JP4977202B2 - 振動型アクチュエータ及びそれを備えた駆動装置 - Google Patents

振動型アクチュエータ及びそれを備えた駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、圧電素子を有する振動型アクチュエータ及びそれを備えた駆動装置に関するものである。
従来より、圧電素子を有する振動型アクチュエータとしては、特許文献1に開示されたものが知られている。
特許文献1に係る振動型アクチュエータは、圧電素子で構成されたアクチュエータ本体と、該アクチュエータ本体に取り付けられた駆動子とを備えている。
このアクチュエータ本体は、長手方向を有する平板状の圧電素子で構成されており、対角位置にある2対の電極にそれぞれ位相の異なる交流電圧を印加することで、該圧電素子の長手方向への縦振動(所謂、伸縮振動)と該圧電素子の短手方向への屈曲振動(所謂、横振動)とを調和的に発生させている。その結果、駆動子は、該圧電素子の長手方向と短手方向とを含む平面内で周回運動、詳しくは、楕円運動を行う。
このように構成された振動型アクチュエータは、固定体と、該固定体に対して相対的に移動可能に配置された可動体の間に配置される。詳しくは、振動型アクチュエータは、前記駆動子が固定体及び可動体のうちの一方(以下、被当接体ともいう)に当接した状態で、固定体及び可動体のうちの他方に固定されて配設されている。その状態で、振動型アクチュエータを作動させて駆動子を前述の如く周回運動させると、駆動子は周回運動の或る領域では被当接体を押圧しながら摩擦力を増大させて周回し、周回運動の別の領域では被当接体から離間して又は被当接体との間の摩擦力を低減した状態で周回することになる。そして、被当接体を押圧しながら周回するときに、駆動子と被当接体との間の摩擦力を介して駆動力が可動体に伝達され、可動体を所定の方向へ駆動する。
そして、前記特許文献1に記載された振動型アクチュエータは、駆動子を圧電素子と一体焼成することで、振動型アクチュエータの小型化を図っている。
特開2005−94956号公報
しかしながら、前記特許文献1のように振動型アクチュエータを小型化すると、駆動力を確保すべく、振動型アクチュエータに加えられる電力がハイパワー化される傾向にある。こうして、振動型アクチュエータがハイパワー化されると、圧電素子に加わるひずみが大きくなる。そして、該ひずみが圧電素子の弾性限界を超えると、該圧電素子が破損する虞がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧電素子が弾性限界を超えて変形して破損することを防止することにある。
本発明に係る振動型アクチュエータは、圧電素子を有し、振動方向が互いに異なる複数の振動を行うことで駆動力を出力するアクチュエータ本体と、前記アクチュエータ本体を収容するケースと、前記ケースと前記アクチュエータ本体との間に配設されて該アクチュエータ本体の振動の非ノード部において該アクチュエータ本体に対して該振動の振動方向へ両側から圧縮力を予め付与する少なくとも2つの予圧部材及び該予圧部材を連結する連結部材を有する予圧ユニットとを備えている。そして、前記連結部材は、本体部と該本体部よりも剛性が低い低剛性部とを有し、前記予圧ユニットは、その外形寸法が前記ケースの内部寸法よりも大きく、前記ケースと前記アクチュエータ本体との間に配設されるときには、少なくとも前記連結部材が前記低剛性部において圧縮変形しているものとする。
前記の構成の場合、少なくとも2つの予圧部材によりアクチュエータ本体の非ノード部においてアクチュエータ本体に予め圧縮力を加えておくことによって、振動型アクチュエータの作動時に圧電素子に生じる引張応力を小さくすることができ、圧電素子を破損しにくくすることができる。
そして、複数の前記予圧部材を連結部材で連結してユニット化することによって、該予圧部材を前記ケースとアクチュエータ本体との間に配設する際の組立性及び位置決め精度を向上させることができる。また、このようにユニット化された予圧ユニットは、通常時には外形寸法がケースの内部寸法よりも大きく、ケースとアクチュエータ本体との間に配設されるときには圧縮変形する。
ここで、複数の予圧部材を連結部材を介して予圧ユニットを構成し、該予圧ユニットを圧縮変形させた状態でケースとアクチュエータ本体との間に配設する構成においては、予圧ユニットを圧縮変形させた状態でケースとアクチュエータ本体との間に配設しているときに、予圧部材が連結部材から不要な外力を受ける虞がある。その結果、予圧部材の位置が所望の位置からずれたり、アクチュエータ本体に対して所望の圧縮力を付与できなかったりする。すなわち、予圧ユニットを圧縮変形させると、当然、連結部材も変形し、この変形した連結部材の応力によって予圧部材に外力が作用する虞がある。
そこで、本発明では、連結部材に低剛性部を設け、予圧ユニットを圧縮変形させるときには、連結部材が該低剛性部にて圧縮変形するように構成している。こうすることで、連結部材に生じる圧縮応力が小さくなり、連結部材から予圧部材に作用する不要な外力を抑制することができる。
また、本発明に係る駆動装置は、相対移動可能な固定体及び可動体と、前記固定体及び可動体の間に介設される前記振動型アクチュエータとを備えている。そして、前記振動型アクチュエータは、前記アクチュエータ本体が前記可動体に対して押圧された状態で配設され、前記予圧部材により付与される圧縮力は、前記アクチュエータ本体を前記可動体に対して押圧する押圧力よりも大きいものとする。
本発明によれば、少なくとも2つの予圧部材によりアクチュエータ本体の振動の非ノード部において該アクチュエータ本体に該振動の振動方向へ圧縮力を予め付与することによって、圧電素子が破損し難い振動型アクチュエータを実現することができる。また、これら複数の予圧部材を連結部材を介してユニット化することによって、振動型アクチュエータの組立性を向上させることができると共に、予圧部材の位置決め精度を向上させることができる。それに加えて、連結部材に低剛性部を設けると共に、予圧ユニットをケースとアクチュエータ本体との間に配設するときには、連結部材を少なくとも該低剛性部において圧縮変形させることによって、連結部材から予圧部材へ不要な外力が与えられることを防止することができ、所望の位置で所望の大きさの圧縮力を予圧部材からアクチュエータ本体へ付与することができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る超音波アクチュエータの分解斜視図である。 図2は、超音波アクチュエータの斜視図である。 図3は、駆動装置の斜視図である。 図4は、圧電素子ユニットの分解斜視図である。 図5は、アクチュエータ本体の概略構成を示す概略正面図である。 図6は、アクチュエータ本体の長手方向への縦振動の1次モードによる変位を示す概念図である。 図7は、アクチュエータ本体の屈曲振動の2次モードによる変位を示す概念図である。 図8は、アクチュエータ本体の動作を示す概念図である。 図9は、支持ユニットを示す平面図であって、(a)は通常時を、(b)は圧縮変形時を示す図である。 図10は、組立前の超音波アクチュエータを示す断面図である。 図11は、組立後の超音波アクチュエータを示す断面図である。 図12は、超音波アクチュエータによるステージの駆動を説明するための概念図であって、(a)は駆動前の状態、(b)はアクチュエータ本体が長手方向に伸張することで一方の駆動子によってステージを駆動する状態、(c)はアクチュエータ本体が長手方向に収縮することで他方の駆動子によってステージを駆動する状態を示す。 図13は、参考例に係る超音波アクチュエータの断面図である。 図14は、実施形態2に係る支持ユニットの斜視図である。 図15は、支持ユニットを示す平面図であって、(a)は通常時を、(b)は圧縮変形時を示す図である。 図16は、組立前の超音波アクチュエータを示す断面図である。 図17は、組立後の超音波アクチュエータを示す断面図である。 図18は、実施形態3に係る支持ユニットの斜視図である。 図19は、組立前の超音波アクチュエータを示す断面図である。 図20は、組立後の超音波アクチュエータを示す断面図である。 図21は、支持ゴムの位置がずれた場合の超音波アクチュエータを示す断面図である。 図22は、実施形態3の変形例に係る支持ユニットの斜視図である。 図23は、相対的に小さな駆動子が設けられたアクチュエータ本体の正面図である。 図24は、相対的に大きな駆動子が設けられたアクチュエータ本体の正面図である。 図25は、実施形態4に係るアクチュエータ本体4の正面図である。 図26は、支持ユニットの斜視図である。 図27は、超音波アクチュエータを示す断面図である。 図28は、実施形態5に係る超音波アクチュエータを示す断面図である。 図29は、その他の実施形態に係る駆動装置の斜視図である。 図30は、別のその他の実施形態に係る駆動装置の斜視図である。 図31は、さらに別のその他の実施形態に係る駆動装置の斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1に係る駆動装置1は、図3に示すように、ステージ11と、超音波アクチュエータ2と、該超音波アクチュエータ2を駆動制御する制御装置(図示省略)とを備えている。
ステージ11は、互いに平行な状態で固定体としての基台(図示省略)上に固定されたガイド12,12に摺動可能に取り付けられている。つまり、ステージ11は、ガイド12,12が延びる方向に沿って移動可能に構成されている。このステージ11が可動体を構成する。これらガイド12,12の延びる方向がステージ11の可動方向となる。このステージ11は、平面視略方形の板状部材であって、アルミナで形成されている。尚、ステージ11の材質は、アルミナに限られるものではなく、任意の材質を用いて形成することができる。そして、前記超音波アクチュエータ2は、このステージ11の裏面(ガイド12,12が設けられている側の面)に後述する駆動子7,7が当接する状態で基台に配設されている。
前記超音波アクチュエータ2は、図1,2に示すように、振動を発生させるアクチュエータ本体4と、該アクチュエータ本体4の駆動力をステージ11に伝達させる駆動子7,7と、該アクチュエータ本体4を収容するケース5と、アクチュエータ本体4とケース5との間に介設されてアクチュエータ本体4を弾性的に支持する支持ゴム61,61及びアクチュエータ本体4を前記ステージ11に付勢するための付勢ゴム62を含む支持ユニット6とを備えている。この超音波アクチュエータ2が振動型アクチュエータを構成する(以下、同様)。
前記アクチュエータ本体4は、圧電素子ユニット40で構成されている。
前記圧電素子ユニット40は、略長方形状の互いに対向する一対の主面と、この主面と直交して該主面の長手方向に延びる、互いに対向する一対の長辺側面と、これら主面及び長辺側面の両方と直交して該主面の短手方向に延びる、互いに対向する一対の短辺側面とを有する略直方体状をしている。
この圧電素子ユニット40は、図4に示すように、5つの圧電体層(圧電素子)41,41,…と4つの内部電極層42,44,43,44とを交互に積層して構成される。内部電極層42,44,43,44は、積層方向に圧電体層41を介して交互に配された、第1給電電極層42と共通電極層44と第2給電電極層43と共通電極層44とで構成される。これら第1給電電極層42、第2給電電極層43及び共通電極層44,44のそれぞれは、各圧電体層41の主面上に印刷されている。
前記各圧電体層41は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛などのセラミック材料からなる絶縁体層であって、前記圧電素子ユニット40と同様に、一対の主面と、一対の長辺側面と、一対の短辺側面とを有する略直方体状をしている。また、各圧電体層41には、その長辺側面のうち一方の長辺側面の長手方向中央部に外部電極48aが、一方の短辺側面の短手方向中央部に外部電極46aが、他方の短辺側面の短手方向中央部に外部電極47aがそれぞれ形成されている。
前記各共通電極層44は、圧電体層41の主面の略全面に亘って設けられた略長方形状をしている。また、各共通電極層44の一方の長辺部には、その長手方向中央部から圧電体層41の前記外部電極48aまで延びる引出電極44aが形成されている。
