JP2003157580A - 光学的情報記録媒体 - Google Patents

光学的情報記録媒体

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JP2003157580A
JP2003157580A JP2001354309A JP2001354309A JP2003157580A JP 2003157580 A JP2003157580 A JP 2003157580A JP 2001354309 A JP2001354309 A JP 2001354309A JP 2001354309 A JP2001354309 A JP 2001354309A JP 2003157580 A JP2003157580 A JP 2003157580A
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Katsunori Oshima
克則 大嶋
Kenji Oishi
健司 大石
Osamu Akutsu
収 圷
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Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長400nm近傍のレーザービームに
対して優れた特性を示す光記録媒体が得られる。 【解決手段】 基板上に少なくとも反射層、第二保護
層、記録層、第一保護層をこの順番に積層し、その上に
カバー層を設け、前記カバー層側からの光の照射により
情報の記録及び消去が行われる光学的情報記録媒体であ
って、前記第一保護層及び前記第二保護層として用いら
れる誘電体層の屈折率nが、2.30≦n≦2.37、
消衰係数kがk=0であり、前記第一保護層の厚さは、
120nm以上140nm以下であり、前記第二保護層
の厚さは、10nm以上25nm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザービーム
(光)の照射により記録層を構成する原子の配列が変化
して情報の記録及び消去が行われる光学的情報記録媒体
(以下、光記録媒体と呼ぶ)に関するものであり、特に
波長が400nm近傍の光で良好な光記録、再生、書き
換え特性が得られる光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザービームの照射によって情報の記
録、再生及び消去が可能な光記録媒体の一つとして、結
晶−非晶質間、或いは結晶1−結晶2の2つの結晶相間
の転移を利用する、いわゆる相変化型記録媒体がよく知
られている。
【0003】相変化型記録媒体は、Te、Se等のカル
コゲンを主成分とした記録層と、この記録層を両面から
挟み込む透光性誘電体層と、レーザービームの入射側と
は反対に設けた反射層と、これらの層を保護する保護層
とから構成されている。代表的な材料系に、GeSbT
e系材料、AgInSbTe系材料が良く知られてお
り、実用化されている。
【0004】このような相変化型記録媒体の記録原理は
次の通りである。成膜直後の記録層は非晶質(アモルフ
ァス)状態で反射率は低い。従って、まずレーザービー
ムを照射して記録層を加熱し、記録媒体全面を反射率の
高い結晶状態にする。すなわち、初期化を行う。初期化
した記録媒体に対してレーザービームを局所的に照射し
て記録層を溶融、急冷し、アモルファス状態に相変化さ
せる。この相変化に伴い記録層の光学的性質(反射率、
透過率、複素屈折率等)が変化して、情報が記録され
る。このような記録媒体の再生は、記録時より弱いレー
ザービームを照射して結晶とアモルファスとの反射率
差、又は位相差を検出して行う。また、書き換えは、結
晶化を引き起こす低エネルギーの消去パワーの上に重畳
した記録ピークパワーを記録層に投入することにより行
われ、消去過程を経ることなくすでに記録された記録マ
ーク上にオーバーライトすることが可能である。
【0005】このように相変化型記録媒体はレーザービ
ームを集光して記録再生を行うので、記録容量を決定す
る要素としてレーザービームの波長、集光レンズのNA
(開口数)が大きく作用する。現在は発振波長650n
mのレーザービームを用いた記録再生装置が商品化され
ている。そして、更に高容量の媒体を目指しレーザの短
波長化が盛んに検討されている。中でも400nm付近
の波長を持つ半導体レーザの開発が盛んである。一般に
光ディスク等の光記録媒体は記録再生機に搭載されてい
るレーザービームの波長において記録再生特性が良好に
