JP4970581B2 - スパッタリングターゲット及び光情報記録媒体用薄膜 - Google Patents
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Description
しかし、今日Blue-Rayに代表される書き換え型DVDは、さらに書き換え回数の増加、大容量化、高速記録化が強く求められている。
このような脆弱なターゲットは、成膜の品質を低下させ、場合によっては製造を中断することもある。これは生産性を低下させる原因となる。このようなことから、強度が高く、成膜時に割れ等の発生しないターゲットが望まれている。
以上のようなことから、下記に示すように光ディスク用保護層を形成する技術が提案されている(特許文献1〜3参照)。しかし、これらはターゲットが脆弱である、あるいは光学特性及び非晶質性が劣るという問題があった。
1)ZnSを主成分とし、ZrO2とY2O3を含み、ZnS:50〜95mol%、ZrO2:4〜49mol%、Y2O3:0.1〜10mol%であることを特徴とするZnSを主成分とするスパッタリングターゲット。
2)さらに、Al2O3:0.1〜10mol%含有することを特徴とする上記1)記載のZnSを主成分とするスパッタリングターゲット
3)Y2O3がZrO2に固溶し、かつモル比Y2O3/ZrO2=0.02〜0.25であることを特徴とする上記1)又は2)記載のスパッタリングターゲット
4)XRD測定において、Y2O3の(222)ピーク強度Iyと立方晶ZrO2のピーク強度Iz(111)の強度比Iy/Iz≦0.1であることを特徴とする上記1)〜3)のいずれかに記載のスパッタリングターゲット
5)ZnSを主成分とし、ZrO2とMgO及び又はCaOを含み、ZnS:50〜95mol%、ZrO2:4〜49mol%、MgO及び又はCaO:0.1〜10mol%であることを特徴とするZnSを主成分とするスパッタリングターゲット
6)相対密度が70%以上であり、平均結晶粒径が10μm以下であることを特徴とする上記1)〜7)のいずれかに記載のスパッタリングターゲット、を提供する。
7)上記1)〜8)のいずれかに記載のスパッタリングターゲットを使用して形成した、波長380〜420nm付近における薄膜の屈折率が2.3を超え、同波長領域における透過率が80%以上であることを特徴とする非晶質安定な光情報記録媒体用薄膜、を提供する。
同様に、ZrO2量はZnS量との関係で、その量を調整することが必要であり、いずれも非晶質安定性、青色波長領域での透過率及び屈折率に影響を与えるので、相補的に調整することが必要である。
その量的関係は、ZnS:50〜95mol%、ZrO2:4〜49mol%、Y2O3:0.1〜10mol%であることが最適である。ZnS 量が多すぎる場合には、非晶質安定性が劣化し、逆にZnS 量が少なすぎると、成膜速度が低下するので好ましくない。したがって、上記の数値範囲とするのが最適である。ZrO2とY2O3の間においては、モル比Y2O3/ZrO2=0.02〜0.25であり、Y2O3がZrO2に固溶している方がターゲットの均一性が向上し、強度も向上する。
Y2O3の添加量が少ない場合には、強度向上及び非晶質安定性の効果が小さく十分でない。また、過剰の添加は屈折率が低下するとともに、ターゲット密度も低下するので避けなければならない。また、上記の理由から、XRD測定において、Y2O3の(222)ピーク強度Iyと立方晶ZrO2(111)のピーク強度Izの強度比Iy/Iz≦0.1であることが望ましいと言える。
このAl2O3の添加は、記録媒体用薄膜及び膜形成用ターゲット材として、必須の要件ではないことを知るべきである。すなわち、光学的特性及び膜の強度との関係から必要に応じて、任意に選択できるものである。
MgO及び又はCaOの添加は、上記Y2O3の添加と同様にZrO2相の結晶粒を微細化する効果があり、相変態による割れ防止効果がある。すなわちMgO及び又はCaO の少量の添加は、録媒体薄膜中のZrO2相の安定化に影響を与える。また、スパッタリング用ターゲットの強度を向上させることが可能となり、成膜時のターゲットの割れを防止することができる効果がある。
したがって、好ましくは相対密度が70%以上、平均結晶粒径が10μm以下であるターゲットを使用することが望ましい。しかし、この数値条件は、必須の要件でないことを知るべきである。上記数値範囲外でも使用可能であり、必ずしも上記に制限されるものではない。
本材料は、上記の通り非晶質性が安定し、透過率を向上させることが出来るため、書換え速度の速い相変化記録媒体や青色レーザー系の相変化記録媒体用保護層材に特に適する。
また、上記の通り、本発明のスパッタリングターゲットは、相対密度を70%以上とすることが可能である。密度の向上は、スパッタ膜の均一性を高め、またスパッタリング時のパーティクルの発生を抑制できる効果を有する。
