JP4968088B2 - 電池システム、車両、電池搭載機器 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、LiPF6を非水電解液に用い、リチウム塩の濃度を0.4〜0.8mol/Lとしたリチウムイオン二次電池が記載されている。このようなリチウムイオン二次電池では、充放電を繰り返すと、この電池の内部抵抗が徐々に増大する劣化現象が知られている。
また、充放電の繰り返しによって内部抵抗が増大すると、発電要素の正極板と負極板との間に保持されている保持電解液中のリチウムイオンの濃度が低くなる。すなわち、内部抵抗が上がると濃度が下がるという負の相関があることも見出した。さらにこれとは逆に、電解液のうち、保持電解液と相互に流通可能に、かつ、電池ケース内で発電要素の外に貯留されている貯留電解液については、そのリチウムイオン濃度と、電池の内部抵抗とは、内部抵抗が上がると濃度が下がるという、正の相関があることも見出した。
かくして、電池の内部抵抗を常に適切な範囲に収めることができる。
内部抵抗を検知あるいは推定する手法としては、例えば、電池の直流抵抗測定やインピーダンス測定によって内部抵抗を検知する手法が挙げられる。そのほか、内部抵抗と相関関係を有する物理量の測定、例えば、電池内の電解液(保持電解液、貯留電解液)のリチウムイオン濃度の測定により内部抵抗を推定する手法や、電池使用状況(充放電回数、充電電流や放電電流の大きさ、環境温度等)から、演算により内部抵抗を推定する手法が挙げられる。
一方、充電において、同じ電気量を充電するにあたり、相対的に充電電流を大きくする制御を継続した場合と、相対的に小さくする制御を継続した場合とでは、前者の方が、電池の内部抵抗の増大を抑制でき、むしろ減少させうる場合もある。
すなわち、減少充放電条件とは、この条件に従う減少モード制御手段によって、電池の充放電を継続して行うことにより、電池の内部抵抗が次第に減少する結果となる充放電条件である。従って、電池の内部抵抗が次第に減少するよう、例えば放電において、相対的に放電電流を小さくする放電条件や、充電において、相対的に充電電流を大きくする充電条件を含む、充放電条件が挙げられる。
また、増大充放電条件とは、この条件に従う増大モード制御手段によって、電池の充放電を継続して行うことにより、電池の内部抵抗が次第に増大する結果となる充放電条件である。従って、電池の内部抵抗が次第に増大するよう、例えば放電において、相対的に放電電流を大きくする放電条件や、充電において、相対的に充電電流を小さくする充電条件を含む、充放電条件が挙げられる。
かくして、第1モード制御手段および第2モード制御手段を適宜選択して用いることで、電池の内部抵抗を常に適切な範囲に収めることができる。
また、第1の充放電条件としては、この条件に従う第1モード制御手段によって、電池の充放電を継続して行うことにより、電池の内部抵抗が次第に増大する結果となる充放電条件としておくのが好ましい。
さらに、第2の充放電条件としては、この条件に従う第2のモード制御手段によって、電池の充放電を継続して行うことにより、電池の内部抵抗が次第に減少する結果となる充放電条件としておくのが好ましい。
かくして、第3モード制御手段および第4モード制御手段を適宜選択して用いることで、電池の内部抵抗を常に適切な範囲に収めることができる。
また、第3の充放電条件としては、この条件に従う第3モード制御手段によって、電池の充放電を継続して行うことにより、電池の内部抵抗が次第に増大する結果となる充放電条件としておくのが好ましい。
さらに、第4の充放電条件としては、この条件に従う第4のモード制御手段によって、電池の充放電を継続して行うことにより、電池の内部抵抗が次第に減少する結果となる充放電条件としておくのが好ましい。
本発明の電池システムでは、この保持電解液のリチウムイオン濃度を抵抗相関物理量として利用し、抵抗相関物理量検知手段として、保持電解液濃度検知手段を有する。これによって、保持電解液のリチウムイオン濃度を検知または推定することにより、電池の内部抵抗の高低を適切に推定することができる。
本発明の電池システムでは、この貯留電解液のリチウムイオン濃度を抵抗相関物理量として利用し、抵抗相関物理量検知手段として、貯留電解液濃度検知手段を有する。これによって、貯留電解液のリチウムイオン濃度を検知または推定することにより、電池の内部抵抗の高低を推定することができる。
本発明の電子システムでは、第6モード制御手段により充放電させる場合、第5モード制御手段による場合よりも、所定の放電条件において流す放電電流を小さくする。また、他の放電条件でも、放電電流を等しいか小さくする。一方、第7モード制御手段により充放電させる場合、第5モード制御手段による場合よりも、所定の充電条件において流す充電電流を小さくする。また、他の充電条件でも充電電流を等しいか小さくする。
また、電池の充放電により、貯留電解液のリチウムイオン濃度が徐々に高くなり、第6モード用濃度閾値より高くなったことを検知または推定したとき、第6モード制御手段での充放電制御に切り換えて充放電をさせる。これにより、電池の内部抵抗を減少させ、電池の劣化を回復させることができる。
逆に、貯留電解液のリチウムイオン濃度が徐々に低くなり、第7モード用濃度閾値より低くなったことを検知または推定したときには、第7モード制御手段での充放電制御に切り替える。これにより電池の内部抵抗が下がりすぎる、あるいは、内部抵抗が下がる第6モード制御手段などで制御を続けることで、内部抵抗がむしろ増大してしまう状態に至るのを防止できる。
かくして、電池の内部抵抗を常に適切な範囲に収めることができる。
また、第6の充放電条件としては、この条件に従う第6のモード制御手段によって、電池の充放電を継続して行うことにより、貯留電解液のリチウムイオン濃度が次第に低下する結果となる充放電条件としておくのが好ましい。
