JP4970635B2 - 基板の機械研磨のための研磨懸濁液を送り出す装置 - Google Patents

基板の機械研磨のための研磨懸濁液を送り出す装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板を機械研磨するための研磨懸濁液(abrasive suspension)を送り出すための装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリカ懸濁液またはアルミナ懸濁液を、シリコンウェハーの裏面および表面の研磨に用いることは、半導体業界、オプトエレクトロニクス業界、および光学業界においては珍しいことではなくなる傾向にある。この生成物(product)を供給ドラムから種々の使用場所へどのようにして送り出すか(deliver)という問題が当然起こる。このような懸濁液は、シリコンウェハー上にすでに堆積された金属層の研磨に用いられることもあり、この場合には、これらの懸濁液は前出の懸濁液とは異なる物理的または化学的な特性を有する場合がある。
【0003】
物理化学的な(physico−chemical)特性、粘度、固形分、およびpHは、これらの懸濁液が定期的に攪拌しないと容易に固化し易くなることに貢献する。その結果、これらの懸濁液を送り出すパイプは懸濁液の固化によってしばしば詰まり、シリコンウェハーの研磨は、固化したシリカまたはアルミナのかたまりが分離するために深いひっかき傷を特徴とする欠陥を呈する。このため、送り出しパイプは頻繁に交換しなければならず、その結果、運転コストが高くなり、装置の利用レベルが非常に低くなる。
【0004】
シリコンウェハーの化学的および/または機械的研磨のプロセスにおいて研磨懸濁液(またはスラリー)を送り出す種々の方法は、以下のように要約することができる。
【0005】
これらの研磨懸濁液を送り出す最も普通の方法は、生成物を使用場所へ運ぶパイプに接続されたポンプを使用することからなる。しかし、研磨懸濁液の性質によって、特に、一方で研磨粒子を含み、他方で非常に酸性のまたは非常に塩基性のpHを有するために、使用するポンプが非常に急速に劣化し、非常に深刻なメンテナンスの問題を引き起こす。これらの送り出しシステムが動作できるのは短い間だけで、ほとんどの時間は回路の交換、回路からの障害物の除去、および回路の保守に費やされる。ポリテトラフルオロエチレンを使用するポンプを用いても、これらのポンプのダイヤフラムは2ないし3ヶ月ごとに交換しなければならない。
【0006】
化学物質の真空送出システムが、US5、148、945および5、330、072によって知られている。これらにおいては、ポンプを用いる代わりに中間の容器を用いており、中間容器を真空状態で連続して配置して化学物質を吸い出し、そして加圧して強制的に使用場所へ送る。このようなシステムはポンプを使用してはいないが、このようなシステムでは特に表面上の金属を除去するために用いられるような研磨懸濁液を送り出すことは不可能である。それは、このような懸濁液は固化するまでの寿命が極めて短く、また非常に腐食性だからである。
【0007】
また、まず第一に測定容器を備える装置が、出願WO96/02319に記載されている。この測定容器の中に研磨懸濁液で用いられる種々の化学物質を交互に取り入れる。前記化学物質はこの測定容器内で定量的に測定され、各化学物質は測定の後に混合容器へ送られて、そこでは懸濁液のすべての化合物がその場で混合される。この混合容器自体は、負圧または真空となっていて混合容器内の懸濁液を吸い出してそれを研磨懸濁液を送り出すための種々のステーションへ送る容器に接続されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
現時点において、多大なメンテナンスを要せず、必要なときに利用することが可能な研磨懸濁液を分配する装置が必要とされている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る装置は、送り出すべき研磨懸濁液が収められるタンクと、その2つの端部において送り出しタンクと接続された懸濁液を送り出すためのループと、懸濁液をループ内で循環させるための循環手段と、ループ内の研磨懸濁液の連続した循環を(好ましくは少なくとも本装置が動作中、すなわち本装置が懸濁液を使用場所へ送り出している状態において)維持するために循環手段を制御する手段とを備え、ループ内を循環した後の研磨懸濁液を回収手段(タンク)に戻すことを特徴とする。
