JP4967997B2 - 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の実施の形態に係る縦延伸工程は、シート状熱可塑性樹脂を熱可塑性樹脂の[ガラス転移点(Tg)−10]℃以上に予熱する予熱工程と、Tg以上の加熱下でロールの周速差を利用してシート状熱可塑性樹脂を延伸する延伸工程と、延伸後のシート状熱可塑性樹脂をTg以下に冷却する冷却工程とを有する。各工程では2本以上の複数のロール(ロール群)を用いる。本発明者は、前述の課題を解決する為に、鋭意検討を行なった結果、縦延伸工程のロール駆動の制御方法について以下に述べる手段をとることで、フィルム表面に発生する擦り傷の数が顕著に抑制されることを見い出し、本発明に至った。
本発明の実施の形態に係る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法では、予熱工程および/または冷却工程で用いるロール群の各ロールを比例制御により回転駆動させることを特徴とする。予熱工程および冷却工程ではフィルムの温度変化が大きくなるため、フィルムの膨張および収縮などに起因する張力変化が生じやすい。そこで、かかる工程のロールについて、比例制御を行なうことで、ロールの周速度の速度偏差があってもこの速度偏差を補正するような制御動作が行われないようにした。これにより、フィルムの張力変動が生じても、この張力変動に応じてロールが連れ回り、ロールの表面速度(周速度)とフィルムの線速度とが同調するため、滑り傷の発生が抑制される。また、張力変化がない場合は、ロールは一定速度で回転駆動する。このため、フリーロールと異なり、フィルムの保持張力でロールを駆動する必要がなく、フィルムの薄膜化およびフィルム製造装置の大型化が可能になる。さらに、フリーロールと異なり、特殊なロール構造を必要とせず、メンテナンスが簡便で、個別のロールの取り付けが容易となる。
本発明の実施の形態に係る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法では、延伸工程で用いるロール群の各ロールを比例積分制御により回転駆動させる。延伸工程では、加熱装置による加温下で回転速度の異なる複数のロールによりフィルムを延伸する。均一な特性を有するフィルムを安定的かつ連続的に製造する為には、フィルムの延伸倍率を正確に制御する必要がある。その為、延伸工程のロール群については比例積分制御により各ロールが一定の回転速度で駆動されることが重要である。これにより、本発明の実施の形態に係る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法では、フィルムの厚みを正確に設定することが可能となる。なお、比例積分制御により各ロールを回転駆動する場合は、ニップロールなどを設置することでフィルムとロールの滑りを生じ難くすることにより、フィルムの滑り傷を生じ難くする構成も好ましい実施形態である。
本発明の実施の形態に係る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法では、比例制御によるロールの回転駆動においてメカロス補償を行なうことが望ましい。比例制御方式では連続運転および機台の劣化によりメカロスの変化によるモータートルクの過不足が生じる。そこで、本発明の実施の形態に係る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法では、あらかじめモータ速度に応じたメカロスを測定し、速度制御の結果をトルクの出力に加えることでメカロスの影響が0になるようにメカロスの補償を行なうことが望ましい。これにより、長期に安定したフィルムの生産が可能になる。また、かかるメカロス制御では、各モータの回転速度を変化させ、各回転速度におけるメカロスに関するデータを収集し、自動学習を行なうことが可能である。そのため、フリーロールにおけるような煩雑なトルク管理が不要であり、メカロス変化に応じて定期的にロールを交換する必要がなく経済的である。
図1は、本発明の実施の形態に係る二軸延伸フィルム製造装置における縦延伸機8の構成を示す図である。
図3を参照して、比例積分制御では、ロールRの回転速度目標値SVとロールRの回転速度PVとの偏差DEVに対する比例演算要素Pおよび積分演算要素Iを加算することにより回転制御値CV1を算出する(ASR)。そして、回転制御値CV1にロールRの回転に対するメカロスを補償するための制御値すなわちメカロス補正値MLCを加算した回転制御値CV2に基づいてモータMの操作量MVすなわち駆動電流を算出する(ACR)。ここで、メカロス補正値MLCは、ロールRの回転速度PVに応じて決定される。したがって、操作量MVは以下の式で表わされる。
図4は、ロールの回転速度の比例制御を示す図である。
比例積分制御においては、回転速度PVが平均的に一定の回転速度目標値SVになるように制御される。このため、モータMの負荷が大きくなるとトルクが大きくなる。したがって、モータ本位の制御となるため、シート状熱可塑性樹脂FL側の変動が無視されることになり、シート状熱可塑性樹脂FLとロールRとの間で滑りが生じてしまう。
図5を参照して、V1はロールRの回転速度であり、V2はシート状熱可塑性樹脂FLの進行速度であり、MLはメカロスであり、FはロールRのシート状熱可塑性樹脂FLに対する把持力であり、T1はシート状熱可塑性樹脂FLの進行方向への張力であり、T2はシート状熱可塑性樹脂FLの進行方向と逆方向への張力である。
粒子を含有していない極限粘度が0.62dl/gのポリエチレンテレフタレートを135℃で6時間減圧乾燥(133.3Pa)した後、押し出し機に供給し、約285℃で溶融しながら押し出すことでシート状にした。これを表面温度20℃の冷却ロールに静電印加法にて密着させて、未延伸ポリエステルシートを得た。なおこの際、溶融樹脂の異物除去用濾材として、濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が15μmのステンレス製焼結濾材を用い、溶融樹脂の高精度濾過を行なった。
添加剤としてシリカ粒子(富士シリシア化学(株)社製、サイリシア310)を0.03質量%含有した極限粘度が0.62dl/gのポリエチレンテレフタレートを用いることにより、引取速度を調整した以外は実施例1と同様にして、未延伸ポリエステルシートを得た。
縦延伸工程の予熱工程および冷却工程のロール群に対して比例積分制御を行なった以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。実施例1と同様にフィルム表面の幅0.25mm以上、長さ0.35mm以上の傷の個数を測定した結果、かかる傷の個数は8.0個/m2であった。
Claims (5)
- 熱可塑性樹脂を溶融しながら押し出すことによりシート状熱可塑性樹脂を形成する工程と、
前記形成されたシート状熱可塑性樹脂を縦方向に延伸する工程と、
前記形成されたシート状熱可塑性樹脂を横方向に延伸する工程と、
前記縦方向および横方向に延伸された前記シート状熱可塑性樹脂を熱固定する工程とを含み、
前記シート状熱可塑性樹脂を縦方向に延伸する工程は、
第1のロール群を比例制御により回転させて前記シート状熱可塑性樹脂を送ることにより、前記シート状熱可塑性樹脂を予熱する工程と、
各々のロールの回転速度が異なる第2のロール群を比例積分制御で回転させることにより、前記予熱された前記シート状熱可塑性樹脂を延伸する工程とを含む熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。 - 前記シート状熱可塑性樹脂を縦方向に延伸する工程は、さらに、
第3のロール群を比例制御により回転させて前記延伸された前記シート状熱可塑性樹脂を送ることにより、前記延伸された前記シート状熱可塑性樹脂を冷却する工程を含む請求項1記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。 - 前記シート状熱可塑性樹脂を予熱する工程においては、前記第1のロール群の回転速度目標値と前記第1のロール群の回転速度との偏差に比例する第1の制御値を算出し、前記第1の制御値と前記第1のロール群の回転に対する機械損失を補償するための第2の制御値とに基づいて前記第1のロール群を回転させる請求項1記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
- 熱可塑性樹脂を溶融しながら押し出すことによりシート状熱可塑性樹脂を形成する工程と、
前記形成されたシート状熱可塑性樹脂を縦方向に延伸する工程と、
前記形成されたシート状熱可塑性樹脂を横方向に延伸する工程と、
前記縦方向および横方向に延伸された前記シート状熱可塑性樹脂を熱固定する工程とを含み、
前記シート状熱可塑性樹脂を縦方向に延伸する工程は、
各々のロールの回転速度が異なる第1のロール群を比例積分制御で回転させることにより、前記予熱された前記シート状熱可塑性樹脂を延伸する工程と、
第2のロール群を比例制御により回転させて前記延伸された前記シート状熱可塑性樹脂を送ることにより、前記延伸された前記シート状熱可塑性樹脂を冷却する工程とを含む熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。 - 前記シート状熱可塑性樹脂を冷却する工程においては、前記第2のロール群の回転速度目標値と前記第2のロール群の回転速度との偏差に比例する第1の制御値を算出し、前記第1の制御値と前記第2のロール群の回転に対する機械損失を補償するための第2の制御値とに基づいて前記第2のロール群を回転させる請求項4記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
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