さらに、第7の充放電条件としては、この条件に従う第7モード制御手段によって、電池の充放電を継続して行うことにより、貯留電解液のリチウムイオン濃度が次第に上昇する結果となる充放電条件としておくのが好ましい。
次に、本発明の実施形態1について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態1にかかる車両100について説明する。図1に車両100の斜視図を示す。
本実施形態1にかかる車両100は、HV制御装置20により、エンジン50、フロントモータ30およびリアモータ40を併用して駆動するハイブリッド自動車である。この車両100は、車体90、エンジン50、これに取り付けられたフロントモータ30、リアモータ40、ケーブル60、インバータ70、および、組電池10を有している。
このうち、濃度差起電力測定手段M1を備える電池101について、図3〜図5を参照しつつ説明する。
また、封口蓋112には、後述する第1測定電極140の第1導線142、および第2測定電極150の第2導線152が貫通して、上面112aから突出している(図3、図4参照)。さらに、この封口蓋112には矩形板状の安全弁177も封着されている。
また、負極板122は、帯状の銅箔のうち、一方長辺に沿う負極リード部122fを残して、その両面に図示しない負極活物質層を担持してなる。この負極活物質層には、グラファイトおよび結着剤が含まれる。
なお、本実施形態1では、この電解液130を、保持される部位の違いにより、以下のように分類する。即ち、上述の発電要素120のうち、正極板121と負極板122との間に保持されている電解液を保持電解液130Hと呼ぶ。また、発電要素120に保持させるよりも多くの電解液を電池ケース110に注入したことにより、図4に示すように、保持電解液130Hと相互に流通可能とされた状態で、発電要素120と電池ケース110との間のうちの、電池ケース110内部の下部110Bに貯められている電解液を貯留電解液130Sと呼ぶこととする。
このうち、第1測定電極140および第2測定電極150は、いずれもニッケルからなる矩形メッシュ形状の担持体141A,151Aの両面に、金属リチウムからなる第1金属板141Lおよび第2金属板151Lを保持させてなる第1電極本体部141および第2電極本体部151と、第1導線142および第2導線152とを有する。このうち第1導線142および第2導線152は、電極本体部141,151とそれぞれ導通するニッケル線142X,152Xの周りを絶縁樹脂の被覆部材142Y,152Yで覆ってなる。
この濃度差起電力測定手段M1は、貯留電解液130Sと基準電解液160とで、濃淡電池を構成しており、次述するように起電力VPを計測することで、貯留電解液130Sのリチウムイオン濃度SCを検知することができる。これにより、電池101の内部抵抗IRの大きさや高低を推定することができる。また、保持電解液130Hのリチウムイオン濃度HCの高低を推定することもできる。なお、本実施形態1では、貯留電解液130Sのリチウムイオン濃度SCが、電池101の内部抵抗IRと相関関係を有しており、抵抗相関物理量に相当する。
充放電試験Aは、以下の充放電パターンで充放電を行った。具体的には、雰囲気温度25℃に温度制御された恒温槽内に電池101を静置し、電池SOC50%を中心にして、放電20Cを10秒間、充電4Cを50秒間のパルス充放電サイクル試験を行った。
具体的には、内部抵抗IRは、雰囲気温度25℃において、電池SOC50%に調整した電池に、放電レートが20Cで10秒間の放電を行い、そのときの電池電圧と電流の大きさから算出して求めた。また、貯留電解液130Sのリチウムイオン濃度SCは、第1測定電極140および第2測定電極150を電圧計に接続し、第1電極本体部141および第2電極本体部151の間に生じる起電力VPを測定し、これを図6で示したグラフによってリチウムイオン濃度SCに換算することで得た。
充放電試験Bは、以下の充放電パターンで行った。具体的には、雰囲気温度25℃に温度制御された恒温槽内に電池101を静置し、電池SOC50%を中心にして、放電1Cを200秒間、充電20Cを10秒間のパルス充放電サイクル試験を行った。
このグラフによれば、充放電試験Aの充放電パターンで電池101を繰り返し充放電させると、その内部抵抗IRが徐々に増大することが判る。また、充放電試験Bの充放電パターンで充放電を繰り返すと、電池101の内部抵抗IRが、徐々に低下し、一旦高くなった内部抵抗IRの値を低い値に回復させうることが判る。
さらに、図7によれば、貯留電解液130Sのリチウムイオン濃度SC(リチウムイオン濃度初期比)についても、電池101の内部抵抗IR(内部抵抗初期比)と同じ傾向を示すことが判る。つまり、充放電試験Aの充放電パターンで充放電を繰り返すと、濃度SCが高くなり、充放電試験Bの充放電パターンで充放電を繰り返すことにより、濃度SCを低下させうることが判る。
すなわち、電池101の内部抵抗IRが高い場合、貯留電解液130Sのリチウムイオン濃度SCは上述のように高くなる(図8参照)が、保持電解液130Hのリチウムイオン濃度HCは、逆に低くなる。
また、電池101の内部抵抗IRが低い場合、貯留電解液130Sのリチウムイオン濃度SCは低くなるが、保持電解液130Hのリチウムイオン濃度HCは、逆に高くなる。保持電解液130Hと貯留電解液130Sとの間で、リチウムイオンが相互に移動することで、このような挙動を示すものと考えられる。
具体的には、図9のフローチャートを参照しつつ、以下で説明する。
なお、HV制御装置20は、Sモードでの充放電制御では、車両100の急加速時、急発進時等に対応する放電条件において、組電池10から放電される最大放電電流IDmaxを200Aに制限している。また、エンジン50による組電池10への充電時、あるいは、車両100のブレーキ時等に対応する充電条件において、組電池10へ充電する最大充電電流ICmaxを200Aに制限している。