【0010】
好ましくは、使用場所へ送り出すループは並列に配列された複数のループからなるものが使用され、好ましくは、各ループはすべてのループに共通する少なくとも1つの共通パイプ(アーム(arm))を備え、複数のループの端部の一方は共通アームの端部の一方と接続されている。好ましくは、このループは、並列に接続された複数のサブループとそれぞれの第1の端部の付近において接続される2つの共通アームを備え、第1の共通アームはその第2の端部の付近において研磨懸濁液のタンクと接続され、第2の共通アームはその第2の端部の付近において研磨懸濁液の回収手段と接続される。また、好ましくは、タンクと懸濁液の送り出し点との間の各パイプの長さは(ループが何であれ)ほぼ同じであり、送り出し点と懸濁液の回収手段との間の各パイプの距離も好ましくはほぼ同じである。
【0011】
研磨懸濁液の連続で均一な循環を得るために、本発明に係る装置に制御手段を設けることが好ましい。これらの制御手段は、好ましくは、パイプ内の研磨懸濁液の圧力を制御する手段か、または前記パイプ内の研磨懸濁液の流速(flowrate)を制御する手段(または任意だが両方の組合わせ)である。好ましくは、研磨懸濁液が送り出しパイプの壁に堆積する(これによりパイプが塞がる)のを防ぐための送り出しパイプ内での最小の流速を選ぶ。このことは、実際上、本発明の重要な利点の1つで、すなわち、このようにして、パイプが塞がること(これは現在知られているプラントに存在する重要な問題である)を防ぐことである。研磨懸濁液を連続してパイプ内で好ましくは約0.2m/s以上の速さ、および好ましくは約10m/s以下の速さで循環させることで、これらのパイプが塞がることによる問題が防がれる。パイプの塞がりは、しばしば研磨懸濁液が固まることおよび/または凝固することから生じる。好ましくは、流速は約0.5m/sないし約2m/sであり、より好ましくは約1ないし1.2m/sである。
【0012】
この研磨懸濁液を循環させるために、ポンプを用いることが好ましい。それは、研磨懸濁液の連続した循環を維持する間循環ポンプを用いることで、従来技術のポンプにおいて通常生じる問題、すなわちフィルターの塞がり、ポンプの詰まりなどが回避されることが認められたからである。しかし、本発明に係る装置の信頼性を最大にするためには、2つの循環ポンプを並列に配置して、2つのポンプのそれぞれはその能力の約(そして最大)50%のみで動作することが好ましい。このことは、2つのポンプのうちの一方が故障したときに、本装置の通常動作を、その能力の100%で動作する1つのポンプを用いて続けることができることを意味する。もちろん、この場合、ポンプの一方が詰まりもしくは不良であるとき、またはポンプの一方から出ていく材料の流れが事実上ゼロであるときを示す警報器を設ける。
【0013】
本発明の特に好ましい他の態様によれば、ポンプの使用を回避するために、特に研磨懸濁液の腐食性が高いときに、懸濁液を加圧されたガス、好ましくは窒素および/またはアルゴンおよび/またはヘリウムのような加圧された不活性ガスを用いて循環させる。しかし、この場合には、とにかくパイプが詰まる場合があることが観察されている。出願人は、加圧ガスを用いて循環させる場合には、このような詰まりは、循環に用いる加圧ガスが最小の相対湿度にあることを保証することによって回避できることを見出している。この目的のために、脱イオン水(電子用途で要求される純度特性をすべて有する)を不活性ガス中で、このガスをパイプ内へ注入する前に、気化させるかまたは霧状にして、ガス中の十分な湿度を保つことが好ましい。こうして、研磨懸濁液の乾きを防ぎ、フィルターの詰まりを防ぐ。通常使用する上述の速度の限度内において、適切な水分濃度(water concentration)を加圧ガス中で用いることで、わずかなパイプの詰まりも防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、図面とともに以下の態様によってより明瞭に理解される。以下の態様は、例として与えられたものであり、本発明を何ら限定するものではない。
