ23に突設した退避カム突起23aの作用によって撮影光軸Z1から外れた退避位置に保持されており、該2群レンズ枠6は、2群レンズ移動枠8がズーム領域まで繰り出される途中で退避カム突起23aから離れて、トーションばね39の付勢力によって第2レンズ群LG2の光軸を撮影光軸Z1と一致させる撮影位置(図2)に回動する。以後、ズームレンズ鏡筒201を再び収納位置に移動させるまでは、2群レンズ枠6は撮影用位置に保持される。
また、カム環11が回転すると、該カム環11の外側では、第2繰出筒13を介して直進案内された第3繰出筒12が、1群用カムフォロア31と1群案内カム溝11cの関係によって光軸方向に所定の軌跡で移動される。
すなわち、撮像面(CCD受光面)に対する第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の繰出位置はそれぞれ、前者が、固定環22に対するカム環11の前方移動量と、該カム環11に対する第3繰出筒12のカム繰出量との合算値として決まり、後者が、固定環22に対するカム環11の前方移動量と、該カム環11に対する2群レンズ移動枠8のカム繰出量との合算値として決まる。ズーミングは、この第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2が互いの空気間隔を変化させながら撮影光軸Z1上を移動することにより行われる。図3の収納位置から鏡筒繰出を行うと、まず図2の上半断面に示すワイド端の繰出状態になり、さらにズームモータ150を鏡筒繰出方向に駆動させると、同図の下半断面に示すテレ端の繰出状態となる。図2から分かるように、本実施形態のズームレンズ鏡筒201は、ワイド端では第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の間隔が大きく、テレ端では、第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2が互いの接近方向に移動して間隔が小さくなる。このような第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の空気間隔の変化は、2群案内カム溝11bと1群案内カム溝11cの軌跡によって与えられるものである。このテレ端とワイド端の間のズーム領域では、カム環11、第1繰出筒15及びヘリコイド環18は、前述の定位置回転のみを行い、光軸方向へは進退しない。
ズームレンズ鏡筒201がワイド端からテレ端までの撮影可能状態にあるとき、測距手段によって得られた被写体距離情報に応じてAFモータ160を駆動することにより、第3レンズ群LG3(3群レンズ枠51)が撮影光軸Z1に沿って移動してフォーカシングが実行される。
メインスイッチ101をオフすると、ズームモータ150が鏡筒収納方向に駆動され、ズームレンズ鏡筒201は上記の繰出動作とは逆の収納動作を行い、図3の収納状態になる。この収納位置への移動の途中で、2群レンズ枠6が退避カム突起23aによって退避位置に回動され、2群レンズ移動枠8と共に後退する。ズームレンズ鏡筒201が収納位置まで移動されると、第2レンズ群LG2は、光軸方向において第3レンズ群LG3やローパスフィルタ25やCCD60と同位置に格納される(鏡筒の径方向に重なる)。この収納時の第2レンズ群LG2の退避構造によってズームレンズ鏡筒201の収納長が短くなり、図3の左右方向におけるカメラボディ202の厚みを小さくすることが可能となっている。
デジタルカメラ200は像振れ補正装置を備えている。この像振れ補正装置は、デジタルカメラ200に加わる振れ(手振れ)の大きさと方向に応じて、CCD60を撮影光軸Z1と垂直な平面に沿って移動させて、CCD60で撮像される被写体像の振れを抑制するものであり、その制御は制御回路102(図25)によって行われる。図7ないし図9は、CCD60を含む振れ補正ユニットISを示しており、図10ないし図23は、振れ補正ユニットISの全体または一部を分解した状態を示している。
固定ホルダ23にはY軸方向(上下方向)に向けて一対のYガイドロッド73、79が設けられており、このYガイドロッド73、79に、Yステージ71のガイド孔71aとガイド溝71b(図16)が移動自在に支持されている。Yステージ71上には、Yガイドロッド73と直交するX軸方向へ向けて一対のXガイドロッド72、74が設けられており、このXガイドロッド72、74に、Xステージ21のガイド孔21aとガイド溝21b(図11、図12)が移動自在に支持されている。Xステージ21上にはCCD60とローパスフィルタ25が固定されている。したがって、固定ホルダ23に対してCCD60は、Yステージ71とXステージ21を介して、撮影光軸Z1と垂直な平面における直交2軸方向に移動可能に支持されている。X軸方向へのXステージ21の可動範囲はYステージ71の内周面によって規制され、Y軸方向へのYステージ71の可動範囲は固定ホルダ23の内周面によって規制される。
Xステージ21に設けたばね掛け突起21vと固定ホルダ23に設けたばね掛け突起23vxの間に、Xステージ付勢ばね87xが張設されている。Xステージ付勢ばね87xは引張ばねであり、ズームレンズ鏡筒201の正面(前方)から見て右方、背面側から見て左方へXステージ21を付勢している。また、Yステージ71に設けたばね掛け突起71vと固定ホルダ23に設けたばね掛け突起23vyの間に、Yステージ付勢ばね87yが張設されている。Yステージ付勢ばね87yは引張ばねであり、Yステージ71を下方へ付勢している。