この製造方法は、通常の製造方法の一例を述べたもので、他の製造方法を採用できることは当然である。特別な製造方法に限定されるものではない。
使用する酸化物原料粉末は、化学量論的酸化物を使用する。すなわち酸素量の少ない酸化物粉末又は酸化物粉末に同種元素(金属)粉末を混合して、全体として酸素量を少なくする等の手法は採らない。また、添加物のY2O3、Al2O3 、MgO、CaOは予めZrO2に固溶させた原料であることが望ましい。
これによって、密度の高い均一なターゲットとすることができる。また、スパッタリング時に酸素量を常時調節する等の煩雑な工程を不要とし、さらに酸化膜の組成変動や面内バラツキが防止できるという著しい利点がある。密度の高く均一なターゲットは、スパッタ時に下記に示すパーティクル発生防止効果を有する。
本発明のスパッタリングターゲットの密度向上は、空孔を減少させ結晶粒を微細化し、ターゲットのスパッタ面を均一かつ平滑にすることができるので、スパッタリング時のパーティクルやノジュールを低減させ、さらにターゲットライフも長くすることができるという効果を有し、品質のばらつきが少なく量産性を向上させることができる。
純度が4Nであり、粒径が5μm以下の、ZnS粉、ZrO2粉、Y2O3粉、Al2O3粉、MgO粉、CaO粉を準備した。ZrO2粉とY2O3粉、Al2O3粉、MgO粉、CaO粉は予め所定量を調合した後、混合して1000〜1200°Cで仮焼し、さらにこれらを平均粒径1μmまでボールミルで湿式微粉砕した。
その後、ZnSと混合し、ホットプレスを用いて、不活性雰囲気で、900〜1100°C、面圧200〜300kgt/cm2で焼結体を作製した。この焼結体を機械加工でターゲット形状に仕上げた。ターゲットの成分組成を表1に示す。
成膜サンプルの透過率(波長405nm)%、屈折率(波長405nm)、非晶質性(成膜サンプルのアニール処理(600°C×30min、Ar雰囲気)を施した。また、XRD(Cu-Kα、40kV、30mA)による測定における2θ=20-60°の範囲の未成膜ガラス基板に対する最大ピーク強度で表した)の測定した結果等を、まとめて表1に示す。
また、スパッタ膜の透過率は、81〜93%(405nm)に達し、屈折率は2.4〜2.8であり、また特定の結晶ピークは見られず、安定した非晶質性(1.0〜1.8)を有していた。
さらに、本実施例のターゲットは、後述する比較例に比べて、成膜サンプルの透過率、屈折率、非晶質の安定性が、いずれも良好な値を示し、総合的にみて優れた結果が得られた。
表1に示すように、本願発明の条件とは異なる原料粉の成分及び組成比の材料を準備し、これを実施例と同様の条件で、ターゲットを作製し、かつこのターゲットを用いてスパッタ膜を形成した。
この結果を、同様に表1に示す。
比較例3については、ZnSが少ないため、密度が低く割れが発生した。比較例4については、ZnSが多すぎるため、透過率、屈折率及び非晶質性が悪くなるという問題があった。したがって、ZnS量は適度な範囲が存在することが確認できた。比較例5は、XRD測定におけるY2O3の(222)ピーク強度Iyと立方晶ZrO2(111)のピーク強度Izの強度比Iy/Izが0.1を超えているために、割れが発生した。
さらに、非晶質性が安定化するとともにターゲットに導電性が付与され、相対密度を70%以上の高密度化によって、安定したRFスパッタ成膜を可能とする。また、成膜の際にスパッタ時に発生するパーティクル(発塵)やノジュールを低減し、品質のばらつきが少なく量産性を向上させることができる。したがって、光ディスク光情報記録媒体用薄膜形成用スパッタリングターゲットとして、またそれによって得られた光情報記録媒体用薄膜として有用である。
Claims (4)
- ZrO2:4〜49mol%、Y2O3:0.1〜10mol%、Al 2 O 3 :0.1〜10mol%を含有し、残部が50〜95mol%の範囲で含有するZnSであることを特徴とするZnSを主成分とする青色レーザーの光ディスク保護層形成用スパッタリングターゲット。
- Y2O3がZrO2に固溶し、かつモル比Y2O3/ZrO2=0.02〜0.25であることを特徴とする請求項1記載の青色レーザーの光ディスク保護層形成用スパッタリングターゲット。
- 相対密度が70%以上であり、平均結晶粒径が10μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の青色レーザーの光ディスク保護層形成用スパッタリングターゲット。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の青色レーザーの光ディスク保護層形成用スパッタリングターゲットを使用して形成した、波長380〜420nm付近における薄膜の屈折率が2.3を超え、同波長領域における透過率が80%以上であることを特徴とする非晶質安定な光情報記録媒体用薄膜。
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