JP4973606B2 - 動力伝達装置 - Google Patents
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Description
また、かかる動力伝達装置では、圧縮機が焼き付きを起した際に動力伝達のためのベルト切れ等の不具合を回避するために、動力伝達部位の一部分を螺子嵌合させるトルクリミッタ(動力遮断部材)を設けている。
本発明は、以上のような課題を改善するために提案されたものであって、型構造が複雑化せず、かつハブの脱落を効果的に回避することのできる、動力伝達装置を提供することを目的とする。
この際、ダンパーリップ(45)は、プーリ(2)の凹部(21)に圧接した状態で密着することができるので、シール性が向上し、異物や液体の侵入を完全に阻止することができる。
また、ダンパーリップ(45)をプーリ(2)の凹部(21)に圧入時、ダンパーリップ(45)の突部(45a)がダンパーリップ(45)の弾性力に加えて、ハブ(4)を脱落しないように圧接し、保持力を確保することができる。これにより、シール性が向上し、ゴミ等の異物や水等の液体が、プーリ(2)の凹部(21)の奥深く侵入することを防止することができる。
図1に、動力伝達装置1の第1実施形態を示す。
この動力伝達装置1は、駆動源と動力的に連結するプーリ2から、被駆動機器である圧縮機の回転軸3に、ハブ4と動力遮断部材5(以下、トルクリミッタ5)とを介して動力を伝達する構成としたものである。このプーリ2とハブ4とは、同軸上に設けられている。なお、本発明では、動力遮断部材であるトルクリミッタ5を設けた構成のものに限らず、回転軸3にハブ4を直接的に固定した構成の動力伝達装置1も対象としている。
このプーリ2は、好適には熱可塑性合成樹脂材で成型されていて、後述するハブ4を嵌合するための複数の凹部21がリブ22で等間隔毎に区画形成されている。なお、プーリ2は、金属性素材で形成されてもよい。
プーリ2が樹脂製の場合は、通常はプーリ2、環部材9及び軸受7はインサート成形により一体化することができる。プーリ2の外周面にはベルト(図示せず)が巻き掛けられ、プーリ2は、エンジンやモータ等の外部からの動力によって回転する。
軸受7は、ボス部61に嵌合していて、ボス部61の端部62と、ボス部61の外周面に形成された溝に嵌め込まれた第1留め輪(スナップリング)10とによって軸方向の移動が阻止されている。また、ケーシング6と回転軸3とは軸封装置11によって密封されており、冷媒やオイル等が外部に漏れるのを防止している。さらに、軸封装置11もまた、ボス部61の内周面に形成された溝に嵌め込まれた第2留め輪(スナップリング)12によって軸方向の移動が阻止されている。
インナーハブ41の内周面41aは、ほぼトルクリミッタ5の外周面に適合する形状に形成されていて、トルクリミッタ5の大外径部位の外周面(嵌合部)51に嵌合するかしめ部41aが設けられている。本実施形態では、図2に示されるようにハブ4のかしめ部41aは二箇所形成されていて、6角形状に形成されているトルクリミッタ5の嵌合部51のうちの、対角線上で対向する2つの角部に対向して形成されている。
このようにして、ハブ4とトルクリミッタ5とは嵌合により固定されている。また、ハブ4のリア側端面41bは、ワッシャ13の端部B132に当接することによって、ハブ4は、トルクリミッタ5とワッシャ13とによって挟持されるようにもなっている。インナーハブ41の外周面は、弾性部42に接着等により結合されている。
なお、上記説明においては、ハブ4がインナーハブ41、弾性部42及びアウターリング43の3者より構成されているものとして説明しているが、アウターリング43を省略して、ハブ4をインナーハブ41と弾性部42の2者で構成してもよい(後述)。
弾性部42は、ゴムや樹脂等の弾性素材から形成され、インナーハブ41とアウターリング43間に配置して、インナーハブ41の外周面及びアウターリング43の内周面に接着等の手段によって接合されている。或いは、これら3者はインサート成形により一体に形成されてもよい。この弾性部42はトルク伝達用として機能するだけでなく、トルクダンパとしても機能する。
