JP3721853B2 - 組電池の寿命及び残容量判定装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の電池から構成される組電池の劣化状態を判断して電池の取り換え時期を正確に認識できるようにした組電池の寿命及び残容量判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、組電池の寿命及び残容量を判定する装置としては、特公平6−50340号公報や特開平7−72225号公報などに記載されているような、電池の端子電圧と電池への充電電流・電池の放電電流を測定し、測定した電圧及び電流から電池の内部抵抗を算出し、更に電池の温度を検出し、電池温度に基づいて算出した電池の内部抵抗を補正して電池の劣化度を判断する寿命判定装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の寿命及び残容量判定装置においては、判断の対象である電池が複数の単電池(以下、これをセルと記す)を直列に接続して構成したような組電池であることを想定しておらず、組電池全体の劣化度を判断する構成となっていた。
【0004】
一方、組電池を構成する個々のセルの各特性はバラツキをもっているのが通常であり、各セルの内部抵抗が異なり、セルの劣化度も一様ではない。このため、従来の組電池全体の劣化度を判断する装置では、各セルの正確な劣化度を判断することができないという問題があった。
【0005】
上記の問題を回避する方法として、各セル毎に劣化度を判断することも考えらえるが、高電圧(例えば約400V)を必要とする電気自動車用の組電池のように、使用するセルの数が多くなる(セル電圧が約4Vのセルを用いると約100個のセルが必要)と電圧や温度を検出するセンサもその分だけ必要となり、現実的な解決策ではない。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、組電池を構成するセルのバラツキを考慮し、組電池の劣化度を正確に判断できる電池の寿命及び残容量判定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、請求項1に記載の第1の発明は、複数のセルより構成される組電池の劣化度を判断する電池の寿命判定装置であって、前記組電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、前記組電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記組電池の温度を検出する温度検出手段と、検出した端子電圧と電流と温度に基づいて前記組電池の内部抵抗を演算する演算手段と、前記組電池の開回路電圧の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率を算出し、当該変化率から前記セルの内部抵抗のバラツキの大きさを判断するバラツキ判断手段と、予め定められた基準値を前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて補正し、補正した基準値を演算した内部抵抗が上回った場合に前記組電池が劣化したと判断する劣化判断手段と、を有する構成とした。
【0008】
また、請求項2に記載の第2の発明は、第1の発明による組電池の寿命判定装置において、前記バラツキ判断手段は、前記組電池の開回路電圧の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率が大きいほど内部抵抗のバラツキが大きいと判断し、前記劣化判断手段は、内部抵抗のバラツキが大きいほど前記基準値が小さくなるように補正する構成とした。
【0009】
また、請求項3に記載の第3の発明は、複数のセルより構成される組電池の劣化度を判断する電池の寿命判定装置であって、前記組電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、前記組電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記組電池の温度を検出する温度検出手段と、検出した端子電圧と電流と温度に基づいて前記組電池の内部抵抗を演算する演算手段と、前記組電池の温度の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率を算出し、当該変化率から前記セルの内部抵抗のバラツキの大きさを判断するバラツキ判断手段と、予め定められた基準値を前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて補正し、補正した基準値を演算した内部抵抗が上回った場合に前記組電池が劣化したと判断する劣化判断手段と、を有する構成とした。
【0010】
また、請求項4に記載の第4の発明は、第3の発明による組電池の寿命判定装置において、前記バラツキ判断手段は、前記組電池の温度の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率が大きいほど内部抵抗のバラツキが大きいと判断し、前記劣化判断手段は、内部抵抗のバラツキが大きいほど前記基準値が小さくなるように補正する構成とした。
【0011】
また、請求項5に記載の第5の発明は、複数のセルより構成される組電池の残容量を判断する電池の残容量判定装置であって、前記組電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、前記組電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、検出した端子電圧と電流に基づいて前記組電池の内部抵抗を演算する演算手段と、前記組電池の開回路電圧の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率を算出し、当該変化率から前記セルの内部抵抗のバラツキの大きさを判断するバラツキ判断手段と、前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて電池の残容量を補正する補正手段と、を有する構成とした。
