JP4964906B2 - 光ディスク再生装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラム、および記録媒体 - Google Patents

光ディスク再生装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラム、および記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP4964906B2
JP4964906B2 JP2009015773A JP2009015773A JP4964906B2 JP 4964906 B2 JP4964906 B2 JP 4964906B2 JP 2009015773 A JP2009015773 A JP 2009015773A JP 2009015773 A JP2009015773 A JP 2009015773A JP 4964906 B2 JP4964906 B2 JP 4964906B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical disk
adjustment
optical disc
adjustment time
data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009015773A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010176730A (ja
Inventor
直史 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2009015773A priority Critical patent/JP4964906B2/ja
Publication of JP2010176730A publication Critical patent/JP2010176730A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4964906B2 publication Critical patent/JP4964906B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、複数の記録層を有する光ディスクから読み出したデータを再生する光ディスク再生装置、および当該光ディスク再生装置における光ディスク再生方法に関する。
一般的に、光ディスクのデータを再生する再生装置では、光ディスクの再生に先立ち、使用環境および光ディスクのピット形状に応じて、トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号のオフセット、バランスおよびゲインなどのトラッキングおよびフォーカシングのための制御パラメータを調整する必要がある。
近年、取り扱われるデータ容量の大容量化に伴って、BD(Blu-ray Disc)をはじめとした光ディスクについても記録容量の大容量化が図られている。光ディスクにおける記録容量の増加は、光ディスクにおける記録層の数を増加させることにより達成することができる。
しかし、記録層を複数有する光ディスクでは、各記録層に対してフォーカシングを調整する必要が生じる。また、記録層毎にデータの記録密度が異なる場合には、トラックピッチや反射率が異なるため、フォーカシングの調整だけではなく、トラッキングの調整も各層ごとに行う必要が生じる。そのため、光ディスク再生装置では、データの再生に先立って、ビームスポットの位置を制御するための制御パラメータの設定を各記録層に対して行わなければならない。
したがって、例えば、光ディスクに映像コンテンツが記録されている場合、ユーザーは、再生開始を指示してから、光ディスク再生装置が各記録層に対するビームスポットの位置を制御するための制御パラメータの調整が完了するまでの間、映像の表示を待たされることになる。言い換えれば、ユーザーが再生の開始を指示してから実際にデータの再生が開始されるまで時間差が生じることになる。
このような問題を解決するための方法として、例えば特許文献1には、第1層に対するトラッキング制御およびフォーカス制御を完了した後、第1層のデータをメモリに格納し、第2層以降の記録層におけるトラッキング制御およびフォーカス制御を行うと同時にメモリに格納したデータを出力する技術が開示されている。これにより、特許文献1に記載の技術を用いた光ディスク再生装置では、ユーザーの待ち時間の低減を図ることができる。
特開2004−206872号公報(平成16年7月22日公開)
しかし、上述した制御パラメータの調整と光ディスクからのデータの読み出しとは同時に行うことができない。そのため、特許文献1に記載の技術では、先読みしたデータが少なくなるか、あるいは完全になくなった時点で、制御パラメータの調整を一時的に中断し、光ディスクからデータを読み出してメモリに格納する処理を行わなければならない。
このような事態を避けるためには、制御パラメータの調整に必要な時間を大幅に超える分のデータを予め先読みしておかなければならない。そのため、特許文献1に記載の技術を用いた光ディスク再生装置では、搭載するメモリの記録容量が大容量化するという新たな問題を生じることになる。大容量のメモリを用いることは、光ディスクドライブの生産コストの増大を招くことになる。また、資源の活用効率の面からも好ましいことではない。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、複数の記録層を有する光ディスクからデータの再生が開始されるまでの時間を短縮すると共に、先読みしたデータを格納するメモリの大容量化を防ぐディスク再生装置を提供することである。
本発明に係る光ディスク再生装置は、上記課題を解決するために、
光ディスクからデータを読み出す読出手段と、当該読出手段において読み出されたデータを格納するメモリと、を備えた光ディスク再生装置であって、
光ディスクの有する複数の記録層のそれぞれについて、データを読み出す際のビームスポットの位置を制御するための制御パラメータを調整する調整手段と、
上記複数の記録層のうちの第1の記録層に対する制御パラメータの調整を終了してから、他の記録層に対する制御パラメータの調整を開始するまでに、予め記録されている調整時間であって、上記他の記録層に対する制御パラメータの調整に必要な調整時間を参照して、当該調整時間分のデータを上記第1の記録層から読み出して上記メモリに格納するように上記読出手段を制御する制御手段と、
上記調整手段が上記他の記録層に対する制御パラメータを調整する間、上記メモリに格納されているデータを出力する出力手段と、
を備えていることを特徴としている。
本発明に係る光ディスク再生装置は、第1の記録層に対するビームスポットの位置を制御するための制御パラメータの調整を終了してから、他の記録層に対するビームスポットの位置を制御するための制御パラメータの調整を開始するまでに、予め記録されている調整時間を参照して、調整時間分のデータをメモリに格納する。そして、本発明に係る光ディスク再生装置は、メモリに格納されているデータが出力されている間に、他の記録層に対する制御パラメータの調整を行う。
このように、本発明に係る光ディスク再生装置では、他の記録層に対する制御パラメータの調整に要する調整時間を参照することにより、メモリに格納するデータ量を設定することができるため、調整時間分のデータを過不足なく先読みしておくことができる。すなわち、本発明に係る光ディスク再生装置は、制御パラメータの調整に必要な調整時間と同一の再生時間分のデータを光ディスクから読み出すことができる。したがって、本発明に係る光ディスク再生装置では、先読みしたデータを格納しておくメモリの容量を最低限の容量にすることができる。