図16及び図17に示すように、Yステージ71の一側部にはY移動部材80が支持されている。Y移動部材80はY軸方向に長い部材であり、その上下端付近に位置規制フランジ80a、80bを有する。下側の位置規制フランジ80aからは下方に向けてガイドピン80cが突設され、上側の位置規制フランジ80bには一対のガイド孔80dが形成されている。Y移動部材80にはさらに、位置規制フランジ80bに隣接する位置にナット当接部80eと直進溝80f(図16)が設けられ、位置規制フランジ80aと位置規制フランジ80bの間の直線状部分にばね掛け突起80gが設けられている。直進溝80fはY軸方向に向く溝である。
Yステージ71は、位置規制フランジ80aに対向する位置規制フランジ71cと、位置規制フランジ80bに対向する位置規制フランジ71dを有し、位置規制フランジ71cにはガイドピン80cが摺動自在に嵌まるガイド孔71eが形成され、位置規制フランジ71dには一対のガイド孔80dに対して摺動自在に嵌まる一対のガイドピン71fが突設されている。また、位置規制フランジ80aと位置規制フランジ80bの間の直線状部分にばね掛け突起71gが設けられている。
ガイド孔71eとガイドピン80c、及びガイドピン71fとガイド孔80dの関係によって、Yステージ71とY移動部材80は互いをY軸方向に相対移動可能に案内支持している。Yステージ71のばね掛け突起71gとY移動部材80のばね掛け突起80gの間には引張結合ばね81yが張設されていて、この引張結合ばね81yの付勢力は、位置規制フランジ80aと位置規制フランジ71c、位置規制フランジ80bと位置規制フランジ71dを当接させる方向、すなわちYステージ71に対しては上方、Y移動部材80に対しては下方に作用する。
固定ホルダ23には、Xステージ21を案内支持するXガイドロッド72、74とは別に、X軸方向へ向く一対のXガイドロッド77、78が設けられており、このXガイドロッド77、78によって第1X移動部材75が移動自在に支持されている。図14及び図15に示すように、第1X移動部材75はX軸方向に長い部材であり、その両側部付近に位置規制フランジ75a、75bが設けられている。Xガイドロッド77が挿通される一対のガイド孔75cが両方の位置規制フランジ75a、75bに貫通させて形成され、Xガイドロッド78が挿通されるガイド孔75dは位置規制フランジ75aにひとつのみ形成される。位置規制フランジ75aには、ガイド孔75cとガイド孔75dの間に位置させて一対のガイド孔75eが形成され、位置規制フランジ75bには、ガイド孔75cとは別にX軸方向に向くガイドピン75fが突設されている。第1X移動部材75にはさらに、位置規制フランジ75aの下部に連動突起75gが設けられ、位置規制フランジ75aと位置規制フランジ75bの間の直線状部分にばね掛け突起75hが設けられている。
第2X移動部材76はX軸方向に離間する位置規制フランジ76a、76bを有し、一方の位置規制フランジ76aには、第1X移動部材75のガイド孔75eに摺動自在に嵌まる一対のガイドピン76cが突設され、他方の位置規制フランジ76bには第1X移動部材75のガイドピン75fが摺動自在に嵌まるガイド孔76dが形成されている。第2X移動部材76はさらに、位置規制フランジ76aに隣接する位置にナット当接部76eと直進溝76fが設けられ、位置規制フランジ76aと位置規制フランジ76bの間の直線状部分にばね掛け突起76gが設けられている。直進溝76fはX軸方向に向く溝である。
ガイドピン76cとガイド孔75e、及びガイド孔76dとガイドピン75fの摺動関係によって、第1X移動部材75と第2X移動部材76は互いをX軸方向へ相対移動可能に案内支持している。ばね掛け突起75hとばね掛け突起76gの間には引張結合ばね81xが張設されており、この引張結合ばね81xの付勢力は、位置規制フランジ75aと位置規制フランジ76a、位置規制フランジ75bと位置規制フランジ76bを当接させる方向に作用している。
第1X移動部材75の連動突起75gは、Xステージ21に設けた伝達ローラ21c(図12、図13)に当接しており、この当接部分によって第1X移動部材75からXステージ21へX軸方向の移動力が伝達される。伝達ローラ21cは撮影光軸Z1と平行な軸により回転可能に支持されており、Yステージ71と共にXステージ21がY軸方向へ移動したときには、伝達ローラ21cが連動突起75gの当接面上を転動する。連動突起75g側のローラ当接面はY軸方向を向く平面であるため、伝達ローラ21cを転動させることによって、第1X移動部材75にY軸方向への力を与えずにXステージ21をY軸方向へ移動させることができる。
図11に示すように、X軸方向への駆動源であるX軸駆動モータ170xと、Y軸方向への駆動源であるY軸駆動モータ170yが、固定ホルダ23に設けたモータブラケット23bx、23byに固定されている。X軸駆動モータ170xとY軸駆動モータ170yはいずれもステッピングモータであり、そのドライブシャフトに送りねじ171x、171yが形成されている。送りねじ171xにはX駆動ナット85xが螺合し、送りねじ171yにはY駆動ナット85yが螺合している。X駆動ナット85xは、第2X移動部材76の直進溝76fによりX軸方向に直進案内されており、ナット当接部76eに当接している。Y駆動ナット85yは、Y移動部材80の直進溝80fによりY軸方向に直進案内されており、ナット当接部80eに当接している。各ナット85x、85yは、対応する送りねじ171x、171yの両端部から螺合を解除して外れることが可能である。X駆動ナット85xとX軸駆動モータ170xの間と、Y駆動ナット85yとY軸駆動モータ170yの間には、ナット付勢ばね89x、89yが配されている。ナット付勢ばね89x、89yはいずれも圧縮コイルばねであり、各ナット85x、85yが対応する送りねじ171x、171yから駆動モータ170x、170y側に外れた場合に、再螺合させるための付勢力を付与するものである。各ナット85x、85yが対応する送りねじ171x、171yの先端部側(駆動モータ170x、170yと反対側)に外れた場合には、Xステージ付勢ばね87x、Yステージ付勢ばね87yの付勢力によって、再螺合方向の付勢力が付与される。
