JP6066278B2 - 光硬化型樹脂組成物及び該組成物を用いた加飾フィルム - Google Patents

光硬化型樹脂組成物及び該組成物を用いた加飾フィルム Download PDF

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Description

本発明は、光硬化型樹脂組成物、及び該組成物からなる硬化膜層を有する加飾フィルムに関する。
従来、プラスチック等の成形品表面に意匠性を付与したり、表面硬度、耐擦傷性や耐薬品性を付与して表面を保護するため、光硬化型あるいは熱硬化型樹脂を用いてハードコート層を形成する方法が用いられてきた。しかしながら、これらの方法は射出成形等による成形品の成形、樹脂組成物の塗装、乾燥及び硬化工程が必要となるため、工程が長くなり生産性が低く、また複雑な形状の成形品に対して均一にハードコート層を形成することが困難である等の課題を有していた。
一方、最近では、複雑な形状のプラスチック成形品表面に意匠性を付与すると同時にハードコート層を設ける方法として加飾フィルムが注目されている。加飾フィルムにより成形品を加飾する方法の一つとして、射出成形時に印刷層やハードコート層が形成された加飾フィルムを金型に挿入し、フィルム全体を成形品に貼り合せるインサート成形がある。
このような加飾フィルムは、携帯電話、パソコン、家電製品、自動車関連部品等の複雑な形状を有する成型品に使用されるため、表面硬度、耐擦傷性、耐薬品性等の特徴を付与すると同時に、成形品の形状への追随性等の成形性が求められる。
このような加飾フィルムは、成形時の加工性を保つために、表面保護層を未硬化の状態で成形加工して貼り付け、その後硬化させる方法がよく用いられてきた(例えば、特許文献1及び2参照)。これら特許文献1及び2では、グリシジル(メタ)アクリレートからなるアクリル重合体に(メタ)アクリル酸を付加反応させて得られる(メタ)アクリロイル基及び水酸基を側鎖に有するアクリル重合体を、多官能イソシアネートと配合して加熱することでウレタン化反応を進行させて架橋(硬化)し、さらに活性エネルギー線で硬化させる方法が検討されている。この方法は加飾フィルムを成形品に貼り付けて三次元加工した後に活性エネルギー線により硬化させるため、複雑な形状の成形品に対しては、活性エネルギー線が照射されない箇所がある、もしくは活性エネルギー線を照射する角度が多方向になり、装置や工程が複雑になるといった欠点を有していた。
この問題を回避する方法としては、成形加工に用いる前の平面フィルムの段階で、表面保護層を硬化させる方法がある。しかしながら、この方法では硬化により樹脂の伸びが低下し、加工性が悪くなるという問題があった。このため、グリシジル(メタ)アクリレートからなるアクリル重合体に(メタ)アクリル酸を付加反応させて得られる(メタ)アクリロイル基を側鎖に有するアクリル重合体と、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとイソシアヌレート型ポリイソシアネートを反応させて得られる生成物のような、架橋密度が非常に高く、ハードセグメントのみから構成される多官能ウレタン(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、耐磨耗性及び耐薬品性に優れかつ転写時に成形品曲面部においてクラックを生じない保護層を有することが報告されている(例えば、特許文献3参照)。
また、グリシジル(メタ)アクリレートからなるアクリル重合体に、(メタ)アクリル酸及びω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート等の長鎖不飽和カルボン酸を反応させ、部分的に(メタ)アクリロイル基を有する側鎖部分の長さを制御したアクリル系重合体が報告されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、これら特許文献3及び4に記載の組成物は、成形性についてよく検討されていたが、破断伸び率が低いため、必ずしも成形性に満足いくものではなかった。
また、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートと有機イソシアネートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化性組成物が報告されている(例えば、特許文献5参照)。特許文献5に記載の組成物は、硬化膜の弾性により一時的に付いた傷が経時的に修復する自己修復性により、傷付くことを防止している。しかしながら、特許文献5に記載の組成物は、表面硬度が低く、さらに自己修復性が十分ではないため、傷付く際の条件よっては傷が修復せず残ってしまう場合があった。
