JP4978838B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
燃料電池スタックの燃料極には燃料供給手段によって水素等の燃料が供給されており、酸素極に供給される空気中の酸素との電池反応によって発電し、燃料電池内において生成した水が外部へ排出されている。ところが、燃料電池スタック内部の流路に発生した水分が滞留し、空気の流通が阻害され、燃料電池の性能の低下等の問題を生じる可能性があった。
この問題を解決するものとしては、燃料電池スタックに回転軸を設け、この回転軸をモータで駆動して振動を与えることで流路に滞留した水を排出する振動装置を設けた燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
燃料電池スタック保持部材が、燃料気体供給管および燃料気体排出管と係合するガイドレールからなる前記の燃料電池システムである。
燃料気体供給管および燃料気体排出管には、可撓性の気体配管が結合されている前記の燃料電池システムである。
前記気体配管が接合部が気密を保持した状体で回転可能な継手によって結合されている前記の燃料電池システムである。
また、請求項2の構成によれば、燃料電池スタックを振動等によって円滑に変位させることが可能となるので、燃料電池内で生成した水を速やかに排出させ、水による閉塞が生じない燃料電池システムを提供することができる。
請求項4記載の構成によれば、気体の漏洩を防止し、燃料電池スタックの円滑な動きを可能とする。
また、燃料電池を装着した自動車の走行時の振動、あるいは遠心力等を積極的に活用し、燃料電池スタックに自転的運動あるいは公転的運動をさせることによって、電池反応で生成した水滴を速やかに排出させることが可能であることを見出したものである。
図1は、本発明の燃料電池システムを説明する図である
燃料電池システム1は、筐体1A内に取り付けた燃料電池スタック2、燃料供給系31、燃料排出系32、空気供給系4、冷却水供給系51、および冷却水排出系52から構成されている。
燃料供給系31は圧縮水素ボンベ、水素吸蔵合金等の水素貯蔵手段、調圧弁、圧力センサ等から構成されており、可撓性燃料配管33Aを、回転自在で気密性を保持することが可能な回転自在継手34Aによって燃料電池スタック2の燃料供給管23へ結合されれて、燃料電池スタック2へ所定の流量で水素が供給される。
また、燃料電池スタック2から排出される水素は、燃料排出管24に結合された回転自在継手34Bによって可撓性燃料配管33Bに接続されて、燃料排出系32によって処理される。
燃料電池スタック2の内部の燃料供給路から供給された水素と、燃料電池スタックの周囲から供給された空気中の酸素は、電池反応によって電気を発生するとともに水を生成する。また、酸素濃度が低下した空気は筐体1Aの壁面の空気排出口43から排出される。更に、冷却水および電池反応で生成した水は冷却水排出系52から排出され再利用される。
酸素極側流路形成部材25Bは、円盤の中央部に燃料通路27を有し、燃料が酸素極側に漏洩しないようにするガスケット装着部28を有している。
円盤状の部材の中央部から周辺部に向かって、酸素の供給および排出を行う流路26を形成する周辺部ほど相互の間隔が大きくなった水車状の凸条部29が形成されている。酸素極側流路形成部材25Bは、各単位燃料電池の電極に対して気体を供給するセパレータに所定の形状の凸条部を形成したり、あるいは複極板の表面に同様に凸条部を形成することによって製造することができる。
このように、酸素極側流路形成部材25Bにおいて、中央部から周辺部に向かって幅が大きくなる流路26を形成したので、自動車の振動等に応じて燃料電池スタック2が保持部材上を移動するとそれに伴って、酸素極側流路形成部材25Bの周辺部25Cから水が外部へ排出される。
その結果、燃料電池で生成した水が円滑に排出されるので、燃料電池内部において水による閉塞が生じることを防止することができる。
燃料電池スタック2は、両端部に端板21を配置して、単位燃料電池22を、燃料極側流路形成部材25A、酸素極側流路形成部材25Bを介して積層し、両側の端板21を締め付けボルト2Aによって固定されている。
燃料電池スタック2の上部から供給される空気42と冷却水53が、燃料電池スタック2の周囲から供給されるとともに、電池反応で生成した生成水55も周囲に排出される。
図4(A)は、燃料電池スタックの一部を拡大した断面図である。 図4(B)は、燃料極側流路形成部材を説明する図であり、図4(C)は、酸素極側流路形成部材を説明する図である。
単位燃料電池22は、固体高分子電解質膜22Bの両面に負極22A、正極22Cを配置し、中央部に燃料流路27を有している。
負極室の外周部22Dにはガスケット22Eが配置されて、負極室内を外部から封口している。一方、酸素極側流路形成部材の外周部25Cは外部へ開放している。
酸素極側流路形成部材、燃料極側流路形成部材のいずれも、遠心力、振動による作用により水が排出しやすい構造、すなわち円盤状の部材の中央部から周辺部に向かって、流路26を形成する周辺部ほど相互の間隔が大きくなった水車状の凸条部29が形成されている。
図5(A)は、本発明の燃料電池システムを説明する側面図であり、図5(B)および図5(C)は、保持部材側から積層方向から見た図である。
図5(A)に示すように、燃料電池スタック2が水平方向に保持部材8に装着されると、保持部材に設けた変位制限部材81の作用によって、積層方向と垂直な面内のみの変位に制限される。
図5(B)に示すように保持部材8には、円弧状部82にガイドレールが形成されている。燃料電池スタック2に力が加わらない場合には、燃料電池スタックに装着した燃料配管による力とつり合った状態、すなわち図5(B)においてAで示すように保持部材8に形成した円弧上部の下部83において保持される。
その結果、燃料電池スタックは、自動車の振動によって下部83を中心にして燃料電池スタックの軸を中心とした自転的な回転運動を行う。
このように、上昇および落下する際に加わる力が燃料電池スタックに作用する結果、燃
料電池内部から水が排出される。
このように自動車の走行による振動、あるいは遠心力によって燃料電池スタックを変位させる力が作用し、その結果燃料電池スタック内から水をはじき飛ばす力が作用する。
また、急ブレーキ時や、滑りやすい路面状態等のように自動車の動きが不安定となる場合にも、燃料電池スタックの動きが自動車の操縦安定性に悪影響を及ぼす可能性があるので、このような場合にも加速度センサー等の検出信号によって、同様に固定手段86によって固定することができる。
Claims (4)
- 円盤状の単位燃料電池の複数個が中心部から円周方向に広がった流路を有する流路形成部材を介して積層され、燃料極側の流体の流路は円盤の中央に設けた燃料気体供給路と連通し、燃料極側流路形成部材の周囲はガスケットによって周囲が封口され、酸素極側流路形成部材の外周部は外部へ開放されており、前記燃料気体供給路は、燃料電池スタックの両端板の中央から燃料電池スタックの積層方向に取り出された燃料気体供給管および気体排出管に連通し、燃料気体供給管および燃料気体排出管は水平に配置され、該燃料気体供給管および燃料気体排出管は、燃料電池スタックの積層方向と垂直な面内方向のみへの燃料電池スタックを変位可能とする燃料電池スタック保持部材によって保持されたことを特徴とする燃料電池システム。
- 燃料電池スタック保持部材が、燃料気体供給管および燃料気体排出管と係合するガイドレールからなることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
- 燃料気体供給管および燃料気体排出管には、可撓性の気体配管が結合されていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の燃料電池システム。
- 前記気体配管が接合部が気密を保持した状体で回転可能な継手によって結合されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の燃料電池システム。
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