JP4977331B2 - 蛍光体およびガス放電表示デバイス - Google Patents

蛍光体およびガス放電表示デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP4977331B2
JP4977331B2 JP2005140989A JP2005140989A JP4977331B2 JP 4977331 B2 JP4977331 B2 JP 4977331B2 JP 2005140989 A JP2005140989 A JP 2005140989A JP 2005140989 A JP2005140989 A JP 2005140989A JP 4977331 B2 JP4977331 B2 JP 4977331B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
ratio
particle
total number
zinc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005140989A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006008989A (ja
Inventor
純久 長崎
誠吾 白石
全弘 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2005140989A priority Critical patent/JP4977331B2/ja
Publication of JP2006008989A publication Critical patent/JP2006008989A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4977331B2 publication Critical patent/JP4977331B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Description

本発明は、マンガンによって付活された珪酸亜鉛蛍光体に関し、特に、紫外線による蛍光体の劣化を防止し、この蛍光体を用いたガス放電表示デバイスの画像品質における経時劣化を抑制する技術に関する。
一般にマンガン付活珪酸亜鉛蛍光体は、蛍光ランプやプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という。)などの紫外線を励起光源とする緑色発光物質として広く用いられており、特に、PDPなどのガス放電表示デバイスにおいては、高い色純度や高い発光効率を有することもあって広く用いられている。
マンガン付活珪酸亜鉛蛍光体における、母体である珪酸亜鉛は、一般式:Zn2SiO4で表される。またマンガン付活珪酸亜鉛蛍光体の化学組成は、例えばZn1.9Mn0.1SiO4で表されるが、実用的には、良好な発光効率を得るため、この化学量論組成よりも珪素が過剰な状態で使用されることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
一方、マンガン付活珪酸亜鉛蛍光体の製造方法としては、上記非特許文献1に記載されているように、二酸化珪素を代表とする珪素源と、酸化亜鉛を代表とする亜鉛源と、炭酸マンガンを代表とするマンガン源とを、前述の理由から化学量論比組成よりも若干珪素成分が過剰となるように配合、混合し、大気中あるいは還元雰囲気中で1200℃程度の熱処理(焼成)を行うことで製造される。
また、上述のような高温度雰囲気下で熱処理を行うため、製造中に表面から亜鉛成分が昇華しやすく、その結果として蛍光体粒子表面の組成に着目すると、粒子全体の組成に比較して珪素が過剰となっており、その珪素の一部は二酸化珪素として存在すると考えられている。
ところで、マンガン付活珪酸亜鉛蛍光体には、使用状況によって点灯時間の経過に伴い発光効率が低下するといった経時劣化の課題がある。蛍光ランプにおいては、このようなマンガン付活珪酸亜鉛蛍光体の経時劣化課題を改善する方法として、蛍光体粒子表面に窒化珪素化合物層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
また上記以外にも蛍光体の経時劣化を改善する方法として、蛍光体粒子全体の組成比、より具体的には、粒子全体におけるMn/Zn原子比とZn/Si原子比とを調整して、耐経時劣化性能を高める試みがある(例えば、特許文献2)。
