JP4964217B2 - ヒト免疫療法 - Google Patents

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Description

本発明は免疫療法剤に関し、詳しくは細菌菌体成分を有効成分として含有する癌および/または微生物感染症に対する免疫療法剤、およびそれを利用する新規な免疫療法に関する。
免疫療法剤とは一般に、患者の免疫機能を高めることで癌または感染症を処置するための、免疫学を応用した薬剤である。
従来の免疫学が脊椎動物以上の適応免疫(Adoptive immunity)に注目してきたのに対し、近代免疫学では自然もしくは基本免疫(Innate immunity)が注目され始め、最近になって基本免疫がより幅広く生物界全体に対応する防御機構として認識されるようになった(Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol., 54, 1-13, 1989. Cell, 91, 295-298, 1997)。リンパ節は、リンパ管とリンパ管との間に介在する末梢リンパ組織であり、皮膚、血球または血液を通して侵入した異物や体内でできた癌等を捕捉、処理し、リンパ球を活性化する免疫応答を担う組織である。
しかし、この様な免疫応答は必ずしもリンパ節のみで生ずるものでないため、リンパ節は生体において必要不可欠な組織であるとは考えられていなかった。他方、癌のリンパ節転移が癌患者にとって危険因子であることは周知の事実であり、そこで、従来は、リンパ節に癌転移があるか無いかで、その患者の予後に大きな差があることから、担癌組織を除去するとともに、積極的にリンパ節を切除するのが(リンパ節郭清手術)、癌手術の通例であった。
すなわち、リンパ節郭清手術は浮腫や運動不全など患者を悩ませる後遺症を残し、患者の「クオリティー・オブ・ライフ(QOL)」の点からリスクは決して軽くないことが知られているにもかかわらず、それは癌治療の代償としてやむを得ないと考えられ、外科手術の際にはリンパ節郭清手術を施すのが一般的である。
従来から行われているリンパ節郭清の意義は、危険因子となり得るリンパ節を除去すること、および手術を受けた癌患者のステージを明確に診断できることにある。一方、リンパ節郭清手術には、前述の浮腫等の種々の合併症を残すことが多いというデメリットがある。手術を行う医師にとっても、手術時間、手技などの負担が著しく大きくなる。さらに、本発明者は、リンパ節自体が基本−適応免疫(Innate-Adaptive Immunity)の接点として重要な組織であり、これを取り去り、かつリンパ節間をつなぐリンパ管が寸断されることにより患者全身における基本−適応免疫に著しく悪影響を及ぼすことが、リンパ節郭清手術の最大のデメリットであると考えた。このようなリンパ節の臨床上の重要性は、これまでの免疫学における知見では明らかにすることのできなかったことである。また、リンパ節腫脹が重症な場合には外科手術により担癌組織を切除しても無駄であると判断されることがある。このような場合のより良好な処置も本発明における課題となり得る。
さらに、癌患者は一般に、健康なヒトよりも感染症などに対する抵抗力が低下しており、特に外科手術を受けた直後や、化学療法、放射線療法等を実施している場合には、顕著に免疫力が低下する。このような感染症の予防および治療も、本発明における重要な課題である。
本発明者は、1974年以来、約1000例の癌患者に対して主に外科手術後に、細菌菌体成分であるBCG-CWS (BCGの細胞骨格成分)を用いた癌免疫療法を、他の化学療法等を併用することなく単独で実施し、その結果優れた治療効果が得られている(Proc. Japan Acad., 70, Ser. B, 205-209 (1994)、Proc. Japan Acad., 74, Ser. B, 50-56 (1998)、国際公開公報(WO98/39017)、Proc. Amer. Assoc. Cancer. Res., 39, 529, #3598 (1998)、およびBrit. J. Haematol., 102, 85, P-0334 (1998)等)。