なるよう設計されている。そのため650nm付近に対
応したディスクを400nm付近のレーザ光で使用して
も同様な特性を得るのというのは困難である。なぜな
ら、光ディスクの光学的特性が400nm付近のレーザ
ービームでは適切でないためである。光ディスクの記録
再生特性を大きく左右する要因に光ディスクの光学的特
性がある。この光学的特性は構成する各層の厚さ、各層
の材料の光学定数により大きく変化する。
【0006】特開平11−39716号公報には、短波
長域でコントラストの高い媒体を提供するため、グルー
ブ等を設けた基板上に第一保護層/記録層/第二保護層
/反射層とこの順に積層した媒体で、記録層、反射層、
保護層等の各層の光学定数を規定した発明が記載されて
いる(ここで、第一保護層、第二保護層は、光入射面に
近い方から、第一、第二としている)。通常これまで
の、相変化型書き換え光ディスクは、各層がこのような
順番で積層されている。この従来技術では、記録層、反
射層では屈折率、消衰係数の値が規定されているが、保
護層を構成する誘電体層の消衰係数が規定されていな
い。また、第一保護層の厚さは規定されてはいるが、そ
の範囲がかなり広く、波長400nm付近の光で高い特
性が得られるとは考え難かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】現在、盛んに研究開発
が進められている書き換え可能な光ディスクの記録機に
使用されるレーザービームは、波長が400nm付近の
ものである。しかしながら400nm付近の短波長領域
の光源で高NAレンズを用いた場合の高密度光記録では
光ディスクの傾き許容度が小さくなるという課題があっ
た。特に、これまでのCDやDVD等の光ディスクのよ
うに厚さ1.2mmや0.6mmの基板を用いた場合、
僅かな反りなどに起因する傾きによって記録再生特性の
大幅な劣化を招いてしまうという課題があった。
【0008】本発明では、このような課題を解決するた
めディスク構造を、グルーブ(溝)を設けた基板上に反
射層、第二保護層、記録層、第一保護層の順に成膜し、
さらにその上に非常に薄いカバー層を設ける形にした。
【0009】各層の膜厚は記録レーザ波長において特性
が良好になるように光学的設計に基づいてがなされてい
る。更に記録レーザ光のエネルギーの吸収によって起こ
る熱の出入りを考慮し、適切なレーザ出力で記録、再
生、書き換えができるよう各層の膜厚を決めている。
【0010】特に第一保護層の厚さは、光ディスク全体
の光学的特性に大きく影響を及ぼす層として機能してい
る。これまでの光ディスクは保護層として誘電体層(高
屈折率層)が用いられている系が多く、短波長レーザー
ビームに対応した光ディスクでは第一保護層の膜厚は5
0nm前後にして光学的特性を最適化していた。しかし
ながら、この構造の光ディスクでは高容量化のために短
波長化したレーザ光で最適な記録、消去を行うことがで
きず、更に繰り返し書き換え特性が劣るという課題があ
った。本発明は、このような課題を解決し、高密度記録
に不可欠な記録レーザ光の短波長化に対応し、短波長域
で良好な特性が得られる光記録媒体を提供するものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、基板上に少なくとも反射層、第二保護層、記録
層、第一保護層をこの順番に積層し、その上にカバー層
を設け、前記カバー層側からの光の照射により情報の記
録及び消去が行われる光学的情報記録媒体であって、前
記第一保護層及び前記第二保護層として用いられる誘電
体層の屈折率nが、2.30≦n≦2.37、消衰係数
kがk=0であり、前記第一保護層の厚さは、120n
m以上140nm以下であり、前記第二保護層の厚さ
は、10nm以上25nm以下であることを特徴とする
光学的情報記録媒体を提供する。
【0012】また、前記記録層の組成がSb,Teを含
み、これらにGe,Ag,In,Ba,Co,Cr,N
i,Pt,Si,Sr,Au,Cd,Li,Mo,M
n,Zn,Fe,Pb,Na,Cs,Ga,Pd,B
i,Sn,Ti、V、Se、S、As、Tlのうち少な
くとも一種類以上を添加することを特徴とする請求項1
に記載の光学的情報記録媒体を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光学的情報記
録媒体について説明する。通常、相変化型ディスクの場
合、記録層を誘電体等で挟み込む保護層を設け、その上
に反射層を成膜している。光ディスクの光学的特性を支
