JP2011132582A - 焼結体スパッタリングターゲット、光記録媒体用薄膜の製造方法及び光記録媒体用薄膜 - Google Patents

焼結体スパッタリングターゲット、光記録媒体用薄膜の製造方法及び光記録媒体用薄膜 Download PDF

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【課題】透明で環境負荷耐性のある薄膜材料であり、スパッタ膜の400nm近辺の青色レーザーの波長領域の消衰係数を改善することができる光記録媒体用薄膜を提供し、かつこの光記録媒体用薄膜のスパッタリング成膜時に、ダスト(発塵)の少ない焼結体スパッタリングターゲットを提供する。
【解決手段】インジウム(In)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)で構成される酸化物であり、各金属元素の原子比が、0.04≦In/(In+Sn+Ni)≦0.57、0.29≦Sn/(In+Sn+Ni)≦0.73、0.04≦Ni/(In+Sn+Ni)≦0.33、の範囲にある焼結体スパッタリングターゲット。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明で環境負荷耐性のある薄膜材料であり、スパッタ膜の400nm近辺の青色レーザーの波長領域の消衰係数を改善することができ、かつスパッタリング成膜時のダスト(発塵)の少ない焼結体スパッタリングターゲット、該ターゲットを使用して基板上に成膜する光記録媒体用薄膜の製造方法及びこれにより得られた光記録媒体用薄膜に関する。
従来、主として相変化型の光情報記録媒体の保護層として、ZnS−SiO膜が一般的に使用されている。このZnS−SiO膜は、光学特性、熱特性、記録層との密着性等に優れているという特徴がある。しかし、今日Blue−Rayに代表される書き換え型DVDは、さらに書き換え回数の増加、大容量化、高速記録化が強く求められている。
光情報記録媒体の書き換え回数等が劣化する原因の一つとして、保護層ZnS−SiO膜に挟まれるように配置された記録層材への、ZnS−SiO膜からの硫黄成分の拡散が挙げられる。
また、大容量化、高速記録化のため高反射率で高熱伝導特性を有する純Ag又はAg合金が反射層材に使用されるようになったが、このような反射層も保護層材であるZnS−SiO膜と接するように配置されている。したがって、この場合も同様に、ZnS−SiO膜からの硫黄成分の拡散により、純AgまたはAg合金反射層材も腐食劣化させる要因となり、光情報記録媒体の反射率等の特性劣化を引き起こしていた。
これら硫黄成分の拡散防止対策として、反射層と保護層、記録層と保護層の間に、窒化物や炭化物を主成分とした中間層を設けた構成にすることも行なわれている。しかし、これは積層数の増加となり、スループット低下、コスト増加になるという問題を発生する。このような問題を解決するため、保護層材に硫化物を含まない、酸化物のみの材料へと置き換え、ZnS−SiO膜と同等以上の光学特性、非晶質安定性を有する材料系が求められた。
また、ZnS−SiO膜等のセラミックスターゲットは、バルク抵抗値が高いため、直流スパッタリング装置により成膜することができず、通常高周波スパッタリング(RF)装置が使用されている。ところが、この高周波スパッタリング(RF)装置は、装置自体が高価であるばかりでなく、スパッタリング効率が悪く、電力消費量が大きく、制御が複雑であり、成膜速度も遅いという多くの欠点がある。
また、成膜速度を上げるため、高電力を加えた場合、基板温度が上昇し、ポリカーボネート製基板の変形を生ずるという問題がある。また、ZnS−SiO膜は膜厚が厚いために起因するスループット低下やコスト増も問題となっていた。
以上のようなことから、ZnSの使用すなわち硫黄成分を含有しない透明導電材料が提案されている(特許文献1及び2参照)。しかし、特許文献1は、光学特性及び非晶質性が劣る領域を含む問題があり、また特許文献2は、十分な成膜速度が得られず、非晶質性に劣る領域を含むという問題があった。