【0015】
図1において、タンク1はパイプ3によって取り出される研磨懸濁液2を収容する。パイプ3は、タンク1の壁を箇所4で通過し、このパイプに並列に配置される2つのポンプ5および6まで続く。ポンプ5、6の出口は再びパイプ7に一緒に接続され、パイプ7はフィルター8に接続される。フィルター8はパイプ9に接続される。サブループを形成するパイプ20、21、...22はそれぞれ箇所10、11、...12に接続され、これらのパイプの他端30、31、...32は、それぞれ研磨懸濁液をタンク1に戻すパイプ40に一緒に接続されている。このパイプ40は前記タンクの壁を箇所41で通過して、このタンク1に収容される懸濁液2に至っている。充填用タンク42がタンク1と並列に配置され、パイプ43によってタンク1に接続されて、あらゆる状況下で、予め決めたある最小値を常に上回るレベルがタンク1内において維持される。この補助的なタンク42は、特に研磨懸濁液の粘度を調整するために用いられる。
【0016】
また、パイプ45によってタンク1に接続された、加圧されたガスを注入するための手段44が設けられている。ガスは、例えば、所望の用途に適合した純度、特にN50タイプまたはそれ以上の純度を有する不活性ガス、好ましくは窒素である。接続10と30、11と31、..12と32との間のそれぞれに、研磨懸濁液をそれぞれバルブ70、71、..72を通して使用場所60、61、..62へそれぞれ送り出す箇所(送り出し点)B、C、..Dが、それぞれ設けられている。同じ直径のパイプを種々のサブループを形成するパイプ20、21、..22にそれぞれ使用することが好ましく、同じ距離が箇所4と箇所B、C、Dとの間でそれぞれ保たれる(または、直径が異なるときには、それぞれのラインでの損失水頭(head loss)が同一となるような長さ)。こうして、それぞれ箇所B、C、..Dでの研磨懸濁液の圧力であるPa、Pb、..Pcがほぼ等しくなり、生成物を均一に送り出すことが可能になる。また本装置は、箇所32と箇所41との間のライン40上に圧力検出器80を備え、検出器80はPID(比例/積分/微分)タイプの制御システム81に電気的に接続されている。制御システム81自体は、ライン83および84をそれぞれ介して、ポンプ5および6にそれぞれ電気的に接続されている。圧力は、PID81で設定された設定圧力に等しい圧力に保たれなければならない。検出器80によって検出される圧力が、表示された圧力を下回るときには、ポンプ5および6のポンピング圧力を増加させるように電気信号がPIDによって発生させられる。圧力検出器80によって測定される圧力が、再びPID81で表示される圧力以上になるときには、PID81は、ポンプ5および6のポンピング圧力を圧力の設定値に対応する値に戻すように、ライン83および84を通してポンプ5および6に送る信号を修正する。逆に、圧力検出器がPID81で表示される設定圧力を上回る圧力を検出するときには、PIDはポンプのポンピング圧力を、適切な電気信号をポンプ5および6へ送ることで下げる。
【0017】
また、本装置は流れ調整システムを、単独で(PIDを伴う圧力検出器を有することなく)または圧力検出器に加えて、備えていても良い。この流れ調整システムは、特に、研磨懸濁液の溶液の流速を測定すること、および測定値を設定値と比較すること、そして測定した流速と表示された流速とを比較した後に、対応する電気信号をポンプ5および6に送って前記ポンプの出力を増加または減少させることからなる。
【0018】
図2は、図1の装置の代替である態様を示し、図2においては特に研磨懸濁液を貯蔵する少なくとも2つのタンクが使用され、これらは並列に接続されて交互に使用される。つまり、一方のタンクが空となり、この状態が例えば水位検出器によって検出されるときには、研磨懸濁液の循環を中断することを必要とせずに第2のタンクを自動的に動作させることができる。その結果、凝固およびパイプの閉塞の問題が防がれ、装置の保守が低減される(この図2において、図1の機器と同じものには同じ参照番号を付する)。
【0019】
