JP4973120B2 - 液状樹脂組成物の製造方法、液状樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents
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Description
また、本発明の目的は、上述の液状樹脂組成物を用い、耐半田クラック性等の信頼性に優れた半導体装置を提供することにある。
(1)銀粉(A)と、熱硬化性樹脂(B)と、一般式(1)で示される化合物(C)と、を含む液状樹脂組成物の製造方法であって、前記銀粉(A)および前記熱硬化性樹脂の一部(B1)を予め混合して第1の混合物(D1)を得る第1混合工程と、前記化合物(C)および前記熱硬化性樹脂の残部(B2)を予め混合して第2の混合物(D2)を得る第2混合工程と、さらに、前記第1の混合物(D1)および前記第2の混合物(D2)を混合する第3混合工程と、を有することを特徴とする液状樹脂組成物の製造方法。
(3)前記第1混合工程は、前記銀粉(A)の表面を前記熱硬化性樹脂(B)の一部(B1)で覆うものである上記(1)または(2)に記載の液状樹脂組成物の製造方法。
(4)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の液状樹脂組成物の製造方法により得られることを特徴とする液状樹脂組成物。
(5)上記(4)に記載の液状樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする半導体装置。
本発明の液状樹脂組成物の製造方法は、銀粉(A)と、熱硬化性樹脂(B)と、一般式(1)で示される化合物(C)と、を含む液状樹脂組成物の製造方法であって、
前記銀粉(A)および前記熱硬化性樹脂の一部(B1)を予め混合して第1の混合物(D1)を得る第1混合工程と、前記化合物(C)および前記熱硬化性樹脂の残部(B2)を予め混合して第2の混合物(D2)を得る第2混合工程と、さらに、前記第1の混合物(D1)および前記第2の混合物(D2)を混合する第3混合工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の半導体装置は、上記に記載の液状樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする。
本発明の液状樹脂組成物の製造方法は、銀粉(A)と、熱硬化性樹脂(B)と、前記一般式(1)で示される化合物(C)と、を含む液状樹脂組成物の製造方法(以下、製造方法と略す)である。
本発明の製造方法は、前記銀粉(A)および前記熱硬化性樹脂の一部(B1)を予め混合して第1の混合物(D1)を得る第1混合工程を有する。これにより、前記銀粉(A)の表面を前記熱硬化性樹脂の一部(B1)で覆うことが可能となる。
さらに前記化合物(C)と前記熱硬化性樹脂の残部(B2)を予め混合して第2の混合物(D2)を得る第2混合工程を有する。これにより前記化合物(C)の濃度を下げることが可能となる。
最後に第1の混合物(D1)と第2の混合物(D2)を混合する第3混合工程を有する。これにより前記熱硬化性樹脂の一部(B1)で覆われた前記銀粉(A)と低い濃度に調整された前記化合物(C)が接触する確立を下げることが可能になり銀粉(A)が、前記化合物(C)と過度に反応するのを抑制できる。
銀は各種金属の中でも特に熱伝導率の高いものであり、また化学的にも安定であるため好適に使用される。銀粉(A)は熱伝導率に悪影響を与えない範囲で他の金属を含むことも可能であるが、他の金属を含む場合には一般的に熱伝導率が低下する傾向があるため、銀粉中の銀の割合は、特に限定されないが、90重量%以上が好ましく、より好ましくは95重量%以上であり、特に好ましいのは99重量%以上である。
前記熱硬化性樹脂(B)は、加熱することで反応が進行し高分子量化するものであり、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、マレイミド樹脂等が挙げられる。