【0012】
また、請求項6に記載の第6の発明は、第5の発明による組電池の残容量判定装置において、前記補正手段は、前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて放電を停止させる放電停止電圧を補正する構成とした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による組電池の寿命及び残容量判定装置の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明による組電池の寿命及び残容量判定装置の第1の実施の形態の構成を示す。1は組電池であり、例えばリチウムイオン電池である。電池1は、電流検出回路3及び電圧検出回路4を介して電池負荷2に接続されている。電気自動車の場合は、電池負荷はモータに相当する。5は電池温度を検出する検出手段である。6は演算手段(詳細後述)であり、例えば記憶装置を有するコンピュータやアナログ回路等で構成されている。なお、電流検出手段3及び電圧検出手段4は、単に電流や電圧を演算手段6に送る抵抗と結線からなる回路とし、演算手段6において入力した電流値や電圧値を判断するようにしてもよい。また、7は演算手段6で求めた推定寿命を表示する表示手段である。この他に、電池が寿命になっているときは、電池寿命を報知する報知手段を設けてもよい。
【0015】
図2に、電池の内部抵抗の経時的変化を示す。内部抵抗の値は放電開始5秒後の電流と電圧値より算出している。図より電池の内部抵抗は時間の経過と共に増加することがわかる。従来技術では、この内部抵抗がその電池における寿命線に到達した時点を寿命と判定した。しかしながら、従来技術においては各セルの内部抵抗バラツキが考慮されていなかったため、内部抵抗が一番大きなセルの内部抵抗が、そのセルの寿命線に達し、組電池としてまだ寿命線に達していなくても寿命になるという問題があった。内部抵抗の一番大きなセルの内部抵抗がそのセルの寿命線に達するとは、各セルの内部抵抗を測定しなくてもセルが過放電することにより判定できる。
【0016】
この問題を解決するために、各セルの内部抵抗がばらついていると思われるときは寿命線を下げ、ばらついていない時よりも早く寿命に達したと判定する。図3に、演算手段6の演算方法を示すフローチャートを示す。
【0017】
ステップS11では、組電池が負荷に対して電力を供給をしていない時の電圧を開回路電圧として検出し、検出した電流値及び電圧値から内部抵抗を算出する。ステップS12では、ステップS11で求めた2点以上の開回路電圧と内部抵抗の値より、開回路電圧変化(ΔV)及び内部抵抗変化(ΔR)の関係を求める。この時の開回路電圧変化の値は大きければ大きいほど好ましいが、DOD10%以上の変化があれば判定可能である。また、リチウムイオン電池の場合は、内部抵抗の値が安定しているDOD30%から70%までを使用すると、より精度よく寿命判定をすることが可能となる。ステップS13では、開回路電圧変化(ΔV)に対する内部抵抗変化(ΔR)の値を算出する。この値はリチウムイオン組電池の場合、各セルの内部抵抗バラツキがなければ一定の値を示す。ステップS14では、ΔR/ΔVの値と劣化を判断する基準値を示す寿命線の関係より、寿命線の値を減少させる方向に修正する。
【0018】
図4に、25℃におけるΔR/ΔVの値と寿命線の関係を示す。ΔR/ΔVの値が初期の値と変わらなければ寿命線の値はそのままである。ΔR/ΔVの値が初期に比べ大きくなれば、寿命線の値を小さい値に変更する。例えば新品時のΔR/ΔVの値を5mΩ/Vに設定したリチウムイオン電池の場合は、ΔR/ΔVの値が20%増加して6mΩ/Vになったら、寿命線の値を300mΩから約10%低下させて約270mΩとする。
【0019】
ステップS15では、ステップS11で算出した内部抵抗の値と寿命線の値を比較する。内部抵抗の値が寿命線に到達している場合はステップS16で寿命と判定し、ステップS17で判定結果を表示する。
【0020】
以上、説明してきたように、第1の実施の形態を用いることにより、寿命予測が従来技術に比べ精度よくできるようになり、組電池が急に使えなくなることを防止することが可能である。
【0021】
(第2の実施の形態)
次に、本発明による組電池の寿命及び残容量判定装置の第2の実施の形態を示す。第1の実施の形態では電池を使用していた場合(充放電をしDODが変化した場合)の寿命判定方法を示した。第2の実施の形態では、電池をあまり充放電せず、DODの変化が少ない場合の寿命判定方法について示す。この場合は電池の温度変化を利用する。
【0022】
図5に、演算手段6の演算方法を示すフローチャートを示す。
ステップS21では、組電池の電池温度と内部抵抗を算出する。ステップS22では、ステップS21で求めた2点以上の電池温度と内部抵抗の値より、電池温度変化(ΔT)及び内部抵抗変化(ΔR)の関係を求める。この時の電池温度変化の値は大きければ大きいほど好ましいが、5℃以上の変化があれば判定可能である。ステップS23では、電池温度変化(ΔT)に対する内部抵抗変化(ΔR)の値を算出する。この値はリチウムイオン組電池の場合、電池温度により異なる値を示す。ステップS24では、ΔR/ΔTの値と寿命線の関係より、寿命線の値を減少させる方向に修正する。ΔR/ΔTの値と寿命線の関係は電池温度により異なるため、各温度による関係を記憶しておく必要がある。
【0023】
図6に、PD50%におけるΔR/ΔTの値と寿命線の関係を示す。ΔR/ΔTの値が初期の値と変わらなければ寿命線の値はそのままである。ΔR/ΔTの値が初期に比べ大きくなれば、寿命線の値を小さい値に変更する。例えば新品時のΔR/ΔTの値を10mΩ/℃に設定したリチウムイオン電池の場合は、DOD50%においてΔR/ΔTの値が10%増加して11mΩ/℃になったら、寿命線の値を300mΩから約10%低下させて約270mΩとする。
【0024】