2つのパイプ101と119は、開閉が制御されたバルブ(controlled−opening valves)103と102、およびパイプ113と118とをそれぞれ介して、研磨懸濁液タンク112と115とにそれぞれ接続され、箇所126で接合されている。図2において、タンク112は例えば窒素のような不活性ガス(シリコンウェハーの研磨への懸濁液の使用に対して「電子的(electronic)」な純度の、または超純粋(ultrapure)である)によって加圧されて、懸濁液127の上方の空間114における圧力は例えば約3バールとなっている。タンク112が空のときには、懸濁液がバルブ111(充填するときには開いており、使用中は閉じている−下記参照)およびパイプ128(戻りタンク131内の貯蔵液(reserve)の箇所129に至っている)を介して供給される。同様に、タンク115の底部はパイプ117、バルブ116およびパイプ120を介してパイプ128に接続され、タンク115が空のときにタンク115を充填し(バルブ116が開でバルブ111が閉)、またバルブ111が開でバルブ116が閉のときにタンク112を充填する(またはバルブ111および116が閉のときにはどちらも充填しない)。
【0020】
加圧窒素の供給源121によって、バルブ108および110をそれぞれ介して、懸濁液の上方のガス圧を制御することが可能であり(これらのバルブは、当該技術分野に精通する者には良く知られている「比例」(P)、「積分」(I)、「微分」(D)または「PID」タイプの制御装置81によって制御される)、圧力を例えば懸濁液127の上方で3バール(相対値(relative))に設定して(懸濁液をパイプ113内へ押し出すため)、またタンク115内で0バール(相対値)に設定してタンク115を懸濁液で充填することを可能にする。また、供給源121がパイプ123および制御されたバルブ122(やはりPID81によって制御されていても良いし、されていなくても良い)を介して接続されており、バルブ122は例えば0.5バール(相対値)の窒素圧力を懸濁液130の上方において維持する。
【0021】
余剰の懸濁液を戻すためのパイプ137が、タンク131内に戻っている。
【0022】
タンク131にさらに供給することを保証して、上流での懸濁液の消費を補償するために、懸濁液131をパイプ124を介して供給する大容量のタンク132が設けられている。このタンク132を高く上げて、他のタンクへ重力によって供給しても良い(任意だが、タンク132の頂部を超純粋の窒素によってパイプ125を介して加圧しても良い)。このモードの輸送は、ポンプではなくむしろガス圧力を用いており、ポンプが動かなくなる問題を回避する。
【0023】
他のいくつかのタンク、例えば112、115も互いに並列に配置されていても良い。
【0024】
図1において、タンク2の容積は、装置が好ましくは約2.5/3日の間供給を必要としない(self−sufficient)程度に大きい。好ましくは、タンク2は連続して機械的に攪拌され、わずかに過圧(1ないし3mbar)状態に保持されて、大気中のCO2がある種の研磨懸濁液に含まれるアンモニア水に作用するのを防ぐ。タンクはプラスチック製で、シリカを固化したり、アルミナが付着する危険性がない。タンクからの流出は好ましくは底部のバルブを通して行う。ループからの戻りの流れはバルブを介して起こり、タンクの最小レベルの下へ落ちる。タンクは容積式ポンプを使ってシャトルドラム(shuttle drums)から充填される。水希釈が必要なときには、これは、連続して水とシリカ懸濁液をスタティックミキサー(static mixer)内に注入して行うことができる。各シャトルドラム42から放出した後、貯蔵タンクへのシリカ供給回路は、ポンプとパイプも含めて、脱イオン水によってパージされる。
【0025】
循環するべき懸濁液の研磨性のために、実際には2つのポンプを並列して定格速度の半分で動作させるのが好ましく、各ポンプは、電流(例えば4ないし20mA)によって制御される可変周波数(0ないし100Hz)の電源に接続されていることが好ましい。2つの可変周波数の電源は、PIDコントローラー81によって、制御バルブの直前のループの端部における圧力と連動(slaved)している。
