JP4971125B2 - 衝撃吸収部材 - Google Patents
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Description
[衝撃吸収部材の配置]
まず、本実施形態の衝撃吸収部材の配置について説明する。図1に、本実施形態の衝撃吸収部材が配置されている車室内の斜視図を示す。なお、図1、図2の方位(左右)は、車両後方から前方を見た場合を基準に設定している。
次に、本実施形態の衝撃吸収部材1の構成について説明する。図3に、本実施形態の衝撃吸収部材の斜視図を示す。図4に、同衝撃吸収部材の分解斜視図を示す。図5に、図3のV−V断面図を示す。図6に、図3のVI−VI断面図を示す。図7に、同衝撃吸収部材の荷重入力時の斜視図を示す。なお、図3〜図7の方位と、図1、図2の方位とは、前後方向のみ共通している。また、図3〜図7の上方向は、図2の荷重F1入力方向に対応している。
次に、本実施形態の衝撃吸収部材1の寸法について説明する。図5に示すように、衝撃吸収体2の可変側壁部22L、22R各々の上下方向長さ(=基壁部20下面と入力壁部21上面との間の間隔)L1は、25mmに設定されている。また、可変側壁部22L、22R各々の左右方向長さL3は、12.5mmに設定されている。言い換えると、基壁部20の下面の左縁と、入力壁部21の上面の左縁と、を最短距離で結ぶ仮想面f1に対して、可変側壁部22Lは、左側に12.5mmだけ膨出している。同様に、基壁部20の下面の右縁と、入力壁部21の上面の右縁と、を最短距離で結ぶ仮想面に対して、可変側壁部22Rは、右側に12.5mmだけ膨出している。また、基壁部20、入力壁部21各々の左右方向長さL2は、32mmに設定されている。また、衝撃吸収体2の肉厚L4は、0.5mmに設定されている。
次に、本実施形態の衝撃吸収部材1の動きについて説明する。例えば事故などにより、乗員の頭部がルーフライニング9に衝突すると、図2、図7に示すように、荷重F1が、入力壁部21に入力される。荷重F1により、入力壁部21は、頭部の形状に沿って陥没変形する。
次に、本実施形態の衝撃吸収部材1の作用効果について説明する。本実施形態の衝撃吸収部材1によると、可変側壁部22L、22Rが、荷重F1入力前の段階で、既に、仮想面f1に対して、外側に膨出している。このため、流体室23の内圧が迅速に上昇する。したがって、衝突初期における反力の立ち上がりが早くなる。
本参考形態の衝撃吸収部材と第一実施形態の衝撃吸収部材との相違点は、衝撃吸収部材が一体物である点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。図8に、本参考形態の衝撃吸収部材の長手方向断面図を示す。なお、図6と対応する部位については、同じ符号で示す。
本参考形態の衝撃吸収部材と第一参考形態の衝撃吸収部材との相違点は、基壁部が平板状を呈していない点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。図9に、本参考形態の衝撃吸収部材が配置されたルーフサイドレール部付近の短手方向断面図を示す。なお、図2と対応する部位については、同じ符号で示す。
本参考形態の衝撃吸収部材と第一参考形態の衝撃吸収部材との相違点は、衝撃吸収体が円形を呈している点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。図10に、本参考形態の衝撃吸収部材の部分断面斜視図を示す。
以上、本発明の衝撃吸収部材の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
(実施例)
実施例として用いたのは、第一実施形態の衝撃吸収部材1である。寸法も第一実施形態同様である(図5参照。ただし、衝撃吸収体2の長手方向(前後方向)長さは、180mmである。)。したがって、ここでは説明を割愛する。
比較例として用いたのは、平板に格子状のリブが立設された形状を呈した衝撃吸収部材である。図13(a)に、比較例の衝撃吸収部材の寸法図(端面図)を示す。図13(b)に、同衝撃吸収部材の寸法図(下面図)を示す。図14に、同衝撃吸収部材の斜視図を示す。図13、図14に示すように、比較例の衝撃吸収部材6は、入力壁部60と、一対の横リブ61と一対の縦リブ62とを備えている。衝撃吸収部材6は、PP(ポリプロピレン)樹脂製である。入力壁部60は、正方形の平板状を呈している。一対の横リブ61は、互いに平行であって、入力壁部60下面から下方に立設されている。一対の縦リブ62は、互いに平行であって、入力壁部60下面から下方に立設されている。一対の縦リブ62と一対の横リブ61とは、格子状に直交している。
図15に、衝突実験の実験方法の模式図を示す。図15に示すように、実験は、半径R1が82.5mmの半球状のストライカ7を、実施例、比較例の衝撃吸収部材1、6に、各々、一定の速度18km/hで衝突させることにより行った。
図16に、ストライカの変位とストライカが受ける反力との関係をグラフで示す。図16に示すように、例えば反力しきい値を5kNとする場合、理想的な反力線Dは点線のようになる。すなわち、衝撃吸収部材の場合、衝突対象保護のための反力しきい値を超えずに、かつ反力が略一定のまま入力壁部が変位する(つまり衝撃吸収部材が潰れる)区間D1が長いことが理想とされる。
2:衝撃吸収体、20:基壁部、21:入力壁部、22A:可変側壁部、22B:可変側壁部、22L:可変側壁部、22R:可変側壁部、23:流体室。
3A:取付部材、3B:取付部材、30A:取付溝、30B:取付溝。
4:衝撃吸収部材、40:基壁部、41:入力壁部、42:可変側壁部、43:流体室。
6:衝撃吸収部材、60:入力壁部、61:横リブ、62:縦リブ。
7:ストライカ。
9:ルーフライニング、90:ルーフパネル、91:ルーフサイドレール部(被取付部材)。
f1〜f4:仮想面。
Claims (2)
- 被取付部材の荷重入力側に配置される基壁部と、
該基壁部の荷重入力側に配置される入力壁部と、
該基壁部と該入力壁部とを連結すると共に、荷重入力時において外側に変形可能な少なくとも一つの可変側壁部と、
該基壁部と該入力壁部と該可変側壁部とに囲まれ流体が封入される流体室と、
を有し、
荷重入力前において、該可変側壁部のうち少なくとも一つは、該基壁部の外面の外縁と、該入力壁部の外面の外縁と、を最短距離で結ぶ仮想面に対して、外側に膨出している衝撃吸収体を備え、
前記流体は、同じ温度における体積弾性率が、空気よりも大きい非圧縮性液体であり、
前記衝撃吸収体は、引張破断伸びが100%以上の樹脂製であり、
前記衝撃吸収体は、筒状を呈すると共に、一対の部分円弧状の前記可変側壁部を有しており、
さらに、該衝撃吸収体の筒軸方向両端の開口を封止し、一対の該可変側壁部よりも剛性が高く、前記被取付部材に取り付けられる一対の取付部材を備える衝撃吸収部材。 - 前記入力壁部の外面は、略平面状を呈している請求項1に記載の衝撃吸収部材。
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