さらに、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレートのような1分子中に2個以上のエチレン性不飽和基及びイソシアヌレート環を有する化合物を含有する光硬化型加飾積層フィルム用組成物が報告されている(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、特許文献6に記載の組成物は、破断伸び率が高く成形性に優れているものの、耐擦傷性において満足の行くものでなかった。
このように、表面硬度及び耐擦傷性に優れながらも高い破断伸度を有し、かつ優れた成形性を達成し得るような加飾フィルムを得ることは、未だ困難であった。
特開平10−58895号公報 特開2000−79796号公報 特開2004−123780号公報 特開2005−255781号公報 特開2005−162908号公報 特開2011−225679号公報
本発明が解決しようとする課題は、転写時に成形品の三次元曲面への追随性がよく、表面硬度及び耐擦傷性に優れる加飾フィルム、及び当該加飾フィルムの硬化膜層の調製に有用な光硬化型樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、鋭意検討した結果、特定組成のアクリル重合体とウレタン(メタ)アクリレートを選択することによって、上記課題解決に適した光硬化型樹脂組成物が得られることを見出すに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1] 下記(A)〜(C)成分を含有し、(A)成分/(B)成分の質量比が40/60〜80/20である、光硬化型樹脂組成物であって、
(A)アクリロイル基当量200〜600g/eq、質量平均分子量5,000〜100,000のアクリル重合体
(B)水酸基含有(メタ)アクリレートにアルキレンオキサイド及び/又はカプロラクトンを、平均で1〜8モル付加した化合物(b−1)と、イソシアヌレート骨格を有するポリイソシアネート(b−2)とを反応させて得られる、ウレタン(メタ)アクリレート
(C)光重合開始剤
当該(A)成分がエポキシ基含有(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和単量体を、質量比で70/30〜50/50で重合させて得られるアクリル重合体と、エチレン性不飽和モノカルボン酸とを反応させて得られる生成物である、光硬化型樹脂組成物
[2] 上記[1]に記載の光硬化型樹脂組成物からなる硬化膜層を有する、加飾フィルム。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、表面硬度及び耐擦傷性のみならず成形性にも優れるため、携帯電話、パソコン、家電製品、自動車内外装部品等の三次元曲面を有する成型品用の加飾フィルムに好適に用いることができる。
以下に、本発明の詳細について説明する。
<アクリル重合体(A)>
本発明で用いるアクリル重合体(A)は、重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲であり、好ましくは20,000〜90,000の範囲である。
アクリル重合体(A)の重量平均分子量が5,000以上の場合、表面硬度及び耐擦傷性を高くすることができ、また、100,000以下の場合、樹脂組成物が高粘度になりすぎず、レベリング性を低下させることなく均一な塗膜を形成することが可能になる。なお、本発明における重量平均分子量(Mw)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定されたポリスチレン換算値である。
アクリル重合体(A)のアクリロイル基当量は200〜600g/eqの範囲であり、好ましくは250〜500g/eqの範囲である。
アクリロイル基当量が200g/eq以上の場合、破断伸度を低下させることなく優れた耐擦傷性及び表面硬度を示し、また、アクリロイル基当量が600g/eq以下の場合、耐擦傷性及び表面硬度を低下させることなく優れた破断伸度を発揮することが可能である。なお、本発明のおけるアクリロイル基当量は以下の方法により測定することができる。
アクリル重合体(A)約1gをアセトン20mLに溶解させ、モルホリンの20質量%メタノール溶液10mLを添加する。次に、75質量%酢酸水溶液1mLを加えて30分間攪拌して反応させる。反応後、無水酢酸の40質量%アセトニトリル溶液25mLを加えて攪拌した後、0.5mol/L塩化水素メタノール溶液で滴定する。また、アクリル重合体(A)を使用せずブランク試験を同時に行い滴定する。アクリロイル基当量は以下の式より決定することができる。
アクリロイル基当量(g/eq)=2,000×S/[(A−B)×f]

ただし、S:試料採取量(g)
A:ブランク試験に要した0.5mol/L塩化水素メタノール溶液の滴定量(mL)
B:試料の滴定に要した0.5mol/L塩化水素メタノール溶液の滴定量(mL)
f:0.5mol/L塩化水素メタノール溶液のファクター
