JP4969931B2 - エポキシ樹脂、その製造方法及びその用途 - Google Patents

エポキシ樹脂、その製造方法及びその用途 Download PDF

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本発明は、電気・電子材料に使用される半導体封止材、フレキシブル配線基板、積層板、フィルム材、絶縁保護材、接着剤として有用な耐熱性、耐水性、誘電特性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂、その製造方法、該エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物、及びその用途に関する。
半導体封止やフレキシブル配線基板、積層板等の構成材料としてエポキシ樹脂組成物やポリアミド、ポリイミド等が多用されている。近年の電気・電子分野の発展には目覚ましいものが有りパッケージの小型化、軽量化、高密度化、フレキシブル化等が求められる中でこれら用途に使用されるエポキシ樹脂組成物の硬化物には難燃性、耐熱性の向上、低応力化や可撓性といった特性付与の他、吸水率、誘電率、破壊靭性等の向上を図るといった多くの課題を求められており、これらの諸物性の向上を図るため数多くの提案がなされている。特に近年、高周波数を扱う種々電子機器の増大に伴い、微細電子回路上で速度低下や熱的ロスを減少・低下させることが可能となる低誘電率素材の提案が数多くなされている。例えば特許文献1や特許文献2にはそれぞれ組成物にインデン変性エポキシ樹脂やフェニレンエーテルオリゴマー硬化剤を使用含有させ、吸水率や誘電率を改善するといった提案がなされ、これら物性の向上を図ってはいるが耐熱性は低下している。また、特許文献3にはジシクロペンタジエン骨格エポキシ樹脂やポリブタジエン変性フェノール樹脂等を用いて吸水率、誘電率を改善しているが耐熱性の向上は充分ではない。
特開平09−208673号公報 特開2004−224860号公報 特開2003−20327号公報 特開昭61−65876号公報
本発明は半導体封止やフレキシブル配線基板、積層板等の電気、電子材料に使用される封止材、接着剤、絶縁保護材料として有用な、高耐熱性、高破壊靭性、低吸水率、低誘電率等が同時に付与され、優れた物性を与えるエポキシ樹脂を提供することを目的とする。
本発明者らは前記したような特性を同時に付与向上するため、鋭意研究を重ねた結果、本発明の完成に至ったものである。即ち本発明は、
[1]、式(1)
Figure 0004969931
(式中、t−Buはターシャルブチル基を表す。)
で表されるヒンダードフェノールを非プロトン性極性溶媒の存在下にエポキシ化することを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法
[2] 式(2)
Figure 0004969931
(式中t−Buはターシャルブチル基を、Gはグリシジル基をそれぞれ表す。)
で表される化合物を主成分とするエポキシ樹脂
[3]、上記[1]記載の製法により得られるエポキシ樹脂
[4]、上記[2]または[3]記載のエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物。
[5]、上記[4]記載のエポキシ樹脂組成物を用いた半導体封止材、フレキシブル配線基板または積層板
[6]上記[5]記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物
に関する。
本発明のエポキシ樹脂は加水分解性塩素が低減される他、理論値に近似したエポキシ当量が得られる。また本発明の樹脂組成物、及びその硬化物は耐熱性と低吸水性、破壊靭性を同時に付与される他、誘電特性も改善される。また電気・電子材料等の分野で封止材、接着剤、絶縁保護材料等として使用することにより優れた信頼性を与えることが出来る。
以下本発明について詳細に説明する。
一般的にフェノール系化合物のエポキシ化反応は原料となるフェノール化合物をエピハロヒドリンに溶解し、テトラメチルアンモニウムクロライドやトリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩などを相間移動触媒として使用し、クロルヒドリン化やブロムヒドリン化させた後、アルカリ金属水酸化物を固形で、及び/又は水溶液として添加処理することにより閉環させ得る方法やフェノール化合物をエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリンに溶解しメタノールやエタノール等の極性溶媒を添加し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の固体を添加し、または添加しながら反応させる事によりハロヒドリン化と閉環を同時に行う方法、また、アルカリ金属水酸化物は水溶液を使用し、アルカリ金属水酸化物を連続的に添加すると共に反応系内から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、これを分液し、水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す方法等が知られている。本発明のエポキシ樹脂を得るには、これら何れの方法でもよいが、反応の際に溶媒として、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒を使用すると、得られるエポキシ樹脂のエポキシ当量が理論値に近似し、該エポキシ樹脂を使用した組成物の硬化物は耐熱性、吸水率、誘電率特性等で優れた物性となるので好ましい。
本発明のエポキシ樹脂は、下記式(1)
Figure 0004969931
(式中、t−Buはターシャルブチル基を表す。)
で表される化合物とエピハロヒドリンとの反応をアルカリ金属水酸化物の存在下に非プロトン性極性溶媒中で行う。
本発明のエポキシ樹脂を得る反応において、アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液し水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す方法でもよい。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられ、水酸化ナトリウムが好ましい。アルカリ金属水酸化物の使用量は、式(1)の化合物中の水酸基1モルに対し、通常0.9〜1.5モルである。
エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、エピヨードヒドリン等が挙げられ、エピクロルヒドリンが好ましい。