以上の振れ補正ユニットISの構造を図24に模式的に示す。図24では、デジタルカメラ200の背面側から振れ補正ユニットISを見ている。なお、図24では、作図上の都合から、Xガイドロッド78とガイドピン76cの位置関係など一部が図7〜図23と相違している。この模式図から分かる通り、X軸方向の駆動機構においては、第1X移動部材75と第2X移動部材76は、位置規制フランジ75aが位置規制フランジ76aに当接し、位置規制フランジ75bが位置規制フランジ76bに当接する状態で、引張結合ばね81xの付勢力で弾性的に結合されている。第1X移動部材75には、連動突起75gに当接する伝達ローラ21cを介して、Xステージ付勢ばね87xの付勢力が作用している。Xステージ付勢ばね87xの付勢力は、図24中の左方、すなわち位置規制フランジ75a、75bを位置規制フランジ76a、76bから離間させる方向に作用しているが、引張結合ばね81xの付勢力はXステージ付勢ばね87xの付勢力よりも強く設定されている。そのため、第1X移動部材75と第2X移動部材76は、位置規制フランジ75aと位置規制フランジ76a、位置規制フランジ75bと位置規制フランジ76bがそれぞれ当接する弾性結合状態を維持しながら、全体としてXステージ付勢ばね87xによって図24の左方へ付勢される。そして、ナット当接部76eがX駆動ナット85xに当て付くことで図24の左方への第2X移動部材76の移動が規制されるため、このX駆動ナット85xの位置がX軸方向における第2X移動部材76と第1X移動部材75の基準位置となる。
X軸駆動モータ170xのドライブシャフトを回転駆動すると、送りねじ171xと螺合するX駆動ナット85xがX軸方向に直進移動され、第2X移動部材76と第1X移動部材75のX軸方向位置が変化する。例えば、X駆動ナット85xが図24の右方に移動されると、該X駆動ナット85xがナット当接部76eを押圧し、Xステージ付勢ばね87xに抗して第2X移動部材76と第1X移動部材75が同図の右方に一体的に移動される。第1X移動部材75が図24の右方に移動されると、連動突起75gが伝達ローラ21cを押圧してXステージ21も同図の右方に移動される。逆にX駆動ナット85xを左方に移動させると、Xステージ付勢ばね87xの付勢力によって、第2X移動部材76と第1X移動部材75がX駆動ナット85xに追従して左方に一体的に移動される。このとき、Xステージ付勢ばね87xの付勢力によって、Xステージ21が第1X移動部材75に追従して同図の左方に移動される。連動突起75gと伝達ローラ21cは、Xステージ付勢ばね87xの付勢力によって常に当接した状態に維持される。
また、Y軸方向の駆動機構においては、Yステージ71とY移動部材80は、位置規制フランジ71cが位置規制フランジ80aに当接し、位置規制フランジ71dが位置規制フランジ80bに当接する状態で、引張結合ばね81yによって弾性的に結合されている。Yステージ71は、Yステージ付勢ばね87yによって図24中の下方、すなわち位置規制フランジ71c、71dを位置規制フランジ80a、80bから離間させる方向に付勢されているが、引張結合ばね81yの付勢力はYステージ付勢ばね87yの付勢力よりも強く設定されている。そのため、Yステージ71とY移動部材80は、位置規制フランジ71cと位置規制フランジ80a、位置規制フランジ71dと位置規制フランジ80bがそれぞれ当接する弾性結合状態を維持しながら、全体としてYステージ付勢ばね87yによって下方へ付勢されている。そして、ナット当接部80eがY駆動ナット85yに当て付くことで下方への移動が規制されるため、このY駆動ナット85yの位置がY軸方向におけるY移動部材80とYステージ71の基準位置となる。
Y軸駆動モータ170yドライブシャフトを回転駆動すると、送りねじ171yと螺合するY駆動ナット85yがY軸方向に直進移動され、Y移動部材80とYステージ71のY軸方向位置が変化する。例えば、Y駆動ナット85yが図24の上方に移動されると、該Y駆動ナット85yにナット当接部80eが押圧され、Yステージ付勢ばね87yに抗してY移動部材80とYステージ71が同図の上方に一体的に移動される。逆にY駆動ナット85yを下方に移動させると、Yステージ付勢ばね87yの付勢力によって、Y移動部材80とYステージ71がY駆動ナット85yに追従して下方に一体的に移動される。
Yステージ71がY軸方向に移動すると、Yステージ71上に支持されたXステージ21も共にY軸方向に移動する。一方、Xステージ21に設けた伝達ローラ21cが当接する第1X移動部材75はY軸方向へは移動しないので、Yステージ71と共にXステージ21が上下移動したとき、伝達ローラ21cと連動突起75gの当接箇所が変化する。前述したように、このとき伝達ローラ21cが連動突起75gの当接面上を転動し、第1X移動部材75にY軸方向への移動力を与えずにXステージ21をY軸方向へ移動させることができる。
以上の構造から、X軸駆動モータ170xを正逆に駆動することにより、Xステージ21をX軸方向へ正逆に移動させることができ、Y軸駆動モータ170yを正逆に駆動することにより、Yステージ71と該Yステージ71に支持されたXステージ21とをY軸方向へ正逆に移動させることができる。
図14や図15に示すように、第1X移動部材75には、位置規制フランジ75aの近傍に板状の位置検出部75iが設けられている。また、図16に示すように、Yステージ71には、位置規制フランジ71cの近傍に板状の位置検出部71hが設けられている。図18及び図19に示すように、第1X移動部材75に設けた位置検出部75iの通過を検出することが可能なフォトインタラプタ103と、Yステージ71に設けた位置検出部71hの通過を検出することが可能なフォトインタラプタ104が設けられている。各位置検出部75i、71hの通過をフォトインタラプタ103、104で検知することによって、X軸方向における第1X移動部材75(すなわちXステージ21)と、Y軸方向におけるYステージ71の初期位置を検出することができる。