したがって、起電力VPが、高起電力閾値VPHより大きいか否かを判断することにより、リチウムイオン濃度SCが、濃度高閾値SCHより大きいか否かを推定できる(図9参照)。さらに、濃度SCが、濃度高閾値SCHより大きいか否かを推定することにより、電池101の内部抵抗IRが、高抵抗閾値IRHより大きいか否かを推定できる(図9参照)。
ここで、NO、すなわち起電力VPが高起電力閾値VPH以下(VP≦VPH)の場合、ステップS3に戻って、上述の処理を繰り返す。
但し、このT1による制御では、車両100の急加速、急発進時等の放電条件において、組電池10から放電させる上限放電電流IDuを、Sモードでの制御の場合に流す最大放電電流IDmaxの値よりも20%低い値としてある。つまり、HV制御装置20は、車両100を急加速、急発進等させた場合において、Sモードによる制御であるならば、最大放電電流IDmaxの大きさの電流を放電させていた放電条件であっても、このT1モードによる制御では、上限放電電流IDu(=0.8×IDmax、例えば、160A)までしか放電させない。なお、これによるモータ30,40の出力不足は、例えば、エンジン50の運転条件を変更することによってカバーする。
なお、本実施形態1では、充電に関しては、SモードとT1モードでの充電制御に違いを設けていない。
したがって、起電力VPが、低起電力閾値VPLより小さいか否かを判断することにより、濃度SCが、濃度低閾値SCLより小さいか否かを推定できる(図9参照)。さらに、濃度SCが、濃度高閾値SCHより小さいか否かを推定することにより、電池101の内部抵抗IRが、高抵抗閾値IRHより小さいか否かを推定できる(図9参照)。
ここで、NO、すなわち起電力VPが低起電力閾値VPL以上(V≧VPL)の場合、ステップS3に戻って、T1モードによる処理を繰り返す。
しかし、YES、すなわち起電力VPが低起電力閾値VPLより小さい(V<VPL)場合には、ステップS2に戻り、以降Sモードによる充放電制御を行う。
逆に、T1モードによる制御手段S8での充放電制御により、電池101の内部抵抗IRが徐々に減少して相対的に低くなったとき、即ち、起電力VPが低起電力閾値VPLより低くなったときには、Sモードでの制御手段S2での充放電制御に切り替えることで、内部抵抗IRが下がりすぎる、あるいは、内部抵抗IRが下がるT1モードによる制御手段での制御を続けることで、内部抵抗IRがむしろ増大してしまう状態に至るのを防止できる。また、これに伴って、起電力VP及び濃度SCを徐々に増加させることができる。
かくして、電池101,102の内部抵抗IRが増加し続けて電池101等が劣化するのを防止し、内部抵抗IRを常に適切な範囲に収めることができる。
また、濃度差起電力測定手段M1により、第1電極本体部141および第2電極本体部151の間の起電力VPの大きさと、既知である基準電解液160のリチウムイオン濃度BCから、貯留電解液130Sのリチウムイオン濃度SCを容易かつ適切に知ることができる。また、この貯留電解液130Sと相関関係を有する保持電解液130Hのリチウムイオン濃度HCの高低を推定できる。さらに、それに基づいて電池101の内部抵抗IRの高低を推定することができる。
また、実施形態1では、SモードとT1モードとの切り替えにあたり、2つの閾値(VPH,VPL)を用い、高起電力閾値VPHを24mVとする一方、低起電力閾値VPLをこれから離れた値の7mVとした。しかし、起電力VPに対し、1つの起電力閾値VPT(例えば、VPT=13mV(濃度閾値SCT=1.2mol/L、抵抗閾値IRT=4.7mΩに相当))を用いて制御を行うこともできる(図9参照)。この場合には、起電力VPが概略13mV付近、貯留電解液130Sのリチウムイオン濃度SCが概略1.2mol/L付近、そして、電池101の内部抵抗IRが概略4.7mΩ付近の値となるように制御されることとなる。
次に、本発明の変形形態1にかかる車両について、図1および図11を参照しつつ説明する。
本変形形態1の車両200では、車両電池システムの充放電制御の内容が前述の実施形態1と異なり、それ以外は同様である。具体的には、実施形態1のT1モードでは、Sモードの最大放電電流IDmaxの値より20%低い上限放電電流IDuを設けて組電池の放電電流を制限する制御を行ったが、本変形形態1では、組電池の放電電流の値を一律に制限する制御を行う。
そこで、異なる点を中心に説明し、同様の部分の説明は省略または簡略化する。なお、同様の部分については同様の作用効果を生じる。また、同内容のものには同番号を付して説明する。
具体的には、図11のフローチャートを参照しつつ説明する。
ステップS6において、HV制御装置20は、測定した起電力VPが、高起電力閾値VPHよりも大きいか否かを判定する。
ここで、NO、すなわち起電力VPが高起電力閾値VPH以下(VP≦VPH)の場合、ステップS3に戻って、上述の処理を繰り返す。
但し、このT2による制御では、組電池10(各電池101,102)から放電させる放電電流の大きさを、常時、Sモードでの制御時の放電電流の値よりも20%低い値としてある。つまり、HV制御装置20は、Sモードによる制御での放電に比して、T2モードによる制御では、放電電流の値が一律20%低くなるように組電池10に放電させる。なお、これによるモータ30,40の出力不足も、例えば、エンジン50の運転条件を変更することによってカバーする。
なお、本変形形態1において、充電に関しては、SモードとT2モードでの制御に違いはない。
なお、車両電池システムSV2は電池システムに対応する。
次に、本発明の変形形態2にかかる車両について、図1および図12を参照しつつ説明する。