【0026】
例えばセラミックギアーポンプを選ぶことができる。シールの通常の寿命を保証するために、各ポンプのシャフトには2つのシールを備え付けて、シール間の空間(ベル(bell))を非イオン水を注入することによってシリカに対して過圧に保つことが好ましい。非イオン水の供給回路は、その入口において100ないし200L/hの較正されたオリフィスを、その出口において10ないし20L/hの較正されたオリフィスを備える。ベル内の圧力は、シリカと接触する内部シールにリークがないときには、一定でなければならない。一方、リークがあるときには、2つのシール間のベル内の圧力は徐々に落ち、圧力検出器によって警報信号が送られ、修正する処置が構成される。また、好ましくは、ポンプが停止するときに、自動的に非イオン水によってポンプがパージされるような対策がなされていることが好ましい。
【0027】
これらの配置は以下のような利点を有する。
【0028】
ポンプの回転速度が小さいために、研磨媒体(abrasive medium)中での摩耗が少ない。
【0029】
2つのポンプを使用しているため、一方のポンプが故障するときでも、ループ内の流速と圧力を維持することができる。第2のポンプは自動的にその速度を増加させて補償する。
【0030】
著しい流出があるとき、タンクへの戻りにおいて圧力が落ち、ポンプはその速度を増加させて流速を一定に保つ。例えば、本装置が定格出力を上回ってループから流出させるときでも、自動的に補償が起こってループ内の流れは決して止まらない。逆に、流出が止まるとき、圧力は増加する傾向にあり、PIDコントローラーはポンプの制御周波数を減少させる。送り出しネットワーク内での圧力の変動の振幅も小さく、例えば±100gであり、このことは研磨装置内の研磨溶液を計量する上で重要なことである。
【0031】
ループ(その共通アーム7、9における)には、フィルター8が備え付けられている。フィルター8は、好ましくはポリプロピレンの「袋」タイプであり、約100μmを上回る大きさの材料の少なくとも90%を止めることが好ましい。この懸濁液の性質のために、このフィルターを大き目にして(oversize)、0.1ないし0.2barの低減された差圧で動作させることが好ましい。
【0032】
送り出しループから分岐するすべての回路は、ほぼ同じ損失水頭を有する。各ループ(送り出し)は、流出T字管(Tee)と戻りT字管とによって与えられ、各T字管には分離バルブが取り付けられている。「戻り」の分離バルブには、2つの機能を有する較正されたオリフィスが設けられている。
【0033】
(1)ネットワークの種々の枝に流れを同様に分配する。
【0034】
(2)オリフィスの上流側のT字管の付近で起こる装置(送り出し)の各部品(piece)による流出は、このようにして、圧力の著しい降下をもたらさない。
【0035】
較正されたオリフィスの直径は複数のパラメーターに依存する。それらは例えばループ内の流速、ループ内の圧力、供給するべき装置の部品の数および送り出すべき懸濁液の粘度、好ましくは0.2ないし0.5m/sの流速を保証してパイプの摩耗を最小にするために当該技術分野に精通する者が困難なく選ぶことができる要素(elements)である。
【0036】
送り出しループは、耐摩耗性の非連動性(non−slaved)の制御バルブ(図示せず)、およびこのバルブの上流側に流量計(flow meter)90および圧力センサー80を備えることが好ましい。
【0037】
流速は、選択された値には連動しない制御バルブを用いて制御され、設定圧力はPIDコントローラー81に表示される。コントローラー81のパラメーターは、特に、流出時、スイッチオン時および/または1つのポンプで動作する時の圧力の小さな変化の間に、ループが満足に動作するように調整される。
【0038】
次のことに注意されたい。すなわち、上述のシステムは、特に、制御されたバルブまたは質量流量(mass flow rate)を制御するタイプの装置(圧力調整器によって与えられる外部の設定値と連動する)を介して駆動ガス(driving gas)を注入するならば、ベローまたはメンブレン空気ポンプ(半導体業界において通常用いられている)を用いて動作しても良い。この場合、定格出力の半分で動作する2つのポンプを並列して用いる運転を維持して、高レベルの利用率(utilization)を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る装置および本発明に係る方法の実施の第1の態様を示す図。