アクリル重合体(A)は、以下の各種公知の方法を用いて得られる化合物である。例えば、[1]エポキシ基含有(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和単量体を重合して得られるアクリル重合体と、エチレン性不飽和モノカルボン酸を反応させて得られる生成物、[2]エチレン性不飽和モノカルボン酸とエチレン性不飽和単量体を重合して得られるアクリル重合体と、エポキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる生成物、[3]イソシアネート基含有(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和単量体を重合して得られるアクリル重合体と、水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる生成物、[4]水酸基含有(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和単量体を重合して得られるアクリル重合体と、イソシアネート基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる生成物等が挙げられる。これらの中でも、[1]エポキシ基含有(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和単量体を重合して得られるアクリル重合体と、エチレン性不飽和モノカルボン酸を反応させて得られる生成物が好ましい。
以下に、(A)成分の代表例として[1]の方法により得られるアクリル重合体の詳細を説明する。
前記(A)成分を構成するエポキシ基含有(メタ)アクリレートとしては以下のような化合物が挙げられる。例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらエポキシ基含有(メタ)アクリレートは、単独で用いても二種以上を併用してもよい。
前記(A)成分を構成するエチレン性不飽和単量体は、1分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有し、エポキシ基を含有しない化合物である。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテルが挙げられる。これらの中でも、アルキル(メタ)アクリレート、脂環式(メタ)アクリレート、芳香族(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートが好ましく、アルキル(メタ)アクリレートがより好ましい。アルキル(メタ)アクリレートの中でも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。これらエチレン性不飽和単量体は、単独で用いても二種以上を併用してもよい。
前記(A)成分を構成するエポキシ基含有(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和単量体の重合比率は、エポキシ基含有(メタ)アクリレート/エチレン性不飽和単量体の質量比で95/5〜10/90であり、好ましくは70/30〜50/50である。
エポキシ基含有(メタ)アクリレートと共重合可能なエチレン性不飽和単量体の重合方法としては公知のラジカル重合法を採用すればよい。
前記(A)成分を構成するエチレン性不飽和モノカルボン酸としては以下のような化合物が挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性(メタ)アクリル酸;コハク酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートと無水カルボン酸との反応により得られる化合物等が挙げられる。これらの中でも、反応性及び原料供給面の観点から(メタ)アクリル酸がより好ましい。
エポキシ基含有(メタ)アクリレート及びエチレン性不飽和単量体を重合して得られる重合体と、エチレン性不飽和モノカルボン酸との反応は、エポキシ基含有(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和単量体を重合して得られる重合体、及びエチレン性不飽和モノカルボン酸を第4級アンモニウム塩等の触媒の存在下で加熱することにより製造することができる。
エポキシ基含有(メタ)アクリレート及びエチレン性不飽和単量体を重合して得られる重合体と、エチレン性不飽和モノカルボン酸の割合は、得られるアクリル重合体(A)の(メタ)アクリロイル基当量が200〜600g/eqになるものであれば特に限定されないが、通常、重合体のエポキシ基1当量に対してエチレン性不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基が0.8〜1.2当量、好ましくは0.9〜1.1当量である。
<ウレタン(メタ)アクリレート(B)>