このようなことから、本発明者らは、保護層材として、硫化物を含まない酸化物のみの材料へと置き換え、SnOを主成分とするIn−ZnO−SnO系複合酸化物に、SiO、Bの何れか1種又は2種の酸化物を添加した材料から成る光情報記録媒体用スパッタリングターゲットを開発した。これは、ZnS−SiO膜と同等の光学特性及び非晶質安定性を確保し、さらに高速成膜が可能であるという、優れた特性を有するものである。
特開2000-256059号公報 特開2000-256061号公報 国際公開WO2005/078153号公報
本発明は、透明で環境負荷耐性のある薄膜材料であり、スパッタ膜の400nm近辺の青色レーザーの波長領域の消衰係数を改善することができる光記録媒体用薄膜を提供し、かつこの光記録媒体用薄膜のスパッタリング成膜時に、ダスト(発塵)の少ない焼結体スパッタリングターゲットを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、インジウム、錫、ニッケルの金属元素を構成する酸化物を提案するものであり、これにより、スパッタ膜の400nm近辺の青色レーザーの波長領域の消衰係数を改善し、かつ環境汚染を防止できる光学薄膜を形成することができるとの知見を得た。
本発明はこの知見に基づき、
1)インジウム(In)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)で構成される酸化物であり、各金属元素の原子比が、0.04≦In/(In+Sn+Ni)≦0.57、0.29≦Sn/(In+Sn+Ni)≦0.73、0.04≦Ni/(In+Sn+Ni)≦0.33、の範囲にある焼結体スパッタリングターゲット
2)相対密度が90%以上で、バルク抵抗率が100Ωcm以下である上記1)記載の焼結体スパッタリングターゲット、を提供する。
また、本発明は、
3)インジウム(In)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)で構成される酸化物であり、各金属元素の原子比が、0.04≦In/(In+Sn+Ni)≦0.57、0.29≦Sn/(In+Sn+Ni)≦0.73、0.04≦Ni/(In+Sn+Ni)≦0.33、の範囲にある焼結体スパッタリングターゲットを、Oを1〜10vol%含有するArガス(ガス圧1.0Pa以下)の雰囲気中でスパッタリングすることを特徴とする光記録媒体用薄膜の製造方法
4)波長405nmにおける消衰係数(k)が0.1以下である上記3)記載の光記録媒体用薄膜の製造方法、を提供する。
また、本発明は、
5)インジウム(In)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)で構成される酸化物であり、各金属元素の原子比が、0.04≦In/(In+Sn+Ni)≦0.57、0.29≦Sn/(In+Sn+Ni)≦0.73、0.04≦Ni/(In+Sn+Ni)≦0.33、の範囲にある光記録媒体用薄膜
6)波長405nmにおける消衰係数(k)が0.1以下である上記5)記載の光記録媒体用薄膜、を提供する。
上記によって、透明で環境負荷耐性のある薄膜材料であり、スパッタ膜の400nm近辺の青色レーザーの波長領域の消衰係数を改善することができる光記録媒体用薄膜を提供し、かつこの光記録媒体用薄膜のスパッタリング成膜時に、ダスト(発塵)の少ない焼結体スパッタリングターゲットを提供することが可能となる大きな特徴を有する。
また、本発明のターゲットは、スパッタリングによる成膜速度が速く、成膜された薄膜は、記録層との密着性、機械特性に優れ、且つ透過率が高く、非硫化物系で構成することにより、隣接する反射層、記録層の劣化が生じ難い光情報記録媒体用薄膜(特に保護膜としての使用)の特性を有する。
これによって、光情報記録媒体の特性を向上させることが可能であり、さらに生産性を大幅に改善することが可能である。
本発明の焼結体スパッタリングターゲットは、インジウム(In)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)で構成される酸化物であり、各金属元素の原子比が、0.04≦In/(In+Sn+Ni)≦0.57、0.29≦Sn/(In+Sn+Ni)≦0.73、0.04≦Ni/(In+Sn+Ni)≦0.33、の範囲にある。
