JP4978126B2 - リチウム電池用包材 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム電池用包材に関する。
近年、パソコン、携帯電話などの携帯端末装置、ビデオカメラ、衛星などに用いられる電池として、超薄型化、小型化が可能なリチウム電池が盛んに開発されている。このようなリチウム電池に用いる包材として、従来の電池用包材として用いられている金属製の缶とは異なり、軽量で電池の形状を自由に選択できるという利点から、多層フィルム(例えば、耐熱性基材層/アルミニウム箔層/熱融着性フィルム層のような構成)を袋状にしたものが用いられるようになってきた。
リチウム電池は、電池内容物として正極材、負極材と共に、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルなどの浸透力を有する非プロトン性溶媒に、電解質(リチウム塩)を溶解した電解液、もしくは該電解液を含浸させたポリマーゲルからなる電解質層を含んでいる。このような浸透力を有する溶媒がシーラントとなる熱融着フィルム層を通過すると、アルミニウム箔層と熱融着性フィルム層間のラミネート強度が低下し、最終的には電解液が漏れ出すといった問題があった。
また、電解質であるリチウム塩としてはLiPF、LiBFなどの塩が用いられるが、これらの塩は水分との加水分解反応によりフッ酸を発生するので、金属面の腐食や多層フィルムの各層間のラミネート強度の低下を引き起こすことがあった。アルミニウム箔を用いることで、包材の表面からの水分浸入はほぼ遮断されるが、リチウム電池用包材は多層フィルムをヒートシールによって貼り合わせた構造をしており、シーラントとなる熱融着性フィルム層のシール部端面から浸入する水分によってリチウム塩の加水分解が懸念されている。そのため、アルミニウム箔層と熱融着性フィルム層との層間密着強度を強め、内容物耐性(耐電解液性や耐フッ酸性)を持たせることが必要であった。
さらに、リチウム電池は携帯型のモバイルに使用されることが多く、その使用環境が、例えば、真夏の車内などでは60〜70℃の高温下になる場合もあり、このような高温環境においても、リチウム電池用包材には電解液に対する耐性を付与する必要があった。
そこで、電解液や、電解質であるリチウム塩の加水分解により発生するフッ酸の影響による、アルミニウム箔層と熱融着性フィルム層間におけるディラミネーションを抑制するために各種手法が検討されている(特許文献1〜4参照。)。
特許文献1〜3には、電解液やフッ酸に対してもディラミネーションを起こさないリチウム電池用包材が開示されている。また、リチウム電池用包材は、ドライラミネート法で作成すると、作成の際に使用するウレタン系接着剤が電解液により膨潤し、ディラミネーションを引き起こすことがあるため、押出ラミネートや熱ラミネートなどの手法にて作成されている。
特許文献4には、ドライラミネート法で用いるウレタン系接着剤を改良する手法が開示されており、これにより、耐電解液性を有するウレタン系接着剤が得られ、ドライラミネート法でも、ディラミネーションを抑制した包材が作成できる。
ところで、近年、リチウム電池の安全性に関する要求、特にリチウム電池を包装するリチウム電池用包材の要求機能が高まっている。リチウム電池用包材の要求機能の一つとして耐水性が挙げられるが、上述したように、従来は電解質であるリチウム塩の加水分解によりフッ酸が発生するということから、リチウム電池用包材の評価方法として水を用いる評価はほとんど行われていなかった。しかし、リチウム電池が使用される環境では、例えば、携帯電話を誤って水中に落とすといった事故は容易に考えられる。この場合、耐水性がないためにディラミネーションを起こしたり、過度な吸湿に伴うフッ酸発生量の増加によりアルミニウム箔が腐食し、結果、ディラミネーションを引き起こす恐れもあり、耐水性と共に耐フッ酸性のさらなる向上も求められる。
このような観点から、リチウム電池用包材の評価方法として耐水性を評価する必要性が徐々にではあるが増えつつある。なお、リチウム電池用包材の電解液評価に際しては、通常、短冊状にした包材サンプルに85℃で電解液浸漬処理を施すが、その評価のハンドリングおよび耐水性評価を兼ねて、電解液浸漬処理後に水洗し、かつ水浸漬処理を行う方法も提案されている。
しかしながら、特許文献1〜3に記載のリチウム電池用包材では、耐水性が必ずしも十分ではなかった。また、特許文献4に記載の包材においても、耐水性という点では劣るものがあった。
また、リチウム電池は上述したような携帯型のモバイル用などの小型化の用途だけでなく、例えば自動車などの大型化の用途も進むと考えられており、特に自動車用途となると従来以上の耐電解液性、耐水性、耐フッ酸性の向上が求められる。
その一方で、リチウム電池用包材では冷間成形性が求められることが多く、成形性の付与という項目も要求機能として挙げられる。成形性の最も重要となる要因は、リチウム電池用包材の冷間成形用金型に対する滑り性が挙げられ、特に耐熱性基材層や熱融着性フィルム層の滑り性が重要とされる。
そこで、成形性を向上させた包材が提案されている(特許文献5〜7参照。)。
特許文献5では、あらゆる方向に対する破断点強度と伸びが同程度で、機械的性質(強度物性など)の方向性が少ない基材が開示されている。
特許文献6では、ラミネート後のエージングによる温度や時間をより高精度に制御する手法が開示されている。また、エージング条件によるスリップ剤の移行性(滑り性)を制御する内容についても記載されている。
特許文献7では、各層を貼り合わせた後に、包材を特定の温度で加熱する手法が開示されている。また、アルミニウム箔と内層とを熱接着性樹脂により熱ラミネーションする包材も記載されている。
特開2001−243928号公報 特開2004−42477号公報 特開2004−142302号公報 特開2002−187233号公報 特許第3567230号公報 特開2005−32456号公報 特開2005−26152号公報
しかしながら、特許文献5に記載の基材の強度物性を改善する方法では、基材の選択性という点で制約を受けることがあった。