エピハロヒドリンの量は式(1)で表される化合物の水酸基1当量に対し通常2〜12モル、好ましくは3〜10モルである。この際、化合物の溶解性を高め反応を円滑に進行させるためにメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、もしくはジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが好ましい。本発明においては、下記する副成分の生成を抑えるため、非プロトン性極性溶媒を添加することが好ましい。非プロトン性極性溶媒中で反応を行うと、得られるエポキシ樹脂のエポキシ当量が理論当量に近似し、エポキシ化率が高くなる。
アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの量に対し通常2〜50重量%、好ましくは4〜40重量%であり、非プロトン性極性溶媒を使用する場合は通常5〜100重量%、好ましくは10〜90重量%である。
また式(1)で表される化合物とエピハロヒドリンの混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加し50〜150℃で0.5〜8時間反応させて得られる式(2)の化合物のハロヒドリンエーテル化物にアルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加え、20〜120℃で1〜10時間反応させ脱ハロゲン化水素(閉環)させる方法でもよい。
この場合、4級アンモニウム塩の使用量は式(2)で表される化合物100重量部に対し0.1〜10重量部である。
また、この相間移動触媒を使用する反応においても溶媒として、非プロトン性極性溶媒をエピハロヒドリンの量に対し通常5〜100重量%、好ましくは10〜90重量%使用するのが好ましい。
これらのエポキシ化反応終了後、反応生成物を水洗し、加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂をトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用した式(1)の化合物の水酸基1当量に対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
こうして得られる本発明のエポキシ樹脂は、下記式(2)
Figure 0004969931
(式中t−Buはターシャルブチル基を、Gはグリシジル基をそれぞれ表す。)
で表される化合物を主成分とし、その2〜3量体や式(1)の化合物の水酸基の一部がグリシジル化されずに残存した化合物を副成分として含む。この副成分の割合は、得られたエポキシ樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析やエポキシ当量から推定することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記のようにして得られた本発明のエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤を含有する。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明のエポキシ樹脂の他、特性を損なわない範囲で他のエポキシ樹脂を併用する事が出来る。併用できるエポキシ樹脂は特に限定されるものではなく、例えばノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノールエポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられる。これらエポキシ樹脂は2種以上を併用することもできる。
本発明のエポキシ樹脂組成物に含有されるエポキシ樹脂硬化剤は、例えばフェノールノボラック樹脂やフェノールアラルキル樹脂、ポリフェノール樹脂等のフェノール系硬化剤、ナフトール変性フェノールノボラックやジシクロペンタジエン変性ポリフェノール等の変性フェノール系硬化剤、フタル酸無水物やトリメリット酸無水物等の酸無水物系硬化剤、ジアミドジフェニルメタンやジシアンジアミド等のアミン系硬化剤等が挙げられる。また、これら硬化剤は2種以上を併用しても良い。これら硬化剤の使用量は使用されるエポキシ樹脂中のエポキシ基に対し0.4〜1.5倍当量の範囲で用いるのが好ましく、特に0.6〜1.2当量用いることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には必要に応じ硬化促進剤、充填剤、添加剤、又はイオン捕捉剤等を添加する事が出来る。硬化促進剤はエポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との反応を促進させるもので有れば特に限定されるものではなく、例えば有機リン化合物、イミダゾール系化合物、三級アミン、四級アンモニウム塩等が用いられる。これら硬化促進剤は使用するエポキシ樹脂やエポキシ樹脂硬化剤の種類、また成形条件や要求特性等により適宜選択される。硬化促進剤を用いる場合、その使用量はエポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜15重量部の範囲が好ましく、特に0.1〜10重量部の範囲が好ましい。
充填剤、添加剤としては、例えばシリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、カーボン、カーボン繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリコンカーバイト繊維等の無機系充填剤、ポリエステル繊維、セルロース繊維、アラミド繊維、また種々のポリマービーズ等の有機系充填剤、シランカップリング剤や難燃性付与剤、酸化安定剤、離型剤、顔料等の添加剤を配合することが出来る。これらの充填剤、添加剤を用いる場合の使用量は特に限定されるものではいが、充填剤はエポキシ樹脂組成物全量中の1〜95重量%、添加剤はエポキシ樹脂組成物全重量中の0.01〜20重量%の特性を損なわない範囲で使用することが出来る。