【図2】 図1の代替である態様を示す図。
【符号の説明】
1、42、112、115、131、132…タンク
2、127、130…研磨懸濁液
3、7、9、20、21、22、40、43、45、101、102、103、113、117、118、119、120、123、124、125、127、128、137…パイプ
5、6…ポンプ
8…フィルター
70、71、72、108、110、111、116、122…バルブ
60、61、62…使用場所
20、21、22…ループ
40、83、84…ライン
80…圧力検出器
81…PID制御システム
90…流量計
121…窒素供給源

Claims (11)

  1. 研磨懸濁液(2)を収容するタンク(1)と、
    タンク(1)と一緒になって、該タンク(1)から前記研磨懸濁液(2)を送り出し、続いて余剰な研磨懸濁液(2)を前記タンク(1)に戻すためのループを形成するパイプ(3,7,9,40)と、
    前記研磨懸濁液(2)を前記ループ内で循環させ、且つ該懸濁液をタンク(1)へと戻すことを保証する循環手段であって、該循環手段は並列に設けられた2つのポンプ(5,6)からなり、該2つのポンプのそれぞれはその能力の50%を越えずに動作して、一方のポンプが故障したときにも研磨懸濁液の通常の送り出し動作を可能にすることを特徴とする循環手段と、
    前記懸濁液(2)の連続した循環を維持するために、前記循環手段(5,6)を制御する手段(81)と
    を備えることを特徴とする研磨剤の送り出し装置。
  2. 更に、並列に配置された複数のサブループを形成するパイプ(20,21,22,…)を含んでなり、各サブループは前記研磨懸濁液(2)を使用場所(60,61,62,…)へ送り出すことを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 前記サブループの各々は、前記ループを構成するパイプ(9)に接続された一つの端部(10,11,12,…)と、前記ループを構成するもう一つのパイプ(40)に接続されたもう一つの端部(31,32,33,…)を有することを特徴とする請求項2記載の装置。
  4. 前記タンク(1)から前記研磨懸濁液の使用場所(60,61,62,…)までの各パイプの長さが同じであることを特徴とする請求項2ないし3のいずれか1項記載の装置。
  5. 前記各サブループは、使用場所(60,61,62,…)から前記もう一つのパイプ(40)までの長さが同じであることを特徴とする請求項3または4記載の装置。
  6. 前記研磨懸濁液を送り出すパイプ内の圧力を制御してループ内の前記懸濁液の循環を制御する手段(81)を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の装置。
  7. 前記送り出しループの種々のパイプ内の前記研磨懸濁液の流速を制御する手段を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載の装置。
  8. 前記パイプ内の前記懸濁液の送り出し速度は0.2m/s以上であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項記載の装置。
  9. パイプ内の研磨懸濁液の送り出し速度は10m/s以下であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項記載の装置。
  10. 前記研磨懸濁液の送り出し速度は0.5ないし2m/sであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項記載の装置。
  11. 前記研磨懸濁液の送り出し速度は1m/sないし1.2m/sであることを特徴とする請求項11記載の装置。
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