JP4974823B2 - クラッチ接続制御機構 - Google Patents
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そして、クラッチを所定時間だけ「断」状態にした後、アクセル開度に対応して予め定められた運転状態となる様に、第1〜第3のクラッチバルブ(Vc1、Vc2、Vc3)を開閉制御する様に構成されているので、アクセルペダル(6)の踏み方でクラッチの接続パターンを自由に切り換えることが出来て、クラッチの種類や車型の相違に対して、木目細かい対応が可能となる。
そして、自動発進時において、ショックのないクラッチ接続が出来る。
先ず、図1を参照して、本発明の実施形態にかかるクラッチの構成について説明する。
図1において、全体を符号100で示すクラッチの接続制御機構は、例えば、ディーゼルエンジン1のエンジン回転数制御手段である電子ガバナ1Aと、クラッチハウジングに内蔵されたクラッチ2と、クラッチ操作を倍力支援するクラッチブースタ2Aと、機械式自動トランスミッション3と、その機械式自動トランスミッションの変速を自動的に行う自動シフトユニット3Aとを有している。
そして、クラッチブースタ2Aが作動する場合、すなわち、クラッチを切る(クラッチ断)場合は、エアタンク31から高圧エアがエアラインLaを経由して第3のクラッチバルブVc3に入り、クラッチブースタ2Aを作動させる。
なお、クラッチの作動パターンである「クラッチ断」、「クラッチ保持」、「自動発進用クラッチ急接続」、「クラッチ急接続」、「クラッチ緩接続」に関しては、図4〜図8を参照して後述する。
そして、第1及び第2のクラッチペダルスイッチ24、25からは信号ラインによって、クラッチペダルを「踏んだ」、「踏んでいない」の信号が、前記コントロールユニット11に伝送される。
また、前記電子ガバナ1Aも電気的にエンジンコントローラ12と接続され、燃料噴射情報(エンジン負荷情報)がエンジンコントローラ12に伝送されている。
クラッチブースタ2Aはクラッチ操作用のクラッチレバー27に接続され、そのクラッチレバー27にはクラッチストロークセンサ22が取り付けられている。
また、自動シフトユニット3Aは信号ラインによってコントロールユニット11と接続され、その時点のシフトポジションの情報がコントロールユニット11に伝送されている。
コントロールユニット11はブレーキペダルスイッチ26とも接続され、ブレーキペダルを「踏んでいる」、「踏んでいない」の情報が伝送されている。
図1において、符号Loは油圧ラインを示しており、油圧ラインLoは、クラッチマスターシリンダ8(後述の図3では省略されて描かれている)とクラッチブースタ2Aを接続し、マニュアル操作時のクラッチ操作信号を油圧として伝送する。
コントロールユニット11は、クラッチ制御部11c及びデータベース11dを有している。
またコントロールユニット11は、クラッチストロークセンサ22、アクセル開度センサ7、エンジン回転センサ29、ブレーキペダルスイッチ26、ギア位置検出手段(ギヤシフトユニット3Aに内臓)と接続されている。そしてコントロールユニット11は、これ等のセンサや検出手段から各種情報を得て、制御信号をクラッチバルブVc1、Vc2、Vc3に発信する様に構成されている。
図3において、クラッチブースタ2Aは、大径のエアシリンダ部201を有している。
クラッチブースタ2Aの上方には、詳細構造を省略した開閉弁208が設けられている。その開閉弁208は、マニュアル変速操作の場合(クラッチペダルを踏んだ場合)のみに開放されるように構成されている。
すなわち、エアタンク31から高圧エアが、エアラインL3、開閉弁208、エアラインL12を経由してダブルチェックバルブVdの一方の入口i1に流入する。するとダブルチェックバルブVdの弁体(スプール)Vdbは、左に移動して、ラインL12とラインL11とを連通させる。
したがって、自動変速時には、ダブルチェックバルブVdの弁体Vdbは、図3で示すように、右側に移動しており、ラインL5とラインL11とを連通している。
また、ダブルチェックバルブVdの出口Vdoは、エアシリンダ部201の左室201LとエアラインL11で連通している。
クラッチバルブVc1とクラッチバルブVc2は、エアラインL6及びエアラインL10で連通している。エアラインL10には、オリフィスOが介装されている。