ステップS25では、ステップS21で算出した内部抵抗の値と寿命線の値を比較する。内部抵抗の値が寿命線に到達している場合はステップS26で寿命と判定し、ステップS27で判定結果を表示する。
【0025】
以上説明してきたように、第2の実施の形態によれば、電池の充放電をあまりせずDOD変化が少ない場合も、電池温度と内部抵抗を測定することにより、寿命予測が従来技術に比べ精度よくできるようになり、組電池が急に使えなくなること防止することが可能である。
【0026】
(第3の実施の形態)
図7は、本発明による組電池の寿命及び残容量判定装置の第3の実施の形態の構成を示す。1は組電池であり、例えばリチウムイオン電池である。電池1は、電流検出回路3及び電圧検出回路4を介して電池負荷2に接続されている。電気自動車の場合は、電池負荷はモータに相当する。6は演算手段(詳細後述)であり、例えば記憶装置を有するコンピュータやアナログ回路等で構成されている。なお、電流検出手段3及び電圧検出手段4は、単に電流や電圧を演算手段6に送る抵抗と結線からなる回路とし、演算手段6において入力した電流値や電圧値を判断するようにしてもよい。また、8は演算手段6で求めた残容量を表示する表示手段である。この他に、電池の容量が少なくなっているときは、電池残容量を報知する報知手段を設けてもよい。
【0027】
図8に、演算手段6の演算方法を示すフローチャートを示す。
ステップS31では、組電池の開回路電圧と内部抵抗を算出する。開回路電圧と内部抵抗の算出方法は、ある期間電流値と電圧値をサンプリングし、それを直線回帰することにより求める。図9に、ある状態における電流と電圧の関係の一例を示す。図の切片がその状態における開回路電圧であり、傾きが内部抵抗に相当する。
【0028】
ステップS32では、ステップS31で求めた2点以上の開回路電圧と内部抵抗の値より、開回路電圧変化(ΔV)及び内部抵抗変化(ΔR)の関係を求める。
【0029】
図10に、開回路電圧と内部抵抗の関係を示す。また、この図に放電終止と判断する開回路電圧と内部抵抗の関係を示す。各セルにバラツキが無い場合は、この線上に開回路電圧と内部抵抗の値が達したら、放電終了と判断する。この直線の関係は、電池が一定出力値を出力するときの関係である。
【0030】
ステップS33では、開回路電圧変化(ΔV)に対する内部抵抗変化(ΔR)の値を算出する。この値はリチウムイオン組電池の場合、各セルの内部抵抗バラツキがなければ一定の値を示す。
【0031】
ステップS34では、ΔR/ΔVの値と放電終止と判断する開回路電圧の補正値の関係より、放電終止と判断する開回路電圧の補正値を求める。図11に、ΔR/ΔVの値と放電終止と判断する開回路電圧の補正値の関係の一例を示す。図12に、放電終止と判断する開回路電圧の補正する前と後の関係を示す。
【0032】
ステップS35では、放電電力量と開放電圧の関係より、放電終止までの放電電力量を求める。図13に、放電電力量と開放電圧の関係を示す。放電終止と判断する開放電圧の値は、図10及び図12で示したように、開回路電圧と内部抵抗の関係を1次回帰することにより求める。
【0033】
ステップS36では、図13より求めた放電電力量から、現在までの放電電力量を引くことにより残容量を求める。
ステップS37では、ステップS36で求めた残容量を表示する。
【0034】
以上説明してきたように、第3の実施の形態によれば、その構成を、開回路電圧と内部抵抗の関係より、残容量が0の状態(残容量が0における開回路電圧)を補正する構成としたため、各セルのバラツキを考慮でき、精度よく残容量を検出できる、という効果が得られる。
【0035】
第3の実施の形態は、さらに以下のような効果がある。
放電電力量と開回路電圧の関係より残容量を算出しているため、温度を測定せずにこの関係のマップを一枚持つだけで算出が可能である。
【0036】
また、開回路電圧と内部抵抗の関係より、その1次回帰で放電終止と判断する開回路電圧を求めることができるため、検出誤差が小さい。よって、精度よく残容量が算出可能である。
【0037】
ただし、本発明は、放電電力量と開回路電圧の関係から残容量を求めるものに限定したものではない。
【0038】
【発明の効果】
請求項1、2に記載の発明においては、複数のセルより構成される組電池の劣化度を判断する電池の寿命判定装置であって、前記組電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、前記組電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記組電池の温度を検出する温度検出手段と、検出した端子電圧と電流と温度に基づいて前記組電池の内部抵抗を演算する演算手段と、前記組電池の開回路電圧の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率を算出し、当該変化率から前記セルの内部抵抗のバラツキの大きさを判断するバラツキ判断手段と、予め定められた基準値を前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて補正し、補正した基準値を演算した内部抵抗が上回った場合に前記組電池が劣化したと判断する劣化判断手段とを有し、また、前記バラツキ判断手段は、前記組電池の開回路電圧の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率が大きいほど内部抵抗のバラツキが大きいと判断し、前記劣化判断手段は、内部抵抗のバラツキが大きいほど前記基準値が小さくなるように補正する構成であるために、開回路電圧の変化と内部抵抗の変化の関係から組電池の内部抵抗のバラツキを大きさを判断し、バラツキの大きさを考慮して組電池の劣化度を判断しているために、組電池の寿命を正確に判断できる。
【0039】
請求項3、4に記載の発明においては、複数のセルより構成される組電池の劣化度を判断する電池の寿命判定装置であって、前記組電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、前記組電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記組電池の温度を検出する温度検出手段と、検出した端子電圧と電流と温度に基づいて前記組電池の内部抵抗を演算する演算手段と、前記組電池の温度の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率を算出し、当該変化率から前記セルの内部抵抗のバラツキの大きさを判断するバラツキ判断手段と、予め定められた基準値を前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて補正し、補正した基準値を演算した内部抵抗が上回った場合に前記組電池が劣化したと判断する劣化判断手段とを有し、また、前記バラツキ判断手段は、前記組電池の温度の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率が大きいほど内部抵抗のバラツキが大きいと判断し、前記劣化判断手段は、内部抵抗のバラツキが大きいほど前記基準値が小さくなるように補正する構成であるために、温度の変化と内部抵抗の変化の関係から組電池の内部抵抗のバラツキを大きさを判断し、バラツキの大きさを考慮して組電池の劣化度を判断しているために、組電池の寿命を正確に判断できる。
【0040】
請求項5、6に記載の発明においては、複数のセルより構成される組電池の残容量を判断する電池の残容量判定装置であって、前記組電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、前記組電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、検出した端子電圧と電流に基づいて前記組電池の内部抵抗を演算する演算手段と、前記組電池の開回路電圧の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率を算出し、当該変化率から前記セルの内部抵抗のバラツキの大きさを判断するバラツキ判断手段と、前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて電池の残容量を補正する補正手段とを有し、また、前記補正手段は、前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて放電を停止させる放電停止電圧を補正する構成であるために、開回路電圧の変化と内部抵抗の変化の関係から組電池の内部抵抗のバラツキの大きさを判断し、バラツキの大きさを考慮して組電池の残容量を判断しているために、組電池の残容量を正確に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による組電池の寿命及び残容量判定装置の第1の実施の形態を示す図である。
【図2】内部抵抗増加率の経時変化を示す図である。
【図3】第1の実施の形態の電池のDOD変化がある場合の寿命判定を示すフローチャートである。
【図4】開回路電圧変化における内部抵抗変化の値と寿命線の関係を示す図である。
【図5】第2の実施の形態の電池に温度変化がある場合の寿命判定方法を示すフローチャートである。
【図6】電池温度変化における内部抵抗変化の値と寿命線の関係を示す図である。
【図7】本発明による組電池の寿命及び残容量判定装置の第3の実施の形態を示す図である。
【図8】第3の実施の形態の残容量を算出するフローチャートである。
【図9】電池の放電I−V特性を示す図である。
【図10】電池の開回路電圧と内部抵抗の関係を示す図である。
【図11】開回路電圧変化における内部抵抗変化の割合と電池の補正値の関係を示す図である。
【図12】放電終止と判断する開回路電圧の補正方法を示す図である。
【図13】放電電力量と開回路電圧の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 組電池
2 電池負荷(モータなど)
3 電流検出手段
4 電圧検出手段
5 温度検出手段
6 演算手段
7 寿命表示手段
8 残容量表示手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の電池から構成される組電池の劣化状態を判断して電池の取り換え時期を正確に認識できるようにした組電池の寿命及び残容量判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、組電池の寿命及び残容量を判定する装置としては、特公平6−50340号公報や特開平7−72225号公報などに記載されているような、電池の端子電圧と電池への充電電流・電池の放電電流を測定し、測定した電圧及び電流から電池の内部抵抗を算出し、更に電池の温度を検出し、電池温度に基づいて算出した電池の内部抵抗を補正して電池の劣化度を判断する寿命判定装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の寿命及び残容量判定装置においては、判断の対象である電池が複数の単電池(以下、これをセルと記す)を直列に接続して構成したような組電池であることを想定しておらず、組電池全体の劣化度を判断する構成となっていた。
【0004】
一方、組電池を構成する個々のセルの各特性はバラツキをもっているのが通常であり、各セルの内部抵抗が異なり、セルの劣化度も一様ではない。このため、従来の組電池全体の劣化度を判断する装置では、各セルの正確な劣化度を判断することができないという問題があった。
【0005】
