JP5042680B2 - 紫外線硬化発泡シートとその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、シール材、制振材、衝撃緩衝材として好適な紫外線硬化発泡シートに関する。
従来、薄物の発泡シートは、例えば携帯電話やPDA用のシール材、制振材、衝撃吸収材等電気機器部材に多用されている。前記発泡シートの一つとして、紫外線硬化性樹脂原料を機械的に発泡させて紫外線で硬化させた紫外線硬化発泡シートがある。この紫外線硬化発泡シートは、他の発泡シートに比べて製造時の硬化時間を短縮できる利点がある。なお、機械的発泡は、化合物の分解等によって発泡ガスを生じる発泡剤による発泡ではなく、ミキサー等を用いる攪拌等により起泡させる方法である。
紫外線硬化発泡シートの製造は、図2の平面図に示すように、連続的に供給されるプラスチックフィルム71上に、機械発泡装置の吐出ノズル73から発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Gを吐出し、この吐出された紫外線硬化性樹脂原料Gの上面をナイフコーター75で擦って紫外線硬化性樹脂原料Gの塗布厚を調整し、その後紫外線を照射して硬化させることにより、紫外線硬化発泡シートFを連続的に製造する方法が採用されている。なお、前記プラスチックフィルム71の幅が広い場合、前記機械発泡装置の吐出ノズル73は、前記プラスチックフィルム71の進行方向とは直交するプラスチックフィルム71の幅方向へ往復移動しながら、発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Gを吐出し、プラスチックフィルム71上に発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Gをできるだけ広範囲にわたって塗布するようにしている。
しかしながら、従来にあっては、製造された紫外線硬化発泡シートFに縞模様F1が発生することがあった。縞模様F1の発生は次の理由によると推測される。すなわち、前記紫外線硬化性樹脂原料Gの吐出位置では、吐出された紫外線硬化性樹脂原料Gが自己の重みで気泡が潰れ易いため、他の部分、すなわちナイフコーター75で紫外線硬化性樹脂原料Gが広げられて塗布された部分と比べて発泡程度が低くなり、これによって縞模様が発生すると推測される。縞模様F1が発生した紫外線硬化発泡シートFでは、縞模様F1の部分で他の部分よりも発泡程度が低くなっているため、紫外線硬化発泡シートFの物性が均一にならない問題や、見た目が悪い問題がある。
なお、前記機械発泡装置の吐出ノズル73を前記プラスチックフィルム71の幅方向へ往復移動させる場合には、図示のような蛇行した縞模様となり、それに対して前記機械発泡装置の吐出ノズル73をプラスチックフィルム71の幅方向へ往復移動させず、吐出位置を固定する場合には、前記プラスチックフィルム71の進行方向と平行な直線的縞模様となる。
また、プラスチックフィルム71上に塗布された紫外線硬化性樹脂原料Gは、空気中の酸素と接触した状態で紫外線が照射されて硬化するため、紫外線硬化性樹脂原料Gの表面が酸素による重合阻害(いわゆる酸素阻害)により硬化性が悪く、得られる発泡シートが表面粘着性を有するべたつくものとなり、製品として扱い難い問題もある。
特開平7−258978号公報 特開昭61−137711号公報 特開平3−54230号公報 特開平9−174733号公報
この発明は前記の点に鑑みなされたものであって、縞模様が無く、美観が良好で物性の均一性を高めることができる紫外線硬化発泡シートと、その紫外線硬化発泡シートをべたつきなく製造することのできる製造方法を提供するものである。
請求項1の発明は、紫外線硬化性樹脂原料を機械的に発泡させて紫外線で硬化させた紫外線硬化発泡シートにおいて、紫外線硬化性樹脂原料がオリゴマー、希釈剤、紫外線重合開始剤、整泡剤およびフィラーを含み、前記オリゴマーは、官能基数2、分子量8,000〜40,000のウレタンアクリレートオリゴマーであり、前記希釈剤は、アクリルアミド基を持つ単官能モノマーからなり、前記フィラーの量は、前記オリゴマーと前記希釈剤の合計100重量部に対し5〜40重量部であることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記フィラーが粒径5〜100μmであることを特徴とする。