また、本発明に係る光ディスク再生装置では、他の記録層に対する制御パラメータの調整を行っている間はメモリからデータを出力し、メモリに格納されたデータを全て出力した時には、他の記録層に対する制御パラメータの調整は完了している。すなわち、メモリに格納されたデータを全て出力した後は、通常通り、光ディスクからデータを再生することができる。すなわち、実質的には、他の記録層に対する制御パラメータの調整が開始される時点で、光ディスクのデータの再生が開始されることになる。したがって、本発明に係る光ディスク再生装置では、全ての記録層についての制御パラメータの調整の完了を待つ場合と比較して、データの再生が開始されるまでの時間を短縮することができる。
このように、本発明に係る光ディスク再生装置では、複数の記録層を有する光ディスクに記録されているデータの再生開始までの時間を短縮すると共に、先読みしたデータを格納するメモリの大容量化を防ぐことができる効果を奏する。
本発明に係る光ディスク再生装置では、さらに、上記読出手段は、上記第1の記録層から読み出したデータごとに、上記出力手段から当該データの出力に要する時間を特定し、特定した時間の合計値が上記調整時間に達するまで上記第1の記録層からデータを記録単位ごとに読み出して上記メモリに格納することが好ましい。
上記の構成によれば、本発明に係る光ディスク再生装置は、第1の記録層から読み出したデータごとに、出力手段から当該データの出力に要する時間を特定することができる。
これによって、本発明に係る光ディスク再生装置では、光ディスクの第1の記録層から読み出して、メモリに格納したデータを、データ容量ではなく、時間を基準に管理することができるため、調整時間分のデータを過不足なく読み出してメモリに格納しておくことができる効果を奏する。
本発明に係る光ディスク再生装置では、さらに、上記制御手段は、搭載されている光ディスクに応じた調整時間を設定する設定手段を含むことが好ましい。
上記の構成によれば、搭載されている光ディスクに応じた調整時間を設定することができる。これによって、本発明に係る光ディスク再生装置では、搭載されている光ディスクに適した調整時間を設定することができる効果を奏する。
本発明に係る光ディスク再生装置では、さらに、上記制御手段は、搭載されている光ディスクの有する記録層の数を検出する検出手段をさらに含み、上記設定手段は、光ディスクの有する記録層の数と調整時間とを対応付けたテーブルを参照して、上記検出手段において検出された記録層の数に応じた調整時間を設定することが好ましい。
上記の構成によれば、設定手段は、光ディスクの有する記録層の数に応じた調整時間を設定することができる。
これによって、搭載されている光ディスクの有する記録層の数に一致する記録層の数がテーブルに登録されている限り、どのような数の記録層を有する光ディスクを搭載した場合であっても、好適な調整時間を設定することができる効果を奏する。
本発明に係る光ディスク再生装置では、さらに、上記制御手段は、搭載されている光ディスクの規格を識別する識別手段をさらに含み、上記設定手段は、光ディスク規格と調整時間とを対応付けたテーブルを参照して、上記識別手段において識別した光ディスクの規格に応じた調整時間を設定することが好ましい。
上記の構成によれば、設定手段は、光ディスクの規格に応じた調整時間を設定することができる。
これによって、搭載されている光ディスクの規格に一致する規格の光ディスクがテーブルに登録されている限り、どのような規格の光ディスクを搭載した場合であっても好適な調整時間を設定することができる効果を奏する。言い換えれば、BD、DVDなどの複数種類の光ディスクからデータを再生することができる光ディスク再生装置に対しても、好適な調整時間を設定することができる効果を奏する。
本発明に係る光ディスク再生装置では、さらに、上記制御手段は、搭載されている光ディスクの有する記録層の数を検出する検出手段と、搭載されている光ディスクの規格を識別する規格識別手段とをさらに含み、上記設定手段は、光ディスクの有する記録層の数と光ディスクの規格との各対に調整時間を対応付けたテーブルを参照して、上記検出手段において検出した記録層の数および上記規格識別手段において識別した光ディスクの規格に応じた調整時間を設定することが好ましい。
上記の構成によれば、設定手段は、光ディスクの有する記録層の数および光ディスクの規格に応じた調整時間を設定することができる。
これによって、同一の規格の光ディスクであり、記録層の数が異なる光ディスクであっても、それに応じた調整時間を設定することができる効果を奏する。
本発明に係る光ディスク再生装置では、さらに、上記制御手段は、光ディスクそれぞれに対して付与されている固有情報を識別する固有情報識別手段をさらに含み、上記設定手段は、固有情報と調整時間とを対応付けたテーブルを参照して、上記固有情報識別手段において識別した固有情報に応じた調整時間を設定することが好ましい。
上記の構成によれば、光ディスクそれぞれを互いに識別する固有情報を識別することができる。
これによって、光ディスク再生装置は、各光ディスクごとに最も好適な調整時間を設定することができる効果を奏する。
本発明に係る光ディスク再生装置では、さらに、上記他の記録層に対する制御パラメータの調整に要した時間を計測するタイマーをさらに備えており、上記制御手段は、上記テーブルに登録されている調整時間を、上記タイマーにおいて計測された時間に変更する変更手段、をさらに含むことが好ましい。
上記の構成によれば、変更手段は、テーブルに登録されている調整時間を、タイマーにおいて計測された時間に変更することができる。
これによって、例えば、光ディスク再生装置におけるピックアップの経時変化または光ディスクを再生する環境の変化に起因して、テーブルに登録されている調整時間と実際に要する時間との間に誤差が生じることを防ぐことができる効果を奏する。
本発明に係る光ディスク再生装置では、さらに、上記変更手段は、上記設定手段において上記テーブルを参照して選択された調整時間と、上記タイマーにおいて計測された時間との差分絶対値が所定の閾値を超える場合に、当該調整時間の値を変更することが好ましい。
上記の構成によれば、変更手段は、設定手段により選択された調整時間と、タイマーにおいて計測された時間との差分絶対値が所定の閾値を超える場合に、調整時間の値を変更する。
これによって、タイマーにおけるカウント誤差または光ディスクを再生する際の環境などに起因して調整時間が変更されてしまうことを防止することができる効果を奏する。また、所定の閾値を超える値のずれが生じたときにのみ調整時間を変更することにより、調整時間の変更回数が多くなることを避ける同時に、光ディスク再生装置の経時的な変化に追従するようにテーブルに登録されている調整時間を変更していくことができる効果を奏する。
本発明に係る光ディスク再生装置では、さらに、上記光ディスクは、再生専用ディスクであることが好ましい。
再生専用ディスクの場合、読み出しを開始するセクタは、第1の記録層におけるセクタに予め決められている。したがって、再生専用ディスクを用いる場合には、他の記録層に対する制御パラメータの調整が終了する前に、他の記録層におけるセクタからデータを読み出さなければならなくなるような事態を避けることができる効果を奏する。
本発明に係る光ディスク再生方法は、上記課題を解決するために、
光ディスクからデータを読み出す読出手段と、当該読出手段において読み出されたデータを格納するメモリと、を備えた光ディスク再生装置における光ディスク再生方法であって、
光ディスクの有する複数の記録層のうちの第1の記録層に対するビームスポットの位置を制御するための制御パラメータを調整する第1の調整ステップと、
上記第1の調整ステップを終了してから、他の記録層に対するビームスポットの位置を制御するための制御パラメータを調整する第2の調整ステップを開始するまでに、予め記録されている調整時間であって、上記他の記録層に対する制御パラメータの調整に必要な調整時間を参照して、当該調整時間分のデータを上記第1の記録層から読み出して上記メモリに格納するように上記読出手段を制御する制御ステップと、
上記第2の調整ステップが行われている間、上記メモリに格納されているデータを出力する出力ステップと、