クラッチバルブVc2は、エアラインL7及びL8を介して、エアシリンダ部201の右室201Rに連通している。
エアラインL7は、分岐点Bにおいて、エアラインL8と分岐ラインL9に分岐している。分岐ラインL9の先端にはブリーザ210が取り付けられ、ブリーザ210から大気側にエアが開放されている。
クラッチバルブVc3は、エアラインL2及びL1を介してエアタンク31に連通している。
図示の実施形態では、当該オリフィスを廃止している。
ピストン202の中心には、ロッド203が取り付けられている。ロッド203は、図3では図示しないクラッチレバー(図1の符号27参照)に係合しており、ピストン202の左右の動きに従ってクラッチレバー27が揺動する様に構成されている。
図3において、符号Srは、ピストン202を図示の左側に付勢するリターンスプリングである。
「クラッチ断」モードでは、第1のクラッチバルブVc1及び第3のクラッチバルブVc3は共にON、第2のクラッチバルブVc2はOFFとなる。
従ってエアタンク31から高圧エアがエアシリンダ部201の左室201Lに流入し、クラッチブースタ2Aのピストン202及びロッド203は右行(矢印Ya)して図示しないクラッチレバーを反時計回りに揺動させ、「クラッチ断」に操作する。
「クラッチ保持」モードでは、第1のクラッチバルブVc1はON、第2のクラッチバルブVc2、第3のクラッチバルブVc3は共にOFFとなる。
すると、エアシリンダ部201の左室201L側のエアは、エアラインL11、ダブルチェックバルブVd、エアラインL5、第1クラッチバルブVc1、ラインL6、第2のクラッチバルブVc2、ラインL4までは連通する。ここで、第2クラッチバルブVc2、第3のクラッチバルブVc3は閉塞しているので、エアシリンダ部201の左室201L側のエアは移動せず、クラッチブースタ2Aのピストン202は現状位置に保持される。
ここで、「クラッチ急接続」制御には、自動発進時における「クラッチ急接続」制御、と発進時以外(走行中の変速時)での「クラッチ急接続」制御がある。
本明細書において、自動発進時における「クラッチ急接続」制御を、便宜上「急接続−1」と記載し、発進時以外での「クラッチ急接続」を、便宜上「急接続−2」と記載する。
図12では、領域Laの「急接続−1」の後、領域Lbの「緩接続」及び領域Lcの「保持」を3回繰り返し、領域Ldの「急接続−2」を経て、クラッチが接続される。クラッチが接続される以前には、変速操作によって自動変速機3は、例えば、1stに入っている。
例えば、2ndでクラッチがつながった状態「接」から、領域Leでクラッチを切り(「断」)、領域Lcで一端クラッチを「断」状態に保持する。この時、変速機3内では自動的に、3rdに切り換え、領域Ldで「急接−2」を行い、途中の領域Lbで「緩接続」を経て、領域Ldで「急接−2」させ、再び、クラッチをつないでいる。
その場合、第3のクラッチバルブVc3がOFFであるので、エアタンク31からのエアの供給は断たれている。
そして、第1のクラッチバルブVc1及び第2のクラッチバルブVc2はONであるため、エアラインL11は、ラインL5、L6、L7を経由してラインL8及びラインL9に連通する。
すると、エアシリンダ部201の右室201Rに備えられたリターンスプリングSrが作用して、ピストン202及びピストンロッド203は、急激に左行(矢印Ybの動き)して、クラッチを急激に接続する方向へ移動するのである。
自動発進時以外での「急接続−2」のモードでは、第1のクラッチバルブVc1及び第3のクラッチバルブVc3はOFF、第2のクラッチバルブVc2がONとなる。
その場合、第3のクラッチバルブVc3がOFFであるので、エアタンク31からのエアの供給は断たれている。
そして、第1のクラッチバルブVc1がOFFで、第2のクラッチバルブVc2がONであるため、エアラインL11は、ラインL5、L6、L10、L7を経由してラインL8及びラインL9に連通する。
「急接続−1」と「急接続−2」との差異は、「急接続−2」の場合には、「急接続−1」とは異なり、ラインL10にもエアが流れることである。
したがって、例えば、自動発進時の急接続−1では、図14に示すように、領域Laの末期において、クラッチストロークにオーバーシュート(OS点)が生じる。