本変形形態2の車両300では、車両電池システムの充放電制御の内容が前述の実施形態1と異なり、それ以外は同様である。具体的には、実施形態1のSモード、T1モードのほかに、U1モードを設けている点で、実施形態1と異なる。
そこで、異なる点を中心に説明し、同様の部分の説明は省略または簡略化する。なお、同様の部分については同様の作用効果を生じる。また、同内容のものには同番号を付して説明する。
具体的には、図12のフローチャートを参照しつつ説明する。
ステップS5で、起電力VPの測定後、車両電池システムSV3がSモードによる充放電制御を行っているか否かを判定する。ここで、YES、すなわちSモードによる充放電制御を行っている場合、ステップS11に進む。一方、NOの場合、つまり、T1モード、または、後述するU1モードによる充放電制御を行っている場合には、ステップS15に進む。
なお、本変形形態2では、例えば、VPH1=24mVとした(図6参照)。この値(24mV)は、貯留電解液130Sのリチウムイオン濃度SCが第1濃度高閾値SCH1(=1.4mol/L)である場合に相当する。また、図8によれば、この値は、電池101の内部抵抗IRが第1高抵抗閾値IRH1(=7.0mΩ)である場合に相当する。
したがって、起電力VPが、第1高起電力閾値VPH1より大きいか否かを判断することにより、濃度SCが、第1濃度高閾値SCH1より大きいか否かを推定できる(図12参照)。さらに、濃度SCが、第1濃度高閾値SCH1より大きいか否かを推定することにより、電池101の内部抵抗IRが、第1高抵抗閾値IRH1より大きいか否かを推定できる(図12参照)。
ここで、YES、すなわち起電力VPが第1高起電力閾値VPH1よりも大きい(VP>VPH1)場合、ステップS8に進み、組電池10についてT1モードによる充放電制御を行う。なお、T1モードによる充放電制御は、実施形態1と同様である。また、本変形形態2で、SモードとT1モードとは、充電に関する制御において違いはない。
ステップS8の後にはステップS3に戻って上述の処理を繰り返す。
なお、本変形形態2では、例えば、VPL1=−12mVとした(図6参照)。この値(−12mV)は、貯留電解液130Sのリチウムイオン濃度SCが第1濃度低閾値SCL1(=0.8mol/L)である場合に相当する。また、図8によれば、この値は、電池101の内部抵抗IRが4.0mΩ(=第1低抵抗閾値IRL1)である場合に相当する。
したがって、起電力VPが、第1低起電力閾値VPL1より小さいか否かを判断することにより、濃度SCが、第1濃度低閾値SCL1より小さいか否かを推定できる(図9参照)。
ここで、NO、すなわち起電力VPが第1低起電力閾値VPL1以上(VP≧VPL1)の場合、ステップS3に戻って上述の処理を繰り返す。
このU1モードでは、上述のSモードと概略同様の制御を行う。但し、このU1による制御では、車両300のエンジン50による、あるいは、車両300のブレーキ時の組電池10(電池100等)への充電における上限充電電流ICuを、Sモードでの制御のときの最大充電電流ICmaxの値よりも20%低い値に制限してある。つまり、HV制御装置20は、エンジン50からの充電や、回生ブレーキによる充電等において、Sモードによる制御であるならば、最大充電電流ICmaxの大きさの電流で充電していた条件であっても、このU1モードによる制御では、上限充電電流ICu(=0.8×ICmax、例えば、160A)までしか組電池10に充電させないようにしている。
なお、本変形形態2で、SモードとU1モードとは、放電に関する制御において違いはない。
ステップS14での制御後は、ステップS3に戻って上述の処理を繰り返す。
なお、本変形形態2では、例えば、VPH2=13mVとした(図6参照)。この値(13mV)は、貯留電解液130Sのリチウムイオン濃度SCが第2濃度高閾値SCH2(=1.2mol/L)である場合に相当する。また、図8によれば、この値は、電池101の内部抵抗IRが第2高抵抗閾値IRH2(=4.7mΩ)である場合に相当する。
したがって、起電力VPが、第2高起電力閾値VPH2より大きいか否かを判断することにより、濃度SCが、第2濃度高閾値SCH2より大きいか否かを推定できる(図12参照)。さらに、濃度SCが、第2濃度高閾値SCH2より大きいか否かを推定することにより、この濃度SCが概略1.0mol/L以上の範囲では、電池101の内部抵抗IRが、第2高抵抗閾値IRH2より大きいか否かを推定できる(図12参照)。
ここで、YES、すなわち起電力VPが第2高起電力閾値VPH2よりも小さい(V<VH2)場合、ステップS2に戻って、Sモードによる充放電制御を行う。一方、NO、すなわち起電力VPが第2高起電力閾値VPH2以上(VP≧VPH2)の場合には、ステップS3に戻り上述の処理を繰り返す。
なお、本変形形態2では、例えば、VPL1=−5mVとした(図6参照)。この値(−5mV)は、貯留電解液130Sのリチウムイオン濃度SCが第2濃度低閾値SCL2(=0.9mol/L)である場合に相当する。また、図8によれば、この値は、電池101の内部抵抗IRが3.8mΩ(=第2低抵抗閾値IRL2)である場合に相当する。
したがって、起電力VPが、第2低起電力閾値VPL2より小さいか否かを判断することにより、濃度SCが、第2濃度低閾値SCL2より小さいか否かを推定できる(図9参照)。
ここで、YES、すなわち起電力VPが第2低起電力閾値VPH2よりも大きい(VP>VPL2)場合、ステップS2に戻って、Sモードによる充放電制御を行う。一方、NO、すなわち起電力VPが第2低起電力閾値VPL2以下(VP≦VPL2)の場合には、ステップS3に戻り上述の処理を繰り返す。
したがって、本変形形態2では、起電力VPが概略−12〜24mVの範囲、貯留電解液130Sのリチウムイオン濃度SCが概略0.8〜1.4mol/Lの範囲、そして、電池101の内部抵抗IRが概略3.8〜7.0mΩの範囲に制御されることとなる。