蛍光体同学会、"蛍光体ハンドブック(第219項〜第220項)"、オーム社、昭和62年12月25日 特公平6−62944号公報 特開2002−309248号公報
しかしながら、前記特許文献1の方法では、蛍光ランプのように水銀を紫外線源とした比較的長波長の紫外線を用いる場合は有効であるが、PDPのようなより高いエネルギーを持つ短波長の紫外線を励起光とする場合においては、十分な経時劣化抑制効果を得られないという問題がある。
また、前記特許文献1の方法では、蛍光体粒子表面にマンガン付活珪酸亜鉛蛍光体以外の化合物層を形成した場合、励起光である紫外線や発光により生成した可視光が、前記化合物層に吸収され、発光効率を著しく低下させるという問題もある。
一方、前記特許文献2の方法を用いて、実際に蛍光体の粒子全体の成分組成比を適宜調整し、試作してみると、いずれにおいても経時劣化を十分抑制するのは困難であり、実用的でないことが判明した。
何故なら、本願発明者の鋭意検討により、以下のことが明らかとなったからである。
1)蛍光体粒子において発光に寄与する部位は粒子表面のごく近傍である。
2)粒子全体の元素構成比と、粒子近傍の元素構成比とは、必ずしも一致しない。
つまり、粒子全体の元素構成比を調整するだけでは、発光に寄与する粒子近傍の元素構成比を制御し、かつ安定化させることは困難であることが明らかとなった。
そこで本発明は、上記問題を解決しようとなされたものであって、発光輝度を維持しつつ、蛍光体の経時劣化を抑制することが可能なマンガン付活珪酸亜鉛蛍光体を提供することを目的とする。
また、発光輝度を従来レベルに維持しつつ、蛍光体の経時劣化が起こりにくい、ガス放電表示デバイスを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のマンガン付活珪酸亜鉛蛍光体は、粒子の表面およびその近傍における、珪素原子総数に対する亜鉛原子総数の比をαとし、前記蛍光体粒子全体における、珪素原子総数に対する亜鉛原子総数の比をβとするとき、前記αおよび前記βは、0<β−α≦0.5、かつ、1.7≦βの関係を有する。
蛍光体の経時劣化は、蛍光体粒子のごく表面における亜鉛成分が、真空紫外光吸収の際に昇華、蒸発もしくは脱離し、表面近傍のZn/Si比が小さくなる方向に変化することにより生じているものと考えられ、蛍光体の経時劣化を抑制する上では、特に蛍光体粒子表面における組成、即ち元素構成比が重要となる。
何故なら、本願発明者らの鋭意検討により、蛍光体粒子表面に存在するSiO(以下、「シリカ」という。)は不純物が吸着し易く、これに紫外線吸収時のイオン衝撃による影響も相俟って、蛍光体粒子表面に物理的な欠陥を生じさせることが明らかとなったからである。
さらに、本願発明者らは、従来のマンガン珪酸亜鉛蛍光体では、表面のZn/Si比が小さく、即ちSiの割合が多く、発光に伴って蛍光体粒子表面のZn/Si比が変化し易く、かつ欠陥が生じ易いことを見いだした。
これらのことから、本願発明者らは、蛍光体の輝度経時劣化を抑制するためには、蛍光体粒子表面にイオン衝撃を受けた際にも、極力表面近傍のZn/Si比が安定で、かつ欠陥が生じ難い構成にすることが極めて重要であると考えた。
上述のように、0<β−α≦0.5とすることで、表面近傍のZn/Si比(α)が、粒子全体のZn/Si比(β)に近づき、蛍光体粒子の表面から中心にかけて、亜鉛の濃度勾配が小さくなるので、拡散現象に起因した表面Zn/Si比の変化が抑制されて、蛍光体粒子表面における組成、即ち元素構成比が安定する。つまり、蛍光体粒子における局所的な元素構成比の経時的変化が少ない。
さらに、上述のように1.7≦βとすることにより、βの値を化学量論組成である2に近づけることによって、さらに、組成の均質化が図られ欠陥が生じ難くかつ表面のZn/Si比をさらに安定化させることができる。
ここで、βの値が化学量論組成に近づくということは、発光輝度の低下を生じさせるような要因もなく、したがって、発光輝度が維持されつつ、蛍光体の経時劣化が抑制されるという効果が奏される。
また、前記αの値は、AlKα線を照射X線とするX線光電子分光法を用いた測定により求められる蛍光体粒子表面近傍における珪素原子数に対する亜鉛原子数の比であり、前記βの値は、誘導結合プラズマ発光分析法を用いた測定により求められた珪素原子総数に対する亜鉛原子総数の比であることが望ましい。
上述のように、α及びβの値の求め方を規定する、即ち、測定方法を固定することによって、α及びβの値の精度が高められて、上記効果の再現性が向上する。
また、前記粒子の表面およびその近傍とは、前記蛍光体粒子の表面からの深さが、4nm以内の範囲である。