本発明に用いるウレタン(メタ)アクリレート(B)は、水酸基含有(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド又はカプロラクトン付加物(b−1)とポリイソシアネート(b−2)を反応させることにより得られる化合物である。
本発明に用いる水酸基含有(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド又はカプロラクトン付加物(b−1)は、水酸基含有(メタ)アクリレートにアルキレンオキサイド又はカプロラクトンを付加重合して得られる化合物である。
水酸基含有(メタ)アクリレートは、1分子中に1個の水酸基と1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する(メタ)アクリレートである。具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらのうち、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。これらの水酸基含有(メタ)アクリレートは、単独で用いても二種以上を併用してもよい。
付加重合に用いるアルキレンオキサイドの種類としては、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを使用することができる。具体例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらアルキレンオキサイドは、単独で用いても二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合にはランダム状又はブロック状に付加重合してもよい。これらのうち、強靭性の観点からエチレンオキサイド、テトラヒドロフランが好ましく、エチレンオキサイドがより好ましい。
また、付加重合に用いるカプロラクトンの種類としては、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、プロピオラクトン等が挙げられる。これらカプロラクトンは、単独で用いても二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合にはランダム状又はブロック状に付加重合してもよい。これらのうち、強靭性の観点からε−カプロラクトンが好ましい。
これらアルキレンオキサイド及びカプロラクトンの平均付加モル数は1〜8であり、2〜5であることが好ましい。平均付加モル数が1モル未満の場合、架橋密度が高く柔軟性が低下する。一方で、平均付加モル数が9モルより大きい場合には、架橋密度が低下するため表面硬度及び耐擦傷性が低下し、さらに、ウレタン結合濃度に起因する強靭性が低下することで破断伸度が低下する。
(b−1)成分の製造方法としては、通常の開環重合と同様の方法で行うことができる。例えば、水酸基含有(メタ)アクリレート及び四塩化錫等の触媒、必要に応じて重合禁止剤及び有機溶剤を仕込んだ後、アルキレンオキサイド及び/又はカプロラクトンを圧入して付加重合させる。付加重合した後は、活性白土等の公知の吸着剤を用いて触媒を吸着処理及び濾過して除去を行ってもよく、鉱酸、有機酸、アミン、水酸化アルカリ金属等で中和処理し、生成した塩を濾過して除去を行ってもよい。
(b−1)成分の具体例としては、ポリオキシエチレン(n=1〜8)モノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(n=1〜8)モノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレン(n=1〜8)モノ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン・ポリオキシテトラメチレン(n=1〜8)モノ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(n=1〜8)等が挙げられる。
本発明に用いるイソシアヌレート骨格を有するポリイソシアネート(b−2)は、1分子中に1個以上のイソシアヌレート骨格及び3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートであり、通常は1分子中に2個のイソシアネート基を有する2官能イソシアネートを、第4級アンモニウム塩等のイソシアヌレート化触媒の存在下でイソシアヌレート化させることで得られる。前記の方法により得られるイソシアヌレート体は、2官能イソシアネートの3量体を主成分とする5量体及び7量体との混合物である。イソシアヌレート体の具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネートのイソシアヌレート体が挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネートのイソシアヌレート体が好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体がより好ましい。これらイソシアヌレート体は、イソシアヌレート化させる際に2官能イソシアネートを単独で用いても二種以上を併用してもよい。