配しているのは、前記した如く、主にこれら各層の厚
さ、材料のもつ光学定数によるところが大きい。
【0014】本発明者は、基板上に、反射層、第二保護
層、記録層、第一保護層の順に積層されて光記録媒体が
400nm近傍の波長域で優れた記録、再生、書き換え
特性を実現するための高い変調度を得るためには第一保
護層及び第二保護層として用いられる誘電体層の膜厚と
光学定数の設定が重要であるということを見出した。
【0015】光記録媒体における光の吸収、反射等を決
定しているのは、特に第一保護層の物性、膜厚によると
ころが大である。また、保護層に用いられる誘電体層は
波長による光学的物性が大きく異なる。このため、特定
の波長の光で良好な特性を得るためには膜厚、光学特性
の適切な設計が必要になる。
【0016】そこで鋭意検討した結果、保護層を請求項
1に示されるような特性と構造を用いれば良好な特性が
得られるという結果に至った。
【0017】従来の記録媒体における第一保護層の厚さ
を50nm付近とした媒体(A)の光学特性を測定した
データと、本発明の請求項1に示された範疇における媒
体(B)の光学特性データとを比較すると以下のような
ことがいえる。結晶、アモルファス両状態で媒体
(A)、媒体(B)とも405nm付近の波長域には吸
収があるので、とりあえず初期記録はできる。しかしな
がら媒体(B)においてはアモルファス状態での吸収が
より大きいため、結晶状態との反射率の比で決まる変調
度は本発明での媒体(B)の方がかなり大きくなり、記
録再生特性に優れる。
【0018】また、第一保護層及び第二保護層は、光学
的特性を改善する効果の他、記録時に基板、記録層など
が熱によって変形し記録特性が劣化することを防止する
など、基板、記録層を熱から保護する効果がある。この
ため、より膜厚の厚い本発明媒体の方が物理的にも強度
が高く、保護効果が高い。従って、結果的に記録再生特
性を大きく向上させることができる。
【0019】本発明に係る光記録媒体の代表的な層構成
は、透明基板/反射層/第二保護層/記録層/第一保護
層の積層体からなる。この上に接着層とシート状基板と
からなるカバー層を設けたものである(図1)。但し、
本発明に係る光記録媒体はこれに限定されるものではな
く、反射層や記録層上に本発明の効果を損なわない範囲
でSiO,SiO2,ZnO,SnO2,Al23,Ti
2,In23、MgO,ZrO2等の金属酸化物、S
34,AlN,TiN,BN,ZrN,GeN等の窒
化物、ZnS,In23,TaS4等の硫化物、Si
C,TaC,B4C,WC,TiC,ZrC等の炭化物
といった保護層を設けても良い。
【0020】本発明に係る光記録媒体の第一保護層及び
第二保護層は、記録層の結晶化を促進して、消去率を向
上する効果もある。この第一保護層及び第二保護層とし
ては、ZnS,SiO2、窒化シリコン、酸化アルミニ
ウム等の無機薄膜がある。特に、Si,Ge,Al,T
i,Zr,Ta等の金属或いは半導体の酸化物の薄膜、
Si,Ge,Al等の金属或いは半導体の窒化物の薄
膜、Ti,Zr,Hf,Si等の金属或いは半導体の炭
化物の薄膜、ZnS,In23,TaS4,GeS2等の
金属或いは半導体の硫化物の薄膜、及びこれらの化合物
の2種類以上の混合物の膜が、耐熱性が高く、化学的に
安定であることから好ましい。更に、記録層に対して保
護層を構成する原子の拡散がないものが好ましい。
【0021】これらの酸化物、硫化物、窒化物、炭化物
は必ずしも化学量論的組成をとる必要はなく、請求項1
に示される関係式に合致するような屈折率、消衰係数等
の制御のために組成を制御したり、混合して用いると効
果がある。また、これらにMgF2などのフッ化物を混
合したものも、膜の残留応力が小さいことから好まし
い。特にZnSとSiO2の混合膜は、記録、消去の繰
り返しによっても、記録感度、C/N、消去率などの劣
化が起きにくいことから好ましい。
【0022】また、反射層の材質としては、光反射性を
有するAl,Au,Agなどの金属、及びこれらを主成
分とし、Tiなどの添加元素を含む合金、及びAl,A
u,Ag等の金属にAl,Si等の金属窒化物、金属酸
化物、金属カルコゲン化物等の金属化合物を混合したも
の等があげられる。Al,Au,Agなどの金属、及び
これらを主成分とする合金は、光反射性が高く、かつ熱
伝導率を高くできることから好ましい。前述の合金の例
として、AgにSi,Mg,Cu,Pd,Ti,Cr,
Hf,Ta,Nb,Mn,Pd,Zr等の中から少なく
とも1種の元素を合計で5原子%以下、1原子%以上加
えたもの等がある。