を含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係る光ディスク再生装置と同様の作用効果を奏する。
また、本発明に係る光ディスク再生装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを上記の各手段として駆動させることを特徴とするプログラムおよびそれらのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に含まれる。
以上説明したように、本発明に係る光ディスク再生装置における設定手段は、第1の記録層に対するビームスポットの位置を制御するための制御パラメータの調整を終了してから、他の記録層に対するビームスポットの位置を制御するための制御パラメータの調整を開始するまでに、予め記録されている調整時間を参照して、調整時間分のデータをメモリに格納する。そして、本発明に係る光ディスク再生装置は、メモリからデータが出力されている間に、他の記録層に対する制御パラメータの調整を行う。
これによって、本発明に係る光ディスク再生装置は、複数の記録層を有する光ディスクからのデータ再生開始までの時間を短縮すると共に、先読みしたデータを格納するメモリの大容量化を防ぐことができる効果を奏する。
本発明に係る光ディスク再生装置の要部構成を示すブロック図である。 本発明に係る光ディスク再生装置における光ディスク再生処理を示すフローチャートである。 調整時間の設定の際に参照する調整時間設定テーブルの一例を示す図である。
本発明に係る光ディスク再生装置の一実施形態について、図1〜3を参照しつつ以下に説明する。まず、本発明に係る光ディスク再生装置の構成について、図1を参照して説明する。なお、図1は、光ディスク再生装置100の要部構成を示すブロック図である。
(光ディスク再生装置100の構成)
図1に示すように、光ディスク再生装置100は、制御部110、データ読出部120、メモリ130、再生制御部140、タイマー150およびテーブル格納部160を備えている。また、これらの部材とは別に、光ディスク再生装置100には、光ディスク10が搭載されている。光ディスク10は、ディスクの片面に複数の記録層を有している。
なお、表示装置200は、厳密には光ディスク再生装置100を構成するものではないが、便宜上、光ディスク再生装置100と共に図1に図示している。
ここで、本願明細書等において「搭載される」とは、光ディスクが、光ディスク再生装置内において、データを読み出し可能な状態にセットされたことを指す。
(制御部110)
制御部110は、光ディスクからのデータの読み出しに関する処理全般を制御する。すなわち、制御部110は、光ディスク10からのデータの読み出し、および、データ読出部120の有する光ヘッドから発せられる光ビームのスポットの位置を制御するために用いられる制御パラメータを調整するための処理などを制御することになる。
制御部110は、図1に示すように、調整時間設定部111、ディスク判別部112、記録層検出部113および調整時間変更部114を備えている。これらの部材について以下に説明する。
なお、本実施形態における「トラッキング調整」とは、記録層に対するビームスポットのトラッキングの制御を行うために用いられる制御パラメータを調整することを意味しており、「フォーカス調整」とは、記録層に対するビームスポットのフォーカシングの制御を行うために用いられる制御パラメータを調整することを意味している。
(調整時間設定部111)
調整時間設定部111は、搭載されている光ディスクの種類および光ディスクの有する記録層の数に応じて、第2層以降の記録層に対するトラッキング調整およびフォーカシング調整に必要な時間(以下、調整時間とも称する)を設定する。調整時間設定部111における調整時間の設定の詳細については、下記に詳述するため、ここではその説明を省略する。
(ディスク判別部112)
ディスク判別部112は、搭載されている光ディスクの種類(規格)を判別する。搭載されている光ディスクの種類の判別手法は、特に限定されるものではない。例えば、ディスク判別部112は、光ディスクに記録されているメディア情報を読み出すことにより、搭載されている光ディスクの種類(規格)を判別するようにすればよい。
(記録層検出部113)
記録層検出部113は、搭載されている光ディスクの記録層の数を検出する。搭載されている光ディスクの有する記録層の数の検出手法は、特に限定されるものではない。例えば、記録層検出部113は、搭載されている光ディスクから得られる受光状態を識別することによって、搭載されている光ディスクの有する記録層の数を検出するようにすればよい。
なお、本実施形態ではディスク判別部112と記録層検出部113とを別々の部材として記載しているが、ディスク判別部112および記録層検出部113はいずれも光ディスクの種類を判別するものである。そのため、ディスク判別部112および記録層検出部113を同一の部材とし、搭載されている光ディスクの規格および当該光ディスクの有する記録層の数を同時に特定するようにしてもよい。
(調整時間変更部114)
調整時間変更部114は、テーブル格納部160に格納されているテーブルに登録されている調整時間の値を変更する。調整時間変更部114がテーブルに登録されている調整時間の値を変更する処理の詳細については下記に詳述するため、ここではその説明を省略する。
(ID識別部115)
ID識別部115は、搭載されている光ディスクに付与されているメディアIDを識別する。メディアIDの識別手法については、特に限定されるものではない。
(データ読出部120)
データ読出部120は、光ディスク10からデータを読み出すための光源および受光部を備えた光ピックアップを有している。データ読出部120における光ピックアップは、制御部110からの指示に基いて駆動される。
また、データ読出部120は、光ディスク10の有する各記録層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整が完了するまでの間に読み出したデータについてはメモリ130に出力(記録)し、トラッキング調整およびフォーカシング調整が完了した後のデータについては再生制御部140に対して出力する。
さらに、データ読出部120は、光ディスク10から読み出したデータの再生時間を特定する。すなわち、データ読出部120では、読み出したデータをその容量を基準として管理するのではなく、再生時間を基準に管理する。これによって、データ読出部120は、調整時間設定部111において設定された調整時間分のデータを過不足なく読み出すことができる。読み出したデータの再生時間は、例えば、読み出したデータに付与されているタイムスタンプに基いて判定すればよい。例えば、MPEG2−TSの場合には、各PESパケットに付与されているPTSの値に基づいて再生時間を判定すればよい。
なお、本実施形態では、データ読出部120が光ディスク再生装置100に搭載されている場合を例に挙げて説明するが、データ読出部120は、光ディスク再生装置100とは別体の装置であってもよい。すなわち、データ読出部120を光ディスクドライブとして光ディスク再生装置から切り離してもよい。この場合、光ディスクドライブと光ディスク再生装置とはATAインターフェースを介して接続するようにすればよい。
(メモリ130)
メモリ130は、データ読出部120から読み出されたデータを一時的に格納する記録媒体である。メモリ130として用いられる記録媒体としては特に限定されるものではない。すなわち、メモリ130は、電源を切っても記憶した内容の消えない不揮発性メモリであってもよいし、電源を切ると記憶した内容の消える揮発性メモリであってもよい。
メモリ130として用いることができる記録媒体の具体例としては、フラッシュメモリを挙げることができる。この場合、フラッシュメモリのタイプは、特に限定されるものではなく、NAND型フラッシュメモリを用いてもよいし、NOR型フラッシュメモリを用いてもよい。