図25のブロック図に示すように、デジタルカメラ200は、X軸とY軸周りにおける移動角速度を検出するXジャイロセンサ(角速度センサ)105とYジャイロセンサ(角速度センサ)106を備え、カメラに加わった振れの速さ(大きさ)と方向は、このジャイロセンサ105、106によって検知される。続いて制御回路102において、Xジャイロセンサ105とYジャイロセンサ106の検出したX、Y2軸方向の振れの角速度を時間積分して移動角度を求め、該移動角度から焦点面(CCD60の撮像面)上でのX軸方向及びY軸方向の像の移動量を演算すると共に、この像振れをキャンセルするための各軸方向に関するXステージ21(第1X移動部材75及び第2X移動部材76)とYステージ71(Y移動部材80)の駆動量及び駆動方向(X軸駆動モータ170x、Y軸駆動モータ170yの駆動パルス)を演算する。そして、この演算値に基づいて、X軸駆動モータ170xとY軸駆動モータ170yを駆動制御する。すなわち、制御回路102からX軸駆動モータ170xとY軸駆動モータ170yへ、像振れ補正用の駆動信号が与えられる。これにより、CCD60で撮像される被写体像の振れが抑制される。撮影モード切替スイッチ107(図25)のオンによってこの像振れ補正モードに入ることができ、撮影モード切替スイッチ107をオフにした状態では、像振れ補正機能が停止されて通常撮影を行うことができる。撮影モード切替スイッチ107ではさらに、像振れ補正モードにおいて、常時各X軸駆動モータ170x、Y軸駆動モータ170yを駆動させて振れ補正を行う第1追従モードと、測光スイッチ108やレリーズスイッチ109の操作時にのみ各X軸駆動モータ170x、Y軸駆動モータ170yを駆動させて振れ補正を行う第2追従モードとを選択することができる。なお、シャッタボタン205の半押しで測光スイッチ108がオンになり、シャッタボタン205の全押しでレリーズスイッチ109がオンになる。
デジタルカメラ200における以上の像振れ補正装置では、各駆動モータ170x、170yから駆動対象であるCCD60(Xステージ21)への駆動力伝達機構に、負荷や衝撃を吸収して送りねじ171x、171yなどの損傷を防ぐ構造を備えている。この損傷防止構造は、X軸方向の駆動機構においては、ばね結合された第1X移動部材75と第2X移動部材76によって構成され、Y軸方向の駆動機構においては、ばね結合されたYステージ71とY移動部材80によって構成されている。
例えば、X軸駆動モータ170xによって図24の右方へX駆動ナット85xを駆動したとき、Xステージ21がYステージ71に当接して移動規制端に達したり、他の原因でXステージ21の移動が妨げられたりすると、通常は一体に移動する第1X移動部材75と第2X移動部材76が、引張結合ばね81xの付勢力に抗して、位置規制フランジ75a、76aと位置規制フランジ75b、76bを離間させる方向に相対移動する。具体的には、Xステージ21と共に移動が妨げられた第1X移動部材75に対して、第2X移動部材76が単独で図24の右方へ移動することができる。これにより、Xステージ21が移動不能になっても、X駆動ナット85xは送りねじ171xに沿って移動可能となるため、過大な負荷がかからずに済み、ねじ螺合部分に食い付きが生じたり、その他の動力伝達部分が損傷したりするおそれがない。なお、X軸駆動モータ170xによって図24の左方へX駆動ナット85xを駆動したときには、X駆動ナット85xがナット当接部76eから離れる方向への移動であるから、第2X移動部材76や第1X移動部材75にはモータ駆動力が作用せず、仮にXステージ21の移動が妨げられていても、駆動力伝達機構に無理な力が加わることはない。
Y軸方向の駆動機構もこれと同様の機能を備える。例えば、Y軸駆動モータ170yによって図24の上方へY駆動ナット85yを駆動したとき、Yステージ71が固定ホルダ23に当接して移動規制端に達したり、他の原因でYステージ71(またはXステージ21)の移動が妨げられたりすると、通常は一体に移動するY移動部材80とYステージ71が、引張結合ばね81yの付勢力に抗して、位置規制フランジ71c、80aと位置規制フランジ71d、80bを離間させる方向に相対移動する。具体的には、移動が妨げられたYステージ71に対して、Y移動部材80が単独で図24の上方へ移動することができる。これにより、Yステージ71が移動不能であっても、Y駆動ナット85yは送りねじ171yに沿って移動可能となるため、過大な負荷がかからずに済み、ねじ螺合部分に食い付きが生じたり、その他の動力伝達部分が損傷したりするおそれがない。なお、Y軸駆動モータ170yによって図24の下方へY駆動ナット85yを駆動したときには、Y駆動ナット85yがナット当接部80eから離れる方向への移動であるから、Y移動部材80やYステージ71にはモータ駆動力が作用せず、仮にYステージ71の移動が妨げられていても、駆動力伝達機構に無理な力が加わることはない。