紫外線吸収時における蛍光体の経時劣化の原因である、蛍光体粒子表面からの亜鉛成分の昇華、蒸発または脱離の現象が顕著となっている範囲に対応するαの値を用いることにより、上記効果の再現性が向上する。
また、前記αと前記βの関係が、β−α≦0.3であることが望ましい。
これにより、αの値が、βの値に近づき、蛍光体粒子の表面から中心にかけての、亜鉛の濃度勾配がさらに小さくなるので、拡散現象に起因した表面Zn/Si比の変化が抑制されて、蛍光体粒子表面における組成が安定する。つまり、蛍光体粒子における局所的な組成の経時的変化がますます少なくなる。
また、前記βの値が、β≦2.0であることが望ましい。
これにより、さらに、このようにすることにより、βの値を化学量論組成である2に近づけるため、さらに、組成の均質化が図られ欠陥が生じ難くかつ表面のZn/Si比をさらに安定化させるとともにことができる。
また、本発明のガス放電表示デバイスは、緑色蛍光体を備えるガス放電表示デバイスであって、前記緑色蛍光体は、複数の蛍光体粒子からなり、前記蛍光体粒子の少なくとも一部は、マンガン付活珪酸亜鉛蛍光体であって、粒子の表面およびその近傍における珪素原子総数に対する亜鉛原子総数の比をαとし、前記蛍光体粒子全体における珪素原子総数に対する亜鉛原子総数の比をβとするとき、前記αおよび前記βは、0<β−α≦0.5、かつ、1.7≦βの関係を有する。
これにより、ガス放電表示デバイスは、経時劣化の少ない蛍光体が用いられているため、長時間駆動させても、緑色の発光輝度の低下などによる画像品質の劣化が生じ難い。
<1.構成>
図1は、本発明の実施形態におけるガス放電表示デバイスの一例としてのプラズマディスプレイパネルの概略図である。
PDP100は、交流型(AC型)のPDPであり、互いに主面を対向させて配設された前面板90および背面板91から構成される。
前面板90は、前面ガラス基板101と、表示電極102と、誘電体層106と、保護層107とからなる。
前面ガラス基板101は、前面板90のベースとなる材料で、この前面ガラス基板101上に表示電極102が形成されている。
この表示電極102は、透明電極103と、黒色電極膜104と、バス電極105とからなる。
黒色電極膜104は、主成分の酸化ルテニウムが黒色を呈することで、ガラス裏面側から見た場合の外光の反射を防止する役割を果たす。
また、バス電極105は、高い導電性を有する銀を主成分とするため、全体の抵抗値を下げる役割を果たす。
バス電極105は、長手方向の一端に、不図示の駆動回路に接続するための端子部108を有する。
表示電極102及び前面ガラス基板101は、さらに、誘電体層106及び保護層107で覆われている。
背面板91は、背面ガラス基板111と、アドレス電極112と、誘電体層113と、隔壁114と、隣接する隔壁114どうしの間隙(以下、「隔壁溝」という。)の壁面に形成された蛍光体層115とからなる。
上記蛍光体層115の発光物質としては、例えば、下記に示すような蛍光体材料を用いる。
青色蛍光体 BaMgAl1017:Eu
緑色蛍光体 ZnSiO:Mn
赤色蛍光体 YBO:Eu
前面板90及び背面板91は、図1に示すように重ね合わされ、その周縁部に設けられた封着ガラス190を介して接合されている。
放電空間116には、He、Xe、Neなどの希ガス成分からなる放電ガス(封入ガス)が500〜600Torr(66.5〜79.8kPa)程度の圧力で封入されている。
隣り合う一対(X電極及びY電極)の表示電極102と1本のアドレス電極112とが、放電空間116を挟んで交差する領域が画像表示に寄与するセルとなる。
このPDP100において、点灯させようとするセルを横切るX電極とアドレス電極112間に電圧が印加されてアドレス放電がなされた後に、前記セルを横切るX電極及びY電極にパルス電圧が印加されることにより維持放電がなされる。
PDP100において、放電空間116では、この維持放電により紫外線が発生し、発生した紫外線(波長約146nmを中心波長とする共鳴線)が蛍光体層115に当たることにより、この紫外線が可視光に変換され、セルが点灯し、画像が表示される。
<2.本実施の形態におけるPDP100の特徴>
本実施の形態におけるPDP100は、蛍光体層115中の緑色蛍光体粒子の組成が従来とは異なる。
より具体的には、図2に示すように、蛍光体粒子の表面近傍の珪素原子総数に対する亜鉛原子総数の比(以下、「表面Zn/Si比」という。)をαとし、蛍光体粒子全体の珪素原子総数に対する亜鉛原子総数の比(以下、「総括Zn/Si比」という。)をβとした場合、前記αと前記βが、0<β−α≦0.5、かつ、1.7≦βの関係となっている。
