JP4425683B2 - 表面被覆粉体及びそれを含有する化粧料 - Google Patents

表面被覆粉体及びそれを含有する化粧料 Download PDF

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Description

本発明は、特定のシリコーン重合物とフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサンで表面被覆された粉体、並びにこれを含有する化粧料に関し、更に詳細には、肌への付着性に優れ、滑らかでさっぱりした感触を有し、撥水性・撥油性に富み、かつ使用性に優れた表面被覆粉体、及びそれを含有することで肌への付着性、化粧持ちに優れる化粧料に関する。
化粧料には、通常、体質顔料、白色顔料、着色顔料と呼ばれる粉体が配合されている。これらの粉体は無機化合物、有機化合物から成り、その性質は両親媒性のため、水にも油にもなじみやすい。このため、このような粉体を配合する化粧料は、水及び汗、皮脂などの分泌物で濡れやすく、化粧料が持つ本来の色調が損なわれたり、発汗や顔の動きなどによって化粧膜の均一性が損なわれる、いわゆる「化粧崩れ」の現象が起きる。
従来より、汗や皮脂による化粧崩れを防止する技術として、粉体をシリコーンで表面処理することによって撥水性を付与することが一般的である。しかし、シリコーンは撥水性を有するが撥油性が低く、シリコーンで表面被覆した粉体を化粧料に配合しても、皮脂による化粧崩れを防止するには十分でなかった。
そこで、皮脂による化粧崩れを防止するために、フッ素系化合物で粉体を表面処理して、撥水撥油性を付与することが提案されている。例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩で表面処理する方法(例えば、特許文献1)、ポリフルオロアルキル基含有(メタ)アクルレートで表面処理する方法(例えば、特許文献2)、含フッ素ケイ素化合物で表面処理する方法(例えば、特許文献3)、フルオロアルキル燐酸エステル金属塩で表面処理する方法(例えば、特許文献4)などが挙げられる。
特開昭62−250074号公報 特開平10−167931号公報 特開平10−203926号公報 特開平11−335227号公報
しかしながら、上記方法で得られたフッ素系化合物表面被覆粉体は、粉体と表面処理剤とが強固に結びついているために高い撥水撥油性が得られるが、反面、化粧料に通常用いられる油剤(特に揮発性シリコーン)や水性成分とのなじみが悪いため、化粧料中に均一に配合することが難しく、特殊な攪拌力を用いて強制的に分散しなければならなかった。また、肌とのなじみも悪いために感触にも問題があった。
一方では、これらのフッ素系化合物表面被覆粉体は、その優れた撥水撥油性から粉体同士の凝集性が低いため、化粧料に配合する場合に高度な攪拌を必要とするものの、一旦分散すれば、良好な分散状態が得られることが知られている。しかし、化粧料の安定性等は得られるものの、化粧料の肌への付着性が悪く、十分な化粧効果は得られなかった。
そのため、通常、化粧料に配合される油剤とのなじみが良く、肌への付着性に優れ、更には、滑らかな感触を有すると共に、撥水性・撥油性に富んだ表面被覆粉体の開発が望まれていた。
本発明者らは、かかる状況を鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定のシリコーン重合物とフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサンの混合物、あるいは特定のシリコーン重合物をフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサンに膨潤させてなるペースト状組成物で表面被覆された粉体、及びそれを含有する化粧料が、肌への付着性に優れ、滑らかでさっぱりした感触を有し、使用性が良好で、かつ撥水性・撥油性に富み、化粧持ちに優れ、粉体同士の凝集性が低く良好な分散状態が得られることを見出し、発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、化粧料用粉体の表面が、次の成分(A)及び(B):
(A)下記一般式(1)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
SiO(4−a−b)/2 (1)
と、下記一般式(2)で示されるオルガノポリシロキサン
2 SiO(4−c−d)/2 (2)
を重合してなり、有機溶剤に不溶で、かつ自重と同質量以上のペンタ−3,3,3−トリフルオロプロピルペンタメチルシクロペンタシロキサンを含みうる三次元架橋構造を有するシリコーン重合物(但し、式中Rはそれぞれ同じか又は異なってもよく、脂肪族不飽和結合を有しない炭素数1〜20の一価炭化水素基であって、その11〜60モル%がフッ素置換一価炭化水素基である一価炭化水素基であり、R2は末端ビニル基を有する炭素数2〜10の一価炭化水素基であり、aは1.0〜2.3、bは0.001〜1.0、cは1.0〜2.3、dは0.001〜1.0であって、1.5≦a+b≦2.6、1.5≦c+d≦2.6を満たす。)