前述の通り、X軸方向におけるXステージ21の移動端はYステージ71の内周面によって定められ、Y軸方向におけるYステージ71の移動端は固定ホルダ23の内周面によって定められる。理想的には、Xステージ21が左右の移動端に達したときに送りねじ171xからX駆動ナット85xへの駆動力伝達が遮断され、Yステージ71が上下の移動端に達したときに送りねじ171yからY駆動ナット85yへの駆動力伝達が遮断されることが好ましいが、部品の精度誤差などを考慮すると、必ずしもこのような理想的な関係になるとは限らない。例えば、Xステージ21(あるいはYステージ71)が機械的な移動端に達した状態で駆動ナット85x(85y)と送りねじ171x(171y)の螺合長さにまだ余裕がある場合、前述したような損傷防止構造を備えていなければ、さらなるモータ駆動によって負荷がかかり、駆動ナット85x(85y)と送りねじ171x(171y)に食い付きが生じてしまうおそれがある。これを防ぐための対策として、Xステージ21やYステージ71が容易に移動端に達しないように可動量に十分なマージンを持たせた上で、送りねじ171x(171y)の両端部に駆動ナット85x(85y)が達したときにねじ螺合が解除して駆動ナット85x(85y)が脱落するように構成することが考えられる。しかし、この構成では、Xステージ21やYステージ71の可動範囲を必要以上に大きくせざるを得ないため、装置全体が大型化するおそれがある。また、Xステージ21やYステージ71が移動端とは関係のない中間位置で移動不良に陥った場合には、Xステージ21やYステージ71の可動範囲に関係なく、ねじ螺合部分に大きな負荷がかかってしまう。これに対し、本実施形態の像振れ補正装置では、駆動機構に設けた中間部材(第1X移動部材75と第2X移動部材76、Yステージ71とY移動部材80)の相対移動によって移動量の誤差を吸収するので、Xステージ21やYステージ71の可動範囲を必要以上に大きくする必要がない。また、前述したように、Xステージ21やYステージ71が移動端とは関係のない中間位置で移動不能になっても、この中間部材の相対移動で駆動ナット85x(85y)の移動量との差を吸収するので、ねじ螺合部分には負荷がかからない。本実施形態では、第1X移動部材75と第2X移動部材76の相対移動量は、X駆動ナット85xとXステージ21がそれぞれの可動範囲においていかなる位置関係にあっても、その位置誤差を吸収できるように設定されている。同様に、Yステージ71とY移動部材80の相対移動量は、Y駆動ナット85yとYステージ71がそれぞれの可動範囲においていかなる位置関係にあっても、その位置誤差を吸収できるように設定されている。
駆動力伝達機構に対して負荷がかかる原因は、Xステージ21やYステージ71の移動が制限されることだけではない。振れ補正用の光学要素であるCCD60はX軸やY軸方向に移動自在に支持されているため、デジタルカメラ200を落下させたりして瞬間的に大きな外力が加わると、モータ170x、170yによる駆動力を与えていないにも関わらず、CCD60を保持するXステージに21やYステージ71に移動力が作用するおそれがある。本実施形態の像振れ補正装置では、このような場合にも負荷や衝撃を確実に吸収することができる。
例えば、モータ駆動力以外の外力によってXステージ21が図24の左方へ移動された場合、伝達ローラ21cを介して第1X移動部材75が同方向へ押圧される。この押圧方向は、位置規制フランジ75a、75bを位置規制フランジ76a、76bから離間させる方向であるため、第1X移動部材75は、引張結合ばね81xの付勢力に抗しつつ単独で移動することができる。このとき、第2X移動部材76に作用するのは、引張結合ばね81xによる弾性的な引張力だけであり、第1X移動部材75が第2X移動部材76を機械的に押圧することがないので、第2X移動部材76からX駆動ナット85xに対して過度な力が加わらない。また、外力によってXステージ21が図24の左方へ移動された場合には、伝達ローラ21cが連動突起75gから離れる方向への移動であるから、第1X移動部材75と第2X移動部材76のいずれにもXステージ21の移動力は影響しない。つまり、X軸駆動モータ170xを停止した状態でXステージ21が外力などによって正逆いずれの方向に移動しても、X駆動ナット85xと送りねじ171xの螺合部分には無理な力が加わることがない。
また、モータ駆動力以外の外力によってYステージ71が図24の下方へ移動された場合、この押圧方向は、位置規制フランジ80a、80bを位置規制フランジ71c、71dから離間させる方向であるため、Yステージ71は、引張結合ばね81yの付勢力に抗しつつ単独で移動することができる。このとき、Y移動部材80に作用するのは、引張結合ばね81yによる弾性的な引張力だけであり、Yステージ71がY移動部材80を機械的に押圧することがないので、Y移動部材80に当接するY駆動ナット85yに対して過度な力が加わらない。また、外力によってYステージ71が図24の上方へ移動された場合には、位置規制フランジ80a、80bと位置規制フランジ71c、71dの当接関係によってY移動部材80が上方に押圧されるが、この移動方向は、ナット当接部80eがY駆動ナット85yから離れる方向への移動であるから、Y駆動ナット85yには移動力が加わらない。つまり、Y軸駆動モータ170yを停止した状態でYステージ71が外力などによって正逆いずれの方向に移動しても、Y駆動ナット85yと送りねじ171yの螺合部分には無理な力が加わることがない。
以上のように、本実施形態の像振れ補正装置では、モータ駆動時にXステージ21やYステージ71の移動不良があった場合と、外力などによりXステージ21やYステージ71が予期せぬ移動をした場合のいずれにおいても、その移動力を吸収して駆動機構の損傷を防ぐことができる。特に、駆動ナット85x、85yと送りねじ171x、171yの螺合部分に負荷がかからないようにしているため、ねじ螺合部分の損傷防止効果が高い。送りねじ171x、171yのリードを小さくすることでXステージ21やYステージ71を高精度に駆動できるが、送りねじのリードを小さくするとその分強度的には不利になる。しかし、本実施形態の構成によれば、ねじ螺合部分に負荷がかかるおそれがないので、送りねじ171x、171yのリードを小さくすることができる。