上記の問題を回避する方法として、各セル毎に劣化度を判断することも考えらえるが、高電圧(例えば約400V)を必要とする電気自動車用の組電池のように、使用するセルの数が多くなる(セル電圧が約4Vのセルを用いると約100個のセルが必要)と電圧や温度を検出するセンサもその分だけ必要となり、現実的な解決策ではない。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、組電池を構成するセルのバラツキを考慮し、組電池の劣化度を正確に判断できる電池の寿命及び残容量判定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、請求項1に記載の第1の発明は、複数のセルより構成される組電池の劣化度を判断する電池の寿命判定装置であって、前記組電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、前記組電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記組電池の温度を検出する温度検出手段と、検出した端子電圧と電流と温度に基づいて前記組電池の内部抵抗を演算する演算手段と、前記組電池の開回路電圧の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率を算出し、当該変化率から前記セルの内部抵抗のバラツキの大きさを判断するバラツキ判断手段と、予め定められた基準値を前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて補正し、補正した基準値を演算した内部抵抗が上回った場合に前記組電池が劣化したと判断する劣化判断手段と、を有する構成とした。
【0008】
また、請求項2に記載の第2の発明は、第1の発明による組電池の寿命判定装置において、前記バラツキ判断手段は、前記組電池の開回路電圧の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率が大きいほど内部抵抗のバラツキが大きいと判断し、前記劣化判断手段は、内部抵抗のバラツキが大きいほど前記基準値が小さくなるように補正する構成とした。
【0009】
また、請求項3に記載の第3の発明は、複数のセルより構成される組電池の劣化度を判断する電池の寿命判定装置であって、前記組電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、前記組電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記組電池の温度を検出する温度検出手段と、検出した端子電圧と電流と温度に基づいて前記組電池の内部抵抗を演算する演算手段と、前記組電池の温度の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率を算出し、当該変化率から前記セルの内部抵抗のバラツキの大きさを判断するバラツキ判断手段と、予め定められた基準値を前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて補正し、補正した基準値を演算した内部抵抗が上回った場合に前記組電池が劣化したと判断する劣化判断手段と、を有する構成とした。
【0010】
また、請求項4に記載の第4の発明は、第3の発明による組電池の寿命判定装置において、前記バラツキ判断手段は、前記組電池の温度の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率が大きいほど内部抵抗のバラツキが大きいと判断し、前記劣化判断手段は、内部抵抗のバラツキが大きいほど前記基準値が小さくなるように補正する構成とした。
【0011】
また、請求項5に記載の第5の発明は、複数のセルより構成される組電池の残容量を判断する電池の残容量判定装置であって、前記組電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、前記組電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、検出した端子電圧と電流に基づいて前記組電池の内部抵抗を演算する演算手段と、前記組電池の開回路電圧の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率を算出し、当該変化率から前記セルの内部抵抗のバラツキの大きさを判断するバラツキ判断手段と、前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて電池の残容量を補正する補正手段と、を有する構成とした。
【0012】
また、請求項6に記載の第6の発明は、第5の発明による組電池の残容量判定装置において、前記補正手段は、前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて放電を停止させる放電停止電圧を補正する構成とした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による組電池の寿命及び残容量判定装置の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明による組電池の寿命及び残容量判定装置の第1の実施の形態の構成を示す。1は組電池であり、例えばリチウムイオン電池である。電池1は、電流検出回路3及び電圧検出回路4を介して電池負荷2に接続されている。電気自動車の場合は、電池負荷はモータに相当する。5は電池温度を検出する検出手段である。6は演算手段(詳細後述)であり、例えば記憶装置を有するコンピュータやアナログ回路等で構成されている。なお、電流検出手段3及び電圧検出手段4は、単に電流や電圧を演算手段6に送る抵抗と結線からなる回路とし、演算手段6において入力した電流値や電圧値を判断するようにしてもよい。また、7は演算手段6で求めた推定寿命を表示する表示手段である。この他に、電池が寿命になっているときは、電池寿命を報知する報知手段を設けてもよい。
【0015】
図2に、電池の内部抵抗の経時的変化を示す。内部抵抗の値は放電開始5秒後の電流と電圧値より算出している。図より電池の内部抵抗は時間の経過と共に増加することがわかる。従来技術では、この内部抵抗がその電池における寿命線に到達した時点を寿命と判定した。しかしながら、従来技術においては各セルの内部抵抗バラツキが考慮されていなかったため、内部抵抗が一番大きなセルの内部抵抗が、そのセルの寿命線に達し、組電池としてまだ寿命線に達していなくても寿命になるという問題があった。内部抵抗の一番大きなセルの内部抵抗がそのセルの寿命線に達するとは、各セルの内部抵抗を測定しなくてもセルが過放電することにより判定できる。
【0016】
この問題を解決するために、各セルの内部抵抗がばらついていると思われるときは寿命線を下げ、ばらついていない時よりも早く寿命に達したと判定する。図3に、演算手段6の演算方法を示すフローチャートを示す。
【0017】
ステップS11では、組電池が負荷に対して電力を供給をしていない時の電圧を開回路電圧として検出し、検出した電流値及び電圧値から内部抵抗を算出する。ステップS12では、ステップS11で求めた2点以上の開回路電圧と内部抵抗の値より、開回路電圧変化(ΔV)及び内部抵抗変化(ΔR)の関係を求める。この時の開回路電圧変化の値は大きければ大きいほど好ましいが、DOD10%以上の変化があれば判定可能である。また、リチウムイオン電池の場合は、内部抵抗の値が安定しているDOD30%から70%までを使用すると、より精度よく寿命判定をすることが可能となる。ステップS13では、開回路電圧変化(ΔV)に対する内部抵抗変化(ΔR)の値を算出する。この値はリチウムイオン組電池の場合、各セルの内部抵抗バラツキがなければ一定の値を示す。ステップS14では、ΔR/ΔVの値と劣化を判断する基準値を示す寿命線の関係より、寿命線の値を減少させる方向に修正する。
【0018】
図4に、25℃におけるΔR/ΔVの値と寿命線の関係を示す。ΔR/ΔVの値が初期の値と変わらなければ寿命線の値はそのままである。ΔR/ΔVの値が初期に比べ大きくなれば、寿命線の値を小さい値に変更する。例えば新品時のΔR/ΔVの値を5mΩ/Vに設定したリチウムイオン電池の場合は、ΔR/ΔVの値が20%増加して6mΩ/Vになったら、寿命線の値を300mΩから約10%低下させて約270mΩとする。
【0019】
ステップS15では、ステップS11で算出した内部抵抗の値と寿命線の値を比較する。内部抵抗の値が寿命線に到達している場合はステップS16で寿命と判定し、ステップS17で判定結果を表示する。
【0020】
以上、説明してきたように、第1の実施の形態を用いることにより、寿命予測が従来技術に比べ精度よくできるようになり、組電池が急に使えなくなることを防止することが可能である。
【0021】
(第2の実施の形態)
次に、本発明による組電池の寿命及び残容量判定装置の第2の実施の形態を示す。第1の実施の形態では電池を使用していた場合(充放電をしDODが変化した場合)の寿命判定方法を示した。第2の実施の形態では、電池をあまり充放電せず、DODの変化が少ない場合の寿命判定方法について示す。この場合は電池の温度変化を利用する。
【0022】
図5に、演算手段6の演算方法を示すフローチャートを示す。
ステップS21では、組電池の電池温度と内部抵抗を算出する。ステップS22では、ステップS21で求めた2点以上の電池温度と内部抵抗の値より、電池温度変化(ΔT)及び内部抵抗変化(ΔR)の関係を求める。この時の電池温度変化の値は大きければ大きいほど好ましいが、5℃以上の変化があれば判定可能である。ステップS23では、電池温度変化(ΔT)に対する内部抵抗変化(ΔR)の値を算出する。この値はリチウムイオン組電池の場合、電池温度により異なる値を示す。ステップS24では、ΔR/ΔTの値と寿命線の関係より、寿命線の値を減少させる方向に修正する。ΔR/ΔTの値と寿命線の関係は電池温度により異なるため、各温度による関係を記憶しておく必要がある。
【0023】
図6に、PD50%におけるΔR/ΔTの値と寿命線の関係を示す。ΔR/ΔTの値が初期の値と変わらなければ寿命線の値はそのままである。ΔR/ΔTの値が初期に比べ大きくなれば、寿命線の値を小さい値に変更する。例えば新品時のΔR/ΔTの値を10mΩ/℃に設定したリチウムイオン電池の場合は、DOD50%においてΔR/ΔTの値が10%増加して11mΩ/℃になったら、寿命線の値を300mΩから約10%低下させて約270mΩとする。
【0024】
ステップS25では、ステップS21で算出した内部抵抗の値と寿命線の値を比較する。内部抵抗の値が寿命線に到達している場合はステップS26で寿命と判定し、ステップS27で判定結果を表示する。
【0025】
以上説明してきたように、第2の実施の形態によれば、電池の充放電をあまりせずDOD変化が少ない場合も、電池温度と内部抵抗を測定することにより、寿命予測が従来技術に比べ精度よくできるようになり、組電池が急に使えなくなること防止することが可能である。
【0026】
(第3の実施の形態)
図7は、本発明による組電池の寿命及び残容量判定装置の第3の実施の形態の構成を示す。1は組電池であり、例えばリチウムイオン電池である。電池1は、電流検出回路3及び電圧検出回路4を介して電池負荷2に接続されている。電気自動車の場合は、電池負荷はモータに相当する。6は演算手段(詳細後述)であり、例えば記憶装置を有するコンピュータやアナログ回路等で構成されている。なお、電流検出手段3及び電圧検出手段4は、単に電流や電圧を演算手段6に送る抵抗と結線からなる回路とし、演算手段6において入力した電流値や電圧値を判断するようにしてもよい。また、8は演算手段6で求めた残容量を表示する表示手段である。この他に、電池の容量が少なくなっているときは、電池残容量を報知する報知手段を設けてもよい。
【0027】
図8に、演算手段6の演算方法を示すフローチャートを示す。
ステップS31では、組電池の開回路電圧と内部抵抗を算出する。開回路電圧と内部抵抗の算出方法は、ある期間電流値と電圧値をサンプリングし、それを直線回帰することにより求める。図9に、ある状態における電流と電圧の関係の一例を示す。図の切片がその状態における開回路電圧であり、傾きが内部抵抗に相当する。
【0028】
ステップS32では、ステップS31で求めた2点以上の開回路電圧と内部抵抗の値より、開回路電圧変化(ΔV)及び内部抵抗変化(ΔR)の関係を求める。
【0029】
図10に、開回路電圧と内部抵抗の関係を示す。また、この図に放電終止と判断する開回路電圧と内部抵抗の関係を示す。各セルにバラツキが無い場合は、この線上に開回路電圧と内部抵抗の値が達したら、放電終了と判断する。この直線の関係は、電池が一定出力値を出力するときの関係である。