また、メモリ130は、光ディスク再生装置100の内部に備えられている内部メモリであってもよいし、外部に備えられている外部メモリであってもよい。
(再生制御部140)
再生制御部140は、データ読出部120により光ディスク10から読み出されたデータ、または、メモリ130から読み出されたデータの再生処理全般を制御する。
再生制御部140は、光ディスク10に記録されているデータを再生することができるものであれば特に限定されるものではない。
(タイマー150)
タイマー150は、光ディスク10の2層目以降の記録層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整に要した時間を計測する。すなわち、タイマー150は、光ディスク10の2層目以降の記録層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整の開始と共にカウントを開始し、光ディスク10における全ての記録層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整が完了した時点でカウントを終了する。
(テーブル格納部160)
テーブル格納部160は、調整時間設定テーブルが格納されているメモリである。調整時間設定テーブルには、光ディスクの2層目以降の記録層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整に要する調整時間の値が登録されている。調整時間設定部111は、テーブル格納部160に記録されている調整時間設定テーブルを参照して、搭載されている光ディスク10の種類および記録層の数に応じた調整時間を設定する。
なお、テーブル格納部160には、電源を切っても内容の消えない不揮発性メモリを用いることが好ましい。テーブル格納部160として用いることができる記録媒体の具体例としては、メモリ130と同様に、フラッシュメモリを挙げることができる。なお、この場合も、フラッシュメモリのタイプは特に限定されるものではない。
また、メモリ130を不揮発性メモリとする場合には、メモリ130の一部に調整時間設定テーブルを記録させておくようにしてもよい。すなわち、メモリ130の一部をテーブル格納部160として利用するようにしてもよい。
(表示装置200)
表示装置200は、再生制御部140において再生されたデータを表示するためのディスプレイである。表示装置200としては、例えば、液晶ディスプレイおよび有機ELディスプレイなどを挙げることができる。
なお、図1では、光ディスク再生装置100と表示装置200とが別体の装置である場合を例に挙げて図示しているが、もちろんこれに限定されるものではなく、光ディスク再生装置100と表示装置200とが一体となっていてもよい。
(光ディスク10)
光ディスク再生装置100に搭載することができる光ディスク10としては、特に限定されるものではない。光ディスク10としては、具体的には、BD(Blu-ray Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)またはCD(Compact Disc)を挙げることができる。
また、光ディスク10の大きさおよび形状も特に限定されるものではない。光ディスク10は、例えば、いわゆるシングルCDまたはUMD(Universal Media Disc)などのようなディスク径の小さいディスクであってもよい。
なお、光ディスク再生装置100は、上記の光ディスクを1種類のみ搭載可能なものに限定されるものではなく、複数種類を搭載可能であってもよい。また、本実施形態では、複数の記録層を有する光ディスクを用いる場合を例に挙げて説明しているが、もちろん記録層が1層の光ディスクを再生することもできる。
(ディスク再生処理の概要)
次に、ディスク再生処理の際の光ディスク再生装置100の動作について、図2を参照しつつ以下に説明する。図2は、光ディスク再生装置100におけるディスク再生処理を示すフローチャートである。なお、本項では、光ディスク10として片面2層式のBD−ROMを用いる場合を例に挙げて説明する。また、光ディスク10において、光ヘッドから発せられる光ビームの入射側(すなわち、光ヘッドに近い方)の記録層を「L0層」と称し、もう一方の記録層を「L1層」と称する。
まず、光ディスク再生装置100にBD−ROMを搭載すると、制御部110は、光ディスク10の有する記録層のうちのL0層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整を行う(ステップS1)。具体的には、制御部110は光ヘッドの位置調整を行うようにデータ読出部120に対して指示を送り、指示を受けたデータ読出部120は、L0層に対して好適なビームスポットが生じるように、光ヘッドの位置を調整する。
L0層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整を完了すると、制御部110におけるディスク判別部112は、搭載されている光ディスクが再生専用ディスク(すなわち、ROMディスク)であるか否かを判定する(ステップS2)。ディスク判定部112において搭載されている光ディスクが再生専用ディスクであると判定された場合(ステップS2においてYes)、記録層検出部113は、搭載されている光ディスクの有する記録層の数を検出する(ステップS3)。なお、ディスク判定部112において搭載されている光ディスクが再生専用ディスクでないと判定された場合(ステップS2においてNo)、制御部110は、引き続きL1層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整を行う(ステップS8)。
続いて、調整時間設定部111は、ディスク判別部112において判別された光ディスクの種類(本項では、BD−ROM)、および、記録層検出部113において検出された記録層の数に基づいて、調整時間設定テーブルからL1層に対するトラッキング調整およびフォーカシング調整に要する調整時間を設定する(ステップS4)。
制御部110は、調整時間設定部111において調整時間の設定が終了すると、データ読出部120に対して、設定された調整時間分のデータをL0層から読み出すように指示する。指示を受けたデータ読出部120は、搭載されているBD−ROMにおけるL0層からデータを読み出し、メモリ130に格納する(ステップS5)。このとき、再生専用ディスク(ROMディスク)では、ディスクの再生時にどこのセクタからデータを読み出し始めるのかが予め定められているため、データ読出部120は、予め定められたセクタから調整時間分だけのデータを読み出す。なお、再生専用ディスクは先頭セクタから読み出すように定められていることが多いため、データ読出部120は、BD−ROMのL0層における先頭セクタから調整時間分のデータを読み出す。すなわち、データ読出部120は、搭載されているBD−ROMのデータを先読みする。データ読出部120は、メモリ130に格納されているデータを再生したときの再生時間が調整時間に一致するまで、BD−ROMからデータを読み出し続ける(ステップS6)。
データ読出部120が調整時間分のデータをメモリ130に格納すると(ステップS6においてYes)、再生制御部140は、メモリ130に格納されているデータの再生を開始する(ステップS7)。表示装置200は、再生制御部140において再生されたデータをユーザーに対して表示する。
再生制御部140がメモリ130から読み出したデータを再生している間(すなわち、ステップS7を実行している間)に、制御部110は、BD−ROMのL1層に対するトラッキング調整およびフォーカシング調整を行う(ステップS8)。
BD−ROMのL1層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整が終了すると、制御部110は、データ読出部120に対して搭載されているBD−ROMからデータを読み出して再生するように指示する。指示を受けたデータ読出部120は、メモリ130に格納されているデータがなくなると、BD−ROMからデータを読出し、再生制御部140に対して出力する。このとき、データ読出部120は、先読みしたデータの次のデータが記録されているセクタから読み出しを開始する。すなわち、メモリ130に先読みしたデータを再度読み出すことはしない。