図26ないし図28は、振れ補正ユニットISの別の実施形態を示す。図26ないし図28では、以上の実施形態と共通する部材には同じ符号を付している。この別実施形態では、Xステージ付勢ばね87xの一端部が固定ホルダ23ではなくYステージ71に係合されている点のみが以上の実施形態と異なる。すなわち、Xステージ付勢ばね87xは、Xステージ21のばね掛け突起21vとYステージ71のばね掛け突起71wの間に張設されている。この態様でも最初の実施形態と同じ効果が得られる。
「本発明の像振れ補正装置の特徴部分の説明」
以上の実施形態に示したように、本発明の像振れ補正装置は、固定ホルダ(固定部材)23上に、撮影光軸Z1と直交する平面内においてY方向(第1の方向)に直進移動自在にYステージ(第1ステージ、第2の移動体)71を支持しており、このYステージ71上に、撮影光軸Z1と直交する平面内においてY方向と直交するX方向(第2の方向)に直進移動自在にしてXステージ(第2ステージ)21を支持しており、このXステージ21にCCD(振れ補正光学要素)60が搭載されている。そして、図24及び図28に示すように、Xガイドロッド72と74からなるX軸方向案内手段によってガイドされるXステージ21の機械的な移動端位置は、Yステージ71の内周面によって定められる。また、Yガイドロッド73と79からなるY軸方向案内手段によってガイドされるYステージ71の機械的な移動端位置は固定ホルダ23の内周面によって定められる。撮影状態での像振れ補正時のXステージ21とYステージ71のそれぞれの移動範囲は、この機械的な移動端まで達しないように制御されている。すなわち、制御回路102(駆動制御手段)は、機械的な可動域よりも狭い範囲(正逆の機械的移動端に達しない中間の所定範囲)でXステージ21とYステージ71を移動させるように、X軸駆動モータ170xとY軸駆動モータ170yに像振れ補正用の駆動信号を与える。
撮影状態(光学系の使用状態)から非撮影状態(光学系の非使用状態)への移行操作としてメインスイッチ101(電源)をオフすると、制御回路102は、Y軸駆動モータ170y、Y駆動ナット85y、Y移動部材(第1の移動体)80からなるY軸方向駆動手段(第1駆動手段)によって、Yステージ71を像振れ補正時の移動範囲を超えて案内手段における移動端位置(待機位置)に移動させる。具体的には、図29に示すように、固定ホルダ23のストッパ面23cに当接する上方の移動端までYステージ71が移動されるように、制御回廊102がY軸駆動モータ170yを駆動制御する。また、制御回路102は、X軸駆動モータ170x、X駆動ナット85x、第2X移動部材76(第1の移動体)、第1X移動部材75(第2の移動体)からなるX軸方向駆動手段(第2駆動手段)によって、Xステージ21を像振れ補正時の移動範囲を超えて案内手段における移動端位置(待機位置)に移動させる。具体的には、図29に示すように、Yステージ71のストッパ面71iに当接する右方(カメラ正面から見て左方)の移動端までXステージ71が移動されるように、制御回廊102がX軸駆動モータ170xを駆動制御する。
制御回路102は、Xステージ21とYステージ71がそれぞれの移動端まで達したところでX軸駆動モータ170xとY軸駆動モータ170yを停止させる。すると、Xステージ21はX軸方向での位置が固定され、Yステージ71はY軸方向での位置が固定され、それぞれ不用意に動くことなく安定して保持される。このようにXステージ21とYステージ71を機械的移動端に接近移動させることによって、独立したロック機構を備えることなく、デジタルカメラ200の非使用時には、Xステージ21やYステージ71を固定することができる。そして、Xステージ21やYステージ71を機械的移動端位置(待機位置)まで移動させた後は、X軸駆動モータ170xとY軸駆動モータ170yに通電せずにXステージ21やYステージ71を固定させておくことができるので、余分な消費電力がかからない。なお、図29は、Xステージ付勢ばね87xの張設構造が図24の第1実施形態に対応するものであるが、図28の第2実施形態でも、電源オフ時には、図29と同様にXステージ21とYステージ71を移動端まで移動させて固定することができる。
この電源オフ時の制御を説明する。この制御の前提として、Xステージ21とYステージ71を図29の移動端位置まで移動させるための端点位置データ(待機位置駆動データ)が、X軸駆動モータ170xとY軸駆動モータ170yのパルスデータとしてEEPROM(記憶手段)110(図25)に書き込まれている。このパルスデータは、例えばフォトインタラプタ103、104で検出されるX軸方向及びY軸方向の初期位置からの駆動パルス数として設定できる。そして、メインスイッチ101がオフされると図30のフローチャートに入り、まずステップS1で端点位置データ(パルスデータ)がEEPROM110から読み出されて制御回路102に入力される。続くステップS2で、この端点位置データに基づいて、制御回路102がモータドライバを介してX軸駆動モータ170xとY軸駆動モータ170yを所定パルス数駆動させる。すると、Xステージ21とYステージ71がそれぞれ図29に示す移動端に達して保持される。
以上の実施形態では、Y軸方向の駆動手段において、Y軸駆動モータ170yによって駆動されるY移動部材(第1の移動体)80とYステージ(第2の移動体)71を分けて設け、これらを引張結合ばね81yによって弾性的に結合させることにより、Yステージ71に無理な力が加わったときの逃げを構成できる。つまり、メインスイッチ101のオフに応じてYステージ71をストッパ面23cによる移動端位置へ駆動するに際して、その駆動量が多少オーバー気味であっても駆動機構にダメージが生じないので制御が容易である。また、図29に示す移動端位置からYステージ71を反対方向(下方)に移動させる力が加わった場合には、引張結合ばね81yの付勢力に抗して移動する必要があるが、前述の通り引張結合ばね81yはYステージ付勢ばね87yよりも強いばねであり、その強い付勢力によって、Yステージ71を図29の移動端位置に安定して位置させることができる。別言すれば、引張結合ばね81yとYステージ付勢ばね87yという2つの付勢手段を備えた構造において、メインスイッチ101のオフ時には、付勢力の弱いYステージ付勢ばね87yに抗する方向へYステージ71を駆動することによって、円滑な移動と移動端での安定保持が可能になっている。しかし、Y軸方向の駆動機構においてYステージ71とY移動部材80を一体に形成することも可能である。