前記エポキシ樹脂は、グリシジル基を分子内に1つ以上有する化合物を含み、加熱によりグリシジル基同士の反応、グリシジル基と後述する硬化剤に含まれる官能基との反応により高分子量化する熱硬化性樹脂である。グリシジル基が1分子内に2つ以上含まれている化合物を含むことが好ましい。これはグリシジル基が1つの化合物のみでは反応させても十分な硬化物特性を示すことができないからである。グリシジル基を1分子内に2つ以上含む化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノール等のビスフェノール化合物又はこれらの誘導体、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF、水素添加ビフェノール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シジロヘキサンジエタノール等の脂環構造を有するジオール又はこれらの誘導体、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール等の脂肪族ジオール又はこれらの誘導体等をエポキシ化した2官能のもの、トリヒドロキシフェニルメタン骨格、アミノフェノール骨格を有する3官能のもの、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等をエポキシ化した多官能のもの等が挙げられるが、これらに限定されない。
硬化剤としては、例えば脂肪族アミン、芳香族アミン、ジシアンジアミド、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物、酸無水物、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記ジヒドラジド化合物としては、例えばアジピン酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、P−オキシ安息香酸ジヒドラジド等のカルボン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
前記酸無水物としては、例えばフタル酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、無水マレイン酸とポリブタジエンの反応物、無水マレイン酸とスチレンの共重合体等が挙げられる。
前記フェノール樹脂は、1分子内にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物であり、1分子内にフェノール性水酸基を1つ有する化合物の場合には架橋構造をとることができないため硬化剤としては使用しない。前記フェノール樹脂は、1分子内のフェノール性水酸基数が2つ以上であれば使用可能であるが、好ましいフェノール性水酸基の数は2〜5である。これより多い場合には分子量が大きくなりすぎるので導電性ペーストの粘度が高くなりすぎるため好ましくない。より好ましい1分子内のフェノール性水酸基数は2つ又は3つである。このようなフェノール樹脂としては、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラメチルビフェノール、エチリデンビスフェノール、メチルエチリデンビス(メチルフェノール)、シクロへキシリデンビスフェノール、ビフェノールといったビスフェノール類及びその誘導体、トリ(ヒドロキシフェニル)メタン、トリ(ヒドロキシフェニル)エタンといった3官能のフェノール類及びその誘導体、フェノールノボラック、クレゾールノボラックといったフェノール類とホルムアルデヒドを反応することで得られる化合物で2核体又は3核体がメインのもの及びその誘導体等が挙げられる。
硬化促進剤としては、イミダゾール類、トリフェニルホスフィン又はテトラフェニルホスフィンの塩類、ジアザビシクロウンデセン等アミン系化合物及びその塩類等が挙げられるが、2−メチルイミダゾール,2−エチルイミダゾール,2−フェニルイミダゾール,2−フェニル−4−メチルイミダゾール,2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール,2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール,2−C11H23−イミダゾール、2−メチルイミダゾールと2,4−ジアミノ−6−ビニルトリアジンとの付加物といったイミダゾール化合物が好適に用いられる。なかでも特に好ましいのは融点が180℃以上のイミダゾール化合物である。
前記分解温度が40℃未満だと導電性ペーストの常温における保存性が低下する場合があり、140℃を超えると硬化時間が極端に長くなる場合がある。これを満たす熱ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えばメチルエチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、P−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、桂皮酸パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、α、α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が挙げられるが、これらは単独又は硬化性を制御するため2種類以上を混合して用いることもできる。
まず、良好な接着特性を得ることができる点である。従来から、硫黄原子を含有する化合物が金属との密着を向上させることはよく知られている。しかし、本発明ではこのような硫黄原子を含む化合物の中でもスルフィド結合を有する化合物(C)を、銀粉(A)および熱硬化性樹脂(B)と同時に使用することで良好な接着性を有する樹脂組成物を得ることが可能となることを見出したものである。
次に、硬化反応時に前記化合物(C)と銀粉(A)とが反応することで樹脂組成物と支持体との接着力を向上するのみならず樹脂組成物自体の凝集力を向上させる点である。この樹脂組成物と支持体との接着力の向上および樹脂組成物の自体の凝集力向上を、図1、2を使用して説明する。図1は、前記化合物(C)の一例であるA−1289(日本ユニカー(株)製、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)単独のDSC曲線であり、図2はA−1289と銀粉を重量比1対1で混合したサンプルのDSC曲線である(測定条件は、サンプル重量約30mg、昇温は室温から10℃/分とした)。図1には、明確なピークは見られないが、図2では60℃付近から発熱が観察され始め、ピーク温度が約100℃、反応の終了は約130℃と非常にブロードな発熱ピークが観察される。この発熱ピークは銀粉とA−1289が同時に存在する時に始めて観察されることから銀粉とA−1289の反応と考えられる。このように前記化合物(C)は前記銀粉(A)の表面と反応すること、しかも60℃付近から非常に緩やかに反応し始めることが確認できた。この点が非常に重要であり、室温以下で保存している間には前記化合物(C)と前記銀粉(A)の表面とは、ほとんど反応せず硬化反応中に反応し始める。そのため前記化合物(C)は、硬化反応時に支持体の表面および銀粉(A)の表面の両方に作用することが可能であることを示している。この結果、支持体との接着力向上と同時に銀粉(A)−樹脂間の結合が強固になるため樹脂硬化物(樹脂組成物)の凝集力を向上させることが可能となると考えられる。
次に、熱硬化性樹脂(B)としてラジカル重合性のアクリル樹脂、マレイミド樹脂を使用した場合に発揮される良好な保存性である。このようなラジカル重合性の熱硬化性樹脂の重合開始剤として有機過酸化物を使用した場合、保存中でも分解は進行しており特に分解温度の低い重合開始剤の場合には分解により発生したラジカルがアクリル樹脂、マレイミド樹脂等の反応を引き起こし粘度上昇が顕著になる。通常ハイドロキノン等の禁止剤を添加することで粘度上昇を抑えるが、禁止剤を多量に配合すると硬化性が低下し、硬化物の特性が低下する場合がある。これに対して、前記化合物(C)が有するスルフィド結合は、発生したラジカルをトラップすることが可能なので禁止剤として働き粘度上昇を抑制することが可能であると共に、硬化開始温度の上昇は見られるが汎用の禁止剤ほどの悪影響は小さい。なかでも硬化物特性の低下が抑制できるので、好適に使用することが可能である。
そこで本発明では、前記化合物(C)のような活性水素基を有しない化合物を使用するものである。
ここで前記熱硬化性樹脂の残部(B2)は前記化合物(C)との相溶性が優れることが好ましく、第2の混合物(D2)の粘度が低い方が第3混合工程での混合作業が容易で、均一な液状樹脂組成物を容易に得ることができるので好ましい。このため特に好ましい熱硬化性樹脂の残部(B2)としては、熱硬化性樹脂(B)としてエポキシ樹脂を使用する場合にはグリシジル基を有する希釈剤、熱硬化性樹脂(B)としてラジカル重合性の樹脂を用いる場合にはラジカル重合性の希釈剤が挙げられる。
上述のような工程を経て、液状樹脂組成物を得ることができる。この液状樹脂組成物の硬化物は、良好な熱伝導性および高温での良好な接着力を示す。
本発明の半導体装置は、上述の液状樹脂組成物を公知の方法を用いることができる。例えば、市販のダイボンダーを用いて、リードフレームの所定の部位に樹脂組成物をディスペンス塗布した後、チップをマウントし、加熱硬化する。その後、ワイヤーボンディングして、エポキシ樹脂を用いてトランスファー成形することによって半導体装置を製作する。またはフリップチップ接合後アンダーフィル材で封止したフリップチップBGAなどのチップ裏面に液状樹脂組成物をディスペンスしヒートスプレッダー、リッドといった放熱部品を搭載し加熱硬化する等である。これにより、上述の液状樹脂組成物の硬化物を有する半導体装置を得ることができる。
(実施例1)
1.第1の混合物(D1)の調製
銀粉(A)として化学還元法により得られた銀粒子を洗浄乾燥した後、滑剤を加えて凝集を解きほぐす程度に軽度に粉砕した後、開口15μmのメッシュにてろ過することにより得られた銀粉(平均粒径8μm、タップ密度5.8g/cm3、以下銀粉)と、熱硬化性樹脂(B)としてビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応により得られるジグリシジルビスフェノールA(エポキシ当量180、室温で液体、以下化合物Ba)、クレジルグリシジルエーテル(エポキシ当量185、以下化合物Bb)およびビスフェノールF(大日本インキ工業(株)製、DIC−BPF、水酸基当量100、以下化合物Bc)と、硬化剤としてジシアンジアミド(以下化合物Bd)と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(キュアゾール2P4MHZ:四国化成工業(株)製、以下化合物Be)と、カップリング剤としてグリシジル基を有するシランカップリング剤(信越化学工業(株)製、KBM−403E、以下化合物Ea)と、を表1のように配合し、3本ロールを用いて25〜28℃で混練することで第1の混合物(D1a)を得た。
熱硬化性樹脂(B)のとして前記化合物Bb(クレジルグリシジルエーテル(エポキシ当量185、以下CGE))90gと、前記化合物(C)としてビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(日本ユニカー(株)製、A−1289、一般式(1)のR1、R3がともにエトキシ基、a、bがともに3、m1、m2がともに3、m3が4、以下化合物Ca)10gと、をフラスコに入れ、室温で30分間攪拌して、混合物(D2a、前記化合物(C)の含有量が10重量%)を得た。
得られた第1の混合物(D1a)を入れたステンレスビーカーをインクミキサーにセットし攪拌しながら、第2の混合物(D2a)を加えそのまま室温で15分間攪拌した。(D2a/D1a=0.0178)、その後3本ロールを用いて25〜28℃で混練し、脱泡することで液状樹脂組成物を得た。
表1に示す割合で配合し実施例1と同様に作製した混合物(D1b)と、以下に示す第2の混合物(D2b)とを混合することで液状樹脂組成物を得、(D2b/D1b=0.0457)評価に用いた。
第2の混合物(D2)の調製
熱硬化性樹脂(B)のとして前記化合物Bb(クレジルグリシジルエーテル)96gと、前記化合物Ca(ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)4gと、をフラスコに入れ、室温で30分間攪拌して、混合物(D2b、前記化合物(C)の含有量が4重量%)を得た。
表1に示す割合で配合し実施例1と同様に作製した混合物(D1)と、以下に示す第2の混合物(D2)とを混合することで液状樹脂組成物を得て、評価に用いた。
第1の混合物の調製に、実施例3〜4では、ポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステル(大日本インキ工業(株)製、ルミキュアMIA−200、マレイミド化グリシンとポリテトラメチレングリコールジオールの反応物、以下化合物Bf)、シクロヘキサンジカルボン酸のジアリルエステルとポリプロピレングリコールとの反応により得られたジアリルエステル化合物(分子量1000、ただし原料として用いたシクロヘキサンジカルボン酸のジアリルエステルを約15%含む、以下化合物Bg)、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル1、6HX、以下化合物Bi)、シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(日本化成(株)製、CHDMMA、以下化合物Bj)、ジクミルパーオキサイド(日本油脂(株)製、パークミルD、急速加熱試験における分解温度:126℃、以下化合物Bk)、メタクリル基を有するシランカップリング剤(信越化学工業(株)製、KBM−503P、以下化合物Eb)を、実施例5では1,4−ジメタノールシクロヘキサン/1,6−ヘキサンジオール(=3/1(重量比))と炭酸ジメチルから合成した分子量約900のポリカーボネートジオールにメタクリル酸メチルを反応することにより得られるポリカーボネートジメタクリレート化合物(宇部興産(株)製、UM−90(3/1)DM、以下化合物Bh)を用いた。
第2の混合物(D2c)
