JP2003211534A - フイルム製造方法 - Google Patents
フイルム製造方法Info
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Landscapes
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 延伸張力を低減でき、延伸ロールとの汚れ量
を抑制でき、表面性に優れた熱可塑性樹脂フイルムを安
定して製造することが可能であり、生産性向上に大きく
寄与できるフイルム製造方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂の溶融シートを冷却ドラム
に密着させ冷却固化させて未延伸シートとする冷却固化
工程と、該未延伸シートを延伸機で少なくとも縦方向に
1段以上延伸する延伸工程を含むフイルム製造方法にお
いて、該冷却固化工程と該延伸工程の間に、該未延伸シ
ート表面の加熱手段を設けることを特徴とするフイルム
製造方法。
を抑制でき、表面性に優れた熱可塑性樹脂フイルムを安
定して製造することが可能であり、生産性向上に大きく
寄与できるフイルム製造方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂の溶融シートを冷却ドラム
に密着させ冷却固化させて未延伸シートとする冷却固化
工程と、該未延伸シートを延伸機で少なくとも縦方向に
1段以上延伸する延伸工程を含むフイルム製造方法にお
いて、該冷却固化工程と該延伸工程の間に、該未延伸シ
ート表面の加熱手段を設けることを特徴とするフイルム
製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフイルム製造方法に
関し、更に詳しくは、延伸工程に導かれる未延伸シート
の表面温度を制御することで、延伸ロールとの汚れ量を
抑制し、表面性に優れた熱可塑性樹脂フイルムを安定し
て製造できるフイルム製造方法に関する。
関し、更に詳しくは、延伸工程に導かれる未延伸シート
の表面温度を制御することで、延伸ロールとの汚れ量を
抑制し、表面性に優れた熱可塑性樹脂フイルムを安定し
て製造できるフイルム製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂のシートを製造する方法と
して、樹脂を押出機等の溶融押出装置に供給し、Tダイ
などのスリット状ダイから溶融シートとして押し出し、
冷却ドラム上に密着させ冷却固化させてシートとし、こ
のシートをロール群の周辺速度差を利用して縦方向に延
伸し、更に横方向に延伸して二軸延伸フイルムを製造す
る方法が知られている。
して、樹脂を押出機等の溶融押出装置に供給し、Tダイ
などのスリット状ダイから溶融シートとして押し出し、
冷却ドラム上に密着させ冷却固化させてシートとし、こ
のシートをロール群の周辺速度差を利用して縦方向に延
伸し、更に横方向に延伸して二軸延伸フイルムを製造す
る方法が知られている。
【0003】このフイルム製造方法では、加熱された低
速ロール群と冷却された高速ロール群との間で複数の加
熱ヒーターによりフイルムを加熱し、それぞれのロール
群の周辺速度差で縦方向にフイルムを延伸するが、その
時にフイルムから発生するオリゴマー昇華物により経時
的にロール群の汚れが増加し、この汚れがフイルム表面
に転写して製造されるフイルムの品質を悪化させる問題
がある。
速ロール群と冷却された高速ロール群との間で複数の加
熱ヒーターによりフイルムを加熱し、それぞれのロール
群の周辺速度差で縦方向にフイルムを延伸するが、その
時にフイルムから発生するオリゴマー昇華物により経時
的にロール群の汚れが増加し、この汚れがフイルム表面
に転写して製造されるフイルムの品質を悪化させる問題
がある。
【0004】特に、近年の光学用途に用いられるフイル
ムの品質要求は厳しくなっており、汚れのフイルム転写
に起因するフイルム表面の欠陥が重大な問題になってい
る。
ムの品質要求は厳しくなっており、汚れのフイルム転写
に起因するフイルム表面の欠陥が重大な問題になってい
る。
【0005】また、厚さ100μm以上のフイルムの場
合、フイルムの延伸される張力が大きく、このため延伸
ロールへのフイルム押付けが強くなり、フイルム表面に
ロール汚れが転写し易い傾向であり、安定した生産が特
に困難になる。
合、フイルムの延伸される張力が大きく、このため延伸
ロールへのフイルム押付けが強くなり、フイルム表面に
ロール汚れが転写し易い傾向であり、安定した生産が特
に困難になる。
【0006】これらの問題の対策として、例えばフイル
ムの製造を頻繁に停止してロールの表面を清掃する措置
がとられるが、一旦ラインを停止すると立上げに長時間
を要するため、生産性が著しく低下する。また、たとえ
オンラインでロールを清掃できたとしても、清掃時間中
に得られるフイルムは特に光学用途のような品質要求の
厳しい銘柄では製品にできない。
ムの製造を頻繁に停止してロールの表面を清掃する措置
がとられるが、一旦ラインを停止すると立上げに長時間
を要するため、生産性が著しく低下する。また、たとえ
オンラインでロールを清掃できたとしても、清掃時間中
に得られるフイルムは特に光学用途のような品質要求の
厳しい銘柄では製品にできない。
【0007】また、製品の厚みが100μm以上のフイ
ルムの冷却ドラムで冷却された未延伸シートを、低速ロ
ール群の加熱ロールで十分フイルム内部まで加熱するた
めには数多くの加熱ロールが必要であるが、実際には不
十分な加熱のまま延伸が行われており、張力が大きい状
態で延伸される場合が多く、汚れが発生し易い。
ルムの冷却ドラムで冷却された未延伸シートを、低速ロ
ール群の加熱ロールで十分フイルム内部まで加熱するた
めには数多くの加熱ロールが必要であるが、実際には不
十分な加熱のまま延伸が行われており、張力が大きい状
態で延伸される場合が多く、汚れが発生し易い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題を解消でき、延伸工程に導かれる未延伸シート表
面を加熱する手段を設けることで、延伸張力を低減で
き、延伸ロールとの汚れ量を抑制でき、表面性に優れた
熱可塑性樹脂フイルムを安定して製造できるフイルム製
造方法を提供することにある。
な問題を解消でき、延伸工程に導かれる未延伸シート表
面を加熱する手段を設けることで、延伸張力を低減で
き、延伸ロールとの汚れ量を抑制でき、表面性に優れた
熱可塑性樹脂フイルムを安定して製造できるフイルム製
造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、本発明
によれば、(1)熱可塑性樹脂の溶融シートを冷却ドラ
ムに密着させ冷却固化させて未延伸シートとする冷却固
化工程と、該未延伸シートを延伸機で少なくとも縦方向
に1段以上延伸する延伸工程を含むフイルム製造方法に
おいて、該冷却固化工程と該延伸工程の間に、該未延伸
シート表面の加熱手段を設けることを特徴とするフイル
ム製造方法により達成できる。
によれば、(1)熱可塑性樹脂の溶融シートを冷却ドラ
ムに密着させ冷却固化させて未延伸シートとする冷却固
化工程と、該未延伸シートを延伸機で少なくとも縦方向
に1段以上延伸する延伸工程を含むフイルム製造方法に
おいて、該冷却固化工程と該延伸工程の間に、該未延伸
シート表面の加熱手段を設けることを特徴とするフイル
ム製造方法により達成できる。
【0010】また、本発明の好ましい態様としては、
(2)未延伸シート表面の加熱手段が、加熱ヒーターに
よる非接触加熱手段または加熱ロールによる接触加熱手
段である(1)に記載のフイルム製造方法、更に、
(3)加熱手段により加熱された未延伸シートの表面温
度をオンライン測定し、該測定結果を加熱手段の出力に
フィードバックして未延伸シートの表面温度を任意に制
御する(1)または(2)に記載のフイルム製造方法、
特に(4)未延伸シート表面の加熱手段に、表面がセラ
ミックコーティングされている加熱ロールを用いる
(2)に記載のフイルム製造方法を挙げることができ、
更に好ましい形態として、(5)未延伸シートを延伸機
で少なくとも縦方向に1段以上延伸する際の延伸張力が
5〜25kNの範囲である(1)ないし(4)の何れか
1項に記載のフイルム製造方法を挙げることができる。
(2)未延伸シート表面の加熱手段が、加熱ヒーターに
よる非接触加熱手段または加熱ロールによる接触加熱手
段である(1)に記載のフイルム製造方法、更に、
(3)加熱手段により加熱された未延伸シートの表面温
度をオンライン測定し、該測定結果を加熱手段の出力に
フィードバックして未延伸シートの表面温度を任意に制
御する(1)または(2)に記載のフイルム製造方法、
特に(4)未延伸シート表面の加熱手段に、表面がセラ
ミックコーティングされている加熱ロールを用いる
(2)に記載のフイルム製造方法を挙げることができ、
更に好ましい形態として、(5)未延伸シートを延伸機
で少なくとも縦方向に1段以上延伸する際の延伸張力が
5〜25kNの範囲である(1)ないし(4)の何れか
1項に記載のフイルム製造方法を挙げることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
する。
【0012】(熱可塑性樹脂)本発明における熱可塑性
樹脂とは、延伸可能な熱可塑性ポリマーを主成分とする
樹脂であり、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートのような芳香族ポリエステル、ポリエチレン、
ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリスチレン
のようなポリビニル、ナイロン6(ポリカプロラクタ
ム)、ナイロン66(ポリ(ヘキサメチレンジアミン−
co−アジピン酸))のようなポリアミド、ビスフェノ
ールAポリカーボネートのような芳香族ポリカーボネー
ト、ポリスルフォン等の単独重合体或いはこれらの共重
合体を主成分とする樹脂を挙げることができる。
樹脂とは、延伸可能な熱可塑性ポリマーを主成分とする
樹脂であり、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートのような芳香族ポリエステル、ポリエチレン、
ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリスチレン
のようなポリビニル、ナイロン6(ポリカプロラクタ
ム)、ナイロン66(ポリ(ヘキサメチレンジアミン−
co−アジピン酸))のようなポリアミド、ビスフェノ
ールAポリカーボネートのような芳香族ポリカーボネー
ト、ポリスルフォン等の単独重合体或いはこれらの共重
合体を主成分とする樹脂を挙げることができる。
【0013】上記熱可塑性ポリマーの中では、延伸によ
る分子配向が可能な芳香族ポリエステル、ポリオレフィ
ン、ポリアミドが好ましく、分子が二軸配向した際に光
学的、機械的、熱的特性が優れたものになるポリエチレ
ンテレフタレート或いはポリエチレン−2,6−ナフタ
レートが特に好ましい。
る分子配向が可能な芳香族ポリエステル、ポリオレフィ
ン、ポリアミドが好ましく、分子が二軸配向した際に光
学的、機械的、熱的特性が優れたものになるポリエチレ
ンテレフタレート或いはポリエチレン−2,6−ナフタ
レートが特に好ましい。
【0014】(延伸フイルム)本発明における延伸フイ
ルムは、熱可塑性樹脂の未延伸シートを縦方向および横
方向の少なくとも一方向に1段以上延伸したフイルムで
あり、例えば下記のように製造することができる。即
ち、熱可塑性樹脂を押出機等の溶融押出装置に供給し、
加熱し溶融させてTダイなどのスリット状ダイから押し
出し、冷却ロール上に密着させ、冷却固化させて未延伸
シートとし、この未延伸シートを複数のロールを備えた
縦延伸装置にて連続的に縦延伸し、更にテンター等で横
方向に延伸することにより製造して得ることができる。
ルムは、熱可塑性樹脂の未延伸シートを縦方向および横
方向の少なくとも一方向に1段以上延伸したフイルムで
あり、例えば下記のように製造することができる。即
ち、熱可塑性樹脂を押出機等の溶融押出装置に供給し、
加熱し溶融させてTダイなどのスリット状ダイから押し
出し、冷却ロール上に密着させ、冷却固化させて未延伸
シートとし、この未延伸シートを複数のロールを備えた
縦延伸装置にて連続的に縦延伸し、更にテンター等で横
方向に延伸することにより製造して得ることができる。
【0015】(加熱手段)本発明においては、熱可塑性
樹脂の溶融シートを冷却ドラムに密着させ冷却固化させ
て未延伸シートとする冷却固化工程と、該未延伸シート
を延伸機で少なくとも縦方向に1段以上延伸する延伸工
程を含むフイルム製造方法において、該冷却固化工程と
該延伸工程の間に、該未延伸シート表面の加熱手段を設
けることによりフイルムを製造するが、この加熱手段と
しては、例えば、加熱ヒーターによる非接触加熱手段ま
たは加熱ロールによる接触加熱手段を挙げることができ
る。
樹脂の溶融シートを冷却ドラムに密着させ冷却固化させ
て未延伸シートとする冷却固化工程と、該未延伸シート
を延伸機で少なくとも縦方向に1段以上延伸する延伸工
程を含むフイルム製造方法において、該冷却固化工程と
該延伸工程の間に、該未延伸シート表面の加熱手段を設
けることによりフイルムを製造するが、この加熱手段と
しては、例えば、加熱ヒーターによる非接触加熱手段ま
たは加熱ロールによる接触加熱手段を挙げることができ
る。
【0016】加熱手段が加熱ヒーターの場合は、ヒータ
ーとして赤外線ヒーターを用いることが特に好ましく、
加熱手段が加熱ロールの場合は、表面がセラミックコー
ティングされている加熱ロールを用いることが特に好ま
しい。
ーとして赤外線ヒーターを用いることが特に好ましく、
加熱手段が加熱ロールの場合は、表面がセラミックコー
ティングされている加熱ロールを用いることが特に好ま
しい。
【0017】(未延伸シートの表面温度制御)本発明に
おいては、熱可塑性樹脂の未延伸シートが延伸機に導か
れる時にシート表面に、その幅方向に渡って、例えば赤
外線を照射する。赤外線ヒーターの出力は、放射温度計
等により測定されるシートの表面温度が任意の設定値に
なるように調整される。シート表面温度は加熱に用いる
ヒーターの本数で調整することもできる。
おいては、熱可塑性樹脂の未延伸シートが延伸機に導か
れる時にシート表面に、その幅方向に渡って、例えば赤
外線を照射する。赤外線ヒーターの出力は、放射温度計
等により測定されるシートの表面温度が任意の設定値に
なるように調整される。シート表面温度は加熱に用いる
ヒーターの本数で調整することもできる。
【0018】また、本発明においては、熱可塑性樹脂の
未延伸シートが延伸機に導かれる時にシートを加熱ロー
ルに接触させて、未延伸シートの幅方向に渡って加熱す
ることができる。加熱ロールとしては、内部に温度制御
された温水や熱媒を循環させるものを使用することがで
き、放射温度計等により測定されるシート表面の温度が
任意の設定値になるように加熱ロール温度を調整する。
また、加熱ロール表面は、粘着を抑制するためにセラミ
ックなどの非粘着性の表面コーティングを実施する場合
もある。
未延伸シートが延伸機に導かれる時にシートを加熱ロー
ルに接触させて、未延伸シートの幅方向に渡って加熱す
ることができる。加熱ロールとしては、内部に温度制御
された温水や熱媒を循環させるものを使用することがで
き、放射温度計等により測定されるシート表面の温度が
任意の設定値になるように加熱ロール温度を調整する。
また、加熱ロール表面は、粘着を抑制するためにセラミ
ックなどの非粘着性の表面コーティングを実施する場合
もある。
【0019】(延伸張力)本発明において、未延伸シー
トを延伸機で少なくとも縦方向に1段以上延伸する際の
延伸張力は5〜25kNの範囲であることが好ましい。
縦方向の延伸張力をこの範囲にするには、未延伸シート
の表面温度を加熱手段により調節することが好ましい。
トを延伸機で少なくとも縦方向に1段以上延伸する際の
延伸張力は5〜25kNの範囲であることが好ましい。
縦方向の延伸張力をこの範囲にするには、未延伸シート
の表面温度を加熱手段により調節することが好ましい。
【0020】(図による説明)以下に図面を用いて本発
明を説明する。
明を説明する。
【0021】図1は本発明の一つの実施形態を示す未延
伸シートの冷却ドラムおよび延伸装置およびその間に位
置する加熱装置(加熱手段)の設置状態を表している。
図1の1は熱可塑性樹脂未延伸シート、2はシート1を
押し出すダイ、3は冷却ドラム、4は延伸装置、5は加
熱装置(加熱手段)、6は加熱ヒーターである。7〜1
1は低速ロール群、12〜14は高速ロール群、15は
延伸用加熱ヒーターである。
伸シートの冷却ドラムおよび延伸装置およびその間に位
置する加熱装置(加熱手段)の設置状態を表している。
図1の1は熱可塑性樹脂未延伸シート、2はシート1を
押し出すダイ、3は冷却ドラム、4は延伸装置、5は加
熱装置(加熱手段)、6は加熱ヒーターである。7〜1
1は低速ロール群、12〜14は高速ロール群、15は
延伸用加熱ヒーターである。
【0022】図2は加熱手段が加熱ロールの場合で、1
6,17が加熱ロールである。
6,17が加熱ロールである。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0024】尚、延伸張力は、ABB株式会社製ロード
セルにより、低速ロールから高速ロールに移る際のフイ
ルムの縦方向張力測定した。