【0030】
ステップS33では、開回路電圧変化(ΔV)に対する内部抵抗変化(ΔR)の値を算出する。この値はリチウムイオン組電池の場合、各セルの内部抵抗バラツキがなければ一定の値を示す。
【0031】
ステップS34では、ΔR/ΔVの値と放電終止と判断する開回路電圧の補正値の関係より、放電終止と判断する開回路電圧の補正値を求める。図11に、ΔR/ΔVの値と放電終止と判断する開回路電圧の補正値の関係の一例を示す。図12に、放電終止と判断する開回路電圧の補正する前と後の関係を示す。
【0032】
ステップS35では、放電電力量と開放電圧の関係より、放電終止までの放電電力量を求める。図13に、放電電力量と開放電圧の関係を示す。放電終止と判断する開放電圧の値は、図10及び図12で示したように、開回路電圧と内部抵抗の関係を1次回帰することにより求める。
【0033】
ステップS36では、図13より求めた放電電力量から、現在までの放電電力量を引くことにより残容量を求める。
ステップS37では、ステップS36で求めた残容量を表示する。
【0034】
以上説明してきたように、第3の実施の形態によれば、その構成を、開回路電圧と内部抵抗の関係より、残容量が0の状態(残容量が0における開回路電圧)を補正する構成としたため、各セルのバラツキを考慮でき、精度よく残容量を検出できる、という効果が得られる。
【0035】
第3の実施の形態は、さらに以下のような効果がある。
放電電力量と開回路電圧の関係より残容量を算出しているため、温度を測定せずにこの関係のマップを一枚持つだけで算出が可能である。
【0036】
また、開回路電圧と内部抵抗の関係より、その1次回帰で放電終止と判断する開回路電圧を求めることができるため、検出誤差が小さい。よって、精度よく残容量が算出可能である。
【0037】
ただし、本発明は、放電電力量と開回路電圧の関係から残容量を求めるものに限定したものではない。
【0038】
【発明の効果】
請求項1、2に記載の発明においては、複数のセルより構成される組電池の劣化度を判断する電池の寿命判定装置であって、前記組電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、前記組電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記組電池の温度を検出する温度検出手段と、検出した端子電圧と電流と温度に基づいて前記組電池の内部抵抗を演算する演算手段と、前記組電池の開回路電圧の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率を算出し、当該変化率から前記セルの内部抵抗のバラツキの大きさを判断するバラツキ判断手段と、予め定められた基準値を前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて補正し、補正した基準値を演算した内部抵抗が上回った場合に前記組電池が劣化したと判断する劣化判断手段とを有し、また、前記バラツキ判断手段は、前記組電池の開回路電圧の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率が大きいほど内部抵抗のバラツキが大きいと判断し、前記劣化判断手段は、内部抵抗のバラツキが大きいほど前記基準値が小さくなるように補正する構成であるために、開回路電圧の変化と内部抵抗の変化の関係から組電池の内部抵抗のバラツキを大きさを判断し、バラツキの大きさを考慮して組電池の劣化度を判断しているために、組電池の寿命を正確に判断できる。
【0039】
請求項3、4に記載の発明においては、複数のセルより構成される組電池の劣化度を判断する電池の寿命判定装置であって、前記組電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、前記組電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記組電池の温度を検出する温度検出手段と、検出した端子電圧と電流と温度に基づいて前記組電池の内部抵抗を演算する演算手段と、前記組電池の温度の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率を算出し、当該変化率から前記セルの内部抵抗のバラツキの大きさを判断するバラツキ判断手段と、予め定められた基準値を前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて補正し、補正した基準値を演算した内部抵抗が上回った場合に前記組電池が劣化したと判断する劣化判断手段とを有し、また、前記バラツキ判断手段は、前記組電池の温度の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率が大きいほど内部抵抗のバラツキが大きいと判断し、前記劣化判断手段は、内部抵抗のバラツキが大きいほど前記基準値が小さくなるように補正する構成であるために、温度の変化と内部抵抗の変化の関係から組電池の内部抵抗のバラツキを大きさを判断し、バラツキの大きさを考慮して組電池の劣化度を判断しているために、組電池の寿命を正確に判断できる。
【0040】
請求項5、6に記載の発明においては、複数のセルより構成される組電池の残容量を判断する電池の残容量判定装置であって、前記組電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、前記組電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、検出した端子電圧と電流に基づいて前記組電池の内部抵抗を演算する演算手段と、前記組電池の開回路電圧の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率を算出し、当該変化率から前記セルの内部抵抗のバラツキの大きさを判断するバラツキ判断手段と、前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて電池の残容量を補正する補正手段とを有し、また、前記補正手段は、前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて放電を停止させる放電停止電圧を補正する構成であるために、開回路電圧の変化と内部抵抗の変化の関係から組電池の内部抵抗のバラツキの大きさを判断し、バラツキの大きさを考慮して組電池の残容量を判断しているために、組電池の残容量を正確に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による組電池の寿命及び残容量判定装置の第1の実施の形態を示す図である。
【図2】内部抵抗増加率の経時変化を示す図である。
【図3】第1の実施の形態の電池のDOD変化がある場合の寿命判定を示すフローチャートである。
【図4】開回路電圧変化における内部抵抗変化の値と寿命線の関係を示す図である。
【図5】第2の実施の形態の電池に温度変化がある場合の寿命判定方法を示すフローチャートである。
【図6】電池温度変化における内部抵抗変化の値と寿命線の関係を示す図である。
【図7】本発明による組電池の寿命及び残容量判定装置の第3の実施の形態を示す図である。
【図8】第3の実施の形態の残容量を算出するフローチャートである。
【図9】電池の放電I−V特性を示す図である。
【図10】電池の開回路電圧と内部抵抗の関係を示す図である。
【図11】開回路電圧変化における内部抵抗変化の割合と電池の補正値の関係を示す図である。
【図12】放電終止と判断する開回路電圧の補正方法を示す図である。
【図13】放電電力量と開回路電圧の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 組電池
2 電池負荷(モータなど)
3 電流検出手段
4 電圧検出手段
5 温度検出手段
6 演算手段
7 寿命表示手段
8 残容量表示手段
Claims (6)
- 複数のセルより構成される組電池の劣化度を判断する電池の寿命判定装置であって、
前記組電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、
前記組電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記組電池の温度を検出する温度検出手段と、
検出した端子電圧と電流と温度に基づいて前記組電池の内部抵抗を演算する演算手段と、
前記組電池の開回路電圧の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率を算出し、当該変化率から前記セルの内部抵抗のバラツキの大きさを判断するバラツキ判断手段と、
予め定められた基準値を前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて補正し、補正した基準値を演算した内部抵抗が上回った場合に前記組電池が劣化したと判断する劣化判断手段と、
を有することを特徴とする組電池の寿命判定装置。 - 請求項1に記載の組電池の寿命判定装置において、
前記バラツキ判断手段は、前記組電池の開回路電圧の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率が大きいほど内部抵抗のバラツキが大きいと判断し、
前記劣化判断手段は、内部抵抗のバラツキが大きいほど前記基準値が小さくなるように補正することを特徴とする組電池の寿命判定装置。 - 複数のセルより構成される組電池の劣化度を判断する電池の寿命判定装置であって、
前記組電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、
前記組電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記組電池の温度を検出する温度検出手段と、
検出した端子電圧と電流と温度に基づいて前記組電池の内部抵抗を演算する演算手段と、
前記組電池の温度の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率を算出し、当該変化率から前記セルの内部抵抗のバラツキの大きさを判断するバラツキ判断手段と、
予め定められた基準値を前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて補正し、補正した基準値を演算した内部抵抗が上回った場合に前記組電池が劣化したと判断する劣化判断手段と、
を有することを特徴とする組電池の寿命判定装置。 - 請求項3に記載の組電池の寿命判定装置において、
前記バラツキ判断手段は、前記組電池の温度の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率が大きいほど内部抵抗のバラツキが大きいと判断し、
前記劣化判断手段は、内部抵抗のバラツキが大きいほど前記基準値が小さくなるように補正することを特徴とする組電池の寿命判定装置。 - 複数のセルより構成される組電池の残容量を判断する電池の残容量判定装置であって、
前記組電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、
前記組電池に流れる電流を検出する電流検出手段と、
検出した端子電圧と電流に基づいて前記組電池の内部抵抗を演算する演算手段と、
前記組電池の開回路電圧の変化に対する前記組電池の内部抵抗の変化率を算出し、当該変化率から前記セルの内部抵抗のバラツキの大きさを判断するバラツキ判断手段と、
前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて電池の残容量を補正する補正手段と、
を有することを特徴とする組電池の残容量判定装置。 - 請求項5に記載の組電池の残容量判定装置において、
前記補正手段は、前記バラツキ判断手段の判断結果に基づいて放電を停止させる放電停止電圧を補正することを特徴とする組電池の残容量判定装置。
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