JP4979272B2 - モータの駆動回路 - Google Patents

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Description

本発明は、モータの駆動回路に関し、特にリニア駆動方式のモータの駆動回路に関する。
図4は、従来技術に係るモータの駆動回路の一例を示す。
モータ1は、コイル2を有する単相ブラシレスモータである。前記モータ1は、前記コイル2に印加される駆動信号S1に応じて回転する。ホール素子3は、前記モータ1の回転位相を検出して検出信号S2を出力する。ホールアンプ4は、前記検出信号S2を増幅して増幅検出信号S3を出力する。出力アンプ5は、電源電圧V1に応じて、前記増幅検出信号S3を増幅して前記駆動信号S1を出力する。このように、前記モータ1、前記ホール素子3、前記ホールアンプ4、及び前記出力アンプ5は、フィードバックループを形成して、前記モータ1をリニア駆動する。
斯かるモータの駆動回路では、前記モータ1の回転速度は、前記電源電圧V1に依存する。すなわち、前記モータ1の回転速度は、前記電源電圧V1が大きく設定されると早くなり、前記電源電圧V1が小さく設定されると遅くなる。
関連した技術文献としては、例えば以下の特許文献が挙げられる。
特開平5−30780
上述したモータの駆動回路では、前記電源電圧V1が切り替えられても、前記駆動信号S1の振幅は一定であった。
図5は、前記駆動信号S1の波形図を示す。
先ず、図5(a)は、前記電源電圧V1に対して、前記駆動信号S1の振幅が適正である場合の前記駆動信号S1の波形図を示す。一般に、前記駆動信号S1は、前記電源電圧V1により僅かに歪むように設計される。
一方、図5(b)は、図5(a)よりも前記モータ1の回転速度が早くなるように、前記電源電圧V1が大きく設定された場合の前記駆動信号S1の波形図を示す。前述したように、前記電源電圧V1が切り替えられても、前記駆動信号S1の振幅は固定される。この場合、前記駆動信号S1は、前記電源電圧V1に満たないため、前記モータ1は、駆動能力が不足して、設定された回転速度に到達できない。また、前記出力アンプ5において、前記電源電圧V1と前記駆動信号S1との電位差に応じた熱が発生し、放熱対策が必要となる。
また、図5(c)は、図5(a)よりも前記モータ1の回転速度が遅くなるように、前記電源電圧V1が小さく設定された場合の前記駆動信号S1の波形図を示す。この場合、前記駆動信号S1は、前記電源電圧V1を超える領域において大きく歪み、略矩形波状になる。このため、前記駆動信号S1の変化が急峻となり、騒音が発生する。
上記に鑑み、本発明に係るモータの駆動回路は、モータの回転位相を検出して検出信号を出力する検出回路と、前記検出信号を増幅して増幅検出信号を出力する増幅回路と、前記増幅検出信号を電源電圧に従い増幅して駆動信号を出力する出力アンプと、前記駆動信号に応じて駆動するモータと、を備え、前記検出信号の振幅は、前記電源電圧に応じて、前記駆動信号の飽和時間と非飽和時間との比が一定値を保つように変化することを特徴とする。
また、前記電源電圧に応じた変換電圧を出力する電圧変換回路と、前記変換電圧を一方の入力とし、前記増幅検出信号を他方の入力としたバイアス設定アンプと、を備え、前記バイアス設定アンプの出力は、前記検出回路のホール素子に印加されるホールバイアスとなることを特徴とする。
また、前記電源電圧は、目標とするモータの回転速度に応じて切り替えられることを特徴とする。
本発明に係るモータの駆動回路では、電源電圧に応じて、駆動信号の飽和時間と非飽和時間との比が一定値を保つように、検出信号の振幅が変化する。このため、モータの回転速度を変えても、設定された電源電圧に適した駆動信号の振幅が得られる。このため、発熱、騒音の発生を防ぐことができる。
また、増幅検出信号と、電源電圧に応じた設定電圧とに応じてホール素子のホールバイアを制御するため、検出信号の振幅を最適値に設定することができる。
また、電源電圧によりモータの回転速度が設定される構成をとっても、発熱、騒音を防ぐことができる。
以下、本発明に係るモータの駆動回路について、詳細に説明する。
図1は、本発明に係るモータの駆動回路の一例を示す。斯かる駆動回路は、モータ1、ホール素子3、ホールアンプ4、及び出力アンプ5は、フィードバックループを形成して、前記モータ1をリニア駆動する。ここで、前記モータ1の回転速度は、前記出力アンプ5に印加される電源電圧V1に応じて制御される。ここで、前記電源電圧V1は、速度制御回路6により、設定された回転速度に対応した値に調整されて出力される。そして、前記電源電圧V1は、電圧変換回路7及びバイアス設定アンプ8を介して、前記ホール素子3に印加されるホールバイアスV2となる。以下、本発明に係るモータの駆動回路について、具体的に説明する。