上記ターゲットを使用して成膜した光記録媒体用薄膜は、ターゲットとほぼ同一の成分組成の薄膜を形成すること、すなわちインジウム(In)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)で構成される酸化物であり、各金属元素の原子比が、0.04≦In/(In+Sn+Ni)≦0.57、0.29≦Sn/(In+Sn+Ni)≦0.73、0.04≦Ni/(In+Sn+Ni)≦0.33、の範囲にある光記録媒体用薄膜を得ることが可能である。
この光記録媒体用薄膜は、光学特性が安定していると共に、スパッタ膜は、400nm近辺の青色レーザーの波長領域の消衰係数を改善し、消衰係数を0.1以下とすることができる。これは、特に相変化型光記録媒体の保護層材に適しており、DC又は高周波スパッタリングによるスパッタ成膜速度も速い。
また、透過率を向上させることが出来るため、書換え速度の速い相変化記録媒体や青色レーザー系の相変化記録媒体用保護層材に適する。
また、焼結体スパッタリングターゲットは、相対密度を90%以上で、バルク抵抗率が100Ωcm以下とすることができる。相対密度を90%以上、さらには95%以上とすることも可能である。密度の向上は、スパッタ膜の均一性を高め、またスパッタリング時のパーティクルの発生を抑制できる効果を有する。
本発明のスパッタリングターゲットは、スパッタリング成膜時に、ダスト(発塵)の少ないという大きな特徴を有している。
本発明は、このように焼結体スパッタリングターゲットは、インジウム(In)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)の酸化物から構成される材料とすることにより、一定の導電性を保有させることができ、これによって、高周波スパッタによって成膜速度を高めることができる。バルク抵抗値は、100Ωcm以下とすることが可能である。
また、保護膜自体の膜厚を薄くすることも可能となるため、生産性向上、基板加熱防止効果をさらに発揮できる。
さらに、本発明のスパッタリングターゲットを使用して形成された薄膜は、光情報記録媒体の構造の一部を形成し、記録層又は反射層と隣接して配置することができるが、上記の通り、ZnSを使用していないので、硫黄(S)による汚染がなく、保護層に挟まれるように配置された記録層材への硫黄成分の拡散がなくなり、これによる記録層の劣化がなくなるという著しい効果がある。
また、大容量化、高速記録化のため、高反射率で高熱伝導特性を有する純Ag又はAg合金が反射層材に使用されるようになったが、この隣接する反射層への硫黄成分の拡散も無くなり、同様に反射層材が腐食劣化して、光情報記録媒体の反射率等の特性劣化を引き起こす原因が一掃されるという優れた効果を有する。
本発明のスパッタリングターゲットは、平均粒径が5μm以下である各構成元素の酸化物粉末を、常圧焼結又は高温加圧焼結することによって製造することができる。焼結条件は特に制限はなく、通常のホットプレス条件(1000°C〜1200°C、加圧力200〜400kgf/cm)で行うことができる。また、焼結原料の配合割合により、温度及び圧力を任意に調整することが可能である。これによって、相対密度が90%以上、さらには95%以上を有するスパッタリングターゲットが得られる。
焼結前には、原料となる酸化物粉末を800〜1300°Cで仮焼することが望ましい。この仮焼後、ボールミル等で1μm以下に粉砕し、微粉砕スラリーを作製して焼結原料とする。酸化物粉末は粒径が小さいことが望ましいが、特にこの数値に制限する必要はない。目的とするターゲットの品質に応じて変更することが可能である。
さらに、本発明のスパッタリングターゲットを使用することにより、生産性が向上し、品質の優れた材料を得ることができ、光ディスク保護膜をもつ光記録媒体を低コストで安定して製造できるという著しい効果がある。特に、スパッタ膜の400nm近辺の青色レーザー領域の消衰係数を改善し、安定な光学薄膜を形成するためのスパッタリングターゲットを提供することができる。