一方、U1モードによる制御手段S14により充放電させる場合、Sモードによる制御手段S2による場合よりも、所定の充電条件(例えば、エンジンによる充電時や回生ブレーキによる充電)において流す充電電流を小さくする。また、その他の充電条件では充電電流を等しくする。したがって、U1モードでの充放電制御により、電池101等の内部抵抗IRを、徐々に増加させることができる。また、これに伴って、起電力VP及び濃度SCを徐々に上昇させることもできる。
逆に、起電力VPが、第1低起電力閾値VPL1より低くなったことを検知したとき(濃度SCが第1濃度低閾値SCL1より小さくなったとき)、U1モードによる制御手段S14での充放電制御に切り替える。これにより電池101等の内部抵抗IRが下がりすぎる、あるいは、内部抵抗T1が下がるモードにでの制御を続けることで、内部抵抗IRがむしろ増大してしまう状態に至るのを防止できる。
かくして、電池101等の内部抵抗IRが増加し続けて劣化するのを防ぎ、内部抵抗IRを常に適切な範囲に収めることができる。
また、本変形形態2では、SモードとT1モードとの切り替えにあたり、2つの閾値(VPH1,VPH2)を用い、第1高起電力閾値VPH1を24mVとする一方、第2高起電力閾値VPH2をこれから離れた値の13mVとした。しかし、起電力VPに対し、1つの第1起電力閾値VPT1(例えば、VPT1=13mV(第1濃度閾値SCT1=1.2mol/L、第1抵抗閾値IRT1=4.7mΩに相当))を用いて、SモードとT1モードとの切換えを行うこともできる(図12参照)。
これらの場合には、起電力VPが概略−5〜13mVの範囲、貯留電解液130Sのリチウムイオン濃度SCが概略0.9〜1.2mol/Lの範囲、そして、電池101の内部抵抗IRが概略3.8〜7.0mΩの範囲に制御されることとなる。
次に、本発明の変形形態3にかかる車両について、図1および図13を参照しつつ説明する。
本変形形態3の車両400では、車両電池システムの充放電制御の内容が前述の変形形態2と異なり、それ以外は同様である。具体的には、変形形態2のT1モードでは、Sモードの最大放電電流IDmaxの値より20%低い上限放電電流IDuを設けて、組電池の放電電流を制限する制御を行ったが、本変形形態3では、組電池の放電電流の値を一律に制限する制御を行う。また、U1モードでは、Sモードの最大充電電流ICmaxの値より20%低い上限充電電流ICuを設けて、組電池の充電電流を制限する制御を行ったが、本変形形態3では、組電池の充電電流の値を一律に制限する制御を行う。
そこで、異なる点を中心に説明し、同様の部分の説明は省略または簡略化する。なお、同様の部分については同様の作用効果を生じる。また、同内容のものには同番号を付して説明する。
具体的には、図13のフローチャートに示す各ステップのうち、ステップS8に代えてステップS10を、ステップS14に代えてステップS20を用いる点で、図12に示す前述の変形形態2と異なる。なお、このうちステップS10は、変形形態1において説明したT2モードによる制御であり、既に説明しているので説明を省略し、ステップS20について、以下に説明する。
なお、本変形形態3では、SモードとU2モードとでは、放電に関する制御において違いはない。
このようにすることで、内部抵抗IRの変化が互いに逆の傾向となる、2つのモード制御手段S10,S20を容易に実現できる。
次に、本発明の変形形態4にかかる車両について、図1、図2、図14〜図17を参照しつつ説明する。
本変形形態4の車両500では、搭載する組電池10に、電池101に代えて、図14に示すように、保持電解液濃度検知手段M2を有する電池201を備えている点が、前述の実施形態1と異なり、それ以外は同様である。
そこで、実施形態1と異なる点を中心に説明し、同様の部分の説明は省略または簡略化する。なお、同様の部分については同様の作用効果を生じる。また、同内容のものには同番号を付して説明する。
但し、電池部11は、矩形箱形の電池ケース110、発電要素120、電解液130のほか、保持電解液濃度検知手段M2を備える捲回形の電池201と、この保持電解液濃度検知手段M2を備えない電池102とを含んでいる点で実施形態1と異なる。
電池201における保持電解液濃度検知手段M2は、図14に示すように、発電要素120の正極板121と負極板122との間に保持されてなる保持電解液130Hに接触している第1電極本体部241、および、この第1電極本体部241と離間し、同じく保持電解液130Hに接触している第2電極本体部251を備える。
第1測定電極240および第2測定電極250は、上述の第1電極本体部241および第2電極本体部251と、第1導線242および第2導線252とを有する。第1電極本体部241および第2電極本体部251は、担持体241A,251Aの両面に、第1金属板241Lおよび第2金属板251Lを担持させたものである。また、第1導線242および第2導線252は、電極本体部241,251とそれぞれ導通するニッケル線242X,252Xの周りを絶縁樹脂の被覆部材242Y,252Yで覆ったものである。
以下、図17のフローチャートを参照しつつ説明する。
ステップS3で、HV制御装置20は、電池201の保持電解液130Hのリチウムイオン濃度HCの検知を行うタイミングを迎えたか否かを判定する。ここで、NO、すなわちリチウムイオン濃度HCの検知を行うタイミングに至らない場合には、ステップS3に戻る。
一方、YES、すなわちリチウムイオン濃度HCの検知を行うタイミングを迎えた場合には、ステップS31に進み、電池201の保持電解液濃度検知手段M2を用いて、第1電極本体部241と第2電極本体部251との間を流れる濃度検知電流HIの測定を行う。