また、特許文献6に記載の手法では、エージング条件の制御管理が非常に困難であり、現実性に欠ける部分があった。
また、特許文献7に記載の熱ラミネーションは、通常、耐電解液性付与(すなわち、ラミネート強度の向上)のために行う熱処理であるが、スリップ剤の移行性という点では非常に不利であった。
これらの内容から、耐電解液性を付与させるための熱処理(エージング処理や熱ラミネーションなど)は、成形性を左右するスリップ剤の移行量に影響を与えることが明白である。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、熱処理を施さなくても耐電解液性、耐フッ酸性、耐水性に優れ、かつ、成形性が良好なリチウム電池用包材を提供することを目的とする。
本発明のリチウム電池用包材は、基材層の一方の面に、接着剤層、アルミニウム箔層、コーティング層、接着樹脂層、シーラント層が順次積層したリチウム電池用包材であって、前記コーティング層が、希土類元素系酸化物ゾルを含有し、前記シーラント層の静摩擦係数比(S:μs−B)/(S:μs−M)が1〜3、動摩擦係数比(S:μk−B)/(S:μk−M)が1〜3であり、前記基材層の静摩擦係数比(O:μs−B)/(O:μs−M)が1〜3、動摩擦係数比(O:μk−B)/(O:μk−M)が1〜3であることを特徴とするリチウム電池用包材。
ただし、以下のようにする。
(S:μs−B):リチウム電池用包材としてのシーラント層の静摩擦係数
(S:μk−B):リチウム電池用包材としてのシーラント層の動摩擦係数
(S:μs−M):シーラント層単品の場合の静摩擦係数
(S:μk−M):シーラント層単品の場合の動摩擦係数
(O:μs−B):リチウム電池用包材としての基材層の静摩擦係数
(O:μk−B):リチウム電池用包材としての基材層の動摩擦係数
(O:μs−M):基材層単品の場合の静摩擦係数
(O:μk−M):基材層単品の場合の動摩擦係数
さらに、前記コーティング層が、下記(A)〜(C)に示す構造のいずれかであることが好ましい。
(A):希土類元素系酸化物ゾルまたは、希土類元素系酸化物ゾルとシランカップリング剤を含有する層からなる単層構造。
(B):カチオン性ポリマーと該カチオン性ポリマーを架橋させる架橋剤とを含む混合物を70〜99.9質量%と、希土類元素系酸化物ゾルを0.1〜30質量%含有する層からなる単層構造。
(C):希土類元素系酸化物ゾルまたは、希土類元素系酸化物ゾルとシランカップリング剤を含有する層と、カチオン性ポリマーと該カチオン性ポリマーを架橋させる架橋剤とを含む混合物を含有する層とを有する多層構造。
また、前記カチオン性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸とを有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフト重合させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノールよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
さらに、前記架橋剤が、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、オキサゾリン基のいずれかの官能基を有する化合物とシランカップリング剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記希土類元素系酸化物ゾルが、酸化セリウムゾル、酸化イットリウムゾル、酸化ネオジムゾル、酸化ランタンゾルよりなる群から選ばれる1種であることが好ましい。
さらに、前記接着樹脂層が、酸変性ポリオレフィン系樹脂を主成分とすることが好ましい。
また、前記基材層が、延伸ポリアミドフィルムまたは延伸ポリエステルフィルムであることが好ましい。
本発明によれば、熱処理を施さなくても耐電解液性、耐フッ酸性、耐水性に優れ、かつ、成形性が良好なリチウム電池用包材を提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
図1は本発明のリチウム電池用包材の一実施形態を説明した断面図である。図示例のリチウム電池用包材10は、基材層11の一方の面に、接着剤層12、アルミニウム箔層13、コーティング層14、接着樹脂層15、シーラント層16を順次積層してなる。
<コーティング層>
コーティング層14は、希土類元素系酸化物ゾルを含有する。また、下記(A)〜(C)に示す構造のいずれかであることが好ましい。
(A):希土類元素系酸化物ゾルまたは、希土類元素系酸化物ゾルとシランカップリング剤を含有する層からなる単層構造。
(B):カチオン性ポリマーと該カチオン性ポリマーを架橋させる架橋剤とを含む混合物を70〜99.9質量%と、希土類元素系酸化物ゾルを0.1〜30質量%含有する層からなる単層構造。
(C):希土類元素系酸化物ゾルまたは、希土類元素系酸化物ゾルとシランカップリング剤を含有する層と、カチオン性ポリマーと該カチオン性ポリマーを架橋させる架橋剤とを含む混合物を含有する層とを有する多層構造。
さらに、コーティング層14の厚さは、0.01〜10μmが好ましく、0.05〜1μmがより好ましい。厚さが上記範囲よりも薄いと、リチウム電池用包材10としての耐性を付与することが困難となる。一方、厚さが上記範囲よりも厚くなっても、後述するアルミニウム箔層13との接着性という点で飽和しているため上限値は上記値とするのが好ましい。
(カチオン性ポリマー)
前記カチオン性ポリマーとしてはアミンを含有するポリマーが挙げられ、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフト重合させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノールが好ましい。特に好適なのはアリルアミンまたはその誘導体である。
ポリエチレンイミンとイオン高分子錯体を形成するカルボン酸を有するポリマーとしては、ポリアクリル酸またはそのイオン塩などのポリカルボン酸(塩)、あるいはこれにコモノマーを導入させた共重合体や、カルボキシメチルセルロースまたはそのイオン塩などのカルボキシル基を有する多糖類が挙げられる。
ポリアリルアミンとしては、アリルアミン、アリルアミンアミド硫酸塩、ジアリルアミン、ジメチルアリルアミンなどの単独重合体あるいは共重合体を用いることが可能である。これらのアミンはフリーのアミンであっても、酢酸や塩酸によって安定化したアミンであってもよい。また、共重合体成分として、マレイン酸、二酸化イオウなどを用いることも可能である。さらに、1級アミンを部分メトキシ化させることで熱架橋性を付与させたタイプを用いることも可能である。
なお、アミノフェノールの場合も、1級アミンを部分メトキシ化させることで熱架橋性を付与させたタイプを用いることが可能である。
これらカチオン性ポリマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明者らは、リチウム電池用包材10で要求される耐電解液性や耐フッ酸性を付与させるべく様々な化合物を用い鋭意検討を行った結果、カチオン性ポリマーは耐電解液性や耐フッ酸性に優れる化合物であることを見出した。この要因としては、フッ素イオンをカチオン性基でトラップすることで、アルミニウム箔のダメージを抑制するためと推測される。
しかしながら上述したように、耐水性評価をする際に水浸漬を行う場合に、コーティング層14としての耐水性・耐水接着性を考慮する必要があるが、アミンなどのカチオン性基を有するポリマーは水系であるため、耐水性・耐水接着性に劣るという結果を招く。
そこで、本発明者らは、電解液評価後の水浸漬に伴うディラミネーションの課題について鋭意検討した結果、カチオン性ポリマーが耐水性・耐水接着性に劣る要因として、カチオン性ポリマーが水に溶解することや、接着界面での耐水性に問題があることに注目した。さらに、要因の解決策としては、前者は架橋剤を添加すること、後者は接着界面で相互作用を形成させることが挙げられるが、後者の要因の一つが前者であることから、前者を改善することにより後者も解決することを見出し、コーティング層14としての耐水性・耐水接着性の問題を解決するに至った。
(架橋剤)
架橋剤は、アミンと反応性を示す官能基を有する化合物が好適であり、官能基としては、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、オキサゾリン基が好ましい。
イソシアネート基を有する化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートまたはその水素添加物;ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートまたはその水素添加物;イソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネート類、またはこれらイソシアネート類をトリメチロールプロパンなどの多価アルコールと反応させたアダクト体や、水と反応させることで得られたビューレット体;三量体であるイソシアヌレート体などのポリイソシアネート類、またはこれらポリイソシアネート類をアルコール類、ラクタム類、オキシム類などでブロック化させたブロックポリイソシアネートなどが挙げられる。
グリシジル基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコール類とエピクロルヒドリンを作用させたエポキシ化合物;グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価アルコール類とエピクロルヒドリンを作用させたエポキシ化合物;フタル酸テレフタル酸、シュウ酸、アジピン酸などのジカルボン酸とエピクロルヒドリンとを作用させたエポキシ化合物などが挙げられる。
カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、各種脂肪族あるいは芳香族ジカルボン酸などが挙げられ、さらにはポリ(メタ)アクリル酸やポリ(メタ)アクリル酸のアルカリ(土類)金属塩を用いてもよい。
オキサゾリン基を有する化合物は、オキサゾリンユニットを2つ以上有する低分子化合物や、イソプロペニルオキサゾリンのように重合性モノマーを用いる場合には、アクリル系モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルなどと共重合させたものを用いることができる。
さらに、架橋剤として、アミンと官能基を選択的に反応させ、架橋点をシロキサン結合にすることの可能な、シランカップリング剤を用いるのが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。特に、カチオン性ポリマーあるいはその共重合物との反応性を考慮するとβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランが好適である。
これら架橋剤はカチオン性ポリマー100質量部に対して、1〜20質量部配合するのが適切である。なお、カチオン性ポリマーが、ポリアリルアミンの1級アミンをメトキシカルボニル化させたものである場合は、熱架橋性を有するため、架橋剤の配合は不要である。
架橋剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、架橋剤とシランカップリング剤を併用してもよい。
上述したように、カチオン性ポリマーはフッ酸のトラップという点では非常に効果的な材料である。また、架橋剤を添加することにより、耐水性も向上できる。従ってこれらを主体とするコーティング層14を設けることは耐電解液性や耐水性という点で非常に有効な手段である。
ところで、リチウム電池用包材10は、あらゆる場合を想定して検討することが望ましい。例えば、リチウム電池の外装材の多くは冷間成形法により作成されるが、その成形時における金型と接着樹脂層/シーラント層間の摩擦によるわずかな欠陥やピンホールなどによって、リチウム電池用包材の中間層であるアルミニウム箔層が電解液と直接接触する可能性も考えられる。従って、より過酷な評価条件においてもアルミニウム箔を保護する機能が望まれる。
しかしながら、前記コーティング層14はアルミニウム箔を腐食から守る機能は持たない。そこで、本発明者らはアルミニウム箔の腐食に関しさらに鋭意検討を行った結果、クロメート処理などと同様にアルミニウム箔の腐食防止効果(インヒビター効果)を有し、かつ、環境面的にも好適な材料として希土類元素系酸化物ゾルを用いるに至った。
(希土類元素系酸化物ゾル)
希土類元素系酸化物としては、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ネオジム、酸化ランタンが好ましく、アルミニウム箔の腐食防止に有効である。これらの酸化物をカチオン性ポリマーに配合する際には、酸化物を平均粒径100nm以下のゾルとして用いる。これにより、従来の方法では条件的に過酷(高温・長時間など)だったものが、一般的なコーティング方法で酸化物の皮膜を含むコーティング層14をアルミニウム箔層13に設けることができるようになり、アルミニウム箔などの金属箔腐食防止効果を付与させることが可能となる。また、カチオン性ポリマー中のアミンは希土類元素系酸化物ゾル中の金属の配位子として作用することが期待され、コーティング層14を構成する組成物(以下、コーティング組成物という場合がある。)としての安定性だけでなく、コーティング層14の安定性という点でも好適である。これらの希土類元素系酸化物ゾルは、例えば水系、アルコール系、炭化水素系、ケトン系、エステル系、エーテル系など各種溶媒を用いることができ、上述したカチオン性ポリマーの溶媒と合わせた選択が可能となる。
カチオン性ポリマーと架橋剤を含む混合物(以下、樹脂成分という場合がある。)に、希土類元素系酸化物ゾルを配合する場合、樹脂成分を70〜99.9質量%、希土類元素系酸化物を0.1〜30質量%含むコーティング層((B)構造)が好ましい。また、樹脂成分を70〜90質量%、希土類元素系酸化物を10〜30質量%含むコーティング層がより好ましい。希土類元素系酸化物の配合量の下限値が上記値より少ないと、アルミニウム箔への腐食防止効果が不足する。一方、配合量の上限値が上記値より多くなっても、能力として飽和状態であるため上限値は上記値とするのが好ましい。
なお、希土類元素系酸化物ゾルが発揮する効果は、架橋剤を配合したカチオン性ポリマーが有する効果と同じであるが、その効果を発現させる機能が異なるため、コーティング層14は希土類元素系酸化物ゾルを含有する層と、樹脂成分を含有する層を別々に設けた多層構造((C)構造)であってもよい。ただし、カチオン性ポリマーによるフッ素トラップ効果を併用した方がより耐電解液性に対して有効であること、希土類元素系酸化物ゾルは直接アルミニウム箔に作用すること、カチオン性ポリマーの機能を用いて包材内部から浸透してくる電解液(フッ酸を含む)をトラップすることから、コーティング層14を(C)構造とする場合は、希土類元素系酸化物ゾルを含有する層上に樹脂成分を含有する層を積層し、後述するアルミニウム箔層13と希土類元素系酸化物ゾルを含有する層とが接するようにして設けるのが望ましい。
また、コーティング層14は、希土類元素系酸化物ゾルを有する層からなる単層構造((A)構造)であってもよい。
なお、(A)構造や(C)構造の場合、希土類元素酸化物ゾルにはシランカップリング剤を配合してもよい。シランカップリング剤を配合することにより、アルミニウム箔層13への密着性を向上させることが可能となる。
(その他)
必要に応じてコーティング層14には各種添加剤を配合することも可能である。例えばアルミニウム箔へのエッチング機能が必要となる場合には、各種酸または塩基を加えてもよい。コーティング層14を構成する成分が酸性であれば、各種無機酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、フッ酸などを用いることが可能であり、一方、塩基性であれば化成ソーダなども用いることが可能である。また、その他要求品質として必要とされるような機能性添加剤も配合してもよく、例えば、界面活性剤(レベリング剤など)や紫外線吸収剤や酸化防止剤などが挙げられるが、これらに限定されない。
<アルミニウム箔層>
アルミニウム箔の材質としては、一般の軟質アルミニウム箔を用いることができるが、さらなる耐ピンホール性、及び成形時の延展性を付与させる目的で、鉄を含むアルミニウム箔を用いるのが好ましい。鉄の含有量はアルミニウム箔100質量%中、0.1〜9.0質量%が好ましく、0.5〜2.0質量%がより好ましい。鉄の含有量の下限値が上記値より少ないと耐ピンホール性、延展性を十分に付与させることができず、一方、上限値が上記値よりも多いと柔軟性が損なわれる。
また、アルミニウム箔層13の厚さは、バリア性、耐ピンホール性、加工性を考慮して9〜200μmが好ましく、15〜100μmがより好ましい。
アルミニウム箔は、未処理のアルミニウム箔も用いてもよいが、脱脂処理を施したアルミニウム箔を用いるのが望ましい。脱脂処理としては、大きく区分するとウェットタイプとドライタイプが挙げられる。
ウェットタイプでは、酸脱脂やアルカリ脱脂などが挙げられる。酸脱脂に使用する酸としては、例えば、硫酸、硝酸、塩酸、フッ酸などの無機酸が挙げられ、これら酸は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、アルミニウム箔のエッチング効果を向上させるという観点から、必要に応じてFeイオンやCeイオンなどの供給源となる各種金属塩を配合しても構わない。アルカリ脱脂に使用するアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウムなどの強エッチングタイプが挙げられる。また、弱アルカリ系や界面活性剤を配合したものを用いてもよい。これらの脱脂は浸漬法やスプレー法で行われる。
ドライタイプの方法の一つとして、アルミニウムを焼鈍処理する工程で、その処理時間を長くすることで脱脂処理を行う方法が挙げられる。
また、脱脂処理としては、上記の他にも、フレーム処理やコロナ処理などが挙げられる。さらには特定波長の紫外線を照射して発生する活性酸素により、汚染物質を酸化分解・除去するような脱脂処理も挙げられる。
<接着樹脂層>
接着樹脂としては、ポリオレフィン樹脂に無水マレイン酸などをグラフト変成させた酸変成ポリオレフィン樹脂が好ましく、ポリオレフィンとしては、例えば、低密度、中密度、高密度のポリエチレン;エチレン−αオレフィン共重合体;ホモ、ブロック、またはランダムポリプロピレン;プロピレン−αオレフィン共重合体などが挙げられる。これらポリオレフィン樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、接着樹脂層15としては、押出ラミネートで用いられるタイプだけでなく、上述した材料を有機溶媒に分散させたディスパージョンタイプを用いてもよい。さらに、このディスパージョンタイプの場合には、各種添加剤、例えば、架橋剤、シランカップリング剤などを配合してもよい。
接着樹脂層15の厚さは、1〜40μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。
<接着剤層>
接着剤としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールを主剤としたポリウレタン系接着剤が好ましい。
接着剤層12の厚さは、1〜10μmが好ましく、3〜7μmがより好ましい。
<シーラント層>
シーラント層16を構成する成分としては、ポリオレフィン樹脂または、ポリオレフィン樹脂に無水マレイン酸などをグラフト変成させた酸変成ポリオレフィン樹脂が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、接着樹脂層の説明において先に例示した各種ポリオレフィン樹脂の中から、1種以上を選択して使用してもよい。
また、シーラント層16は単層フィルムであっても、複数の層を積層させた多層フィルムであってもよい。必要とされる機能に応じて、例えば、防湿性を付与するという点ではエチレン−環状オレフィン共重合体やポリメチルペンテンなどの樹脂を介在させた多層フィルムを用いてもよい。
さらに、シーラント層16は各種添加剤、例えば、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤などを配合してもよい。スリップ剤としては、脂肪酸アミド、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミドなどが挙げられる。またアンチブロッキング剤としては、シリカなどの各種フィラー系のものが好適である。スリップ剤やアンチブロッキング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シーラント層16の厚さは、10〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
<基材層>
基材層11は、リチウム電池製造時のシール工程における耐熱性付与、加工や流通の際に起こりうるピンホール対策という目的で設けるものであり、絶縁性を有する樹脂層を用いのが好ましい。そのような樹脂層としては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの延伸または未延伸フィルムを、単層または2層以上積層した多層フィルムを使用することもできるが、成形性、耐熱性、耐ピンホール性、絶縁性を向上させるという点で、延伸ポリアミドフィルムや延伸ポリエステルフィルムが好適である。
また、基材層11の厚さは、6〜40μmが好ましく、10〜25μmがより好ましい。
さらに、基材層11は、例えばスリップ剤やアンチブロッキング剤などの添加剤を配合してもよい。これらの添加剤は、シーラント層の説明において先に例示した各種スリップ剤やアンチブロッキング剤の中から、1種以上を選択して使用してもよい。
なお、樹脂層として用いるフィルムは、強度物性について特に制約を受けないので、特許文献5に記載の基材のように、選択性という点で制約を受けにくくなり、望ましい。
<シーラント層と基材層の摩擦係数>
本発明においては、シーラント層16の、JIS−K 7125に準拠した静摩擦係数比(S:μs−B)/(S:μs−M)が1〜3、動摩擦係数比(S:μk−B)/(S:μk−M)が1〜3である。ただし、
(S:μs−B):リチウム電池用包材としてのシーラント層16の静摩擦係数
(S:μk−B):リチウム電池用包材としてのシーラント層16の動摩擦係数
(S:μs−M):シーラント層16単品の場合の静摩擦係数
(S:μk−M):シーラント層16単品の場合の動摩擦係数
とする。
また、基材層11の、JIS−K 7125に準拠した静摩擦係数比(O:μs−B)/(O:μs−M)が1〜3、動摩擦係数比(O:μk−B)/(O:μk−M)が1〜3である。ただし、
(O:μs−B):リチウム電池用包材としての基材層11の静摩擦係数
(O:μk−B):リチウム電池用包材としての基材層11の動摩擦係数
(O:μs−M):基材層11単品の場合の静摩擦係数
(O:μk−M):基材層11単品の場合の動摩擦係数
とする。
前記静摩擦係数比や動摩擦係数比が1より小さくなる分には構わないが、通常はリチウム電池用包材10の製造工程を経ることで1を超えることが多い。一方、3より大きくなると滑り性が低くなり、成形性が低下しやすくなる。
これら摩擦係数比は、シーラント層16または基材層11の単品としての摩擦係数と、各層がリチウム電池用包材10となった際の摩擦係数の比であり、リチウム電池用包材10を製造する工程での、摩擦係数の変化の指標となる。上述したように、成形性という点では滑り性が重要であるが、耐電解液性を付与するために、過度なエージングなどの熱処理を行うと、各層の滑り性が低下し、その影響で成形性が低下することがある。
しかし、本発明のリチウム電池用包材10は、コーティング層14に希土類元素系酸化物ゾルやカチオン性ポリマーを含有させることにより耐電解液性が備わるため、必要以上に熱処理を施す必要がない。その結果、各層が本来有する滑り性を維持しながらリチウム電池用包材10を製造することができるので、耐電解液性に優れ、かつ、成形性も良好なリチウム電池用包材10が得られる。
また、本発明のリチウム電池用包材10は、各層間における密着性の向上にも期待がもてる。例えば、アルミニウム箔層13/コーティング層14間は、コーティング層14が希土類元素系酸化物ゾルを含有することにより、希土類元素系酸化物ゾルがアルミニウム箔に直接作用して無機化合物間で相互作用するので、密着性が向上する。また希土類元素系酸化物ゾルとカチオン性ポリマーの両方を有するコーティング層は、単層構造((B)構造)であれ多層構造((C)構造)であれ、カチオン性ポリマーの配位子(アミン)のN原子と希土類元素系酸化物ゾルが錯形成することで相互作用し、密着性が向上する。またシランカップリング剤配合の場合はさらなる密着性の向上が期待できる。
また、コーティング層14と接着性樹脂層間15は、コーティング層14がカチオン性ポリマーを含有する場合、これに含まれるアミンなどの官能基と、接着性樹脂に含まれる無水マレイン酸などの官能基との相互作用による密着性の向上が期待される。
これら各層間の接着性は、通常、熱をかけることにより向上できるが、本発明においては、後述する製造工程での熱履歴程度の熱量で各層を十分に接着できる。シーラント層16や基材層11中に含まれるスリップ剤は、製造工程の際に熱処理を施すと層の表面に過度に移行する(ブリードアウトする)ことがあるが、本発明のリチウム電池用包材10は、必要以上の熱処理を施すことがないので、スリップ剤の移行による影響を極力低減し、成形性がより向上される。
なお、熱処理によるスリップ剤の移行の影響は、基材層11やシーラント層16に関わらず、さらには静摩擦や動摩擦に関わらず、上述した摩擦係数比に反映されるので、製造工程における摩擦係数比が上記範囲内であることが必要である。すなわち、摩擦係数比が上記範囲内に納まるレベルの熱処理であれば、成形性には問題なく、かつ耐電解液性を付与させることもできる。
<リチウム電池用包材の製造方法>
次に、本発明のリチウム電池用包材10の製造方法について記載するが、これに限定されない。
(アルミニウム箔層へのコーティング層の積層工程)
アルミニウム箔層13へコーティング組成物を塗工し、乾燥・硬化・焼き付けを行い、コーティング層14形成する。塗工方法としては、公知の方法が用いられるが、例えば、グラビアコーター、グラビアリバースコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、ダイコーター、バーコーター、キスコーター、コンマコーターなどが挙げられる。また、乾燥温度は基材層11あるいはシーラント層16への熱履歴に関係ないことから、コーティング組成物の最適な温度で適宜乾燥してよい。
なお、上述したように、アルミニウム箔層13は、未処理のアルミニウム箔を用いてもよく、脱脂処理を施したアルミニウム箔を用いてもよい。脱脂処理の方法としてはスプレー法または浸漬法を用いるのが好ましい。
(基材層とアルミニウム箔層の貼り合わせ工程)
コーティング層14を積層したアルミニウム箔層13と基材層11とを貼り合わせる。貼り合わせの方法としては、ドライラミネーション、ノンソルベントラミネーション、ウエットラミネーションなどの手法を用い、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールを主剤としたポリウレタン系接着剤にて両者を貼り合わせ、基材層11/接着剤層12/アルミニウム箔層13/コーティング層14からなる積層体を作成する。この際、接着剤の硬化を促進させるため、室温から60℃の範囲で適宜エージング(養生)処理を施しても構わない。この工程はあくまで接着硬化促進であり、上記特許文献6に記載の第1段エージング処理とは異なるものである。
(シーラント層の積層工程)
前記積層体上にシーラント層16を積層する方法は、ドライプロセスとウエットプロセスに分けられる。
ドライプロセスの場合は、前記積層体のコーティング層14上に接着樹脂を押出ラミネートし、さらにインフレーション法またはキャスト法により得られるシーラント層16を積層して、リチウム電池用包材10を製造する。なお、コーティング組成物はこの押出ラミネーションの際にインラインで設けてもよい。その後、コーティング組成物と接着樹脂との密着性を向上させる目的で、熱処理(エージング処理や熱ラミネーションなど)を施すことも可能であるが、この熱処理は基材層11とシーラント層16の摩擦係数比に留意して行う必要がある。また、インフレーション法またはキャスト法にて、接着樹脂とシーラント層16とで多層フィルムを作成し、該多層フィルムを積層体上に熱ラミネーションにより積層させることも可能であるが、熱ラミネーションは基材層11とシーラント層16の摩擦係数比に留意して行う必要がある。
ウエットプロセスの場合は、接着樹脂のディスパージョンを前記積層体のコーティング層14上に塗工し、焼き付けを行った後、シーラント層16を熱ラミネーションなどの熱処理により積層させて、リチウム電池用包材10を製造する。ただし、熱処理は基材層11とシーラント層16の摩擦係数比に留意して行う必要がある。
このように、本発明のリチウム電池用包材10は、コーティング層14が希土類元素系酸化物ゾルを含有することにより、耐電解液性、耐フッ酸性、耐水性に優れる。また、架橋剤を配合したカチオン性ポリマーを含有しても、同じ効果が得られる。
さらに、シーラント層16と基材層11の静摩擦係数比と動摩擦係数比が各々1〜3であることにより、優れた成形性を発現できる。
以下に試験を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら試験に限定されるものではない。
ここで、試験に用いた原料を以下に示す。
[使用原料]
<基材層>
A−1:インフレーション2軸延伸ポリアミドフィルム(25μm)を用いた。
A−2:キャスト2軸延伸ポリアミドフィルム(25μm) を用いた。
A−3:キャスト2軸延伸ポリエステルフィルム(25μm) を用いた。
<アルミニウム箔層>
B−1:軟質アルミニウム箔8079材(40μm) を用いた。
B−2:B−1に弱アルカリエッチング(脱脂処理)を施したアルミニウム箔(40μm)を用いた。
<接着樹脂層およびシーラント層>
C−1:多層ポリプロピレンフィルム(キャスト製膜フィルム30μm)を用いた。
C−2:無水マレイン酸変成ポリプロピレン樹脂(MFR=12押出ラミネートグレード)を用いた。
<コーティング層>
D−1:溶媒として蒸留水を用い、固形分濃度5wt%に調整した「ポリアリルアミン」を用いた。
D−2:溶媒として蒸留水を用い、固形分濃度5wt%に調整した「ポリアリルアミン」90wt%と「1,6−ヘキサンジオールのエピクロルヒドリン付加物」10wt%からなる組成物を用いた。
D−3:溶媒として蒸留水を用い、固形分濃度5wt%に調整した「ポリエチレンイミン」を用いた。
D−4:溶媒として蒸留水を用い、固形分濃度5wt%に調整した「ポリエチレンイミン」90wt%と「アクリル−イソプロペニルオキサゾリン共重合体」10wt%からなる組成物を用いた。
D−5:D−2を100質量部に対し、「アミノプロピルトリメトキシシラン」を5質量部配合した組成物を用いた。
D−6:溶媒として蒸留水を用い、固形分濃度5wt%に調整した「ポリアリルアミン」60wt%と「1,6−ヘキサンジオールのエピクロルヒドリン付加物」10wt%と「中性安定化酸化セリウムゾル」30wt%からなる組成物を用いた。
D−7:溶媒として蒸留水を用い、固形分濃度5wt%に調整した「中性安定化酸化セリウムゾル」を用いた。
D−8:溶媒として蒸留水を用い、固形分濃度5wt%に調整した「酸化イットリウムゾル」を用いた。
D−9:溶媒として蒸留水を用い、固形分濃度5wt%に調整した「酸化ネオジムゾル」を用いた。
D−10:溶媒として蒸留水を用い、固形分濃度5wt%に調整した「酸化ランタンゾル」を用いた。
[リチウム電池用包材の作成と評価方法]
<包材の作成1>
まず、アルミニウム箔層上にコーティング層をグラビアリバースコートにより設け、乾燥ユニットにおいて150〜200℃で焼き付け処理を施した。コーティング層の厚さはドライで0.1〜0.2μmであった。
次いで、アルミニウム箔層の、コーティング層とは反対側の面に、ドライラミネート手法により、ポリウレタン系接着剤(三井化学ポリウレタン(株)製、A525/A50)を用いて耐熱性の基材層を設けた。これらを押出ラミネート機の巻出し部に、シーラント層をサンド基材部にセットし、接着樹脂を加工条件290℃、80m/分、20μmの厚みで押出しラミネートしながら、シーラント層を積層することでリチウム電池用包材を作成した。
<包材の作成2>
包材の作成1で得られたリチウム電池用包材を、さらに180℃、4kg/cm、10m/分の条件で熱圧着(熱処理)した。
<評価>
得られたリチウム電池用包材を100×15mmサイズの短冊状に切り取り、評価用のサンプルとし、下記評価を行った。
(耐電解液評価1;耐有機溶媒性の評価)
エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート/ジメチルカーボネート=1/1/1の溶液にLiPFが1.5Mになるように調整した電解液を作成し、内容量250mlのテフロン(登録商標)容器に充填した。その中にサンプルを入れ、密栓後85℃、3時間で保管した。保管後のサンプルの剥離状況を、以下の基準にて評価した。なお、△以上の評価を合格とする。
○:ディラミネーションせず、ラミネート強度が剥離困難、またはシーラント層の破断レベルである。
△:ディラミネーションは起こらないが、ラミネート強度が剥離可能レベル(100gf/15mm以上、クロスヘッドスピードが300mm/分)である。
×:ディラミネーションによる浮きが確認できる。
(耐電解液評価2;耐フッ酸性の評価)
電解液評価1を実施したサンプルを1昼夜水浸漬し、剥離状況を評価した。なお、評価基準は、耐電解液評価1と同様である。
(耐水評価)
サンプルに、予め剥離きっかけを作成し、その状態で1昼夜水浸漬し、剥離状況を評価した。なお、評価基準は、耐電解液評価1と同様である。
(成形性評価)
絞り深さ3〜5mmまで調整可能な、30×40mmサイズの冷間成形用装置を用いて成形性の評価を行った。
まず、リチウム電池用包材としてのシーラント層と、単品としてのシーラント層の静摩擦係数と動摩擦係数を測定し、静摩擦係数比と動摩擦係数比を求めた。摩擦係数はJIS−K 7125「プラスチックフィルム及びシートの摩擦係数試験方法」に準拠して測定した。次いで、基材層の場合も同様にして、静摩擦係数比と動摩擦係数比を求めた。
各静摩擦係数比と動摩擦係数比が各々1〜3であるものを成形性が良好であるとし、○、×にて評価した。
[試験1〜12:コーティング層が希土類元素系酸化物ゾルを含まない場合]
表1に示す原料と作成法にてリチウム電池用包材を作成し、評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0004978126
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コーティング層がカチオン性ポリマーのみを含有する場合(試験1、2、7、8)、リチウム電池用包材は耐有機溶媒性には優れるものの、耐フッ酸性や耐水性に劣り、剥離しやすいものであった。また、コーティング層がカチオン性ポリマーと架橋剤を含有する場合(試験3、4、9、10)、耐水性には優れるが、耐フッ酸性には劣るリチウム電池用包材であった。そこで、脱脂処理したアルミニウム箔を用いると(試験5、6、11、12)、熱処理を施したリチウム電池用包材の場合に(試験6、12)、耐フッ酸性が良好なものとなった。しかし、いずれの場合も、熱処理を行ったリチウム電池用包材は、シーラント層と基材層の静摩擦係数比と動摩擦係数比が大きくなり、成形性に劣るものであった。
[試験13〜22:コーティング層が希土類元素系酸化物ゾルを含む場合]
表3に示す原料と作成法にてリチウム電池用包材を作成し、評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 0004978126
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コーティング層が希土類元素系酸化物ゾルを含むことで、耐水性はもちろんのこと、作成1(熱処理なし)の条件でも、有機溶媒やフッ酸に対する耐性(耐電解液性)をリチウム電池用包材に付与することができた。特に、2層構造((C)構造)や、カチオン性ポリマーと架橋剤も含有する単層構造((B)構造)の場合(試験15〜22)、耐フッ酸性により優れるものであった。また、静摩擦係数比や動摩擦係数比の増加が抑えられ、成形性にも問題がなく、良好なものであった。
[試験23〜25:コーティング層が他の希土類元素系酸化物ゾルを含む場合]
表5に示す原料と作成法にてリチウム電池用包材を作成し、評価を行った。結果を表6に示す。
Figure 0004978126
Figure 0004978126
コーティング層に含まれる希土類元素系酸化物ゾルが、酸化セリウムゾルの場合(試験19、20)に比べると、耐フッ酸性がわずかに劣る結果であったが、ディラミネーションは起こらず、耐水性や成形性においても優れるものであった。
[試験26〜27:他の基材層を用いた場合]
表7に示す原料と作成法にてリチウム電池用包材を作成し、評価を行った。結果を表8に示す。
Figure 0004978126
Figure 0004978126
一般的にインフレーション法よりも成形性の点で劣るとされているキャスト法にて得られた基材を用いているにもかかわらず、成形性は良好であった。また、耐電解液性や耐水性においても優れたリチウム電池用包材であった。
以上の結果から、本発明のリチウム電池用包材は、耐電解液性、耐フッ酸性、耐水性、成形性という点で好ましいだけでなく、従来まで耐電解液性付与のために検討されていたクロメート処理のように環境有害物質を用いる必要がなく、環境面的な点からも好ましい包材であるといえる。
本発明のリチウム電池用包材の一例を示す断面図である。
符号の説明
10:リチウム電池用包材、11:基材層、12:接着剤層、13:アルミニウム箔層、14:コーティング層、15:接着樹脂層、16:シーラント層

Claims (7)

  1. 基材層の一方の面に、接着剤層、アルミニウム箔層、コーティング層、接着樹脂層、シーラント層が順次積層したリチウム電池用包材であって、
    前記コーティング層が、希土類元素系酸化物ゾルを含有し、
    前記シーラント層の静摩擦係数比(S:μs−B)/(S:μs−M)が1〜3、動摩擦係数比(S:μk−B)/(S:μk−M)が1〜3であり、
    前記基材層の静摩擦係数比(O:μs−B)/(O:μs−M)が1〜3、動摩擦係数比(O:μk−B)/(O:μk−M)が1〜3であることを特徴とするリチウム電池用包材。
    ただし、
    (S:μs−B):リチウム電池用包材としてのシーラント層の静摩擦係数
    (S:μk−B):リチウム電池用包材としてのシーラント層の動摩擦係数
    (S:μs−M):シーラント層単品の場合の静摩擦係数
    (S:μk−M):シーラント層単品の場合の動摩擦係数
    (O:μs−B):リチウム電池用包材としての基材層の静摩擦係数
    (O:μk−B):リチウム電池用包材としての基材層の動摩擦係数
    (O:μs−M):基材層単品の場合の静摩擦係数
    (O:μk−M):基材層単品の場合の動摩擦係数
    とする。
  2. 前記コーティング層が、下記(A)〜(C)に示す構造のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のリチウム電池用包材。
    (A):希土類元素系酸化物ゾルまたは、希土類元素系酸化物ゾルとシランカップリング剤を含有する層からなる単層構造。
    (B):カチオン性ポリマーと該カチオン性ポリマーを架橋させる架橋剤とを含む混合物を70〜99.9質量%と、希土類元素系酸化物ゾルを0.1〜30質量%含有する層からなる単層構造。
    (C):希土類元素系酸化物ゾルまたは、希土類元素系酸化物ゾルとシランカップリング剤を含有する層と、カチオン性ポリマーと該カチオン性ポリマーを架橋させる架橋剤とを含む混合物を含有する層とを有する多層構造。
  3. 前記カチオン性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸とを有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフト重合させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノールよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載のリチウム電池用包材。
  4. 前記架橋剤が、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、オキサゾリン基のいずれかの官能基を有する化合物とシランカップリング剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2または3に記載のリチウム電池用包材。
  5. 前記希土類元素系酸化物ゾルが、酸化セリウムゾル、酸化イットリウムゾル、酸化ネオジムゾル、酸化ランタンゾルよりなる群から選ばれる1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム電池用包材。
  6. 前記接着樹脂層が、酸変性ポリオレフィン系樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム電池用包材。
  7. 前記基材層が、延伸ポリアミドフィルムまたは延伸ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のリチウム電池用包材。

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