さらに、本発明のスパッタリングターゲットの密度向上は、空孔を減少させ結晶粒を微細化し、ターゲットのスパッタ面を均一かつ平滑にすることができるので、スパッタリング時のパーティクルやノジュールを低減させ、さらにターゲットライフも長くすることができるという著しい効果を有し、品質のばらつきが少なく量産性を向上させることができる。
以下、実施例および比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例によって何ら制限されるものではない。すなわち、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限されるものであり、本発明に含まれる実施例以外の種々の変形を包含するものである。
(実施例1−7)
4N相当で平均粒径1μmのIn粉末、4N相当で平均粒径2μmのSnO粉末、3Nで平均粒径5μmのNiO粉末を準備し、表1に示す各種の組成となるように調合し、湿式ボールミル(乾燥ブレンダーを用いても良い)で混合した後、1100°Cで仮焼した。さらに、この仮焼粉を、さらに平均粒径1μm以下になるまで、湿式ボールミルにておよそ20時間処理かけた微粉砕し、スラリーを作製した。
次に、このスラリーを乾燥機で乾燥した後、カーボン製ダイスに充填し、ホットプレスした。ホットプレスの条件は、温度1100°Cとし、圧力350kgf/cmとした。ホットプレス後の焼結体の相対密度は、全て90%以上であった。この焼結体を機械加工でターゲット形状に仕上げた。このターゲットの組成(構成成分)、各金属元素の組成比(原子比)、比抵抗を、表1に示す。
Figure 2011132582
上記において仕上げ加工した6インチφサイズのターゲットを使用して、スパッタリングを行った。スパッタ条件はDC(直流)スパッタリングを実施した。実施例に示すターゲットについては、全てDCスパッタリングが可能であった。スパッタパワーは500〜1000W、スパッタガスAr−Oの雰囲気(Arガス圧0.5Pa、ガス流量50sccm)で、ガラス基板上に目標膜厚1500Åで成膜した。
焼結体ターゲットのバルク抵抗率(四端子法、Ωcm)、スパッタガスの種類、成膜の膜組成の各金属元素の原子比、屈折率(波長405nm)、消衰係数(波長405nm)、ノジュールの個数を調査した結果を、まとめて表1に示す。なお、波長405nmは、青色レーザー領域の波長である。なお、ノジュールの個数は、ライフが15kwhとなるまで連続スパッタリングし、ターゲット表面に発生した突起状物の個数をカウントした結果である。
以上の結果、実施例1−7の適量のインジウム(In)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)で構成される酸化物を備えたスパッタリングターゲットは、いずれも相対密度は90%以上であり、比抵抗は0.5〜100Ωcmとなり、安定したDCスパッタができ、極めて良好なスパッタ性を有した。
スパッタ膜の膜組成の各金属元素の原子比は、ターゲットのそれとほぼ同等となり、屈折率は2.08〜2.28であった。
また、消衰係数は、0.02〜0.09となり、いずれも消衰係数が0.1以下の良好な消衰係数を示した。本実施例のターゲットは、ZnSを使用していないので、硫黄の拡散・汚染による光情報記録媒体の特性劣化は生じない。
また、後述する比較例に比べて、消衰係数又はノジュール個数において、優位性が見られ、いずれも良好な値を示した。
(比較例1−6)
表1に示すように、本願発明の条件とは異なる原料粉の成分及び組成比の原料粉を準備し、これを実施例と同様の条件で、ターゲットを作製し、かつこのターゲットを用いてスパッタ膜を形成した。なお、比較例6のみ、スパッタリング条件を変えた(スパッタガスを変えた条件)とした。この結果を、同様に表1に示す。
本発明の組成比から逸脱する比較例の成分・組成又は成膜条件である場合には、下記に示すように、消衰係数又はノジュールの個数において悪い結果となった。
比較例1については、焼結体ターゲット及びスパッタ膜のSnの原子比が本願発明から逸脱するものであるが、消衰係数(405nm)が0.12と悪くなった。
比較例2については、焼結体ターゲット及びスパッタ膜のSnの原子比及びNiの原子比が本願発明から逸脱するものであるが、消衰係数(405nm)が0.11と悪くなった。また、比抵抗が100Ωcmより大きい値となり、DCスパッタ出来ないという問題があった(表1の「−」の表示参照)。
比較例3については、焼結体ターゲット及びスパッタ膜のInの原子比及びSnの原子比が本願発明から逸脱するものであるが、ノジュールの個数が12.2個/cmと悪くなった。ノジュールの増加は、異常放電が起こり易くなり、ターゲットに割れが生ずるという問題を生ずるものである。
比較例4については、焼結体ターゲット及びスパッタ膜のNiの原子比が本願発明から逸脱するものであるが、ノジュールの個数が12.2個/cmと悪くなった。ノジュールの増加は、異常放電が起こり易くなり、ターゲットに割れが生ずるという問題を生ずるものである。
比較例5については、焼結体ターゲット及びスパッタ膜のInの原子比及びSnの原子比が本願発明から逸脱するものであるが、比抵抗が100Ωcmより大きい値となり、DCスパッタ出来ないという問題があった(表1の「−」の表示参照)。
比較例6については、焼結体ターゲット及びスパッタ膜のInの原子比、Snの原子比、Niの原子比は、いずれも本願発明を満足するものであるが、成膜条件(スパッタガスをArのみにしてスパッタリング実施)を本願発明の条件を有していない場合である。この場合に、消衰係数は0.19と悪くなった。
本発明は、透明で環境負荷耐性のある薄膜材料であり、スパッタ膜の400nm近辺の青色レーザーの波長領域の消衰係数を改善することができる光記録媒体用薄膜を提供し、かつこの光記録媒体用薄膜のスパッタリング成膜時に、ダスト(発塵)の少ない焼結体スパッタリングターゲットを提供することが可能となる大きな特徴を有する。
また、本発明のターゲットは、スパッタリングによる成膜速度が速く、成膜された薄膜は、記録層との密着性、機械特性に優れ、且つ透過率が高く、非硫化物系で構成することにより、隣接する反射層、記録層の劣化が生じ難い光情報記録媒体用薄膜(特に保護膜としての使用)の特性を有する。これによって、光情報記録媒体の特性を向上させることが可能であり、生産性を大幅に改善することが可能である。さらに、従来に較べて環境の汚染を防止することが可能であるという大きな効果を有する。
したがって、本願発明は、非晶質性光学薄膜、特に相変化型の光情報記録媒体の保護層を形成するスパッタリングターゲットとして有用である。

Claims (6)

  1. インジウム(In)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)で構成される酸化物であり、各金属元素の原子比が、0.04≦In/(In+Sn+Ni)≦0.57、0.29≦Sn/(In+Sn+Ni)≦0.73、0.04≦Ni/(In+Sn+Ni)≦0.33、の範囲にある焼結体スパッタリングターゲット。
  2. 相対密度が90%以上で、バルク抵抗率が100Ωcm以下である請求項1記載の焼結体スパッタリングターゲット。
  3. インジウム(In)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)で構成される酸化物であり、各金属元素の原子比が、0.04≦In/(In+Sn+Ni)≦0.57、0.29≦Sn/(In+Sn+Ni)≦0.73、0.04≦Ni/(In+Sn+Ni)≦0.33、の範囲にある焼結体スパッタリングターゲットを、Oを1〜10vol%含有するArガス(ガス圧1.0Pa以下)の雰囲気中でスパッタリングすることを特徴とする光記録媒体用薄膜の製造方法。
  4. 波長405nmにおける消衰係数(k)が0.1以下である請求項3記載の光記録媒体用薄膜の製造方法。
  5. インジウム(In)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)で構成される酸化物であり、各金属元素の原子比が、0.04≦In/(In+Sn+Ni)≦0.57、0.29≦Sn/(In+Sn+Ni)≦0.73、0.04≦Ni/(In+Sn+Ni)≦0.33、の範囲にある光記録媒体用薄膜。
  6. 波長405nmにおける消衰係数(k)が0.1以下である請求項5記載の光記録媒体用薄膜。
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