ウレタン(メタ)アクリレート(B)は、1分子中に通常3〜6個、3〜4個の(メタ)アクリロイル基を有することが好ましく、さらに1分子中に通常3〜6個、3〜4個のウレタン結合を有することが好ましい。1分子中の(メタ)アクリロイル基及びウレタン結合の数が前記範囲内であれば、高い表面硬度及び耐擦傷性を示しながらも破断伸度に優れる。
本発明に用いるウレタン(メタ)アクリレート(B)は、水酸基含有(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド又はカプロラクトン付加物(b−1)とポリイソシアネート(b−2)とのウレタン化反応により得られる化合物である。ウレタン化反応には、(b−1)成分を二種類以上併用してもよく、二種類以上を併用する場合には、これらの各(b−1)成分におけるアルキレンオキサイドの付加モル数の平均が通常1〜8であり、2〜5であることが好ましい。(b−1)成分とポリイソシアネート(b−2)の割合は、(b−1)成分中の水酸基1当量に対してポリイソシアネート(b−2)中のイソシアネート基が通常0.1〜10当量であり、0.5〜5当量が好ましく、0.9〜1.2当量がより好ましい。反応温度としては通常10〜150℃であり、30〜120℃が好ましく、40〜80℃がより好ましい。なお、反応の終点はイソシアネート基を示す2270cm−1の赤外吸収スペクトルの消失や、JIS K 7301に記載の方法でイソシアネート基の含有量を求めることで確認することができる。前記ウレタン化反応では反応速度を促進する目的としてジブチルスズジラウレート等の触媒を用いてもよい。
本発明に用いる(A)成分と(B)成分の質量比は、(A)成分/(B)成分の質量比で40/60〜80/20であり、好ましくは50/50〜70/30である。
(A)成分の質量比が80%を超える場合、得られる硬化膜の破断伸度が低下する。
(A)成分の質量比が40%未満の場合、得られる硬化膜の表面硬度が低下する。
<光重合開始剤(C)>
本発明で用いる光重合開始剤(C)としては以下のような化合物が挙げられる。例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン又はベンゾインアルキルエーテル;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸等の芳香族ケトン;ベンジル等のα−ジカルボニル;ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等のベンジルケタール;アセトフェノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン等のアセトフェノン;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド;2,4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントンが挙げられる。これらの中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン等のアセトフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイドが好ましく、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノンがより好ましい。(C)成分の使用量は、(A)成分及び(B)成分の合計質量に対して0.1〜20質量%の範囲が好ましく、0.5〜5質量%の範囲がより好ましい。0.1質量%未満では硬化が十分に進行せず、20質量%を越えると重合性成分の量が相対的に減少するため、硬化物の目標とする特性が低下するため好ましくない。
本発明の光硬化型樹脂組成物には、任意成分として本発明の効果を阻害しない範囲内で有機溶剤や種々の添加剤を配合することができる。添加剤の具体例としては、レベリング剤、シランカップリング剤、充填剤、顔料、チキソトロピー性付与剤、帯電防止剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、アクリル重合体(A)、ウレタン(メタ)アクリレート(B)及び光重合開始剤(C)、及び必要に応じて有機溶剤及び種々の添加剤を、常法により均一に混合して得ることができる。このようにして調製される樹脂組成物の粘度は、通常50〜50,000mPa・s/25℃、好ましくは100〜30,000mPa・s/25℃である。粘度が高すぎると、硬化膜を製造する際に塗布むらやうねりが生じ、目的とする膜厚を得るのが困難となる。逆に粘度が低すぎると膜厚の制御が困難であり、均一な膜厚の硬化膜を形成できない場合がある。