また以上の実施形態では、X軸方向の駆動手段において、X軸駆動モータ170xによって駆動される第1X移動部材(第1の移動体)75と第2X移動部材(第2の移動体)76を分けて設け、これらを引張結合ばね81xによって弾性的に結合させることにより、Xステージ21に無理な力が加わったときの逃げを構成できる。つまり、メインスイッチ101のオフに応じてXステージ21をストッパ面71iによる移動端位置へ駆動するに際して、その駆動量が多少オーバー気味であっても駆動機構にダメージが生じないので制御が容易である。また、図29に示す移動端位置からXステージ21を反対方向(左方)に移動させる力が加わった場合には、引張結合ばね81xの付勢力に抗して移動する必要があるが、前述の通り引張結合ばね81xはXステージ付勢ばね87xよりも強いばねであり、その強い付勢力によって、Xステージ21を図29の移動端位置に安定して位置させることができる。別言すれば、引張結合ばね81xとXステージ付勢ばね87xという2つの付勢手段を備えた構造において、メインスイッチ101のオフ時には、付勢力の弱いXステージ付勢ばね87xに抗する方向へXステージ21を駆動することによって、円滑な移動と移動端での安定保持が可能になっている。しかし、X軸方向の駆動機構において第1X移動部材75と第2X移動部材76を一体に形成することも可能である。
なお、電源オフ時にXステージ21やYステージ71を移動させる待機位置を、機械的移動端に到達するよりも手前の移動端近傍位置に設定してもほぼ同様の効果が得られる。例えば、Xステージ21に関しては、Yステージ71の内周面に当接する機械的移動端まで移動させずに該移動端の近傍位置を電源オフ時の停止位置(待機位置)として設定し、Yステージ71に関しては、固定ホルダ23の内周面に当接する機械的移動端まで移動させずに該移動端の近傍位置を電源オフ時の停止位置(待機位置)として設定することができる。このように機械的移動端との間にわずかな隙間がある状態でXステージ21やYステージ71を停止させても、ガタつく量が非常にわずかであるため、電源オフ時における駆動機構の損傷を防ぐことができる。この場合、EEPROM110に記憶させるX軸駆動モータ170xやY軸駆動モータ170yのパルスデータ(待機位置駆動データ)の値を、上記の端点位置データ(機械的移動端に移動させるまでのモータ駆動量)に代えて、移動端近傍で停止させるための値にすればよい。
以上、図示実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、以上の実施形態はデジタルカメラの像振れ補正装置として適用したものであるが、本発明による像振れ補正装置は、カメラ以外にも双眼鏡など様々な光学機器に適用することができる。
また、実施形態では、CCD60を駆動して像振れ補正を行っているが、像振れ補正時に駆動する光学要素はレンズ群などであってもよい。
また、実施形態では、X軸とY軸の直交二方向での待機位置(移動端位置または移動端近傍位置)へXステージ21とYステージ71を駆動させているが、いずれか一方向の待機位置(移動端位置または移動端近傍位置)のみにステージを移動させる態様も可能である。
本発明を適用した像振れ補正装置を備えたデジタルカメラの正面図である。 同デジタルカメラの撮影状態における側断面図である。 同デジタルカメラの鏡筒収納状態の側断面図である。 同デジタルカメラの収納状態におけるズームレンズ鏡筒の斜視図である。 ズームレンズ鏡筒の一部の分解斜視図である。 ズームレンズ鏡筒の異なる部分の分解斜視図である。 像振れ補正装置を構成する振れ補正ユニットの前方斜視図である。 振れ補正ユニットの後方斜視図である。 図8とは角度を異ならせた振れ補正ユニットの後方斜視図である。 振れ補正ユニットの分解斜視図である。 振れ補正ユニットにおける固定ホルダ付近を拡大して示した分解斜視図である。 Xステージの前方斜視図である。 Xステージの後方斜視図である。 第1X移動部材と第2X移動部材の分解状態を示す前方斜視図である。 第1X移動部材と第2X移動部材の分解状態と組立状態を示す後方斜視図である。 Y移動部材とYステージの分解状態を示す前方斜視図である。 Y移動部材とYステージの分解状態と組立状態を示す後方斜視図である。 振れ補正ユニットから固定ホルダを除いた状態の前方斜視図である。 同後方斜視図である。 振れ補正ユニットからさらに駆動モータ、フォトインタラプタ、付勢用のばねを除いた状態の前方斜視図である。 同後方斜視図である。 振れ補正ユニットからさらに第2X移動部材とY移動部材を除いた状態の前方斜視図である。 同後方斜視図である。 振れ補正ユニットの構造を模式的に示す図である。 図1ないし図3のデジタルカメラの主要な電気回路構成を示すブロック図である。 振れ補正ユニットの別の実施形態を示す前方斜視図である。 同後方斜視図である。 図26及び図27の別形態の振れ補正ユニットを模式的に示す図である。 メインスイッチをオフしてXステージとYステージを待機位置に移動させた状態を示す、振れ補正ユニットの模式図である。 メインスイッチのオフに応じてXステージとYステージを待機位置に移動させる制御を示すフローチャート図である。
符号の説明