(B)直鎖状、分岐状又は環状のフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサン
の混合物で被覆された表面被覆粉体、またそれを含有する化粧料である。
本発明の表面被覆粉体は、肌への付着性に優れ、滑らかでさっぱりした感触を有し、撥水性・撥油性に富み、かつ使用性に優れたものであり、さらにこれを含有する化粧料は、肌への付着性に優れ、滑らかでさっぱりした感触を有し、撥水性・撥油性に富み、さらに使用性が良好で、化粧持ちに優れ、かつ粉体同士の凝集性が低く良好な分散状態が得られるものである。
本発明で用いられる成分(A)の特定のシリコーン重合物は、下記一般式(1)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
SiO(4−a−b)/2 (1)
と、下記一般式(2)で示されるオルガノポリシロキサン
2 SiO(4−c−d)/2 (2)
を重合してなり、有機溶剤に不溶で、かつ自重と同質量以上のペンタ−3,3,3−トリフルオロプロピルペンタメチルシクロペンタシロキサンを含みうることを特徴とする三次元架橋構造を有するシリコーン重合物(但し、式中Rはそれぞれ同じか又は異なってもよく、脂肪族不飽和結合を有しない、置換又は非置換の、炭素数1〜20の一価炭化水素基であって、その11〜60モル%がフッ素置換一価炭化水素基である一価炭化水素基であり、R2は末端ビニル基を有する炭素数2〜10の一価炭化水素基であり、aは1.0から2.3、bは0.001〜1.0、cは1.0〜2.3、dは0.001〜1.0であって、1.5≦a+b≦2.6、1.5≦c+d≦2.6を満たす。)で、具体的には特開2001−342255号公報に記載されているものが挙げられる。
としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭化水素基、フェニル基、トリル基等のアリール基、トリフルオロプロピル基、ノナフルオロヘキシル基、ヘプタデシルフルオロデシル基等のフッ素置換アルキル基等を挙げることができるが、特にメチル基及びトリフルオロプロピル基が好ましい。
有機基Rのうち、11〜60モル%がフッ素置換一価炭化水素基であることが必須である。11モル%未満であると成分(B)のフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサンへの親和性が乏しくなり、60モル%を超えると一般式(1)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの製造が困難になる。好ましい範囲としては、20〜50モル%である。
としては具体的には、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基等を挙げられるが、特にビニル基、アリル基が望ましい。
aは1.0〜2.3を示し、aが1.0より小さいと架橋度が高くなりすぎるため自重と同質量以上のペンタ−3,3,3−トリフルオロプロピルペンタメチルシクロペンタシロキサンを含み得ず、2.3より大きいと架橋度が低くなりすぎるため、三次元架橋構造の形成が困難になる。より好ましい範囲としては1.2〜2.1である。
bは0.001〜1.0を示し、bが0.001より小さいと架橋度が低くなりすぎるため、三次元架橋構造の形成が困難になり、1.0を超えると架橋度が高くなりすぎるため、自重と同質量以上のペンタ−3,3,3−トリフルオロプロピルペンタメチルシクロペンタシロキサンを含み得なくなる。より好ましい範囲としては0.005〜0.5である。
cは1.0〜2.3を示し、cが1.0より小さいと架橋度が高くなりすぎるため自重と同質量以上のペンタ−3,3,3−トリフルオロプロピルペンタメチルシクロペンタシロキサンを含み得ず、2.3より大きいと架橋度が低くなりすぎるため、三次元架橋構造の形成が困難になる。より好ましい範囲としては1.2〜2.1である。
dは0.001〜1.0を示し、dが0.001より小さいと架橋度が低くなりすぎるため、三次元架橋構造の形成が困難になり、1.0を超えると架橋度が高くなりすぎるため、自重と同質量以上のペンタ−3,3,3−トリフルオロプロピルペンタメチルシクロペンタシロキサンを含み得なくなる。より好ましい範囲としては0.005〜0.5である。
一般式(1)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び一般式(2)で示されるオルガノポリシロキサンは直鎖状、分岐状、環状のいずれであっても良いが、重合反応を円滑に進めるためには直鎖状であること、ないしは主として直鎖状であり、一部分岐単位を含有するものが好ましい。
