JP2009146501A - 光ディスク及び光ディスク情報装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多層ディスクを装着した場合でも初期調整時間を短縮することができ、ディスクに対して読み書き可能となるまでの待ち時間を短縮することが可能な光ディスク及び情報記録装置または再生装置を提供する。
【解決手段】案内溝を有する記録層を2層以上備え、各記録層のうちの特定の記録層に該記録層以外の前記各記録層の前記各案内溝から得られる信号特性に関する校正情報が記録された交換可能な光ディスク1を記録及び/または再生する光ディスク情報装置であって、前記特定の記録層の案内溝から得られる信号特性を調整して第1の調整値を得る調整手段27と、校正情報と第1の調整値とに基づき演算によって前記特定の記録層以外の前記各記録層の信号特性を調整して第2の調整値を得る演算手段27とを有する。
【選択図】図7
【解決手段】案内溝を有する記録層を2層以上備え、各記録層のうちの特定の記録層に該記録層以外の前記各記録層の前記各案内溝から得られる信号特性に関する校正情報が記録された交換可能な光ディスク1を記録及び/または再生する光ディスク情報装置であって、前記特定の記録層の案内溝から得られる信号特性を調整して第1の調整値を得る調整手段27と、校正情報と第1の調整値とに基づき演算によって前記特定の記録層以外の前記各記録層の信号特性を調整して第2の調整値を得る演算手段27とを有する。
【選択図】図7
Description
本発明は2層以上の記録層を有する光ディスク及びこれを用いて記録及び/または再生を行う光ディスク情報装置に関する。
従来、光ディスクやその駆動装置では、ディスク1枚当たりの記憶容量を向上させるため多数の記録層を積層させ、片面からレーザ光を集光して焦点を切り替えることで各記録層の書き込み及び読み出しを行う技術が開発されている。各記録層におけるサーボ信号や情報信号(RFあるいはHF信号とも呼ばれる)の振幅等は一般的には層毎に異なるため、それぞれの層において各信号の振幅等の調整を行う技術が、例えば「特許文献1」に開示されている。
上述した技術において、各信号の振幅等の調整はディスク装着時に各層で行われるため、ディスクが多層となればなるほど調整動作にかかる時間が長くなる。例えば1層当たりの調整時間が5秒であっても4層では20秒かかることとなり、ディスクを入れ替えてから利用可能となるまでにユーザは長時間待たねばならないという問題点がある。
本発明は上述の問題点を解決し、多層ディスクを装着した場合でも初期調整時間を短縮することができ、ディスクに対して読み書き可能となるまでの待ち時間を短縮することが可能な光ディスク及び情報記録装置または再生装置の提供を目的とする。
請求項1記載の発明は、案内溝を有する記録層を2層以上備えた光ディスクであって、前記各記録層のうちの少なくとも1つに前記各記録層の前記各案内溝から得られる信号特性に関する情報が記録されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、案内溝を有する記録層を2層以上備え、前記各記録層のうちの特定の記録層に該記録層以外の前記各記録層の前記各案内溝から得られる信号特性に関する校正情報が記録された交換可能な光ディスクを記録または再生する情報記録装置または再生装置であって、前記特定の記録層の前記案内溝から得られる信号特性を調整して第1の調整値を得る調整手段と、前記校正情報と第1の調整値とに基づき演算によって前記特定の記録層以外の前記各記録層の信号特性を調整して第2の調整値を得る演算手段とを有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、案内溝を有する記録層を2層以上備え、前記各記録層に当該記録層以外の前記各記録層の前記各案内溝から得られる信号特性に関する校正情報がそれぞれ記録された交換可能な光ディスクを記録または再生する情報記録装置または再生装置であって、前記各記録層のうちの何れか1つの前記案内溝から得られる信号特性を調整して第1の調整値を得る調整手段と、前記校正情報と第1の調整値とに基づき演算によって前記何れか1つの記録層以外の前記各記録層の信号特性を調整して第2の調整値を得る演算手段とを有することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、案内溝を有する記録層を2層以上備え、前記各記録層のうちの特定の記録層に前記各記録層の前記各案内溝から得られる信号特性に関する校正情報が記録された交換可能な光ディスクを記録または再生する情報記録装置または再生装置であって、前記校正情報に基づき演算によって前記各記録層の信号特性を調整して調整値を得る演算手段を有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、案内溝を有する記録層を2層以上備え、前記各記録層に前記各記録層の前記各案内溝から得られる信号特性に関する校正情報がそれぞれ記録された交換可能な光ディスクを記録または再生する情報記録装置または再生装置であって、前記校正情報に基づき演算によって前記各記録層の信号特性を調整して調整値を得る演算手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、校正情報を用いることにより各記録層におけるプッシュプル信号振幅を把握することができるので、実際の信号を測定することなく記録再生装置のラジアルトラッキングサーボ回路やウオブル信号検出回路等の増幅率等の調整を行うことができるようになり、調整に要する時間を短縮することにより作業性を向上することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に用いられる光ディスクを示している。同図において光ディスク1は、図において最下層に光透過性のカバー層(S1)2を、最上層に厚さ1mm程度のディスク基板(S2)3を有しており、図の下側から記録再生光ビームが集光される。カバー層2(S1)とディスク基板3(S2)との間には4層の記録層(L0)4、記録層(L1)5、記録層(L2)6、記録層(L3)7が設けられており、各記録層4,5,6,7には図示しない周知の光ビームのトラック追跡用の案内溝が情報トラックに沿ってそれぞれ設けられている。各案内溝は、円板ディスクでは同心円あるいはスパイラル状に形成されている。
記録層(L0)4の所定位置には校正情報である信号校正情報8が記録されている。信号校正情報8には各記録層4,5,6,7特有の信号振幅やその調整に必要な反射率等の情報が含まれている。この信号校正情報8の具体例を図2に示す。図2に示すように、信号構成情報8には各記録層(Layer)4〜7(L0〜L3)における反射率(Reflectivity)R0,R1,R2,R3とプッシュプル信号振幅(Push−Pull)PP0,PP1,PP2,PP3の値が書かれている。
図3に光スポットの半径方向位置に対する和信号I1+I2とプッシュプル信号(差信号)I1−I2の概念を示す。和信号I1+I2は案内溝による回折で変調され、中心で低レベルとなり案内溝間で高レベルとなる。ただしこれは案内溝の幅や深さによって変化し、レベル関係が逆となったりレベル差がほとんどなくなったりする場合もあり、この和信号I1+I2の平均レベルが反射率に相当する。また、案内溝上の和信号レベルをグルーブレベルと呼び、これを反射率定義に用いる場合もある。
プッシュプル信号I1−I2は案内溝からの1次回折光の差を検出しており、案内溝上及び案内溝間で0となるような正弦波状の信号が得られる。光ディスク1を記録及び再生する記録再生装置は、一般にこのプッシュプル信号を用い、光スポットを案内溝中心に追従させるラジアルトラッキングサーボを行う。また、ディスクの案内溝を半径方向に微少量だけ蛇行させて形成し、光スポットをトラッキングさせたときに得られるプッシュプル信号は特にウオブル(Wobble)信号と呼ばれ、これはディスクの回転サーボやデコードしてアドレス情報やその他の補助情報を得ることに用いられる。
図2に示す信号校正情報の反射率R(R0〜R3)は、例えば和信号I1+I2の各記録層4,5,6,7での平均レベルとして定義する。このときの照射光量、光学系のパラメータ、光電変換器の変換係数をそれぞれ所定値として定義しておけば、各記録再生装置の設計や製造時の知見により予め校正可能に構成することができる。また、図2に示すプッシュプル信号振幅PP(PP0〜PP3)は、例えばプッシュプル信号I1−I2の振幅を和信号I1+I2の平均レベルで除して正規化した「正規化プッシュプル」振幅として定義する。これにより反射率、照射ビームの強度、光電変換係数によらず、案内溝の回折特性を反映した値となる。
図4は、上述した和信号I1+I2とプッシュプル信号I1−I2とを得るための光学系の一例を示している。同図において光ディスク1には、複数の案内溝9が周期的に設けられている。符号10は対物レンズであり、光ビームを光ディスク1の各記録層4,5,6,7に集光して光スポットを形成する。符号11はビームスプリッタであり、光源12からの照射光を斜面で反射して対物レンズ10に導き、光ディスク1からの反射光を透過して光電変換器13に案内する。光源12は公知の半導体レーザとレンズ等で構成されており、光ビームを生成する。光電変換器13は光ディスク1の半径方向に対し、PD1とPD2とに2分割されており、PD1の出力電流をI1、PD2の出力電流をI2とする。電流I1,I2が加算手段14及び減算手段15において加減算されることにより、和信号I1+I2及びプッシュプル信号I1−I2を得る。
上述した光学系を搭載した記録再生装置では、光ディスク1が装着されると最初に記録層(L0)4の所定位置にアクセスして信号校正情報8を取得する。この信号校正情報8を用いることにより各記録層4,5,6,7におけるプッシュプル信号振幅を把握することができるので、実際の信号を測定することなく記録再生装置のラジアルトラッキングサーボ回路やウオブル信号検出回路等の増幅率等の調整を行うことができるようになり、調整に要する時間を短縮することにより作業性を向上することができる。
上述の実施形態において、校正情報として上記の他多様な情報を含む構成としてもよい。この構成により記録再生装置は、これらの多様な情報を用いてさらに様々な信号の調整動作にかかる時間を短縮することが可能となる。
図5は、本発明の第2の実施形態に用いられる光ディスクを示している。同図において光ディスク16は、光ディスク1と同様にカバー層2、ディスク基板3、4層の記録層4,5,6,7を有しており、各記録層4,5,6,7の所定位置には校正情報である信号校正情報17,18,19,20がそれぞれ記録されている。各信号校正情報17,18,19,20は信号構成情報8と同様であり、各信号校正情報17,18,19,20の具体例を図6に示す。図6に示すように、各信号構成情報17,18,19,20には各記録層4〜7における反射率R0,R1,R2,R3とプッシュプル信号振幅PP0,PP1,PP2,PP3の値が書かれており、各信号構成情報17,18,19,20の内容は全て同じに構成されている。
第1の実施形態に示した記録再生装置に対して光ディスク16が装着されると、記録再生装置は各記録層4,5,6,7の何れかにアクセスして信号校正情報17,18,19,20の何れかを取得する。各信号構成情報17,18,19,20が全て同一であり各信号構成情報17,18,19,20には各記録層4,5,6,7の全ての層に対する情報が記録されていることから、取得した信号校正情報17,18,19,20の何れかを用いることにより各記録層4,5,6,7におけるプッシュプル信号振幅を把握することができるので、実際の信号を測定することなく記録再生装置のラジアルトラッキングサーボ回路やウオブル信号検出回路等の増幅率等の調整を行うことができるようになり、調整に要する時間を短縮することにより作業性を向上することができる。また、信号構成情報17,18,19,20は何れかの記録層4,5,6,7に記録されているものを読み出せばよく、特定の記録層にアクセスする必要がないため、第1の実施形態に比して信号構成情報を得るまでのアクセス時間を短縮することができ、全体の待ち時間を短縮することができる。第1及び第2の実施形態では記録層の数を4層としたが、記録層の数はこれに限られることはない。
図7は、本発明の第3の実施形態に用いられる光ディスク1を記録再生する記録再生装置のブロック図である。同図において符号21は光ピックアップ(Optical Pickup Unit)を示しており、光ピックアップ21は光ディスク1の任意の記録層に光スポットを集光させ、反射光を検出して光電変換された信号I1,I2を出力する。光ピックアップ21の具体的な構成としては図4に示したものが挙げられ、光電変換器13により反射光検出信号I1及びI2を出力する。
符号22は公知の演算アンプやフィルタ回路等により構成される信号処理手段であり、信号処理手段22は信号I1−I2に低減フィルタを通したものをプッシュプル信号(PP)として出力する。ここで用いられるフィルタとしては、高周波データ信号を阻止してサーボ信号成分だけを抽出するように、概ね100KHz以下のものが選定されることが多い。また信号処理手段22は、信号I1−I2に特定の帯域通過フィルタを通したものをウオブル信号(WBL)として出力する。ウオブル信号(WBL)は光ディスク1の案内溝の微少量蛇行を検出し、これに埋め込まれたアドレス信号や補助信号を抽出する際に用いられる。さらに信号処理手段22は、信号I1+I2の高周波成分をデータ信号(HF)として出力する。データ信号(HF)は、記録されたデータの再生信号としてデコードされ、上位装置で用いられる。
符号23は可変ゲイン手段(Variable Gain Amplifier)であり、後述するマイクロコンピュータ(uCOM)27からのゲイン設定指令(PPgain)に応じてプッシュプル信号(PP)のゲインを可変し、ラジアルトラッキング誤差信号(TE)を出力する。
符号24は信号構成情報のデコード手段であり、ウオブル信号(WBL)内に埋め込まれた補助信号をデコードして光ディスク1に記録された信号構成情報(CI)8を出力する。符号25は公知のラジアルトラッキングサーボ手段であり、トラッキング誤差信号(TE)に応じて光ピックアップ21の対物レンズ等を駆動し、光スポットが案内溝を追跡するように制御する。符号26はデコード手段であり、データ信号(HF)をデコードして再生データとして上位装置に出力する。
符号27はマイクロコンピュータ(uCOM)であり、公知のCPU、メモリ、I/O、A/D変換器等から構成されている。マイクロコンピュータ(uCOM)27は、本実施形態では信号構成情報(CI)8を入力し、トラッキング誤差信号(TE)をA/D変換して入力する。マイクロコンピュータ(uCOM)27は、図示しないアクセス手段を用い、光ピックアップ21を移動させて所定位置にアクセスさせることが可能である。またマイクロコンピュータ(uCOM)27は、後述するフォーカス制御手段28に指令(FocusCmd)を出力し、記録層間の移動(層間ジャンプ)や当該記録層への焦点追従制御を行わせる。符号28はフォーカス制御手段であり、指令(FocusCmd)に応じて光ピックアップ21の対物レンズをディスク面と直交する方向に移動制御し、記録層間の移動(層間ジャンプ)や当該記録層への焦点追従制御を行う。
図8に本発明の第3の実施形態におけるマイクロコンピュータ(uCOM)27のアルゴリズムの一例を示す。このフローチャートは、記録再生装置に光ディスク1が装着されたときに行われる信号調整動作を示している。以下、このフローチャートに基づき、信号調整動作を説明する。
先ず、フォーカスをオンして焦点制御動作を開始する(ST01)。これは、指令(FocusCmd)によりフォーカス制御手段28に指令を出力することにより行われる。次に、所定の記録層(L0)4に移動する(ST02)。これも指令(FocusCmd)によりフォーカス制御手段28に指令を出力することにより行われる。次に、トラッキング誤差信号(TE)の振幅を測定し、これが所定値となるように可変ゲイン手段23に送られるゲイン設定指令(PPgain)を調整する(ST03)。一般的にこの調整動作は、トラッキングサーボをオンする前にトラッキング誤差信号(TE)の振幅を測定することにより行われる。これにより記録層(L0)4のトラッキング誤差信号(TE)の振幅が調整され、記録層(L0)4において最適な状態でトラッキングサーボが動作することとなる。
次に、記録層(L0)4に記録された信号校正情報(CI)8を読み込み(ST04)、記録層(L0)4で調整したゲイン設定指令(PPgain)に基づいて、信号校正情報(CI)8を用いて各記録層4,5,6,7のゲイン設定指令(PPgain)を演算する(ST05)。先ず、記録層(L0)4のゲイン設定指令(PPgain[0])([n]は記録層(Ln)で適用するゲイン設定し例を示す)は、そのままの値を用いる。他の層のゲイン設定指令(PPgain)は、例えば記録層(L1)5のゲイン設定指令(PPgain[1])はPPgain[1]=PPgain*(R0/R1)*(PP0/PP1)*a1と計算する。ここでa1は記録層(L1)5において適用する装置固有の定数であり、予め設計で求められている。同様に、記録層(L2)6、記録層(L3)7においても装置固有の定数a2,a3が乗算される。すなわち、他の記録層5,6,7のゲイン設定指令(PPgain)は、記録層(L0)4で調整したゲイン設定指令(PPgain)に反射率の比と正規化プッシュプル振幅の比を乗算したものに定数a1〜a3を乗じて求めることができる。以下、同様にして各記録層6,7のゲイン設定指令(PPgain)を演算し、調整動作が完了する。
本実施形態によれば、実際に信号振幅を測定しつつ調整を行うのは記録層(L0)4だけであり、他の記録層5,6,7は記録層(L0)4の調整結果と信号校正情報(CI)8とから演算により求めるため、各記録層5,6,7において実際に信号振幅を測定しつつ調整を行う必要がないので、全体の調整時間を短くすることができ、待ち時間を短くすることにより作業効率を向上することができる。
図9は、図8に示した調整が完了した後に記録層(Ln)に焦点位置を移動させる際のフローチャートを示している。ステップST11は、フォーカス制御手段28に対して記録層(Ln)に移動するように指令しており、ステップST12において記録層(Ln)に適用すべきゲイン設定指令(PPgain[n])をゲイン設定指令(PPgain)として出力している。ステップST13は、記録層(Ln)に移動後、実際にデータを読み書きする処理である。このように、調整後は各記録層に適用すべく記憶したゲイン設定指令(PPgain)を与えるだけであるので、高速での層間移動が可能となる。
図10に本発明の第4の実施形態におけるマイクロコンピュータ(uCOM)27のアルゴリズムの一例を示す。このフローチャートは、第3の実施形態で示した記録再生装置に光ディスク16が装着されたときに行われる信号調整動作を示している。以下、このフローチャートに基づき、信号調整動作を説明する。
先ず、フォーカスをオンして焦点制御動作を開始する(ST21)。これは、指令(FocusCmd)によりフォーカス制御手段28に指令を出力することにより行われる。次に、トラッキング誤差信号(TE)の振幅を測定し、これが所定値となるように可変ゲイン手段23に送られるゲイン設定指令(PPgain)を調整する(ST22)。次に、現在の記録層の層番号Lnを把握する(ST23)。この層番号の把握は、ウオブル信号(WBL)を図示しないデコード手段によりデコードすることで得ることができる。
次に、当該記録層(Ln)に記録された信号校正情報(CI)を読み込み(ST24)、当該記録層(Ln)で調整したゲイン設定指令(PPgain)に基づいて、信号校正情報(CI)を用いて各記録層4,5,6,7のゲイン設定指令(PPgain)を演算する(ST25)。先ず、当該記録層(Ln)のゲイン設定指令(PPgain[Ln])はそのままの値を用いる。他の層のゲイン設定指令(PPgain[n])は、PPgain[n]=PPgain*(R[Ln]/R[n])*(PP[Ln]/PP[n])*a[n]と計算する。ここでa[n]はn番の記録層において適用する装置固有の定数であり、予め設計で求められている。すなわち、n番の記録層のゲイン設定指令(PPgain)は、記録層(Ln)で調整したゲイン設定指令(PPgain)に反射率の比と正規化プッシュプル振幅の比を乗算したものに定数a[n]を乗じて求めることができる。
本実施形態によれば、特定の記録層に移動する必要がなく、最初にフォーカスをオンした記録層においてゲイン設定指令(PPgain)の調整を行えばよいので、第3の実施形態に比して全体の調整時間を短くすることができ、待ち時間をさらに短くすることにより作業効率を向上することができる。
図11に本発明の第5の実施形態におけるマイクロコンピュータ(uCOM)27のアルゴリズムの一例を示す。このフローチャートは、第3の実施形態で示した記録再生装置に光ディスク1が装着されたときに行われる信号調整動作を示している。以下、このフローチャートに基づき、信号調整動作を説明する。
先ず、フォーカスをオンして焦点制御動作を開始し(ST31)、所定の記録層(L0)4に移動する(ST32)。次に、記録層(L0)4に記録された信号校正情報(CI)8を読み込み(ST33)、読み込んだ信号校正情報(CI)8を用いて各記録層4,5,6,7のゲイン設定指令(PPgain)を演算する(ST34)。例えば記録層(L1)5のゲイン設定指令(PPgain[1])は、PPgain[1]=(1/R1)*(1/PP1)*a1と計算する。ここでanはn番の記録層において適用する装置固有の定数であり、予め設計で求められている。すなわち、n番の記録層のゲイン設定指令(PPgain)は、n番の記録層の反射率の逆数と正規化プッシュプル振幅の逆数とを乗算したものに定数anを乗じて求めることができる。
本実施形態によれば、特定の記録層に記録された信号校正情報(CI)に基づいて、演算のみによって各記録層の調整値を求め、実際に信号振幅を測定しつつ調整を行う必要がないので、全体の調整時間をさらに短くすることができ、待ち時間をさらに短くすることにより作業効率を向上することができる。
図12に本発明の第6の実施形態におけるマイクロコンピュータ(uCOM)27のアルゴリズムの一例を示す。このフローチャートは、第3の実施形態で示した記録再生装置に光ディスク16が装着されたときに行われる信号調整動作を示している。以下、このフローチャートに基づき、信号調整動作を説明する。
先ず、フォーカスをオンして焦点制御動作を開始し(ST41)、当該記録層(Ln)に記録された信号校正情報(CI)を読み込む(ST42)。次に読み込んだ信号校正情報(CI)を用いて各記録層4,5,6,7のゲイン設定指令(PPgain)を演算する(ST43)。例えば記録層(L1)5のゲイン設定指令(PPgain[1])は、PPgain[1]=(1/R1)*(1/PP1)*a1と計算する。ここでanはn番の記録層において適用する装置固有の定数であり、予め設計で求められている。すなわち、n番の記録層のゲイン設定指令(PPgain)は、n番の記録層の反射率の逆数と正規化プッシュプル振幅の逆数を乗算したものに定数anを乗じて求めることができる。
本実施形態によれば、何れかの記録層に記録された信号校正情報(CI)に基づいて、演算のみによって各記録層の調整値を求め、実際に信号振幅を測定しつつ調整を行う必要がないので、全体の調整時間をさらに短くすることができ、待ち時間をさらに短くすることにより作業効率を向上することができる。さらに信号校正情報(CI)を得るために特定の記録層に移動する必要がないので、層間移動時間を節約できるため全体の調整時間をより一層短縮することができる。
上述した各実施形態では、光ディスクに対する記録及び再生が可能な記録再生装置を示したが、本発明が適用可能な構成はこれに限られず、記録のみあるいは再生のみが可能な構成、これらの構成に消去も可能な構成を付加した構成等にも本発明は適用可能である。
1,16 光ディスク
4,5,6,7 記録層
8,17 校正情報(信号校正情報)
9 案内溝
27 調整手段、演算手段(マイクロコンピュータ)
4,5,6,7 記録層
8,17 校正情報(信号校正情報)
9 案内溝
27 調整手段、演算手段(マイクロコンピュータ)
Claims (5)
- 案内溝を有する記録層を2層以上備えた光ディスクであって、
前記各記録層のうちの少なくとも1つに前記各記録層の前記各案内溝から得られる信号特性に関する情報が記録されていることを特徴とする光ディスク。 - 案内溝を有する記録層を2層以上備え、前記各記録層のうちの特定の記録層に該記録層以外の前記各記録層の前記各案内溝から得られる信号特性に関する校正情報が記録された交換可能な光ディスクを記録及び/または再生する光ディスク情報装置であって、
前記特定の記録層の前記案内溝から得られる信号特性を調整して第1の調整値を得る調整手段と、前記校正情報と第1の調整値とに基づき演算によって前記特定の記録層以外の前記各記録層の信号特性を調整して第2の調整値を得る演算手段とを有することを特徴とする光ディスク情報装置。 - 案内溝を有する記録層を2層以上備え、前記各記録層に当該記録層以外の前記各記録層の前記各案内溝から得られる信号特性に関する校正情報がそれぞれ記録された交換可能な光ディスクを記録及び/または再生する光ディスク情報装置であって、
前記各記録層のうちの何れか1つの前記案内溝から得られる信号特性を調整して第1の調整値を得る調整手段と、前記校正情報と第1の調整値とに基づき演算によって前記何れか1つの記録層以外の前記各記録層の信号特性を調整して第2の調整値を得る演算手段とを有することを特徴とする光ディスク情報装置。 - 案内溝を有する記録層を2層以上備え、前記各記録層のうちの特定の記録層に前記各記録層の前記各案内溝から得られる信号特性に関する校正情報が記録された交換可能な光ディスクを記録及び/または再生する光ディスク情報装置であって、
前記校正情報に基づき演算によって前記各記録層の信号特性を調整して調整値を得る演算手段を有することを特徴とする光ディスク情報装置。 - 案内溝を有する記録層を2層以上備え、前記各記録層に前記各記録層の前記各案内溝から得られる信号特性に関する校正情報がそれぞれ記録された交換可能な光ディスクを記録及び/または再生する光ディスク情報装置であって、
前記校正情報に基づき演算によって前記各記録層の信号特性を調整して調整値を得る演算手段を有することを特徴とする光ディスク情報装置。
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