<加飾フィルム>
本発明の光硬化型樹脂組成物は、加飾フィルムの表面保護層を形成するために使用することができる。加飾フィルムの一般的な構成は、主に以下の2つの実施形態が例示できる。一つは、インサート成形と呼ばれる方法に用いられており、表面保護層/基材フィルム/加飾層(印刷層)の順番で積層されている。インサート成形の場合、前記全ての層が樹脂成形品に接着することとなる。もう一つは、転写法と呼ばれる方法であり、基材フィルム/離型層/表面保護層/加飾層(印刷層)の順番で積層されている。転写法では、成形後に離型フィルム(基材フィルム/離型層)を剥離するため、最表面は表面保護層となる。
本発明の加飾フィルムの製造方法としては、例えば、インサート成形の場合には裏面に加飾層を有する基材フィルムの表面上、転写法の場合には離型フィルムの離型層の表面上に光硬化型樹脂組成物を塗布し、次いで乾燥させて有機溶剤を蒸発させ、さらに、活性エネルギー線を照射して樹脂組成物を硬化させるとこにより形成することができる。
本発明の光硬化型樹脂組成物を塗布する基材フィルムの材質としてはプラスチックが好ましく、熱可塑性プラスチックがより好ましい。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等のプラスチックフィルムが挙げられる。これらの中でも、透明性や強靭性の観点からPET樹脂が好ましい。
本発明の光硬化型樹脂組成物の塗布方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、フローコート法、バーコート法等の塗工方法や、グラビア印刷、スクリーン印刷等の印刷方法を適用することも可能である。塗膜の厚さは通常1〜100μmであり、表面硬度及び耐擦傷性の観点から好ましくは2〜50μm、より好ましくは3〜25μmである。100μmを超えると塗膜の硬化性が低下し、表面硬度及び耐擦傷性が低下する恐れがあり、膜厚が1μm未満では十分な性能が得られない場合があるため好ましくない。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、赤外線、可視光線、紫外線、X線、γ線及び電子線より選ばれる活性エネルギー線を照射することにより硬化させることができる。活性エネルギー線の照射方法は、通常の光硬化型樹脂組成物の硬化方法を用いることができる。活性エネルギー線照射装置として紫外線を用いる場合は、波長が200〜450nmの領域にスペクトル分布を有するフュージョンUVシステムズ社製Hバルブ等の無電極ランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ガリウムランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。活性エネルギー線の照射量は、積算光量として通常10〜3000mJ/cmであり、好ましくは50〜1000mJ/cmである。照射する際の雰囲気は、空気中でもよいし、窒素やアルゴンなどの不活性ガス中で硬化してもよい。
このようにして製造された本発明の加飾フィルムは、以下の方法により成形することができる。例えば、加飾層を内側にして樹脂成形品と接着するように本発明の加飾フィルムを成形金型内に挿入配置し、真空成形等の方法により三次元加工した後、金型キャビティ内に溶融状態の成形樹脂を射出充満させることにより樹脂成形品を射出成形する。転写法の場合には、成形後に離型フィルム(基材フィルム/離型層)を剥離する。これらの方法により、所望の樹脂成形品を得るのと同時に、その表面に表面保護層を有する加飾層を接着被覆することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、以下において特に規定しない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を示す。
<製造例1>
攪拌装置、冷却管、滴下漏斗及びガス導入管を備えたフラスコに、酢酸ブチルを100部仕込み、攪拌しながら系内の温度を100℃に昇温した。次に、グリシジルメタクリレート(以下、「GMA」という)を70部、メチルメタクリレート(以下、「MMA」という)を30部、熱重合開始剤として2,2’−アゾビス2,4−ジメチルバレロニトリル(V−65,和光純薬工業(株)社製。以下、「V−65」という)2部を均一に溶解した溶液を、窒素を吹き込みながら2時間かけて滴下した後、同温度で8時間反応を継続した。次に、ハイドロキノンモノメチルエーテル(以下、「MEHQ」という)0.1部、アクリル酸35部、テトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)0.8部を添加し、空気を吹き込みながら90℃にて5時間撹拌することで、側鎖にアクリロイル基を有するアクリル重合体(A−1)を得た。アクリル重合体(A−1)は、重量平均分子量が29,000、アクリロイル基当量が280g/eq、酸価が1.3mgKOH/gであった。
<製造例2〜6>
製造例1において、各原料を表1に示すとおり変更した以外は、上記と同様の方法でアクリル重合体(A)を得た。
上記製造例におけるアクリロイル基当量は、以下の方法により測定した。
アクリル重合体(A)約1gをアセトン20mLに溶解させ、モルホリンの20質量%メタノール溶液10mLを添加した。次に、75質量%酢酸水溶液1mLを加えて30分間攪拌して反応させた。反応後、無水酢酸の40質量%アセトニトリル溶液25mLを加えて攪拌した後、0.5mol/L塩化水素メタノール溶液で滴定した。また、アクリル重合体(A)を使用せずブランク試験を同時に行い滴定した。アクリロイル基当量は以下の式より決定した。

アクリロイル基当量(g/eq)=2,000×S/[(A−B)×f]

ただし、S:試料採取量(g)
A:ブランク試験に要した0.5mol/L塩化水素メタノール溶液の滴定量(mL)
B:試料の滴定に要した0.5mol/L塩化水素メタノール溶液の滴定量(mL)
f:0.5mol/L塩化水素メタノール溶液のファクター
Figure 0006066278
<製造例7>
攪拌装置、空気導入管、滴下漏斗及び温度計を備えたフラスコに、ポリエチレングリコールモノアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数=3.5,水酸基価:252mgKOH/g,以下「PEG150MA」という)110部、MEHQ0.08部、ジブチルスズジラウレート(以下、「DBTDL」という)0.04部を仕込み、空気を吹き込みながら40℃に加温した。次にヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(デュラネートTPA−100,旭化成ケミカルズ(株)社製。イソシアネート基含有量:23.1%,以下、「TPA−100」という)90部を発熱に注意しながら2時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃で2時間反応を継続させ、JIS K7301に記載の方法でイソシアネート基の含有量が0.1%以下であることを確認し、1分子中にポリエチレングリコール骨格を有する重量平均分子量が2,200の3官能ウレタンアクリレート(B−1)を得た。
<製造例8〜10>
製造例7において、各原料を表2に示すとおり変更した以外は、上記と同様の方法でウレタン(メタ)アクリレート(B)を得た。
Figure 0006066278
なお、表2における略号は、下記のとおりである。
PEG200MA:ポリエチレングリコールモノアクリレート,エチレンオキサイドの平均付加モル数=4.5,水酸基価:201mgKOH/g。
N3900:ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体,住化バイエルウレタン(株)社製デスモジュールN3900,イソシアネート基含有量:23.5%。
FA−2D:ポリカプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート,(株)ダイセル社製プラクセルFA−2D,カプロラクトンの平均付加モル数=2,水酸基価:168mgKOH/g。
PEG400MA:ポリエチレングリコールモノアクリレート,エチレンオキサイドの平均付加モル数=9,水酸基価:115mgKOH/g。
<実施例1>
製造例2で得られたアクリル重合体(A−2)70部、製造例8で得られたウレタンアクリレート(B−2)30部、(C)成分として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184,BASFジャパン(株)社製。以下、「Irg184」という)3部、添加剤としてポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK−307,ビックケミー・ジャパン(株)社製。以下、「BYK−307」という)0.1部、有機溶剤としてメチルエチルケトン(以下、「MEK」という)150部を均一に混合して、不揮発分40%の光硬化型樹脂組成物(1)を得た。
<実施例2〜9、比較例1〜6>
実施例1において、各成分を表3及び表4に示すとおり変更した以外は、上記と同様の方法で光硬化型樹脂組成物を得た。
<光硬化型樹脂組成物の硬化膜層を有する加飾フィルムの作製>
易接着PETフィルム(コスモシャインA4300,膜厚100μm,東洋紡績(株)社製)上に、上記の実施例及び比較例で得られた組成物を乾燥膜厚で10μmとなるよう塗布し、80℃にて1分間乾燥して有機溶剤を蒸発させた。その後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン(株)社製,光源:Hバルブ)を用いて積算光量500mJ/cmの紫外線を照射することで、光硬化型樹脂組成物の硬化膜層を有する加飾フィルムを得た。得られた硬化膜を有する加飾フィルムについて、下記の評価を実施した結果は、表3及び表4に示した。
<外観>
作製した硬化膜層を有するフィルム表面が平滑で、かつ透明であるものを「○」、表面が平滑でなく、かつ白化や曇りが観察されるものを「×」とした。
<耐擦傷性>
作製した硬化膜層を有するフィルムにスチールウール#0000を載せ、500gの荷重を掛けて20往復擦った後、JIS K7136に準拠したヘイズメーターにより擦った箇所のヘイズ値を測定し、試験前のヘイズ値との差(Δヘイズ値)で評価した。
なお、耐擦傷性の評価基準は下記のとおりである。
◎:Δヘイズ値が1%未満
○:Δヘイズ値が1%以上3%未満
×:Δヘイズ値が3%以上
<鉛筆硬度>
JIS K5600に準拠し、鉛筆を45°の角度で750gの荷重を掛けながら10mm程度引掻いた時、傷の付かなかった最も硬い鉛筆を鉛筆硬度とした。なお、鉛筆硬度の評価基準は下記のとおりである。
◎:鉛筆硬度が2H以上
○:鉛筆硬度がH
×:鉛筆硬度がH未満
<破断伸度>
作製した硬化膜層を有するフィルム10mm×60mmサイズに裁断し、破断伸度評価用サンプルを作製した。次に、オートグラフを用いて、チャック間距離が40mmとなるようフィルムをセットした後、80℃の温度条件下、10mm/minの引張速度にて引張試験を行い、硬化膜層にクラックが生じた際の伸び率を決定した。なお、破断伸度の評価基準は下記のとおりである。
◎:破断伸度が40%以上
○:破断伸度が20%以上〜40%未満
×:破断伸度が20%未満
Figure 0006066278
Figure 0006066278
なお、表3及び表4における略号は、下記のとおりである。
PETA:ペンタエリスリトールテトラアクリレート,新中村化学(株)社製NKエステルA−TMMT。
UA−306H:ペンタエリスリトールトリアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートを反応させて得られるポリアルキレングリコール又はポリカプロラクトン骨格を有しない6官能ウレタンアクリレート,共栄社化学(株)社製。
UV−6640B:重量平均分子量5,000、ポリエーテル骨格を有する2官能ウレタンアクリレート,日本合成化学工業(株)社製紫光UV−6640B。
M−315:下記式(1)で示されるイソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート,東亞合成(株)社製アロニックスM−315。
Figure 0006066278

本発明の光硬化型樹脂組成物は、表面硬度(鉛筆硬度)、耐擦傷性及び破断伸度のいずれにおいても優れていた。これに対して、(A)成分及び(B)成分の配合比率が範囲から外れており、(B)成分の配合比率が少量である比較例1の組成物は、表面硬度及び耐擦傷性に優れるものの破断伸度が低下した。また、アクリロイル基当量が大きすぎる(A)成分を含有する比較例2の組成物は、破断伸度に優れるものの表面硬度及び耐擦傷性が低下した。ポリアルキレングリコール鎖が長すぎる(A)成分を含有する比較例3の組成物は、表面硬度、耐擦傷性及び破断伸度のいずれにおいても低下した。(B)成分を架橋密度の高い多官能ウレタンアクリレートに変更した比較例4の組成物は、表面硬度及び耐擦傷性に優れるものの破断伸度が低下し、また、(B)成分を柔軟なウレタンアクリレートに変更した比較例5の組成物は、破断伸度に優れるものの表面硬度及び耐擦傷性が低下した。さらに、(B)成分としてイソシアヌレート骨格は有するが、ウレタン結合及びポリアルキレングリコール骨格を持たない3官能アクリレートを含有する比較例6の組成物は、破断伸度に優れるものの表面硬度及び耐擦傷性が低下した。

Claims (2)

  1. 下記(A)〜(C)成分を含有し、(A)成分/(B)成分の質量比が40/60〜80/20である、光硬化型樹脂組成物であって、
    (A)アクリロイル基当量200〜600g/eq、質量平均分子量5,000〜100,000のアクリル重合体
    (B)水酸基含有(メタ)アクリレートにアルキレンオキサイド及び/又はカプロラクトンを、平均で1〜8モル付加した化合物(b−1)と、イソシアヌレート骨格を有するポリイソシアネート(b−2)とを反応させて得られる、ウレタン(メタ)アクリレート
    (C)光重合開始剤
    当該(A)成分が、エポキシ基含有(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和単量体を、質量比で70/30〜50/50で重合させて得られるアクリル重合体と、エチレン性不飽和モノカルボン酸とを反応させて得られる生成物である、光硬化型樹脂組成物
  2. 請求項1に記載の光硬化型樹脂組成物からなる硬化膜層を有する、加飾フィルム。
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