モータ1は、コイル2を有する単相ブラシレスモータである。前記モータ1は、回転子にロータマグネットが取着されており、前記コイル2に印加される駆動信号S1に応じて回転する。
ホール素子3は、前記モータ1のロータマグネットが通過する適宜な部位に配設されており、前記モータ1の回転位相を検出して、検出信号S2を出力する。すなわち、前記ホール素子3は、一定の電流を通電するため、通電用の一方の端子には、第1のバイアス抵抗Raを介して所定のホールバイアスV2が印加される。一方、通電用の他方の端子は、第2のバイアス抵抗Rbを介してグランドに接続される。そして、前記ホール素子3は、ロータマグネットの通過に伴う磁束密度の変化に応じて、2つの出力端子から逆位相の正弦波電圧である検出信号S2を出力する。前記ホール素子3は、例えば、ガリウム砒素(GaAs)、インジウムアンチモン(InSb)からなる。ここで、前記検出信号S2の振幅は、前記第1のバイアス抵抗Raに印加される前記ホールバイアスV2に依存する。本発明に係るモータの駆動回路では、後に説明するように、前記ホールバイアスV2は、目標とするモータの回転速度に応じて設定される電源電圧V1に応じて適宜変化する。すなわち、前記電源電圧V1に応じて前記検出信号S2の振幅は変化することができる。
ホールアンプ4は、前記検出信号S2を増幅して、増幅検出信号S3を出力する。すなわち、前記ホールアンプ4の非反転入力端子には、前記ホール素子3の出力が印加され、反転入力端子には、前記ホール素子3の反転出力が印加される。そして、前記ホールアンプ4から、前記検出信号S2の振幅が増幅された正弦波形の増幅検出信号S3が出力される。
出力アンプ5は、印加される前記電源電圧V1に応じて、前記増幅検出信号S3を増幅して、駆動信号S1を出力する。すなわち、前記電源電圧V1の値と前記検出信号S2の増幅度とは比例する。また、前記電源電圧V1は、前記出力アンプ5が正常動作する為の入力電圧範囲を規定する。すなわち、前記増幅検出信号S3の電圧が、前記電源電圧V1の範囲を超える場合、前記出力アンプ5から出力される前記駆動信号S1は、前記電源電圧V1を越える範囲が歪んだ略区形状となる。
ここで、前記電源電圧V1は、目標とするモータの回転速度に応じて、速度制御回路6により設定される。具体的には、モータの回転速度を、基準よりも早くする場合、前記電源電圧V1は大きく設定され、基準よりも遅くする場合、前記電源電圧V1は小さく設定される。
ところで、本発明に係るモータの駆動回路では、前記電源電圧V1は、電圧変換回路7にも印加される。そして、前記電源電圧V1は、前記電圧変換回路7により、前記電源電圧V1に応じた変換電圧V3に変換されて、バイアス設定アンプ8に入力される。また、該バイアス設定アンプ8には、前記増幅検出信号S3も入力される。そして、前記バイアス設定アンプ8は、前記変換電圧V3と、前記増幅検出信号S3とを比較して、前記ホール素子3の前記ホールバイアスV2を出力する。
すなわち、本発明に係るモータの駆動回路では、設定された前記電源電圧V1に応じて、前記ホールバイアスV2も変化する。このため、前記検出信号S2のゲインは、前記電源電圧V1に応じて変化し、それに伴い、前記増幅検出信号S3、及び前記駆動信号S1の振幅も変化する。
図2は、前記出力アンプ5から出力された前記駆動信号S1の波形図を示す。
先ず、図2(a)は、前記電源電圧V1に対して、前記駆動信号S1の振幅が適正である場合の前記駆動信号S1の波形図を示す。一般に、前記駆動信号S1は、前記電源電圧V1により僅かに歪むように設計される。これは、前記電源電圧V1が、前記駆動信号S1よりも大きい場合、前記電源電圧V1と前記駆動信号S1との電位差に応じた発熱が生じる。一方、前記電源電圧V1が、前記駆動信号S1よりも小さい場合、前記駆動信号S1は、前記電源電圧V1を超える範囲で歪むため、前記駆動信号S1の変化が急峻になることに起因して騒音が発生する。ここで、発熱は、放熱対策等が必要となるため、騒音よりも防ぐべき問題である。そこで、発熱を最小限に抑えることに重点を置き、これら発熱と騒音とのバランスが最適となるように、前記電源電圧V1は、前記駆動信号S1よりも僅かに小さくなるように設計される。ここで、当該バランスが保たれた状態における、前記駆動電圧の飽和時間をt1、非飽和時間をt2と定義する。
また、図2(b)は、図2(a)よりも前記モータ1の回転速度が早くなるように、前記電源電圧V1が大きく設定された場合の前記駆動信号S1の波形図を示す。前述したように、本発明に係るモータの駆動回路では、前記ホールバイアスV2は、前記電源電圧V1に応じて大きくなる。この場合、前記検出信号S2の振幅も、前記電源電圧V1に応じて大きくなる。したがって、前記検出信号S2に依存する前記増幅検出信号S3、及び前記駆動信号S1の振幅も、前記電源電圧V1に応じて大きくなる。ここで、好ましくは、前記駆動信号S1の飽和時間t3と、非飽和時間t4との比が、図2(a)におけるt1とt2との比と等しくなるように、前記ホールバイアスV2が変化するように設定される。尚、前記電源電圧V1に応じた前記ホールバイアスV2の変化は、前記電圧変換回路7によって調節される。この場合、各電源電圧V1に応じた騒音と発熱との発生のバランスを最適に保つことができる。
また、図2(c)は、図2(a)よりも前記モータ1の回転速度が遅くなるように、前記電源電圧V1が小さく設定された場合の前記駆動信号S1の波形図を示す。前記ホールバイアスV2は、前記電源電圧V1に応じて小さくなる。この場合、前記検出信号S2の振幅も、前記電源電圧V1に応じて小さくなる。したがって、前記検出信号S2に依存する前記増幅検出信号S3、及び駆動信号S1の振幅も、前記電源電圧V1に応じて小さくなる。ここで、好ましくは、図2(b)と同様に、前記駆動信号S1の飽和時間t5と、非飽和時間t6との比が、図2(a)におけるt1とt2、及び図2(b)におけるt3とt4との比と等しくなるように、前記ホールバイアスV2は変化するように設定される。
図3は、前記電圧変換回路7の一例を示す。
斯かる電圧変換回路7は、前記電源電圧V1が、前述の飽和時間と非飽和時間との比が一定となるような前記変換電圧V3に変換するように構成されている。以下、当該回路について、具体的に説明する。
トランジスタQ1のベースには、前記電源電圧V1を抵抗R1と抵抗R2との抵抗分割により設定される電圧V4が発生する。ここで、前記トランジスタQ1とトランジスタQ2とは、同じベース−エミッタ間電圧を有する。このため、前記トランジスタQ2のエミッタにも、略電圧V4が発生する。ところで、トランジスタQ3とトランジスタQ4とは、ミラー回路を構成する。このため、前記トランジスタQ4のコレクタには、前記トランジスタQ3と前記トランジスタQ4とのミラー比、及び抵抗R3と抵抗R4との抵抗比により設定された電圧V5が発生する。そして、トランジスタQ5とトランジスタQ6とは、同じベース−エミッタ間電圧を有する。このため、前記トランジスタQ6のエミッタにも、略電圧V5が発生する。ここで、抵抗R5には、任意に設定できるレベルシフト電圧Vrが印加される。したがって、当該電圧変換回路7の出力部から、前記抵抗V2が前記レベルシフト電圧Vrにより、前記変換電圧V3に変換されて出力される。すなわち、前記変換電圧V3は、前記電源電圧V1に応じて変化し、且つ前記レベルシフト電圧Vrにより、前述した前記駆動信号S1の飽和時間と非飽和時間との比が満たされるように調節することができる。
以上、本発明に係るモータの駆動回路では、前記電源電圧V1を変化させると、前記駆動信号の振幅は、前記駆動信号の飽和時間と非飽和時間との比が、一定値を保つように変化する。このため、モータの回転速度を切り替えても、発熱、騒音を抑えることができる。
尚、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、本発明に係るモータの駆動回路では、単相ブラシレスモータの場合について説明したが、2相ブラシレスモータ、3相ブラシレスモータ等の場合でも同様に適用できる。
本発明の実施形態に係るモータ駆動回路の回路図を示す。 本発明の実施形態に係る駆動信号の波形図を示す。 本発明の実施形態に係る電圧変換回路の回路図を示す。 従来技術に係るモータ駆動回路の回路図を示す。 従来技術に係る駆動信号の波形図を示す。
符号の説明
1 モータ
2 コイル
3 ホール素子
4 ホールアンプ
5 出力アンプ
6 速度制御回路
7 電圧変換回路
8 バイアス設定アンプ
S1 駆動信号
S2 検出信号
S3 増幅検出信号
V1 電源電圧
V2 ホールバイアス
V3 変換電圧
Vr レベルシフト電圧

Claims (3)

  1. モータの回転位相を検出して検出信号を出力する検出回路と、
    前記検出信号を増幅して増幅検出信号を出力する増幅回路と、
    前記増幅検出信号を電源電圧に従い増幅して駆動信号を出力する出力アンプと、を備え、
    前記検出信号の振幅は、前記電源電圧に応じて、前記駆動信号の飽和時間と非飽和時間との比が一定値を保つように変化することを特徴とするモータの駆動回路。
  2. 前記電源電圧に応じた変換電圧を出力する電圧変換回路と、
    前記変換電圧を一方の入力とし、前記増幅検出信号を他方の入力としたバイアス設定アンプと、を備え、
    前記バイアス設定アンプの出力は、前記検出回路のホール素子に印加されるホールバイアスとなることを特徴とする請求項1に記載のモータの駆動回路。
  3. 前記電源電圧は、目標とするモータの回転速度に応じて切り替えられることを特徴とする請求項1に記載のモータの駆動回路。
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