【0023】次に、請求項2に示される本発明の記録材
料は、結晶状態と非晶状態の少なくとも2つの状態をと
り得る少なくともTe,Sbからなる相変化型光記録材
料である。消去状態である結晶状態は、結晶状態が単一
相であるとは限らず、2相以上の結晶相が混在していて
も良い。記録状態である非晶質状態において、X線回折
パターンは示さないが局所的には短距離秩序を有してい
ても良く、規則的な電子線回折パターンを示す場合もあ
る。
【0024】記録材料としてSb,Teを主成分とし、
添加元素としてAg,In,Ge,Ba,Co,Cr,
Ni,Pt,Si,Sr,Au,Cd,Li,Mo,M
n,Zn,Fe,Pb,Na,Cs,Ga,Pd,B
i,Sn,Ti,V,Se,S,As,Tlの群から選
ばれる少なくとも1種以上の元素を合計で0.01原子
%以上15原子%未満含有することができる。
【0025】とりわけ、繰り返しオーバーライト性能に
優れていることから、記録層の膜厚方向の平均組成が下
記の組成式で表される組成であることが好ましい。
【0026】組成式 MxTeySbz 0.03≦x≦0.15 0.20≦y≦0.40 0.60≦z≦0.75 x+y+z=1 ここで、MはSbTeに添加する金属元素で少なくとも
一種類以上からなり、x,y,z及び数字は、各元素の
原子の数の比(各元素のモル比)を表す。
【0027】この組成で明らかな如く、アンチモンSb
の含有量が結晶化速度を強く支配しており、Sb量の増
加とともに結晶化速度が速くなり、転送速度を高速にす
ることができる。加えて、Sbを成分に含むTe系合金
であるため、耐酸化性にも優れている。しかし、Sb量
が過剰であると繰り返しオーバーライト性能が低下し、
更にSb量が過剰であると成膜直後から結晶状態とな
り、高反射率を呈するようになる。
【0028】MならびにTeの含有量については、過剰
であると記録感度が低下し、非晶質から結晶へ変化し再
び非晶質に戻るような可逆的な変化を示さなくなり、つ
いには非晶質から結晶への不可逆的な相変化を示さなく
なる。このように記録層は光学的な物性より組成的に起
因する物性により光ディスクの記録再生特性を左右す
る。従って、光ディスク全体の光学特性は保護層によっ
て最適に設計する必要がある。
【0029】以下に本発明の具体的な実施例を示すが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。本実
施例では、波長405nmの光を発振するレーザとレン
ズNA0.65のものを搭載した評価機を用いて、光デ
ィスクとしての記録再生特性の評価を行った。なお、記
録再生特性の評価はエラーレートを反映するジッタ値と
変調度を測定した。 ・実施例1 次のような構造の光ディスクを作成した。 第一保護層130nm 記録層20nm 第二保護層10nm 反射層80nm この場合は、波長405nmの記録再生レーザービーム
において、最短マーク長が0.25μmとなるランダム
変調信号を記録し、その信号特性を測定した結果、初期
特性としてジッタ:9.5%、変調度:60%として良
好なものが得られた。(現行のシステムマージンを考え
た場合、ジッタ:13%以下、変調度:50%以上が好
ましい。)また、繰り返し書き換え特性(DOW特性:
direct over write)103回DOWでジッタ:10.5
%とこれも良好なものが得られた。 ・実施例2 第2実施例として次のような構造の光ディスクを作成し
た。 第一保護層1230nm 記録層23nm 第二保護層21nm 反射層80nm この場合は、波長405nmの記録再生レーザービーム
において測定した結果、初期特性としてジッタ:10.
5%、変調度:53%として良好なものが得られた。ま
た、DOW特性103回DOWでジッタ:11.5%と
これも良好なものが得られた。 ・実施例3 第3実施例として次のような構造の光ディスクを作成し
た。 第一保護層140nm 記録層20nm 第二保護層20nm 反射層80nm この場合は、波長405nmの記録再生レーザービーム
において測定した結果、初期特性としてジッタ:11.
7%、変調度:58%として良好なものが得られた。ま
た、DOW特性103回DOWでジッタ:11.3%と
これも良好なものが得られた。 ・比較例1 上述した光ディスクに対する比較例として次のような構
造の光ディスクを作成した。 第一保護層50nm 記録層23nm 第二保護層12nm 反射層80nm この場合は、波長405nmの記録再生レーザービーム
において測定した結果、初期特性としてジッタ:10.
