JP4954814B2 - 振動型アクチュエータ及びそれを備えた駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電素子を有する振動型アクチュエータ及びそれを備えた駆動装置に関するものである。
従来より、圧電素子を有する振動型アクチュエータとしては、特許文献1に開示されたものが知られている。
特許文献1に係る振動型アクチュエータは、圧電素子で構成されたアクチュエータ本体と、該アクチュエータ本体に取り付けられた駆動子とを備えている。
このアクチュエータ本体は、長手方向を有する平板状の圧電素子で構成されており、対角位置にある2対の電極にそれぞれ位相の異なる交流電圧を印加することで、該圧電素子の長手方向への縦振動(所謂、伸縮振動)と該圧電素子の短手方向への屈曲振動(所謂、横振動)とを調和的に発生させている。その結果、駆動子は、該圧電素子の長手方向と短手方向とを含む平面内で周回運動、詳しくは、楕円運動を行う。
このように構成された振動型アクチュエータは、固定体と、該固定体に対して相対的に移動可能に配置された可動体の間に配置される。詳しくは、振動型アクチュエータは、前記駆動子が固定体及び可動体のうちの一方(以下、被当接体ともいう)に当接した状態で、固定体及び可動体のうちの他方に固定されて配設されている。その状態で、振動型アクチュエータを作動させて駆動子を前述の如く周回運動させると、駆動子は周回運動の或る領域では被当接体を押圧しながら摩擦力を増大させて周回し、周回運動の別の領域では被当接体から離間して又は被当接体との間の摩擦力を低減した状態で周回することになる。そして、被当接体を押圧しながら周回するときに、駆動子と被当接体との間の摩擦力を介して駆動力が可動体に伝達され、可動体を所定の方向へ駆動する。
そして、前記特許文献1に記載された振動型アクチュエータは、駆動子を圧電素子と一体焼成することで、振動型アクチュエータの小型化を図っている。
特開2005−94956号公報
しかしながら、前記特許文献1のように振動型アクチュエータを小型化すると、駆動力を確保すべく、振動型アクチュエータに加えられる電力がハイパワー化される傾向にある。こうして、振動型アクチュエータがハイパワー化されると、圧電素子に加わるひずみが大きくなる。そして、該ひずみが圧電素子の弾性限界を超えると、該圧電素子が破損する虞がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧電素子が弾性限界を超えて変形して破損することを防止することにある。
本発明に係る振動型アクチュエータは、圧電素子と該圧電素子に電圧を印加するための本体側給電電極とを有し、振動方向が互いに異なる複数の振動を行うことで駆動力を出力するアクチュエータ本体と、前記アクチュエータ本体を収容すると共に、該アクチュエータ本体に給電するための基礎側給電電極が設けられた基礎部と、絶縁部と導電部とが積層された導電性ゴムで構成され、前記本体側給電電極と前記基礎側給電電極とを導通させると共に該アクチュエータ本体の振動の非ノード部において該アクチュエータ本体に該振動の振動方向へ圧縮力を予め付与した状態で前記基礎部と前記アクチュエータ本体との間に配設された予圧手段とを備えている。そして、前記予圧手段は、導電性ゴムの積層方向が前記アクチュエータ本体の複数の振動方向を含む平面に交差する方向を向いているものとする。
前記の構成の場合、予圧手段によりアクチュエータ本体の非ノード部においてアクチュエータ本体に予め圧縮力を加えておくことによって、振動型アクチュエータの作動時に圧電素子に生じる引張応力を小さくすることができ、圧電素子を破損しにくくすることができる。
そして、予圧手段を導電性ゴムで構成すると共にアクチュエータ本体の本体側給電電極と前記基礎部の基礎側給電電極とを該予圧手段によって導通させることによって、アクチュエータ本体の振動を阻害することなく、アクチュエータ本体と基礎部との電気的導通を実現することができるため、アクチュエータ本体に給電用導線をはんだ等により接続する必要がなくなり、その接続部分に応力が集中してアクチュエータ本体が破損するということを防止することができる。
ここで、基礎部とアクチュエータ本体との間に介設された予圧手段によって該アクチュエータ本体に圧縮力を付与する構成においては、該予圧手段がアクチュエータ本体の振動に伴って変形する。そして、アクチュエータ本体の本体側給電電極と基礎部の基礎側給電電極とを導通させるべく、予圧手段を絶縁部と導電部とを積層した導電ゴムで構成する場合には、予圧手段の配設の仕方によっては、予圧手段とアクチュエータ本体との間及び予圧手段と基礎部との間で導通不良が生じる虞がある。
そこで、本発明では、ゴム部と導電部とが積層された導電性ゴムをその積層方向がアクチュエータ本体の複数の振動方向を含む平面に交差する方向を向くように配設することによって、アクチュエータ本体の振動に伴って積層構造の導電性ゴムが変形しても、予圧手段とアクチュエータ本体との間及び予圧手段と基礎部との間の導通状態を良好に保つことができ、予圧手段を介したアクチュエータ本体と基礎部との電気的導通を維持することができる。
また、本発明に係る駆動装置は、前記振動型アクチュエータと、前記振動型アクチュエータに対して相対的に移動可能に構成された相対可動体と、前記相対可動体に前記振動型アクチュエータを付勢する付勢手段とを備えているものとする。
本発明によれば、予圧手段によりアクチュエータ本体の振動の非ノード部において該アクチュエータ本体に該振動の振動方向へ圧縮力を予め付与することによって、圧電素子が破損し難い振動型アクチュエータを実現することができる。また、この予圧手段をゴム部と導電部とが積層された導電性ゴムで構成すると共に、該予圧手段を本体側給電電極と前記基礎側給電電極とを導通させるように配設することによって、アクチュエータ本体への給電用導線のはんだ等による接続を削除することができ、その接続部への応力集中によるアクチュエータ本体の破損を防止することができる。それに加えて、予圧手段を導電性ゴムの積層方向が該アクチュエータ本体の複数の振動方向を含む平面と交差する方向を向くように配設することによって、アクチュエータ本体の振動に伴って該予圧手段が変形する場合であってもアクチュエータ本体と基礎部との電気的導通を維持することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1に係る駆動装置1は、図3に示すように、ステージ11と、超音波アクチュエータ2と、該超音波アクチュエータ2を駆動制御する制御装置(図示省略)とを備えている。
ステージ11は、互いに平行な状態で固定体としての基台(図示省略)上に固定されたガイド12,12に摺動可能に取り付けられている。つまり、ステージ11は、ガイド12,12が延びる方向に沿って移動可能に構成されている。これらガイド12,12の延びる方向がステージ11の可動方向となる。このステージ11は、平面視略方形の板状部材であって、アルミナで形成されている。尚、ステージ11の材質は、アルミナに限られるものではなく、任意の材質を用いて形成することができる。そして、前記超音波アクチュエータ2は、このステージ11の裏面(ガイド12,12が設けられている側の面)に後述する駆動子7,7が当接する状態で基台に配設されている。このステージ11は、前記超音波アクチュエータ2が発生する駆動力を受け、前記超音波アクチュエータ2に対して相対的に移動可能に構成された相対可動体を構成する。
前記超音波アクチュエータ2は、図1,2に示すように、振動を発生させるアクチュエータ本体4と、該アクチュエータ本体4の駆動力をステージ11に伝達させる駆動子7,7と、該アクチュエータ本体4を収容するケース5と、アクチュエータ本体4とケース5との間に介設されてアクチュエータ本体4を弾性的に支持する支持ゴム61,61及びアクチュエータ本体4を前記ステージ11に付勢するための付勢ゴム62を含む支持ユニット6とを備えている。この超音波アクチュエータ2が振動型アクチュエータを構成する(以下、同様)。
前記アクチュエータ本体4は、圧電素子ユニット40で構成されている。
前記圧電素子ユニット40は、略長方形状の互いに対向する一対の主面と、この主面と直交して該主面の長手方向に延びる、互いに対向する一対の長辺側面と、これら主面及び長辺側面の両方と直交して該主面の短手方向に延びる、互いに対向する一対の短辺側面とを有する略直方体状をしている。
この圧電素子ユニット40は、図4に示すように、5つの圧電体層(圧電素子)41,41,…と4つの内部電極層42,44,43,44とを交互に積層して構成される。内部電極層42,44,43,44は、積層方向に圧電体層41を介して交互に配された、第1給電電極層42と共通電極層44と第2給電電極層43と共通電極層44とで構成される。これら第1給電電極層42、第2給電電極層43及び共通電極層44,44のそれぞれは、各圧電体層41の主面上に印刷されている。
前記各圧電体層41は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛などのセラミック材料からなる絶縁体層であって、前記圧電素子ユニット40と同様に、一対の主面と、一対の長辺側面と、一対の短辺側面とを有する略直方体状をしている。また、各圧電体層41には、その長辺側面のうち一方の長辺側面の長手方向中央部に外部電極48aが、一方の短辺側面の短手方向中央部に外部電極46aが、他方の短辺側面の短手方向中央部に外部電極47aがそれぞれ形成されている。
前記各共通電極層44は、圧電体層41の主面の略全面に亘って設けられた略長方形状をしている。また、各共通電極層44の一方の長辺部には、その長手方向中央部から圧電体層41の前記外部電極48aまで延びる引出電極44aが形成されている。
前記第1給電電極層42は、図5に示すように、圧電体層41の主面をその長手方向及び短手方向にそれぞれ2等分してなる4つの領域のうち該主面の対角線方向に位置する2対の領域のうち一方の対の領域にそれぞれ形成された一対の第1電極42a,42bと、これら第1電極42a,42bを連結して導通させる導通電極42cとを有する。各第1電極42a(42b)は略矩形状の電極であり、積層方向に見て共通電極層44と重なっている。つまり、各第1電極42a(42b)は、圧電体層41を挟んで共通電極層44と対向している。また、第1電極42a,42bのうちの一方の第1電極42aには、圧電体層41の前記外部電極46aまで延びる引出電極42dが設けられている。
前記第2給電電極層43は、圧電体層41の主面の対角線方向に位置する前記2対の領域のうち他方の対の領域にそれぞれ形成された一対の第2電極43a,43bと、これら第2電極43a,43bを連結して導通させる導通電極43cとを有する。前記他方の対の領域のうち積層方向に見て前記第1電極42aの前記短手方向且つ前記第1電極42bの前記長手方向に隣接する領域に設けられる電極が第2電極43aであり、第1電極42aの該長手方向且つ第1電極42bの該短手方向に隣接する領域に設けられる電極が第2電極43bである。各第2電極43a(43b)は略矩形状の電極であり、積層方向に見て共通電極層44と重なっている。つまり、各第2電極43a(43b)は、圧電体層41を挟んで共通電極層44と対向している。また、第2電極43a,43bのうちの一方の第2電極43bには、圧電体層41の前記外部電極47aまで延びる引出電極43dが設けられている。
これら圧電体層41,41,…と内部電極層42,44,43,44とを交互に積層することで構成された圧電素子ユニット40においては、その一方の長辺側面の前記長手方向中央部に、各圧電体層41の外部電極48aが積層方向に並んで一まとまりの外部電極48が形成されている。この外部電極48には、前記共通電極層44,44に形成された引出電極44a,44aが電気的に接続されている。同様に、圧電素子ユニット40の一方の短辺側面の前記短手方向中央部には、各圧電体層41の外部電極46aが積層方向に並んで一まとまりの外部電極46が形成されている。この外部電極46には、前記第1給電電極層42の引出電極42dが電気的に接続されている。また、圧電素子ユニット40の他方の短辺側面の前記短手方向中央部には、各圧電体層41の外部電極47aが積層方向に並んで一まとまりの外部電極47が形成されている。この外部電極47には、前記第2給電電極層43の引出電極43dが電気的に接続されている。これら外部電極46,47,48が本体側給電電極を構成する。
そして、圧電素子ユニット40の長辺側面のうち他方の長辺側面、即ち、前記外部電極48が設けられていない側の長辺側面(すなわち、後述する屈曲振動の振動方向を向く一対の面のうちの一方の面。以下、設置面ともいう)40aには、2個の駆動子7,7が設けられている。
これら駆動子7,7は、先端が半球状に形成された円柱状の部材であって、ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、タングステンカーバイド等で形成されている。これら駆動子7,7は、設置面40aに対して接着剤を介して線接触状に取り付けられている。接着剤としては、圧電素子ユニット40の材料及び駆動子7の材料よりも柔らかいことが望ましい。具体的には、合成樹脂、特にエポキシ樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。このような材料を用いることにより圧電素子ユニット40の後述する振動をできるだけ阻害せずに駆動子7,7と設置面40aとの間の固定を実現することができる。
また、駆動子7,7が設けられた位置は、設置面40aにおいて、圧電素子ユニット40の長手方向両端部から該設置面40aの全長の30〜35%距離だけ内側に入った位置であり、即ち、圧電素子ユニット40の後述する屈曲振動の2次モードの腹の位置であって、振動が最も大きくなる位置である。
このように構成されたアクチュエータ本体4は、前記外部電極48をグランドに接続し、前記外部電極46,47に所定周波数の交流電圧を位相が90°ずれた状態で印加することによって、圧電体層41の主面の対角線方向に位置する一方の対の第1電極42a,42bと、他方の対の第2電極43a,43bとに互いに位相が90°ずれた交流電圧が印加され、その長手方向への縦振動(いわゆる、伸縮振動)とその短手方向への屈曲振動(いわゆる、横振動)とが誘起される。
縦振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数はそれぞれ、アクチュエータ本体4、即ち、圧電素子ユニット40の材料、形状等により決定される。さらに、両共振周波数は、アクチュエータ本体4を支持する力及び支持する部分によっても影響を受ける。これらを考慮して、両共振周波数を略一致させ、その近傍の周波数の交流電圧を位相を90°ずらした状態で外部電極46,47のそれぞれに印加する。例えば、縦振動の1次モード(図6参照)の共振周波数と屈曲振動の2次モード(図7参照)の共振周波数とが一致するように圧電素子ユニット40の形状等を設計して、該共振周波数近傍の交流電圧を前述の如く、位相を90°ずらして印加することによって、圧電素子ユニット40には、縦振動の1次モードと屈曲振動の2次モードとが調和的に誘起され、図8(a)、(b)、(c)、(d)に示す形状の変化を順番に起こす。
その結果、圧電素子ユニット40に設けられた各駆動子7が該圧電素子ユニット40の主面と平行な平面(図8における紙面と平行な面)、即ち、長手方向と短手方向とを含む平面(さらに換言すれば、縦振動の振動方向と屈曲振動の振動方向とを含む平面)内で略楕円運動、即ち、周回運動を行う。
このように構成された圧電素子ユニット40は、複数の振動の腹を有する。ここで、振動の腹とは振動の変位が極大となる箇所であり、本実施形態においては振動の腹の部分は圧電素子ユニット40の両短辺側面に位置する計2箇所の縦振動の腹と、圧電素子ユニット40の一方の長辺側面及び他方の長辺側面の両端部の4箇所、さらに一方の長辺側面及び他方の長辺側面における両端部から圧電素子ユニット40の長手方向の30〜40%内側の部分の4箇所の計8箇所の屈曲振動の腹とがある。すなわち、この超音波アクチュエータ2は、伸縮振動の腹と屈曲振動の腹とを合わせて10箇所の振動の腹がある。そして、前記駆動子7,7は、一方の長辺側面である設置面40aにおける長手方向両端部から内側へ30〜35%入った腹の部分に設けられている。
前記ケース5は、前記圧電素子ユニット40に対応した略直方体状の概略箱形状をしている。このケース5は、前記圧電素子ユニット40の主面と平行で且つ略長方形状の一対の主壁部51、52と、該主壁部51,52の前記長手方向の一側(図1における左側)に位置する短辺部間に設けられた第1短辺壁部53と、該主壁部51,52の該長手方向の他側(図1における右側)に位置する短辺部間に設けられた第2短辺壁部54と、該主壁部51,52の前記短手方向の一側(図1における下側)に位置する長辺部間に設けられた長辺壁部55とを有している。つまり、ケース5は、主壁部51,52の該短手方向の他側(図1における上側)に位置する長辺部間(圧電素子ユニット40の駆動子7,7が設けられた長辺側面に対応する部分)には壁部が設けられておらず、該短手方向の他側に開口した形状となっている。そして、このケース5は、第1ケース8と第2ケース9とで構成された分割構造となっている。
前記第1ケース8は、前記主壁部51,52、第1短辺壁部53及び長辺壁部55がそれぞれ連結されて構成されていて、前記長手方向の他側及び前記短手方向の他側に開口した概略箱形状をしている。
一方、前記第2ケース9は、前記第2短辺壁部54を含んで構成されている。また、第2ケース9は、第2短辺壁部54におけるアクチュエータ本体4の厚み方向の両端縁から第1ケース8の主壁部51,52を挟み込むように延びる係合アーム部91,91を有している。
さらに詳しくは、第1ケース8の主壁部51,52それぞれの外側表面には、第2ケース9の係合アーム部91を案内するガイド部81,81が設けられていると共に、ガイド部81,81の間に係合突起82が設けられている。
一方、第2ケース9の各係合アーム部91には、第1ケース8の係合突起82と係合する被係合孔92が形成されている。
また、これら第1及び第2ケース8,9は、樹脂製であって、電極56,57,58(図9参照)がインサート成形されている。これら電極56,57,58は、ケース5に収容されるアクチュエータ本体4の外部電極46,47,48とそれぞれ対向する位置に設けられている。詳しくは、第1ケース8の第1短辺壁部53の内側表面には、アクチュエータ本体4の外部電極46と対向する位置に電極56が設けられており、第1ケース8の長辺壁部55の内側表面には、アクチュエータ本体4の外部電極48と対向する位置に電極58が設けられている。また、第2ケース9の第2短辺壁部54の内側表面には、アクチュエータ本体4の外部電極47と対向する位置に電極57が設けられている。これら電極56,58はそれぞれ第1ケース8の主壁部51の外側表面に設けられた端子電極56a,58aに電気的に接続されており、電極57は第2ケース9の一方の係合アーム部91の外側表面に設けられた端子電極57aに電気的に接続されている。尚、第1ケース8及び第2ケース9に電極56,57,58及び端子電極56a,57a,58aを設ける構成は、前述の如く、インサート成形に限られず、MID(Mold Interconnection Device)によっても実現することができ、その他、任意の構成を採用することができる。これら電極56,57,58が基礎側給電電極を構成する。
前記支持ユニット6は、前記支持ゴム61,61と付勢ゴム62と該支持ゴム61,61及び付勢ゴム62を連結するための連結ゴム63とを有し、概略コ字形状をしている。
前記各支持ゴム61は、図10に示すように、ゴムで構成された絶縁層6aとゴムに金属粉(例えば、銀パウダ)を混入させた導電層6bとを交互に積層した導電性ゴムで構成され、略直方体状をしている。これら支持ゴム61,61は、アクチュエータ本体4をその長手方向(即ち、長手方向が支持方向に相当する)に弾性的に支持すると共に、該アクチュエータ本体4に対して長手方向への圧縮力を付与する。この導電性ゴムは、アクチュエータ本体4と比較して1/100以下の弾性率を有することが好ましい。そうすることにより、アクチュエータ本体4の振動を妨げず、効率のよい超音波アクチュエータ2を提供することができる。この支持ゴム61,61が、予圧手段を構成する。また、絶縁層6aが絶縁部を、導電層6bが導電部を構成する。
また、前記付勢ゴム62も、支持ゴム61と同様に、ゴムで構成された絶縁層6aとゴムに金属粉(例えば、銀パウダ)を混入させた導電層6bとを交互に積層した導電性ゴムで構成され、略直方体状をしている。この付勢ゴム62は、アクチュエータ本体4をステージ11に対して付勢するためのものである。この付勢ゴム62が、付勢手段を構成する。
これら支持ゴム61及び付勢ゴム62における導電層6bは、圧縮率によって導電率が変化し、適度に圧縮されていた方が導電率が高くなる。そこで、支持ゴム61,61及び付勢ゴム62は、後述する超音波アクチュエータ2の組み立て状態及びステージ11への設置状態において、導電性ゴムに応じて適度に圧縮された状態で配設されている。
一方、前記連結ゴム63は、支持ゴム61,61及び付勢ゴム62よりも硬度が低い絶縁性のゴムで構成されている。この連結ゴム63は、長辺部63aと、長辺部63aの長手方向両端部から立設する短辺部63b,63bとを有し、概略コ字形状をしている。そして、長辺部63aの長手方向中央部には、付勢ゴム62が該長辺部63aを貫通した状態で嵌め込まれている。また、短辺部63b,63bの先端部には、支持ゴム61,61が該短辺部63b,63bを貫通した状態で嵌め込まれている。このとき、支持ゴム61,61及び付勢ゴム62は、コ字状をした連結ゴム63よりもその内方及び外方に突出している。また、支持ゴム61,61及び付勢ゴム62は、それらの積層方向が連結ゴム63のコ字状端面の法線方向、即ち、長辺部63aの短手方向(アクチュエータ本体4の厚み方向に相当)を向くように配設されている。
ここで、両支持ゴム61,61の間の間隔は、アクチュエータ本体4の前記長手方向長さと概略同じとなっている。そして、この支持ユニット6は、アクチュエータ本体4の外周囲に設置された状態において、付勢ゴム62がアクチュエータ本体4の外部電極48と、一方の支持ゴム61がアクチュエータ本体4の外部電極46と、他方の支持ゴム61がアクチュエータ本体4の外部電極47と当接又は近接した状態で対向する位置に配置される。
次に、超音波アクチュエータ2の組み立てについて説明する。
まず、前記第1ケース8内に、アクチュエータ本体4及び支持ユニット6を収容する。このとき、支持ユニット6の一方の支持ゴム61が第1ケース8の第1短辺壁部53の電極56と当接すると共に支持ユニット6の付勢ゴム62が第1ケース8の長辺壁部55の電極58と当接するように、支持ユニット6が第1ケース8内に収容される。また、アクチュエータ本体4の外部電極48が支持ユニット6の付勢ゴム62と当接し、アクチュエータ本体4の外部電極46が支持ユニット6の一方の支持ゴム61と当接又は近接し、アクチュエータ本体4の外部電極47が支持ユニット6の他方の支持ゴム61と当接又は近接するように、アクチュエータ本体4が支持ユニット6に設置される。
このとき、支持ユニット6のうち他方の支持ゴム61は、その一部又は全部が第1ケース8の前記長手方向他側の開口部よりも外方にはみ出している。
尚、組み立て順序としては、支持ユニット6を第1ケース8内に収容した後にアクチュエータ本体4を収容してもよいし、アクチュエータ本体4に支持ユニット6を組み込んだ状態で両者を第1ケース8内に収容してもよい。
この状態で、第2ケース9を第1ケース8に対して取り付ける。まず、第2ケース9の係合アーム部91,91で第1ケース8の長手方向他側の開口部を挟持するようにして、第2ケース9の第1ケース8への取り付けが開始される。第2ケース9を第1ケース8に対して該長手方向の他側から一側へ押し込んでいくと、第2ケース9は、係合アーム部91,91が第1ケース8のガイド部81,81,…に案内されていき、係合突起82(図1では一方のみ図示)上に乗り上げる。その後、第2ケース9の第2短辺壁部54の内側表面に設けられた電極57が支持ユニット6の他方の支持ゴム61に対して該長手方向他側から当接する。そこからさらに、第2ケース9をさらに押し込んでいくと、支持ユニット6が該長手方向に圧縮変形させられると共に、係合アーム部91,91の被係合孔92,92が係合突起82,82に嵌り込んで係合して、係合突起82,82に乗り上げていた該係合アーム部91,91が元の状態に戻る。こうして、第2ケース9の第1ケースへの取付が完了すると共に、超音波アクチュエータ2の組み立てが完了する。
このようにして組み立てられた超音波アクチュエータ2において、図2,9に示すように、アクチュエータ本体4は駆動子7,7が外方に突出した状態でケース5内に収容され、該アクチュエータ本体4とケース5との間には支持ユニット6が介設されている。
このとき、一方の支持ゴム61は、アクチュエータ本体4の外部電極46とケース5の電極56との間に介設されて両者を電気的に導通させ、他方の支持ゴム61は、アクチュエータ本体4の外部電極47とケース5の電極57との間に介設されて両者を電気的に導通させている。また、付勢ゴム62は、アクチュエータ本体4の外部電極48とケース5の電極58との間に介設されて両者を電気的に導通させている。尚、支持ゴム61,61及び付勢ゴム62は、連結ゴム63よりもアクチュエータ本体4側及びケース5側に突出しているため、連結ゴム63が、支持ゴム61,61及び付勢ゴム62の外部電極46,47,48及び電極56,57,58への接触を阻害しないように構成されている。ただし、支持ゴム61,61及び付勢ゴム62と外部電極46,47,48及び電極56,57,58との接触及びアクチュエータ本体4の振動を阻害しない程度であれば連結ゴム63がアクチュエータ本体4又はケース5と当接する構成であってもよい。
また、支持ゴム61,61は、第2ケース9が第1ケース8に取り付けられることによって前記長手方向に圧縮変形しており、アクチュエータ本体4をケース5に対して該長手方向に弾性的に支持すると共に、アクチュエータ本体4に該長手方向の両側から内方に向かって、即ち、縦振動の振動方向に圧縮力を付与している。これら支持ゴム61,61が当接する、アクチュエータ本体4の両短辺側面は、縦振動の腹の部分、即ち、非ノード部であるが、該支持ゴム61,61は弾性体であるため、アクチュエータ本体4の縦振動を妨げない。このとき、支持ゴム61,61は、圧縮されることで適度な導電性を有する状態になっている。ここで、「非ノード部」とは、振動の節(ノード)以外の部分を意味する。
尚、付勢ゴム62及び連結ゴム63については、連結ゴム63の方が付勢ゴム62よりも硬度が低いため、連結ゴム63がより大きく該長手方向に圧縮変形している。このとき、付勢ゴム62は、前記短手方向についてはほとんど変形しておらず、超音波アクチュエータ2がステージ11に設置される前の段階ではアクチュエータ本体4を該短手方向に付勢していない。ただし、この設置前の段階において、付勢ゴム62がアクチュエータ本体4を該短手方向に付勢しているように、即ち、付勢ゴム62が圧縮変形した状態でケース5内に収容される構成であってもよい。
そして、このように組み立てられた超音波アクチュエータ2は、アクチュエータ本体4の長手方向がガイド12,12の長手方向と平行となる状態で、駆動子7,7が前記ステージ11における該ガイド12,12と平行な一の側端面と当接するようにして、該ステージ11に設置される。このとき、超音波アクチュエータ2は、付勢ゴム62が圧縮変形するように駆動子7,7をステージ11に押し付けた状態でケース5が基台に固定される。つまり、超音波アクチュエータ2をステージ11に設置したときには、アクチュエータ本体4は付勢ゴム62によってステージ11に当接する方向、即ち、駆動子7,7が設けられた、アクチュエータ本体4の長辺側面(圧電素子ユニット40の長辺側面)の法線方向(前記短手方向と一致する)に付勢されている。ここで、付勢ゴム62は、圧縮されることで適度な導電性を有する状態になっている。
また、図示省略の制御装置からの信号線がコネクトピンを介してケース5の前記端子電極56a,57a,58aに電気的に接続される。
前記制御装置は、外部からの動作指令を受けて、その動作指令に応じた周波数の交流電圧を動作指令に応じた位相差で端子電極56a,57aに印加する。
制御装置は、前述の如く、アクチュエータ本体4、即ち、圧電素子ユニット40に縦振動と屈曲振動とを調和的に発生させて、駆動子7,7を図8に示すような周回運動させることで、ステージ11を移動させる。具体的には、圧電素子ユニット40の異常発熱を防止すべく、圧電素子ユニット40の縦振動と屈曲振動との共通の共振周波数よりも少し高い周波数の交流電圧が端子電極56a,57aに印加される。このとき、かかる交流電圧は、互いに位相が90°ずれた状態で端子電極56a,57aに印加される。
アクチュエータ本体4が、縦振動と屈曲振動との合成振動を行うと、駆動子7,7はアクチュエータ本体4の長手方向と短手方向とを含む平面内において略楕円運動を行う。こうすることで、駆動子7,7は、ステージ11との当接及び離間を周期的に繰り返しながら、ステージ11に対して摩擦力を介してアクチュエータ本体4の長手方向へ駆動力を付与しており、ステージ11はガイド12,12に沿って移動する。このアクチュエータ本体4の長手方向(ガイド12,12が延びる方向と一致する)が、駆動子7,7が駆動力を出力する方向である駆動方向に相当する。
以下に、超音波アクチュエータ2によるステージ11の駆動を、図11を参照してさらに詳しく説明する。アクチュエータ本体4が長手方向(縦振動の振動方向)に伸張するとき、一方(例えば、図11の左側)の駆動子7は、図11(b)に示すように、短手方向(屈曲振動の振動方向)においてステージ11側の領域を変位するため、ステージ11との間の摩擦力が増大し、この摩擦力によってステージ11を該長手方向における該一方の駆動子7が変位する側(図11の左側)へ移動させる。このとき、他方(図11の右側)の駆動子7は、該長手方向において一方の駆動子7とは逆向きに変位するが、該短手方向において反ステージ11側(ステージ11から離れる側)の領域を変位するため、ステージ11から離れて摩擦力が作用せず、ステージ11の移動にはほとんど影響を与えない。
一方、アクチュエータ本体4が長手方向に収縮するときは、他方(図11の右側)の駆動子7は、図11(c)に示すように、短手方向においてステージ11側の領域を変位するため、ステージ11との間の摩擦力が増大し、この摩擦力によってステージ11を該長手方向における該他方の駆動子7が変位する側(図11の左側)へ移動させる。この移動方向は、前述した、アクチュエータ本体4の伸張時における一方の駆動子7によるステージ11の移動方向と同じである。このとき、一方(図11の左側)の駆動子7は、該長手方向において他方の駆動子7とは逆向きに変位するが、該短手方向において反ステージ11側の領域を変位するため、ステージ11から離れて摩擦力が作用せず、ステージ11の移動にはほとんど影響を与えない。
尚、図11においては、ステージ11の移動に影響を与えない方の駆動子7はステージ11から離れているが、必ずしも離れている必要はない。すなわち、駆動子7は、ステージ11を移動させない程度の摩擦力で該ステージ11に当接してる状態であってもよい。
こうして、一方の駆動子7と他方の駆動子7とは、位相が180°ずれた状態で交互にステージ11を所定の一方向へ移動させる。尚、前記交流電圧を位相を−90°ずらした状態で端子電極56a,57aに印加することによって、駆動子7,7が出力する駆動力を逆向きにすることができ、ステージ11を他方向へ移動させることができる。
尚、ステージ11の移動量、移動速度及び移動加速度は、端子電極56a,57aに給電する交流電圧の電圧値、周波数及び給電時間の少なくとも1つを調整する、又は端子電極56a,57aに給電する各交流電圧の位相のずれを変更する等によって調整することができる。
こうして、超音波アクチュエータ2は、駆動子7,7に縦振動の振動方向(長手方向)と屈曲振動の振動方向(短手方向)とを含む平面内で周回運動させて駆動子7,7とステージ11との間の摩擦力の増大と緩和とを繰り返しながら、該ステージ11を駆動している。
ここで、超音波アクチュエータ2を前述の如く作動させると、アクチュエータ本体4が振動することによって、圧電体層41の内部には圧縮応力と引張応力とが同じ大きさだけ発生する。この圧電体層41,41,…はセラミックや水晶などの脆性材料で構成されており、このような脆性材料は、その圧縮強さが引張強さよりも数倍強い。すなわち、圧電体層41,41,…は、引張変形に対して弱い。そのため、超音波アクチュエータ2へ10mW〜10W程度のハイパワーを入力して、圧電体層41の変位が大きくなると、圧電体層41の引張方向へのひずみが弾性限界を超えてしまい、圧電体層41、即ち、アクチュエータ本体4が破損に至る虞がある。
それに対し、本実施形態に係る超音波アクチュエータ2は、支持ゴム61,61によってアクチュエータ本体4の非ノード部(詳しくは縦振動の腹の部分)において縦振動の振動方向と平行に予め圧縮力を加えられている。こうすることによって、圧電体層41に発生する圧縮応力と比較して引張応力が小さくなり、圧電体層41の変位が大きくなっても、引張応力が圧電体層41の弾性限界を超えにくくなり、アクチュエータ本体4の破損を防止して、信頼性を向上させることができる。
また、アクチュエータ本体4に加える圧縮力は、アクチュエータ本体4の重心を挟んで対称となる位置に加えることが好ましい。そのことにより、縦振動及び屈曲振動の対称性が維持されるので、駆動子7,7の楕円運動が安定し、安定した超音波アクチュエータ2の特性が得られる。具体的には、長さ方向への縦振動の振動方向に対して平行に圧縮力を加える場合は、アクチュエータ本体4の幅方向及び厚み方向において対称となる位置に加えるのが好ましい。
さらに、アクチュエータ本体4に予め圧縮力を付与する構成の効果として、縦振動と屈曲振動との共振周波数の差(即ち、相対関係)を調整できるという優れた機能がある。すなわち、アクチュエータ本体4の縦振動の1次モードの共振周波数[Hz]と屈曲振動の2次モードの共振周波数[Hz]は、おおよそ以下の式(1)および式(2)で表される。
Figure 0004954814
Figure 0004954814
式(1)、(2)で、Lはアクチュエータ本体4の縦振動の振動方向の長さ[m]、Wはアクチュエータ本体4の屈曲振動の振動方向の長さ[m]、Eはアクチュエータ本体4のヤング率[Pa]、ρはアクチュエータ本体4の密度[kg/m]である。しかしながら、実際の共振周波数は、製造上のばらつきや、アクチュエータ本体4上に接着される駆動子7の大きさ、駆動子7が接着される位置のばらつき等によって変動してしまう。
そこで、アクチュエータ本体4上に圧縮力を加えることで、共振周波数を変更して、所望の共振周波数に近づけることができる。
以下、周波数調整方法について具体的に説明する。アクチュエータ本体4上に駆動子7を形成した状態で、圧電素子の縦振動の振動方向の両側の端面から素子の中央部に向かって対向する方向に予め決められた標準的な所定の圧縮力を加えて、縦振動の1次モードの共振周波数fL1と屈曲振動の2次モードの共振周波数fB2とを測定する。このとき、設計上は一致している屈曲振動と縦振動の共振周波数であるが、物づくり(製造時及び組立時)のばらつきにより、若干差異が生じている場合がある。
アクチュエータ本体4は、支持ゴム61,61によりアクチュエータ本体4の長手方向両端面から中心部に向かって縦振動の振動方向と同一方向へ圧縮力を加えた状態で実装されるが、このとき支持ゴム61,61の圧縮される方向と垂直方向(即ち、アクチュエータ本体4の短手方向又は厚み方向)の寸法が異なる数種類の支持ゴム61,61を用意しておく。そしてアクチュエータ本体4をケースに実装するときの支持ゴム61,61の寸法を変えることで、アクチュエータ本体4に加わる圧縮力を変えて、アクチュエータ本体4の共振周波数、特に屈曲振動の2次モードの共振周波数を変えることができる。
例えば、屈曲振動の共振周波数fB2が縦振動の共振周波数fL1よりも小さい(fB2<fL1)ときには、前記標準的寸法よりも大きい寸法の支持ゴム61,61によりアクチュエータ本体4をケース5に組み込み、アクチュエータ本体4に標準状態より大きな圧縮力を加える。一方、屈曲振動の共振周波数fB2が縦振動の共振周波数fL1よりも大きい(fB2>fL1)ときには、前記標準的寸法よりも小さい寸法の支持ゴム61,61によりアクチュエータ本体4をケース5に組み込み、標準状態より小さい圧縮力を加える。また、屈曲振動の共振周波数fB2と縦振動の共振周波数fL1との差が僅差(fB2≒fL1)であるときには、そのまま所定の標準的寸法の支持ゴム61,61によりアクチュエータ本体4をケース5に組み込む。こうすることにより、製造上のばらつきがあっても、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数とを略一致させることができる。
なお、前記方法では、縦振動の振動方向からのみ圧縮力を加えた状態で予め共振周波数を測定したが、超音波アクチュエータ2をステージ11に対して押圧して配置し、駆動子7,7をステージ11に摩擦接触させた状態で、共振周波数を測定した方がより精度が高めることができる。
また、支持ゴム61,61の寸法により、アクチュエータ本体4に加える圧縮力を調整したが、支持ゴム61,61の材質を変更することでアクチュエータ本体4にかかる圧縮力を調整したり、ケース5の寸法を変更することでアクチュエータ本体4にかかる圧縮力を調整してもよい。さらにまた、周波数を調整するときに支持ゴム61,61の両方の大きさを変えたが、片方のみの大きさを変えて、アクチュエータ本体4にかかる圧縮力を調整してもよい。
また、縦振動の振動方向より圧縮力を加えて周波数の調整を行ったが、屈曲振動の振動方向より圧縮力を加えて、共振周波数の調整を行ってもよい。
前記方法では、共振周波数を調整することで、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数とを略一致させたが、屈曲振動の共振周波数を縦振動の共振周波数よりあえて低く調整してもよい。このような超音波アクチュエータ2においては、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数とを厳密に一致させることが難しい。そこで、かかる超音波アクチュエータ2は、通常、縦振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数の何れよりも高い駆動周波数で駆動される(即ち、アクチュエータ本体4の端子電極56a,57aには縦振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数よりも高い周波数の交流電圧が印加される)。そのような場合において、縦振動の共振周波数を屈曲振動の共振周波数よりも高く調整すると、縦振動の共振周波数の方が屈曲振動の共振周波数よりも駆動周波数に近いため、アクチュエータ本体4には縦振動の方がより支配的に発生する。この縦振動の振動方向はステージ11の可動方向と一致しているため、縦振動は超音波アクチュエータ2の最高速度に大きな影響を与える。つまり、縦振動の共振周波数を屈曲振動の共振周波数よりも高く設定することによって、雰囲気温度等の変化によりアクチュエータ本体4の縦振動及び屈曲振動の共振周波数が変化したときでも、アクチュエータ本体4には縦振動が支配的に発生するため、駆動周波数を変更して駆動したときの超音波アクチュエータ2の最高速度が変化しにくいという利点がある。
また、周波数を調整するときに、屈曲振動の共振周波数を縦振動の共振周波数よりあえて高く調整してもよい。前述の如く、振動方向が異なる2つの振動(縦振動と屈曲振動)を発生させる超音波アクチュエータ2は、通常、縦振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数の何れよりも高い駆動周波数で駆動される。一般に、屈曲振動の帯域幅は狭い。そのため、屈曲振動の共振周波数を縦振動の共振周波数よりも高く調整することによって、屈曲振動の共振周波数が縦振動の共振周波数よりも低い場合と比較して、屈曲振動の共振周波数が駆動周波数に近づくため、アクチュエータ本体4に屈曲振動を十分に発生させることができる。一方、縦振動の帯域幅は屈曲振動の帯域幅よりも広いため、縦振動の共振周波数が駆動周波数から離れていても、アクチュエータ本体4に縦振動を発生させることができる。また、駆動周波数が縦振動の共振周波数から離れることになると、駆動周波数を変更して超音波アクチュエータを駆動したときの最高速度の変化は、共振周波数の近傍で駆動周波数を変化させる場合と比較して、緩やかになる。そのため、超音波アクチュエータを低速域まで安定して動作させることができるという利点がある。
また、このようにアクチュエータ本体4とケース5との間に圧縮状態の支持ゴム61,61を介設させることでアクチュエータ本体4に予め圧縮力を付与しておく超音波アクチュエータ2においては、支持ゴム61,61によってアクチュエータ本体4をケース5に対して弾性的に支持することができる。その結果、アクチュエータ本体4をその振動を阻害することなく支持することができ、超音波アクチュエータ2の効率を向上させることができる。特に、支持ゴム61,61はアクチュエータ本体4のノード部ではない部位(非ノード部)を支持しているため、弾性体によってアクチュエータ本体4を弾性的に支持することによる縦振動の阻害低減の効果は大きい。
また、近年要望される超音波アクチュエータ2の小型化を考えた場合、アクチュエータ本体4も小型化されるが、非弾性体でアクチュエータ本体4のノード部のみを支持する構成の場合、ノード部に支持体を設置することが精度上より難しくなる。しかし、支持部に弾性体を用いることでノード部以外の部分を支持しても振動の阻害を緩和できるため、製造において高い精度を必要としなくなり、小型の超音波アクチュエータ2を製造しやくすることができ、生産性を向上させることができる。
さらに、アクチュエータ本体4を支持すると共に該アクチュエータ本体4に圧縮力を予め付与する支持ゴム61,61を導電性ゴムで構成すると共に、アクチュエータ本体4における支持ゴム61,61と接触する部分に圧電体層41,41,…に電圧を印加するための外部電極46,47を設ける一方、ケース5における支持ゴム61,61と接触する部分にアクチュエータ本体4に給電するための電極56,57を設けることによって、ケース5の電極56,57とアクチュエータ本体4の外部電極46,47とを支持ゴム61,61を介して電気的に導通させることができ、支持ゴム61,61を介してケース5からアクチュエータ本体4に給電することができる。その結果、アクチュエータ本体4に給電用の導線をはんだ等によって接続する必要がなくなり、はんだによる接続部分に応力が集中してアクチュエータ本体4が破損する虞をなくすことができる。さらには、アクチュエータ本体4の表面に設けていたはんだの分だけ、超音波アクチュエータ2の厚み方向寸法を薄くすることができる。
そして、このように圧縮変形させた支持ゴム61,61によってアクチュエータ本体4に圧縮力を付与すると共に、該支持ゴム61,61を介してケース5とアクチュエータ本体4とを電気的に導通させる構成においては、アクチュエータ本体4が振動すると、支持ゴム61,61が変形するため、支持ゴム61,61の配設の仕方によってはアクチュエータ本体4の外部電極46,47と支持ゴム61,61との間で、又はケース5の電極56,57と支持ゴム61,61との間で導通不良を起こしてしまう虞がある。
例えば、支持ゴム61,61を、その積層方向が、図12に示すように、アクチュエータ本体4の縦振動の振動方向と屈曲振動の振動方向とを含む平面に平行な方向を向くように配設される場合を検討する。ここで、支持ゴム61,61は、アクチュエータ本体4の外部電極46,47とケース5の電極56,57とをそれぞれ導通させるものであるため、各ゴムの側面のうち導電層6b,6b,…の端面が露出する側面を外部電極46,47及び電極56,57に接触させるように配設される。すなわち、支持ゴム61,61は、その積層方向がアクチュエータ本体4の短手方向を向くように配設される。
この状態で、超音波アクチュエータ2を作動させると、支持ゴム61,61の外部電極46,47又は電極56,57との接触面が変質して導通不良が起こる虞がある。これは、以下の原因によるものと考えられる。
すなわち、アクチュエータ本体4が縦振動及び屈曲振動を調和的に行うと、支持ゴム61は、アクチュエータ本体4の縦振動の振動方向に伸縮変形すると共に、アクチュエータ本体4の屈曲振動の振動方向に剪断変形する。その結果、支持ゴム61は、その圧縮率が変化し、アクチュエータ本体4の短手方向に沿った位置に応じて圧縮率が異なるようになる。すると、このアクチュエータ本体4の短手方向と支持ゴム61の積層方向とは一致するため、各導電層6b,6b,…ごとに圧縮率が異なるようになる。そうして、圧縮率が低下した導電層6bは、抵抗値が上昇して発熱量が増加するため、外部電極47(46)又は電極57(56)との接触面が非常に高い温度となって変質して導通性が失われる虞があるものと考えられる。さらには、圧縮率が低下する導電層6bは、場合によっては、外部電極47(46)又は電極57(56)から離れることも考えられ、離れた後に再び外部電極47(46)又は電極57(56)に接触すると、スパークが飛び、局所的に非常に高い温度となって変質する場合があるものと考えられる。
尚、この圧縮率の変化は、アクチュエータ本体4の振動に起因するだけでなく、超音波アクチュエータ2のステージ11への設置に起因しても生じるものと考えられる。すなわち、本実施形態に係る超音波アクチュエータ2は、ステージ11に設置する前においては、支持ゴム61,61が圧縮変形してアクチュエータ本体4に圧縮力を付与している一方、付勢ゴム62はほとんど変形していない。そして、超音波アクチュエータ2をステージ11に設置する際に、駆動子7,7をステージ11に押し付けるようにして超音波アクチュエータ2を設置することで、アクチュエータ本体4を付勢ゴム62の側へ沈み込ませて、付勢ゴム62を圧縮変形させる。このように、支持ゴム61,61がアクチュエータ本体4に圧縮力を付与した状態においては、支持ゴム61,61とアクチュエータ本体4との間は摩擦力が高くなっているため、該アクチュエータ本体4が支持ゴム61,61に対して該支持ゴム61,61との接触面と平行な方向に相対変位すると、支持ゴム61,61はアクチュエータ本体4に対してほとんど摺動することなく、アクチュエータ本体4の変位に従って剪断変形することになる。こうして、支持ゴム61,61には、アクチュエータ本体4の短手方向に沿って圧縮率の変化が生じる。この状態のまま超音波アクチュエータ2を作動させると、前述の如く、支持ゴム61,61が非常に高温となって変質する虞があるものと考えられる。
この現象は、駆動子7,7をステージ11に押圧すべく圧縮変形した状態で配設されてアクチュエータ本体4に付勢力を付与している付勢ゴム62においても生じる虞がある。
導電性ゴムの積層方向がアクチュエータ本体4の縦振動の振動方向と屈曲振動の振動方向とを含む平面に平行な方向を向くように且つ、導電層6b,6b,…の端面がアクチュエータ本体4の外部電極48及びケース5の電極58に接触するように配設された付勢ゴム62は、その積層方向がアクチュエータ本体4の長手方向を向くように配設される。この付勢ゴム62は、アクチュエータ本体4の縦振動及び屈曲振動の節の部分に設けられているため、アクチュエータ本体4の縦振動及び屈曲振動による圧縮率の変化が支持ゴム61に比べて小さいけれども、同様の現象が起こり得る。すなわち、アクチュエータ本体4の長辺側面の長手方向中央部は、縦振動及び屈曲振動の節の部分であるため、アクチュエータ本体4が縦振動及び屈曲振動をしてもほとんど変形しないが、該長手方向中央部以外の部分はアクチュエータ本体4の縦振動及び屈曲振動に従って変形及び変位する。つまり、付勢ゴム62は、アクチュエータ本体4の長手方向に或る程度の幅を有するため、アクチュエータ本体4の縦振動及び屈曲振動に伴って、アクチュエータ本体4の屈曲振動の振動方向に伸縮変形すると共にアクチュエータ本体4の縦振動の振動方向に剪断変形する。したがって、付勢ゴム62の導電層6b,6b,…のうち、アクチュエータ本体4の長手方向中央部よりも端部側に位置する導電層6bは、アクチュエータ本体4の振動に伴って圧縮率が低下して導電率が低下する。その結果、圧縮率が低下した導電層6b,6bは、抵抗値が上昇して発熱量が増加するため、外部電極48又は電極58との接触面が変質して導通性が失われる虞がある。さらには、圧縮率が低下する導電層6bは、場合によっては、外部電極48又は電極58から離れることもあり、離れた後に再び外部電極48又は電極58に接触するとスパークして、局所的に非常に高温となって変質する虞もある。
それに対して、本実施形態では、支持ゴム61,61及び付勢ゴム62を、それらの積層方向がコ字状に形成された連結ゴム63の端面の法線方向を向くように配設することによって、それらの積層方向がアクチュエータ本体4の縦振動の振動方向及び屈曲振動の振動方向を含む面に対して直交する方向、即ち、アクチュエータ本体4の主面の法線方向を向くように配設している。こうすることで、支持ゴム61,61の外部電極46,47又は電極56,57との接触面が非常に高温となって変質することを防止し、導通不良を防止することができる。これは、以下の原因よるものと考えられる。
つまり、前述の例では、支持ゴム61,61及び付勢ゴム62の導電層6b,6b,…の積層方向、即ち、外部に露出する導電層6b,6b,…の各端面の幅方向(端面の短手方向)がアクチュエータ本体4の振動に伴って圧縮率が変化する方向(即ち、支持ゴム61,61及び付勢ゴム62が剪断変形する方向)を向いているため、導電層6b,6b,…ごとに圧縮率が異なり、或る一つの導電層6bが全体として圧縮率が低下し発熱するという現象が生じる虞がある。それに対して、本実施形態では、支持ゴム61,61及び付勢ゴム62の導電層6b,6b,…の端面の長手方向が該圧縮率が変化する方向を向く、即ち、各導電層6bの端面が該圧縮率が変化する方向に延びているため、1つの導電層6b内において圧縮率が低くなる部分と高くなる部分とが存在し、抵抗値の変化を各導電層6bの中で吸収することができるものと考えられる。その結果、或る一つの導電層6bが全体として圧縮率が低下して発熱してしまうことを防止することができる。
したがって、本実施形態1によれば、アクチュエータ本体4の振動の腹に予め圧縮力を加えることによって、アクチュエータ本体4の振動に伴って該アクチュエータ本体4に発生する圧縮応力と比較して引張応力が小さくなるため、アクチュエータ本体4の変形が大きくなっても、引張応力によるひずみがアクチュエータ本体4、詳しくは、圧電体層41,41,…の弾性限界を超えにくくなり、アクチュエータ本体4の破損を防止することができる。その結果、超音波アクチュエータ2の信頼性を向上させることができる。
さらに、支持ゴム61,61により予め付与される圧縮力を調整することによって、複数の振動の共振周波数を調整することが可能となるため、ばらつきの少ない超音波アクチュエータ2を提供することができる。
また、アクチュエータ本体4を弾性体である支持ゴム61,61によってケース5に対して支持することによって、アクチュエータ本体4の振動を阻害することなく支持することができる。その結果、超音波アクチュエータ2の効率を向上させることができる。
さらに、該支持ゴム61,61を導電性ゴムで構成すると共に、該支持ゴム61,61によりアクチュエータ本体4の外部電極46,47とケース5の電極56,57とを電気的に導通させることによって、アクチュエータ本体4にはんだによる給電用導線の接続部を設ける必要がなくなるため、はんだを設けたアクチュエータ本体4の部位に応力が集中してアクチュエータ本体4が割れる虞をなくすことができる。また、アクチュエータ本体の表面においてその厚み方向に盛られるはんだが不要になるため、アクチュエータ本体4の薄型化を図ることができる。さらに、給電用導線をはんだで接続する工程も削減することができるため、超音波アクチュエータ2の組み立て時の工数を削減して組立性を向上させることができる。
そして、このように支持ゴム61,61によりアクチュエータ本体4に予め圧縮力を付与すると共に、該支持ゴム61,61によりアクチュエータ本体4とケース5との間の電気的導通を実現させる構成において、支持ゴム61をその積層方向がアクチュエータ本体4の縦振動の振動方向及び屈曲振動の振動方向を含む平面に対して直交する方向を向くように配設することによって、支持ゴム61,61においてアクチュエータ本体4の振動に伴って圧縮率が変化しても、圧縮率の変化、即ち、導電率の変化を各導電層6bごとに吸収できるため、或る一つの導電層6bが全体として圧縮率が低下して発熱してしまうことを防止することができる。その結果、支持ゴム61,61が変質してアクチュエータ本体4とケース5との間で導通不良が生じることを防止することができ、アクチュエータ本体4とケース5との間の電気的導通を維持することができる。
また、支持ゴム61,61によりアクチュエータ本体4に圧縮力を予め付与した状態で、該アクチュエータ本体4を支持ゴム61,61との接触面と平行な方向に変位させながら超音波アクチュエータ2を配設する構成においても、支持ゴム61,61をその積層方向がアクチュエータ本体4の縦振動の振動方向及び屈曲振動の振動方向を含む平面に対して直交する方向を向くように配設することによって、アクチュエータ本体4の振動に伴う支持ゴム61,61の導電率の変化を各導電層6b内において吸収でき、支持ゴム61,61が変質して導通性を失うことを防止することができる。
さらには、駆動子7,7をステージ11に押圧すべく圧縮変形した状態で配設されている付勢ゴム62についても、その積層方向がアクチュエータ本体4の縦振動の振動方向及び屈曲振動の振動方向を含む平面に対して直交する方向を向くように配設することによって、アクチュエータ本体4の振動に伴って付勢ゴム62の圧縮率が変化しても、付勢ゴム62の導電率の変化を各導電層6b内で吸収して、付勢ゴム62が変質することを防止することができ、付勢ゴム62を介したアクチュエータ本体4とケース5との電気的導通を良好に維持することができる。
尚、前記実施形態1では、超音波アクチュエータ2に付勢ゴム62を含んでいるが、該付勢ゴム62を含まない構成であってもよい。すなわち、超音波アクチュエータ2としては、付勢ゴムを含まず、該超音波アクチュエータ2をステージ11等に設置する際に、アクチュエータ本体4をステージ11等の駆動対象に対して付勢する付勢部を別途設けてもよい。かかる場合、アクチュエータ本体4の駆動子7,7が設けられていない側の側面に付勢部を当接させることができるように、ケース5に開口部を設けておくことが好ましい。
さらに、前記実施形態では、支持ゴム61,61は連結ゴム63を介して連結されて支持ユニット6として一体的に構成されているが、該支持ゴム61,61は一体的に連結されていなくてもよい。
《発明の実施形態2》
次に、本発明の実施形態2に係る超音波アクチュエータ202について説明する。
この実施形態2に係る超音波アクチュエータ202は、アクチュエータ本体4に対してその縦振動の振動方向及び屈曲振動の振動方向に圧縮力を予め付与している点で、アクチュエータ本体4の縦振動の振動方向のみに圧縮力を予め付与している実施形態1と異なる。
詳しくは、ケース205の短手方向の他側(図12における上側)には、第1短辺壁部53と第2短辺壁部54とのそれぞれから長手方向内方に延びる張出部59,59が設けられている。つまり、張出部59,59は、長辺壁部55と対向するように設けられている。
そして、アクチュエータ本体4をこのケース205内に収容した際には、アクチュエータ本体4と張出部59,59との間に、予圧ゴム64,64がアクチュエータ本体4の短手方向に圧縮変形した状態で介設されている。この予圧ゴム64,64は、縦振動の1次モード及び屈曲振動の2次モードを行うアクチュエータ本体4の10箇所の振動の腹のうち、アクチュエータ本体4の設置面40aにおける両端部にそれぞれ設けられている。
このとき、ケース205内においては、アクチュエータ本体4と長辺壁部55との間に介設されて付勢ゴム62も圧縮変形しており、付勢ゴム62と予圧ゴム64,64とで、アクチュエータ本体4に対して屈曲振動の振動方向へ圧縮力を予め付与している。
このように構成された超音波アクチュエータ202は、駆動子7,7がステージ11へ押圧されるように配設される。すなわち、付勢ゴム62をさらに圧縮変形させて、超音波アクチュエータ202を配設している。つまり、付勢ゴム62は、アクチュエータ本体4をステージ11側に付勢すると共に、予圧ゴム64,64と協働してアクチュエータ本体4に対して屈曲振動の振動方向へ圧縮力を予め付与している。
さらに、アクチュエータ本体4は、実施形態1と同様に、支持ゴム61,61によって縦振動の振動方向へも圧縮力を予め付与されている。
つまり、これら支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64が予圧手段を構成する。
ここで、付勢ゴム62はアクチュエータ本体4の長手方向中央部に位置する一方、予圧ゴム64,64はアクチュエータ本体4の長手方向中央部からそれぞれ両端部に向かって同じ距離だけ離れた部分に位置する。こうすることで、アクチュエータ本体4に対して屈曲振動の振動方向に作用する圧縮力は、アクチュエータ本体4の長手方向においてその中央部を中心に線対称に作用することになる。さらに、縦振動及び屈曲振動の対称性が維持するためには、アクチュエータ本体4の厚み方向においても対称となるように圧縮力を加えるのが好ましい。
尚、付勢ゴム62と予圧ゴム64,64によってアクチュエータ本体4に予め付与される圧縮力は、大きいほど信頼性の向上には効果を発揮するが、あまり大きすぎると、屈曲振動を妨げてしまうので、アクチュエータ本体4のステージ11への押圧力の1倍〜10倍程度を加えることが望ましい。押圧力は長さ数mm程度の超音波アクチュエータの場合、通常0.1N〜10N程度であるので、加える圧縮力によるアクチュエータ本体4全体にかかる力は、0.1N〜100N程度にすればよい。押圧力は、通常、アクチュエータ本体4の体積が増えれば、その体積に応じて増加させる。
また、本実施形態2では、図示は省略するが、前記第1電極42a,42b、第2電極43a,43b及び共通電極層44のそれぞれに導通する5つの外部電極をアクチュエータ本体4の側端面に設ける一方、ケース205における該5つの外部電極に対向する部分に5つのケース側電極を設けている。そして、予圧ゴム64,64を、支持ゴム61及び付勢ゴム62と同様に、絶縁層6aと導電層6bとを積層させた導電性ゴムで構成すると共に、アクチュエータ本体の5つの外部電極とケース205の5つのケース側電極とを支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64のそれぞれで電気的に導通させるようにしている。また、これら5のケース側電極は、ケース205の外側表面に設けられた5つの端子電極とそれぞれ電気的に導通しており、これら端子電極に給電することによって、アクチュエータ本体4に設けられた第1電極42a,42b、第2電極43a,43b及び共通電極層44のそれぞれに電圧を印加することができる。
ここで、支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64は、その積層方向がアクチュエータ本体4の縦振動の振動方向及び屈曲振動の振動方向を含む面に対して直交する方向を向くように配設している。こうすることで、支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64それぞれにおいてアクチュエータ本体4の振動に伴って圧縮率が変化しても、圧縮率の変化、即ち、伝導率の変化を各導電層6b内において吸収できるため、或る一つの導電層6bが全体として圧縮率が低下して発熱してしまうことを防止することができる。
したがって、本実施形態2によれば、支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64によりアクチュエータ本体4の振動の腹に予め圧縮力を加えることによって、アクチュエータ本体4の振動に伴う引張応力によるひずみがアクチュエータ本体4、詳しくは、圧電体層41,41,…の弾性限界を超えにくくなり、アクチュエータ本体4の破損を防止することができる。その結果、超音波アクチュエータ202の信頼性を向上させることができる。
また、アクチュエータ本体4を弾性体である支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64によってケース205に対して支持することによって、アクチュエータ本体4の振動を阻害することなく支持することができる。その結果、超音波アクチュエータ202の効率を向上させることができる。
さらに、該支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64を導電性ゴムで構成すると共に、該支持ゴム61,61によりアクチュエータ本体4の外部電極とケース205の電極とを電気的に導通させることによって、はんだを設けたアクチュエータ本体4の部位に応力が集中してアクチュエータ本体4が割れる虞をなくすことができる。
そして、このように支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64によりアクチュエータ本体4に予め圧縮力を付与すると共に、該支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64によりアクチュエータ本体4とケース205との間の電気的導通を実現させる構成において、支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64をその積層方向がアクチュエータ本体4の縦振動の振動方向及び屈曲振動の振動方向を含む平面に対して直交する方向を向くように配設することによって、支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64においてアクチュエータ本体4の振動に伴って圧縮率が変化しても、支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64が変質してアクチュエータ本体4とケース205との間で導通不良が生じることを防止することができ、アクチュエータ本体4とケース205との間の電気的導通を維持することができる。
その他、実施形態1と同様の作用・効果を奏することができる。
尚、付勢ゴム62を、アクチュエータ本体4の長手方向中央部に配置したが、予圧ゴム64,64と同じく、アクチュエータ本体4の長手方向両端部の屈曲振動の腹の位置に配置してもよい。
また、本実施形態2の別の効果として、超音波アクチュエータ202の動作特性を安定化させることができるという効果を有する。
詳しく説明すると、超音波アクチュエータ202は、アクチュエータ本体4に縦振動と屈曲振動とを調和的に誘起させることで駆動子7,7に楕円運動を発生させるが、超音波アクチュエータ202の特性は、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数との相対関係により大きく異なり、屈曲振動の共振周波数と縦振動の共振周波数との相対関係が設計値からずれると特性が大きく変わってしまう。
本実施形態のように超音波アクチュエータ202をステージ11に押圧する構成においては、特に屈曲振動は、その振動方向が超音波アクチュエータ2をステージ11に押圧する方向と同一になるので、超音波アクチュエータ2にかかる実際の押圧力の反力が駆動子7,7を介してアクチュエータ本体4に作用して共振周波数が変化しやすい。外部から加える超音波アクチュエータ202への押圧力を一定にした場合においても、超音波アクチュエータ202によってステージ11を駆動する際に、ステージ11の位置が変化したり、各駆動子7とステージ11との接触状態が変化したりするため、超音波アクチュエータ202に実質的にかかる押圧力が変化し、即ち、アクチュエータ本体4に作用する反力が変化し、屈曲振動の共振周波数が変化する。その結果、縦振動と屈曲振動との共振周波数の相対関係が変化し、超音波アクチュエータ202の特性が不安定になる課題が従来あった。
そこで、本発明の超音波アクチュエータ202では、特に屈曲振動の腹の部分にあらかじめ圧縮力を付与している。このように、アクチュエータ本体4に予め圧縮力を作用させておくことによって、予め圧縮力を作用させていない構成と比較して、ステージ11からの反力の変化がアクチュエータ本体4の屈曲振動の共振周波数に与える影響が小さくなり、安定した超音波アクチュエータ202の特性が得られる。従って、予め加えられる圧縮力によるアクチュエータ本体4全体にかかる力は、超音波アクチュエータ202の押圧力より大きいことが望ましい。こうすることによって、アクチュエータ本体4に作用する反力による該アクチュエータ本体4の共振周波数への影響を相対的に小さくすることができる。
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、前記実施形態においては、支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64をその積層方向がアクチュエータ本体4の縦振動の振動方向及び屈曲振動の振動方向を含む平面に対して直交する方向を向くように配設しているが、これに限られるものではない。具体的には、支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64はその積層方向がアクチュエータ本体4の縦振動の振動方向及び屈曲振動の振動方向を含む平面と平行とならないように配設されればよく、換言すれば、その積層方向がアクチュエータ本体4の縦振動の振動方向及び屈曲振動の振動方向を含む平面と交差する方向を向くように配設されていればよい。つまり、支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64をその積層方向がアクチュエータ本体4の縦振動の振動方向及び屈曲振動の振動方向を含む平面と交差する方向を向くように配設することによって、アクチュエータ本体4の振動に伴って支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64の圧縮率が変化する方向への各導電層6bの端面(接触面)の寸法が、支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64がその積層方向がアクチュエータ本体4の縦振動の振動方向及び屈曲振動の振動方向を含む平面と平行となるように配設される場合と比べて大きくなるため、各導電層6b内で圧縮率、即ち、導電率の変化を吸収し易くなり、支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64が変質することを抑制することができる。ただし、前記実施形態の如く、支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64をその積層方向がアクチュエータ本体4の縦振動の振動方向及び屈曲振動の振動方向を含む平面と直交する方向を向くように配設することによって、各導電層6bの端面の長手方向がアクチュエータ本体4の振動に伴って支持ゴム61,61、付勢ゴム62及び予圧ゴム64,64の圧縮率が変化する方向と一致するため、圧縮率、即ち、導電率の変化を各導電層6b内でより吸収し易くなり、好ましい。
また、アクチュエータ本体4に圧縮力を加える部分は、振動の腹の部分のみで説明したが、一部の弾性体は腹の部分を含む広い範囲を支持して圧縮力を加えてもよい。
また、超音波アクチュエータ2を、アクチュエータ本体4に長手方向への縦振動の1次モードと屈曲振動の2次モードとを調和的に発生させるように構成したが、これに限られるものではない。これ以外の振動又はモードを発生させるものであってもよく、アクチュエータ本体4を振動させて駆動子7,7とステージ11との間の摩擦力を介して駆動力を出力する振動型アクチュエータであれば任意の構成を採用することができる。
さらに、図14に示すように、アクチュエータ本体4の一方の短辺側面40b(この面が設置面に相当する)に駆動子7が設けられた超音波アクチュエータ302を採用してもよい。かかる構成であっても、アクチュエータ本体4が長手方向への縦振動の1次モードと屈曲振動の2次モードとの合成振動を行うことによって駆動子7が周回運動を行い、ステージとの間の摩擦力を介して、該ステージを所定の可動方向(短手方向と平行な方向)へ移動させることができる。
さらにまた、アクチュエータ本体4は圧電素子ユニット40で構成されているが、金属などの基板に圧電素子を貼り付けた構成や、金属などで共振器を形成し、圧電素子を挟み込んだ構成であってもよい。この場合、圧電素子を含んで構成された共振器がアクチュエータ本体を構成する。
さらに、前記実施形態では、超音波アクチュエータ2を基台に固定すると共に、駆動子7,7を移動可能なステージ11に当接させて、該超音波アクチュエータ2を作動させることで該ステージ11を駆動させているが、図15に示すように、超音波アクチュエータ2をステージに固定する構成としてもよい。詳しくは、駆動装置401は、互いに平行な状態で基台に固定されたガイド13,13と、該ガイド13,13に摺動自在に取り付けられたステージ14と、超音波アクチュエータ2とを備えている。該ガイド13,13のうちの一方のガイド13には、該ガイド13に固定された当接部材13aが設けられている。一方、ステージ14には、アクチュエータ取付部14aが設けられている。そして、超音波アクチュエータ2は、駆動子7,7が該ガイド13の当接部材13aに当接する状態で、該ステージ14のアクチュエータ取付部14aにケース5が取り付けられている。この状態で、超音波アクチュエータ2を作動させると、駆動子7,7は当接部材13aに対して駆動力を出力するが、該当接部材13aは固定されているため、超音波アクチュエータ2自体が当接部材13aに対して相対的にガイド13,13の長手方向に振動する。その結果、アクチュエータ取付部14aを介してケース5と連結されたステージ14がガイド13,13の長手方向に駆動される。ここで、当接部材13aは、前記超音波アクチュエータ2が発生する駆動力を受け、前記超音波アクチュエータ2に対して相対的に移動可能に構成された相対可動体を構成する。
また、前記実施形態では、超音波アクチュエータの駆動力が付与されて駆動されるステージ11は平板状であるが、これに限られるものではなく、可動体の構成としては任意の構成を採用することができる。例えば、図16に示すように、可動体は所定の軸X回りに回動可能な円板体15であり、超音波アクチュエータの駆動子7,7が該円板体15の側周面15aに当接するように構成された駆動装置501を採用してもよい。かかる構成の場合、超音波アクチュエータを駆動すると、駆動子7,7の概略楕円運動によって、該円板体15が所定の軸X回りに回動させられる。また、図17に示すように、可動体は所定の軸X回りに回動可能な円板体16であり、超音波アクチュエータの駆動子7,7が該円板体16の平面部16aに当接するように構成された駆動装置601を採用してもよい。かかる構成の場合、超音波アクチュエータを駆動すると、駆動子7,7の概略楕円運動によって、該円板体16が駆動子7,7と当接部における接線方向に駆動され、結果として該円板体16が所定の軸X回りに回動させられる。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、圧電素子を有する振動型アクチュエータ及びそれを備えた駆動装置について有用である。
本発明の実施形態1に係る超音波アクチュエータの分解斜視図である。 超音波アクチュエータの斜視図である。 駆動装置の斜視図である。 圧電素子ユニットの分解斜視図である。 アクチュエータ本体の概略構成を示す概略正面図である。 アクチュエータ本体の長手方向への縦振動の1次モードによる変位を示す概念図である。 アクチュエータ本体の屈曲振動の2次モードによる変位を示す概念図である。 アクチュエータ本体の動作を示す概念図である。 超音波アクチュエータの断面図である。 支持ゴム及び付勢ゴムの断面図である。 超音波アクチュエータによるステージの駆動を説明するための概念図であって、(a)は駆動前の状態、(b)はアクチュエータ本体が長手方向に伸張することで一方の駆動子によってステージを駆動する状態、(c)はアクチュエータ本体が長手方向に収縮することで他方の駆動子によってステージを駆動する状態を示す。 支持ゴム及び付勢ゴムをその積層方向がアクチュエータ本体の縦振動の振動方向及び屈曲振動の振動方向を含む平面と平行な方向を向くように配設した場合の超音波アクチュエータの作動状態を示す概略図である。 実施形態2に係る超音波アクチュエータの断面図である。 その他の実施形態に係る超音波アクチュエータの斜視図である。 その他の実施形態に係る駆動装置の斜視図である。 別のその他の実施形態に係る駆動装置の斜視図である。 さらに別のその他の実施形態に係る駆動装置の斜視図である。
符号の説明
1,401,501,601 駆動装置
11 ステージ(可動体)
2,202,302 超音波アクチュエータ(振動型アクチュエータ)
4 アクチュエータ本体
46,47,48 外部電極(本体側給電電極)
5,205 ケース(基礎部)
56,57,58 電極(基礎側給電電極)
61 支持ゴム(予圧手段)
61a 絶縁層(絶縁部)
61b 導電層(導電層)
62 付勢ゴム(予圧手段)
64 予圧ゴム(予圧手段)

Claims (10)

  1. 圧電素子と該圧電素子に電圧を印加するための本体側給電電極とを有し、振動方向が互いに異なる複数の振動を行うことで駆動力を出力するアクチュエータ本体と、
    前記アクチュエータ本体を収容すると共に、該アクチュエータ本体に給電するための基礎側給電電極が設けられた基礎部と、
    絶縁部と導電部とが積層された導電性ゴムで構成され、前記本体側給電電極と前記基礎側給電電極とを導通させると共に該アクチュエータ本体の振動の非ノード部において該アクチュエータ本体に該振動の振動方向へ圧縮力を予め付与した状態で前記基礎部と前記アクチュエータ本体との間に配設された予圧手段とを備え、
    前記予圧手段は、導電性ゴムの積層方向が前記アクチュエータ本体の複数の振動方向を含む平面に交差する方向を向いている振動型アクチュエータ。
  2. 前記予圧手段は、導電性ゴムの積層方向が前記アクチュエータ本体の複数の振動方向と直交する方向を向いている請求項1に記載の振動型アクチュエータ。
  3. 前記予圧手段は、前記アクチュエータ本体における前記振動の腹の位置に設けられている請求項1に記載の振動型アクチュエータ。
  4. 前記予圧手段は、前記アクチュエータ本体の中心を挟んで両側から該アクチュエータ本体に圧縮力を付与する請求項1に記載の振動型アクチュエータ。
  5. 前記アクチュエータ本体は、2次モードの屈曲振動と1次モードの縦振動とを行う請求項1に記載の振動型アクチュエータ。
  6. 前記アクチュエータ本体は、振動方向が互いに異なる第1の振動と第2の振動とを行うと共に、前記予圧手段の圧縮力によって該第1の振動の共振周波数と該第2の振動の共振周波数とが一致するように構成されている請求項1に記載の振動型アクチュエータ。
  7. 前記アクチュエータ本体は、振動方向が互いに異なる第1の振動と第2の振動とを行うと共に、前記予圧手段の圧縮力によって該第2の振動の共振周波数が該第1の振動の共振周波数よりも高くなるように構成されている請求項1に記載の振動型アクチュエータ。
  8. 請求項1乃至7の何れか1つに記載の振動型アクチュエータと、
    前記振動型アクチュエータに対して相対的に移動可能に構成された相対可動体と、
    前記相対可動体に前記振動型アクチュエータを付勢する付勢手段とを備える駆動装置。
  9. 前記付勢手段は、絶縁部と導電部とが積層された導電性ゴムで構成され、
    前記導電性ゴムの積層方向が前記アクチュエータ本体の複数の振動方向を含む平面に交差する方向を向いている請求項8に記載の駆動装置。
  10. 前記付勢手段は、導電性ゴムの積層方向が前記アクチュエータ本体の複数の振動方向と直交する方向を向いている請求項9に記載の駆動装置。
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