イオン捕捉剤はエポキシ樹脂組成物中の不純イオン、特に電子回路の信頼性を低下させる種々イオンを吸着固定させるもので有れば特に限定されるものではないが、ハイドロタルサイト系、リン酸ジルコニウム系、リン酸チタン系、酸化アンチモン系、酸化ビスマス系等のイオン捕捉剤等が使用される。例えば、DHT−4A(協和化学工業(株)製)、キョーワードKW−2000(協和化学工業(株)製)、IXE−100(東亞合成(株)製)、IXE−300(東亞合成(株)製)、IXE−400(東亞合成(株)製)、IXE−500(東亞合成(株)製)、IXE−600(東亞合成(株)製)等が市販されている。これらのイオン捕捉剤は単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。これらイオン捕捉剤の使用量は通常エポキシ樹脂組成物の0.01〜10重量%の範囲で用いられる。また、これらイオン捕捉剤の粒径は、最大粒径が5〜10μm以下、平均粒径が7μm以下が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は押し出し機、ロール等の混練装置を用いて加熱混練後、粉砕調製され、半導体素子等の電子部品をセットしたトランスファーモールド、インジェクションモールド等の従来からの成型機を用いて成形後、更に後硬化を行う事により種々の電子部品を封口、封止することが出来る。また、溶剤に溶解、及び/又は分散させた後、ロールコーター、マルチコーター等を用いて銅箔、アルミニウム箔等の金属箔、ポリイミドフィルム、アラミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルファイドフィルム等の電気絶縁性フィルムに塗布し、更にエポキシ樹脂組成物の硬化反応が抑制される温度範囲で1〜15分間インラインドライヤー等の乾燥装置に通して加熱乾燥処理することにより溶剤を除去されたフィルム化物を得ることもできる。この時、電気絶縁フィルムの塗布面には離型処理を施したものや接着性を付与するためブラスト処理、コロナ放電処理等を施したフィルムを使用することも出来る。離型処理を施したフィルムに塗布しフィルム化したエポキシ樹脂組成物は電子基板等に圧着後、電気絶縁フィルムを取り除き、必要な場合は更に他のフィルムや金属箔等を重ね、加圧加熱硬化させることでフレキシブル配線基板、絶縁材、保護材、接着剤等として広範な分野で使用できる。
また本発明のエポキシ樹脂組成物をジメチルスルホキシド、N−メチル2−ピロリドン、N,N’−ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス等で成形した積層板等の硬化物を得ることもできる。この際の溶剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物と該溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは15〜70重量%を占める量を用いる。
以下に本発明を実施例で説明する。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものでは無い。また、下記において、エポキシ当量とは、エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の質量。水酸基当量とは水酸基(OH基)1個あたりの化合物の質量である。
合成実施例1
(エポキシ樹脂の合成)
温度計、冷却管、撹拌装置を取り付けた4径フラスコにヒンダードフェノール化合物、アデカスタブAO−30(旭電化工業(株)製、水酸基当量182g/eq、融点186℃)182重量部、エピクロルヒドリン463重量部、ジメチルスルホキシド(DMSO)116重量部を仕込み25℃で溶解した、更に撹拌下に窒素ガスを導入しながら40℃に昇温し、次いでフレーク状水酸化ナトリウム(純分99%)42重量部を2時間を要し添加した。添加終了後更2時間、60℃で1時間反応させた。反応終了後、水300重量部、30%リン酸水素2ナトリウム水溶液30重量部加え水洗し、水層は分離除去し、油層を加熱減圧下過剰のエピクロルヒドリンを留去した。次いで420重量部のメチルイソブチルケトン(MIBK)を加え残留物を溶解させた。
更に、このメチルイソブチルケトンの溶液を70℃に加熱し撹拌下、30重量%の水酸化ナトリウム水溶液7重量部を添加し1時間反応(二段目反応)させた後、水洗浄液のpHが中性となるまで水洗を繰り返した。更に水層は分離除去し、加熱減圧下過剰のメチルイソブチルケトンを留去し、透明の本発明のエポキシ樹脂(A)230重量部を得た。得られたエポキシ樹脂Aの樹脂物性を表−1に示す。
合成参考例2
(非プロトン性極性溶媒無しでのエポキシ樹脂の合成)
DMSOの代わりにメタノール116重量部を使用した他は、上記合成実施例1と同様に反応操作を行い淡黄色透明の本発明のエポキシ樹脂(B)223重量部を得た。得られたエポキシ樹脂Bの樹脂物性を表−1に示す。
合成参考例3
(相間移動触媒を併用したエポキシ樹脂の合成)
温度計、冷却管、撹拌装置を取り付けた4径フラスコにヒンダードフェノール化合物、アデカスタブAO−30(旭電化工業(株)製、水酸基当量182g/eq、融点186℃)182重量部、エピクロルヒドリン463重量部、テトラメチルアンモニウムクロライド(TMAC)0.5重量部を仕込み25℃で溶解した、更に撹拌下に窒素ガスを導入しながら70℃に昇温し、次いでフレーク状水酸化ナトリウム(純分99%)42重量部を2時間かけて添加した。添加終了後更2時間、70℃で1時間反応させた。反応終了後、水300重量部、30%リン酸水素2ナトリウム水溶液30重量部加え水洗し、水層は分離除去し、油層を加熱減圧下過剰のエピクロルヒドリンを留去した。次いで420重量部のメチルイソブチルケトン(MIBK)を加え残留物を溶解させた。以後合成実施例1と同様に二段目反応を行い淡黄色透明の本発明のエポキシ樹脂(C)215重量部を得た。得られたエポキシ樹脂Cの樹脂物性を表−1に示す。
実施例1
エポキシ樹脂として合成実施例1で得られたエポキシ樹脂を表−2に示す組成で配合し加熱混練後、粉砕調製しトランスファー成形により成型物を得た、更に160℃×4hr+190℃×6hrの硬化条件で硬化させた後、動的粘弾性測定器(DMA)によるガラス転移温度(TG)、熱機械的分析器(TMA)によるガラス転移温度、吸水率、誘電率、及びK1C試験による最大点荷重を求めた。結果を表−3に示す。
参考例2
エポキシ樹脂として合成実施例2で得られたエポキシ樹脂を表−2に示す組成配分で配合した他は実施例1と同様に成形し、硬化、評価を行った結果を表−3に示す。
Figure 0004969931
加水分解性塩素:ジオキサンに溶解した樹脂を1N−KOH〜エタノール溶液で30分間 還流下分解した時に生じる(滴定される)塩素量(ppm)。
粘度 :150℃におけるICI粘度計での値(Po・s)
軟化点 :JIS K7234の測定法に準拠した値(℃)
Figure 0004969931
Figure 0004969931
尚、表−2、表−3において略号は下記のものを示す。また、表中のエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤は下記のとおり。