0%、と良好であるが、変調度:44%とシステムのマ
ージンから厳しい値となった。また、DOW特性は10
3回DOWでジッタ:15.7%と本発明に係る光ディ
スクよりも劣る特性となった。 ・比較例2 次に比較例2として次のような構造の光ディスクを作成
した。 第一保護層150nm 記録層23nm 第二保護層15nm 反射層80nm この場合は、波長405nmの記録再生レーザービーム
において測定した結果、初期特性としてジッタ:15.
3%と良好なものが得られなかった。この光ディスクの
分光曲線を測定してみると波長405nmにおいてはア
モルファス状態で反射率が20%台もあり、効率よくレ
ーザービームの吸収ができない。また、クリスタル時と
の反射率差も充分ではなかった。このために、記録再生
特性が初期から劣るものとなったと考えられる。 ・比較例3 第一保護層115nm 記録層23nm 第二保護層17nm 反射層80nm この場合は、波長405nmの記録再生レーザービーム
において測定した結果、初期特性としてジッタ:14.
5%、として良好なものが得られなかった。このディス
クの分光曲線を測定してみると、アモルファス状態で反
射率が17%でレーザービームの吸収が不十分となり、
初期から特性が劣る原因の一つとなっている。クリスタ
ルとアモルファスでの反射率差が数%しかなく、これで
は充分な変調度が得られず、ジッタが劣る原因にもなっ
ていた。
【0030】次に、本発明になる光記録媒体の製造方法
について述べる。反射層、記録層、保護層などを基板上
に形成する方法としては、公知の真空中での薄膜形成
法、例えば真空蒸着法(抵抗加熱型や電子ビーム型)、
イオンプレーティング法、スパッタリング法(直流や交
流スパッタリング、反応性スパッタリング)などがあげ
られる。特に組成、膜厚のコントロールが容易であるこ
とから、スパッタリング法が好ましい。スパッタリング
法では、例えば、記録材料と添加材料を各々のターゲッ
トを同時にスパッタリングすることにより容易に混合状
態の記録層を形成することができる。成膜前の真空度
は、1×10-4Pa以下にするのが好ましい。真空槽内
で複数の基板を同時に成膜するバッチ式や基板を1枚ず
つ処理する枚葉式成膜装置を使うことが好ましい。
【0031】形成する反射層、記録層、保護層(誘電体
層)などの厚さの制御は、スパッタ電源の投入パワーと
時間を制御したり、水晶振動型膜厚計などで、堆積状態
をモニタリングすることで、容易に行える。反射層、記
録層、保護層などの形成は、基板を固定したまま、或い
は移動、回転した状態のどちらでも良い。膜厚の面内の
均一性に優れることから、基板を自転させることが好ま
しく、更に公転を組合わせることがより好ましい。
【0032】成膜は次のような手順で行った。基板を毎
分60回転で遊星回転させながら、スパッタリング法に
より、反射層、第二保護層、記録層、第一保護層の順に
真空成膜を行った。まず、真空チャンバー内を6×10
-5Paまで排気した後、1.6×10-1PaのArガス
を導入した。Agを主成分とする合金単一ターゲットを
直流スパッタ法にて、厚さ80nmの反射層を形成し
た。次にZnS−SiO2を高周波マグネトロンスパッ
タ法により反射層上に膜厚12nmの第二保護層を形成
した。続いて、Ag,In,Te,Sbからなる4元素
単一ターゲットを直流電源でスパッタして記録層を形成
した。具体的には、組成Ag0.05,In0.05,
Te0.25,Sb0.65で膜厚20nmの記録層を
形成した。更に第二保護層と同様の材質の第一保護層を
膜厚130nmとして形成形成した。
【0033】このディスクを真空容器より取り出した
後、この第一保護層上に紫外線硬化樹脂を接着層として
用い、厚さ0.09mmのポリカーボネート製のシート
状基板をスピンコート法にて貼り合わせた。その後、紫
外線照射により硬化させて膜厚0.1mmのカバー層を
形成した本発明の光記録媒体を得た。
【0034】こうして作成した光ディスクにレーザービ
ームやフラッシュランプ等を照射して、記録膜を結晶化
温度以上に加熱し初期化処理を行う。実用的には、特開
平7−282475号公報に記載されているような初期
化装置と評価機等を用い収束したレーザービームを用い
る。以下に、初期化から始める具体例につき説明する。
【0035】先ずは初期化装置のスピンドルに光ディス
クを装着した後、大出力のレーザービームを照射して記
録層を加熱して高反射率の状態に変化させる。光ディス
クに照射されるレーザービームはトラック幅よりも大き
なビーム径を有し、好ましくは半径方向に長く、光ディ
スクを回転しながら複数のトラックを同時に初期化す
る。
【0036】具体的には初期化レーザの波長は、830