ここで、上記粒子の表面およびその近傍とは、蛍光体粒子表面からの深さが4nm以内の範囲を言う。
従来の緑色蛍光体粒子は、総括Zn/Si比が1.92であり、表面Zn/Si比が、0.91となっており、その差が1.01程度であるが、本実施の形態1における緑色蛍光体粒子は、総括Zn/Si比が1.91であり、表面Zn/Si比が1.90であり、その差は、0.01であり極めて少ない。
<3.表面Zn/Si比および総括Zn/Si比の設定根拠>
発明者らは、従来の緑色蛍光体の表面に形成されているSiO(以下、「シリカ」という。)が劣化を促進させているのではないかと考えた。
即ち、蛍光体粒子表面に存在するシリカにより、蛍光体粒子表面に放電空間内に漂う不純物が吸着され、イオン衝撃などの影響も相俟って、蛍光体粒子表面を起点とする物理的な劣化が生じているのではないかと考えた。
そこで、表面と内部の組成的に差がない蛍光体粒子を作成したところ、初期の発光効率が低下することが判明した。
これでは、経時的な劣化による輝度低下が抑制されたとしても、初期の発光輝度が製品基準を満足していないと意味がない。
逆に、蛍光体中の珪素の割合を増やせば、珪素が蛍光体表面にシリカとして析出した状態となり、劣化耐性が悪化する反面、発光効率は向上する。
従来の蛍光体製造方法によれば、0<β−α≦0.5、かつ、1.7≦βの関係、即ち、表面と内部の組成にあまり差が見られない蛍光体粒子を製造しようとすれば、焼成温度を1200℃よりもさらに下げなければならない。
このように焼成温度を下げると、蛍光体に含まれているMnの価数が増加し、即ち、2価のものが減少して、3価のものが増加するものと推測される。その上、蛍光体の結晶性が低下すると考えられる。
しかしながら、発光に寄与するマンガンは、主に2価のものであることが通説となっており、また、蛍光体の結晶性が高いほど、高い発光効率が得られると考えられるため、焼成温度を下げることによって発光輝度の低下を招く。
発明者らは、鋭意検討の末、焼成時において、大気遮断雰囲気中で降温することにより、焼成温度が高い場合であっても、0<β−α≦0.5、かつ、1.7≦βの関係、即ち、表面と内部の組成にあまり差が見られない蛍光体粒子を製造することができることを発見した。
これにより、2価のマンガンの割合を高めて、初期の発光輝度を高めつつ、紫外線による経時劣化に強い蛍光体を製造することができる。
<4.緑色蛍光体粒子の製造方法>
(1)原料混合工程
ZnSiO:Mnにおけるマンガン供給源となる材料(以下、「Mn材」という。)として、高純度の(純度99%以上)の酸化マンガンを用いる。
また、上述のように、酸化マンガンを直接用いる方法以外に、高純度(純度99%以上)の水酸化マンガン、炭酸マンガン、硝酸マンガン、ハロゲン化マンガン、シュウ酸マンガン等を初期の材料に用い、これらを製造過程における焼成工程を経ることにより、間接的に上記酸化マンガンを得る方法であっても構わない。
ZnSiO:Mnにおける亜鉛供給源となる材料として(以下、「Zn材」という。)、直接高純度の(純度99%以上)の酸化亜鉛を用いる。
また、上述のように、酸化亜鉛を直接用いる方法以外に、高純度(純度99%以上)の水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硝酸亜鉛、ハロゲン化亜鉛、シュウ酸亜鉛等を初期の材料に用い、これらを製造過程における焼成工程を経ることにより、間接的に上記酸化亜鉛を得る方法であっても構わない。
ZnSiO:Mnにおける珪素供給源となる材料(以下、「Si材」という。)としては、高純度(純度99%以上)の二酸化珪素を用いることができる。
また、珪酸エチルなどの珪素アルコキシド化合物を加水分解して得られる珪素の水酸化物を用いてもよい。
具体的な各蛍光体の材料の配合量は以下の通りである。
MnCO 0.10mol
ZnO 1.90mol
SiO 1.00mol
Mn材、Zn材およびSi材の混合には、工業的に通常用いられるV型混合機、攪拌機等を用いることができ、また、粉砕機能を有したボールミル、振動ミル、ジェットミル等も用いることができる。
以上のようにして、蛍光体材料の混合粉が得られる。
(2)焼成工程
図3は、焼成工程における焼成炉の温度プロファイルの一例である。
大気雰囲気中において、焼成開始後6時間程度で最高温度1200℃にし、この最高温度を維持して4時間焼成を行う。
その後、通常行なわれる大気雰囲気中で降温するのではなく、炉内への大気の導入を遮断した状態で約12時間かけて降温させる。