本発明は、この細菌菌体成分を用いた免疫療法において、リンパ節を郭清することなく治療を行うことで、治療効果が著しく高まり、さらには感染症の予防および治療も可能となることを見出し、完成されたものである。本発明の免疫療法によりもはや癌のリンパ節転移は患者にとっての危険因子ではなくなる(病状悪化の危険性が著しく低下する)。本発明は、細菌菌体成分からなる医薬組成物を用いることによって、癌および/または感染症に対する効果の高い免疫療法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
[1] 癌および/または微生物感染症に罹患した患者のリンパ節において癌細胞または微生物を排除することを特徴とする、癌および/または微生物感染症を処置または予防するための、細菌菌体成分を有効成分として含有する医薬組成物、
[2] 癌細胞または微生物が、患者の皮膚のランゲルハンス細胞から活性化された樹状細胞により排除される、[1]記載の医薬組成物、
[3] 癌細胞または微生物が、患者のリンパ節内において該癌細胞または該微生物特異的な活性化T細胞により排除される、[1]記載の医薬組成物、
[4] 担癌組織を切除する外科手術と併行して投与される、癌を処置または予防するための、細菌菌体成分を有効成分として含有する医薬組成物であって、該外科手術がリンパ節を切除しない無郭清手術であることを特徴とする該医薬組成物、
[5] 外科手術の前に投与を開始する、[4]記載の医薬組成物。
[6] 微生物感染症の処置または予防のために使用される、細菌菌体成分を有効成分として含有する医薬組成物、
[7] 微生物感染症が、細菌感染症またはウイルス感染症である[1]〜[3]または[6]記載の医薬組成物、
[8] 細菌菌体成分がBCG−CWSである[1]〜[7]記載の医薬組成物、
[9] 細菌菌体成分を有効成分として含有する医薬組成物を投与することにより、癌細胞および/または微生物を、患者のリンパ節において排除することを特徴とする、癌または微生物感染症の処置方法、
[10] 担癌組織を切除する外科手術と併行して実施される、細菌菌体成分を有効成分として含有する医薬組成物を用いた癌の処置方法であって、該外科手術がリンパ節を切除しない無郭清手術であることを特徴とする処置方法;
に関するものである。
[発明の詳細な説明]
本発明者は、細菌菌体成分を用いた免疫療法による上記治療の過程において、患者に出現するリンパ節の腫脹に、主に以下のような3通りの類型があることを見出した。
(1)第1に、BCG-CWS投与により順調に経過してきた患者においてBCG-CWS接種後突然出現する、疼痛、発熱を伴うリンパ節(接種側の腋窩リンパ節)の腫脹(時に破れることもある)である。このリンパ節を組織化学的に調べてみると、典型的な慢性肉芽腫様炎症像を示し、Langhans巨細胞や類上皮細胞(epithelioid cell) の浸潤は、結核菌に感染したときに類似する。しかし、結核菌や癌細胞は存在せず、壊死像も見当たらない。細胞成分にも、活性化された樹状細胞およびT細胞は存在しない。従って、このタイプのリンパ節腫脹は殆ど治癒に近い状態の患者がBCG-CWSの接種に強く反応した場合に見られるもので、予後は常に良好である。
(2)第2に、手術前からBCG-CWS接種を始めた患者のリンパ節郭清手術により採取されたリンパ節である。このリンパ節を組織化学的に調べてみると、通常の担癌状態にある患者の転移のないリンパ節に見られる変化であり、活性化された状態の樹状細胞は僅かながらリンパ節に浸潤しており、癌細胞を迎え撃つ準備状態にあると考えられる。
(3)そして、最後に上記(2)と同様、手術前からBCG-CWS接種を始めた患者に見られるもので、一般には無痛性で、接種後1週間ほどして腋窩、頚部、鎖骨下、あるいは鎖骨上窩に出現する腫脹である。このリンパ節を組織化学的に調べてみると、最も普通に見られる癌転移のあるリンパ節の腫脹に見られる変化であり、リンパ節は完全に癌細胞に占められている。その間隙には多数の活性化された樹状細胞が入り込み、さらに特異な補助刺激分子CD28またはCD152やパーフォリンを細胞表面に持つ活性化T細胞が、癌細胞を取り囲んで攻撃するような形で存在し、一部の癌細胞は壊死状態になっている。該活性化T細胞は、このリンパ節内に存在する癌細胞に特異的な細胞傷害性T細胞 (CTL) と考えられ、このリンパ節という特殊な環境内で極めて効率よく癌細胞を根絶するということが明らかになった。しかもこの形のT細胞は末梢血には微量にしか出てこないので、リンパ節とリンパ節をつなぐリンパ管の役割もきわめて重要である。BCG-CWS接種後この様な反応が起こる場合、通常その患者の予後は良いが、既に遠隔転移のある場合は必ずしも良くない。