熱硬化性樹脂(B)のとして前記化合物Bj(シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート)90gと、前記化合物Ca(ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)10gと、をフラスコに入れ、室温で30分間攪拌して、混合物(D2c、前記化合物(C)の含有量が10重量%)を得た。
熱硬化性樹脂(B)のとして前記化合物Bj(シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート)75gと、前記化合物Ca(ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)25gと、をフラスコに入れ、室温で30分間攪拌して、混合物(D2d、前記化合物(C)の含有量が25重量%)を得た。
前記化合物(C)を用いずに、表1のように配合し、3本ロールを用いて25〜28℃で混練し、脱泡することで液状樹脂組成物を得た。
前記化合物(C)を用いたが、表1のように配合し、3本ロールを用いて25〜28℃で混練し、脱泡することで液状樹脂組成物を得た。
1.粘度
E型粘度計(3°コーン)を用い25℃、2.5rpmでの値を各実施例および比較例で得られた液状樹脂組成物を作製直後に測定した。粘度の値が20±10Pa・Sのものを合格とした。粘度の単位はPa・Sとした。
各実施例および比較例で得られた液状樹脂組成物を用いて、6×6mmのシリコンチップを銀メッキした銅フレームにマウントし、175℃30分硬化した。硬化後及び吸湿(85℃、85%、72時間)処理後に自動接着力測定装置を用い260℃での熱時ダイシェア強度を測定した。260℃熱時ダイシェア強度が30N/チップ以上の場合を合格とした。接着強度の単位はN/チップとした。
各実施例および比較例で得られた液状樹脂組成物を用いて直径2cm、厚さ1mmのディスク状の試験片を作製した。(硬化条件は175℃×2時間。ただし175℃までは室温から30分間かけて昇温した。)レーザーフラッシュ法(t1/2法)にて測定した熱拡散係数(α)、DSC法により測定した比熱(Cp)、JIS−K−6911準拠で測定した密度(ρ)より次式を用いて熱伝導率を算出した。
熱伝導率=αxCpxρ
熱伝導率が10W/mK以上のものを合格とした。熱伝導率の単位はW/mKとした。
各実施例および比較例で得られた液状樹脂組成物を用い、下記の基板(リードフレーム)とシリコンチップを175℃30分間硬化し接着した。ダイボンドしたリードフレームを封止材料(スミコンEME−G700L、住友ベークライト(株)製)を用い封止し半導体装置(パッケージ)とし、85℃、相対湿度60%、168時間吸湿処理した後、IRリフロー処理(260℃、10秒、3回リフロー)を行った。処理後のパッケージを超音波探傷装置(透過型)により剥離の程度を測定した。ダイアタッチ部の剥離面積が10%未満の場合を合格とした。剥離面積の単位は%とした。
パッケージ:QFP(14×20×2.0mm)
リードフレーム:銀メッキした銅フレーム
チップサイズ:6×6mm
液状樹脂組成物硬化条件:175℃、30分
また、実施例2〜5は、吸湿処理後の接着強度が特に優れていた。
また、実施例1〜5は、粘度が所定範囲内であり作業性に優れ、かつ耐リフロー性にも優れていた。
Claims (5)
- 銀粉(A)と、熱硬化性樹脂(B)と、一般式(1)で示される化合物(C)と、を含む液状樹脂組成物の製造方法であって、
前記銀粉(A)および前記熱硬化性樹脂の一部(B1)を予め混合して第1の混合物(D1)を得る第1混合工程と、
前記化合物(C)および前記熱硬化性樹脂の残部(B2)を予め混合して第2の混合物(D2)を得る第2混合工程と、
さらに、前記第1の混合物(D1)および前記第2の混合物(D2)を混合する第3混合工程と、を有することを特徴とする液状樹脂組成物の製造方法。
- 前記化合物(C)の含有量は、前記第2の混合物(D2)全体の1重量%以上、30重量%以下である請求項1に記載の液状樹脂組成物の製造方法。
- 前記第1混合工程は、前記銀粉(A)の表面を前記熱硬化性樹脂(B)の一部(B1)で覆うものである請求項1または2に記載の液状樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の液状樹脂組成物の製造方法により得られることを特徴とする液状樹脂組成物。
- 請求項4に記載の液状樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする半導体装置。
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