JP4977414B2 - ノズルプレートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はノズルプレートの製造方法、液滴吐出ヘッド、画像形成装置、及び液滴吐出装置に係り、特に、液滴を吐出するノズルが形成されたノズルプレートの製造方法に関する。
インクジェット記録装置で用いられる記録ヘッドにおいて、インク吐出用のノズルが形成されるノズルプレートは重要な構成部品の1つである。例えば、高品質な画像記録を実現するためにはノズルの高精度化や高密度化が要求される。また、このようなノズルが形成されるノズルプレートの生産性を高めることも要求される。そこで、これまでにノズルプレートの製造方法が各種提案されている。
例えば、特許文献1には、電鋳法を用いたノズルプレートの製造方法として、透明基板上に不透明金属膜をパターニングし、不透明金属膜上に光硬化性の感光性樹脂層(レジスト層)を形成し、透明基板側から不透明金属膜を介して感光性樹脂層を露光して現像し、不透明金属膜上に電鋳法を用いて金属層(電鋳層)を形成し、金属層を透明基板及び感光性樹脂層から分離する方法が提案されている。
特開平10−296982号公報
しかしながら、特許文献1に記載された製造方法では、透明基板上に形成される不透明金属膜を、露光時のマスクとして用いるだけでなく、電鋳時の給電層として用いる必要がある。露光時のマスクとして機能する不透明金属膜のパターニング精度を高めるためには、遮光性が犠牲とならない限り、その厚さを極力薄くすることが望ましい。また、マスクの厚さが厚いとマスク端面の反射光の影響によってノズルに対応するレジスト形状を悪化させる要因となるため、この観点からもマスクとして機能する不透明金属膜の厚さは極力薄いことが望ましい。その反面、電鋳時の給電は基板外周から通常行われるため、電鋳時の給電層の厚さが薄く、その導電率が低い(抵抗値が大きい)と、給電部に近い外周部分に電流が集中して膜厚分布が発生する原因となる。この悪影響は基板の大面積化に伴い増大する。また、電鋳の進行により膜厚が厚くなる外周部は抵抗値が下がることにより、更に、電流が集中し、膜厚が厚くなり、膜厚の均一性が更に失われる悪循環となる。従って、給電層として機能する不透明金属膜の厚さはできるだけ厚いことが望ましい。つまり、特許文献1に記載された製造方法では、マスクのパターニング精度追及と均一厚さの電鋳層形成の両立は困難であり、高精度なノズルが高密度に形成されたノズルプレートを大面積で一括生産することは難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、高精度なノズルが高密度に形成されたノズルプレートを大面積で一括生産することのできるノズルプレートの製造方法を提供することを目的とする
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、透明基板上に無電解めっきに対して触媒活性を有する金属膜をパターニングする工程と、前記金属膜上に感光性樹脂層を形成する工程と、前記透明基板側から前記金属膜を介して前記感光性樹脂層を露光し現像する工程と、前記金属膜上に無電解めっき層を形成する工程と、前記無電解めっき層を給電層として電鋳層を形成する工程と、前記無電解めっき層及び前記電鋳層を、前記透明基板、前記金属膜、及び前記感光性樹脂層から分離する工程と、前記電鋳層を前記無電解めっき層から分離する工程と、を含むことを特徴とするノズルプレートの製造方法を提供する。
本発明によれば、露光時のマスクを金属膜とし、電鋳時の給電層を無電解めっき層とすることで、金属膜(マスク)の厚さを薄くすることができ、金属膜のパターニング精度が向上するとともに、無電解めっき層(給電層)の厚さを厚くすることができ、均一厚さの電鋳層を形成することができる。従って、高精度なノズルが高密度に形成されたノズルプレートを大面積で一括生産することができる。特に本発明では、電鋳層を無電解めっき層から分離する工程が含まれるので、回折やレジスト残渣に起因するレジスト形状悪化をキャンセルすることができるので、高精度なノズルを形成することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載のノズルプレートの製造方法であって、前記無電解めっき層の厚さは、前記無電解めっき層の最大抵抗値が所定値以下となるように構成されていることを特徴とする。
請求項の態様によれば、無電解めっき層の最大抵抗値が所定値以下、好ましくは、5Ω以下となるように無電解めっき層の厚さを構成することで、電鋳の最適化が図られ、均一厚さの電鋳層を精度良く形成することができる。
本発明によれば、露光時のマスクを金属膜とし、電鋳時の給電層を無電解めっき層とすることで、金属膜(マスク)の厚さを薄くすることができ、金属膜のパターニング精度が向上するとともに、無電解めっき層(給電層)の厚さを厚く構成することができ、均一厚さの電鋳層を形成することができる。従って、高精度なノズルが高密度に形成されたノズルプレートを大面積で一括生産することができる。特に本発明では、電鋳層を無電解めっき層から分離する工程が含まれるので、回折やレジスト残渣に起因するレジスト形状悪化をキャンセルすることができるので、高精度なノズルを形成することができる。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