成分(A)の特定のシリコーン重合物を得るには、一般式(1)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び一般式(2)で示されるオルガノポリシロキサンを、白金化合物(例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体等)、又はロジウム化合物の存在下、室温又は加温下(約50℃〜120℃)で反応させればよい。反応を行う際には無溶媒で行ってもよいし、必要に応じて有機溶媒を使用してもよい。有機溶媒としては具体的には、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等の脂肪族アルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。しかしながら、化粧品用途として用いるためには、無溶媒、若しくはエタノール、2−プロパノールが好ましい。
成分(A)の特定のシリコーン重合物は、三次元架橋構造を有し、有機溶媒に不溶なものである。ここで言う有機溶媒は、直鎖状あるいは分岐状のペンタン、ヘキサン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族系有機溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、デカノール等のアルコール系有機溶媒、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化有機溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系有機溶媒の他、低粘度のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン等のシリコーン系化合物等が挙げられる。また、本発明に使用される成分(A)の特定のシリコーン重合物は自重と同質量以上のペンタ−3,3,3−トリフルオロプロピルペンタメチルシクロペンタシロキサンを含みうることを特徴とする。
成分(A)は目的に応じてその1種又は2種以上を用いることができ、その配合量は特に限定されないが、表面被覆粉体中に0.01〜10質量%(以下、「%」と示す。)が好ましく、特に0.1〜5%が好ましい。この範囲であれば、良好な使用感の表面被覆粉体が得られ、これを配合した化粧料は化粧持ちに優れるため好ましい。
成分(B)のフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサンは、有機基として分子中に少なくとも一つ以上のフルオロアルキル基を有するオルガノポリシロキサンである。フルオロアルキル基として具体的には、トリフルオロプロピル基、ノナフルオロヘキシル基、ヘプタデシルフルオロデシル基等のフッ素置換アルキル基が挙げられ、特にトリフルオロプロピル基が好ましい。
成分(B)のフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が200mm/s以下のフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサンが好ましく、特に好ましいのは20〜180mm/sである。この範囲であれば、成分(A)の特定のシリコーン重合物との親和性においてより良好なものを得ることができる。
成分(B)のフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサンは、直鎖状、分岐状、環状のいずれであっても良いが、粘度や成分(A)の特定のシリコーン重合物との親和性から、下記一般式(3)で示されるフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサンが特に好ましい。
(式中、pは4〜6の整数である。)
具体的には、直鎖状のものとして、FL−100、X−22−819、X−22−820、X−22−821、X−22−822(信越化学工業社製)、FS−1265(東レ・ダウコーニング社製)が挙げられる。環状のものとしては、特開平09−268110号公報に記載されているものが挙げられ、例えばINCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)でトリフルオロプロピルシクロテトラシロキサン/トリフルオロプロピルシクロペンタシロキサン(KF−5002:信越化学工業社製)が挙げられる。
成分(B)は目的に応じてその1種又は2種以上を用いることができ、その配合量は特に限定されないが、表面被覆粉体中に0.04〜40%が好ましく、特に0.4〜20%が好ましい。この範囲であれば、良好な使用感で化粧持ちに優れた表面被覆粉体、及びこれを配合した化粧料が得られるため好ましい。