前記第1給電電極層42は、図5に示すように、圧電体層41の主面をその長手方向及び短手方向にそれぞれ2等分してなる4つの領域のうち該主面の対角線方向に位置する2対の領域のうち一方の対の領域にそれぞれ形成された一対の第1電極42a,42bと、これら第1電極42a,42bを連結して導通させる導通電極42cとを有する。各第1電極42a(42b)は略矩形状の電極であり、積層方向に見て共通電極層44と重なっている。つまり、各第1電極42a(42b)は、圧電体層41を挟んで共通電極層44と対向している。また、第1電極42a,42bのうちの一方の第1電極42aには、圧電体層41の前記外部電極46aまで延びる引出電極42dが設けられている。
前記第2給電電極層43は、圧電体層41の主面の対角線方向に位置する前記2対の領域のうち他方の対の領域にそれぞれ形成された一対の第2電極43a,43bと、これら第2電極43a,43bを連結して導通させる導通電極43cとを有する。前記他方の対の領域のうち積層方向に見て前記第1電極42aの前記短手方向且つ前記第1電極42bの前記長手方向に隣接する領域に設けられる電極が第2電極43aであり、第1電極42aの該長手方向且つ第1電極42bの該短手方向に隣接する領域に設けられる電極が第2電極43bである。各第2電極43a(43b)は略矩形状の電極であり、積層方向に見て共通電極層44と重なっている。つまり、各第2電極43a(43b)は、圧電体層41を挟んで共通電極層44と対向している。また、第2電極43a,43bのうちの一方の第2電極43bには、圧電体層41の前記外部電極47aまで延びる引出電極43dが設けられている。
これら圧電体層41,41,…と内部電極層42,44,43,44とを交互に積層することで構成された圧電素子ユニット40においては、その一方の長辺側面の前記長手方向中央部に、各圧電体層41の外部電極48aが積層方向に並んで一まとまりの外部電極48が形成されている。この外部電極48には、前記共通電極層44,44に形成された引出電極44a,44aが電気的に接続されている。同様に、圧電素子ユニット40の一方の短辺側面の前記短手方向中央部には、各圧電体層41の外部電極46aが積層方向に並んで一まとまりの外部電極46が形成されている。この外部電極46には、前記第1給電電極層42の引出電極42dが電気的に接続されている。また、圧電素子ユニット40の他方の短辺側面の前記短手方向中央部には、各圧電体層41の外部電極47aが積層方向に並んで一まとまりの外部電極47が形成されている。この外部電極47には、前記第2給電電極層43の引出電極43dが電気的に接続されている。これら外部電極46,47,48が本体側給電電極を構成している。
そして、圧電素子ユニット40の長辺側面のうち他方の長辺側面、即ち、前記外部電極48が設けられていない側の長辺側面(すなわち、後述する屈曲振動の振動方向を向く一対の面のうちの一方の面。以下、設置面ともいう)40aには、2個の駆動子7,7が設けられている。
これら駆動子7,7は、先端が半球状に形成された円柱状の部材であって、ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、タングステンカーバイド等で形成されている。これら駆動子7,7は、設置面40aに対して接着剤を介して線接触状に取り付けられている。接着剤としては、圧電素子ユニット40の材料及び駆動子7の材料よりも柔らかいことが望ましい。具体的には、合成樹脂、特にエポキシ樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。このような材料を用いることにより圧電素子ユニット40の後述する振動をできるだけ阻害せずに駆動子7,7と設置面40aとの間の固定を実現することができる。
また、駆動子7,7が設けられた位置は、設置面40aにおいて、圧電素子ユニット40の長手方向両端部から該設置面40aの全長の30〜35%距離だけ内側に入った位置であり、即ち、圧電素子ユニット40の後述する屈曲振動の2次モードの腹の位置であって、振動が最も大きくなる位置である。
このように構成されたアクチュエータ本体4は、前記外部電極48をグランドに接続し、前記外部電極46,47に所定周波数の交流電圧を位相が90°ずれた状態で印加することによって、圧電体層41の主面の対角線方向に位置する一方の対の第1電極42a,42bと、他方の対の第2電極43a,43bとに互いに位相が90°ずれた交流電圧が印加され、その長手方向への縦振動(いわゆる、伸縮振動)とその短手方向への屈曲振動(いわゆる、横振動)とが誘起される。
縦振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数はそれぞれ、アクチュエータ本体4、即ち、圧電素子ユニット40の材料、形状等により決定される。さらに、両共振周波数は、アクチュエータ本体4を支持する力及び支持する部分によっても影響を受ける。これらを考慮して、両共振周波数を略一致させ、その近傍の周波数の交流電圧を位相を90°ずらした状態で外部電極46,47のそれぞれに印加する。例えば、縦振動の1次モード(図6参照)の共振周波数と屈曲振動の2次モード(図7参照)の共振周波数とが一致するように圧電素子ユニット40の形状等を設計して、該共振周波数近傍の交流電圧を前述の如く、位相を90°ずらして印加することによって、圧電素子ユニット40には、縦振動の1次モードと屈曲振動の2次モードとが調和的に誘起され、図8(a)、(b)、(c)、(d)に示す形状の変化を順番に起こす。
その結果、圧電素子ユニット40に設けられた各駆動子7が該圧電素子ユニット40の主面と平行な平面(図8における紙面と平行な面)、即ち、長手方向と短手方向とを含む平面(さらに換言すれば、縦振動の振動方向と屈曲振動の振動方向とを含む平面)内で略楕円運動、即ち、周回運動を行う。
このように構成された圧電素子ユニット40は、複数の振動の腹を有する。ここで、振動の腹とは振動の変位が極大となる箇所である。縦振動の1次モードと屈曲振動の2次モードとが調和的に誘起される圧電素子ユニット40においては、振動の腹の部分は圧電素子ユニット40の両短辺側面に位置する計2箇所の縦振動の腹と、圧電素子ユニット40の一方の長辺側面及び他方の長辺側面の両端部の4箇所、さらに一方の長辺側面及び他方の長辺側面における両端部から圧電素子ユニット40の長手方向の30〜40%内側の部分の4箇所の計8箇所の屈曲振動の腹とがある。すなわち、この圧電素子ユニット40は、伸縮振動の腹と屈曲振動の腹とを合わせて10箇所の振動の腹がある。そして、前記駆動子7,7は、一方の長辺側面である設置面40aにおける長手方向両端部から内側へ30〜35%入った腹の部分に設けられている。
前記ケース5は、前記圧電素子ユニット40に対応した略直方体状の概略箱形状をしている。このケース5は、前記圧電素子ユニット40の主面と平行で且つ略長方形状の一対の主壁部51、52と、該主壁部51,52の前記長手方向の一側(図1における左側)に位置する短辺部間に設けられた第1短辺壁部53と、該主壁部51,52の該長手方向の他側(図1における右側)に位置する短辺部間に設けられた第2短辺壁部54と、該主壁部51,52の前記短手方向の一側(図1における下側)に位置する長辺部間に設けられた長辺壁部55とを有している。つまり、ケース5は、主壁部51,52の該短手方向の他側(図1における上側)に位置する長辺部間(圧電素子ユニット40の駆動子7,7が設けられた長辺側面に対応する部分)には壁部が設けられておらず、該短手方向の他側に開口した形状となっている。そして、このケース5は、第1ケース8と第2ケース9とで構成された分割構造となっている。
前記第1ケース8は、前記主壁部51,52、第1短辺壁部53及び長辺壁部55がそれぞれ連結されて構成されていて、前記長手方向の他側及び前記短手方向の他側に開口した概略箱形状をしている。
一方、前記第2ケース9は、前記第2短辺壁部54を含んで構成されている。また、第2ケース9は、第2短辺壁部54におけるアクチュエータ本体4の厚み方向の両端縁から第1ケース8の主壁部51,52を挟み込むように延びる係合アーム部91,91を有している。
さらに詳しくは、第1ケース8の主壁部51,52それぞれの外側表面には、第2ケース9の係合アーム部91を案内するガイド部81,81が設けられていると共に、ガイド部81,81の間に係合突起82が設けられている。
一方、第2ケース9の各係合アーム部91には、第1ケース8の係合突起82と係合する被係合孔92が形成されている。
さらに、第1ケース8の第1短辺壁部53の内側表面における前記短手方向一側端部には、図10,11に示すように、後述する支持ユニット6の連結ゴム63に対向する位置において前記長手方向内側に突出する押圧部53aが設けられている。同様に、第2ケース9の第2短辺壁部54の内側表面における前記短手方向一側端部にも、後述する連結ゴム63に対向する位置において前記長手方向内側に突出する押圧部54aが設けられている。
また、これら第1及び第2ケース8,9は、樹脂製であって、電極56,57,58(図10,11参照)がインサート成形されている。これら電極56,57,58は、ケース5に収容されるアクチュエータ本体4の外部電極46,47,48とそれぞれ対向する位置に設けられている。詳しくは、第1ケース8の第1短辺壁部53の内側表面には、アクチュエータ本体4の外部電極46と対向する位置に電極56が設けられており、第1ケース8の長辺壁部55の内側表面には、アクチュエータ本体4の外部電極48と対向する位置に電極58が設けられている。また、第2ケース9の第2短辺壁部54の内側表面には、アクチュエータ本体4の外部電極47と対向する位置に電極57が設けられている。これら電極56,58はそれぞれ第1ケース8の主壁部51の外側表面に設けられた端子電極56a,58aに電気的に接続されており、電極57は第2ケース9の一方の係合アーム部91の外側表面に設けられた端子電極57aに電気的に接続されている。尚、第1ケース8及び第2ケース9に電極56,57,58及び端子電極56a,57a,58aを設ける構成は、前述の如く、インサート成形に限られず、MID(Mold Interconnection Device)によっても実現することができ、その他、任意の構成を採用することができる。これら電極56,57,58がケース側給電電極を構成する。
前記支持ユニット6は、前記支持ゴム61,61と付勢ゴム62と該支持ゴム61,61及び付勢ゴム62を連結するための連結ゴム63とを有し、概略コ字形状をしている。この支持ユニット6が予圧ユニットを構成する。
前記各支持ゴム61は、ゴムで構成された絶縁層とゴムに金属粉(例えば、銀パウダ)を混入させた導電層とを交互に積層した導電性ゴムで構成され、略直方体状をしている。これら支持ゴム61,61は、アクチュエータ本体4をその長手方向(即ち、長手方向が支持方向に相当する)に弾性的に支持すると共に、該アクチュエータ本体4に対して長手方向への圧縮力を付与する。この導電性ゴムは、アクチュエータ本体4と比較して1/100以下の弾性率を有することが好ましい。そうすることにより、アクチュエータ本体4の振動を妨げず、効率のよい超音波アクチュエータ2を提供することができる。この支持ゴム61,61が、予圧部材を構成する。
また、前記付勢ゴム62も、支持ゴム61と同様に、ゴムで構成された絶縁層とゴムに金属粉(例えば、銀パウダ)を混入させた導電層とを交互に積層した導電性ゴムで構成され、略直方体状をしている。この付勢ゴム62は、アクチュエータ本体4をステージ11に対して付勢するためのものである。
尚、支持ゴム61及び付勢ゴム62は、前述のような積層構造の導電性ゴムではなく、金属粉を混入させたシリコーンゴムのみからなる単層構造の導電性ゴムであってもよい。
一方、前記連結ゴム63は、支持ゴム61,61及び付勢ゴム62よりも硬度が低い絶縁性のゴムで構成されている。特に、高温環境下におけるクリープが小さいシリコーンゴムを採用すると好適である。この連結ゴム63は、図1,9に示すように、長辺部64と、長辺部64の長手方向両端部から立設する短辺部65,65とを有し、概略コ字形状をしている。この連結ゴム63が連結部材を構成する。
そして、長辺部64は、長手方向中央に位置する中央部64aと、該中央部64aの長手方向両側に位置する両端部64b,64bと、該中央部64aと両端部64b,64bとを連結する薄肉部67,67,…とを有している。
中央部64aには、貫通孔が形成されていて、該貫通孔に付勢ゴム62が嵌め込まれている。つまり、付勢ゴム62は、中央部64aによって周囲を覆われた状態となっており、該付勢ゴム62が貫通孔の貫通方向(超音波アクチュエータ2として組み込まれたときには、アクチュエータ本体4の短手方向)に圧縮変形する際に、付勢ゴム62が該貫通方向に直交する方向へ広がろうとする変形を中央部64aで阻害するように構成されている。これによって、高温環境下における付勢ゴム62のクリープ変形による塑性変形を防止し、アクチュエータ本体4をステージ11側へ付勢する力を一定に保つことができる。