請求項3の発明は、官能基数2、分子量8,000〜40,000のウレタンアクリレートオリゴマー、アクリルアミド基を持つ単官能モノマーからなる希釈剤、紫外線重合開始剤、整泡剤およびフィラーを含み、前記フィラーの量が、前記ウレタンアクリレートオリゴマーと前記希釈剤の合計100重量部に対し5〜40重量部である紫外線硬化性樹脂原料を機械的に発泡させ、前記発泡させた紫外線硬化性樹脂原料を、少なくとも一方が紫外線透過性を有する2つのプラスチックフィルムの何れか一方のプラスチックフィルムに塗布し、前記紫外線硬化性樹脂原料の表面に他方のプラスチックフィルムを積層し、前記紫外線透過性のプラスチックフィルムを介して紫外線を照射することにより前記紫外線硬化性樹脂原料を硬化させて紫外線硬化発泡シートとし、その後、前記2つのプラスチックフィルムを前記紫外線硬化発泡シートから剥がすことを特徴とする。
本発明の紫外線硬化発泡シートによれば、紫外線硬化性樹脂原料にフィラーを含むため、紫外線硬化発泡シートの縞模様を無くすことができ、美観が良好で物性の均一性を高めることができる。
また、本発明の紫外線硬化発泡シートの製造方法によれば、オリゴマー、希釈剤、紫外線重合開始剤、整泡剤およびフィラーを含む紫外線硬化性樹脂原料を機械的に発泡(起泡)させ、前記発泡(起泡)させた紫外線硬化性樹脂原料を、少なくとも一方が紫外線透過性を有する2つのプラスチックフィルムの何れか一方のプラスチックフィルムに塗布し、前記紫外線硬化性樹脂原料の表面に他方のプラスチックフィルムを積層し、前記紫外線透過性のプラスチックフィルムを介して紫外線を照射することにより前記紫外線硬化性樹脂原料を硬化させて紫外線硬化発泡シートとし、その後、前記2つのプラスチックフィルムを前記紫外線硬化発泡シートから剥がすことにより紫外線硬化発泡シートを製造するため、紫外線による硬化時に紫外線硬化性樹脂原料の表面が酸素と接触するのを避けることができ、紫外線硬化性樹脂原料の表面が酸素による重合阻害(いわゆる酸素阻害)により硬化性が悪くなって粘着性を有するべたつくものになるのを防ぐことができる。しかも紫外線硬化性樹脂原料にフィラーが含まれることにより、縞模様が無く、美観が良好で物性の均一性が高い紫外線硬化発泡シートを得ることができる。さらに、発泡後の紫外線硬化性樹脂原料は両面がプラスチックフィルムで覆われた状態で硬化するため、得られる紫外線硬化発泡シートは両面で収縮率に差を生じ難く、品質が安定する。
以下この発明の実施形態を詳細に説明する。本発明の紫外線硬化発泡シートは、オリゴマー、希釈剤、紫外線重合開始剤、整泡剤およびフィラーを含む紫外線硬化性樹脂原料を機械的に発泡させて紫外線で硬化させたものである。
オリゴマーは、末端にアクリレート基を持ち、直鎖部分がポリウレタンからなる2官能のウレタンアクリレートオリゴマーが用いられる。オリゴマーの分子量は8,000〜40,000が好ましい。このような高分子量のオリゴマーを用いることで紫外線硬化発泡シートの伸びが良くなる。前記オリゴマーの製造は、公知のプレポリマー製造方法と同様の方法により行うことができる。例えばウレタンアクリレートオリゴマーの場合、脂肪族または脂環式イソシアネートと、ポリオールと、イソシアネート基を有するアクリル酸エステル系単量体から製造される。具体的には、所定温度(例えば80℃)に加熱したタンクに前記ポリオールを所定量投入し、窒素を充填した状態で攪拌しながら、イソシアネートとイソシアネート基を有するアクリル酸エステル系単量体とを所定量投入して反応させることにより行われる。なお、市販のオリゴマーを使用することもできる。