なお、ここでは、焼成温度1200℃、焼成時間4時間に設定するとしたが、無論、焼成温度および焼成時間等は原料の粒子径や原料のシリカ(SiO)の形状等により最適値を合わせるために適宜調整が必要であることは言うまでもない。
また、厳密には、総括Zn/Si比を目的の値にするためには、SiOの配合比を上述の1.00molから上下させて調整する必要がある。
さらに、表面Zn/Si比の値と総括Zn/Si比との差を目的の値にするためには、焼成工程における焼成温度と焼成雰囲気を調整する必要がある。
ちなみに、大気雰囲気中で焼成する場合、表面Zn/Si比の値と総括Zn/Si比との差を小さくしようとすれば、焼成温度を1200℃よりも低く設定しなければならないので、結晶性が低い上、2価のマンガンの割合が減り、3価のマンガンの割合が増加するものと考えられ、発光輝度が低下する。
発明者らは、鋭意検討の末、2価のマンガンの割合を維持しつつ、表面Zn/Si比の値と総括Zn/Si比との差を小さくしようとすれば、大気遮断雰囲気で焼成すればよいことを見出した。
以上により本発明の粒子状のマンガン付活珪酸亜鉛蛍光体が製造される。
<5.蛍光体インクの製造方法>
上記マンガン付活珪酸亜鉛蛍光体粒子をふるいにかけるなどして、平均粒径2μmに調整した緑色蛍光体30wt%と、エチルセルロース(分子量約20万)4.5wt%と、溶剤(ブチルカルビトールアセテート)65.5wt%とを混合する。
粘度としては、蛍光体インクを隔壁114に十分付着させるため、最終的に2000〜6000cps程度に調整するのが望ましい。
このように調整された蛍光体インクを、例えば、メニスカス法で、隔壁溝に塗布した後、これを500℃で10分程度乾燥および焼成し、蛍光体層115を形成する。
なお、当然ながら蛍光体インクの成分は上記内容に限定されるものではない。
また、塗布方法もこれ以外の方法(例えばラインジェット法)を用いてもよい。
<6.劣化評価試験>
発明者らは、本実施の形態におけるマンガン付活珪酸亜鉛蛍光体の劣化評価試験を実施した。
以下、この劣化評価試験の詳細について説明する。
(蛍光体の劣化性能評価法)
マンガン付活珪酸亜鉛蛍光体の劣化環境として、波長146nmの真空紫外光(VUV)を蛍光体粒子に照射した。
各試験品の発光輝度としては、従来の蛍光体(後述の比較品1)における初期の発光輝度を100(基準)とし、これに対する相対的な発光輝度を求めた。
また、各試験品の初期における相対発光輝度Aと、真空紫外光100時間照射後の相対発光輝度Bとを求め、相対発光輝度Bを相対発光輝度Aで除して100倍した値を発光輝度維持率(%)とした。
この発光輝度維持率が80%以上(より好ましくは、85%以上)であれば、PDPにおける蛍光体の経時劣化の抑制に効果があると判定した。
(各試験対象品の仕様および性能評価結果)
表1に実施例品1〜7および比較品1〜3の蛍光体の組成および性能評価結果を示す。
以下に示す各試験対象品、即ち、比較品および実施例品は、蛍光体粒子全体及び表面それぞれにおいて存在している珪素に対する亜鉛の割合(以下、「Zn/Si比」という。)を調整したものである。
Figure 0004977331
実施例品1は、本実施の形態で述べた緑色蛍光体と同様の構成であり、比較品1は、従来の蛍光体(従来品)と同様の構成である。
また、実施例品1〜7および比較品1〜3の蛍光体は、前記原料混合工程において示した酸化亜鉛と二酸化珪素の比率と前記焼成工程において示した焼成条件にもとづいて作製されている。
表1に示すように、実施例品1〜7は、いずれも表面Zn/Si比と総括Zn/Si比との差が0.5以内であり、かつ、総括Zn/Si比が1.7以上であり、発光輝度維持率が80%以上となっている。
これに対して、比較品1〜2では、総括Zn/Si比が1.7以上であるが、表面Zn/Si比と総括Zn/Si比との差が、0.5を超えており、発光輝度維持率が80%未満となっている。
また、比較品3は、表面Zn/Si比と総括Zn/Si比との差が、0.5以下であるが、総括Zn/Si比が1.7未満であり、発光輝度維持率が80%未満となっている。
また、実施例品1〜7の中でも、表面Zn/Si比と総括Zn/Si比との差が0.3を超えている実施例品2では、発光維持率が80%であるのに対し、表面Zn/Si比と総括Zn/Si比との差が0.3以内で、かつ、総括Zn/Si比が1.7以上となっている実施例品1、3〜7では、発光輝度維持率は85%以上となっている。
したがって、表面Zn/Si比と総括Zn/Si比との差を0.3以下とすることによって、さらに発光輝度維持率が向上することができる。