nm、照射ビームの形状は、トラック方向が2μmで半
径方向が20μmの幅の広い形をしている。ディスクを
線速度2m/sで回転させ、半径22.0mmから初期
化を開始した。初期化レーザは、パワー400mWで半
径外周方向に30μm/回転の速度で移動させ、半径5
8.0mmで初期化を終了した。
【0037】また、光学定数を測定するためエリプソメ
ーターを用いた。このディスクに用いた保護層のZnS
−SiO2の光学定数は、波長405nmでは屈折率n
=2.317, 消衰係数k=0.000であった。
【0038】次に、出来上がったディスクの評価につい
て説明する。まず、波長405nmのレーザービームに
対する評価を次のようにして行った。評価は線速度5.
0m/sで8−16変調ランダムパターンによって行っ
た。クロック周期Tは17.15nsであり、再生信号
の振幅の中心でスライスしてクロック・トゥー・データ
・ジッタ(clock to data jitter)を測定した。そし
て、マークの検出にはタイムインターバルアナライザー
を用い、記録層は直径120mm、板厚1.2mmのポ
リカーボネート樹脂基板上に形成して、トラックピッチ
が0.5μmのグルーブ方式で記録を行った。溝深さは
30nmであり、グルーブ幅とランド幅の比はおよそ4
6:54であった。
【0039】次に、カバー層側から相変化記録層の案内
溝であるグルーブ部に記録を行った。このグルーブ部の
グルーブは、レーザービームの入射方向からみて凸状に
なっている。また、記録の条件は、ピークパワー4m
W,消去パワー2.5mW、クーリングパワー0mWで
あった。そして、再生信号のクロック・トゥー・データ
・ジッタを測定した。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る光学的情報記録媒体によれ
ば、波長400nm近傍のレーザービームに対して優れ
た特性を示す光記録媒体が得られるという効果を奏す
る。特に変調度とダイレクトオーバーライト特性に優れ
た光記録媒体が得られるという効果を奏するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学的記録媒体の断面模式図であ
る。
【図2】従来の媒体の分光曲線と本発明媒体の分光曲線
を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 反射層 3 第二保護層 4 記録層 5 第一保護層 6 接着層 7 シート状基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 圷 収 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 Fターム(参考) 2H111 EA04 EA12 EA23 EA31 EA48 FA01 FA12 FA14 FA21 FA23 FA25 FA27 FA37 FB09 FB12 FB17 FB21 GA03 5D029 JA01 LB07 LC06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に少なくとも反射層、第二保護層、
    記録層、第一保護層をこの順番に積層し、その上にカバ
    ー層を設け、前記カバー層側からの光の照射により情報
    の記録及び消去が行われる光学的情報記録媒体であっ
    て、 前記第一保護層及び前記第二保護層として用いられる誘
    電体層の屈折率nが、2.30≦n≦2.37、消衰係
    数kがk=0であり、 前記第一保護層の厚さは、120nm以上140nm以
    下であり、 前記第二保護層の厚さは、10nm以上25nm以下で
    あることを特徴とする光学的情報記録媒体。
  2. 【請求項2】前記記録層の組成がSb,Teを含み、こ
    れらにGe,Ag,In,Ba,Co,Cr,Ni,P
    t,Si,Sr,Au,Cd,Li,Mo,Mn,Z
    n,Fe,Pb,Na,Cs,Ga,Pd,Bi,S
    n,Ti、V、Se、S、As、Tlのうち少なくとも
    一種類以上を添加することを特徴とする請求項1に記載
    の光学的情報記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011018437A (ja) * 2010-09-02 2011-01-27 Jx Nippon Mining & Metals Corp スパッタリングターゲット及び光情報記録媒体用薄膜

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