JP4979978B2 - 新規可食性水溶性フィルム - Google Patents
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Description
本発明のポルフィラン単一成分よりなるフィルム(分子量40万を中心とする)の特性についてデンプン(コーン由来)、プルラン(分子量20万)、豚ゼラチン(分子量1000)など代表的な天然素材よりなるフィルムとの特性の比較について、実験データーを用い説明する。
実験を通じてポルフィランフィルムと他の重要な天然素材フィルムとの性質との比較を実施した。なお、用いたポルフィランフィルムの厚さは8〜12μm、他の素材のフィルムはいずれも10〜12μmの厚さで調製した
(実験1−保湿性試験)
室温中湿度30%のデシケーターに48時間保管後、湿度20%のデシケーターに移し48時間後の重量変化を測定した。数値は湿度20%のデシケーターに移す前の重量を100とした値を重量変化をパーセントであらわした。結果は第1表に示した。その結果、ポルフィランとデンプンは2%以下の減量で高い保湿能が認められ、次いでプルランで、ゼラチンは約10%減量した。
湿温中、湿度30%で48時間保管し平衡化後、40℃、湿度90%の環境試験機内に移し、48時間後の重量変化を測定した。結果は第2表に示した。各数値は湿度90%に移す前の重量を100とした重量相対値(%)である。水分の吸収量はポルフィランが最も多く、次いでデンプン、プルラン、ゼラチンの順であった。
実験方法:フィルムの引っ張り強度を測定した。試験方法はオートグラフAGS‐5KND(島津製作所製)(使用ロードセル1kN)を用い、JISK7127;1999(JIS法プラスチック・引っ張り特性の試験方法・第3部:フィルムおよびシートの試験条件)に準拠して実施した。試験速度は50mm/分、標線間距離25mmとした。試験は5枚の断片の平均値とした。試験片は(1)温度23℃、湿度50℃、(2)温度25℃、湿度70%で1時間調整後、直ちに室温状態で測定した。上記(1)条件下での測定結果を表3に、(2)条件下での測定を表4に示した。ポルフィランとゼラチンの引っ張り強度は、ほぼ同等、プルランはやや低く、デンプンは強度的にはかなり低いことが明らかになった。
実験方法:弾性についてはフィルムを同方向に180度曲げ伸ばしすることにより,ひび割れや破損が起きるかどうかを調べた。フィルムは、1)湿度30%で48時間放置、2)湿度20%で48時間放置し、直ちにフィルムを5回連続して折り曲げ、ひび割れ,破損を観察した.その結果を表5,6に示した。デンプンはいずれの湿度でもフィルムの破損が発生したが、プルランは湿度30%では破損は発生しなかったが、湿度が20%に低下した環境下では破損が発生した。一方、ポルフィラン、ゼラチンはいずれの環境下においても変化はなく弾力性を維持した。
湿度20%、40℃に調整した環境試験機内に各フィルムサンプルをおき、フィルムの変化を観察した。その結果、表7に示したが、ゼラチンは軟化したが、他のサンプルは特に変化は認められなかった。
代表的な天然素材よりなる単一組成フィルムの特性を総合的に比較し、判定した。その結果を第8表に示した。その結果、総合判定ではポルフィランが最も高い点を獲得した。なお、判定は実験1〜5の結果を基に判定した。評価は5段階評価とし、5点;極めて優れている、4点;優れている、3点;標準、2点;劣っている、1点;極めて劣っている、で点数評価した。総合評価は各項目得点の合計とした。
(実験6:各分子量のポルフィランフィルムの引っ張り強度についての比較試験)
分子量40万のポルフィラン2.5%濃度(w/v)水溶液を、pH4.0に希硫酸で調整し、55℃で所定の時間(0〜70分)放置した。予備実験から放置時間と分子量低下との関係を求め、所定の時間経過後NaOH液によりpHを中性に戻し、分子量20万、10万、5万、1万、5千、1千のポルフィランを含む溶液を調製した。これらの溶液から得たフィルムについて実験3に記載した実験法により引っ張り強度、弾性について比較試験をした。その結果を表9に示した。
(ポルフィラン調製工程例1):
九州有明産スサビノリの乾海苔1kgを沸騰した12kgの脱イオン水の懸濁し、95℃、3時間抽出を行った。次いで、抽出残査を50メッシュのシフターで濾別後、抽出液重量に対して1%相当の珪藻土と5%に相当する活性炭を添加して、遠心分離(14000rpm、10分)を行った。抽出残分、着色物及び臭いを完全に除去し、得られた溶液は固形分濃度が3%になるまで濃縮した。必要に応じて珪藻土、活性炭での処理を2〜3回繰り返し行った。
ポルフィラン調製工程例1で得られた3%ポルフィラン溶液1kgを攪拌しつつ、最終濃度が90%になるようにエチルアルコールをゆっくり加えると白色沈殿を得た。沈殿は濾別、乾燥し、ポルフィラン粉末を得た。