以上より、表面Zn/Si比と総括Zn/Si比との差を0.5以下、かつ、総括Zn/Si比を1.7以上とすることにより、80%以上の優れた発光輝度維持率が得られることがわかる。
なお、総括Zn/Si比が2.0以下であれば、発光輝度の初期値が比較品1の従来品の90%以上となり、初期性能基準を満足することが判った。
<7.実機評価試験>
図4は、実施例品1および比較品1の蛍光体を用いて、蛍光体層115を形成したPDPをそれぞれ駆動した場合における発光輝度維持率(%)の経時変化を示す図である。
このとき、PDPは緑色1色固定表示とした。
図4に示すように、本実施の形態の緑色蛍光体を用いたPDPは、従来のPDPよりも経時的な輝度劣化が抑制され、画像品質を良好に維持することができた。
一方、従来のPDPでは、緑色の発光輝度が経時的に低下する度合いが大きく、当初の各色蛍光体による色バランスが駆動時間に伴って崩れてしまい、あたかも画面が焼き付いたように特定の色残像(緑色配合を損なった画像)が表示される焼き付き現象が発生した。
(劣化評価試験における測定方法の詳細について)
1)蛍光体粒子表面の組成比を求める方法
蛍光体粒子表面の組成比、即ち、表面Zn/Si比を求める方法として、AlKα線によるX線光電子分光法(以下、「XPS法」という。)を用いた。
より具体的には、上記XPS法では、照射X線としてAlKα線を用い、試料から飛び出す光電子のエネルギーを測定する。
上記XPS法により測定される光電子のエネルギーは、試料表面から4nm以内の範囲に存在する元素の情報を含んでおり、照射対象物に含まれる各元素それぞれに相対感度因子が明らかになっていることを利用して、珪素2p軌道に起因する光電子ピーク面積換算から蛍光体粒子表面近傍での相対珪素原子数が求められ、また、亜鉛2p3軌道に起因する光電子ピーク面積換算から、蛍光体粒子表面近傍での相対亜鉛原子数との比、即ち、表面Zn/Si比が求められる。
2)蛍光体粒子全体における組成比を求める方法
蛍光体粒子全体の組成比、即ち、総括Zn/Si比を求める方法として、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES)を用いた。
より具体的には、ICP−AESでは、試料を酸やアルカリなどで溶解した後、プラズマ中に噴霧することで溶液中に存在していた元素が原子化されるとともに励起され、低いエネルギー準位に遷移する際に各元素固有の光を放出する現象を利用する。
つまり、この放出光の波長及び強度を測定することで、総括Zn/Si比を測定する。
なお、蛍光体粒子全体の組成比を測定する他の方法として、滴定法、誘導結合プラズマ質量分析法、蛍光X線分析法などもあるが、測定方法が異なれば、測定値も異なってくるため、本実施の形態において記載する総括Zn/Si比の数値的根拠については、ICP−AESによる測定結果にもとづく。
また、表面Zn/Si比の数値的根拠についても、上記と同様に理由によりXPS法による測定結果にもとづく。
(その他の事項)
本実施の形態では、マンガンの付活量を蛍光体1molに対して0.1molとしたが、特にこの値に限定するものではなく、通常蛍光体で用いられる範囲であればよい。
一般に、マンガン量が少ない場合には、残光時間が長くなるという問題が生じ、逆に多い場合には、発光効率が低下するという問題が生じるため、これらの問題が生じない範囲(好ましくは、蛍光体1molに対して、0.01〜0.2mol)で、マンガンを使用することができる。
また、本実施の形態では、PDPを例に、これに使用する蛍光体について述べたが、本実施の形態における蛍光体を蛍光灯などの放電発光デバイスに適用しても、PDPの場合と同様の効果が得られることは言うまでもない。
本発明のマンガン付活珪酸亜鉛蛍光体粒子は、プラズマディスプレイパネルなどのガス放電パネルにおける蛍光体層や、その他蛍光ランプの蛍光膜に利用することが可能である。
実施の形態におけるPDPの概略図である。 実施の形態における蛍光体粒子の概略図である。 実施の形態における蛍光体粒子の焼成工程の温度条件を示す図である。 実施の形態における蛍光体粒子および従来の蛍光体粒子を用いたPDPの駆動試験結果を示す図である。
符号の説明
90 前面板
91 背面板
100 PDP
101 前面ガラス基板
102 表示電極
103 透明電極
104 黒色電極膜
105 バス電極
106 誘電体層
107 保護層
108 端子部
111 背面ガラス基板
112 アドレス電極
113 誘電体層
114 隔壁
115 蛍光体層
116 放電空間
190 封着ガラス