そこで、図示の実施形態では、図14において、オーバーシュート(OS点)が発生したら、一旦、領域Leでクラッチを切る(「断」)。その後、後述する様に、運転手の「癖」に対応して、「緩接続」、「保持」等の操作を実行して、クラッチを接続している。
なお、図14において、領域Leの後に「緩接続」操作を行った場合でも、図8を参照して後述するように、作動エアが第2のクラッチバルブVc2のオリフィスO(図8参照)を通過するために、クラッチストロークが再びオーバーシュートしてしまうことはない。
第3のクラッチバルブVc3がOFFであるので、エアタンク31からのエアの供給は断たれている。
そして、第1のクラッチバルブVc1及び第2のクラッチバルブVc2がOFFであるため、エアシリンダ部201の左室201L側のエアは、エアラインL11、ダブルチェックバルブVd、エアラインL5、第1クラッチバルブVc1、エアラインL10、エアラインL7を介して、エアラインL8及びエアラインL9を流れる。
左室201L側のエアがエアラインL8を流れるため、エアシリンダ部201の左室201Lと右室201Rは連通する。さらに、左室201L側のエアがエアラインL9を流れるため、ブリーザ210を介して大気にも連通する。
ここで、エアラインL10には、オリフィスOが介装されているので、エアラインL10を流れるエアの量が減少し、エアラインL9を介して大気へエアが開放されるのが緩やかに行われる。
大気へのエアの開放と共に、リターンスプリングSrの付勢によって、ピストン202及びロッド203は緩やかに左行(矢印Yb)して、クラッチが接続される方向へ緩やかに移動する。
その様な個人差に対処するために、図示の実施形態では、アクセルの踏み込み量(アクセル開度パターン:図15参照)と、それに対応する適正なクラッチ操作制御の関係を、拡運転者毎に設定している(図16のマップ参照)。
そして、アクセル開度パターン(図15)及び制御マップ(図16)を図2のコントロールユニット11のデータベース11dに記憶させている。
図14における点線Lxは、ドライバーによって異なるアクセルペダルの踏み込み量に対応したクラッチストロークの特性の一例を示している。
なお、図9で原理のみを示す制御については、図10、図11のフローチャートを参照して、より詳細に後述される。
ストロークが閾値以上に「接続」側になったなら(ステップS2がYES)、ステップS3に進み、異常があるか否かを判断する(ステップS3)。
ステップS7では、コントロールユニット11は、データベース11dに記憶されたアクセル開度に対応する運転パターン(図16参照)により操作を行い、その後、ステップS8の半クラッチ制御に移る。
ここで、ステップS8の半クラッチ制御は、従来技術と同様の制御である。
図10のステップS11では、アクセル開度センサ7(図1参照)からの情報を得て、計測されたアクセル開度を設定アクセル開度と比較する。計測されたアクセル開度が設定アクセル開度以上になるまで待機し(ステップS11がNOのループ)、設定アクセル開度以上になったら(ステップS11がYES)、ステップS12に進む。
ステップS12の段階では、クラッチの急接続を行っておらず、クラッチは100%「断」の状態になっているはずである。それにもかかわらず、クラッチストロークが所定値以上、「接」側であれば(ステップS12がYESの場合)、何等の異常が生じているものと判断し、ステップS13において、フラグをセットする。
ステップS14で、第1のクラッチバルブVc1及び第2のクラッチバルブVc2をONにして、第3のクラッチバルブVc3をOFFとして、クラッチを「急接続」する。
ステップS16では、ステップS13でフラグがセットされたか否かを判断する。クラッチに何等かの異常があり、フラグがセットされた場合には(ステップS16がYESで異常あり)、そのまま半クラッチ制御に移行する。
一方、クラッチに異常がなく、フラグがセットされていなければ(ステップS16がNO)、ステップS17に進む。
所定時間T1が経過するまではそのまま待機し(ステップS18がNOのループ)、所定時間T1が経過したなら(ステップS18がYES)、図11のステップS21に進む。