ポルフィラン調製工程例1で得られた3%ポルフィラン溶液4.5Lに脱イオン水4.5Lを加え、ダイヤイオンPK216(0.5L)カラムに通塔、次いでダイヤイオンPA412(1L)カラムに通塔し、流速3.5L/hrで流す。次いで脱イオン水3Lを通塔し、固形分濃度が0になるまで通塔液を採取する。通塔液は30%NaOH、または10%遊離アルギニン液にてpH6.5に中和し、ポルフィランNa塩液、ポルフィランアルギニン塩液を得た。本溶液に珪藻土を加え、濾過してポルフィランNa塩液(ポルフィラン調製工程例3)、ポルフィランアルギニン塩液(ポルフィラン調製工程例4)とした。
ポルフィラン調製工程例3で得られたポルフィランNa塩溶液を濃縮して3%ポルフィラン水溶液を得た。本溶液を硫酸でpH4.0に調整し、55℃で0〜70分放置後、苛性ソーダーで再びpH6.5に中和することにより分子量の低下した各種ポルフィラン低分子溶液を得た。分子量は放置時間と共に低下し、その結果、分子量20万、10万、5万、1万、5千、1千の低分子化ポルフィランを得た。
ポルフィラン調製工程例1で製造したポルフィラン3%水溶液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム表面にアプリケーターにより塗布し、塗布膜を70℃の熱風中を通過させて乾燥し、8〜12μmのポルフィラン単一フィルムを調製した。
ポルフィラン調製工程例2で製造したポルフィラン粉末40gを温イオン交換水500mlに、撹拌下、時間をかけてゆっくり溶解し、PETフィルム表面にアプリケーターに塗布し、塗布膜を70℃の熱風中を通過させて乾燥して20〜25μmの厚さのポルフィラン単一フィルムを調製した。
ポルフィラン調製工程例3で得た3%ポルフィランNa塩液及び、ポルフィラン調製工程例4で得た3%ポルフィランアルギニン塩液を、OPPフィルム表面にアプリケーターにより塗布し、塗布膜を70℃の熱風中を通過させて乾燥して10μmの厚さのポルフィランNa塩単一フィルム、ポルフィランアルギニン塩単一フィルムをそれぞれ調製した。
ポルフィラン調製工程例3で得た3%ポルフィランNa塩溶液をPETフィルム表面に塗布し、70℃の熱風中を通過させて乾燥して作成したPET上のポルフィランフィルムに、再度3%ポルフィランNa塩溶液を重ねて塗布し、80℃熱風中を通過させて乾燥し、20μmの厚さのポルフィランNa塩単一フィルムを作成した。
ポルフィラン調製工程例5で作成したそれぞれの分子量の低分子化ポルフィランNa溶液を固形分濃度3〜10%濃度に濃縮し、PETフィルム上に塗布し、熱風乾燥することによりそれぞれの分子量のポルフィラン単一フィルムを作成した。
ポルフィラン調製工程例2で製造したポルフィランNa塩粉末200gを温イオン交換水に撹拌下、時間をかけてゆっくり溶解し、グリセリン100g、ソルビトール100gを加え、2Lに調整する。この溶液を用い、ポルフィランフィルムを作成した。このフィルムを用い、打ち抜き式カプセル製造機を用いカプセルを製造した。
実施例2のフィルム調製例3で得たポルフィランアルギニン塩フィルムを20×40mmに切り取り、皮膚化粧用のフィルムを作成した。21℃、湿度60%の室内で化粧水を塗布後、本フィルムを目の下の皮膚に貼り、指先で溶解、伸展させた。直ちにコルネオメーターで皮膚の水分量変化を測定した結果、皮膚の水分量は120分間変化なく維持された。
Claims (6)
- フィルム形成素材としてポルフィラン単一成分を用いて製造されたことを特徴とする透明性が高く、無味、無臭である食品用又は医薬用可食性水溶性フィルム。
- ポルフィランが、ポルフィラン中の硫酸基の塩を、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルギニン塩、オルニチン塩、又はヒスチジン塩に変換して改質したポルフィランであることを特徴とする請求項1記載の食品用又は医薬用可食性水溶性フィルム。
- ポルフィランの分子量が、600,000から1,000までの範囲に調整されていることを特徴とする請求項1又は2記載の食品用又は医薬用可食性水溶性フィルム。
- 可食性水溶性フィルムが、シート状のフィルムとして形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の食品用又は医薬用可食性水溶性フィルム。
- 可食性水溶性フィルムが、水溶性カプセルの形状に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の食品用又は医薬用可食性水溶性フィルム。
- 請求項1〜3のいずれか記載のポルフィランの水溶液を、フィルム支持体上に塗布或いはスプレイし、乾燥して、シート状のフィルムとして形成するか、又は、請求項1〜3のいずれか記載のポルフィランの水溶液を、カプセル製造機を用いて、水溶性カプセルの形状に形成することを特徴とする食品用又は医薬用可食性水溶性フィルムの製造方法。
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