本発明において、成分(A)の特定のシリコーン重合物は、成分(B)のフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサンと混練することにより、ペースト状の組成物を得ることができる。予め、成分(A)と成分(B)を混練した組成物を製造することにより、成分(B)の流動特性を調整することができるため、製造時の操作性が良好になり、粉体の表面被覆が均一に、且つ容易に行える。その結果、使用性に優れ、良好な化粧持ちなどの化粧効果が得られやすくなる利点がある。
前記ペースト状の組成物を得るには、通常の攪拌機で行っても構わないが、剪断力下の混練処理を行うことが好ましい。これは成分(A)の特定のシリコーン重合物が有機溶媒不溶の三次元架橋構造を有しているため、剪断力下で充分な分散性を与えることにより、ペースト状の組成物が得られるためである。混練処理としては、例えば3本ロール、2本ロール、サンドグラインダー、コロイドミル、高粘度ミキサー、ガウリンホモジナイザー、ディスパーズミル等で行うことができるが、好ましくは3本ロール、高粘度ミキサー、ディスパーズミルによる方法が好ましい。
ペースト状の組成物の成分(A)と成分(B)の質量比は5:95〜50:50が好ましく、更に好ましくは、10:90〜30:70であり、この範囲であると製造上の操作性が良好なものが得られる。
本発明の表面被覆粉体に用いられる粉体としては、化粧品一般に使用される粉体であれば、板状、紡錘状、針状等の形状、粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造、等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、ナイロン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の表面被覆粉体は、これらの粉体を前記成分(A)のシリコーン重合物及び成分(B)のフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサンの混合組成物で被覆することにより製造され、例えば、揮発性溶剤に成分(A)のシリコーン重合物及び成分(B)のフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサンを分散し、粉体と共に混合スラリーとし、これを減圧混合下加熱して溶剤を留去する方法により被覆することができる。
ここで用いられる揮発性溶剤としては、成分(A)のシリコーン重合物及び成分(B)のフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサンを均一に分散できるものであれば特に限定されない。
更に、被覆の際、本発明の効果を防げない範囲で、活性剤、油剤などを適宜使用することができる。
本発明の表面被覆粉体の被覆量は、被覆粉体の0.1〜30%が好ましく、特に0.5〜15%が好ましい。成分(A)のシリコーン重合物及び成分(B)のフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサンの混合組成物、あるいは成分(A)と成分(B)とを混練処理したペースト状組成物で被覆されるのが好ましい。
本発明の化粧料は、このようにして得られる成分(A)のシリコーン重合物及び成分(B)のフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサンの混合物で被覆された表面被覆粉体を含有するものであり、これらの表面被覆粉体は、化粧料の全組成中に1〜99%、特に5〜80%配合されることが好ましい。
本発明の化粧料は、上記した必須成分の他に、通常化粧料に使用される成分、例えば、感触調整や着色の目的で粉体成分や、基材、エモリエント成分として油性成分、保湿、粉体分散剤として水性成分、粉体分散、感触調整の為の界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、皮膜形成剤、pH調整剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料、などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
本発明の化粧料は、本発明の表面被覆粉体を配合し、通常の方法に従って製造ができ、従来から粉体が配合されている化粧料、例えばファンデーション、白粉、ほほ紅、アイシャドウ、口紅、マスカラ、アイライナー、乳液、化粧水、日焼け止め等として適用することができ、液状、乳液状、固形状、ペースト状、ゲル状等の形態を適宜選択することができる。
本発明の化粧料は、通常の化粧料を製造する方法にて製造されるものであり、その製法は限定されない。
次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
合成例1 シリコーン重合物1
反応器中に下記平均組成式(4)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを118質量部と、下記平均組成式(5)
で示されるビニル変性オルガノポリシロキサン175質量部を仕込み、塩化白金酸2質量%のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.1質量部を加え、内温を70〜80℃に維持して2時間攪拌し、弾力性のあるシリコーン重合物1を得た。
合成例2 シリコーン重合物2
反応器中に下記平均組成式(6)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを567質量部と、下記平均組成式(7)
で示されるビニル変性オルガノポリシロキサン955質量部を仕込み、塩化白金酸2質量%のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液0.1質量部を加え、減圧下で内温を70〜80℃に維持して2時間攪拌し、弾力性のあるシリコーン重合物2を得た。
製造例1 ペースト状組成物1の調製
合成例1のシリコーン重合物1を20質量部と、フルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサンとして、テトラ−3,3,3−トリフルオロプロピルテトラメチルシクロテトラシロキサン/ペンタ−3,3,3−トリフルオロプロピルペンタメチルシクロペンタシロキサン混合物(1/1質量比、粘度60mm/s)80質量部を混合し、3本ロールで充分混練することにより、チキソトロピー性を持つ、半透明なペースト状組成物1を得た。
製造例2 ペースト状組成物2の調製
合成例2のシリコーン重合物2を30質量部と、下記平均組成式(8)
で示されるフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサン(粘度150mm/s)70質量部を混合し、3本ロールで充分混練することにより、チキソトロピー性を持つ、半透明なペースト状組成物2を得た。
本発明品A〜Dおよび比較品E〜K 表面被覆粉体
表1に示す組成の表面被覆粉体を下記製造方法にて調製し、肌への付着性、滑らかな伸び拡がり、撥水性、撥油性を評価した。その結果も表1に示す。
(製造方法)
それぞれの成分(1)〜(7)をイソプロパーノールと共にミキサーに入れ、均一に混合した後、成分(8)のマイカを加えて加熱しながらイソプロパノールを減圧留去し粉砕することにより表面被覆粉体A〜Kを得た(Eは未処理)。
(評価方法1:官能検査)
本発明品A〜Dおよび比較品E〜Kの表面被覆粉体について、各試料を肌にのばした時の、滑らかな伸び拡がり、付着性について、女子パネル10名により官能検査を行った。下記(イ)評価基準に基づき評価を行い、サンプルごとに、パネルが出した評点の平均値により、下記(ロ)判定基準に基づき判定した。
(イ)評価基準
(評価) :(評点)
非常に良い : 3
良い : 2
普通 : 1
悪い : 0
(ロ)判定基準
(評点の平均値) :(判定)
2.5以上 : ◎
1.5以上、2.5未満 : ○
0.5以上、1.5未満 : △
0.5未満 : ×
(評価方法2:撥水性、撥油性試験)
精製水、あるいは流動パラフィンを入れたビーカーに、調製した表面処理粉体を入れたときに、これらの粉体が浮いてきるものを◎、浮いているものと沈むものが混在するものを○、沈むものを×として評価し、示した。
表1から明らかなように、本発明の表面被覆粉体は、肌への付着性がありながら、滑らかな伸び拡がりがで、しかも撥水性および撥油性に優れたものであることが確認できた。尚、表面被覆剤調製のとき、(A)と成分(B)を別々加えて配合した本発明品(A)、(B)と予め成分(A)と成分(B)をペースト状にして配合した本発明品(C)、(D)では、製造時のハンドリングの違い以外に、効果に差を認められなかった。
実施例1で調製した各種表面被覆粉体を用いて、表2に示す組成の固形白粉及び表3に示す組成のプレスド状ファンデーションを下記製造方法にて調製し、下記に示す官能評価を行った。結果は表2及び表3に合わせて示すとおりである。
(製造方法)
成分(1)〜(17)をミキサーにて均一に混合した後、粉砕し、金皿にプレス成型して完成品を得た。
(評価方法3:官能検査)
実施例2で得られた各試料につき、滑らかな伸び拡がり、付着性、化粧持ちについて女子パネル20名により官能検査を行った。官能検査は、下記(イ)絶対評価基準に基づき7段階で評価を行い、サンプルごとの評点の平均値により、下記(ロ)判定基準に基づき判定した。
(イ)絶対評価基準
(評点): (評価)
6 : 非常に良い
5 : 良い
4 : やや良い
3 : 普通
