JP4975497B2 - 紫外線硬化発泡体とその製造方法 - Google Patents

紫外線硬化発泡体とその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4975497B2
JP4975497B2 JP2007080711A JP2007080711A JP4975497B2 JP 4975497 B2 JP4975497 B2 JP 4975497B2 JP 2007080711 A JP2007080711 A JP 2007080711A JP 2007080711 A JP2007080711 A JP 2007080711A JP 4975497 B2 JP4975497 B2 JP 4975497B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultraviolet curable
ultraviolet
foam
plastic film
diluent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007080711A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008239730A (ja
Inventor
伸征 牧原
智隆 原
稔 生方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Inoac Corp
Inoac Technical Center Co Ltd
Original Assignee
Inoac Corp
Inoac Technical Center Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Inoac Corp, Inoac Technical Center Co Ltd filed Critical Inoac Corp
Priority to JP2007080711A priority Critical patent/JP4975497B2/ja
Publication of JP2008239730A publication Critical patent/JP2008239730A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4975497B2 publication Critical patent/JP4975497B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Description

この発明は、家具や情報機器等の足ゴムなどの衝撃緩衝材や柔軟性と強度が要求される用途に好適な紫外線硬化発泡体に関する。
従来、精密機器等を机や床等に安定に設置するために、精密機器等には足ゴムが取り付けられることがある。足ゴムとしては、ポリウレタンフォームが使用されている。しかし、ポリウレタンフォームは製造時における発泡硬化の完了までに比較的長い時間がかかる問題がある。
一方、製造時の硬化時間を短縮できる発泡体として、紫外線硬化発泡体がある。紫外線硬化発泡体は、オリゴマー、希釈剤、紫外線重合開始剤、整泡剤を含む紫外線硬化性樹脂原料を機械的に発泡させて紫外線で硬化させた発泡体である。なお、機械的発泡は、化合物の分解等によって発泡ガスを生じる発泡剤による発泡ではなく、ミキサー等を用いる攪拌等により起泡させる方法である。
ところで、足ゴム等の衝撃緩衝材には、柔軟性と強度が要求されるが、従来の紫外線硬化発泡体は、衝撃緩衝材に要求される柔軟性と強度の両方を満たすのが困難であった。すなわち、紫外線硬化発泡体では、強度を高めるために希釈材として2官能のモノマーが用いられているが、架橋密度が高くなって、柔軟性に欠け、特に伸びに劣るものとなっていた。また、従来の紫外線硬化発泡体が柔軟性に欠け、伸びに劣る結果、紫外線硬化発泡体を長尺のシート状に製造する時の取り扱い性が悪く、例えば連続製造時に紫外線硬化発泡体を巻物とする場合、容易に紫外線硬化発泡体が破断する問題がある。
さらに、紫外線硬化発泡体の製造には、機械的に発泡(起泡)させた紫外線硬化性樹脂原料をプラスチックフィルム上に塗布し、プラスチックフィルム上の紫外線硬化性樹脂原料に紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂原料を硬化させ、その後に紫外線硬化発泡体をプラスチックフィルムから剥がす方法がある。また、連続的に供給されるプラスチックフィルム上に発泡(起泡)後の紫外線硬化性樹脂原料を連続的に塗布し、紫外線を照射して硬化させる方法もある。