Claims (5)

  1. マンガン付活珪酸亜鉛蛍光体であって、
    粒子の表面およびその近傍における珪素原子総数に対する亜鉛原子総数の比をαとし、前記蛍光体粒子全体における珪素原子総数に対する亜鉛原子総数の比をβとするとき、
    前記αおよび前記βは、
    0<β−α≦0.5、かつ、1.7≦βの関係を有し、
    前記粒子の表面およびその近傍とは、前記蛍光体粒子の表面からの深さが、4nm以内の範囲であり、
    焼成後、炉内への大気の導入を遮断した状態で降温させることによって得られる蛍光体。
  2. 前記αの値は、AlKα線を照射X線とするX線光電子分光法を用いた測定により求められる蛍光体粒子表面近傍における珪素原子数に対する亜鉛原子数の比であり、
    前記βの値は、誘導結合プラズマ発光分析法を用いた測定により求められた珪素原子総数に対する亜鉛原子総数の比であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体。
  3. 前記αと前記βの関係が、β−α≦0.3であることを特徴とする請求項に記載の蛍光体。
  4. さらに、前記βの関係が、β≦2.0であることを特徴とする請求項に記載の蛍光体。
  5. 緑色蛍光体を備えるガス放電表示デバイスであって、
    前記緑色蛍光体は、複数の蛍光体粒子からなり、
    前記蛍光体粒子の少なくとも一部は、マンガン付活珪酸亜鉛蛍光体であって、粒子の表面およびその近傍における珪素原子総数に対する亜鉛原子総数の比をαとし、前記蛍光体粒子全体における珪素原子総数に対する亜鉛原子総数の比をβとするとき、前記αおよび前記βは、0<β−α≦0.5、かつ、1.7≦βの関係を有し、
    前記粒子の表面およびその近傍とは、前記蛍光体粒子の表面からの深さが、4nm以内の範囲であり、
    前記蛍光体粒子は、焼成後、炉内への大気の導入を遮断した状態で降温させることによって得られる、ガス放電表示デバイス。
JP2005140989A 2004-05-26 2005-05-13 蛍光体およびガス放電表示デバイス Expired - Fee Related JP4977331B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005140989A JP4977331B2 (ja) 2004-05-26 2005-05-13 蛍光体およびガス放電表示デバイス