希釈剤は、単官能モノマーが用いられる。特に、アクリルアミド基を持つ単官能モノマーが好ましい。反応性の高いアクリルアミド基を持つ単官能モノマーを用いることにより、紫外線硬化発泡シートの柔軟性が良くなり、強度を高くすることができる。なお、反応性の低いアクリレートモノマーを用いた場合には、未反応部分が残り、紫外線硬化発泡シートの強度低下を引き起こすことになる。アクリルアミド基を持つ単官能モノマーからなる希釈剤の量は、オリゴマーと希釈剤の合計100重量部中に20〜40重量部含まれるのが好ましい。20重量部より少なくなると強度が低下し、一方、40重量部より多くなると柔軟性が悪くなるため、強度を高く、かつ柔軟性を良好にするには、20〜40重量部の範囲が好ましい。
紫外線重合開始剤は、オリゴマーの重合反応を開始させるものであり、紫外線によりフリーラジカルを生成する。紫外線重合開始剤としては、ヒドロキシアセトフェノン系、アミノアセトフェノン系、アシルアセトフェノン系、オキシムアセトフェノン系等を用いることもできる。
整泡剤は、機械的な発泡時(起泡時)に気泡の安定化、気泡の微細化等を行うものであり、界面活性剤を挙げることができる。特にシロキサン部とエーテル部とからなり、エーテル部を側鎖に有するペンダント型構造の整泡剤は、起泡性、泡安定性(起泡後の泡の維持性)が良好なため、縞模様発生防止効果が高くなり、好ましいものである。
フィラーは、無機物、有機物の何れでもよい。無機物のフィラーとしては水酸化ナトリウムや水酸化アルミニウム等の固体無機物を挙げることができ、一方、有機物のフィラーとしてはメラミン等の固体有機物を挙げることができる。フィラーの粒径は5〜100μmが好ましい。粒径が5μmより小さいと、縞模様の発生防止が難しくなり、一方、100μmより大きいと、紫外線硬化性樹脂原料中に均一に分散し難くなって、良好に起泡できなくなる。また、フィラーの量は、オリゴマーと希釈剤の合計量100重量部に対し5〜40重量部が好ましい。5重量部より少ないと、フィラーを添加した効果が得難くなり、一方、40重量部を超えると紫外線硬化発泡シートの密度が高くなりすぎ、紫外線硬化発泡シートの用途によっては好ましくないものとなる。
その他、紫外線硬化性樹脂原料には着色剤が含まれることもある。着色剤は、紫外線硬化発泡シートに求められる色のものが用いられる。例えば、紫外線硬化発泡シートを白色とする場合には白色の着色剤が用いられる。
本発明の紫外線硬化発泡シートは、密度(JIS K 7222:1999準拠)300〜500kg/m、伸び(JIS K 6400準拠)100%〜150%、圧縮残留歪(JIS K 6400準拠)10%以下が好ましい。この範囲の密度、伸びおよび圧縮残留歪とすることにより、紫外線硬化発泡シートをシール材、制振材、衝撃緩衝材として好適なものにすることができる。
図1に前記紫外線硬化発泡シートのための製造装置10を示す。製造装置10は、下側プラスチックフィルムの供給・巻き取り手段と、紫外線硬化性樹脂原料の機械発泡・塗布手段と、上側プラスチックフィルムの供給・巻き取り手段と、紫外線照射手段と、紫外線硬化発泡シートの巻き取り手段とよりなる。
下側プラスチックフィルムの供給・巻き取り手段は、下側プラスチックフィルム11が巻かれた下側プラスチックフィルム供給ロール13から下側プラスチックフィルム11を巻き戻して上方へ供給し、供給側下側ロール14で略水平方向へ向きを変えて所定距離供給した後に巻き取り側下側ロール15で下方へ向きを変え、後述の紫外線硬化発泡シートAの下面から剥がして下側プラスチックフィルム巻き取りロール16で巻き取るように構成されている。
紫外線硬化性樹脂原料の機械発泡・塗布手段は、前記供給側下側ロール14付近において、前記略水平方向に供給される前記下側プラスチックフィルム11の上面に発泡(起泡)後の紫外線硬化性樹脂原料Pを吐出する機械発泡装置21で構成される。前記機械発泡装置21は、外部から供給される不活性ガスを紫外線硬化性樹脂原料に混合攪拌して紫外線硬化性樹脂原料を発泡(起泡)させるオークスミキサー、ホバートミキサー等の各種ミキサーを備え、発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pを、略水平方向に供給されている下側プラスチックフィルム11の上面に吐出可能となっている。なお、機械発泡装置21としては、攪拌によって紫外線硬化性樹脂原料にガスを巻き込んで紫外線硬化性樹脂原料を発泡(起泡)させることができ、かつ発泡(起泡)状態で吐出可能なものであれば、制限なくする使用することができる。不活性ガスは、常温常圧で気体状態のものであって、紫外線硬化性樹脂を劣化させないものであれば、特に限定されない。例えば、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム等の無機ガスや、フロンガス、低分子量の炭化水素等の有機ガスが挙げられる。不活性ガスの供給量は適宜決定されるが、窒素ガスの場合の供給量は1〜10L/minが好ましい。
上側プラスチックフィルムの供給・巻き取り手段は、上側プラスチックフィルム31の巻かれた上側プラスチックフィルム供給ロール33と、ナイフコーター34と、巻き取り側上側ロール35と、上側プラスチックフィルム巻き取りロール36とで構成される。
前記上側プラスチックフィルム供給ロール33は、前記下側プラスチックフィルムの供給・巻き取り手段の上方に設けられている。前記上側プラスチックフィルム供給ロール33から巻き戻された上側プラスチックフィルム31は、略水平方向へ供給されている前記下側プラスチックフィルム11の近くまで供給され、発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pの上面に積層される。
前記ナイフコーター34は、前記発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pの上面に積層された上側プラスチックフィルム31の上面に下端が接触し、前記上側プラスチックフィルム31の向きを略水平方向に変えると共に、前記下側プラスチックフィルム11と上側プラスチックフィルム31間における前記発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pの厚みを調整する。前記ナイフコーター34の下端は、前記下側プラスチックフィルム11との間隔が、目的とする紫外線硬化発泡体Aの厚みと略等しくされる。正確には、紫外線硬化発泡シートAの厚みに上側プラスチックフィルム31の厚みを加算した値と略等しくされる。前記発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pの厚みは、適宜の値とされるが、0.1〜3.0mmが好ましい。この範囲とすることで、後述の紫外線照射時に紫外線が前記発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pの一側から反対側まで透過し、均一な気泡分布の紫外線硬化発泡シートAを得やすくなる。すなわち、前記厚みが0.1mm未満の場合、酸素阻害性による影響が大きくなり、十分に硬化した発泡シートが得られなくなる。一方、3.0mmを超えると紫外線の透過性が悪く、発泡シート内部まで十分に硬化しなくなる。
前記巻き取り側上側ロール35は、前記供給側下側ロール14の上方に設けられ、前記上側プラスチックフィルム31の向きを上方に変えて紫外線硬化発泡シートAの上面から剥がすようにされている。
前記上側プラスチックフィルム巻き取りロール36は、前記巻き取り側上側ロール35によって上方へ向きが変えられた上側プラスチックフィルム31を巻き取る。
前記下側プラスチックフィルム11および前記上側プラスチックフィルム31は前記巻き取られた後、繰り返し使用することが可能である。また、前記下側プラスチックフィルム11および前記上側プラスチックフィルム31の少なくとも一方は紫外線透過性のものとされ、より好ましくは両方共、紫外線透過性とされる。本実施例では、前記下側プラスチックフィルム11および前記上側プラスチックフィルム31の両方共、紫外線透過性とされている。前記下側プラスチックフィルム11および上側プラスチックフィルム31は、外気を遮断し、前記紫外線硬化性樹脂に対して剥離可能なものが好ましい。
前記紫外線透過性のプラスチックフィルムは、紫外線を透過可能なものであれば特に限定されない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ビニルポリイソプレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂からなる透明プラスチックフィルムを用いることができる。さらに、紫外線を透過可能なもの、すなわち透明であれば、これらの樹脂の混合物からなるプラスチックフィルム、あるいはこれらの樹脂の積層フィルムであってもよい。前記下側プラスチックフィルム11および上側プラスチックフィルム31の厚みは25〜100μm程度が好ましい。
紫外線照射手段41は、紫外線を照射可能な紫外線ランプ等を備えるもので構成され、前記ナイフコーター34と前記巻き取り側上側ロール35間に設けられて前記下側プラスチックフィルム11および上側プラスチックフィルム31のうち、少なくとも紫外線透過性フィルム側に紫外線を照射可能に構成されている。本実施例では上側プラスチックフィルム31側に紫外線を照射可能とされている。
紫外線硬化発泡シートの巻き取り手段は、前記下側プラスチックフィルム11の略水平供給方向前方(進行方向側)において、前記巻き取り側下側ロール15および前記巻き取り側上側ロール35よりも前方位置に設けられた発泡シート向き変更用ロール42と、前記発泡シート向き変更用ロール42により上方へ向きを変えた紫外線硬化発泡シートAを巻き取る紫外線硬化発泡シート巻き取りロール43とで構成されている。
前記製造装置10を用いる紫外線硬化発泡シートの製造について説明する。まず、前記下側プラスチックフィルム供給ロール13から下側プラスチックフィルム11を前記機械発泡装置21へ向けて供給し、前記機械発泡装置21から発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pを、前記下側プラスチックフィルム11の上面に吐出、塗布する。本実施例では、前記下側プラスチックフィルム11は紫外線透過可能な透明なものからなる。紫外線硬化性樹脂原料は前記の構成からなる。
前記下側プラスチックフィルム11の上面に塗布された発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pの上面に、前記上側プラスチックフィルム供給ロール33から上側プラスチックフィルム31を供給して積層すると共に、前記ナイフコーター34の下端を前記上側プラスチックフィルム31の上面に接触させて前記上側プラスチックフィルム31と下側プラスチックフィルム11間で紫外線硬化性樹脂原料Pの厚みを所定厚みにする。本実施例では前記上側プラスチックフィルム31は紫外線透過可能な透明なものからなる。
次に、前記発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pは、前記下側プラスチックフィルム11と上側プラスチックフィルム31で両面が挟まれた状態で前記紫外線照射手段41へ移動し、前記紫外線照射手段41によって紫外線が照射される。本実施例では、紫外線が透過可能な透明な上側プラスチックフィルム31の上方から前記発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pに紫外線が照射される。前記紫外線の照射によって前記発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pが硬化し、紫外線硬化発泡シートAになる。その際、前記発泡後の紫外線硬化性樹脂原料Pは、前記下側プラスチックフィルム11と上側プラスチックフィルムで両面が覆われ、酸素との接触が防止されているため、酸素による重合阻害(いわゆる酸素阻害)により硬化性が悪くなって紫外線硬化発泡シートAの表面が粘着性のべたついたものになるのを防ぐことができる。
前記紫外線の照射により紫外線硬化発泡シートAとした後、前記下側プラスチックフィルム11を前記下側プラスチックフィルム巻き取りロール16で巻き取って前記紫外線硬化発泡シートAの下面から剥がすと共に、前記上側プラスチックフィルム31を前記上側プラスチックフィルム巻き取りロール36で巻き取って前記紫外線硬化発泡シートAの上面から剥がし、前記紫外線硬化発泡シートAを紫外線硬化発泡シート巻き取りロール43で巻き取る。これによって、前記紫外線硬化発泡シートAが連続的に製造される。前記紫外線硬化発泡シート巻き取りロール43に巻き取られた前記紫外線硬化発泡シートAは、その後、用途に応じた寸法に裁断されて使用される。なお、前記下側プラスチックフィルム巻き取りロール16に巻き取られた下側プラスチックフィルム11、および前記上側プラスチックフィルム巻き取りロール36に巻き取られた上側プラスチックフィルム31は繰り返し使用可能である。
以下、具体的な実施例および比較例について示す。図1に示した製造装置10を用い、表1に示す配合の紫外線硬化性樹脂原料に窒素ガスを5L/minの供給量で吹き込みながら、オークスミキサー(機械発泡装置21)により攪拌して機械的に発泡させ、発泡後の紫外線硬化性樹脂原料を前記下側プラスチックフィルム11上に塗布し、前記のようにして実施例および比較例の紫外線硬化発泡シート(厚み略1mm)を製造した。ミキサー回転数は400rpm、原料供給量は240g/minである。また、オークスミキサー(機械発泡装置21)の吐出ヘッドは、下側プラスチックフィルム11の幅方向へ往復移動させることなく、下側プラスチックフィルム11の幅方向中央に位置を固定して紫外線硬化性樹脂原料の吐出を行った。
Figure 0005042680
表1におけるオリゴマーはポリエーテルポリオールと脂肪族イソシアネートからなるポリウレタンメタクリレート、2官能、分子量10000、自社製、希釈剤はモルホリンアクリレート、1官能、分子量141、品名:ACMO、(株)興人製、フィラー1は水酸化アルミニウム、粒径8μm、関東化学(株)製、フィラー2は水酸化ナトリウム、粒径10μm、関東化学(株)製、フィラー3はメラミン、粒径10μm、関東化学(株)製、フィラー4は水酸化アルミニウム、粒径80μm、昭和電工(株)製、紫外線重合開始剤は2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、分子量164.2、品名:Darocur 1173、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、整泡剤はポリエーテル変性ポリシロキサン、ペンダント型、品番:SH192、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製である。
なお、実施例1〜実施例3はフィラーの種類を異ならせた例、実施例1および実施例4〜6はフィラー1(水酸化アルミニウム)の量を変化させた例、実施例7は粒径が80μmのフィラー4(水酸化アルミニウム)を用いた例である。また、比較例1はフィラーを含まない例、比較例2はフィラー1の量が少ない例、比較例3はフィラー1の量が過剰の例である。
また、前記下側プラスチックフィルム11および上側プラスチックフィルム31は、透明なポリエチレンテレフタレート、幅500mm、厚み100μm、前記紫外線照射手段41は、水銀ランプ(120w/cm)、積算量460mJ/cm(250nm)、前記下側プラスチックフィルム11および上側プラスチックフィルム31の供給速度(移動速度)は7m/分、前記ナイフコーター34と下側プラスチックフィルム11間の間隔は1.0mmである。
実施例および比較例の紫外線硬化発泡シートについて、縞模様の有無(目視判断)、密度(JIS K 7222:1999準拠、単位[kg/m])、伸び(JIS K 6400準拠、[%])、圧縮残留歪(JIS K 6400準拠、[%])を測定した。
また、実施例および比較例の紫外線硬化発泡シートについて表面の粘着性(べたつき性)の原因となる粘着物の量をアセトン抽出方法により測定した。アセトン抽出方法では、前記実施例および比較例の紫外線硬化発泡シートから100×100×0.5mmの試験片を裁断し、さらに試験片をそれぞれ粉砕し、その粉砕物から2g(W)を精秤し、これを円筒濾紙に入れてソックスレーアセトン抽出試験装置の抽出管にセットし、アセトン10ml中、2時間環流下で抽出を行った。抽出後、ソックスレーフラスコに抽出されたタール分を105℃で1時間乾燥処理し、乾燥後の重量(W)を精秤した。アセトン抽出量R(%)は、R=(W/W)×100、で計算される。なお、粘着物の量(アセトン抽出量)が多いと、紫外線硬化発泡シートに表面粘着性(べたつき性)を生じるようになる。
密度、伸び、圧縮残留歪、アセトン抽出量の測定結果を表1の下部に示す。表1の測定結果から理解されるように、実施例1〜7は、何れも縞模様が無いものであり、しかも密度が低く、伸びがよく、圧縮残留歪みが小さなものであった。それに対し、フィラーを含まない比較例1およびフィラーの量が5重量部未満の比較例2は縞模様が発生していた。また、フィラーの量が50重量部の比較例3は縞模様が見られなかったが、密度が高くなっていた。このことから、フィラーの量は、オリゴマーと希釈剤の合計100重量部に対して5〜40重量部が好ましい。また、実施例および比較例の何れも、発泡後の紫外線硬化性樹脂原料は、上下がプラスチックフィルムで覆われ、酸素との接触が防止された状態で紫外線の照射が行われて硬化しているため、アセトン抽出量の測定結果が10%未満であり、表面粘着性(べたつき性)の無いものである。このように、実施例1〜6の紫外線硬化発泡シートは、縞模様が無く、美観が良好で物性の均一性を高めることができると共にべたつきのないものである。
なお、前記実施例は、着色剤を添加していないものとしたが、紫外線硬化発泡シートに求められる色に応じて着色剤が適宜添加される。着色剤の量は、適宜決定される。例えば、表1に示した実施例1〜7の配合において、白色の着色剤として物質名:酸化チタン、品番:UT white4973、山陽色素(株)製を、オリゴマーと希釈剤の合計100重量部に対して0.1〜5重量部添加する例を挙げる。
紫外線硬化発泡シートを連続的に製造する製造装置の概略正面図である。 紫外線硬化樹脂発泡シートの縞模様発生を示す従来における製造装置の平面図である。
符号の説明
11,31 プラスチックフィルム
21 機械発泡装置
41 紫外線照射手段
A 紫外線硬化発泡シート
P 機械的に発泡させた紫外線硬化性樹脂原料

Claims (3)

  1. 紫外線硬化性樹脂原料を機械的に発泡させて紫外線で硬化させた紫外線硬化発泡シートにおいて、
    紫外線硬化性樹脂原料がオリゴマー、希釈剤、紫外線重合開始剤、整泡剤およびフィラーを含み、
    前記オリゴマーは、官能基数2、分子量8,000〜40,000のウレタンアクリレートオリゴマーであり、
    前記希釈剤は、アクリルアミド基を持つ単官能モノマーからなり、
    前記フィラーの量は、前記オリゴマーと前記希釈剤の合計100重量部に対し5〜40重量部であることを特徴とする紫外線硬化発泡シート。
  2. 前記フィラーが粒径5〜100μmであることを特徴とする請求項1に記載の紫外線硬化発泡シート。
  3. 官能基数2、分子量8,000〜40,000のウレタンアクリレートオリゴマー、アクリルアミド基を持つ単官能モノマーからなる希釈剤、紫外線重合開始剤、整泡剤およびフィラーを含み、前記フィラーの量が、前記ウレタンアクリレートオリゴマーと前記希釈剤の合計100重量部に対し5〜40重量部である紫外線硬化性樹脂原料を機械的に発泡させ、
    前記発泡させた紫外線硬化性樹脂原料を、少なくとも一方が紫外線透過性を有する2つのプラスチックフィルムの何れか一方のプラスチックフィルムに塗布し、
    前記紫外線硬化性樹脂原料の表面に他方のプラスチックフィルムを積層し、
    前記紫外線透過性のプラスチックフィルムを介して紫外線を照射することにより前記紫外線硬化性樹脂原料を硬化させて紫外線硬化発泡シートとし、
    その後、前記2つのプラスチックフィルムを前記紫外線硬化発泡シートから剥がすことを特徴とする紫外線硬化発泡シートの製造方法。
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