上記(1)〜(3)のリンパ節における反応で重要なことは、活性化T細胞は癌細胞がリンパ節に存在するときにしか出てこない点である。(2)では、確かに基本免疫のリーダーである活性化樹状細胞がある程度出現するが、T細胞の活性化には至っていない。従って、担癌生体での抗原としての癌細胞の摂取、処理、抗原提示、および抗原としての癌細胞の抹殺が一体どこで起こるのかは、これまで明らかでなかったが、今回はじめて癌患者でのリンパ節がその「場」を提供していることが明らかになった。また、産生されるキラーT細胞は、該リンパ節に存在する癌細胞に特異的なCTLであると考えられる。
以上の事実から、本発明者は、リンパ節は癌転移の「場」であると同時に、患者の生体防御システムが癌細胞を効率よく攻撃するための「場」でもあり、免疫療法においてはリンパ節の存在意義が非常に大きいと考えた。即ち、BCG-CWSによる免疫療法の作用メカニズムは以下のとおりである。
1.BCG-CWSを皮内投与することにより、ランゲルハンス細胞(Langerhans cell)が活性化樹状細胞に活性化される。
2.活性化樹状細胞がリンパ管経由で担癌組織の近傍リンパ節に移動する。
3.担癌組織の近傍リンパ節において、癌細胞の存在下でCD28あるいはCD152を表現するT細胞(CTL)が活性化される。
4.担癌組織の近傍リンパ節において、活性化されたT細胞が効率よく癌細胞を攻撃し、除去する。
5.活性化されたT細胞はリンパ管を介して担癌組織、および他のリンパ節へと移動し、癌細胞を攻撃、除去する。
上記のメカニズムは、BCG-CWSによる治療が、脳、骨および肉腫などリンパ節が存在しない器官における癌では有効性が低いという知見からも支持される。また、肺癌(非小細胞癌)を例としてその5年生存率を比較すると、ステージI、II、およびIIIまでは、他施設における、従来からの癌治療の生存率と比較して、BCG-CWSによる治療のほうが著しく高い。しかも、BCG-CWSによる治療によるステージIおよびIIの患者の5年生存率はほぼ同じであり、いずれも90%以上に達し、この事実は、BCG-CWS単独療法が、リンパ節転移の有(ステージII)、無(ステージI)とは無関係に効果があることを示すものである。一方で、ステージIVの患者の5年生存率が従来からの癌治療におけるものと変わらないのは、BCG-CWSを用いた単独免疫療法が遠隔転移に対しては効果が少ないことを示している。BCG-CWSを用いた単独免疫療法でのステージIIIの患者の5年生存率(61%)は、通常の癌治療における5年生存率(22%)よりも著しく高いものの、ステージIIにおける生存率よりも低下しているが、この理由も同様に遠隔転移と考えられる。以上の事実は前述のBCG-CWSを用いた免疫療法の上記メカニズムと矛盾しない。
癌ワクチンやアジュバント等を用いる癌免疫療法は、マウスなどの実験動物では有効であっても、ヒトにおいては必ずしも、明確な効果が得られていないのが現状である。一方本発明者は、多数のヒトにおける臨床データによって、はじめてBCG-CWSによる単独の免疫療法の有効性および、該免疫療法の上記メカニズムを、解明した。
以上より、本発明者は、BCG-CWSを用いた免疫療法においては、例え癌転移というリスクがあったとしても、リンパ節を郭清することなく治療を行うことで、治療効果が著しく高まると考えた。
また、一般に、癌患者においては、健康なヒトよりも感染症などに対する抵抗力が低下している。本発明者は、長年、BCG-CWSを用いた癌免疫療法を実施してきた過程で、該免疫療法を実施した患者においては、各種感染症に対する抵抗力が増強されていることを見出した。具体的には、BCG-CWSを用いた癌免疫療法において、2年以上生存した237例の患者で調べてみると、細菌感染では、一般細菌による肺炎および肺結核が各1例のみであった。また、ウイルス感染では、免疫療法実施前は年2−3回は必ず罹患していたインフルエンザや感冒にその後患者が罹患していないというデータも得られた。一方、C型肝炎については、該免疫療法実施前から罹患していた患者のC型肝炎ウイルスは消滅する様子は見られなかった。しかしながら、肝癌の新しい発生もなく、逆に既に存在する肝癌が徐々に改善する傾向があった。