8 2群レンズ移動枠
10 2群直進案内環
11 カム環
12 第3繰出筒
13 第2繰出筒
14 直進案内環
15 第1繰出筒
18 ヘリコイド環
20 LCD
21 Xステージ(第2ステージ)
21a ガイド孔
21b ガイド溝
21c 伝達ローラ
21v ばね掛け突起
22 固定環
23 固定ホルダ(固定部材)
23a 退避カム突起
23bx 23by モータブラケット
23c ストッパ面(移動端位置)
23vx 23vy ばね掛け突起
25 ローパスフィルタ
28 ズームギヤ
60 CCD(振れ補正光学要素)
71 Yステージ(第1ステージ、第1の移動体)
71a 71e ガイド孔
71b ガイド溝
71c 71d 位置規制フランジ
71f ガイドピン
71g 71v 71w ばね掛け突起
71h 位置検出部
71i ストッパ面(移動端位置)
72 74 Xガイドロッド(案内手段)
77 78 Xガイドロッド
73 79 Yガイドロッド(案内手段)
75 第1X移動部材(駆動手段、第2の移動体)
75a 75b 位置規制フランジ
75c 75d 75e ガイド孔
75f ガイドピン
75g 連動突起
75h ばね掛け突起
75i 位置検出部
76 第2X移動部材(駆動手段、第1の移動体)
76a 76b 位置規制フランジ
76c ガイドピン
76d ガイド孔
76e ナット当接部
76f 直進溝
76g ばね掛け突起
80 Y移動部材(駆動手段、第1の移動体)
80a 80b 位置規制フランジ
80c ガイドピン
80d ガイド孔
80e ナット当接部
80f 直進溝
80g ばね掛け突起
81x 81y 引張結合ばね(第2の付勢手段)
85x X駆動ナット(駆動手段、第2駆動手段)
85y Y駆動ナット(駆動手段、第1駆動手段)
87x Xステージ付勢ばね(付勢手段)
87y Yステージ付勢ばね(付勢手段)
89x 89y ナット付勢ばね
100 シャッタユニット
101 メインスイッチ
102 制御回路(駆動制御手段)
103 104 フォトインタラプタ
105 Xジャイロセンサ
106 Yジャイロセンサ
107 撮影モード切替スイッチ
110 EEPROM(記憶手段)
170x X軸駆動モータ(駆動手段、第2駆動手段)
170y Y軸駆動モータ(駆動手段、第1駆動手段)
171x 送りねじ(駆動手段、第2駆動手段)
171y 送りねじ(駆動手段、第1駆動手段)
200 デジタルカメラ
201 ズームレンズ鏡筒
202 カメラボディ
IS 振れ補正ユニット
LG1 第1レンズ群
LG2 第2レンズ群
LG3 第3レンズ群
Z0 鏡筒中心軸
Z1 撮影光軸

Claims (7)

  1. 光学系の光軸と直交する平面内において、機械的に制限される作動範囲内で振れ補正光学要素を移動自在に案内する案内手段と;
    像振れ補正用の駆動信号に応じて、該案内手段に沿って振れ補正光学要素を移動させる駆動手段と;
    上記振れ補正光学要素を上記作動範囲の正逆いずれかの移動端方向に移動付勢する付勢手段と;
    光学系が使用状態から非使用状態になるとき、上記駆動手段によって、上記付勢手段の付勢方向と反対方向に向けて、像振れ補正時の移動範囲よりも上記案内手段の移動端に接近した待機位置まで振れ補正光学要素を移動させる駆動制御手段と;
    を備えたことを特徴とする像振れ補正装置。
  2. 請求項1記載の像振れ補正装置において、上記振れ補正光学要素の待機位置は、上記案内手段の移動端である像振れ補正装置。
  3. 請求項1記載の像振れ補正装置において、上記振れ補正光学要素の待機位置は、上記案内手段の移動端の近傍位置である像振れ補正装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の像振れ補正装置において、上記駆動手段は、
    駆動源と;
    この駆動源によって上記案内手段の案内方向へ移動される第1の移動体と;
    この第1の移動体と上記案内手段の案内方向へ相対移動可能に支持され、振れ補正光学要素に移動力を与える第2の移動体と;
    振れ補正光学要素に対する上記付勢手段の付勢方向と反対方向へ、該付勢手段よりも強い付勢力で第2の移動体を付勢する第2の付勢手段と;
    を備えている像振れ補正装置。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項記載の像振れ補正装置において、上記案内手段は、固定部材上に、上記光軸と直交する平面内において第1の方向に直進移動自在に支持された第1ステージと、この第1ステージ上に、上記光軸と直交する平面内において第1の方向と直交する第2の方向に直進移動自在に支持された、振れ補正光学要素を搭載した第2ステージとを備え、
    上記駆動手段は、上記第1ステージを第1の方向に正逆に駆動するための第1駆動手段と、上記第2ステージを第2の方向に正逆に駆動するため第2駆動手段とを備え、
    駆動制御手段は、光学系が使用状態から非使用状態になるとき、第1と第2の駆動手段によって第1ステージと第2ステージをそれぞれ上記待機位置まで移動させる像振れ補正装置。
  6. 請求項1ないしのいずれか1項記載の像振れ補正装置において、上記駆動手段による振れ補正光学要素の上記待機位置への駆動量を示す待機位置駆動データを記憶する記憶手段を備え、光学系が使用状態から非使用状態になるとき、この記憶手段から読み出した待機位置駆動データに基づき駆動制御手段が駆動手段を駆動させる像振れ補正装置。
  7. 請求項記載の像振れ補正装置において、上記駆動手段はステッピングモータを有し、上記記憶手段に記憶される待機位置駆動データはステッピングモータのパルスデータである像振れ補正装置。
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