かかるダンパーリップ45は、アウターリング43を包囲する弾性部42の外周面に一体的に設けて、拡径的、すなわち鉛直状に、且つ弾性的に突出するように構成している。
なお、プーリ2のリブ22が形成された表面側は、外部に露出しているため、ゴミ等の異物や液がプーリ2の凹部21内に侵入し易い。
なお、かかるプーリ2のリブ22の前面の縁部には、面取り加工が施され、アール形状をなしている。
この際、弾性部42の凸部44に隣接したフロント側部位から、凸部44よりも径方向外側まで延在するように突出する環状のダンパーリップ45を設けているため、このダンパーリップ45は、弾性部42の弾性力により、プーリ2の縁部側からプーリ2側の凹部21の壁面に弾発的に当接しながら圧入され、ハブ4とプーリ2とが嵌合状態となる(図5参照)。
その際、ダンパーリップ45は、プーリ2側の凹部21の壁面に、折畳まれた状態で圧接状態にあるため、シール性が向上し、凹凸嵌合部の前面が完全に覆われるため、ゴミ等の異物や水等の液体が、プーリ2の凹部21の奥深く侵入することを防止でき、この部分の異常摩耗等を防止できる。
図6は、第2実施形態にかかるプーリ2に嵌合されるハブ4を示している。
ここでのハブ4の構成要素において、第1実施形態におけるハブ4と実質的に同様の構成要素には、同符号を付すものとする。
図10は、第3実施形態にかかる動力伝達装置1を示している。
ここでの動力伝達装置1では、ハブ4を、アウターリング43を省略して、インナーハブ41と弾性部42と2者で構成して、プーリ2における凹部21の底部側に、ハブ4における凸部44を嵌合する嵌合孔23を設ける構成としている。
2 プーリ
21 凹部
22 リブ
23 嵌合孔
3 回転軸
31 工具形状部
32 螺子部
33 段部
4 ハブ
41 インナーハブ
41a 嵌合部
41b リア側端面
42 弾性部
43 アウターリング
44 凸部
45 ダンパーリップ
45a 突部
5 トルクリミッタ
51 嵌合部
52 螺子部
53 切り欠き部
6 ケーシング
61 ボス部
62 端部
7 軸受
8 リング
9 環部材
10 第1留め輪
11 軸封装置
12 第2留め輪
13 ワッシャ
131 端部A
132 端部B
Claims (4)
- 駆動源と動力的に連結するプーリ(2)と、
前記プーリ(2)に凹凸嵌合により結合されるハブ(4)と、
前記ハブ(4)と被駆動機器の回転軸(3)との間に介在して、過大トルクの伝達を遮断する動力遮断部材(5)とを具備する動力伝達装置(1)において、
前記プーリ(2)は、凹部(21)を備え、
前記ハブ(4)は、弾性部(42)と、前記弾性部により包囲される形のアウターリング(43)を有すると共に、前記プーリ(2)の前記凹部(21)と嵌合する凸部(44)を備えており、
さらに、前記ハブ(4)には、前記凸部(44)よりも径方向外側まで延在し、前記プーリ(2)の凹部(21)に圧入することで前記ハブ(4)と前記プーリ(2)との結合状態を維持するダンパーリップ(45)が設けられていて、前記ダンパーリップ(45)は、前記プーリ側の前記凹部(21)の壁面により圧接されることで、前記アウターリング(43)に向かって折畳まれた状態となることを特徴とする動力伝達装置。 - 前記ハブ(4)は、更にインナーハブ(41)を具備し、
前記ダンパーリップ(45)は、前記アウターリング(43)の外周面に一体的に設けて、拡径的に且つ弾性的に突出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。 - 前記ハブ(4)は、前記ダンパーリップ(45)を、所定間隔毎に前記アウターリング(43)外側の前記弾性部(42)に突設し、前記ダンパーリップ(45)には、嵌合すべきプーリ(2)側に向けて、突部(45a)を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の動力伝達装置。
- 前記プーリ(2)の縁部が面取りまたはアール形状をなしていることを特徴とする請求項1〜3に記載のうちいずか一項に記載の動力伝達装置。
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