さらに、外科治療時にメシチレン耐性ブドウ球菌(MRSA)に罹患した、肺癌および上顎癌の患者各1名は、各種抗生物質を使用したにもかかわらず、排菌されず、手術部位の炎症が続いていた。その後免疫療法を継続することにより、完全に排菌され、手術部位の傷も完治した。
これらの感染症への羅患は、通常、癌以外の患者、または健康なヒトでもある程度の確率で出現する。しかし、該免疫療法を実施した患者においては、有意に羅患率が低かった。
BCG-CWSを用いる癌免疫療法は、リンパ節において「異物」である癌細胞を効率よく攻撃することから、上述のメカニズムからも、癌細胞を細菌、ウイルスに置き換えた感染症においても、同様の治療効果および予防効果が期待できると考えた。上記の知見から、BCG-CWSを用いる免疫療法が、感染症の予防および治療にも有効であることが示された。
BCG-CWSを用いる免疫療法では、免疫賦活の異常亢進による自己免疫疾患の出現が危惧されたが、現在までに1例も見られなかった。
本発明の第1の態様は典型的には、細菌菌体成分を有効成分とする、無郭清手術と併せて使用される癌を処置または予防するための医薬組成物である。細菌菌体成分としては、微生物死菌や微生物由来のCWS、またはリポ多糖(LPS)等が挙げられる。微生物死菌の例としてはヒト型結核菌の死菌等が挙げられる。CWSの由来微生物としては、マイコバクテリア属、ノカルディア属、コリネバクテリア属等が挙げられる。中でも好ましいものとして、マイコバクテリア属ウシ型結核菌であるBCGおよびノカルディア・ルブラを挙げることができる。これらのCWSは、物理的に細菌を粉砕した後、除核酸、除タンパク、脱脂などの精製工程を経て不溶性残渣として得られ、具体的には、J. Nat. Cancer Inst., 52, 95-101(J1974)に記載された方法等によって調製される。
菌体成分の投与液の形態は、特に限定されるものではないが、油状物、界面活性剤、安定化剤等とのエマルションとして投与されることが好ましく、菌体成分の濃度は、0.1-10mg/mlであることが好ましい。ここで油状物は、Immunology,27, 311-329(1974)に記載されているような鉱物油、動植物油が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、バイオール、ドラケオール−6VR、スクワラン、スクワレン等が挙げられる。界面活性剤は医薬品製剤に使用される界面活性剤であれば特に限定されるものではない。例えば、リン脂質、非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。具体的には、ポリソルベート80、ポリソルベート20等が挙げられる。安定化剤としては、多糖類、単糖類、糖アルコール、アミノ酸、ポリアルコール、蛋白質、ウレア、塩化ナトリウム等が挙げられる。具体的には、セルロース、でんぷん、デキストラン、グリシン、プロリン、グルコース、マンニトール、アルブミン等が例示される。
本発明の医薬組成物は、ほとんどあらゆる癌に対して有効である。例えば、肺癌、胃癌、大腸癌、腎癌、乳癌、上顎癌、舌癌、咽頭癌、急性骨髄性白血病、膵臓癌、卵巣癌、子宮癌、前立腺癌等の癌の免疫療法剤として使用することができる。
本発明の有効成分の投与方法は、通常は皮内投与であり、即ち本発明医薬組成物は患者に接種される。
本発明の有効成分の投与量、投与スケジュール、および投与部位は特に限定されるものではないが、例えば、下記のものが挙げられる。すなわち、(i)感作期:BCG-CWS、200μgずつを、週1回の頻度で4回、皮内投与する。(ii)治療期:BCG-CWS、2〜200μgずつを4週間ごとに患者の生体反応に応じ適当量皮内投与する。(i)の感作を実施する時期としては、癌組織を切除する外科手術の前後どちらでも可能であるが、好ましくは、該外科手術前、約3週間〜約3ヶ月前より投与する。投与頻度および投与回数としては、初期(感作期)には、1〜2週に1回の間隔で、2〜4回投与されるのが好ましい。