続いて、再生制御部140は、データ読出部120においてBD−ROMから読み出されたデータを再生し、表示装置200へと出力する。表示装置200は、再生制御部140において再生されたデータをユーザーに対して表示する(ステップS9)。このように、光ディスク再生装置100は、BD−ROMの有する全ての記録層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整が完了した後は、搭載されている光ディスクからデータを読み出して再生する。
以上説明したように、L0層に対するトラッキング調整およびフォーカシング調整を完了してから、L1層に対するトラッキング調整およびフォーカシング調整を開始するまでの間に、ステップS2〜S8の処理が実行される。図2におけるフローでは、便宜上ステップS7を先に記載し、ステップS8を後に記載しているが、実際には、ステップS7とステップS8とは同時に行われる。
また、メモリ130に格納されたデータは、再生制御部140において再生されると共に消去するようにすればよい。
なお、上述した処理動作では、2層の記録層を有するBD−ROMを搭載した場合を例に挙げて説明しているがもちろんこれに限定されたものではない。光ディスクの有する記録層は、2層よりも多くてもよい。その場合、データ読出部120は、2層目(L1層)および3層目(L2層)に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整に要する時間分のデータをメモリ130に格納しておくようにすればよい。
また、搭載される光ディスクは再生専用ディスクに限定されるものではなく、記録されている内容を書き換えることができる光ディスク(例えば、BD−R、BD−RE、DVD±R、DVD±RWなど)であってもよい。書き換え可能な光ディスクの場合、再生専用ディスクとは異なり、再生するデータがセクタ順に並んでいるとは限らない。したがって、制御部110は、先読みするデータをランダムアクセスにより取得するようにデータ読出部120に対して指示を送るようにすればよい。
さらに、上述した処理動作では、BD−ROMを搭載すると共に、L0層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整を行っているが、もちろんこれに限定されるものではない。例えば、L0層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整は、ユーザーが光ディスクの再生を指示したときに開始するようにしてもよい。また、光ディスクの搭載と共に光ディスクの再生を開始しない場合には、L0層からデータを読み出してメモリ130に格納することなく、L1層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整を行うようにしてもよい。
また、上述した処理動作では、ステップS6において、調整時間分のデータの格納が完了するまで、再生を待つ態様を記載しているが、これに限定されるものではない。すなわち、メモリ130に格納されたデータから逐次再生を開始してもよい。一般的に、データの再生速度はデータの読み出し速度よりも遅いため、メモリ130に格納されたデータから逐次再生したとしても、メモリ130に格納されているデータがなくなることはない。この態様の場合には、図2におけるステップS6とステップS7とは同時に行われることになため、ユーザーを待たせる時間はより一層短縮することができる。光ディスク再生装置100は、調整時間分のデータの格納が完了すると共に、ステップS6を終了し、ステップS8へと移行する。なお、この態様における調整時間とは、第2層に対する調整に要する時間分に、第2層に対する調整に要する時間分のデータの格納が完了するまでの時間分を加えた時間となる。
(光ディスク再生装置100の利点)
光ディスク再生装置100における調整時間設定部111は、L0層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整を終了してから、L1層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整が開始されるまでの間に、搭載されている光ディスク10に応じた調整時間を設定する。続いて、データ読出部120は、設定された調整時間分のデータをL0層から読み出してメモリ130に格納する。制御部110は、再生制御部140においてメモリ130から読み出したデータを再生する間に、L1層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整を行う。
このように、係る光ディスク再生装置100では、搭載されている光ディスク10に応じて、L1層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整に要する調整時間を設定することができるため、調整時間分のデータを過不足なく先読みしておくことができる。したがって、光ディスク再生装置100では、先読みしたデータを格納しておくメモリ130の容量は最低限の容量とすることができる。
また、光ディスク再生装置100では、L1層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整を行っている間はメモリ130からデータを再生し、メモリ130に格納されたデータを全て再生した時にはL1層に対する調整は完了している。すなわち、メモリ130に格納されたデータを全て再生した後は、通常通り、光ディスク10からデータを再生することができる。したがって、光ディスク再生装置100では、全ての記録層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整の完了を待ってから光ディスク10を再生する場合と比較して、光ディスク10からデータを再生するまでの時間を短縮することができる。
よって、光ディスク再生装置100では、複数の記録層を有する光ディスク10からのデータ再生開始までの時間を短縮すると共に、先読みしたデータを格納するメモリ130の大容量化を防ぐことができる。
また、光ディスク再生装置100では、光ディスク10の有する記録層の数および光ディスク10の種類に応じた調整時間を設定することができる。
これによって、同一の規格の光ディスクであり、記録層の数が異なる光ディスクであっても、それに応じた調整時間を設定することができるため、データ再生開始までの時間を短縮すると共に、先読みしたデータを格納するメモリの大容量化を防ぐことができる。
また、光ディスク再生装置100では、光ディスク10の有する記録層の数に応じた調整時間を設定してもよい。この場合であっても、搭載されている光ディスク10の有する記録層の数に一致する記録層の数が調整時間設定テーブルに登録さえされていれば、どのような数の記録層を有する光ディスクを搭載した場合であっても、データ再生開始までの時間を短縮すると共に、先読みしたデータを格納するメモリの大容量化を防ぐことができる。
また、光ディスク再生装置100では、光ディスク10の種類に応じた調整時間を設定してもよい。この場合であっても、複数種類の光ディスクからデータを再生することができる光ディスク再生装置100に対しても、データ再生開始までの時間を短縮すると共に、先読みしたデータを格納するメモリの大容量化を防ぐことができる。
(調整時間の設定方法の詳細)
次に、第2層以降の記録層のトラッキング調整およびフォーカシング調整に要する調整時間の設定方法の詳細について、図3を参照しつつ以下に説明する。図3は、調整時間の設定の際に参照する調整時間設定テーブルの一例を示す図である。