2 : やや悪い
1 : 悪い
0 : 非常に悪い
(ロ)判定基準
(評点の平均値) :(判定)
5.0以上 : ◎ (非常に良好)
3.5以上、5.0未満 : ○ (良好)
1.0以上、3.5未満 : △ (やや不良)
1.0未満 : × (不良)
表2及び表3から明らかな如く、本発明品である2−1〜2−4、3−1〜3−4、は滑らかに伸び拡がり、付着性も良好で、化粧持ちのいずれの項目においても満足のいくものであるのに対して、比較品はいずれかの項目において不満足のものであった。
アイシャドウ
(成分) (%)
(1)本発明の被覆タルク
(実施例1のCのマイカをタルクに変え、同様に被覆したもの) 50
(2)カオリン 残量
(3)雲母チタン 20
(4)着色顔料 3.5
(5)流動パラフィン 7
(6)ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 4.5
(7)香料 適量
(8)防腐剤 適量
(製造方法)
A:成分(1)〜(4)をミキサーにて均一混合した後、成分(5)〜(8)を添加して均一にする。
B:Aを粉砕し、金皿にプレス成型してアイシャドウを得た。
実施例3のアイシャドウは、滑らかな伸び拡がり、良好な付着性で化粧持ちに優れるものであった。さらに、粉体同士の凝集性が低く良好な分散状態が得られ発色に優れるものであった。
口紅
(成分) (%)
(1)キャンデリラワックス 8
(2)カルナウバワックス 5
(3)ラノリン 25
(4)ヒマシ油 残量
(5)本発明の被覆酸化チタン
(実施例1のAのマイカを酸化チタンに変え、同様に被覆したもの) 13
(6)本発明の被覆雲母チタン
(実施例1のCのマイカを雲母チタンに変え、同様に被覆したもの) 10
(7)着色顔料 8
(8)香料 適量
(9)防腐剤 適量
(製造方法)
A:成分(1)〜(4)を均一に加熱溶解する。
B:Aに成分(5)〜(9)を添加し、分散後加熱して金型に充填し、口紅を得た。
実施例4の口紅は、滑らかな伸び拡がり、良好な付着性で化粧持ちに優れるものであった。さらに、被覆粉体同士の凝集性が低く良好な分散状態が得られるため、良好な発色のものであった。
日焼け止め乳液
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 2
(2)セタノール 1
(3)スクワラン 10
(4)メトキシ桂皮酸オクチル 5
(5)シクロペンタシロキサン 5
(6)本発明の被覆微粒子酸化亜鉛
(実施例1のCのマイカを微粒子酸化亜鉛に変え、同様に被覆したもの) 5
(7)プロピレングリコール 10
(8)水 残量
(9)トリエタノールアミン 1.5
(10)防腐剤 適量
(製造方法)
A:成分(1)〜(4)を加熱溶解する。
B:Aに成分(5)、(6)を添加し加熱する。
C:成分(7)〜(10)を均一に加熱混合後、Bを添加して乳化する。
D:Cを冷却後、容器に充填して日焼け止め乳液を得た。
実施例5の日焼け止め乳液は、滑らかな伸び拡がりで、良好な付着性で日焼け止め効果が持続するものであった。

Claims (3)

  1. 化粧料用粉体の表面が、次の成分(A)及び(B):
    (A)下記一般式(1)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    SiO(4−a−b)/2 (1)
    と、下記一般式(2)で示されるオルガノポリシロキサン
    2 SiO(4−c−d)/2 (2)
    を重合してなり、有機溶剤に不溶で、かつ自重と同質量以上のペンタ−3,3,3−トリフルオロプロピルペンタメチルシクロペンタシロキサンを含みうる三次元架橋構造を有するシリコーン重合物(但し、式中Rはそれぞれ同じか又は異なってもよく、脂肪族不飽和結合を有しない炭素数1〜20の一価炭化水素基であって、その11〜60モル%がフッ素置換一価炭化水素基である一価炭化水素基であり、R2は末端ビニル基を有する炭素数2〜10の一価炭化水素基であり、aは1.0〜2.3、bは0.001〜1.0、cは1.0〜2.3、dは0.001〜1.0であって、1.5≦a+b≦2.6、1.5≦c+d≦2.6を満たす。)
    (B)直鎖状、分岐状又は環状のフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサン
    の混合物で被覆された表面被覆粉体。
  2. 前記成分(B)が、下記一般式(3)で表されるフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサン
    (式中、pは4〜6の整数である。)
    であることを特徴とする請求項1記載の表面被覆粉体
  3. 請求項1又は2記載の表面被覆粉体を含有する化粧料。
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