しかし、プラスチックフィルム上に塗布された紫外線硬化性樹脂原料は、空気中の酸素と接触した状態で紫外線が照射されて硬化するため、紫外線硬化性樹脂原料の表面が酸素による重合阻害(いわゆる酸素阻害)により硬化性が悪く、得られる発泡体が表面粘着性を有するべたつくものとなり、製品として扱い難い問題もある。
特開平6−287376号公報 特開平7−258978号公報 特開昭61−137711号公報 特開平3−54230号公報 特開平9−174733号公報
この発明は前記の点に鑑みなされたものであって、柔軟性が良く強度が高い紫外線硬化発泡体と、その紫外線硬化発泡体をべたつきなく製造することのできる製造方法を提供するものである。
請求項1の発明は、オリゴマー、希釈剤、紫外線重合開始剤、整泡剤を含む紫外線硬化性樹脂原料を機械的に発泡させて紫外線で硬化させた紫外線硬化発泡体において、前記オリゴマーは、官能基数2、分子量8,000〜40,000のポリウレタンメタクリレートであり、前記希釈剤がアクリルアミド基を持つ単官能モノマーからなり、前記希釈剤の量が前記オリゴマーと前記希釈剤の合計100重量部に対し20〜40重量部であることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、紫外線硬化発泡体が密度400〜700kg/m、伸び100〜200%、引張強度1.0〜2.0MPaであることを特徴とする。
請求項3の発明は、官能基数2、分子量8,000〜40,000のポリウレタンメタクリレートからなるオリゴマー、アクリルアミド基を持つ単官能モノマーからなる希釈剤、紫外線重合開始剤、整泡剤を含み、前記希釈剤の量が前記オリゴマーと前記希釈剤の合計100重量部に対し20〜40重量部である紫外線硬化性樹脂原料を機械的に発泡させ、前記発泡させた紫外線硬化性樹脂原料を、少なくとも一方が紫外線透過性を有する2つのプラスチックフィルムの何れか一方のプラスチックフィルムに塗布し、前記紫外線硬化性樹脂原料の表面に他方のプラスチックフィルムを積層し、前記紫外線透過性のプラスチックフィルムを介して紫外線を照射することにより前記紫外線硬化性樹脂原料を硬化させて紫外線硬化発泡体とし、その後、前記2つのプラスチックフィルムを前記紫外線硬化発泡体から剥がすことを特徴とする紫外線硬化発泡体の製造方法に係る。
本発明の紫外線硬化発泡体によれば、オリゴマー、希釈剤、紫外線重合開始剤、整泡剤を含む紫外線硬化性樹脂原料を機械的に発泡させて紫外線で硬化させた紫外線硬化発泡体において、希釈剤がアクリルアミド基を持つ単官能モノマーからなることにより、柔軟性が良く、強度も高く、衝撃緩衝材として好適な発泡体にすることができる。
また、本発明の紫外線硬化発泡体の製造方法によれば、オリゴマー、アクリルアミド基を持つ単官能モノマーからなる希釈剤、紫外線重合開始剤、整泡剤を含む紫外線硬化性樹脂原料を機械的に発泡させて、少なくとも一方が紫外線透過性を有する2つのプラスチックフィルム間に挟み、紫外線透過性のプラスチックフィルムを介して紫外線を照射することにより紫外線硬化性樹脂原料を硬化させて紫外線硬化発泡体とし、その後、2つのプラスチックフィルムを前記紫外線硬化発泡体から剥がすことにより紫外線硬化発泡体を製造するため、紫外線による硬化時に紫外線硬化性樹脂原料の表面が酸素と接触するのを避けることができ、紫外線硬化性樹脂原料の表面が酸素による重合阻害(いわゆる酸素阻害)により硬化性が悪くなって粘着性を有するべたつくものになるのを防ぐことができる。しかも希釈剤がアクリルアミド基を持つ単官能モノマーからなることにより、柔軟性が良く強度の高い紫外線硬化発泡体を得ることができる。さらに、発泡後の紫外線硬化性樹脂原料は両面がプラスチックフィルムで覆われた状態で硬化するため、得られる紫外線硬化発泡体は両面で収縮率に差を生じ難く、品質が安定する。
以下この発明の実施形態を詳細に説明する。本発明の紫外線硬化発泡体は、オリゴマー、希釈剤、紫外線重合開始剤、整泡剤を含む紫外線硬化性樹脂原料を機械的に発泡させて紫外線で硬化させたものである。
オリゴマーは、末端にメタクリレート基を持ち、直鎖部分がポリウレタンからなる官能基数2のポリウレタンメタクリレートが用いられる。オリゴマーの分子量は8,000〜40,000が好ましい。このような高分子量のオリゴマーを用いることで紫外線硬化発泡体の伸びが良くなる。前記オリゴマーの製造は、公知のプレポリマー製造方法と同様の方法により行うことができる。なお、市販のオリゴマーを使用することもできる。
希釈剤は、アクリルアミド基[CH=CHCON]を持つ単官能モノマーが用いられる。反応性の高いアクリルアミド基を持つ単官能モノマーを用いることにより、紫外線硬化発泡体の柔軟性が良くなり、強度を高くすることができる。なお、反応性の低いアクリレートモノマーを用いた場合には、紫外線硬化発泡体中に未反応部分が残り、紫外線硬化発泡体の強度低下を引き起こすことになる。アクリルアミド基を持つ単官能モノマーからなる希釈剤の量は、オリゴマーと希釈剤の合計100重量部中に20〜40重量部含まれるのが好ましい。20重量部より少なくなると強度が低下し、一方、40重量部より多くなると柔軟性が悪くなるため、強度を高く、かつ柔軟性を良好にするには、20〜40重量部の範囲が好ましい。
紫外線重合開始剤は、オリゴマーの重合反応を開始させるものであり、紫外線によりフリーラジカルを生成する。紫外線重合開始剤としては、ヒドロキシアセトフェノン系、アミノアセトフェノン系、アシルアセトフェノン系、オキシムアセトフェノン系等を用いることもできる。
整泡剤は、機械的な発泡時に気泡の安定化、気泡の微細化等を行うものであり、界面活性剤を挙げることができる。
その他、適宜の着色剤等が紫外線硬化性樹脂原料に含まれる。着色剤は、前記紫外線硬化発泡体に求められる色のものが用いられる。例えば、紫外線硬化発泡体を白色とする場合には白色の着色剤が用いられる。
本発明の紫外線硬化発泡体は、密度(JIS K 7222:1999準拠)400〜700kg/m、伸び(JIS K 6400準拠)100〜200%、引張強度(JIS K 6400準拠)1.0〜2.0MPaが好ましい。この範囲の密度、伸びおよび引張強度とすることにより、足ゴム等の衝撃緩衝材として好適な紫外線硬化発泡体とすることができる。なお、伸びの値は紫外線硬化発泡体の柔軟性、引張強度の値は紫外線硬化発泡体の強度を示す物性値である。
図1に前記紫外線硬化発泡体のための製造装置10を示す。製造装置10は、下側プラスチックフィルムの供給・巻き取り手段と、紫外線硬化性樹脂原料の機械発泡・塗布手段と、上側プラスチックフィルムの供給・巻き取り手段と、紫外線照射手段と、紫外線硬化発泡体の巻き取り手段とよりなる。
下側プラスチックフィルムの供給・巻き取り手段は、下側プラスチックフィルム11が巻かれた下側プラスチックフィルム供給ロール13から下側プラスチックフィルム11を巻き戻して上方へ供給し、供給側下側ロール14で略水平方向へ向きを変えて所定距離供給した後に巻き取り側下側ロール15で下方へ向きを変え、後述の紫外線硬化発泡体Aの下面から剥がして下側プラスチックフィルム巻き取りロール16で巻き取るように構成されている。
紫外線硬化性樹脂原料の機械発泡・塗布手段は、前記供給側下側ロール14付近において、略水平方向に供給される前記下側プラスチックフィルム11の上面に発泡(起泡)後の紫外線硬化性樹脂原料Pを吐出する機械発泡装置21で構成される。前記機械発泡装置21は、外部から供給される不活性ガスを紫外線硬化性樹脂原料に混合攪拌して紫外線硬化性樹脂原料を発泡(起泡)させるオークスミキサー、ホバートミキサー等の各種ミキサーを備え、発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pを、略水平方向に供給されている下側プラスチックフィルム11の上面に吐出可能となっている。なお、機械発泡装置21としては、攪拌によって紫外線硬化性樹脂原料にガスを巻き込んで紫外線硬化性樹脂原料を発泡(起泡)させることができ、かつ発泡(起泡)状態で吐出可能なものであれば、制限なく使用することができる。不活性ガスは、常温常圧で気体状態のものであって、紫外線硬化性樹脂を劣化させないものであれば、特に限定されない。例えば、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム等の無機ガスや、フロンガス、低分子量の炭化水素等の有機ガスが挙げられる。不活性ガスの供給量は適宜決定されるが、窒素ガスの場合の供給量は1〜10L/minが好ましい。
上側プラスチックフィルムの供給・巻き取り手段は、上側プラスチックフィルム31の巻かれた上側プラスチックフィルム供給ロール33と、ナイフコーター34と、巻き取り側上側ロール35と、上側プラスチックフィルム巻き取りロール36とで構成される。
前記上側プラスチックフィルム供給ロール33は、前記下側プラスチックフィルムの供給・巻き取り手段の上方に設けられている。前記上側プラスチックフィルム供給ロール33から巻き戻された上側プラスチックフィルム31は、略水平方向へ供給されている前記下側プラスチックフィルム11の近くまで供給され、発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pの上面に積層される。
前記ナイフコーター34は、前記発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pの上面に積層された上側プラスチックフィルム31の上面に下端が接触し、前記上側プラスチックフィルム31の向きを略水平方向に変えると共に、前記下側プラスチックフィルム11と上側プラスチックフィルム31間における前記発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pの厚みを調整する。前記ナイフコーター34の下端は、前記下側プラスチックフィルム11との間隔が、目的とする紫外線硬化発泡体Aの厚みと略等しくされる。正確には、紫外線硬化発泡体Aの厚み上側プラスチックフィルム31の厚みを加算した値と略等しくされる。前記発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pの厚みは、適宜の値とされるが、0.1〜3.0mmが好ましい。この範囲とすることで、後述の紫外線照射時に紫外線が前記発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pの一側から反対側まで透過し、均一な気泡分布の紫外線硬化発泡体Aを得やすくなる。すなわち、前記厚みが0.1mm未満の場合、酸素阻害性による影響が大きくなり、十分に硬化した発泡体が得られなくなる。一方、3.0mmを超えると紫外線の透過性が悪く、発泡体内部まで十分に硬化しなくなる。
前記巻き取り側上側ロール35は、前記供給側下側ロール14の上方に設けられ、前記上側プラスチックフィルム31の向きを上方に変えて紫外線硬化発泡体Aの上面から剥がすようにされている。
前記上側プラスチックフィルム巻き取りロール36は、前記巻き取り側上側ロール35によって上方へ向きが変えられた上側プラスチックフィルム31を巻き取る。
前記下側プラスチックフィルム11および前記上側プラスチックフィルム31は前記巻き取られた後、繰り返し使用することが可能である。また、前記下側プラスチックフィルム11および前記上側プラスチックフィルム31の少なくとも一方は紫外線透過性のものとされ、より好ましくは両方共、紫外線透過性とされる。本実施例では、前記下側プラスチックフィルム11および前記上側プラスチックフィルム31の両方共、紫外線透過性とされている。前記下側プラスチックフィルム11および上側プラスチックフィルム31は、外気を遮断し、前記紫外線硬化性樹脂に対して剥離可能なものが好ましい。
前記紫外線透過性のプラスチックフィルムは、紫外線を透過可能なものであれば特に限定されない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ビニルポリイソプレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂からなる透明プラスチックフィルムを用いることができる。さらに、紫外線を透過可能なもの、すなわち透明であれば、これらの樹脂の混合物からなるプラスチックフィルム、あるいはこれらの樹脂の積層フィルムであってもよい。前記下側プラスチックフィルム11および上側プラスチックフィルム31の厚みは25〜100μm程度が好ましい。
紫外線照射手段41は、紫外線を照射可能な紫外線ランプ等を備えるもので構成され、前記ナイフコーター34と前記巻き取り側上側ロール35間に設けられて前記下側プラスチックフィルム11および上側プラスチックフィルム31のうち、少なくとも紫外線透過性フィルム側に紫外線を照射可能に構成されている。本実施例では上側プラスチックフィルム31側に紫外線を照射可能とされている。
紫外線硬化発泡体の巻き取り手段は、前記下側プラスチックフィルム11の略水平供給方向前方(進行方向側)において、前記巻き取り側下側ロール15および前記巻き取り側上側ロール35よりも前方位置に設けられた発泡体向き変更用ロール42と、前記発泡体向き変更用ロール42により上方へ向きを変えた紫外線硬化発泡体Aを巻き取る紫外線硬化発泡体巻き取りロール43とで構成されている。
前記製造装置10を用いる紫外線硬化発泡体の製造について説明する。まず、前記下側プラスチックフィルム供給ロール13から下側プラスチックフィルム11を前記機械発泡装置21へ向けて供給し、前記機械発泡装置21から発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pを、前記下側プラスチックフィルム11の上面に吐出、塗布する。本実施例では、前記下側プラスチックフィルム11は紫外線透過可能な透明なものからなる。紫外線硬化性樹脂原料は前記の構成からなる。
前記下側プラスチックフィルム11の上面に塗布された発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pの上面に、前記上側プラスチックフィルム供給ロール33から上側プラスチックフィルム31を供給して積層すると共に、前記ナイフコーター34の下端を前記上側プラスチックフィルム31の上面に接触させて前記上側プラスチックフィルム31と下側プラスチックフィルム11間で紫外線硬化性樹脂原料Pの厚みを所定厚みにする。本実施例では前記上側プラスチックフィルム31は紫外線透過可能な透明なものからなる。
次に、前記発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pは、前記下側プラスチックフィルム11と上側プラスチックフィルム31で両面が挟まれた状態で前記紫外線照射手段41へ移動し、前記紫外線照射手段41によって紫外線が照射される。本実施例では、紫外線が透過可能な透明な上側プラスチックフィルム31の上方から前記発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pに紫外線が照射される。前記紫外線の照射によって前記発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pが硬化し、紫外線硬化発泡体Aになる。その際、前記発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pは、前記下側プラスチックフィルム11と上側プラスチックフィルムで両面が覆われ、酸素との接触が防止されているため、酸素による重合阻害(いわゆる酸素阻害)により硬化性が悪くなって紫外線硬化発泡体Aの表面が粘着性のべたついたものになるのを防ぐことができる。
前記紫外線の照射により紫外線硬化発泡体Aとした後、前記下側プラスチックフィルム11を前記下側プラスチックフィルム巻き取りロール16で巻き取って前記紫外線硬化発泡体Aの下面から剥がすと共に、前記上側プラスチックフィルム31を前記上側プラスチックフィルム巻き取りロール36で巻き取って前記紫外線硬化発泡体Aの上面から剥がし、前記紫外線硬化発泡体Aを紫外線硬化発泡体巻き取りロール43で巻き取る。これによって、前記紫外線硬化発泡体Aが連続的に製造される。前記紫外線硬化発泡体巻き取りロール43に巻き取られた前記紫外線硬化発泡体Aは、その後、用途に応じた寸法に裁断されて使用される。なお、前記下側プラスチックフィルム巻き取りロール16に巻き取られた下側プラスチックフィルム11、および前記上側プラスチックフィルム巻き取りロール36に巻き取られた上側プラスチックフィルム31は繰り返し使用可能である。
以下、具体的な実施例および比較例について示す。図1に示した製造装置10を用い、表1に示す配合の紫外線硬化性樹脂原料に窒素ガスを5L/minの供給量で吹き込みながら、オークスミキサー(機械発泡装置21)により攪拌して機械的に発泡させ、発泡後の紫外線硬化性樹脂原料を前記下側プラスチックフィルム11上に塗布し、前記のようにして実施例および比較例の紫外線硬化発泡体(厚み略1mm)を製造した。ミキサー回転数は400rpm、原料供給量は240g/minである。
Figure 0004975497
表1におけるオリゴマーはポリエーテルポリオールと脂肪族イソシアネートからなるポリウレタンメタクリレート、2官能、分子量10000、自社製である。希釈剤1はモルホリンアクリレート(化学構造は化1に示す)、1官能、分子量141、品名:ACMO、(株)興人製、希釈剤2はDMAA、[CH=CHCON(CH]、1官能、分子量99、(株)興人製、希釈剤3はラウリルアクリレート、[CH=CHCOO−(CH11−CH]、1官能、分子量240、新中村化学工業(株)製、希釈剤4はポリテトラメチレングリコール、[CH=COCO−(CO)−COCH=CH、2官能、分子量774、品名:PTMG65、新中村化学工業(株)製である。なお、希釈剤1と希釈剤2は本発明におけるアクリルアミド基を持つ単官能モノマーである。紫外線重合開始剤は2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、分子量164.2、品名:Darocur 1173、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、整泡剤は、ポリエーテル変性ポリシロキサン、品名:TEGOSTAB B8110、ゴールドシュミット社製である。
Figure 0004975497
なお、実施例1〜実施例3は希釈剤1(モルホリンアクリレート)の量を20〜40重量部の範囲で変化させた例、実施例4は希釈剤2(DMAA、[CH=CHCON(CH])を用いた例である。比較例1は希釈剤1(モルホリンアクリレート)の量を50重量部と過剰にした例、比較例2は希釈剤1(モルホリンアクリレート)の量を10重量部と過度に少なくした例、比較例3は希釈剤3(ラウリルアクリレート)を使用した例、比較例4は希釈剤4(ポリテトラメチレングリコール)を使用した例である。
また、前記下側プラスチックフィルム11および上側プラスチックフィルム31は、透明なポリエチレンテレフタレート、厚み100μm、前記紫外線照射手段41は、水銀ランプ(120w/cm)、積算量460mJ/cm(250nm)、前記下側プラスチックフィルム11および上側プラスチックフィルム31の供給速度(移動速度)は7m/分、前記ナイフコーター34と下側プラスチックフィルム11間の間隔は1.0mmである。
実施例および比較例の紫外線硬化発泡体について、密度(JIS K 7222:1999準拠、単位[kg/m])、引張強度(JIS K 6400準拠、単位[MPa])、伸び(JIS K 6400準拠、[%])を測定した。
また、実施例および比較例の紫外線硬化発泡体について表面の粘着性の原因となる粘着物の量をアセトン抽出方法により測定した。アセトン抽出方法では、前記実施例および比較例の紫外線硬化発泡体から100×100×0.5mmの試験片を裁断し、さらに試験片をそれぞれ粉砕し、その粉砕物から2g(W)を精秤し、これを円筒濾紙に入れてソックスレーアセトン抽出試験装置の抽出管にセットし、アセトン10ml中、2時間環流下で抽出を行った。抽出後、ソックスレーフラスコに抽出されたタール分を105℃で1時間乾燥処理し、乾燥後の重量(W)を精秤した。アセトン抽出量R(%)は、R=(W/W)×100、で計算される。なお、粘着物の量(アセトン抽出量)が多いと、紫外線硬化発泡体に表面粘着性(べたつき性)を生じるようになる。
密度、引張強度、伸び、アセトン抽出量の測定結果を表1の下部に示す。表1の測定結果から理解されるように、実施例1〜4は、引張強度が高く、伸びも良好であり、何れか一方の物性が劣ることもなかった。それに対し、比較例1〜4は引張強度および伸びの何れかが劣っており、両方とも良好なものは無かった。例えば、反応性の低いモノマーからなる希釈剤3を用いる比較例3では引張強度が低くなり、2官能モノマーからなる希釈剤4を用いる比較例4では伸びが悪くなる。また、希釈剤1(モルホリンアクリレート)の量を50重量部とする比較例1は伸びが悪くなり、一方、希釈剤1(モルホリンアクリレート)の量を10重量部とする比較例2は引張強度が低くなる。このことから、アクリルアミド基を持つ単官能モノマーからなる希釈剤の量は、オリゴマーと希釈剤の合計100重量部中20〜40重量部が好ましい。また、実施例および比較例の何れも、発泡後の紫外線硬化性樹脂原料は、上下がプラスチックフィルムで覆われ、酸素との接触が防止された状態で紫外線の照射が行われて硬化しているため、アセトン抽出量の測定結果が10%未満であり、表面粘着性(べたつき性)の無いものである。このように、実施例1〜4の紫外線硬化発泡体は、柔軟性が良く、強度が高く、べたつきのないものであった。
なお、前記実施例は、着色剤を添加していないものとしたが、紫外線硬化発泡体に求められる色に応じて着色剤が適宜添加される。着色剤の量は、適宜決定される。例えば、表1に示した実施例1〜4の配合において、白色の着色剤として物質名:酸化チタン、品番:UT white4973、山陽色素(株)製を、オリゴマーと希釈剤の合計100重量部に対して0.1〜5重量部添加する例を挙げる。
紫外線硬化発泡体を連続的に製造する製造装置の概略正面図である。
符号の説明
11,31 プラスチックフィルム
21 機械発泡装置
41 紫外線照射手段
A 紫外線硬化発泡体
P 機械的に発泡させた紫外線硬化性樹脂原料

Claims (3)

  1. オリゴマー、希釈剤、紫外線重合開始剤、整泡剤を含む紫外線硬化性樹脂原料を機械的に発泡させて紫外線で硬化させた紫外線硬化発泡体において、
    前記オリゴマーは、官能基数2、分子量8,000〜40,000のポリウレタンメタクリレートであり、
    前記希釈剤がアクリルアミド基を持つ単官能モノマーからなり、
    前記希釈剤の量が前記オリゴマーと前記希釈剤の合計100重量部に対し20〜40重量部であることを特徴とする紫外線硬化発泡体。
  2. 密度400〜700kg/m 、伸び100〜200%、引張強度1.0〜2.0MPaであることを特徴とする請求項1に記載の紫外線硬化発泡体。
  3. 官能基数2、分子量8,000〜40,000のポリウレタンメタクリレートからなるオリゴマー、アクリルアミド基を持つ単官能モノマーからなる希釈剤、紫外線重合開始剤、整泡剤を含み、前記希釈剤の量が前記オリゴマーと前記希釈剤の合計100重量部に対し20〜40重量部である紫外線硬化性樹脂原料を機械的に発泡させ、
    前記発泡させた紫外線硬化性樹脂原料を、少なくとも一方が紫外線透過性を有する2つのプラスチックフィルムの何れか一方のプラスチックフィルムに塗布し、
    前記紫外線硬化性樹脂原料の表面に他方のプラスチックフィルムを積層し、
    前記紫外線透過性のプラスチックフィルムを介して紫外線を照射することにより前記紫外線硬化性樹脂原料を硬化させて紫外線硬化発泡体とし、
    その後、前記2つのプラスチックフィルムを前記紫外線硬化発泡体から剥がすことを特徴とする紫外線硬化発泡体の製造方法。
JP2007080711A 2007-03-27 2007-03-27 紫外線硬化発泡体とその製造方法 Active JP4975497B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007080711A JP4975497B2 (ja) 2007-03-27 2007-03-27 紫外線硬化発泡体とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007080711A JP4975497B2 (ja) 2007-03-27 2007-03-27 紫外線硬化発泡体とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008239730A JP2008239730A (ja) 2008-10-09
JP4975497B2 true JP4975497B2 (ja) 2012-07-11

Family

ID=39911459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007080711A Active JP4975497B2 (ja) 2007-03-27 2007-03-27 紫外線硬化発泡体とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4975497B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5695955B2 (ja) * 2011-03-31 2015-04-08 太陽ホールディングス株式会社 白色硬化性樹脂組成物及びその樹脂組成物の硬化物、並びに当該硬化物を有する反射板
JP5948215B2 (ja) * 2012-10-23 2016-07-06 株式会社イノアック技術研究所 光硬化発泡体
JP6272672B2 (ja) * 2013-10-04 2018-01-31 株式会社カネカ ラジカル硬化性組成物およびその硬化物
PL3365385T3 (pl) * 2015-10-20 2020-06-29 Basf Se Układ i sposób wytwarzania pianki budowlanej

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4771078A (en) * 1985-11-12 1988-09-13 The Goodyear Tire & Rubber Company Method of producing a foam from a radiation-curable composition
JPH06192468A (ja) * 1992-12-25 1994-07-12 Three Bond Co Ltd 近赤外光硬化型発泡樹脂組成物とこれを用いたガスケット複合部材の製造方法
JP2003105043A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Toagosei Co Ltd 光硬化性組成物
JP4738882B2 (ja) * 2005-04-28 2011-08-03 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 連続気泡を有するシリコーンゴム発泡体用組成物及びシリコーンゴム発泡体
JP5042680B2 (ja) * 2007-03-27 2012-10-03 株式会社イノアックコーポレーション 紫外線硬化発泡シートとその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008239730A (ja) 2008-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101330443B1 (ko) 전사 시트 및 그의 제조 방법
KR102564083B1 (ko) 개시제 블렌드 및 그러한 개시제 블렌드를 함유하는 3차원 인쇄에 유용한 광경화성 조성물
CN105121513B (zh) 烯硫醇系固化性组合物及其固化物
JP4948805B2 (ja) 反射防止シート用の多孔質体の製造方法、反射防止シート用の多孔質体、反射防止膜、反射防止シートの製造方法及び反射防止シート
EP2436704A1 (en) Highly branched fluorinated polymer and resin composition containing same
JP5063079B2 (ja) 紫外線硬化発泡体
EP3216812A1 (en) Photocurable composition, cured product formed from photocurable composition, and method for manufacturing said cured product
JP4975497B2 (ja) 紫外線硬化発泡体とその製造方法
JPWO2012096111A1 (ja) ラジカル硬化性ホットメルトウレタン樹脂組成物、及び光学用成形体
KR20100132050A (ko) 하드코트 필름 및 수지 성형품
US20230073050A1 (en) Crosslinkable composition comprising a mono(meth)acrylate having a 1,3 dioxolane ring
KR20190088494A (ko) 다층 접착 물품
JP4095065B2 (ja) 光ファイバークラッディング用のuv硬化性樹脂組成物
WO2021198828A1 (en) Core-sheath filaments with a curable composition in the core
JP3115792B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、その製造方法、活性エネルギー線硬化型樹脂の成形硬化品
JP4912140B2 (ja) 紫外線硬化発泡体
JP5042680B2 (ja) 紫外線硬化発泡シートとその製造方法
JP2007314694A (ja) ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、ならびにそれを用いた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物およびコーティング剤
JP2009167315A (ja) 多孔質体の製造方法
JP2013072038A (ja) 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法
JP5241171B2 (ja) 紫外線硬化発泡シート
JP5090078B2 (ja) 紫外線硬化発泡シート
JP2008105213A (ja) 紫外線硬化発泡シートの製造方法
JP5005402B2 (ja) 紫外線硬化発泡体
WO2006030695A1 (ja) 多孔質体の製造方法、多孔質体、反射防止膜、反射防止シートの製造方法及び反射防止シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120410

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120411

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4975497

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150420

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250