エポキシ樹脂A :合成実施例1で得られたエポキシ樹脂
エポキシ樹脂B :合成参考例2で得られたエポキシ樹脂
エポキシ樹脂C :合成参考例3で得られたエポキシ樹脂
硬化剤 :H−1(明和化成(株)製)
硬化促進剤 :TPP(純正化学(株)製)

吸水率 :85℃/85%の湿度条件下で24時間放置した時の吸水率(%)
誘電率・誘電正接 :1GHZ での測定値
TG1 :DMA測定装置(東洋精機(株)製 RHEOLGRAPH−SO
LID)を用い昇温速度2℃/minで測定を行った時のtanδ 最大値での温度(℃)
TG2 :TMA測定装置(真空理工(株)製 TM−7000)を用い昇温
速度2℃/minで測定を行った時の変局点温度(℃)
破壊靭性 :厚み4mmのCT試験片をテンシロンRTA−500(オリエンテ ック社製)を用いクロスヘッドスピード0.5mm/minで行っ た時の最大点荷重より求めた値(Nmm(−1.5))
表−1の合成法の相違による樹脂物性の対比によって明らかなように、合成実施例1の手法により得られたエポキシ樹脂Aはエポキシ当量が理論値(238g/eq)に近似する他、加水分解性塩素が低減され、低溶融粘度で軟化点の低い樹脂を得られる。また、エポキシ樹脂Aを用いた組成物の硬化物は耐熱性、破壊靭性、吸水性が他のエポキシ樹脂の硬化物に較べ向上している他、誘電率特性にも優れるため好ましい。
当量

Claims (1)

  1. 式(1)
    Figure 0004969931

    (式中t−Buはターシャルブチル基を表す。)
    で表されるヒンダードフェノールをジメチルスルホンまたはジメチルスルホキシドの存在下にエポキシ化することを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
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