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004156499 2004-05-26
JP2004156499 2004-05-26
JP2005140989A JP4977331B2 (ja) 2004-05-26 2005-05-13 蛍光体およびガス放電表示デバイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006008989A JP2006008989A (ja) 2006-01-12
JP4977331B2 true JP4977331B2 (ja) 2012-07-18

Family

ID=35776580

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005140989A Expired - Fee Related JP4977331B2 (ja) 2004-05-26 2005-05-13 蛍光体およびガス放電表示デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4977331B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101322214B (zh) * 2006-02-23 2010-06-02 松下电器产业株式会社 等离子显示装置以及等离子显示装置用绿色荧光体材料的制造方法
US7659668B2 (en) 2006-02-23 2010-02-09 Panasonic Corporation Plasma display device
KR100896117B1 (ko) * 2006-02-23 2009-05-07 파나소닉 주식회사 플라즈마 디스플레이 장치 및 플라즈마 디스플레이 장치용녹색 형광체 재료의 제조 방법
DE602007004042D1 (de) * 2006-02-23 2010-02-11 Panasonic Corp Plasmaanzeigegerät
WO2012114691A1 (ja) * 2011-02-24 2012-08-30 パナソニック株式会社 プラズマディスプレイパネル
JPWO2012114692A1 (ja) * 2011-02-24 2014-07-07 パナソニック株式会社 プラズマディスプレイパネル

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100293330B1 (ko) * 1999-05-25 2001-06-15 김충섭 오르토규산 아연계 녹색 발광 형광체의 제조방법
JP3690377B2 (ja) * 2002-07-24 2005-08-31 コニカミノルタホールディングス株式会社 蛍光体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006008989A (ja) 2006-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7238303B2 (en) Phosphor and plasma display device
JP4042372B2 (ja) 蛍光体の製造方法
JP2006193712A (ja) プラズマディスプレイ用蛍光体,これを含むプラズマディスプレイ用蛍光体組成物およびこの組成物を含むプラズマディスプレイパネル
JP2004176010A (ja) 発光装置およびこれを用いた表示装置
JP4977331B2 (ja) 蛍光体およびガス放電表示デバイス
JP2010248525A (ja) 蛍光体とその製造方法、および当該蛍光体を用いたプラズマディスプレイパネル
US7183705B2 (en) Plasma display unit, phosphor and process for producing phosphor
JP5248534B2 (ja) フッ素含有酸化マグネシウム粉末の製造方法
KR100966764B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널용 형광체 및 이로부터 형성된형광막을 구비한 플라즈마 디스플레이 패널
CN100549127C (zh) 具有抗紫外线引起的劣化性的荧光体,以及图像质量不易随时间劣化的气体放电显示设备
JP4157324B2 (ja) アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体、蛍光体ペースト組成物及び真空紫外線励起発光素子
JP2008050523A (ja) プラズマディスプレイ装置および発光装置
JP4178942B2 (ja) 珪酸塩蛍光体の製造方法
JP5011082B2 (ja) 画像表示装置
JP4058864B2 (ja) 真空紫外線励起発光素子用蛍光体
JP2003336055A (ja) プラズマディスプレイ装置
JP2004131677A (ja) 2価金属珪酸塩蛍光体及びその製造方法、並びにその蛍光体を用いた蛍光体ペースト組成物及び真空紫外線励起発光素子
JP2005097599A (ja) 蛍光体とその製造方法、および当該蛍光体を用いたプラズマディスプレイパネル
JP2005023317A (ja) 蛍光体とその製造方法、および前記蛍光体を用いたガス放電表示パネルおよび蛍光ランプ
JP2008303230A (ja) 蛍光体およびその製造方法
JP5212553B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2005336488A (ja) プラズマディスプレイパネル用青色蛍光体およびその製造方法,並びにプラズマディスプレイパネル
JP4870690B2 (ja) 緑色蛍光体及びプラズマディスプレイパネル
JP2006206641A (ja) 真空紫外線用蛍光体、蛍光体ペースト組成物及びプラズマディスプレイパネル
JP2008050390A (ja) 真空紫外線励起アルミン酸塩蛍光体及びそれを用いた真空紫外線励起発光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080321

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120117

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120302

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120321

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120416

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150420

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees