JP4965082B2 - 口紅オーバーコート - Google Patents
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(A)部分架橋型フッ素変性オルガノポリシロキサン重合物
(B)フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサン
(C)有機粉体
を配合することを特徴とする口紅オーバーコートを提供するものである。
さらに成分(C)の有機粉体の配合量が0.001〜10質量%(以下単に「%」で示す。)であることを特徴とする口紅オーバーコートである。
本発明に用いられる成分(A)の部分架橋型フッ素変性オルガノポリシロキサン重合物は、部分的に架橋結合を有する三次元構造を呈するシリコーン系エラストマーにフッ素置換アルキル基を導入した化合物である。このような部分架橋型フッ素変性オルガノポリシロキサン重合物としては、例えば特開2001−342255号公報に記載した化合物が挙げられる。例えば、INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)で(トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコン)クロスポリマーが挙げられる。
R1 cR2 dSiO(4−c−d)/2 …(2)
(但し、式中R1はそれぞれ同じか又は異なってもよく、脂肪族不飽和結合を有しない、置換又は非置換の、炭素数1〜20の一価炭化水素基であって、その11〜60モル%がフッ素基置換一価炭化水素基である一価炭化水素基であり、R2は末端ビニル基を有する炭素数2〜10の一価炭化水素基であり、aは1.0〜2.3、bは0.001〜1.0、cは1.0〜2.3、dは0.001〜1.0であって、1.5≦a+b≦2.6、1.5≦c+d≦2.6を満たす。)
具体的には、特開平09−268110号公報記載されるものが挙げられ、例えばINCI名でトリフルオロプロピルシクロテトラシロキサン/トリフルオロプロピルシクロペンタシロキサン(KF−5002:信越化学工業社製)が挙げられる。
前記ペースト状の組成物を得るには、通常の攪拌機で行なっても構わないが、剪断力下の混練処理を行なうことが好ましい。これは成分(A)の特定のオルガノポリシロキサン重合物が有機溶媒不溶の三次元架橋構造を有しているため、剪断力下で充分な分散性を与えることにより、ペースト状の組成物が得られるためである。混練処理としては、例えば3本ロール、2本ロール、サンドラグラインダー、コロイドミル、高粘度ミキサー、ガウリンホモジナイザー、ディスパーズミル等で行なうことができるが、好ましくは3本ロール、高粘度ミキサー、ディスパーズミルによる方法が好ましい。
得られたペースト状の組成物の口紅オーバーコートへの配合量は、25〜99.8%が好ましく、30〜99.5%が更に好ましい。この範囲であれば、塗布した際に物理的摩擦により口紅化粧膜を崩すことなく、且つツヤを付与し、さらに化粧持ちに優れた口紅オーバーコートを得ることができる。また、成分(A)と成分(B)の質量比率は1:99〜50:50が好ましく、更に好ましくは、5:95〜30:70であり、この範囲であると製造時の操作性が良好なものが得られる。
反応器中に下記平均組成式(4)
反応器中に下記平均組成式(6)
合成例1のオルガノポリシロキサン重合物1を20質量部と、フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサンとして、テトラ−3,3,3−トリフルオロプロピルテトラメチルシクロテトラシロキサン/ペンタ−3,3,3−トリフルオロプロピルペンタメチルシクロペンタシロキサン混合物(1/1質量比、粘度60mm2/s)80質量部を混合し、3本ロールで充分混練することにより、チキソトロピー性を持つ、半透明なペースト状組成物1を得た。
表1に示す組成の口紅オーバーコートを調製し、「塗布時の口紅化粧膜の崩れのなさ」、「3時間後の化粧持ち」、「ツヤ感」、「耐移行性」(色移り防止効果)、「耐水性」、「耐油性」について以下に示す評価方法及び判断基準により評価し、結果を併せて表1に示した。
*2:KF−5002(信越化学工業社製)
*3:KSG−16(信越化学工業社製)
*4:FL−100(信越化学工業社製)
*5:ガンツパールGS−0605(ガンツ化成社製)
*6:マツモトマイクロスフェアーM(松本油脂社製)
*7:SP−500(東レ社製)
*8:サイロイド55(富士デヴィソン化学社製)
*9:アルミナAKS−G(住友化学社製)
(製造方法)
A.成分(1)〜(4)を均一に混合する。
B.Aに成分(5)〜(12)を添加し、均一に分散する。
C.Bを容器に充填して口紅オーバーコートを得た。
化粧品評価専門パネル20名に市販の口紅を塗布した上に各試料を使用してもらい、「塗布時の口紅化粧膜の崩れのなさ」、「3時間後の化粧持ち」、「ツヤ感」について、各自が以下の評価基準に従って7段階に評価し、サンプル毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って4段階に判定した。尚、「耐移行性」については、各試料をヒト上腕部に市販の口紅を長さ3cmに2回塗布し、その上に口紅オーバーコートを塗布した後、ティッシュを軽く押し付けて、ティッシュへの色移りを観察し、耐移行性を判断した。
(評価基準)
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
(判定基準)
(評点の平均点) :(評価)
5.0以上 :◎(非常に良好)
3.5以上5.0未満:○(良好)
1.0以上3.5未満:△(普通)
1.0未満 :×(不良)
前記実施例及び比較例の口紅オーバーコートをガラス板に2mg/cm2均一に塗布し、流水中に20分置いた後の残量を以下の評価基準により4段階判定基準により判定した。
(評価基準)
(内容) :(判定)
塗布量の90%以上残っている :◎
塗布量の70%以上90%未満残っている:○
塗布量の50%以上70%未満残っている:△
塗布量の50%未満残っている :×
前記実施例及び比較例の口紅オーバーコートをガラス板に2mg/cm2均一に塗布し、流動パラフィンを1滴滴下して接触角を測定し、以下の評価基準により4段階判定基準により判定した。
(評価基準)
(内容) :(判定)
接触角65°%以上 :◎
接触角45°以上65°未満:○
接触角10°以上45°未満:△
接触角10°未満 :×
一方、比較例1の成分(A)部分架橋型フッ素変性オルガノポリシロキサン重合物と成分(B)フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサンとの混合物のみでは、化粧持ちと耐移行性に劣り、成分(A)に代えて、フッ素を含有していない部分架橋型オルガノポリシロキサンと成分(B)に代えて、鎖状のフッ素含有ポリシロキサンを用いた、比較例2と3では、両者とも特に化粧持ちにおいて、また、それぞれでツヤ感、耐移行性、耐水性、耐油性について劣るものであった。成分(B)に代えて鎖状のフッ素含有ポリシロキサンを用いた比較例4と、成分(A)に代えてフッ素を含有していない部分架橋型オルガノポリシロキサンを用いた比較例5は特に化粧持ちにおいて劣るものであった。また、成分(C)の有機粉体に代えて、種々の粉体を用いた比較例6〜10は、何れも実施例に比べ劣るものであったが、耐移行性に関しては、比較例6、7は優れていたが、粘性が高く、塗布時の口紅化粧膜を崩し、またツヤ感がないものであった。
(成分) (%)
1.部分架橋型フッ素変性オルガノポリシロキサン重合物*1 15
2.フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサン*2 83.45
3.ポリスチレン*5 0.05
4.雲母チタン 1
5.赤202号 0.1
6.黄色4号 0.1
7.防腐剤 0.3
(製造方法)
成分(1)に成分(2)を添加し、均一に混合後、さらに成分(3)〜(7)を混合して口紅オーバーコートを製造する。
本発明の口紅オーバーコートは、塗布する際の物理的摩擦により口紅化粧膜を崩すことなく、且つツヤを付与し、さらに耐水性、耐油性、耐移行性に優れた口紅オーバーコートであった。
(成分) (%)
1.部分架橋型フッ素変性オルガノポリシロキサン重合物*10 45
2.フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサン*11 51.9
3.ポリメタクリル酸アルキル*6 1
4.雲母チタン 2
5.グリセリン 0.1
*10:オルガノポリシロキサン重合物2
*11:テトラ−3,3,3−トリフルオロプロピルテトラメチルシクロテトラシロキサン/ペンタ−3,3,3−トリフルオロプロピルペンタメチルシクロペンタシロキサン混合物(1/1質量比、粘度60mm2/s)
(製造方法)
成分(1)に成分(2)を添加し、均一に混合後、さらに成分(3)〜(5)を混合して口紅オーバーコートを製造する。
本発明の口紅オーバーコートは、塗布する際の物理的摩擦により口紅化粧膜を崩すことなく、且つツヤを付与し、さらに耐水性、耐油性、耐移行性に優れた口紅オーバーコートであった。
(成分) (%)
1.製造例1のペースト状組成物1 80
2.フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサン*2 17.8
3.ポリスチレン*5 1
4.雲母チタン 1
5.赤202号 0.1
6.香料 0.1
(製造方法)
成分(1)に成分(2)を添加し、均一に混合後、さらに成分(3)〜(6)を混合し、容器に充填して口紅オーバーコートを得た。
本発明の口紅オーバーコートは、塗布する際の物理的摩擦により口紅化粧膜を崩すことなく、且つツヤを付与し、さらに耐水性、耐油性、耐移行性に優れた口紅オーバーコートであった。
(成分) (%)
1.部分架橋型フッ素変性オルガノポリシロキサン重合物*1 10
2.フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサン*12 73.89
3.ナイロン*7 15
4.雲母チタン 1
5.ヒアルロン酸 0.01
6.香料 0.1
(製造方法)
成分(1)に成分(2)を添加し、均一に混合後、さらに成分(3)〜(6)を混合し、容器に充填して口紅オーバーコートを得た。
本発明の口紅オーバーコートは、塗布する際の物理的摩擦により口紅化粧膜を崩すことなく、且つツヤを付与し、さらに耐水性、耐油性、耐移行性に優れた口紅オーバーコートであった。
Claims (4)
- 次の成分(A)〜(C);
(A)部分架橋型フッ素変性オルガノポリシロキサン重合物
(B)フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサン
(C)有機粉体
を配合することを特徴とする口紅オーバーコート。 - 前記成分(C)の有機粉体の配合量が0.1〜5質量%であることを特徴とする請求項1記載の口紅オーバーコート。
- 前記成分(C)の有機粉体が、ポリスチレン、ポリアクリル酸アルキル、ポリメタアクリル酸アルキルおよびナイロンよりなる群から選ばれる有機粉体の1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の口紅オーバーコート。
- 水を含まないものである請求項1ないし3の何れかの項記載の口紅オーバーコート。
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