セルにより、低速ロールから高速ロールに移る際のフイ
ルムの縦方向張力測定した。
【0025】[実施例1]ポリエチレンテレフタレート
(o−クロロフェノールを溶媒とし、25℃で測定した
固有粘度が0.63dl/g、カオリン微粒子を0.0
3重量%含む)のペレットを乾燥した後、押出機に供給
し、285℃で溶融し、Tダイよりシート状に押し出
し、図1に示す冷却ドラム3を用いてキャストおよび冷
却し固化させて未延伸シートを得た。次いでこの未延伸
シートを図1に示す延伸装置4に導く時に、赤外線ヒー
ター6が2本設置された加熱装置5により未延伸シート
の表面温度が75℃になるように制御して延伸装置に導
き、縦方向に3.3倍延伸し、更に図示していない横方
向延伸装置(ステンター)にて横方向に3.3倍の倍率
で延伸して厚みが175μm、幅が2300mmの二軸
延伸ポリエステルフイルムを連続生産した。
(o−クロロフェノールを溶媒とし、25℃で測定した
固有粘度が0.63dl/g、カオリン微粒子を0.0
3重量%含む)のペレットを乾燥した後、押出機に供給
し、285℃で溶融し、Tダイよりシート状に押し出
し、図1に示す冷却ドラム3を用いてキャストおよび冷
却し固化させて未延伸シートを得た。次いでこの未延伸
シートを図1に示す延伸装置4に導く時に、赤外線ヒー
ター6が2本設置された加熱装置5により未延伸シート
の表面温度が75℃になるように制御して延伸装置に導
き、縦方向に3.3倍延伸し、更に図示していない横方
向延伸装置(ステンター)にて横方向に3.3倍の倍率
で延伸して厚みが175μm、幅が2300mmの二軸
延伸ポリエステルフイルムを連続生産した。
【0026】この二軸延伸ポリエステルフイルムの製造
において、延伸張力計は約18kNであったが、フイル
ムの製造開始から7日間の生産においてフイルムの表面
に問題となる欠点の無いフイルムを製造することが可能
であった。
において、延伸張力計は約18kNであったが、フイル
ムの製造開始から7日間の生産においてフイルムの表面
に問題となる欠点の無いフイルムを製造することが可能
であった。
【0027】[比較例1]フイルム加熱装置5を設置し
ない以外は実施例1と同様に2軸延伸ポリエステルフイ
ルムを連続生産した。その場合の、延伸装置に導かれる
フイルム表面温度は42℃で、延伸張力計は約30kN
であり、その結果、フイルムの製造開始から1日後にフ
イルム表面に汚れ状の欠点が発生し、製品の製造を中断
しなければならなくなった。
ない以外は実施例1と同様に2軸延伸ポリエステルフイ
ルムを連続生産した。その場合の、延伸装置に導かれる
フイルム表面温度は42℃で、延伸張力計は約30kN
であり、その結果、フイルムの製造開始から1日後にフ
イルム表面に汚れ状の欠点が発生し、製品の製造を中断
しなければならなくなった。
【0028】
【発明の効果】本発明の、冷却固化工程と延伸工程の間
に、未延伸シート表面の加熱手段を設けるフイルム製造
方法により、延伸張力を低減でき、延伸ロールとの汚れ
量を抑制でき、表面性に優れた熱可塑性樹脂フイルムを
安定して製造することが可能であり、生産性向上に大き
く寄与できる。
に、未延伸シート表面の加熱手段を設けるフイルム製造
方法により、延伸張力を低減でき、延伸ロールとの汚れ
量を抑制でき、表面性に優れた熱可塑性樹脂フイルムを
安定して製造することが可能であり、生産性向上に大き
く寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の未延伸シートの冷却ドラム(冷却固化
工程)および延伸装置(延伸工程)およびその間に位置
する加熱手段(赤外線ヒーター)の設置状態を示した図
である。
工程)および延伸装置(延伸工程)およびその間に位置
する加熱手段(赤外線ヒーター)の設置状態を示した図
である。
【図2】本発明の未延伸シートの冷却ドラム(冷却固化
工程)および延伸装置(延伸工程)およびその間に位置
する加熱手段(加熱ロール)の設置状態を示した図であ
る。
工程)および延伸装置(延伸工程)およびその間に位置
する加熱手段(加熱ロール)の設置状態を示した図であ
る。
1:熱可塑性樹脂の未延伸シート
2:ダイ
3:冷却ドラム
4:延伸装置
5:加熱装置
6:加熱ヒーター(赤外線ヒーター)
7〜11:低速ロール群
12〜14:高速ロール群
15:加熱ヒーター
16,17:加熱ロール
Claims (5)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂の溶融シートを冷却ドラム
に密着させ冷却固化させて未延伸シートとする冷却固化
工程と、該未延伸シートを延伸機で少なくとも縦方向に
1段以上延伸する延伸工程を含むフイルム製造方法にお
いて、該冷却固化工程と該延伸工程の間に、該未延伸シ
ート表面の加熱手段を設けることを特徴とするフイルム
製造方法。 - 【請求項2】 未延伸シート表面の加熱手段が、加熱ヒ
ーターによる非接触加熱手段または加熱ロールによる接
触加熱手段である請求項1に記載のフイルム製造方法。 - 【請求項3】 加熱手段により加熱された未延伸シート
の表面温度をオンライン測定し、該測定結果を加熱手段
の出力にフィードバックして未延伸シートの表面温度を
任意に制御する請求項1または2に記載のフイルム製造
方法。 - 【請求項4】 未延伸シート表面の加熱手段に、表面が
セラミックコーティングされている加熱ロールを用いる
請求項2に記載のフイルム製造方法。 - 【請求項5】 未延伸シートを延伸機で少なくとも縦方
向に1段以上延伸する際の延伸張力が5〜25kNの範
囲である請求項1ないし4の何れか1項に記載のフイル
ム製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002009829A JP2003211534A (ja) | 2002-01-18 | 2002-01-18 | フイルム製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002009829A JP2003211534A (ja) | 2002-01-18 | 2002-01-18 | フイルム製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003211534A true JP2003211534A (ja) | 2003-07-29 |
Family
ID=27647729
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002009829A Pending JP2003211534A (ja) | 2002-01-18 | 2002-01-18 | フイルム製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003211534A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007030466A (ja) * | 2005-07-29 | 2007-02-08 | Hirano Giken Kogyo Kk | フィルム伸縮装置および配向フィルムの製造方法 |
JP2011017761A (ja) * | 2009-07-07 | 2011-01-27 | Nippon Shokubai Co Ltd | 位相差フィルムの製造方法 |
JP2011201042A (ja) * | 2010-03-24 | 2011-10-13 | Gunze Ltd | 延伸高分子成形体製造方法及び装置 |
JP2013530261A (ja) * | 2010-04-20 | 2013-07-25 | エスケー イノベーション シーオー., エルティーディー. | 生産性に優れ、物性調節が容易なポリオレフィン微多孔膜の製造方法 |
-
2002
- 2002-01-18 JP JP2002009829A patent/JP2003211534A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2011017761A (ja) * | 2009-07-07 | 2011-01-27 | Nippon Shokubai Co Ltd | 位相差フィルムの製造方法 |
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JP2013530261A (ja) * | 2010-04-20 | 2013-07-25 | エスケー イノベーション シーオー., エルティーディー. | 生産性に優れ、物性調節が容易なポリオレフィン微多孔膜の製造方法 |
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