ここで、NO、すなわち濃度検知電流HIが低電流閾値HIL以上(HI≧HIL)の場合、ステップS3に戻って、上述の処理を繰り返す。
一方、YES、すなわち濃度検知電流HIが低電流閾値HILよりも小さい(HI<HIL)場合には、ステップS8に進み、組電池10(電池201,102)についてT1モードによる充放電制御を行う。
ここで、NO、すなわち濃度検知電流HIが高電流閾値HIH以下(HI≦HIH)の場合、ステップS3に戻って、上述の処理を繰り返す。
一方、YES、すなわち濃度検知電流HIが高電流閾値HIHより大きい(HI>HIH)場合には、ステップS2に戻って、再びSモードによる充放電制御を行う。
逆に、T1モードによる制御手段S8での充放電制御により、電池201の内部抵抗IRが徐々に減少して相対的に低くなったとき、即ち、濃度検知電流HIが高電流閾値HIHより大きくなったときには、Sモードでの制御手段S2での充放電制御に切り替えることで、内部抵抗IRが下がりすぎる、あるいは、内部抵抗IRが下がるT1モードによる制御手段での制御を続けることで、内部抵抗IRがむしろ増大してしまう状態に至るのを防止できる。また、これに伴って、濃度検知電流HI及び濃度HCを徐々に低下させることができる。
このように、電池201,102の内部抵抗IRが増加し続けて電池201等が劣化するのを防止し、内部抵抗IRを常に適切な範囲に収めることができる。
次に、本発明の実施形態2にかかるノート型パーソナルコンピュータ(以下、ノートパソコンとも言う)900について、図10、および図18を参照して説明する。
ノートパソコン900は、CPU920、メモリ(図示しない)、バッテリパック910、および、本体990を有する電池搭載機器である。このうち、バッテリパック910は、電解液130の濃度測定機能を有さない電池102のほかに、濃度差起電力測定手段M1を備える電池101を複数、直列接続したもので、さらに、電池監視装置912を備えている。なお、本実施形態2のPC電池システムSP1は、このうち、CPU920、メモリ(図示しない)、バッテリパック910、および電池監視装置912で構成されている。
例えば、図9に示したフローチャートに従って制御する。
なお、CPU920は、電池101等について、Sモードでの充放電制御における最大放電電流IDmaxおよび最大充電電流ICmaxを設定している。
ここで、NO、すなわち起電力VPが高起電力閾値VPH以下(VP≦VPH)の場合、ステップS3に戻って、上述の処理を繰り返す。
なお、本実施形態2において、充電に関しては、SモードとT1モードでの制御に違いはない。
ここで、NO、すなわち起電力VPが低起電力閾値VPL以上(VP≧VPL)の場合、ステップS3に戻って、上述の処理を繰り返す。
一方、YES、すなわち起電力VPが低起電力閾値VPLより小さい(VP<VPL)場合には、ステップS2に戻って、Sモードによる充放電制御を行う。
例えば、実施形態等では、電池を捲回形のリチウムイオン二次電池としたが、複数の正極板と複数の負極板とを、セパレータを介して交互に積層してなる積層型のリチウムイオン二次電池に適用しても良い。また、保持電解液130Hのリチウムイオン濃度HCあるいは貯留電解液130Sのリチウムイオン濃度SCを検知するため、電池101,201の第1測定電極140,240と第2測定電極150,250との間の起電力VPあるいは濃度検知電流HIを測定した。しかし、例えば、第1測定電極と第2測定電極との間に定電流を流すことにより、電解液130S,130Hのリチウムイオン濃度SC,HCに応じた、第1測定電極と第2測定電極との間に生じる電圧の大きさを測定しても良い。また、一定電圧を第1測定電極と第2測定電極との間に印加することによりこれらの間に流れる電流の大きさを測定しても良い。
101,201 電池((濃度測定機能付きの)リチウムイオン二次電池)
110 電池ケース
110B (電池ケースの)下部
120 発電要素
121 正極板
122 負極板
130 電解液
130H 保持電解液
130S 貯留電解液
140,240 第1測定電極
141,241 第1電極本体部
142,242 第1導線(第1導体部)
150,250 第2測定電極
151,251 第2電極本体部
152,252 第2導線(第2導体部)
160 基準電解液
161 円筒容器(基準液容器部)
180 フィルタ(隔離部材)
180a (フィルタの)第1面
180b (フィルタの)第2面
900 ノート型パーソナルコンピュータ(電池搭載機器)
910 バッテリパック(組電池)
BC (基準電解液の)リチウムイオン濃度
HC (保持電解液の)リチウムイオン濃度(抵抗相関物理量)
HI (保持電解液濃度検知手段の)濃度検知電流(抵抗相関物理量)
IR 内部抵抗
M1 濃度差起電力測定手段(貯留電解液濃度検知手段,内部抵抗検知手段,抵抗相関物理量検知手段、保持電解液濃度検知手段)
M2 保持電解液濃度検知手段(内部抵抗検知手段、抵抗相関物理量検知手段)
SC (貯留電解液の)リチウムイオン濃度(抵抗相関物理量)
SCH1 (貯留電解液のリチウムイオン濃度の)第1濃度高閾値(第6モード用濃度閾値)
SCL1 (貯留電解液のリチウムイオン濃度の)第1濃度低閾値(第7モード用濃度閾値)
SP1 PC電池システム(電池システム)
SV1,SV2,SV3,SV4,SV5 車両電池システム(電池システム)
VP (濃度差起電力測定手段の)起電力(抵抗相関物理量)
Claims (18)
- 発電要素および上記発電要素に含浸されリチウムイオンを含む電解液を有する、1または複数のリチウムイオン二次電池と、
上記リチウムイオン二次電池の充放電を制御する充放電制御手段と、
上記1または複数のリチウムイオン二次電池の少なくともいずれかにおける内部抵抗の高低について、検知および推定の少なくともいずれかを行う内部抵抗検知手段と、を備える
電池システムであって、