両端部64b,64bには、それぞれ短辺部65,65が立設されている。短辺部65,65の先端部には、切欠部が形成されており、この切欠部に支持ゴム61,61が該短辺部65,65を貫通した状態で嵌め込まれている。つまり、支持ゴム61,61は短辺部65,65によって周囲を3方向から覆われた状態となっており、支持ゴム61,61が貫通方向(超音波アクチュエータ2として組み込まれたときには、アクチュエータ本体4の長手方向)へ圧縮変形する際に、支持ゴム61,61が該貫通方向に直交する方向へ広がろうとする変形を短辺部65,65で阻害するように構成されている。これによって、高温環境下における支持ゴム61,61のクリープ変形による塑性変形を防止し、アクチュエータ本体4を長手方向に支持する力及びアクチュエータ本体4に対して長手方向に付与する圧縮力を一定に保つことができる。尚、支持ゴム61,61も付勢ゴム62と同様に、短辺部65,65に貫通孔を形成し、該貫通孔に嵌め込むように構成してもよい。
また、薄肉部67は、長辺部64のその他の部分、即ち、中央部64a及び両端部64b,64bよりも横断面積(詳しくは、その長手方向に垂直な断面の面積)が小さく、剛性が低くなっている。また、薄肉部67の横断面形状は、長辺部64の厚み方向(アクチュエータ本体4の短手方向)寸法よりも短手方向(アクチュエータ本体4の厚み方向)寸法が短い長方形状となっている。この薄肉部67が低剛性部を構成し、中央部64a及び両端部64b,64bが本体部を構成する。
このように、中央部64aと両端部64b,64bとが薄肉部67,67,…で連結された長辺部64は、換言すれば、付勢ゴム62を設けた部分よりも長手方向外側に貫通孔である減肉部66,66が形成されている。これら減肉部66,66は、略長方形の孔であって長辺部64を貫通している。
この支持ユニット6は、ケース5内に収容されると共に、ケース5内に収容された支持ユニット6の内側にアクチュエータ本体4が配設される。このとき、付勢ゴム62は、アクチュエータ本体4の外部電極48とケース5の電極58とに挟まれる位置に、一方の支持ゴム61は、アクチュエータ本体4の外部電極46とケース5の電極56とに挟まれる位置に、他方の支持ゴム61は、アクチュエータ本体4の外部電極47とケース5の電極57とに挟まれる位置に位置する。
ここで、両支持ゴム61,61の間のアクチュエータ本体4の長手方向への間隔(即ち、両支持ゴム61,61の内側を向く面同士の間隔)は、アクチュエータ本体4の該長手方向長さと概略同じか少し大きな値となっている。
また、支持ユニット6の該長手方向への外形寸法、即ち、一方の支持ゴム61の外側を向く面と他方の支持ゴム61の外側を向く面との該長手方向への幅は、ケース5内部の該長手方向への寸法、即ち、第1短辺壁部53の内側表面と第2短辺壁部54の内側壁面との該長手方向への幅よりも大きくなっている。つまり、支持ユニット6は、該長手方向へ圧縮変形した状態でケース5内に収容されることになる。
さらに、支持ゴム61,61の該長手方向寸法は、アクチュエータ本体4をケース5内に収容したときに、アクチュエータ本体4の長手方向両側において該アクチュエータ本体4とケース5との間に形成される隙間の該長手方向寸法よりも大きく形成されている。つまり、支持ゴム61,61は、圧縮変形した状態でアクチュエータ本体4とケース5との間に配設される。
さらにまた、支持ゴム61,61及び付勢ゴム62は、連結ゴム63よりもコ字形状の内側及び外側に、即ち、超音波アクチュエータ2として組み込んだときのアクチュエータ本体4側及びケース5側に突出している。
次に、超音波アクチュエータ2の組み立てについて説明する。
まず、前記第1ケース8内に、アクチュエータ本体4及び支持ユニット6を収容する。このとき、図10に示すように、支持ユニット6の一方の支持ゴム61が第1ケース8の第1短辺壁部53の電極56と当接すると共に支持ユニット6の付勢ゴム62が第1ケース8の長辺壁部55の電極58と当接するように、支持ユニット6が第1ケース8内に収容される。また、アクチュエータ本体4の外部電極48が支持ユニット6の付勢ゴム62と当接し、アクチュエータ本体4の外部電極46が支持ユニット6の一方の支持ゴム61と当接又は近接し、アクチュエータ本体4の外部電極47が支持ユニット6の他方の支持ゴム61と当接又は近接するように、アクチュエータ本体4が支持ユニット6に設置される。
このとき、支持ユニット6のうち他方の支持ゴム61は、その一部が第1ケース8の前記長手方向他側の開口部よりも外方にはみ出している。尚、他方の支持ゴム61の全部が第1ケース8の該長手方向他側の開口部よりも外方にはみ出す構成であってもよい。
尚、組み立て順序としては、支持ユニット6を第1ケース8内に収容した後にアクチュエータ本体4を収容してもよいし、アクチュエータ本体4に支持ユニット6を組み込んだ状態で両者を第1ケース8内に収容してもよい。
この状態で、第2ケース9を第1ケース8に対して取り付ける。まず、第2ケース9の係合アーム部91,91で第1ケース8の長手方向他側の開口部を挟持するようにして、第2ケース9の第1ケース8への取り付けが開始される。第2ケース9を第1ケース8に対して該長手方向の他側から一側へ押し込んでいくと、第2ケース9は、係合アーム部91,91が第1ケース8のガイド部81,81,…に案内されていき、係合突起82(図1では一方のみ図示)上に乗り上げる。その後、係合アーム部91,91は、被係合孔92,92が係合突起82,82に嵌り込んで係合すると同時に、係合突起82,82に乗り上げていた状態から元の状態に戻る。
このように第2ケース9が第1ケース8に長手方向他側から取り付けられる際に、その途中において、第2ケース9の第2短辺壁部54の内側表面に設けられた電極57が支持ユニット6の他方の支持ゴム61に対して該長手方向他側から当接する。そして、第2ケース9の取り付けに伴って該支持ゴム61は該長手方向一側に押圧されていく。その結果、図11に示すように、第1短辺壁部53とアクチュエータ本体4の該長手方向一側の側面との間で一方の支持ゴム61が圧縮変形させられると共に、第2短辺壁部54とアクチュエータ本体4の該長手方向他側の側面との間で他方の支持ゴム61が圧縮変形させられる。
また、このように支持ゴム61,61が圧縮変形させられる際に、連結ゴム63も圧縮変形させられる。詳しくは、第2ケース9の第2短辺壁部54の内側表面に設けられた電極57が支持ユニット6の他方の支持ゴム61に対して該長手方向他側から当接した後、該第2ケース9がさらに押し込まれると、該第2ケース9の第2短辺壁部54に設けられた押圧部54aが連結ゴム63の長辺部64に対して該長手方向他側から当接する。そこから第2ケース9がさらに押し込まれると、長辺部64は、該長手方向一側へ変位して第1短辺壁部53の押圧部53aと当接し、該押圧部53aと第2短辺壁部54の押圧部54aとで圧縮変形させられる。このとき、長辺部64に設けられた薄肉部67,67,…が、図9(b)に示すように、大きく湾曲して変形するため、長辺部64は容易に圧縮変形される。
こうして、第2ケース9の第1ケースへ取り付けられると共に、支持ユニット6の支持ゴム61,61及び連結ゴム63が該長手方向へ圧縮変形されることで、超音波アクチュエータ2の組み立てが完了する。
このようにして組み立てられた超音波アクチュエータ2において、図2,11に示すように、アクチュエータ本体4は駆動子7,7が外方に突出した状態でケース5内に収容され、該アクチュエータ本体4とケース5との間には支持ユニット6が介設されている。
このとき、一方の支持ゴム61は、アクチュエータ本体4の外部電極46とケース5の電極56との間に介設されて両者を電気的に導通させ、他方の支持ゴム61は、アクチュエータ本体4の外部電極47とケース5の電極57との間に介設されて両者を電気的に導通させている。また、付勢ゴム62は、アクチュエータ本体4の外部電極48とケース5の電極58との間に介設されて両者を電気的に導通させている。
尚、このように概略コ字形状の支持ユニット6において、支持ゴム61,61および付勢ゴム62を、連結ゴム63よりもアクチュエータ本体4側(すなわち内側)及びケース5側(すなわち外側)に突出させることによって、前述の組立工程において支持ゴム61,61及び付勢ゴム62を弾性変形させることで、アクチュエータ本体4へ交流電圧を安定的に給電することができる。
すなわち、導電性ゴムからなる支持ゴム61,61および付勢ゴム62は、前述のようにアクチュエータ本体4を支持及び付勢すると同時に、ケース5からアクチュエータ本体4への給電部としての機能も果たす。そのためには、支持ゴム61,61および付勢ゴム62を一定量圧縮変形させて、適切な反発力(弾性力)を保持した状態でアクチュエータ本体4の外部電極とケース5の電極とに押し付ける必要がある。この反発力が小さい場合には、温度の変化、外的な衝撃若しくは振動、またはアクチュエータ本体4の作動などによっても、支持ゴム61,61および付勢ゴム62と各外部電極又は電極との間に隙間が生じる虞がある。瞬間的であっても隙間が生じるとスパークが飛び、支持ゴム61,61及び付勢ゴム62は、局所的に非常に高い温度となり、導電性ゴムが変質して電気的な導通性が失われる。一旦、このような状態になった導電性ゴムは導通性を失うので、アクチュエータ本体4への正常な給電ができなくなる。
そこで、支持ゴム61,61および付勢ゴム62を、連結ゴム63よりもアクチュエータ本体4側(すなわち内側)及びケース5側(すなわち外側)に突出させることによって、組立工程において、アクチュエータ本体4とケース5とにより支持ゴム61,61及び付勢ゴム62を、連結ゴム63に阻害されることなく、圧縮変形させて、適切な反発力を保持した状態でアクチュエータ本体4の外部電極とケース5の電極との間に配設することができる。
また、支持ゴム61,61は、第2ケース9が第1ケース8に取り付けられることによって前記長手方向に圧縮変形しており、アクチュエータ本体4をケース5に対して該長手方向に弾性的に支持すると共に、アクチュエータ本体4に該長手方向の両側から内方に向かって、即ち、縦振動の振動方向に圧縮力を付与している。これら支持ゴム61,61が当接する、アクチュエータ本体4の両短辺側面は、縦振動の腹の部分、即ち、非ノード部であるが、該支持ゴム61,61は弾性体であるため、アクチュエータ本体4の縦振動を妨げない。ここで、「非ノード部」とは、振動の節(ノード)以外の部分を意味する。
このように構成された超音波アクチュエータ2は、アクチュエータ本体4の長手方向がガイド12,12の長手方向と平行となる状態で、駆動子7,7が前記ステージ11における該ガイド12,12と平行な一の側端面と当接するようにして、該ステージ11に設置される。このとき、超音波アクチュエータ2は、付勢ゴム62が圧縮変形するように駆動子7,7をステージ11に押し付けた状態でケース5が基台に固定される。つまり、超音波アクチュエータ2をステージ11に設置したときには、アクチュエータ本体4は付勢ゴム62によってステージ11に当接する方向、即ち、駆動子7,7が設けられた、アクチュエータ本体4の長辺側面(圧電素子ユニット40の長辺側面)の法線方向(前記短手方向と一致する)に付勢されている。
また、図示省略の制御装置からの信号線がコネクトピンを介してケース5の前記端子電極56a,57a,58aに電気的に接続される。
前記制御装置は、外部からの動作指令を受けて、その動作指令に応じた周波数の交流電圧を動作指令に応じた位相差で端子電極56a,57aに印加する。
制御装置は、前述の如く、アクチュエータ本体4、即ち、圧電素子ユニット40に縦振動と屈曲振動とを調和的に発生させて、駆動子7,7を図8に示すような周回運動させることで、ステージ11を移動させる。具体的には、圧電素子ユニット40の異常発熱を防止すべく、圧電素子ユニット40の縦振動と屈曲振動との共通の共振周波数よりも少し高い周波数の交流電圧が端子電極56a,57aに印加される。このとき、かかる交流電圧は、互いに位相が90°ずれた状態で端子電極56a,57aに印加される。
アクチュエータ本体4が、縦振動と屈曲振動との合成振動を行うと、駆動子7,7はアクチュエータ本体4の長手方向と短手方向とを含む平面内において略楕円運動を行う。こうすることで、駆動子7,7は、ステージ11との当接及び離間を周期的に繰り返しながら、ステージ11に対して摩擦力を介してアクチュエータ本体4の長手方向へ駆動力を付与しており、ステージ11はガイド12,12に沿って移動する。このアクチュエータ本体4の長手方向(ガイド12,12が延びる方向と一致する)が、駆動子7,7が駆動力を出力する方向である駆動方向に相当する。
以下に、超音波アクチュエータ2によるステージ11の駆動を、図12を参照してさらに詳しく説明する。アクチュエータ本体4が長手方向(縦振動の振動方向)に伸張するとき、一方(例えば、図12の左側)の駆動子7は、図12(b)に示すように、短手方向(屈曲振動の振動方向)においてステージ11側の領域を変位するため、ステージ11との間の摩擦力が増大し、この摩擦力によってステージ11を該長手方向における該一方の駆動子7が変位する側(図12の左側)へ移動させる。このとき、他方(図12の右側)の駆動子7は、該長手方向において一方の駆動子7とは逆向きに変位するが、該短手方向において反ステージ11側(ステージ11から離れる側)の領域を変位するため、ステージ11から離れて摩擦力が作用せず、ステージ11の移動にはほとんど影響を与えない。
一方、アクチュエータ本体4が長手方向に収縮するときは、他方(図12の右側)の駆動子7は、図12(c)に示すように、短手方向においてステージ11側の領域を変位するため、ステージ11との間の摩擦力が増大し、この摩擦力によってステージ11を該長手方向における該他方の駆動子7が変位する側(図12の左側)へ移動させる。この移動方向は、前述した、アクチュエータ本体4の伸張時における一方の駆動子7によるステージ11の移動方向と同じである。このとき、一方(図12の左側)の駆動子7は、該長手方向において他方の駆動子7とは逆向きに変位するが、該短手方向において反ステージ11側の領域を変位するため、ステージ11から離れて摩擦力が作用せず、ステージ11の移動にはほとんど影響を与えない。
尚、図12においては、ステージ11の移動に影響を与えない方の駆動子7はステージ11から離れているが、必ずしも離れている必要はない。すなわち、駆動子7は、ステージ11を移動させない程度の摩擦力で該ステージ11に当接してる状態であってもよい。
こうして、一方の駆動子7と他方の駆動子7とは、位相が180°ずれた状態で交互にステージ11を所定の一方向へ移動させる。尚、前記交流電圧を位相を−90°ずらした状態で端子電極56a,57aに印加することによって、駆動子7,7が出力する駆動力を逆向きにすることができ、ステージ11を他方向へ移動させることができる。
尚、ステージ11の移動量、移動速度及び移動加速度は、端子電極56a,57aに給電する交流電圧の電圧値、周波数及び給電時間の少なくとも1つを調整する、又は端子電極56a,57aに給電する各交流電圧の位相のずれを変更する等によって調整することができる。
こうして、超音波アクチュエータ2は、駆動子7,7に縦振動の振動方向(長手方向)と屈曲振動の振動方向(短手方向)とを含む平面内で周回運動させて駆動子7,7とステージ11との間の摩擦力の増大と緩和とを繰り返しながら、該ステージ11を駆動している。
ここで、超音波アクチュエータ2を前述の如く作動させると、アクチュエータ本体4が振動することによって、圧電体層41の内部には圧縮応力と引張応力とが同じ大きさだけ発生する。この圧電体層41,41,…はセラミックや水晶などの脆性材料で構成されており、このような脆性材料は、その圧縮強さが引張強さよりも数倍強い。すなわち、圧電体層41,41,…は、引張変形に対して弱い。そのため、超音波アクチュエータ2へ10mW〜10W程度のハイパワーを入力して、圧電体層41の変位が大きくなると、圧電体層41の引張方向へのひずみが弾性限界を超えてしまい、圧電体層41、即ち、アクチュエータ本体4が破損に至る虞がある。
それに対し、本実施形態に係る超音波アクチュエータ2は、支持ゴム61,61によってアクチュエータ本体4の非ノード部(詳しくは縦振動の腹の部分)において縦振動の振動方向と平行に予め圧縮力を加えられている。こうすることによって、圧電体層41に発生する圧縮応力と比較して引張応力が小さくなり、圧電体層41の変位が大きくなっても、引張応力が圧電体層41の弾性限界を超えにくくなり、アクチュエータ本体4の破損を防止して、信頼性を向上させることができる。
また、アクチュエータ本体4に加える圧縮力は、アクチュエータ本体4の重心を挟んで対称となる位置に加えることが好ましい。そのことにより、縦振動及び屈曲振動の対称性が維持されるので、駆動子7,7の楕円運動が安定し、安定した超音波アクチュエータ2の特性が得られる。具体的には、長さ方向への縦振動の振動方向に対して平行に圧縮力を加える場合は、アクチュエータ本体4の幅方向及び厚み方向において対称となる位置に加えるのが好ましい。
さらに、アクチュエータ本体4に予め圧縮力を付与する構成の効果として、縦振動と屈曲振動との共振周波数の差(即ち、相対関係)を調整できるという優れた機能がある。すなわち、アクチュエータ本体4の縦振動の1次モードの共振周波数[Hz]と屈曲振動の2次モードの共振周波数[Hz]は、おおよそ以下の式(1)および式(2)で表される。
Figure 0004977202
Figure 0004977202
式(1)、(2)で、Lはアクチュエータ本体4の縦振動の振動方向の長さ[m]、Wはアクチュエータ本体4の屈曲振動の振動方向の長さ[m]、Eはアクチュエータ本体4のヤング率[Pa]、ρはアクチュエータ本体4の密度[kg/m]である。しかしながら、実際の共振周波数は、製造上のばらつきや、アクチュエータ本体4上に接着される駆動子7の大きさ、駆動子7が接着される位置のばらつき等によって変動してしまう。
そこで、アクチュエータ本体4上に圧縮力を加えることで、共振周波数を変更して、所望の共振周波数に近づけることができる。
以下、周波数調整方法について具体的に説明する。アクチュエータ本体4上に駆動子7を形成した状態で、圧電素子の縦振動の振動方向の両側の端面から素子の中央部に向かって対向する方向に予め決められた標準的な所定の圧縮力を加えて、縦振動の1次モードの共振周波数fL1と屈曲振動の2次モードの共振周波数fB2とを測定する。このとき、設計上は一致している屈曲振動と縦振動の共振周波数であるが、物づくり(製造時及び組立時)のばらつきにより、若干差異が生じている場合がある。
アクチュエータ本体4は、支持ゴム61,61によりアクチュエータ本体4の長手方向両端面から中心部に向かって縦振動の振動方向と同一方向へ圧縮力を加えた状態で実装されるが、このとき支持ゴム61,61の圧縮される方向と垂直方向(即ち、アクチュエータ本体4の短手方向又は厚み方向)の寸法が異なる数種類の支持ゴム61,61を用意しておく。そしてアクチュエータ本体4をケースに実装するときの支持ゴム61,61の寸法を変えることで、アクチュエータ本体4に加わる圧縮力を変えて、アクチュエータ本体4の共振周波数、特に屈曲振動の2次モードの共振周波数を変えることができる。
例えば、屈曲振動の共振周波数fB2が縦振動の共振周波数fL1よりも小さい(fB2<fL1)ときには、前記標準的寸法よりも大きい寸法の支持ゴム61,61によりアクチュエータ本体4をケース5に組み込み、アクチュエータ本体4に標準状態より大きな圧縮力を加える。一方、屈曲振動の共振周波数fB2が縦振動の共振周波数fL1よりも大きい(fB2>fL1)ときには、前記標準的寸法よりも小さい寸法の支持ゴム61,61によりアクチュエータ本体4をケース5に組み込み、標準状態より小さい圧縮力を加える。また、屈曲振動の共振周波数fB2と縦振動の共振周波数fL1との差が僅差(fB2≒fL1)であるときには、そのまま所定の標準的寸法の支持ゴム61,61によりアクチュエータ本体4をケース5に組み込む。こうすることにより、製造上のばらつきがあっても、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数とを略一致させることができる。
なお、前記方法では、縦振動の振動方向からのみ圧縮力を加えた状態で予め共振周波数を測定したが、超音波アクチュエータ2をステージ11に対して押圧して配置し、駆動子7,7をステージ11に摩擦接触させた状態で、共振周波数を測定した方がより精度が高めることができる。
また、支持ゴム61,61の寸法により、アクチュエータ本体4に加える圧縮力を調整したが、支持ゴム61,61の材質を変更することでアクチュエータ本体4にかかる圧縮力を調整したり、ケース5の寸法を変更することでアクチュエータ本体4にかかる圧縮力を調整してもよい。さらにまた、周波数を調整するときに支持ゴム61,61の両方の大きさを変えたが、片方のみの大きさを変えて、アクチュエータ本体4にかかる圧縮力を調整してもよい。
また、縦振動の振動方向より圧縮力を加えて周波数の調整を行ったが、屈曲振動の振動方向より圧縮力を加えて、共振周波数の調整を行ってもよい。
前記方法では、共振周波数を調整することで、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数とを略一致させたが、屈曲振動の共振周波数を縦振動の共振周波数よりあえて低く調整してもよい。このような超音波アクチュエータ2においては、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数とを厳密に一致させることが難しい。そこで、かかる超音波アクチュエータ2は、通常、縦振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数の何れよりも高い駆動周波数で駆動される(即ち、アクチュエータ本体4の端子電極56a,57aには縦振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数よりも高い周波数の交流電圧が印加される)。そのような場合において、縦振動の共振周波数を屈曲振動の共振周波数よりも高く調整すると、縦振動の共振周波数の方が屈曲振動の共振周波数よりも駆動周波数に近いため、アクチュエータ本体4には縦振動の方がより支配的に発生する。この縦振動の振動方向はステージ11の可動方向と一致しているため、縦振動は超音波アクチュエータ2の最高速度に大きな影響を与える。つまり、縦振動の共振周波数を屈曲振動の共振周波数よりも高く設定することによって、雰囲気温度等の変化によりアクチュエータ本体4の縦振動及び屈曲振動の共振周波数が変化したときでも、アクチュエータ本体4には縦振動が支配的に発生するため、駆動周波数を変更して駆動したときの超音波アクチュエータ2の最高速度が変化しにくいという利点がある。
また、周波数を調整するときに、屈曲振動の共振周波数を縦振動の共振周波数よりあえて高く調整してもよい。前述の如く、振動方向が異なる2つの振動(縦振動と屈曲振動)を発生させる超音波アクチュエータ2は、通常、縦振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数の何れよりも高い駆動周波数で駆動される。一般に、屈曲振動の帯域幅は狭い。そのため、屈曲振動の共振周波数を縦振動の共振周波数よりも高く調整することによって、屈曲振動の共振周波数が縦振動の共振周波数よりも低い場合と比較して、屈曲振動の共振周波数が駆動周波数に近づくため、アクチュエータ本体4に屈曲振動を十分に発生させることができる。一方、縦振動の帯域幅は屈曲振動の帯域幅よりも広いため、縦振動の共振周波数が駆動周波数から離れていても、アクチュエータ本体4に縦振動を発生させることができる。また、駆動周波数が縦振動の共振周波数から離れることになると、駆動周波数を変更して超音波アクチュエータを駆動したときの最高速度の変化は、共振周波数の近傍で駆動周波数を変化させる場合と比較して、緩やかになる。そのため、超音波アクチュエータを低速域まで安定して動作させることができるという利点がある。
このようにアクチュエータ本体4に圧縮力を予め付与しておく超音波アクチュエータ2においては、アクチュエータ本体4とケース5との間に圧縮変形させた予圧部材(本実施形態においては、支持ゴム61,61)を配設する必要がある。このように弾性体を圧縮変形させた状態でアクチュエータ本体4とケース5との隙間に挿入する場合、挿入時にある程度の力を要すると共に、アクチュエータ本体4とケース5との隙間に支持ゴム61を所望の設置位置に設置することが難しい。つまり、組立性及び生産性が悪い。
そこで、本実施形態では、複数の支持ゴム61,61を連結ゴム63により連結して支持ユニット6を構成すると共に、ケース5を第1ケース8と第2ケース9との分割構造にすることによって、まず、アクチュエータ本体4と支持ユニット6とを第1ケース8内に配設することで支持ゴム61,61の位置を大まかに位置決めし、その状態から第2ケース9を取り付けることで支持ゴム61,61を圧縮変形させた状態でアクチュエータ本体4とケース5との間の所望の位置に配設させている。こうすることで、第2ケース9を第1ケース8に取り付ける際に支持ゴム61,61を圧縮変形させるため、圧縮変形させた支持ゴム61を小さな隙間に挿入する必要がなく、組み立てに要する力を低減することができる。また、支持ゴム61,61は、支持ユニット6により大まかな位置決めがなされるため、組み立て時の位置決め精度も向上させることができる。
ところが、かかる構成においては、以下のような課題が生じる。
すなわち、図13に示すように、支持ゴム61,61及び付勢ゴム62を、減肉部66を有していない単純な連結ゴム63’で連結した支持ユニット6’の場合、第2ケース9を第1ケース8に取り付けて支持ユニット6’の支持ゴム61,61をアクチュエータ本体4の長手方向両側から内方に向かって押圧するときに、支持ユニット6’は、支持ゴム61,61が内側に倒れ込むように変形してしまう。つまり、支持ゴム61,61は、長辺部64’から立設する短辺部65’,65’に、即ち、長辺部64’からアクチュエータ本体4の短手方向にオフセットした位置に配設されているため、かかる支持ゴム61,61に対してアクチュエータ本体4の長手方向への圧縮力が作用すると、短辺部65’,65’を内側に倒れ込ませるモーメントが発生する。また、このモーメントは、連結ゴム63’の長辺部64’の両端部を引き上げる方向に働く。
また、連結ゴム63’の長辺部64’は、アクチュエータ本体4の短手方向に扁平な形状をしている、即ち、長辺部64’のアクチュエータ本体4の短手方向への寸法が長辺部64’のアクチュエータ本体4の厚み方向への寸法よりも小さくなっているため、長辺部64’の長手方向に圧縮力が作用したときに、長辺部64’がアクチュエータ本体4の短手方向へ座屈し易い。さらには、前述の如く、短辺部65’,65’を内側に倒れ込ませるようなモーメントが長辺部64’の両端部に作用するとアクチュエータ本体4の短手方向への座屈が生じ易くなる。このような現象は、組立時には発生していなくても、温度変化などによって後から発生する場合もある。
これらモーメントと座屈変形とによって、支持ゴム61,61は、アクチュエータ本体4の短手方向に一部が浮き上がって傾いた状態となる。最終的に、アクチュエータ本体4とケース5とで押圧されて、支持ゴム61,61がアクチュエータ本体4とケース5との隙間に沿った状態に強制的にされたとしても、支持ゴム61,61には、連結ゴム63’の変形によって不要な応力が発生している。これらの結果、支持ゴム61の圧縮率が該短手方向において不均一になる。このような状態に至ると、支持ゴム61と各外部電極46(47)及び電極56(57)との間に隙間が生じ易くなり、支持ゴム61が前述の如く変質して導通性を失う虞がある。
そこで、本実施形態においては、連結ゴム63の長辺部64に薄肉部67,67,…を設けることによって、支持ユニット6の圧縮変形時に連結ゴム63の長辺部64を圧縮方向に変形し易くして、支持ゴム61,61の配設位置が所望の位置よりもずれたり、連結ゴム63が支持ゴム61,61の圧縮状態に影響を与えたりすることを防止している。
すなわち、連結ゴム63に薄肉部67,67,…を設けることによって、連結ゴム63に対し長手方向へ圧縮力が加わると、薄肉部67,67,…が局所的に大きく変形する。しかも、薄肉部67,67,…の断面は、アクチュエータ本体4の厚み方向に扁平な形状をしているため、薄肉部67,67,…は該厚み方向に変形し易く、アクチュエータ本体4の短手方向へは変形し難い。つまり、長辺部64に長手方向への圧縮力が作用し且つ短辺部65,65を内側に倒れ込ませるようなモーメントが作用しても、該長辺部64は、アクチュエータ本体4の短手方向へ座屈することなく、図9(b)に示すように、薄肉部67,67,…がアクチュエータ本体4の厚み方向外側に開くように変形する。その結果、連結ゴム63は、薄肉部67,67,…の変形により長辺部64がその長手方向に容易に圧縮変形することになり、連結ゴム63が座屈や前述のモーメントによって大きく湾曲して支持ゴム61,61に不要な力を作用させることを防止することができる。その結果、支持ゴム61を、所望の位置に配置させると共に、その圧縮率がアクチュエータ本体4の短手方向において均一となるように圧縮変形させることができる。
さらに、ケース5には、押圧部53a,54aが設けられているため、支持ユニット6は、第2ケース9を第1ケース8に取り付ける際に、先ず始めは、支持ゴム61,61が第1ケース8及び第2ケース9によって長手方向内側に押圧されるが、やがて、第1ケース8の押圧部53aと第2ケース9の押圧部54aとが連結ゴム63の長辺部64の長手方向両端部に当接して該長辺部64をその長手方向に押圧するようになるため、該長辺部64は、押圧部53a,54aからの圧縮力によってその両端部をアクチュエータ本体4側へ引き上げるようなモーメントが作用したとしても、その長手方向へ強制的に圧縮変形させられることになる。こうして、連結ゴム63が座屈や前述のモーメントによって大きく湾曲して支持ゴム61,61に不要な力を作用させることをさらに確実に防止することができる。ここで、長辺部64の長手方向両端部が被押圧部に相当する。
なお、押圧部53a,54aの第1及び第2短辺壁部53,54の内側表面からの突出量は、組立前における支持ゴム61の短辺部65からケース5側への突出量と、組立後(即ち、圧縮変形後)の該ケース5側への突出量との差に略一致させると好ましい。
これらの結果、第2ケース9を第1ケース8側に押し込むだけで、支持ゴム61,61は、アクチュエータ本体4の短手方向において一様に圧縮変形し、アクチュエータ本体4への交流電圧の給電を安定化させることができる。しかも、温度変化などの環境変化がおきても、薄肉部67,67,…が変形して圧縮ひずみを調整するため、アクチュエータ本体4をその長手方向に支持する力を一定に保つことができる。
したがって、本実施形態1によれば、アクチュエータ本体4の振動の腹に予め圧縮力を加えることによって、アクチュエータ本体4の振動に伴って該アクチュエータ本体4に発生する圧縮応力と比較して引張応力が小さくなるため、アクチュエータ本体4の変形が大きくなっても、引張応力によるひずみがアクチュエータ本体4、詳しくは、圧電体層41,41,…の弾性限界を超えにくくなり、アクチュエータ本体4の破損を防止することができる。その結果、超音波アクチュエータ2の信頼性を向上させることができる。
さらに、支持ゴム61,61により予め付与される圧縮力を調整することによって、複数の振動の共振周波数を調整することが可能となるため、ばらつきの少ない超音波アクチュエータ2を提供することができる。
また、アクチュエータ本体4を弾性体である支持ゴム61,61によってケース5に対して支持することによって、アクチュエータ本体4の振動を阻害することなく支持することができる。その結果、超音波アクチュエータ2の効率を向上させることができる。
さらに、該支持ゴム61,61を導電性ゴムで構成すると共に、該支持ゴム61,61によりアクチュエータ本体4の外部電極46,47とケース5の電極56,57とを電気的に導通させることによって、アクチュエータ本体4にはんだによる給電用導線の接続部を設ける必要がなくなるため、はんだを設けたアクチュエータ本体4の部位に応力が集中してアクチュエータ本体4が割れる虞をなくすことができる。また、アクチュエータ本体の表面においてその厚み方向に盛られるはんだが不要になるため、アクチュエータ本体4の薄型化を図ることができる。さらに、給電用導線をはんだで接続する工程も削減することができるため、超音波アクチュエータ2の組み立て時の工数を削減して組立性を向上させることができる。
そして、このように支持ゴム61,61を圧縮変形させた状態でアクチュエータ本体4とケース5との間に配設することでアクチュエータ本体4に予め圧縮力を付与する構成において、支持ゴム61,61を連結ゴム63で連結してユニット化することによって組立性を向上させることができると共に、連結ゴム63の長辺部64に低剛性の薄肉部67,67,…を設けることによって組立時に支持ゴム61,61に不要な応力が生じることを防止して、支持ゴム61,61を一様な圧縮率で圧縮変形させることができる。その結果、アクチュエータ本体4の非ノード部においてその振動方向へ予め付与する圧縮力を所望の値とすることができると共に安定させることができる。また、支持ゴム61,61には連結ゴム63から不要な外力が作用しないため、支持ゴム61,61をアクチュエータ本体4とケース5との間において精度良く位置決めすることができる。
それに加えて、アクチュエータ本体4に予め圧縮力を付与する支持ゴム61,61によりアクチュエータ本体4の外部電極46,47とケース5の電極56,57とを電気的に導通させる構成においては、前述の如く、支持ゴム61,61の圧縮率を一様にすることによって、超音波アクチュエータ2の作動時に支持ゴム61,61が変質して導通性を失うことを防止することができ、アクチュエータ本体4とケース5との間の電気的導通を維持することができる。
さらには、本実施形態では、支持ユニット6の長辺部64には付勢ゴム62が配設されているが、支持ユニット6がケース5内に配設される際には、長辺部64の薄肉部67,67,…が変形して、付勢ゴム62及び長辺部64のうち付勢ゴム62を覆う部分はほとんど変形しないため、支持ユニット6が圧縮変形しても付勢ゴム62が長辺部64から不要な外力を受けることがなく、付勢ゴム62からアクチュエータ本体4へ所望の付勢力を付与することができる。それに加えて、付勢ゴム62はアクチュエータ本体4の外部電極48とケース5の電極58とを電気的に導通させる機能も有するが、長辺部64から付勢ゴム62へ不要な外力を加えないため、付勢ゴム62をアクチュエータ本体4とケース5との間で圧縮変形している状態を安定的に保つことができ、その結果、超音波アクチュエータ2の作動時に付勢ゴム62が変質して導通性を失うことを防止してアクチュエータ本体4とケース5との間の電気的導通を維持することができる。
また、第1ケース8に押圧部53aを設ける一方、第2ケース9に押圧部54aを設けることによって、第2ケース9を第1ケース8に取り付けながら支持ユニット6の支持ゴム61,61をアクチュエータ本体4の長手方向内方に圧縮変形させるときに、連結ゴム63の長辺部64を該長辺部64の長手方向内方に向かって押圧することができ、第1ケース8及び第2ケース9が支持ゴム61,61を押圧することによるモーメントが支持ユニット6にほとんど影響を与えないようにすることができる。その結果、連結ゴム63が支持ゴム61,61及び付勢ゴム62に不要な外力を与えてしまうことをさらに確実に防止することができる。
尚、前記薄肉部67は、前記の形状に限られるものではなく、長辺部64の他の部分よりも低剛性であれば任意の形状を採用することができる。ただし、変形時にアクチュエータ本体4と接触しないように、長辺部64がアクチュエータ本体4の短手方向外側に位置するのであれば、アクチュエータ本体4の厚み方向に変形し易い形状であることが好ましい。例えば、薄肉部67は、長手方向に圧縮力が加わったときにアクチュエータ本体4の厚み方向に容易に変形することができるように、その横断面が該厚み方向に扁平な長方形状をしていればよく、さらには、該横断面の該厚み方向の寸法をアクチュエータ本体4の短手方向への寸法の1/4以下にすることが好ましい。
なお、薄肉部67の変形は、座屈変形である方が好ましい。すなわち、長辺部64の長手方向に加わる圧縮力に対して、これを長辺部64が受け止める必要はなく、できる限り小さな荷重で長辺部64が長手方向へ収縮されることが好ましい。
また、減肉部66は略長方形の穴としたが、楕円形の穴でもよい。また、減肉部66の四角には、円弧状のフィレットを設けているが、このフィレットによって薄肉部67,67が外側に開きやすい構成となっている。その結果、長辺部64の長手方向に加わる圧縮力に対して薄肉部67,67を外側へ開くように容易に変形させることができる。
尚、前記実施形態1では、超音波アクチュエータ2に付勢ゴム62を含んでいるが、該付勢ゴム62を含まない構成であってもよい。すなわち、超音波アクチュエータ2としては、付勢ゴムを含まず、該超音波アクチュエータ2をステージ11等に設置する際に、アクチュエータ本体4をステージ11等の駆動対象に対して付勢する付勢部を別途設けてもよい。かかる場合、アクチュエータ本体4の駆動子7,7が設けられていない側の側面に付勢部を当接させることができるように、ケース5に開口部を設けておくことが好ましい。
《発明の実施形態2》
次に、本発明の実施形態2に係る超音波アクチュエータ202について説明する。
実施形態2に係る超音波アクチュエータ202は、支持ユニット206及びケース205の構成が実施形態1と異なる。
詳しくは、実施形態2に係る支持ユニット206は、図14,15(a)に示すように、実施形態1と同様に、長辺部264において、付勢ゴム62の長手方向外側に減肉部266,266が形成されて、各減肉部266を挟んで薄肉部267,267が形成されている。ただし、これら薄肉部267,267,…は、通常の状態(支持ユニット206に力が加わっていない状態)において長辺部264の短手方向(アクチュエータ本体4の厚み方向)内側へ湾曲している。
また、長辺部264の両端部264b,264bの長手方向外側端部には、短辺部265,265よりもさらに長手方向外側に突出する被押圧部268,268が設けられている。この被押圧部268,268は、軸が長辺部264の短手方向に延びる半円柱形状をしている。
また、ケース205は、図16に示すように、実施形態1における押圧部53a,54aが設けられていない。すなわち、第1ケース208の第1短辺壁部253の内側表面は一様な平面に形成されていると共に、第2ケース209の第2短辺壁部254の内側表面も一様な平面に形成されている。
このように構成された超音波アクチュエータ202を組み立てる際には、まず、アクチュエータ本体4と支持ユニット206が第1ケース208内に収容される。その状態から、第2ケース209がアクチュエータ本体4の長手方向他側から第1ケース208に取り付けられる。尚、第2ケース209の第1ケース208への取り付けは、実施形態1と同様である。第2ケース209を第1ケース208に取り付ける途中に、第2ケース209の第2短辺壁部254が支持ゴム61に当接して、該支持ゴム61をアクチュエータ本体4側へ押圧していく。そして、第1短辺壁部253とアクチュエータ本体4との間で一方の支持ゴム61を圧縮変形させると共に、第2短辺壁部254とアクチュエータ本体4との間で他方の支持ゴム61を圧縮変形させる。こうして支持ゴム61,61を圧縮変形させる途中で、第1短辺壁部253の内側表面及び第2短辺壁部254の内側表面が連結ゴム263の被押圧部268,268に当接し、連結ゴム263の長辺部264がその長手方向に押圧される。その結果、長辺部264は、その両端部をアクチュエータ本体4側へ引き上げるようなモーメントの影響をほとんど受けることなく、第1短辺壁部253及び第2短辺壁部254からの圧縮力によってその長手方向へ強制的に圧縮変形させられることになる。ここで、第1短辺壁部253の内側表面及び第2短辺壁部254の内側表面が押圧部を構成する。
この実施形態2によれば、薄肉部267,267,…を本体部の長手方向に対して湾曲させた形状とすることによって、長辺部264の長手方向に圧縮力が加わったときに薄肉部267,267,…が容易に座屈、即ち、変形する。つまり、長辺部264は、小さな力で容易に圧縮変形することができる。
さらに、薄肉部267,267,…を、長辺部264の短手方向内側に向かって湾曲させることによって、長辺部264が圧縮変形する際に薄肉部267,267,…は、図15(b)に示すように、該短手方向内側に変形するため、長辺部264の外方へ拡がることなく、コンパクトに圧縮変形することができる。そのため、支持ユニット206、ひいては、超音波アクチュエータ202の小型化に有利である。
また、連結ゴム263の長辺部264に、ケース205側に突出して、第2ケース209を第1ケース208に取り付ける際に該第1及び第2ケース208,209に当接して押圧される被押圧部268,268を設けることによって、第2ケース209を第1ケース208に取り付けながら支持ユニット206の支持ゴム61,61をアクチュエータ本体4の長手方向内方に圧縮変形させるときに、連結ゴム263の長辺部264を該長辺部264の長手方向内方に向かって押圧することができ、第1ケース208及び第2ケース209が支持ゴム61,61を押圧することによるモーメントが支持ユニット206にほとんど作用しないようにすることができる。その結果、連結ゴム263が支持ゴム61,61及び付勢ゴム62に不要な外力を与えてしまうことをさらに確実に防止することができる。さらに、実施形態1においては、第1ケース8に押圧部53aを設けると共に、第2ケース9に押圧部54aを設けたが、本実施形態2においては、支持ゴム61,61と熱膨張係数が近い材質である連結ゴム263に被押圧部268,268を設けている。このため、温度変化などの影響で圧縮変形した支持ゴム61の圧縮状態が変化しても、被押圧部268の圧縮状態も同様に変化して追従するため、支持ユニット206にモーメントが生じることを防止することができ、支持ゴム61,61の圧縮状態を安定的に保つことができると共に、アクチュエータ本体4へさらに安定的に給電することができる。
さらに、被押圧部268,268を半円柱形状とすることによって、第1ケース208の第1短辺壁部253及び第2ケース209の第2短辺壁部254と線接触状態となる。このため、連結ゴム263と第1短辺壁部253及び第2短辺壁部254が広範な接触面積で密着することがなく、温度変化などによって両者が張り付き、不要な力やモーメントが発生することを防止することができる。尚、被押圧部268,268を半球形状として、第1短辺壁部253及び第2短辺壁部254と点接触状態としても、同様の効果が得られる。
《発明の実施形態3》
次に、本発明の実施形態3に係る超音波アクチュエータ302について説明する。
この実施形態3に係る超音波アクチュエータ302は、支持ユニット306及びケース305の構成が実施形態1,2と異なる。
詳しくは、支持ユニット306は、図18に示すように、長辺部364が、中央部364aと、その長手方向両端側に位置する両端部364b,364bと、該中央部364aと両端部364b,364bとをそれぞれ連結する薄肉部367,367とで構成されている。この中央部364aには、付勢ゴム62が該中央部364aを貫通するように嵌め込まれている。両端部364b,364bには、それぞれ短辺部365,365が立設されている。また、各両端部364bには、短辺部365よりも長手方向外側に突出する被押圧部368が設けられている。
前記薄肉部367,367は、長辺部364の厚み方向(アクチュエータ本体4の短手方向)に扁平な薄板状の部材であって、中央部364a及び両端部364bよりも横断面積が小さくなっている。また、薄肉部367,367は、通常の状態(支持ユニット206に力が加わっていない状態)において長辺部364の厚み方向であってアクチュエータ本体4が配設される側へ湾曲している。
前記被押圧部368,368は、軸が長辺部364の短手方向に延びる角柱形状をしている。また、被押圧部368,368の第1短辺壁部353及び第2短辺壁部354と対向する面は、該第1短辺壁部353及び第2短辺壁部354の内側表面と平行な平面に形成されており、支持ユニット306がケース305内に収容されたときに、被押圧部368,368が第1短辺壁部353及び第2短辺壁部354の内側表面と面接触するように構成されている。
また、ケース305は、図19に示すように、第1ケース308と、第2ケース309と、第3ケース310との3分割構造となっている。第1ケース308は、2つの主壁部52(図19では1つだけ図示)と長辺壁部55とを含んでいる。第2ケース309は、実施形態1,2と同様に第2短辺壁部354を含んでいる。第3ケース310は、第1短辺壁部353を含んでいて、第2ケース309と対称に構成されている。すなわち、第2ケース309及び第3ケース310は、係合アーム部91を含んでいて、第1ケース308のガイド(図示省略)に案内されて係合突起(図示省略)に係合するように構成されている。また、第2ケース309及び第3ケース310は、実施形態1における押圧部53a,54aが設けられていない。
このように構成された超音波アクチュエータ302を組み立てる際には、まず、アクチュエータ本体4と支持ユニット306が第1ケース308内に収容される。その状態から、第2ケース309がアクチュエータ本体4の長手方向他側から、第3ケース310がアクチュエータ本体4の長手方向一側から第1ケース308に取り付けられる。尚、第2ケース309の第1ケース308への取り付けは、実施形態1と同様であり、第3ケース310の第1ケース308への取り付けは、第2ケース309の取り付けを長手方向中央部を中心に反転させたものと同じである。第2ケース309及び第3ケース310を第1ケース308に取り付ける途中に、第3ケース310の第1短辺壁部353が一方の支持ゴム61に当接すると共に、第2ケース309の第2短辺壁部354が他方の支持ゴム61に当接して、該支持ゴム61,61をアクチュエータ本体4側へ押圧していく。そして、第1短辺壁部353とアクチュエータ本体4との間で一方の支持ゴム61を圧縮変形させると共に、第2短辺壁部354とアクチュエータ本体4との間で他方の支持ゴム61を圧縮変形させる。こうして支持ゴム61,61を圧縮変形させる途中で、第1短辺壁部353の内側表面及び第2短辺壁部354の内側表面が連結ゴム363の被押圧部368,368に当接し、連結ゴム363の長辺部364がその長手方向に押圧される。その結果、長辺部364は、その両端部をアクチュエータ本体4側へ引き上げるようなモーメントの影響をほとんど受けることなく、第1短辺壁部353及び第2短辺壁部354からの圧縮力によってその長手方向へ強制的に圧縮変形させられることになる。
この実施形態3によれば、薄肉部367,367を中央部364a及び両端部364b,364bの長手方向に対して湾曲させた形状とすることによって、長辺部364の長手方向に圧縮力が加わったときに薄肉部367,367が容易に座屈、即ち、変形する。つまり、長辺部364は、小さな力で容易に圧縮変形することができる。
さらに、薄肉部367,367を、中央部364a及び両端部364b,364bの厚み方向におけるケース5側に連結すると共に、該厚み方向におけるアクチュエータ本体4側に向かって湾曲させることによって、長辺部364が圧縮変形する際に薄肉部367,367は厚み方向におけるアクチュエータ本体4側に変形すると共に、該アクチュエータ本体4側に変形しても長辺部364の厚み方向寸法を有効に使って変形するため、薄肉部367,367の変形時の長辺部364の外方への突出が少なく、コンパクトに圧縮変形させることができる。そのため、支持ユニット306、ひいては、超音波アクチュエータ302の小型化に有利である。
さらに、薄肉部367,367は、アクチュエータ本体4の短手方向に扁平な形状をしているため、該薄肉部367,367によって支持ユニット306の該短手方向へのスラスト変形を吸収することができる。すなわち、図21に示すように、支持ゴム61,61の位置が該短手方向に若干ずれた場合であっても、薄肉部367,367が変形して、該ずれを吸収することができる。そのため、連結ゴム363の他の部分、即ち、中央部364aや両端部364bや短辺部365に不要な外力やモーメントが加わることがなく、ひいては、支持ゴム61,61にも不要な外力が作用することがなくなる。その結果、支持ゴム61,61からアクチュエータ本体4へ安定的に圧縮力を付与することができると共に、支持ゴム61,61をアクチュエータ本体4とケース305との間において一様な圧縮率で保持することができ、アクチュエータ本体4とケース305との間の電気的導通を確保することができる。
尚、図22に示すように、長辺部364の短手方向(アクチュエータ本体4の厚み方向)に分割された薄肉部367b,367b,…を有する構成であってもよい。この場合、アクチュエータ本体4の厚み方向に複数の薄肉部367b,367bが設けられるため、支持ゴム61,61の該厚み方向への位置決め精度を向上させることができる。
《発明の実施形態4》
次に、本発明の実施形態4に係る超音波アクチュエータ402について説明する。
実施形態4に係る超音波アクチュエータ402は、アクチュエータ本体404と支持ユニット406の形状が、実施形態1等と異なる。この超音波アクチュエータ402は、支持ユニット406の減肉部を利用して、アクチュエータ本体404にバランスウエイトとしてのダミー部材79,79を設けている。
詳しくは、駆動子7,7のアクチュエータ本体4の設置面40aからの高さが高くなるほど、駆動子7,7のステージ11との当接部、即ち、先端部の楕円運動を大きくすることができる。その結果、アクチュエータ本体4の長手方向への変位量を拡大することができ、超音波アクチュエータとしての駆動効率を高めることができる。
その一方で、屈曲振動の中立面の位置が問題となる。つまり、屈曲振動においては、図23に示すように、アクチュエータ本体4の長手方向へのひずみは、アクチュエータ本体4の短手方向位置に応じて変化する。中立面とは、このひずみが零となる面である。例えば、アクチュエータ本体4が屈曲振動した或る状態においては、中立面から設置面40a側に離れるほど引っ張りひずみが大きくなる一方、中立面から設置面40aと反対側の長辺側面側に離れるほど圧縮ひずみが大きくなる。
駆動子7,7がなければ、アクチュエータ本体4の屈曲振動における中立面は、該アクチュエータ本体4の短手方向中央に位置する。また、駆動子7A,7Aが軽い場合には、図23に示すように、中立面70に与える影響は小さく、中立面70はアクチュエータ本体4の短手方向略中央に位置するままである。そのため、引っ張りひずみと圧縮ひずみとは中立面70に対して設置面40a側と反設置面40a側とで点対称となり、アクチュエータ本体4の設置面40a側のひずみと反設置面40a側のひずみとは符号が逆で大きさ(スカラー量)は同じになる。
しかしながら、超音波アクチュエータの駆動効率を高めるため、駆動子7B,7Bの設置面40aからの高さを高くしようとすると、駆動子7B,7Bが大きくなり重量化してしまう。その結果、アクチュエータ本体4の屈曲振動の中立面70が、図24に示すように、アクチュエータ本体4の短手方向中央から設置面40a側に移動してしまう。そのため、アクチュエータ本体4の設置面40a側のひずみの大きさがアクチュエータ本体4の反設置面40a側のひずみの大きさよりも小さくなってしまう。このように、中立面がアクチュエータ本体4の設置面40a側に移動してしまうと、アクチュエータ本体4のひずみを駆動子7B,7Bの周回運動に有効に使うことができなくなる。
そこで、実施形態4に係るアクチュエータ本体404は、図25に示すように、アクチュエータ本体4の短手方向中央部を通り且つ長手方向に延びる直線に対して駆動子7,7と線対称な位置にダミー部材79,79を設けている。ダミー部材79,79は、駆動子7,7と同形状及び同素材である。こうすることで、アクチュエータ本体404の屈曲振動の中立面は、その短手方向中央に位置することになる。したがって、ダミー部材79,79を設けることによって、駆動子7,7の設置面40aからの高さを高くしても、アクチュエータ本体404の屈曲振動の中立面を短手方向中央に維持することができるため、駆動子7,7の高さに応じて超音波アクチュエータ2の駆動効率を向上させることができる。
そして、本実施形態では、支持ユニット406の連結ゴム463は、図26に示すように、付勢ゴム62が貫通状態で嵌め込まれた中央部464aと、短辺部465,465が立設された両端部464b,464bと、該中央部464aと両端部464b,464bとを連結する薄肉部467,467,…とで構成された長辺部464を有している。すなわち、長辺部464には、薄肉部467,467,…が設けられた部分において、その厚み方向に貫通する貫通孔466,466が形成されている。前記アクチュエータ本体404のダミー部材79,79は、図27に示すように、ケース5内に収容されるときに、該連結ゴム463の貫通孔466,466内に位置するように構成されている。こうすることで、ダミー部材79,79が支持ユニット406に接触することがなく、アクチュエータ本体4の振動を阻害することを防止することができる。
尚、連結ゴム463に薄肉部467,467,…が設けられていることによる作用・効果は、前記実施形態1〜3と同様である。
また、このダミー部材79,79は、球形状であるため、該ダミー部材79,79とアクチュエータ本体404の設置面40aとの接触面積を小さくすることができ、アクチュエータ本体404の縦振動及び屈曲振動を阻害することを防止することができる。
さらに、駆動子7,7には、ジルコニア、アルミナなどの耐摩耗性に優れた材料を用いる必要がある。一方、ダミー部材79,79は、耐摩耗性を考慮する必要がないため、例えば、鉛合金やタングステン合金等の比重が大きい材料を採用することができる。そうすることによって、ダミー部材79,79の大きさを小さくすることができるため、超音波アクチュエータ402の小型化を図ることができる。
《発明の実施形態5》
次に、本発明の実施形態5に係る超音波アクチュエータ502について説明する。
この実施形態5に係る超音波アクチュエータ502は、アクチュエータ本体4に対してその縦振動の振動方向及び屈曲振動の振動方向に圧縮力を予め付与している点で、アクチュエータ本体4の縦振動の振動方向のみに圧縮力を予め付与している実施形態1と異なる。
詳しくは、ケース505の短手方向の他側(図28における上側)には、第1短辺壁部53と第2短辺壁部54とのそれぞれから長手方向内方に延びる張出部59,59が設けられている。つまり、張出部59,59は、長辺壁部55と対向するように設けられている。
そして、アクチュエータ本体4をこのケース505内に収容した際には、アクチュエータ本体4と張出部59,59との間に、予圧ゴム69,69がアクチュエータ本体4の短手方向に圧縮変形した状態で介設されている。この予圧ゴム69,69は、縦振動の1次モード及び屈曲振動の2次モードを行うアクチュエータ本体4の10箇所の振動の腹のうち、アクチュエータ本体4の設置面40aにおける両端部にそれぞれ設けられている。
このとき、ケース505内においては、アクチュエータ本体4と長辺壁部55との間に介設されて付勢ゴム62も圧縮変形しており、付勢ゴム62と予圧ゴム69,69とで、アクチュエータ本体4に対して屈曲振動の振動方向へ圧縮力を予め付与している。
このように構成された超音波アクチュエータ502は、駆動子7,7がステージ11へ押圧されるように配設される。すなわち、付勢ゴム62をさらに圧縮変形させて、超音波アクチュエータ502を配設している。つまり、付勢ゴム62は、アクチュエータ本体4をステージ11側に付勢すると共に、予圧ゴム69,69と協働してアクチュエータ本体4に対して屈曲振動の振動方向へ圧縮力を予め付与している。
さらに、アクチュエータ本体4は、実施形態1と同様に、支持ゴム61,61によって縦振動の振動方向へも圧縮力を予め付与されている。
つまり、これら支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム69,69が予圧部材を構成する。
また、これら支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム69,69は、連結ゴム563で連結されている。この連結ゴム563は、実施形態1〜4と同様に薄肉部が形成されている。
さらに、図示は省略するが、ケース505は、第1ケースと第2ケース(場合によっては、さらに第3ケース)とによる分割構造となっており、ケース505を組み立てる際に、支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム69,69並びに連結ゴム563が圧縮変形するように構成されている。
ここで、付勢ゴム62はアクチュエータ本体4の長手方向中央部に位置する一方、予圧ゴム69,69はアクチュエータ本体4の長手方向中央部からそれぞれ両端部に向かって同じ距離だけ離れた部分に位置する。こうすることで、アクチュエータ本体4に対して屈曲振動の振動方向に作用する圧縮力は、アクチュエータ本体4の長手方向においてその中央部を中心に線対称に作用することになる。さらに、縦振動及び屈曲振動の対称性が維持するためには、アクチュエータ本体4の厚み方向においても対称となるように圧縮力を加えるのが好ましい。
尚、付勢ゴム62と予圧ゴム69,69によってアクチュエータ本体4に予め付与される圧縮力は、大きいほど信頼性の向上には効果を発揮するが、あまり大きすぎると、屈曲振動を妨げてしまうので、アクチュエータ本体4のステージ11への押圧力の1倍〜10倍程度を加えることが望ましい。押圧力は長さ数mm程度の超音波アクチュエータの場合、通常0.1N〜10N程度であるので、加える圧縮力によるアクチュエータ本体4全体にかかる力は、0.1N〜100N程度にすればよい。押圧力は、通常、アクチュエータ本体4の体積が増えれば、その体積に応じて増加させる。
また、本実施形態5では、図示は省略するが、前記第1電極42a,42b、第2電極43a,43b及び共通電極層44のそれぞれに導通する5つの外部電極をアクチュエータ本体4の側端面に設ける一方、ケース505における該5つの外部電極に対向する部分に5つのケース側電極を設けている。そして、予圧ゴム69,69を、支持ゴム61及び付勢ゴム62と同様に、絶縁層6aと導電層6bとを積層させた導電性ゴムで構成すると共に、アクチュエータ本体の5つの外部電極とケース505の5つのケース側電極とを支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム69,69のそれぞれで電気的に導通させるようにしている。また、これら5のケース側電極は、ケース505の外側表面に設けられた5つの端子電極とそれぞれ電気的に導通しており、これら端子電極に給電することによって、アクチュエータ本体4に設けられた第1電極42a,42b、第2電極43a,43b及び共通電極層44のそれぞれに電圧を印加することができる。
したがって、本実施形態5によれば、支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム69,69によりアクチュエータ本体4の振動の腹に予め圧縮力を加えることによって、アクチュエータ本体4の振動に伴う引張応力によるひずみがアクチュエータ本体4、詳しくは、圧電体層41,41,…の弾性限界を超えにくくなり、アクチュエータ本体4の破損を防止することができる。その結果、超音波アクチュエータ502の信頼性を向上させることができる。
また、アクチュエータ本体4を弾性体である支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム69,69によってケース505に対して支持することによって、アクチュエータ本体4の振動を阻害することなく支持することができる。その結果、超音波アクチュエータ502の効率を向上させることができる。
さらに、該支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム69,69を導電性ゴムで構成すると共に、該支持ゴム61,61によりアクチュエータ本体4の外部電極とケース505の電極とを電気的に導通させることによって、はんだを設けたアクチュエータ本体4の部位に応力が集中してアクチュエータ本体4が割れる虞をなくすことができる。
その他、実施形態1と同様の作用・効果を奏することができる。
尚、付勢ゴム62を、アクチュエータ本体4の長手方向中央部に配置したが、予圧ゴム69,69と同じく、アクチュエータ本体4の長手方向両端部の屈曲振動の腹の位置に配置してもよい。
また、本実施形態5の別の効果として、超音波アクチュエータ502の動作特性を安定化させることができるという効果を有する。
詳しく説明すると、超音波アクチュエータ502は、アクチュエータ本体4に縦振動と屈曲振動とを調和的に誘起させることで駆動子7,7に楕円運動を発生させるが、超音波アクチュエータ502の特性は、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数との相対関係により大きく異なり、屈曲振動の共振周波数と縦振動の共振周波数との相対関係が設計値からずれると特性が大きく変わってしまう。
本実施形態のように超音波アクチュエータ502をステージ11に押圧する構成においては、特に屈曲振動は、その振動方向が超音波アクチュエータ2をステージ11に押圧する方向と同一になるので、超音波アクチュエータ2にかかる実際の押圧力の反力が駆動子7,7を介してアクチュエータ本体4に作用して共振周波数が変化しやすい。外部から加える超音波アクチュエータ502への押圧力を一定にした場合においても、超音波アクチュエータ502によってステージ11を駆動する際に、ステージ11の位置が変化したり、各駆動子7とステージ11との接触状態が変化したりするため、超音波アクチュエータ502に実質的にかかる押圧力が変化し、即ち、アクチュエータ本体4に作用する反力が変化し、屈曲振動の共振周波数が変化する。その結果、縦振動と屈曲振動との共振周波数の相対関係が変化し、超音波アクチュエータ502の特性が不安定になる課題が従来あった。