調整時間設定部111は、テーブル格納部160に格納されている調整時間設定テーブルを参照して、ディスク判別部112において判別された光ディスク10の種類および記録層検出部113において検出された光ディスク10の記録層の数に応じた調整時間を設定する。
調整時間設定テーブルは、図3に示すように、搭載されている光ディスクの種類と、搭載されている光ディスクの有する記録層の数と、調整時間の値とが関連付けて記録されている。したがって、例えば、ディスク判別部112において搭載されている光ディスク10が「BD−ROM」(BDであり、書き換え不可能)と判別され、記録層検出部113において記録層の数が「2層」であると判定された場合には、調整時間設定部111は、調整時間を「AA秒」と設定する。この場合、制御部110は、AA秒分の再生時間のデータを光ディスク10から読み出すように、データ読出部120に対して指示を送ることになる。
同様に、光ディスクの種類が「BD−ROM」であり、記録層の数が「3層」である場合、調整時間設定部111は、調整時間を「BB秒」と設定する。調整時間設定部111は、光ディスク10の種類がDVDである場合、および、記録内容が書き換え可能な光ディスクである場合であっても同様に、調整時間を設定することができる。
図3に示す調整時間設定テーブルに登録されている、光ディスクの種類ごとの調整時間の値は予め定められた値である。より具体的には、調整時間の値は、光ディスク再生装置100に備えられているものと同一の光学ドライブを用いたときに、2層目以降のトラッキング調整およびフォーカシング調整に要した時間に基づいて定められた値である。そのため、光ディスク再生装置備えられている光学ドライブが異なる場合には、登録されている調整時間の値は異なることになる。
なお、調整時間設定テーブルは、図3に示すテーブルに限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、光ディスク再生装置100が再生可能な光ディスクがBDのみである場合には、調整時間設定テーブルにおける光ディスクの種類からDVDの欄は削除してもよい。この場合は、検出された記録層の数のみから調整時間を設定することになる。同様に、記録層の数が2層の光ディスクのみである場合には、2層以外の欄を削除してもよい。この場合は、判定された光ディスクの種類のみから調整時間を設定することになる。
また、例えば、光ディスク再生装置100が1種類の光ディスクのみに対応している場合には(例えば、片面2層のBD)、ディスク判別部112においてBDであると判別され、記録層検出部113において検出される記録層の数が2つであるときに所定の固定値を設定するようにすることもできる。この場合には、調整時間の設定までに要する時間を大幅に短縮することができる。
調整時間の設定に用いるパラメータは、上述したように、記録層の数および光ディスクの規格に限定されるものではない。記録層の数および光ディスクの規格以外としては、光ディスクに付与されているメディアIDを挙げることができる。
メディアIDを用いて調整時間を設定する場合、光ディスク再生装置100における制御部110は、光ディスクそれぞれにおいて固有のメディアIDを識別するID識別部115を備えている。調整時間設定部111は、ID識別部115において識別されたメディアIDから、調整時間設定テーブルを参照して調整時間を設定する。
この場合の調整時間設定テーブルは、光ディスクに対して付与されている光ディスクそれぞれについて固有のメディアIDと調整時間の値とが関連付けられたテーブルであってもよい。なお、メディアIDは、光ディスク1枚1枚それぞれに対して固有の値であり、世界中の光ディスクにおいてメディアIDが一致することはない。したがって、このメディアIDを識別することにより、調整時間を設定することもできる。
なお、ユーザーがどのような光ディスクを搭載するかは出荷段階ではわからないため、先に述べた図3に示すような調整時間設定テーブルと併用するようにしてもよい。すなわち、読み出したメディアIDが調整時間設定テーブルに登録されていない場合には、図3に示すような調整時間設定テーブルを用いて調整時間を設定するようにすればよい。
また、読み出したメディアIDが調整時間設定テーブルに登録されていない場合には、後述するタイマーにより第2層以降の記録層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整に要した時間を計測し、計測した時間を調整時間としてメディアIDと関連付けて、調整時間設定テーブルに登録するようにしてもよい。
(調整時間の値の変更)
上述したように、調整時間設定テーブルに登録されている調整時間の値は、予め測定された実測値に従った値である。そのため、光ディスク再生装置100の経時的な変化(特に、光ヘッド部を含む光ピックアップの経時的な変化)または光ディスク再生装置100を使用する環境などに起因して、テーブルに記録されている調整時間と、実際に要する時間とがずれることがある。
このようなずれが生じた場合には、調整時間変更部114が調整時間設定テーブルに登録されている調整時間の値を変更する。調整時間変更部114における調整時間の値の変更について、以下に説明する。
調整時間設定部111において調整時間が設定され、第2層以降の記録層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整が開始されると、タイマー150がカウントを開始する。そして、全ての記録層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整が終了するとタイマー150は、カウントを停止する。
続いて、調整時間変更部114は、タイマー150のカウントした値と調整時間設定部111において設定された調整時間の値とを比較する。タイマー150のカウントした値と調整時間設定部11において設定された調整時間の値とが異なる場合、調整時間変更部114は、調整時間の値をタイマー150のカウントした値に変更する。このとき、調整時間設定テーブルに複数の調整時間が登録されている場合には、ディスク判別部112において判別した光ディスクの種類および記録層検出部113において検出した記録層の数が一致する調整時間の値を変更するようにすればよい。
また、調整時間の値の変更の判定には閾値を用いてもよい。すなわち、タイマー150のカウントした値(以下、所要時間とも称する)と、調整時間設定部111において設定された調整時間の値との差分値が所定の閾値を超えるときにのみ、調整時間変更部114は、調整時間の値を変更するようにしてもよい。
これによって、タイマー150におけるカウントの誤差などに起因して調整時間が変更されてしまうことを防止することができる。また、所定の閾値を超える値のずれが生じたときにのみ調整時間の値を変更することにより、調整時間の値の変更回数が多くなることをさけつつ、光ピックアップの経時的な変化に追従するように値を変更していくことができる。
さらに、差分値を算出する際に用いる所要時間の値は、タイマー150において計測された所要時間に基づいて算出される代表値としてもよい。例えば、所定回数分の所要時間の値の平均値を代表値とし、代表値と調整時間設定部111において設定された調整時間の値との差分値を算出するようにしてもよい。また、調整時間設定テーブルに登録されている調整時間の値をこの代表値に変更するようにしてもよい。
これによって、搭載する光ディスク自体に起因する所要時間のずれを考慮することができる。例えば、光ディスクに傷があるなどして偶然所要時間が大きくなってしまった場合に、調整時間の値が変更されてしまうことを防止することができる。
(付記事項)
本実施形態に係る光ディスク再生装置100に用いることができるBDは、BD−J(Blu-ray Disc Java(登録商標))を用いて作製されたBDであってもよい。搭載されたBDがBD−Jを用いている場合には、BDの再生開始前に読み込まれるメニュー画面またはポップアップ画面などの画像データを先読みして再生するようにすればよい。なお、メニュー画面などの画像データの再生には、デコード処理が必要となるため、画像データをデコードする間に、第2層以降の記録層に対するビームスポットのトラッキング調整およびフォーカシング調整を行うようにすればよい。