上記充放電制御手段は、
増大充放電条件に従って、上記リチウムイオン二次電池を充放電する増大モード制御手段であって、この増大モード制御手段による充放電制御を継続して行うことにより、上記リチウムイオン二次電池の上記内部抵抗が次第に増大する増大モード制御手段、および、
上記増大充放電条件とは異なる減少充放電条件に従って、上記リチウムイオン二次電池を充放電する減少モード制御手段であって、この減少モード制御手段による充放電制御を継続して行うことにより、上記リチウムイオン二次電池の上記内部抵抗が次第に減少する減少モード制御手段、を含む、
所定の充放電条件に従って上記リチウムイオン二次電池を充放電する、複数のモード制御手段と、
複数の上記モード制御手段から、使用するモード制御手段を選択するモード選択手段と、を有してなり、
上記モード選択手段は、
上記内部抵抗検知手段で、
上記内部抵抗が相対的に高いことを検知または推定したときに、上記減少モード制御手段を選択し、
上記内部抵抗が相対的に低いことを検知または推定したときに、上記増大モード制御手段を選択するように構成されてなる
電池システム。 - 発電要素および上記発電要素に含浸されリチウムイオンを含む電解液を有する、1または複数のリチウムイオン二次電池と、
上記リチウムイオン二次電池の充放電を制御する充放電制御手段と、
上記1または複数のリチウムイオン二次電池の少なくともいずれかにおける内部抵抗の高低について、検知および推定の少なくともいずれかを行う内部抵抗検知手段と、を備える
電池システムであって、
上記充放電制御手段は、
第1の充放電条件に従って上記リチウムイオン二次電池を充放電する第1モード制御手段、および、
上記第1の充放電条件とは異なる第2の充放電条件に従って上記リチウムイオン二次電池を充放電する第2モード制御手段、を含む、
所定の充放電条件に従って上記リチウムイオン二次電池を充放電する、複数のモード制御手段と、
複数の上記モード制御手段から、使用するモード制御手段を選択するモード選択手段と、を有してなり、
上記第1モード制御手段によって、上記リチウムイオン二次電池を放電させたときと、上記第2モード制御手段によって、上記リチウムイオン二次電池を放電させたときとを比較したときに、
上記第2モード制御手段による場合には、上記第1モード制御手段による場合に比して、
所定の放電条件において、放電電流が小さくなる関係としてなり、
他の放電条件においても、放電電流が等しいか小さくなる関係としてなり、
上記モード選択手段は、
上記内部抵抗検知手段で、
上記内部抵抗が相対的に高いことを検知または推定したときに、上記第2モード制御手段を選択し、
上記内部抵抗が相対的に低いことを検知または推定したときに、上記第1モード制御手段を選択するように構成されてなる
電池システム。 - 請求項2に記載の電池システムであって、
前記所定の放電条件は、
前記第1モード制御手段で流しうる最大放電電流を流す場合に対応する放電条件である
電池システム。 - 請求項2に記載の電池システムであって、
前記所定の放電条件および前記他の放電条件のいずれの場合にも、前記第2モード制御手段による場合には、前記第1モード制御手段による場合に比して、放電電流が小さくなる関係としてなる
電池システム。 - 発電要素および上記発電要素に含浸されリチウムイオンを含む電解液を有する、1または複数のリチウムイオン二次電池と、
上記リチウムイオン二次電池の充放電を制御する充放電制御手段と、
上記1または複数のリチウムイオン二次電池の少なくともいずれかにおける内部抵抗の高低について、検知および推定の少なくともいずれかを行う内部抵抗検知手段と、を備える
電池システムであって、
上記充放電制御手段は、
第3の充放電条件に従って上記リチウムイオン二次電池を充放電する第3モード制御手段、および、
上記第3の充放電条件とは異なる第4の充放電条件に従って上記リチウムイオン二次電池を充放電する第4モード制御手段、を含む、
所定の充放電条件に従って上記リチウムイオン二次電池を充放電する、複数のモード制御手段と、
複数の上記モード制御手段から、使用するモード制御手段を選択するモード選択手段と、を有してなり、
上記第3モード制御手段によって、上記リチウムイオン二次電池に充電したときと、上記第4モード制御手段によって、上記リチウムイオン二次電池に充電したときとを比較したときに、
上記第3モード制御手段による場合には、上記第4モード制御手段による場合に比して、
所定の充電状態において、充電電流が小さくなる関係としてなり、
他の充電状態においても、充電電流が等しいか小さくなる関係としてなり、
上記モード選択手段は、
上記内部抵抗検知手段で、
上記内部抵抗が相対的に高いことを検知または推定したときに、上記第4モード制御手段を選択し、
上記内部抵抗が相対的に低いことを検知または推定したときに、上記第3モード制御手段を選択するように構成されてなる
電池システム。 - 請求項5に記載の電池システムであって、
前記所定の充電条件は、
前記第4モード制御手段で流しうる最大充電電流を流す場合に対応する充電条件である
電池システム。 - 請求項5に記載の電池システムであって、
前記所定の充電条件および前記他の充電条件のいずれの場合にも、前記第3モード制御手段による場合には、前記第4モード制御手段による場合に比して、充電電流が小さくなる関係としてなる
電池システム。 - 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の電池システムであって、
前記内部抵抗検知手段は、
前記内部抵抗と相関関係を有する抵抗相関物理量に基づき、上記内部抵抗の高低を推定可能な抵抗相関物理量検知手段である
電池システム。 - 請求項8に記載の電池システムであって、
前記発電要素は、正極板および負極板を含み、