図11において、ステップS21では、アクセル開度αがA(図15参照)以上か否かを判断する。アクセル開度αがA以上であれば(ステップS21がYES)、ステップS22に進む。アクセル開度がA以上でなければ(ステップS21がNO)、ステップS25に進む。
ステップS22では、図16で示す制御マップを読み出して、アクセル開度がA以上である場合、クラッチ接続パターンが0(図16参照)、すなわち「何もしない」なのか否かを判断する。クラッチ接続パターンが0、すなわち「何もしない」のであれば(ステップS22がYES)、そのまま半クラッチ制御に進む。一方、クラッチ制御を行うのであれば(ステップS22がNO)、ステップS23に進む。
1の「緩接続」、
2の「保持」、
3の「クラッチ断」、
の何れかの操作を行う。
そして、所定時間T2が経過したか否かを判断し(ステップS24)、所定時間T2が経過したならば(ステップS24がYES)半クラッチ制御に移る。
そしてステップS28で所定時間T3が経過したか否かを判断し、所定時間T3が経過したならば(ステップS28がYES)、半クラッチ制御に移る。
そして、所定時間T4が経過したか否かを判定し(ステップS32)、所定時間T4が経過したならば(ステップS32がYES)、半クラッチ制御に移る。
そして、ステップS35で所定時間T5が経過したか否かを判断する。所定時間T5が経過したならば(ステップS35がYES)、半クラッチ制御に移る。
そして、クラッチを所定時間だけ「断」状態にした後、アクセル開度に対応して予め定められた運転状態となる様に、第1〜第3のクラッチバルブVc1、Vc2、Vc3を開閉制御する様に構成されているので、アクセルペダル6の踏み方でクラッチの接続パターンを自由に切り換えることが出来て、クラッチの種類や車型の相違に対して、木目細かい対応が可能となる。
そして、自動発進時において、ショックのないクラッチ接続が出来る。
したがって、運転者の意思に良く合致したクラッチ接続制御、換言すれば運転者の特性(いわゆる運転の「癖」)に合わせたクラッチ接続制御が可能となる。
例えば、図15で示すアクセル開度と対応する制御の領域や、図16で示す制御マップは、図示のものに限定される訳ではない。種々の変形が可能である。
1A・・・エンジン回転数制御手段/電子ガバナ
2・・・クラッチ機構
2A・・・クラッチブースタ
2P・・・クラッチペダル
3・・・機械式トランスミッション
3A・・・ギヤシフトユニット
4・・・シフトレバーユニット
4A・・・シフトレバー
7・・・アクセルペダルセンサ
11・・・トランスミッションコントロールユニット/コントロールユニット
22・・・クラッチストロークセンサ
31・・・エアタンク
Vc1〜Vc3・・・クラッチバルブ
Claims (2)
- 機械式トランスミッション(3)を搭載した車両に用いられ、クラッチ断・接倍力装置(2A)と、エア供給源(31)からそのクラッチ断・接倍力装置(2A)へ連通する回路(La)に介装された第1〜第3のクラッチバルブ(Vc1〜Vc3)と、クラッチストロークを検出するストロークセンサ(22)と、アクセル開度を検出するアクセルセンサ(7)と、それらを制御する制御装置(11)とを備え、エア圧力によってクラッチ断・接の制御を行なうクラッチ接続制御機構(100)において、前記3クラッチバルブ(Vc1〜Vc3)のON/OFFの組み合わせによって、「クラッチ断」、「クラッチ保持」、「自動発進用クラッチ急接続」、「クラッチ急接続」、「クラッチ緩接続」の各制御モードを選択可能に構成し、前記制御装置(11)は、ストロークセンサ(22)の信号からストロークが閾値以上か判定し(S1)、閾値以上であれば異常があるか否か判断し(S3)、異常があれば半クラッチ制御を行ない(S8)、異常がなければクラッチ(2)を断とし(S5)、アクセル開度センサ(7)の信号によって予め記憶された運転パターンに基づく制御操作を行ない(S7)、その後に半クラッチ制御(S8)を行なう制御機能を有していることを特徴とするクラッチ接続制御機構。
- 前記制御装置(11)は、アクセル開度に対応して予め定められた運転状態を、運転者毎に取得された運転データに基づいて予め決定されたアクセル開度と運転状態との組み合わせによって決定する機能を有している請求項1のクラッチ接続制御機構。
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