さらに好ましくは週1回の頻度で4回投与する。また、初期投与後の治療期には、好ましくは、4週に1回の間隔で継続投与するが、患者の状態によって、例えば2〜6ヶ月に1回程度まで間隔をあけることも可能である。治療期間は、患者の免疫能、免疫療法の効果、癌の進行度、再発の有無、遠隔転移の有無等、個々の例ごとに異なり、特に限定されないが、例えば2年〜10年間投与することができる。投与頻度および投与量は、患者の生体反応を見ながら、個人差に応じて幅を持たせながら設定することが重要である。投与部位は、通常上腕外側皮内に左右交互に皮内投与するが、より患部に近い部位を選ぶこともあり得る。
上記患者の生体反応としては、発赤、硬結、潰瘍形成などの皮膚反応、体温上昇、血中INF-γ濃度の上昇、リンパ球や顆粒球等の血球量等が挙げられ、接種量決定の指標となる具体的な生体反応については、国際公開WO98/39017、Proc. Japan Acad., 70, Ser. B, 205-209 (1994)、Proc. Japan Acad., 74, Ser. B, 50-56 (1998)、およびMolecular Medicine 臨時増刊号、36巻、「免疫1999-2000」、220頁〜229頁)等に記載されているものを用いることができる。
無郭清手術とは、リンパ節を切除しない癌における担癌組織除去手術を表す。ここで、免疫療法を有効に実施するためには、可能な限りすべてのリンパ節を残すことが好ましいが、検査目的で、あるいは癌の進行度に応じて、担癌組織近傍の一部リンパ節を除去してもよく、これも本発明における無郭清手術に含まれる。
この態様において、本発明は、細菌菌体成分の治療学的有効量を、無郭清手術を施されている患者に投与する癌免疫療法、癌の処置方法または予防方法も提供する。
本発明の第2の態様は、細菌菌体成分を有効成分として含有する、感染症を治療および予防するための医薬組成物である。感染症としては、細菌、またはウイルスによる感染症が挙げられる。細菌感染症としては、肺炎、結核、肺気腫、MRSA感染症等が挙げられる。ウイルス感染症としては、具体的には、感冒、インフルエンザ、B型肝炎等が挙げられる。また、C型肝炎の癌化を予防することも可能である。
この態様における対象患者としては特に限定はないが、例えば感染症に対する抵抗力が低下している患者が広く包含され、具体的には外科手術を受けた直後の患者、化学療法や放射線療法等が施されていた癌患者等が挙げられる。
医薬組成物の投与量、投与回数、投与頻度は、特に限定されないが、たとえば、BCG-CWS、5〜200μgずつを、1〜4週に1回の頻度で4回以上、投与することができる。投与量、投与回数、投与頻度は、患者の生体反応に応じて変えることが好ましい。
この態様において、本発明は、細菌菌体成分の治療学的有効量を、それを必要とする患者に投与、好ましくは皮内投与することを特徴とする、感染症の処置または予防方法も提供する。
以下、本発明の一例として、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
BCG-CWS接種液の調製
BCG-CWSは、文献記載の方法(Azumaら、J. Natl. Cancer. Inst. 52: 95-101(1974) )に従って調製できる。
BCG-CWS接種液は、文献記載の方法(Hayashi, A.; Proc. Japan Acad., 70, Ser. B (1994) )に準じて調製できる。すなわち、BCG-CWS粉末を20mlグラインダーチューブ( grinder tube )に入れ、これに26G注射針を用いてBCG-CWS1mgに対して1滴の割合で鉱物油(Drakeol-6VR; Pennsylvania Refining Co., Butler, U.S.A.)を加え、その後むらなくペースト状になるまでホモゲナイズする。これに、1.1%Tween80加生理食塩水を加え、ホモゲナイズする。BCG-CWSを含む小油滴の均一懸濁液は最終濃度1mg/mlである。このoil attached BCG-CWS懸濁液を60分で30分間殺菌する。
投与スケジュール
BCG-CWSは、常に単独接種が原則である。