(プログラムおよび記録媒体)
最後に、光ディスク再生装置100に含まれている制御部110および再生制御部140は、ハードウェアロジックによって構成すればよい。または、次のように、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、制御部110および再生制御部140は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するMPUなどのCPU、このプログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを実行可能な形式に展開するRAM(Random Access Memory)、および、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)を備えている。
そして、本発明の目的は、制御部110および再生制御部140のプログラムメモリに固定的に担持されている場合に限らず、上記プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、または、ソースプログラム)を記録した記録媒体を光ディスク再生装置100に供給し、光ディスク再生装置100が上記記録媒体に記録されている上記プログラムコードを読み出して実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体は、特定の構造または種類のものに限定されない。すなわちこの記録媒体は、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などとすることができる。
また、制御部110および再生制御部140(または光ディスク再生装置100)を通信ネットワークと接続可能に構成しても、本発明の目的を達成できる。この場合、上記のプログラムコードを、通信ネットワークを介して制御部110および再生制御部140に供給する。この通信ネットワークは制御部110および再生制御部140にプログラムコードを供給できるものであればよく、特定の種類または形態に限定されない。たとえばインターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等であればよい。
この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な任意の媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。たとえばIEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る光ディスク再生装置は、複数の記録層を有するBD、DVDなどを再生可能なレコーダ装置などに幅広く利用することができる。
10 光ディスク
100 光ディスク再生装置
110 制御部(制御手段)
111 調整時間設定部(設定手段)
112 ディスク判別部(規格識別手段)
113 記録層検出部(検出手段)
114 調整時間変更部(変更手段)
115 ID識別部(固有情報識別手段)
120 データ読出部(読出手段、調整手段)
130 メモリ
140 再生制御部(出力手段)
150 タイマー
160 テーブル格納部
200 表示装置

Claims (13)

  1. 光ディスクからデータを読み出す読出手段と、当該読出手段において読み出されたデータを格納するメモリと、を備えた光ディスク再生装置であって、
    光ディスクの有する複数の記録層のそれぞれについて、データを読み出す際のビームスポットの位置を制御するための制御パラメータを調整する調整手段と、
    上記複数の記録層のうちの第1の記録層に対する制御パラメータの調整を終了してから、他の記録層に対する制御パラメータの調整を開始するまでに、予め記録されている調整時間であって、上記他の記録層に対する制御パラメータの調整に必要な調整時間を参照して、当該調整時間分のデータを上記第1の記録層から読み出して上記メモリに格納するように上記読出手段を制御する制御手段と、
    上記調整手段が上記他の記録層に対する制御パラメータを調整する間、上記メモリに格納されているデータを出力する出力手段と、
    を備えていることを特徴とする光ディスク再生装置。
  2. 上記読出手段は、上記第1の記録層から読み出したデータごとに、上記出力手段からの当該データの出力に要する時間を特定し、特定した時間の合計値が上記調整時間に達するまで上記第1の記録層からデータを記録単位ごとに読み出して上記メモリに格納することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク再生装置。
  3. 上記制御手段は、搭載されている光ディスクに応じた調整時間を設定する設定手段を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光ディスク再生装置。
  4. 上記制御手段は、搭載されている光ディスクの有する記録層の数を検出する検出手段をさらに含み、
    上記設定手段は、光ディスクの有する記録層の数と調整時間とを対応付けたテーブルを参照して、上記検出手段において検出された記録層の数に応じた調整時間を設定することを特徴とする請求項3に記載の光ディスク再生装置。
  5. 上記制御手段は、搭載されている光ディスクの規格を識別する規格識別手段をさらに含み、
    上記設定手段は、光ディスクの規格と調整時間とを対応付けたテーブルを参照して、上記規格識別手段において識別した光ディスクの規格に応じた調整時間を設定することを特徴とする請求項3に記載の光ディスク再生装置。
  6. 上記制御手段は、搭載されている光ディスクの有する記録層の数を検出する検出手段と、搭載されている光ディスクの規格を識別する規格識別手段とをさらに含み、
    上記設定手段は、光ディスクの有する記録層の数と光ディスクの規格との各対に調整時間を対応付けたテーブルを参照して、上記検出手段において検出した記録層の数および上記規格識別手段において識別した光ディスクの規格に応じた調整時間を設定することを特徴とする請求項3に記載の光ディスク再生装置。
  7. 上記制御手段は、光ディスクそれぞれに対して付与されている固有情報を識別する固有情報識別手段をさらに含み、
    上記設定手段は、固有情報と調整時間とを対応付けたテーブルを参照して、上記固有情報識別手段において識別した固有情報に応じた調整時間を設定することを特徴とする請求項3に記載の光ディスク再生装置。
  8. 上記他の記録層に対する制御パラメータの調整に要した時間を計測するタイマーをさらに備えており、
    上記制御手段は、上記テーブルに登録されている調整時間を、上記タイマーにおいて計測された時間に変更する変更手段、をさらに含むことを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の光ディスク再生装置。
  9. 上記変更手段は、上記設定手段において上記テーブルを参照して選択された調整時間と、上記タイマーにおいて計測された時間との差分絶対値が所定の閾値を超える場合に、当該調整時間の値を変更することを特徴とする請求項8に記載の光ディスク再生装置。
  10. 上記光ディスクは、再生専用ディスクであることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の光ディスク再生装置。
  11. 光ディスクからデータを読み出す読出手段と、当該読出手段において読み出されたデータを格納するメモリと、を備えた光ディスク再生装置における光ディスク再生方法であって、
    光ディスクの有する複数の記録層のうちの第1の記録層に対するビームスポットの位置を制御するための制御パラメータを調整する第1の調整ステップと、
    上記第1の調整ステップを終了してから、他の記録層に対するビームスポットの位置を制御するための制御パラメータを調整する第2の調整ステップを開始するまでに、予め記録されている調整時間であって、上記他の記録層に対する制御パラメータの調整に必要な調整時間を参照して、当該調整時間分のデータを上記第1の記録層から読み出して上記メモリに格納するように上記読出手段を制御する制御ステップと、
    上記第2の調整ステップが行われている間、上記メモリに格納されているデータを出力する出力ステップと、
    を含むことを特徴とする光ディスク再生方法。
  12. 請求項1から10のいずれか1項に記載の光ディスク再生装置を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのプログラム。
  13. 請求項12に記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
JP2009015773A 2009-01-27 2009-01-27 光ディスク再生装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラム、および記録媒体 Expired - Fee Related JP4964906B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009015773A JP4964906B2 (ja) 2009-01-27 2009-01-27 光ディスク再生装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラム、および記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009015773A JP4964906B2 (ja) 2009-01-27 2009-01-27 光ディスク再生装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラム、および記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010176730A JP2010176730A (ja) 2010-08-12
JP4964906B2 true JP4964906B2 (ja) 2012-07-04

Family

ID=42707552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009015773A Expired - Fee Related JP4964906B2 (ja) 2009-01-27 2009-01-27 光ディスク再生装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラム、および記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4964906B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3039343B2 (ja) * 1995-11-17 2000-05-08 日本ビクター株式会社 光ディスク再生装置及び光ディスク再生装置のサ−ボ制御の最適化方法
CN102623031B (zh) * 2004-02-23 2014-09-03 索尼株式会社 数据处理方法、数据处理装置、信息记录介质和计算机程序
JP2005317134A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Fujitsu Ten Ltd ディスク再生装置
JP2007080418A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Canon Inc 光ディスク装置
WO2007080861A1 (ja) * 2006-01-13 2007-07-19 Pioneer Corporation 情報再生装置及びサーボ調整方法等
JP2008159098A (ja) * 2006-12-21 2008-07-10 D & M Holdings Inc 多層光ディスク再生装置
JP2009146501A (ja) * 2007-12-13 2009-07-02 Ricoh Co Ltd 光ディスク及び光ディスク情報装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010176730A (ja) 2010-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2004086373A1 (ja) 情報記録方法、情報記録装置、情報記録用プログラム及び記憶媒体
JP4991387B2 (ja) 記録/再生方法及びその方法を実行するプログラムが記録されたコンピュータ可読記録媒体
TWI270062B (en) Information recorder and media information notification method
JP5699812B2 (ja) 再生装置
JP2005092964A (ja) 光ディスク装置及びその制御方法
JP4964906B2 (ja) 光ディスク再生装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラム、および記録媒体
JP5026449B2 (ja) 光ディスク再生装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラム、および記録媒体
WO2006080108A1 (ja) 記録方法ならびに記録装置、再生方法ならびに再生装置、および記録媒体
JP4702229B2 (ja) データ記録再生装置及びデータ記録再生方法、並びにコンピュータ・プログラム
JP2010176741A (ja) 光ディスク再生装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラム、および記録媒体
US20060280053A1 (en) Disc loading method for optical disc apparatus
JP4798586B2 (ja) 情報記録媒体、並びに情報再生装置及び方法
JP2007213645A (ja) 光ディスク記録再生装置
JP2004118887A (ja) 記録再生装置
JP2004110962A (ja) 情報記録再生装置
JP2009181621A (ja) 情報記録再生装置
US7957237B2 (en) Recording medium and method and apparatus for recording data
JP4827070B2 (ja) 情報記録媒体、情報記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラム
JP2007310965A (ja) 光ディスク記録再生装置
JP2008310873A (ja) ディスク再生システム、ディスク再生装置
JP2007095128A (ja) 光ディスク記録再生装置
WO2007037287A1 (ja) 複数の層を有する情報記録媒体に対し情報を記録する記録装置および記録方法
JP2009238338A (ja) 記録装置
JP2004326934A (ja) 記録装置
JP2011123936A (ja) 再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120228

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120328

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150406

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees