JP4964397B2 - 小型携帯機器 - Google Patents

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Description

本発明は、特殊なパッキンを有する小型携帯機器に関し、詳しくは、特殊なパッキンを有する腕時計または小型携帯情報機器端末に関する。さらに詳しくは、長寿命電池または光を電気エネルギーに変換して動く太陽電池等を用いたロングライフ仕様、または電池が不要である機械式仕様の腕時計、または超音波洗浄器等で洗える仕様の腕時計において、外部からの水および水蒸気の侵入、または人体から発生する汗および皮脂などの侵入を阻止する、長期防水性に優れたパッキンを備えた腕時計に関する。
従来、小型携帯機器、その代表例である腕時計には、日常的に携帯することから防水性能が要求されている。
たとえば、図4に腕時計用外装部材の部分断面図を示すが、腕時計用外装部材のシール部、すなわち、腕時計のケース本体4と裏蓋7との間、ケース本体4と風防ガラス2との間、リューズ6部分、プッシュボタン部分等には、環状の防水ゴムパッキンが配置されている。図4に示すパッキンについて、3は風防ガラスパッキン、5はリューズOリング、1は裏蓋Oリングと一般的に呼ばれている。次に、図5に腕時計のケース本体4と裏蓋7との防水構造の概略がわかる断面図を示す。このような防水構造においては、裏蓋7に形成された凹溝に環状でかつ弾性を有する裏蓋Oリング1が圧縮状態で装着された構成になっている。裏蓋Oリング1を圧接させて、適切な接触応力を保持することで、外部からの水の侵入を防止し、腕時計内部の防水性を保持している。
またたとえば、図6に示す従来型の腕時計構造の部分断面図では、時計ケース11にリューズパイプ13が固定され、リューズ12にはリューズ軸部17に設けられた環状溝18があり、環状溝18には防水パッキン15がはめられている。時刻合わせを行うために、リューズ軸部17には巻真16が接続されている。この構造は、リューズ12のリューズ軸部17が防水パッキン15を介してリューズパイプ13の内部を揺動するものであり、時計ケース11の防水性はリューズパイプ13の内周面に圧接している防水パッキン15により保たれている。
このような、腕時計の外装部材に用いられる防水パッキンは、パッキンの防水性の長期維持の観点から、パッキン自体が非透水性、非透湿性であるとともに、上記のように圧接部からの水の浸透がなく、このため、圧接した状態でのパッキンが、長期の耐摩耗性、低圧縮ひずみ特性などを有することが求められる。
従来、このような防水パッキン材料としては、要求仕様に応じて、例えばアクリロニトリル−ブタジエン共重合体であるニトリルゴム(以下「NBRゴム」という。)、またはイソブチレン−イソプレン共重合体であるブチルゴム(以下「IIRゴム」という。)、またはエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体であるエチレンプロピレンゴム(以下「EPDMゴム」という。)が用いられている。
しかしながら、上述した従来の方法では、防水ゴムパッキン材料としてのNBRゴムを用いる場合、耐油性および耐摩耗性に優れる反面、透水および透湿性が大きく、圧縮永久ひずみも大きいという問題点があった。
また、IIRゴムは非透水および非透湿性に優れる反面、耐摩耗性が悪く、圧縮永久ひずみが大きいという問題点があった。
さらにまた、EPDMゴムは非透水および非透湿性に優れる反面、耐摩耗性が悪く、圧縮永久ひずみが大きいという問題点があった。
すなわち、従来の合成ゴム材料からなるパッキンでは、非透水および非透湿性と低圧縮永久ひずみ性を両立させることが困難で、いずれの合成ゴム材料も圧縮永久ひずみの点で問題があった。
従って、従来、このような材料からなるパッキンを有する腕時計は、圧縮力が長期間作用するとパッキンの塑性変形が生じ、適切な接触応力を保持できず、防水シール部分に隙間が発生し、防水および防湿性能を維持することができなかった。特に、長寿命電池または光を電気エネルギーに変換して動く太陽電池等を用いたムーブメント(モジュール)からなるロングライフ仕様腕時計、または機械式腕時計では、電池交換が不要であるにもかかわらず、2〜3年毎に防水ゴムパッキンの交換のみが余儀無く行われており、メンテナンスフリーを実現できなかった。また、腕時計を超音波洗浄器等で洗うと、防水不良が発生することがあるという問題もあった。
前記図6に示す腕時計の部分断面図を用いてより具体的に説明する。
通常リューズパイプ13に挿入されたリューズ12には、軸方向と垂直な方向に、リューズ軸部17の外周面とリューズパイプ13の内周面の隙間分の距離だけガタつきが生じやすく、また、リューズパイプ13の外周面とリューズツバ部14の内周面との間にも隙間分だけガタつきが生じやすい。そして、長期間腕時計を使用すると、従来型の防水パッキン15では、パッキン自体の劣化と、外部からの埃や人体からの汗の影響で防水パッキン15が劣化変形し、リューズパイプ13の内面を圧接する力が弱くなることがあった。
また、防水パッキン15の圧接する力が弱くなった状態で、リューズ12に水中で物が当たるなどして、大きな外力が加わった場合、リューズ12のガタつきに連動してリューズ軸部17も動くこととなり、防水パッキン15の均一な圧接状態が非常に崩れやすく片寄せ状態となり、防水パッキン15の圧接が弱くなった部分から浸水しやすくなるという問題があった。また、防水パッキンが変形すると、リューズの回転やリューズパイプ内部の揺動の際に動きが重くなるという問題もあった。
本願発明は、上記のような従来技術に伴う技術的課題を解決しようとするものであって、非透水および非透湿性能と圧縮永久ひずみ性能が良好で、長期間使用しても塑性変形が小さく耐久性があるパッキンからなる腕時計あるいは小型携帯情報機器端末などの小型携帯機器を提供することを目的としている。特に、ムーブメント(モジュール)がロングライフ仕様の腕時計について、メンテナンスフリーの腕時計、超音波洗浄器等で洗える仕様の腕時計を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意研究し、硫黄を含有しない架橋構造を有するブチルゴムからなるパッキンが、非透水および非透湿性能に優れるのみならず、圧縮永久歪み性能にも優れることから、高湿度下、あるいは水中での使用など使用環境が厳しく、長期間のメンテナンスフリーが求められる腕時計など小型携帯機器のパッキンに最適であることを見出し、本願発明を完成するに至った。
なお、本明細書においてパッキンとは、管の継ぎ目、部材の隙間、接合部などから流体(液体、気体)が浸入するのを防ぐ目的で用いられるゴム部品であって、たとえば、通常のパッキン、Oリング、Vリングなどを含む。
すなわち、本発明は以下の点を特徴としている。
本発明に係る小型携帯機器は、下記式(1)
で示される炭素−炭素結合で形成され、かつ硫黄を介在しない架橋構造を有したハロゲン化ブチルゴムに由来するブチルゴムからなるパッキンを有することを特徴としている。
前記ハロゲン化ブチルゴムは、塩素化ブチルゴムであることが好ましい。
ゴムパッキンの主成分であるハロゲン化ブチルゴムが、塩素化ブチルゴムである場合には、加硫特性をさらに高めることができるからである。
前記パッキン中のブチルゴムの含有量は、45.0重量%〜65.0重量%の範囲にあることが好ましい。
また、80℃、72時間、圧縮率25%時における前記パッキンの圧縮永久ひずみ(JIS K6262に規定する試験方法での測定値)は、15%以下であることが好ましく、前記パッキンのゴム硬さ(JIS K6253で規定する試験方法での測定値)は、A50〜A65の範囲にあることが好ましい。
前記小型携帯機器は、好ましくは腕時計である。この場合、前記腕時計のムーブメントは、長寿命電池または太陽電池を用いたロングライフ仕様のムーブメント、または電池が不要である機械式仕様のムーブメントであってもよい。
また、前記小型携帯機器は、小型携帯情報機器端末であってもよい。
このように本発明は、特殊なブチルゴムからなるパッキンを有する腕時計あるいは小型携帯情報機器端末などの小型携帯機器であり、該パッキンは、前記式(1)に示した化学構造で形成される架橋構造を有するブチルゴムを一定割合で含有する。すなわち、架橋構造が炭素−炭素結合からなるので、下記式(2)に示すような硫黄架橋部(モノスルフィド結合、ジスルフィド結合、ポリスルフィド結合)の架橋構造を有するブチルゴムと比較して、炭素同士が極めて安定で非常に大きな結合エネルギーで結ばれており、耐熱性および圧縮永久ひずみ特性に関しては、従来の特殊ゴムと比較して抜群の性能を有している。
さらに、前記ブチルゴムの化学構造は、側鎖に立体障害となる極性の小さいメチル基が多数存在するので、気体の透過性が極めて小さい。透水性および透湿性に対して、極性の大きい水分子が極性の小さいメチル基とは相反して混ざり難いため、水分子の非透過性に関して、他の特殊ゴムと比較して抜群の性能を有している。また、二重結合が少ないため酸化されにくく、化学的にかなり安定な材料である。
(式(2)中、xは2以上の整数である。)
すなわち、本発明で用いられるブチルゴムからなるパッキンを有する腕時計等の防水構造においては、極めて小さい水分子しか該パッキンを透過できず、さらに長期間の圧縮力に対するゴムパッキンの塑性変形が極めて小さいことから(圧縮永久ひずみが小さい)、良好な防水性能、防湿性能を長期間維持することが可能である。また、長寿命電池または光を電気エネルギーに変換して動く太陽電池等を用いたムーブメント(モジュール)からなるロングライフ仕様腕時計または機械式腕時計において、パッキンの交換を不要としメンテナンスフリーを実現でき、さらに、市場からの強い要望であった超音波洗浄器等で洗える腕時計を提供することができる。
本発明に係る小型携帯機器は、下記式(1)
で示される炭素−炭素結合で形成される架橋構造を有するブチルゴムからなるパッキンを有している。まず、本発明の小型携帯機器に含まれる前記ブチルゴムからなるパッキンについて説明する。
本発明においては、腕時計等の小型携帯機器の防水構造に使用されるパッキンとしては、水分子の透過性が極めて小さく、長期間の圧縮力が作用しても塑性変形が生じにくく、圧縮力を解除すると元の形状に戻りやすい(圧縮永久ひずみが小さい)材料が望ましく、側鎖に多数のメチル基を有し、二重結合含量が少なく、架橋構造を有するブチルゴムを含有している。
このような架橋構造を有するブチルゴムは、好ましくはイソブチレンとC4〜C6のジオレフィンとの共重合体、さらに好ましくはイソブチレンとイソプレンの共重合体である公知のブチルゴムを架橋して得られるブチルゴムである。ブチルゴム中のイソブチレン由来成分とジオレフィン由来成分の割合は特に限定されず、公知のものを用いることができるが、通常、たとえば、イソブチレンが95〜99.7重量%、ジオレフィンが0.3〜5重量%の範囲のものを好ましく用いることができる。
前記架橋構造を有するブチルゴムとしては、架橋前のハロゲン化ブチル共重合体を基準として、ハロゲンが、好ましくは0.5〜4重量%、さらに好ましくは1〜2重量%の割合で含まれるハロゲン化ブチルゴムを架橋して得られるブチルゴムを用いる。ハロゲン化ブチルゴムとしては、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴムなどが挙げられ、このうちでは塩素化ブチルゴムを用いることが好ましい。
また、未架橋のブチルゴムのムーニー粘度は、通常、好ましくは18〜100ML1+8、100℃程度である。
本発明で用いる架橋構造を有するブチルゴムは、前記架橋構造が、前記式(1)で示されるような炭素−炭素結合で形成され、好ましくは硫黄を介在しない架橋構造を有している。
なお、ハロゲン化ブチルゴムを用いて架橋を行って得られる架橋構造を有するブチルゴムは、ハロゲン原子が残留していても、全てのハロゲン原子が架橋に関与してハロゲン原子が残留していなくてもよい。
架橋構造を有するブチルゴムの架橋率は、パッキンに用いた場合に本発明の目的が妨げられない範囲であればよく、部分架橋されたものでも、完全に架橋されたものでもよく、その範囲は適宜設定されるが、たとえば、好ましくは20〜100%、さらに好ましくは20〜85%であることが望ましい。
本発明で用いることのできるパッキンは、少なくとも前記架橋構造を有するブチルゴムを一定割合で含み、さらに他の成分として、補強剤、加硫剤由来成分を含み、必要に応じ、その他の樹脂、その他の添加剤を含有していてもよい。
加硫剤としては、炭素−炭素結合からなる架橋構造を形成させるため、金属酸化物、その中でも酸化亜鉛を加硫剤として用いることが好ましい。また、本発明で用いる架橋構造を有するブチルゴムは、架橋構造に硫黄が介在しておらず、加硫剤としては硫黄を含有する化合物を用いないことが好ましい。
補強剤としては、カーボンブラック、シリカ、木粉、コルク粉などが挙げられる。
その他の樹脂としては、たとえば、SBR、NR、NBR、CRなどが挙げられる。
その他の添加剤としては、加硫促進剤、炭酸カルシウム、タルク、クレー等の充填剤、可塑剤、安定剤が挙げられる。
前記パッキン中の架橋構造を有するブチルゴム成分含有量は、圧縮永久ひずみ特性とゴムの引張強さおよび硬さとの関係で、パッキンの重量に対して、好ましくは45.0〜65.0重量%、さらに好ましくは46.0〜60.0重量%の範囲にあることが望ましい。
また、前記補強剤は、パッキンの重量に対して、好ましくは30.0〜50.0重量%、加硫剤に由来する成分は、好ましくは1.0〜10.0重量%の割合で含まれていることが望ましい。
架橋構造を有するブチルゴムの含有量が増えると圧縮永久ひずみが小さくなる反面、たとえば補強剤として配合したカーボンブラックによるゴム補強性の効果が小さくなる傾向がある。
たとえば、本発明者らの実験によれば、本発明で用いられる架橋構造を有する塩素化ブチルゴムからなるパッキンを該腕時計の裏蓋固定部分に使用した場合、パッキン中のブチルゴムの含有量が45.0重量%未満であると、圧縮永久ひずみが大きくなり、加速試験すると防水不良が発生した。また、塩素化ブチルゴムの含有量が65.0重量%を越えると、例えば補強剤として配合したカーボンブラックによるゴム補強性が劣り、ゴムパッキンとしての適当な引張強さおよびゴム硬さが得られなかった。
本発明で用いる架橋構造を有するブチルゴムの化学構造は、側鎖に多数のメチル基を有し、炭素−炭素結合からなる架橋構造であることから、非透水性および非透湿性に優れ、他の特殊ゴムと比較して、圧縮永久ひずみが極めて小さい性能を有するパッキンが得られる。
すなわち、本発明においては、前記パッキンは、JIS K6262で規定する試験方法で、80℃72時間の処理、圧縮時25%時の圧縮永久ひずみが好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下のものであることが望ましい。圧縮永久歪みが上記範囲にあると、長期にわたり防水性を確保することができ、メンテナンスフリーのロングライフ仕様の腕時計にも、極めて好適に用いることができる。
また、本発明においては、前記パッキンは、ゴム硬さについて、JIS K6253で規定する試験方法で行った測定値が、好ましくはA50〜A65の範囲にあることが望ましい。
たとえば、本発明者らにより実施した結果によれば、本発明で用いられる架橋構造を有する塩素化ブチルゴムからなるパッキンを該腕時計の裏蓋固定部分に使用した場合、ゴム硬さがA50未満であると、パッキンを裏蓋に装着する際に、ねじれる等の組み立て不良が発生した。また、ゴム硬さがA65を超えると、パッキン中の塩素化ブチルゴムの含有量が45.0重量%未満となり、圧縮永久ひずみが大きくなり、加速試験すると防水不良が発生した。
前記パッキンの横断面形状は、該パッキンを用いる小型携帯機器あるいは該小型携帯機器の部位により異なり特に限定されず、適宜選択することができ、例えば円形、楕円形、半円形、三角形、四角形、台形、ドーナツ形状などのいずれの形状であってもよい。
前記パッキンは、未加硫のブチルゴム、加硫剤、補強剤、さらに必要に応じ、加硫促進剤等を含む未加硫ブチルゴム組成物を加硫して製造することができる。
前記未加硫ブチルゴム組成物中の前記未加硫のブチルゴムの重量は、未加硫ブチルゴム組成物に対して、好ましくは45.0〜65.0重量%、さらに好ましくは45.0〜60.0重量%の範囲にあることが望ましい。
また、前記補強剤は、未加硫ブチルゴム組成物に対して、好ましくは30.0〜50.0重量%、加硫剤は、好ましくは1.0〜10.0重量%の割合で含まれていることが望ましい。
加硫は公知の方法により行うことができ、特に限定されない。たとえば、未架橋ブチルゴム、加硫剤としての酸化亜鉛、補強剤としてのカーボンブラック、加硫促進剤等を配合して得られる組成物を、シート状等所定の形状に成形し、プレス成形によって架橋することができる。架橋反応のための加熱条件は、特に限定されず、たとえば、130〜210℃で、5〜60分程度の範囲で設定することができる。
このようにして得られる前記式(1)で表される炭素−炭素結合で形成される架橋構造を有するブチルゴムからなるパッキンは、小型携帯機器のパッキンとして極めて好適に用いることができる。
小型携帯機器としては、具体的には、たとえば、時計あるいは好ましくは腕時計、携帯電話などの小型携帯情報機器端末、ストップウォッチなどの時刻表示機器、カメラ・ビデオ、モバイルタイプ型のパソコン、電卓、液晶テレビ、歩数計、携帯用健康機器(体温計、心電計、血圧計、心拍計など)などの、使用上、長期間にわたり高い防水機能を要求される機器が挙げられる。このうち、本発明で用いられるパッキンは、腕時計または小型携帯情報機器端末により好ましく用いることができ、腕時計に用いることがさらに好ましい。さらに、本発明で用いられる架橋構造を有するパッキンは、非透水および非透湿性能、さらには圧縮永久ひずみ性能が良好で、長期間使用しても塑性変形が小さく耐久性が高いので、特に、ムーブメント(モジュール)がロングライフ仕様の腕時計、メンテナンスフリーの腕時計、さらに超音波洗浄器等で洗える仕様の腕時計などに好適である。
本発明で用いられるパッキンは、さらに、防水性確保のため、小型携帯機器の特殊な構造に適用することにより、防水シール性に関し、より長期信頼性を有する小型携帯機器とすることができる。
たとえば、リューズと巻真と防水パッキンとリューズパイプとからなる腕時計の場合、その防水構造において、防水パッキンに低圧縮ひずみ特性に優れる前記架橋構造を有するブチルゴムを用い、さらに、リューズツバ部にリューズパイプの外周面に圧接するように、新たに防水パッキンを追加することにより、より長期信頼性に優れた腕時計を得ることができる。
具体的には、図7に示すように、リューズ22と巻真26と防水パッキン28とリューズパイプ23とを有する腕時計であって、リューズツバ部24に、環状溝210と防水パッキン29を備えた腕時計が挙げられる。
リューズツバ部24に設けられた防水パッキン29は、リューズパイプ23の外周面に圧接するような位置に構成されている。
防水パッキン25、29には、長期間変形しない低圧縮ひずみ特性を有する前記ブチルゴムを用いる。長期間変形しないため、リューズ操作を常にスムーズに行うことができる。
さらに、リューズツバ部24の内周面に設けた防水パッキン29をリューズパイプ23の外周面と圧接させることで、外部からの埃や人体から発生する汗、水分がリューズパイプ23内へ進入するのを防ぐ効果があり、リューズパイプ23内の防水パッキン25の劣化を防ぐことができ、信頼性の高い防水性能を得ることができる。
また、水中で物が当たるなどによりリューズ22に大きな外力が加わった場合、リューズパイプ23の外周面とリューズツバ部24の隙間がないためガタつきが生じない。さらに、防水パッキン25、29の変形がないので、リューズ22が片側に寄ることなく、リューズパイプ27内の防水パッキン25は圧縮バランスを均等に保つことができ、したがって、腕時計内部に水が進入せず、信頼性の高い防水性能を得ることができる。
すなわち、防水パッキンに前記架橋構造を有するブチルゴムを用い、リューズツバ部にリューズパイプの外周面に圧接するように防水パッキンを新たに追加した構成とすることで、長期間使用した時計であっても、防水パッキンの変形がないため、リューズ操作を常にスムーズに行うことができる。また、水中で物に当たるなどしてリューズに大きな外力が加わっても、リューズパイプの外周面とリューズツバ部の内周面との隙間がないためガタつきが生じない。したがって、防水パッキンの均一な圧縮状態が保たれ、腕時計内部への水の進入を防ぐことができ、防水性に優れた腕時計を得ることができる。
本発明に係る炭素−炭素結合で形成される架橋構造を有するブチルゴムからなるパッキンを有する小型携帯機器は、耐水性および耐湿性が良好で、長期間使用してもパッキンの塑性変形が小さく、耐久性に優れ、優れた防水性能を長期間維持することが可能である。特に、長寿命電池または光を電気エネルギーに変換して動く太陽電池等を用いたムーブメント(モジュール)からなるロングライフ仕様腕時計または機械式腕時計において、防水ゴムパッキンの交換を不要とし、メンテナンスフリーを実現できる。また、市場からの強い要望であった超音波洗浄器等で洗える腕時計を提供することができる。
さらに、本発明に係る小型携帯機器は、小型携帯機器の構造と前記パッキンとの組み合わせにより、さらに長期防水性に優れた小型携帯機器とすることができる。
以下、本発明による実施例について、図面を基にさらに詳しく説明するが、本発明の範囲がこれらによって制限されるものではない。
(実施例1〜2)
図4および図5は、ゴムパッキンを有する外装部材を備えた防水構造の概略を説明した横断面図を示す。
なお、以下の説明では、図5に示すような腕時計外装部品の時計ケース本体4と裏蓋7との防水シール構造に使われる裏蓋Oリング1に焦点を絞って説明する。
原料ゴムとして塩素化ブチルゴム(JSR1068(商品名)、JSR(株)製)、加硫剤として酸化亜鉛、補強剤としてカーボンブラック、加硫促進剤としてジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(加硫促進剤EZ(商品名)、大内新興化学工業社製)を採用した。
まず、表1に示す配合処方に従って、実施例1〜2のそれぞれについて原料ゴムと各種配合剤を配合し、バンバリー式ミキサーまたは加圧型ニーダーを用いて混練りした。次に、酸化亜鉛、加硫促進剤を添加混合しながら、オープンロールを用いて所定の厚さに延ばして未加硫ゴムシートを作製した。次に、未加硫ゴムシートを所定の形状に裁断した後、実施例1〜2のそれぞれについてプレス成形機によって180℃で5〜10分間のプレス加硫を行い、図3に示した平面形状は環状で横断面1aが円形(線径1cは0.75mm)の腕時計用裏蓋Oリング1(内径1bは27.0mm)とJIS K6262に準拠した試験片(直径29.0mm、厚さ12.5mm)を作製した。
(比較例1〜3)
さらに、比較例として以下の通りのゴム材料を用いて、比較例1〜3のそれぞれについて、実施例の場合と同寸法の腕時計用裏蓋Oリング1とJIS K6262に準拠した試験片を、実施例の場合と同様に作製した。
(比較例1)
硫黄架橋したNBRゴム(アクリロニトリル含有量が36wt%)材料
(商品名:Nipol 1041、日本ゼオン株式会社製)
(比較例2)
硫黄架橋したIIRゴム材料。
(商品名:Butyl 365、日本合成ゴム株式会社製)
(比較例3)
硫黄架橋したEPDMゴム材料。
(商品名:M600、三井化学株式会社製)
実施例1〜2および比較例1〜3のゴム組成物からなるゴム加工物(腕時計用裏蓋OリングとJIS K6262に準拠した試験片)の各々について、以下の項目について評価した(試験数は各々10個ずつ)。試験結果を表2および図1に示す。

(JIS K6253で規定するゴム硬さ試験)
JIS K6253に準拠して、タイプAデュロメータ硬さ試験を行った。試験結果を表2に示した。
(JIS K6262で規定する圧縮永久ひずみ試験)
JIS K6262に準拠して、圧縮永久ひずみ試験を行った。試験条件は、80±1℃×72時間、試験片に与えるひずみは厚さの25%とした。試験は直径29mm、厚さ12.5mmの試験片を用いた。圧縮永久ひずみ試験とは、一定温度で一定時間圧縮させた後、圧縮力を除いて残留しているひずみ量を測定する試験である。なお、以下の通りの計算式に基づいて圧縮永久ひずみ率を求めた。(初期の厚み−試験後の厚み)÷(初期の厚み−試験中の圧縮ひずみを加えた状態での厚み)×100(%)。この場合、試験中の圧縮ひずみを加えた状態での厚みは一定で、初期の厚みの75%となる。試験結果は表2に示した。
(裏蓋Oリングの圧縮永久ひずみ試験)
JIS K6262で規定する試験方法を参考にして、裏蓋Oリングの圧縮永久ひずみ試験を行った。図3に示すように、裏蓋Oリングの横断面形状1aは円であり、外形寸法1cが76%になるまで厚さ方向に圧縮した状態で、80℃に加熱して圧縮永久ひずみ試験を始めた。試験開始の状態では、裏蓋Oリングのつぶし代は0.18mmであった(試験開始時のつぶし代=試験前の初期の厚みt0−圧縮ひずみを加えた状態での厚みt2)。この場合、試験中の圧縮ひずみを加えた状態での厚みt2は一定で、0.57mmであった。その後、所定時間(5日、10日、20日、30日)保持した後、圧縮力を解除して、常温に戻してから裏蓋Oリングの厚さt1を測定した。圧縮永久ひずみ率を求める計算式は前述した通りで、(試験前の初期の厚みt0−試験後の厚みt1)÷(試験前の初期の厚みt0−試験中の圧縮ひずみを加えた状態での厚みt2)×100(%)である。
この場合、試験中の圧縮ひずみを加えた状態での厚みt2は一定である。実施例1〜2および比較例1〜3のゴム材料からなる裏蓋Oリングの、長期加熱圧縮による圧縮永久ひずみの経時変化を図1に示した。なお、80℃×30日間の加速試験条件が、3年程度の腕時計の携帯期間に相当すると言われている。30日経過した後の圧縮永久ひずみ率は、実施例1が32%、実施例2が25%であるのに対して、比較例1は65%、比較例2は70%、比較例3は86%であった。
次に、残留ひずみを有した裏蓋Oリングが腕時計に組み込まれていると想定して、図2に裏蓋Oリングの圧縮永久ひずみ率と腕時計組み込み時のつぶし代との関係を示した(つぶし代=ある期間加熱圧縮させ、圧縮力を解除した後の裏蓋Oリングの厚みt1−圧縮ひずみを加えた状態での厚みt2)。この場合、圧縮ひずみを加えた状態での厚みt2は一定である。例えば、裏蓋Oリングの残留ひずみが全く無い初期状態で、圧縮永久ひずみ率が0%とすると、つぶし代は180μmとなる。また、裏蓋Oリングが多少硬化して塑性変形した状態で、圧縮永久ひずみ率が50%とすると、つぶし代は90μmとなる。ただし、前提条件は裏蓋Oリングの線径0.75mm、腕時計組み込み時の圧縮率を24%の設計値とした。さらに、腕時計組み込み時の裏蓋Oリングのつぶし代と10気圧防水性(腕時計を水中で10気圧の加圧を行い、時計内部への水の侵入を試験する)との関係について求めたところ、つぶし代50μm未満(圧縮永久ひずみ率が72%より大きい)で防水不良が発生し、つぶし代80μm以上(圧縮永久ひずみ率が55%以下)で防水性能は良好であった。つぶし代50μm以上80μm未満の範囲では防水不良が発生するものがあった。
したがって、実施例1〜2のゴム組成物からなる裏蓋Oリングは、80℃×30日間の長期加熱試験後の圧縮永久ひずみ率が55%以下であることから、裏蓋Oリングの塑性変形が小さく、防水構造において適切な接触応力を長期間保持できる。すなわち、このような裏蓋Oリングを備えた腕時計は、良好な防水性を長期間持続することができた。しかしながら、比較例1〜3のゴム組成物からなる裏蓋Oリングは、同条件での試験結果で、圧縮永久ひずみが55%、または72%を越えることから、このような裏蓋Oリングを備えた腕時計は、防水性を長期間維持できなかった。なお、圧縮永久ひずみが、0〜55%の場合をA、55%を超えて72%以下の場合をB、72%を超える場合をCとして評価し、表2に示した。
(透水試験)
さらに、実施例1〜2のゴム組成物からなる裏蓋Oリングと比較例1〜3のゴム組成物からなる裏蓋Oリングを備えた腕時計をそれぞれ10個用意し、50℃の温水に浸漬させて2日間放置した。次に、これらの腕時計を、表面が70℃に加熱したホットプレート上に並べて10分加熱後、風防ガラス面にスポイトを用いて水滴を滴下させ、30秒放置後拭き取った。その後、風防ガラス内面に生じる曇り(結露)の度合いを目視で判定し、評価した。
その結果、実施例1〜2、比較例2に示した腕時計は、10個全数が曇り発生なしで、非透水性能が良好であることが判った。これに対して、比較例1に示した腕時計は10個全数、比較例3に示した腕時計には10個中3個曇りが発生し、3分経過しても消失しなかった。
なお、前記評価は、10個全数について曇りの発生がない場合をA、曇りの発生数が1〜5個の場合をB、曇りの発生数が6〜10個の場合をCとして、表2に示した。
(透湿試験)
さらに、防水試験後の腕時計を分解乾燥させた後、実施例1〜2に示した腕時計と比較例1〜3に示した腕時計をそれぞれ10個ずつ温湿度の設定が65℃90%の高温高湿槽に投入して、5日間放置した。次に、この腕時計を、表面が70℃に加熱したホットプレート上に並べて10分加熱後、風防ガラス面にスポイトを用いて水滴を滴下させ、30秒放置後拭き取った。その後、風防ガラス内面に生じる曇り(結露)の度合いを目視で判定し、評価した。実施例1〜2および比較例2〜3に示した腕時計は、10個全数が曇り発生なしで、非透湿性能が良好であることが判った。これに対して比較例1に示した腕時計は、10個全数に曇りが発生し、3分経過しても消失しなかった。
なお、前記評価は、10個全数について曇りの発生がない場合をA、曇りの発生数が1〜5個の場合をB、曇りの発生数が6〜10個の場合をCとして、表2に示した。
(銀文字盤変色試験)
さらにまた、実施例1〜2のゴム組成物からなる裏蓋Oリングと比較例1〜3のゴム組成物からなる裏蓋Oリングをガラス板と銀文字盤との間に挟み込んで、スガ試験機社製サンシャインウェザーメーターを用いて、ガラス板上から光を照射して耐候性試験を行った。連続100時間照射した後、銀文字盤の変色の様子を評価したところ、実施例1〜2からなるOリングは銀文字盤の変色が無く、良好な結果を示した。これに対して比較例1〜3に示したOリングは、銀文字盤上に変色が発生した。比較例1〜3からなる裏蓋Oリングは架橋するために硫黄を含有しており、硫黄がアウトガスとなって悪影響したと考えられる。
なお、実施例のゴム組成物の配合は、特に限定することがなく、例えば補強剤としてカーボンブラックを用いた場合、カーボンブラックの配合比率(50〜150重量部)に応じて、ゴム硬さを調整できた。また、加硫促進剤を添加することで、ゴム組成物の加硫特性を高めることができた。
以上、表2および図1に示す結果から、実施例のゴム組成物からなるゴムパッキンを備えた腕時計の防水性能は、非透水性および非透湿性の初期特性が良好で、長期間使用してもその特性を維持できる。また、腕時計外装部材としての金属材料、例えば銀に対して、長期間使用しても変色等の問題が全く無くなった。
なお、前記評価は、変色のない場合をA、変色のあった場合をCとして、表2に示した。
図1は、裏蓋Oリングの加熱圧縮時間と圧縮永久ひずみ率との関係を示す図である。 図2は、裏蓋Oリングの圧縮永久ひずみ率と腕時計に装着された場合のつぶし代との関係を示す図である。 図3は、裏蓋Oリングの説明図である。 図4は、腕時計の部分断面図である。 図5は、腕時計用防水構造の概略を示す断面図である。 図6は、腕時計の部分断面図である。 図7は、腕時計の部分断面図である。

Claims (8)

  1. 下記式(1)
    で示される炭素−炭素結合で形成され、かつ硫黄を介在しない架橋構造を有した塩素化ブチルゴムに由来するブチルゴムからなるパッキンを有し、
    前記パッキン中のブチルゴムの含有量が、45.0重量%〜65.0重量%の範囲にあることを特徴とする小型携帯機器。
  2. 前記塩素化ブチルゴムが塩素を0.5〜4重量%含むことを特徴とする請求項1に記載の小型携帯機器。
  3. 前記パッキンが、前記塩素化ブチルゴム、加硫剤および補強剤を含む組成物から形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の小型携帯機器。
  4. 80℃、72時間、圧縮率25%時における前記パッキンの圧縮永久ひずみ(JIS K6262に規定する試験方法での測定値)が、15%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の小型携帯機器。
  5. 前記パッキンのゴム硬さ(JIS K6253で規定する試験方法での測定値)が、A50〜A65の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の小型携帯機器。
  6. 前記小型携帯機器が腕時計であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の小型携帯機器。
  7. 前記腕時計のムーブメントが、長寿命電池または太陽電池を用いたロングライフ仕様のムーブメント、または電池が不要である機械式仕様のムーブメントであることを特徴とする請求項6に記載の小型携帯機器。
  8. 前記小型携帯機器が小型携帯情報機器端末であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の小型携帯機器。
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