まず、本発明に係る画像形成装置としての一実施形態であるインクジェット記録装置について説明する。図1は、インクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。図1に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の記録ヘッド12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各記録ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバー34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(不図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考え
られるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラーが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。従って、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている。印字部12を構成する各記録ヘッド12K、12C、12M、12Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図1の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した記録ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各記録ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙搬送方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する記録ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各記録ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各記録ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各記録ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)
がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の記録ヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(不図示)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドとしての一実施形態である記録ヘッドについて説明する。尚、インク色ごとに設けられている各記録ヘッド12K、12M、12C、12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって記録ヘッドを示すものとする。
図2は記録ヘッド50の構造例を示す平面透視図である。図示するように、記録ヘッド50は、インク吐出用のノズル51、圧力室52、及びインク供給口54から成る複数のインク室ユニット(液滴吐出素子)53を千鳥でマトリクス状(2次元状)に配置させた構造を有し、各ノズル51をヘッド長手方向(紙送り方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影した場合に均等なノズルピッチで高密度配列されるように構成されている。これにより、ドットピッチの高密度化が実質的に達成され、高品質な画像記録を可能としている。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51とインク供給口54が設けられている。
図3は記録ヘッド50の一部を示した断面図(図2中3−3線に沿う断面図)である。図示するように、記録ヘッド50の吐出面(記録紙16に対向する面)にはノズルプレート60が接合されている。ノズルプレート60に形成されるノズル51は、インク流入側(圧力室52側)からインク吐出側に向かって先細となる断面テーパ状に構成されており、圧力室52に連通している。
圧力室52の一端には、圧力室52に対してインクを供給するための供給口54が形成されており、圧力室52は供給口54を介して共通流路55に連通している。共通流路55にはインク供給源たるインクタンク(不図示)から供給されるインクが貯留される。共通流路55内のインクは供給口54を通って圧力室52に供給され、圧力室52内にそのインクが充填される。
圧力室52の上壁面は振動板56で構成されており、振動板56上の圧力室52に対応する位置(即ち、振動板56を挟んで圧力室52に対向する位置)には、個別電極57を備えた圧電素子58が接合されている。本実施形態においては、振動板56が圧電素子58に対する共通電極を兼ねている。そして、圧電素子58に所定の駆動電圧が印加されると、圧電素子58の変位に伴う振動板56の変形によって、圧力室52の容積が変化し、圧力室52内のインクが加圧され、ノズル51からインク滴が吐出される。尚、圧電素子58には、ピエゾなどの圧電体が好適に用いられる。インク吐出後、駆動電圧の印加が解除されると、振動板56は元の状態に復帰し、共通流路55から供給口54を介して圧力室52にインクが供給される。
尚、本実施形態においては、インク吐出方式として、圧電素子の変位を用いてインク吐出を行う圧電方式が採用されているが、本発明の実施に際してこれに限定されず、例えば、ヒーター等の発熱素子から生じる熱エネルギーを利用して、圧力室内に気泡を発生させ、このとき生じる圧力でノズルからインク滴を吐出するサーマル方式も採用することができる。
次に、本発明の特徴部分であるノズルプレート60の製造方法について説明する。図4は、ノズルプレート60の製造方法を示す工程図である。
まず、金属膜形成工程として、図4(a)に示すように、紫外光を透過する透明基板100(例えば、ガラス基板等)の上に、ノズル51に対応する開口部102aを有する金属膜102をパターニングする。金属膜102は、後で行われる無電解めっきに対して触媒活性を有する金属で構成される。金属膜102として使用可能な金属を一例として表1に示す。
Figure 0004977414
表1に示すように、無電解Niめっきの場合はAuやNiなどを用いることができ、無電解Cuめっきの場合はCuやAuなどを用いることができる。無電解Snめっきの場合は、CuやFe,Alなどを用いることができる。尚、金属膜102の形成方法としては、スパッタリングや蒸着等の各種方法を用いることができる。金属膜102のパターニング方法は、一般的なフォトマスク形成方法と同様の手法を適用可能である。具体的な手順を下記に例示する。
[工程1] ガラス基板上にCrなどの金属薄膜(ブランクス)を形成する。
[工程2] ブランクス上にレジストを塗布し、電子ビーム若しくはレーザービームにより所望のパターンを描画する。
[工程3] 現像によりレジストを除去し、レジスト除去部の金属薄膜をエッチングする。
上記の工程1〜3により、所望のパターンの金属膜を形成することができる。
本発明においては、透明基板100上に形成される金属膜102を、電鋳時の給電層として用いることなく、露光時のマスクとして用いるだけであるため、遮光性が失われない限り薄くすることが可能であり、例えば、80nm未満の厚さに薄く形成することが可能である。
尚、透明基板100上に形成される金属膜102は複数層であってもよい。この場合、最表面となる層が無電解めっきに対して触媒活性を有する金属で構成されていればよい。
次に、レジスト層形成工程として、図4(b)に示すように、透明基板100の金属膜102側(即ち、金属膜102上)に、光硬化性の感光性樹脂層(レジスト層)104を形成する。この際、レジスト層104の厚さは、ノズルプレート60の厚さよりも厚くなるようにする。
次に、露光現像工程として、図4(c)に示すように、透明基板100側から金属膜102を介してレジスト層104を紫外光で部分的に露光し、現像する。即ち、金属膜102をマスクとして露光を行う。この際、透明基板100、金属膜102、及びレジスト層104から成る積層体105側を傾斜回転させながら露光することで、図4(d)に示すように、現像後の透明基板100上の(金属膜102の)開口部102aに対応する位置には、露光方向(図4(c)の矢印方向)に向かって径が徐々に広がる逆テーパ状のレジスト柱104aが形成される。
次に、無電解めっき層形成工程として、図4(e)に示すように、金属膜102上に無電解めっき層106を形成する。無電解めっきは、その原理上、電流分布の影響を受けないため、金属膜102上に均一厚さの無電解めっき層106を形成することができる。本発明においては、無電解めっき層106を電鋳時の給電層として用いる。このため、無電解めっき層106の厚さは次のように構成されることが好ましい。
まず、透明基板100上の金属膜102の端部間の最大距離L[cm]を求める。電鋳時の給電層としては、最大距離Lとなる端部間で測定した抵抗値が5[Ω]以下となることが好ましい。
次に、使用する無電解めっき層106の比抵抗ρ[Ω・cm]を求める。無電解めっき層106と比抵抗の関係を一例として表2に示す。
Figure 0004977414
次に、このようにして求められたL、ρを用いて、無電解めっき層106として好ましい厚さt[μm]の範囲を次式から求める。
t≧ρ×L×(1/5)×10 ・・・(1)
例えば、透明基板100としてφ6″(インチ)基板を用いるとともに、無電解めっき層106としてP濃度2%のNiを用いる場合には、端部間の最大距離Lは15.2[cm]となり、比抵抗ρは30×10−6[Ω・cm]となる。そして、式(1)にL、ρを代入すると、
t≧30×10−6×15.2×(1/5)×10=0.912
となる。よって、この場合の無電解めっき層106の厚さtは1[μm]以上程度形成すればよいことになる。
次に、電鋳層形成工程として、図4(f)に示すように、電鋳時の給電層を無電解めっき層106として、無電解めっき層106上に電鋳層108を形成する。本発明において、電鋳層108として各種金属を使用できるが、異種金属の接触腐食を防ぐため、電鋳層108は無電解めっき層106と同一金属であることが好ましい。本発明においては、上述したように、無電解めっき層106の厚さを、無電解めっき層106の最大抵抗値が所定値以下、好ましくは、5[Ω]以下となるように構成することで、電鋳の最適化が図られ、均一厚さの電鋳層108を精度良く形成することができる。
次に、分離工程として、レジスト柱104aを除去し、金属膜102と無電解めっき層106の界面で剥離する。これにより、図4(g)に示すように、無電解めっき層106及び電鋳層108の2層から成るノズルプレート60を得ることができる。尚、剥離後の透明基板100及び金属膜102は再使用することができる。このようにして製造されるノズルプレート60には、レジスト柱104aの外部形状に対応するノズル51が形成され、マスク(金属膜102)側の無電解めっき層106がインク吐出側となる。
本発明によれば、透明基板100上に無電解めっきに対する触媒活性を有する金属から成る金属膜102をパターニング形成し、透明基板100の金属膜102側にレジスト層104を形成し、透明基板100側から金属膜102を介してレジスト層104を部分的に露光し現像し、透明基板100上にノズル51に対応するレジスト柱104aを形成する。更に、金属膜102上に無電解めっき層106を形成し、無電解めっき層106を電鋳時の給電層として、無電解めっき層106上に電鋳層108を形成する。つまり、露光時のマスクを金属膜102とし、電鋳時の給電層を無電解めっき層106とすることで、一方では、金属膜102を薄くすることができるので金属膜102のパターニング精度を高めることができ、他方では、無電解めっき層106を厚くすることができ、均一厚さの電鋳層108を形成することができる。従って、高精度なノズル51が高密度に形成されたノズルプレート60を大面積で一括生産することが可能となる。これにより、コストダウンも可能となる。
本発明において、フッ素樹脂を含有する複合めっきで無電解めっき層106を構成するようにしてもよい。無電解めっき層106が撥液層を兼ねることができ、製造工程の短縮を図られ、生産性が向上する。また、上述したように、無電解めっき層(撥液層)106は均一厚さで形成されるため、各ノズル51のメニスカスの位置が安定化する。以下では、無電解めっき層106のうち、フッ素樹脂を含有する複合めっきで構成されるものを指すときは「無電解複合めっき106′」という。
無電解複合めっき層106′の厚さt′[μm]は、無電解複合めっき層106′中のフッ素樹脂が占める割合をV[vol%]、無電解複合めっき層106′の比抵抗をρ′[Ω・cm]、マトリックス金属(複合めっきに含有されるフッ素樹脂以外の金属)の比抵抗をρ[Ω・cm]としたとき、
ρ′=ρ×100/(100−V) ・・・(2)
となる。そして、式(1)のt、ρに代えて、t′、ρ′をそれぞれ代入すると、
t′≧ρ′×L×(1/5)×10 ・・・(3)
即ち、
t′≧ρ×L×(1/5)×10/(100−V) ・・・(3′)
となる。例えば、透明基板100としてφ6″(インチ)基板を用いるとともに、無電解複合めっき層106′としてフッ素樹脂を30[Vol%]含み、マトリックス金属がP濃度2[%]のNiの場合には、
ρ′=30×10−6×100/(100−30)
=42.9×10−6[Ω・cm]
となることから、無電解複合めっき層106′の厚さt′[μm]は、
t′≧42.9×10−6×15.2×(1/5)×10=1.304[μm]
となる。よって、この場合には、1.31[μm]程度以上の厚さの無電解複合めっき層106′を形成すればよい。
このような無電解複合めっき層106′を形成する場合には、前記分離工程の後、無電解複合めっき層106′を加熱処理することが好ましい。撥液層として機能する無電解複合めっき層106′の撥液性を高めることができる。
また、本発明において、前記分離工程の後、前記電鋳層108を前記無電解めっき層106から分離するようにして、電鋳層108をノズルプレート60としてもよい。例えば、図5(a)に示すように、金属膜102による回折やレジスト残渣に起因してレジスト柱104aの根元形状に悪化が生じても、図5(b)に示すように、金属膜102上に無電解めっき層106及び電鋳層108を形成してから、図5(c)に示すように、レジスト柱104aを除去し金属膜102と無電解めっき層106の界面で剥離した後に、図5(d)に示すように、無電解めっき層106を選択溶解等の手段で除去することで、レジスト柱104aの形状悪化をキャンセルすることができる。無電解めっき層106の除去方法としては、無電解めっき層106の材質をSn等の両性金属(酸にもアルカリにも溶解する金属)にしておき、電鋳層108をアルカリに溶解しない金属で形成しておくことで、アルカリに浸漬することにより、選択的に無電解めっき層106のみを除去することができる。このようにして得られる電鋳層108をノズルプレート60とすることで、レジスト柱104aの根元形状の悪化による影響を受けることなく、高精度なノズル51を得ることができる。
本発明に係るノズルプレートの製造方法により製造されるノズルプレートの適用範囲は上述したインクジェト記録装置に限らず、工業用の精密塗布装置、レジスト印刷装置、電子回路基板の配線描画装置、染色加工装置など、液体を吐出(噴射)する各種の液滴吐出装置に用いられる液滴吐出ヘッドに適用可能である。
以上、本発明のノズルプレートの製造方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
インクジェット記録装置の概略を示す全体構成図 記録ヘッドの構造例を示す平面透視図 図2中3−3線に沿う断面図 ノズルプレートの製造方法を示す工程図 ノズルプレートの他の製造方法の一部を示す工程図
符号の説明
10…インクジェット記録装置、50…記録ヘッド、51…ノズル、52…圧力室、54…インク供給口、55…共通流路、60…ノズルプレート、100…透明基板、102…金属膜、104…レジスト層、104a…レジスト柱、106…無電解めっき層、108…電鋳層

Claims (2)

  1. 透明基板上に無電解めっきに対して触媒活性を有する金属膜をパターニングする工程と、
    前記金属膜上に感光性樹脂層を形成する工程と、
    前記透明基板側から前記金属膜を介して前記感光性樹脂層を露光し現像する工程と、
    前記金属膜上に無電解めっき層を形成する工程と、
    前記無電解めっき層を給電層として電鋳層を形成する工程と、
    前記無電解めっき層及び前記電鋳層を、前記透明基板、前記金属膜、及び前記感光性樹脂層から分離する工程と、
    前記電鋳層を前記無電解めっき層から分離する工程と、
    を含むことを特徴とするノズルプレートの製造方法。
  2. 前記無電解めっき層の厚さは、前記無電解めっき層の最大抵抗値が所定値以下となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のノズルプレートの製造方法。
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