投与スケジュールは、感作期と治療期に分けられる。感作期には通常200γのBCG-CWSを週1回、計4回上腕外側皮内に左右交互に投与する。次いで治療期には、4週おきに左右交互に投与を反復する。この治療期の投与量は、患者の生体反応により、20〜250γ、好ましくは25〜200γの範囲で決められる。
患者のリンパ節における所見
癌患者リンパ節の一部を外科手術においてサンプリングし、種々の免疫マーカーについて調べた。その結果を臨床所見とともにまとめた。
以下表中、(1)〜(3)は、それぞれ、上記(1)〜(3)で挙げたリンパ節の類型である。
(1)典型的な慢性肉芽腫様炎症像を示し、癌細胞は存在せず、壊死像も見当たらない。また、活性化された樹状細胞、および特異な補助刺激分子マーカーを持つT細胞も存在しない。従ってこのタイプのリンパ節腫脹は、殆ど治癒に近い状態の患者が、BCG-CWSの接種に強く反応した場合に見られるもので、予後は常に良好である。
(2)通常の担癌状態にある患者の転移のないリンパ節に見られる変化で、手術前からBCG-CWSを4回接種し、1ヶ月後に手術により採取したリンパ節の像である。活性化された状態の樹状細胞は僅かながらリンパ節に浸潤しており、癌細胞を迎え撃つ準備状態にあると考えられる。このリンパ節にも癌細胞は存在せず、通常予後は良好であるが、原発癌が残っていたり、遠隔転移がある場合は、予後は必ずしもよくない。
(3)典型的な、癌転移のあるリンパ節の腫脹に見られる変化で、手術前、または再発後にBCG-CWSを接種し、1週間前後で出現するリンパ腺腫である。リンパ節は完全に癌細胞に占められている。その間隙には多数の活性化された樹状細胞が入り込み、さらに特異な補助刺激分子、CD28またはCD152や、パーフォリンを細胞表面に持つ活性化T細胞が癌細胞を取り囲んで攻撃するような形で存在し、一部の癌細胞は壊死状態になっている。この活性化T細胞は、このリンパ節内に存在する癌細胞に特異的なCTLで、このリンパ節という特殊な環境内で極めて効率よく癌細胞を根絶する。BCG-CWS接種後この様な反応の起こる場合、通常その患者の予後はよいが、既に遠隔転移のある場合は必ずしも良くない。
Figure 0004964217
無郭清療法とBCG−CWS免疫療法の併用例
(1)症例1:60才、女性、
病名:卵巣癌(明細胞癌)、ステージIa(T1aNxMx)
子宮筋腫の外科手術を実施した際、右卵巣が手挙大に腫大していることが認められ、迅速標本で悪性像が見られなかったので、そのまま子宮および右卵巣の摘出手術を行った。術後、永久標本で悪性の明細胞癌であることが証明されたので、直ちに再手術し、リンパ節を切除(リンパ節郭清)する必要があるとの診断が下ったが、患者は免疫療法を希望して大阪成人病センターを受診した。患者の一般状態が極めて良く、手術直前の腫瘍マーカーCA125が120U/ml(正常値:35以下)、CA19-9が199U/ml(正常値:37以下)であったので、患者の意志を再確認した上で、上記腫瘍マーカーを指標として、手術後21日目より、BCG-CWSを用いる単独免疫療法を実施例2の投与スケジュールに従って開始した。その後の経過は極めて順調で、6年以上を経過した現在も完全に無病状態で上記腫瘍マーカーも正常値を維持している。
(2)症例2: 48才、女性。
病名:乳癌(乳頭腺管癌)、ステージII(T2aN1bM0)。
患者および家族同意の下に、BCG−CWSを用いる免疫療法を実施例2の投与スケジュールに従って、初めて外科手術に先行して実施した。治療開始後約1週間頃より突然、原発巣が約2割程度腫大すると共に、全く触知しなかった右腋窩に3〜4個、右頚部に2〜3個、および右鎖骨上窩に1個、いずれも豌豆大の無痛性の腫大リンパ節が出現した。その後、免疫療法開始後1ヶ月目にリンパ節を摘出せずに原発癌を切除する無郭清手術が実施され、原発癌(約4.5cm)と、新しく出現した腋窩リンパ節1個を摘出した。摘出したリンパ節は転移した癌細胞に満たされていたが、免疫染色では活性化された樹状細胞(CD1a、CD11c、CD40、CD80、およびCD86等の表面マーカー陽性)が浸潤し、同時に活性化されたT細胞(CD28、CD152マーカー陽性)が腫瘍細胞を包囲し、攻撃している像が得られた。その後は順調な経過をたどり、4年4ヶ月を経た現在、無病状態で健康である。
(3)症例3: 28才、女性。
病名:子宮頸癌(小細胞癌)、臨床的にはステージIb(T1bNxM0)
患者および家族同意の下で、手術前よりBCG-CWSを用いる免疫療法を実施例2の投与スケジュールに従って開始した。インターフェロンγの誘導陽性を確認後、免疫療法開始後38日目に子宮全摘、リンパ節無郭清手術を実施した。術後の経過は極めて順調で、当初6ヶ月と言われた生存期間もすぎ、1年10ヶ月を経た現在、無病状態である。
(4)症例4: 50才、女性。
病名:乳癌(浸潤性乳管癌、2a3硬癌)、ステージIIIa(T3NxM0)。
患者および家族同意の下、術前よりBCG-CWSを用いる免疫療法を実施例2の投与スケジュールに従って開始し、15日目に、外科手術にて、原発乳癌全摘、リンパ節無郭清手術を実施した。術後の経過は極めて順調で、1年7ヶ月を経た現在後遺症もなく、ほとんど無病状態である。
BCG−CWS免疫療法を実施している患者における感染症の頻度
現在まで、約30年間、BCG-CWS単独免疫療法を実施してきた結果、癌患者においては、一般的に免疫力が低下しているため、健康な人以上に感染症に罹患する可能性が高いにもかかわらず、感染症の発症例が著しく少ないことを見いだした。
すなわち、癌発病後2年以上生存している臨床症例237例のうち、医師による治療を必要とする感染症への罹患例は以下の表2のとおりである。細菌感染では、一般細菌による肺炎および肺結核が各1例のみであった。また、ウイルス感染では、免疫療法実施前は年2〜3回は必ず罹患していたインフルエンザや感冒にその後罹患していないというデータが得られた。一方、C型肝炎については、免疫療法実施前から罹患していたがその後もウイルスが消滅する様子は見られなかった。しかし、肝癌の新たな発生もなく、逆に既に存在する肝癌が徐々に改善する傾向があった。
Figure 0004964217
MRSA感染症が完治した症例
(1)症例1(56才、女性)
病名:上顎癌(扁平上皮癌)、ステージIII(T3bN0M0))。
上記疾患について、外科手術を行った後、左眼裂近くに、ろう孔形成が見られ、漏出液よりMRSAが検出された。抗生物質(クラビット、バンコマイシン、ハベカシン)を投与したが、ろう孔の閉鎖は完全ではなかった。術後6ヶ月からBCG-CWSを用いる免疫療法を実施例2の投与スケジュールに従って実施したところ、2−3ヶ月でろう孔は完全に閉鎖し、その後原発癌を含め再発は見られない。
(2)症例2(69才、男性)
病名:肺癌(腺癌)、ステージIb(T2N0M0))
1995年5月、上記疾患について、外科手術を行った。その後再発の疑い有りとの診断で、本人の希望で1998年3月よりBCG-CWSを用いる単独免疫療法を実施例2の投与スケジュールに従って開始した。その後、肺癌についてはほぼ治癒状態になったが2000年5月頃よりPSA値の上昇と前立腺癌の存在を指摘され、外科手術を受けた。術後できたろう孔からMRSA菌が検出され、抗生物質(セフゾン、ゲンタシン、バンコマイシン)にも抵抗性であった。BCG-CWSを用いる免疫療法を再開して2ヶ月後、菌も検出されなくなり、ろう孔も閉鎖した。
[考察]
癌の免疫療法剤として、微生物死菌、細菌の細胞壁骨格成分、ムラミルジペプチド(MDP)、リポ多糖(LPS)等の細菌菌体成分等からなる、BRM(biological response modifier, 生体反応修飾物質)と呼ばれる一連の物質がある。これらのうち、細菌の細胞壁骨格成分は、例えば実験的腫瘍系およびヒト癌の免疫療法において抗腫瘍活性を示すこと等が知られている。(Cancer Res., 33, 2187-2195(1973)、J. Nat. Cancer Inst., 48, 831-835(1972)、J. Bacteriol., 94, 1736-1745(1967)、Gann, 69, 619-626(1978)、J. Bacteriol., 92, 869-879(1966))。菌体成分としては、例えば生菌そのものであるBCG(Bacille Calmette-Guerin)菌を用いた癌免疫療法剤に関して、今まで多くの治療成績が蓄積されている。
例えば、特に1960年代の後半から、Mathe等が急性リンパ性白血病、Molton等がメラノーマにおけるBCG免疫療法剤の臨床上の効果を確認して以来、今日まで多くの報告が行われている。しかしその臨床成績としては、多くの場合、化学療法剤等との併用で補助的に用いられるに過ぎず、効果も十分ではなく、実際の臨床の現場では用いられることがなかった。BCG以外の細菌としては、C. parvum、Hemolytic streptococcus、OK432が用いられた。しかしながら、これらを用いた場合でも、BCG同様、有効、無効の報告例に分かれ、評価は未だ明確でない。
その後、BCG菌体を破砕して遠沈分画して得た細胞壁から調製された細胞骨格成分(cell wall skeleton, CWS)が免疫療法剤として使用され、副作用の回避や投与量、回数コントロールの改良が行われた。そして、阪大の山村らを中心に、BCG-CWS次いで、N. rubra-CWSによる無作為割付け法による治験が、肺癌、白血病、胃癌などで行われた。しかしながらその結果は、推計学的有意差のある生存期間の延長が見られるものの十分なものでなく、実用化には至らなかった。
一方、本発明者は1970年頃から癌免疫療法を化学療法等の従来からの癌治療と併用すること自体に疑問を抱き、癌細胞をできるだけ減らしてから、免疫療法を単独で実施した。その効果は予想以上で、従来にない優れた成績が得られた(Proc. Japan Acad., 74, Ser. B, 50-55, 1998)。これにより、BCG-CWSを用いる免疫療法が健全な免疫能を保持する患者にのみ有効であり、単独でもヒトの癌に直接効果があるという事実が明らかになった。従って、従来からの化学療法や放射線療法の免疫抑制効果は、該免疫療法本来の働きを完全に失活させていたということを示すものであった。またこの事実は、該免疫療法が進行度の高い癌患者に効果が低いという理由をも明確に説明する。即ち、進行度の高い患者では免疫能が極端に落ちており、本来免疫療法の対象にはならないということであり、ここに免疫療法の限界が存在する。
一方、従来の免疫学が脊椎動物以上の適応免疫に注目してきたのに対し、最近になって基本免疫がより幅広く生物界全体に対応する防御機構として認識されるようになった(Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol., 54, 1-13, 1989. Cell, 91, 295-298, 1997)。本発明者が見出したBCG-CWSを用いる単独免疫療法の癌患者に対する優れた臨床効果は、このような免疫学の新しい動きに対応するものであり、その意義は単に癌だけではなくより広くヒトに対する異物全体に通ずる基本的な生体防御システムと考えられる。
本発明は、細菌菌体成分を有効成分として含有する癌および/または微生物感染症に対する免疫療法剤であって、特に、癌治療において、リンパ節無郭清手術と組み合わせ、他の化学療法剤等を用いずに単独で使用することを特徴とする、患者の免疫力を高める上で優れた癌免疫療法剤に関する。
本発明により、従来のものよりも効果の大きい癌免疫療法、および各種感染症の免疫療法が可能になった。
本発明では、リンパ節を郭清しないことによる、癌患者にとっての危険因子である転移リンパ節を残す等のデメリットはあるものの、細菌菌体成分による免疫療法の効果は非常に大きく、前記デメリットはむしろ軽減されると考えられる。すなわち、リンパ節における基本−適応免疫が、完全に保持された健康な状態での免疫能がそのまま維持され再発が少なくなる。また、リンパ節につながるリンパ管が保持されることにより、リンパ管を介するリンパ節間のネットワークもそのまま維持される。さらに、リンパ節郭清に伴う後遺症、すなわち、浮腫、運動不全などはない。一方、医療者側も、外科手術が容易になる。

Claims (2)

  1. BCG−CWSを有効成分として含有する、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症を予防または治療するための医薬組成物。
  2. 癌に罹患した患者の、担癌組織を切除する外科手術後のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症を予防または治療するためのものである、請求項1記載の医薬組成物。
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