前記電解液は、上記正極板と負極板との間に保持されている保持電解液を含み、
前記抵抗相関物理量検知手段は、
前記内部抵抗と相関関係を有する、上記保持電解液のリチウムイオン濃度について、その高低の検知および推定の少なくともいずれかを行うことにより、上記内部抵抗の高低を推定する保持電解液濃度検知手段である
電池システム。 - 請求項8に記載の電池システムであって、
前記発電要素は、正極板および負極板を含み、
前記リチウムイオン二次電池は、上記発電要素を保持する電池ケースを有し、
前記電解液は、
上記正極板と負極板との間に保持されている保持電解液、および、
上記保持電解液と相互に流通可能とされた状態で、上記発電要素と上記電池ケースとの間に貯められる貯留電解液を含み、
前記抵抗相関物理量検知手段は、
前記内部抵抗と相関関係を有する、上記貯留電解液のリチウムイオン濃度について、その高低の検知および推定の少なくともいずれかを行うことにより、上記内部抵抗の高低を推定する貯留電解液濃度検知手段である
電池システム。 - 正極板および負極板を含む発電要素上記発電要素に含浸されリチウムイオンを含む電解液、上記発電要素及び上記電解液を保持する電池ケースを有する、1または複数のリチウムイオン二次電池と、
上記リチウムイオン二次電池の充放電を制御する充放電制御手段と、を備え、
上記電解液は、
上記正極板と負極板との間に保持されている保持電解液、および、
上記保持電解液と相互に流通可能とされた状態で、上記発電要素と上記電池ケースとの間に貯められる貯留電解液を含み、
上記1または複数のリチウムイオン二次電池の少なくともいずれかにおける、上記電解液のうち、上記貯留電解液における上記リチウムイオン濃度の高低について、検知および推定の少なくともいずれかを行う貯留電解液濃度検知手段と、を備える
電池システムであって、
上記充放電制御手段は、
第5の充放電条件に従って上記リチウムイオン二次電池を充放電する第5モード制御手段、
上記第5の充放電条件とは異なる第6の充放電条件に従って上記リチウムイオン二次電池を充放電する第6モード制御手段、および、
上記第5の充放電条件および上記第6の充放電条件とは異なる第7の充放電条件に従って上記リチウムイオン二次電池を充放電する第7モード制御手段、を含む、
所定の充放電条件に従って上記リチウムイオン二次電池を充放電する、複数のモード制御手段と、
上記複数の上記モード制御手段から、使用するモード制御手段を選択するモード選択手段と、を有してなり、
上記第6モード制御手段によって、上記リチウムイオン二次電池に充放電したときと、上記第7モード制御手段によって、上記リチウムイオン二次電池に充放電したときとを比較したときに、
上記第6モード制御手段による場合には、上記第5モード制御手段による場合に比して、
所定の放電条件において、放電電流が小さくなる関係としてなり、
他の放電条件においても、放電電流が等しいか小さくなる関係としてなり、
上記第7モード制御手段による場合には、上記第5モード制御手段による場合に比して、
所定の充電条件において、充電電流が小さくなる関係としてなり、
他の充電条件においても、充電電流が等しいか小さくなる関係としてなり、
上記モード選択手段は、
上記貯留電解液濃度検知手段で、
上記貯留電解液の上記リチウムイオン濃度が、第6モード用濃度閾値よりも高いことを検知または推定したときに、上記第6モード制御手段を選択し、
上記貯留電解液の上記リチウムイオン濃度が、上記第6モード用濃度閾値より低い第7モード用濃度閾値よりも低いことを検知または推定したときに、上記第7モード制御手段を選択するように構成されてなる
電池システム。 - 請求項11に記載の電池システムであって、
前記所定の放電条件は、
前記第5モード制御手段で流しうる最大放電電流を流す場合に対応する放電条件である
電池システム。 - 請求項11または請求項12に記載の電池システムであって、
前記所定の充電条件は、
前記第5モード制御手段で流しうる最大充電電流を流す場合に対応する充電条件である
電池システム。 - 請求項11に記載の電池システムであって、
前記所定の放電条件および前記他の放電条件のいずれの場合にも、前記第6モード制御手段による場合には、前記第5モード制御手段による場合に比して、放電電流が小さくなる関係としてなる
電池システム。 - 請求項11または請求項14に記載の電池システムであって、
前記所定の充電条件および前記他の充電条件のいずれの場合にも、前記第7モード制御手段による場合には、前記第5モード制御手段による場合に比して、充電電流が小さくなる関係としてなる
電池システム。 - 請求項10〜請求項15のいずれか一項に記載の電池システムであって、
前記貯留電解液濃度検知手段は、
前記貯留電解液に浸漬される第1電極本体部、および、前記電池ケースの外部に露出し、上記第1電極本体部と導通する第1導体部を含む第1測定電極と、
基準のリチウムイオン濃度を有する基準電解液と、
上記基準電解液を収容する基準液容器部と、
上記基準電解液に浸漬される第2電極本体部、および、上記基準容器部の外部に露出し、上記第2電極本体部と導通する第2導体部を含む第2測定電極と、
第1面を上記貯留電解液に接し、第2面を上記基準電解液に接しつつ、上記貯留電解液と上記基準電解液とを隔離する隔離部材であって、上記第1面と第2面との間で、上記貯留電解液および上記基準電解液の間の濃度差に起因するイオン移動を防止するとともに、上記第1測定電極および第2測定電極による上記基準電解液と上記貯留電解液との間の電位の測定を可能とする隔離部材と、を有する
電池システム。 - 請求項1〜請求項16のいずれか1項に記載の電池システムを搭載してなる車両。
- 請求項1〜請求項16のいずれか1項に記載の電池システムを搭載してなる電池搭載機器。
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