そこで、本発明の超音波アクチュエータ502では、特に屈曲振動の腹の部分にあらかじめ圧縮力を付与している。このように、アクチュエータ本体4に予め圧縮力を作用させておくことによって、予め圧縮力を作用させていない構成と比較して、ステージ11からの反力の変化がアクチュエータ本体4の屈曲振動の共振周波数に与える影響が小さくなり、安定した超音波アクチュエータ502の特性が得られる。従って、予め加えられる圧縮力によるアクチュエータ本体4全体にかかる力は、超音波アクチュエータ502の押圧力より大きいことが望ましい。こうすることによって、アクチュエータ本体4に作用する反力による該アクチュエータ本体4の共振周波数への影響を相対的に小さくすることができる。
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、連結ゴム63(263,363,463)における低剛性部を薄肉部67(267,367,467)で構成しているが、これに限られるものではない。すなわち、中央部64a(264a,364a,464a)等よりも剛性が低い形状であれば、任意の形状を採用することができる。また、薄肉部67,67,…(267,367,467)は、必ずしも、付勢ゴム62を挟んで長手方向の両側に設けなくてもよい。
また、ケース5(205,305,405)で連結ゴム63(263,363,463)の長辺部を圧縮変形させる構造は、前記実施形態の如く、ケース側の押圧部を突出させる構造や、長辺部側の被押圧部を突出させる構造の他に、任意の構造を採用することができる。例えば、ケース側の押圧部と長辺部側の被押圧部との両方を突出させて構成してもよい。
さらに、連結ゴム63(263,363,463,563)の形状は、前記実施形態の如く、コ字形状に限られるものではなく、支持ゴム61,61(実施形態によっては付勢ゴム62及び予圧ゴム69も)を連結する構成であれば任意の構成を採用することができる。
さらにまた、各実施形態における支持ユニット、押圧部や被押圧部、ケース等の組合せは、前記実施形態の組合せに限られるものではなく、各実施形態の支持ユニット、押圧部や被押圧部、ケースを任意に組み合わせて構成することができる。
また、アクチュエータ本体4に圧縮力を加える部分は、振動の腹の部分のみで説明したが、一部の弾性体は腹の部分を含む広い範囲を支持して圧縮力を加えてもよい。
さらに、前記支持ゴム61,61及び付勢ゴム62は、導電性ゴムでなくてもよい。すなわち、支持ゴム61,61及び付勢ゴム62を絶縁性のゴムで構成し、給電用の導線をアクチュエータ本体4に対してはんだ等で接続する構成であってもよい。
また、超音波アクチュエータ2を、アクチュエータ本体4に長手方向への縦振動の1次モードと屈曲振動の2次モードとを調和的に発生させるように構成したが、これに限られるものではない。これ以外の振動又はモードを発生させるものであってもよく、アクチュエータ本体4を振動させて駆動子7,7とステージ11との間の摩擦力を介して駆動力を出力する振動型アクチュエータであれば任意の構成を採用することができる。
さらに、アクチュエータ本体4の一方の短辺側面に駆動子が設けられた超音波アクチュエータを採用してもよい。かかる構成であっても、アクチュエータ本体4が長手方向への縦振動の1次モードと屈曲振動の2次モードとの合成振動を行うことによって駆動子が周回運動を行い、ステージとの間の摩擦力を介して、該ステージを所定の可動方向(短手方向と平行な方向)へ移動させることができる。
さらにまた、アクチュエータ本体4,404は圧電素子ユニット40で構成されているが、金属などの基板に圧電素子を貼り付けた構成や、金属などで共振器を形成し、圧電素子を挟み込んだ構成であってもよい。この場合、圧電素子を含んで構成された共振器がアクチュエータ本体を構成する。
さらに、前記実施形態では、超音波アクチュエータ2を基台に固定すると共に、駆動子7,7を移動可能なステージ11に当接させて、該超音波アクチュエータ2を作動させることで該ステージ11を駆動させているが、図29に示すように、超音波アクチュエータ2をステージに固定する構成としてもよい。詳しくは、駆動装置601は、互いに平行な状態で基台に固定されたガイド13,13と、該ガイド13,13に摺動自在に取り付けられたステージ14と、超音波アクチュエータ2とを備えている。該ガイド13,13のうちの一方のガイド13には、該ガイド13に固定された当接部材13aが設けられている。一方、ステージ14には、アクチュエータ取付部14aが設けられている。そして、超音波アクチュエータ2は、駆動子7,7が該ガイド13の当接部材13aに当接する状態で、該ステージ14のアクチュエータ取付部14aにケース5が取り付けられている。この状態で、超音波アクチュエータ2を作動させると、駆動子7,7は当接部材13aに対して駆動力を出力するが、該当接部材13aは固定されているため、超音波アクチュエータ2自体が当接部材13aに対して相対的にガイド13,13の長手方向に振動する。その結果、アクチュエータ取付部14aを介してケース5と連結されたステージ14がガイド13,13の長手方向に駆動される。
また、前記実施形態では、超音波アクチュエータの駆動力が付与されて駆動されるステージ11は平板状であるが、これに限られるものではなく、可動体の構成としては任意の構成を採用することができる。例えば、図30に示すように、可動体は所定の軸X回りに回動可能な円板体15であり、超音波アクチュエータの駆動子7,7が該円板体15の側周面15aに当接するように構成された駆動装置701を採用してもよい。かかる構成の場合、超音波アクチュエータを駆動すると、駆動子7,7の概略楕円運動によって、該円板体15が所定の軸X回りに回動させられる。また、図31に示すように、可動体は所定の軸X回りに回動可能な円板体16であり、超音波アクチュエータの駆動子7,7が該円板体16の平面部16aに当接するように構成された駆動装置801を採用してもよい。かかる構成の場合、超音波アクチュエータを駆動すると、駆動子7,7の概略楕円運動によって、該円板体16が駆動子7,7と当接部における接線方向に駆動され、結果として該円板体16が所定の軸X回りに回動させられる。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、圧電素子を有する振動型アクチュエータ及びそれを備えた駆動装置について有用である。
1,601,701,801 駆動装置
11 ステージ(可動体)
2,202,302,402,502 超音波アクチュエータ(振動型アクチュエータ)
4,404 アクチュエータ本体
46,47,48 外部電極(本体側給電電極)
5,205,305,505 ケース
8,208,308 第1ケース
9,209,309 第2ケース
56,57,58 電極(ケース側給電電極)
6,206,306,406 支持ユニット(予圧ユニット)
61 支持ゴム(予圧部材)
62 付勢ゴム(予圧部材)
63、263,363,463,563 連結ゴム(連結部材)
64a,264a,364a,464a 中央部(本体部)
65b,264b,364b,464b 両端部(本体部)
67,267,367,467 薄肉部(低剛性部)
53a,54a 押圧部
268,368 被押圧部
69 予圧ゴム(予圧部材)
79 ダミー部材(バランスウエイト)

Claims (14)

  1. 圧電素子を有し、振動方向が互いに異なる複数の振動を行うことで駆動力を出力するアクチュエータ本体と、
    前記アクチュエータ本体を収容するケースと、
    前記ケースと前記アクチュエータ本体との間に配設されて該アクチュエータ本体の振動の非ノード部において該アクチュエータ本体に対して該振動の振動方向へ両側から圧縮力を予め付与する少なくとも2つの予圧部材及び該予圧部材を連結する連結部材を有する予圧ユニットとを備え、
    前記連結部材は、本体部と該本体部よりも剛性が低い低剛性部とを有し、
    前記予圧ユニットは、その外形寸法が前記ケースの内部寸法よりも大きく、前記ケースと前記アクチュエータ本体との間に配設されるときには、少なくとも前記連結部材が前記低剛性部において圧縮変形している振動型アクチュエータ。
  2. 前記低剛性部は、前記本体部よりも断面積が小さい請求項1に記載の振動型アクチュエータ。
  3. 前記低剛性部は、前記本体部の長手方向に対して湾曲している請求項1に記載の振動型アクチュエータ。
  4. 前記アクチュエータ本体には、前記圧電素子に電圧を印加するための本体側給電電極が設けられる一方、
    前記ケースには、前記アクチュエータ本体に給電するためのケース側給電電極が設けられ、
    前記予圧部材は、導電性ゴムで構成され、前記本体側給電電極と前記ケース側給電電極とを導通させる請求項1に記載の振動型アクチュエータ。
  5. 前記ケースは、第1ケースと第2ケースとの分割構造であって、
    前記第2ケースは、前記圧縮力の方向に沿って前記第1ケースに取り付けられる請求項1に記載の振動型アクチュエータ。
  6. 前記第1及び第2ケースには、前記連結部材を前記振動方向と平行な方向に圧縮変形させる押圧部が設けられている一方、
    前記連結部材には、前記第1及び第2ケースの押圧部と当接する被押圧部が設けられている請求項5に記載の振動型アクチュエータ。
  7. 前記アクチュエータ本体に設けられ、該アクチュエータ本体の振動に伴って動作することで駆動力を出力する駆動子と、
    前記アクチュエータ本体において前記駆動子と反対側に設けられたバランスウエイトとをさらに備え、
    前記連結部材は、前記アクチュエータ本体における前記バランスウエイトが設けられている面と前記ケースとの間を延びて前記予圧部材を連結していると共に、少なくともアクチュエータ本体側に開口する開口が形成されることで前記低剛性部が形成されており、
    前記アクチュエータ本体は、前記バランスウエイトが前記連結部材の前記開口内に位置するように配設されている請求項1乃至6の何れか1つに記載の振動型アクチュエータ。
  8. 圧電素子を有し、振動方向が互いに異なる複数の振動を行うことで駆動力を出力するアクチュエータ本体と、
    前記アクチュエータ本体を収容するケースと、
    前記ケースと前記アクチュエータ本体との間に配設されて該アクチュエータ本体の振動の非ノード部において該アクチュエータ本体に対して該振動の振動方向へ両側から圧縮力を予め付与する少なくとも2つの予圧部材及び該予圧部材を連結する連結部材を有する予圧ユニットとを備え、
    前記ケースには、前記連結部材を前記振動方向と平行な方向に圧縮変形させる押圧部が設けられている一方、
    前記連結部材には、前記押圧部と当接する被押圧部が設けられている振動型アクチュエータ。
  9. 前記ケースは、第1ケースと第2ケースとの分割構造であって、
    前記押圧部は、前記第1及び第2ケースそれぞれに設けられており、
    前記第2ケースは、前記圧縮力の方向に沿って前記第1ケースに取り付けられる請求項8に記載の振動型アクチュエータ。
  10. 前記予圧部材は、前記アクチュエータ本体における前記振動の腹の位置に設けられている請求項1乃至9の何れか1つに記載の振動型アクチュエータ。
  11. 前記アクチュエータ本体は、2次モードの屈曲振動と1次モードの縦振動とを行う請求項1乃至9の何れか1つに記載の振動型アクチュエータ。
  12. 前記アクチュエータ本体は、振動方向が互いに異なる第1の振動と第2の振動とを行うと共に、前記予圧部材の圧縮力によって該第1の振動の共振周波数と該第2の振動の共振周波数とが一致するように構成されている請求項1乃至9の何れか1つに記載の振動型アクチュエータ。
  13. 前記アクチュエータ本体は、振動方向が互いに異なる第1の振動と第2の振動とを行うと共に、前記予圧部材の圧縮力によって該第2の振動の共振周波数が該第1の振動の共振周波数よりも高くなるように構成されている請求項1乃至9の何れか1つに記載の振動型アクチュエータ。
  14. 相対移動可能な固定体及び可動体と、
    前記固定体及び可動体の間に介設される請求項1乃至13の何れか1つに記載の振動型アクチュエータとを備えた駆動装置であって、
    前記振動型アクチュエータは、前記アクチュエータ本体が前記可動体に対して押圧された状態で配設され、
    前記予圧部材により付与される圧縮力は、前記アクチュエータ本体を前記可動体に対して押圧する押圧力よりも大きい駆動装置。
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