JPH10306029A - 細菌の菌体成分を有効成分とする癌免疫療法剤 - Google Patents

細菌の菌体成分を有効成分とする癌免疫療法剤

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JPH10306029A
JPH10306029A JP9367943A JP36794397A JPH10306029A JP H10306029 A JPH10306029 A JP H10306029A JP 9367943 A JP9367943 A JP 9367943A JP 36794397 A JP36794397 A JP 36794397A JP H10306029 A JPH10306029 A JP H10306029A
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cancer
patient
cws
bcg
immunotherapy
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Akira Hayashi
昭 林
Ichiro Azuma
市郎 東
Kumao Toyoshima
久真男 豊島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 免疫応答能のある患者に対する単独療法とし
て用いる新規癌免疫療法剤を提供する。 【解決手段】 皮内投与により、癌患者に血中インター
フェロン−γおよびCD28マーカーの増加を指標とす
る免疫応答能の誘導をもたらす、細菌の菌体成分を有効
成分とする単独療法用の癌免疫療法剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細菌の菌体成分を
有効成分とする癌免疫療法剤であって、特に、免疫応答
能のある患者に対して、単独療法用に用いられる新規な
癌免疫療法剤である。さらに詳しくは、インターフェロ
ン−γ(IFN−γ)等の誘導能を指標として免疫応答
能が陽性の患者の術後の転移を含む再発、または2次癌
の発生を抑制することを特徴とする新規な癌免疫療法剤
に関する。あるいは、IFN−γ等の誘導能を指標とす
る癌の単独免疫療法用の新規な免疫応答能の検定方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】癌の免疫療法剤の一つとして、細菌の菌
体成分を有効成分とする癌免疫療法剤が知られており、
特にBCG(Bacille Calmette-Guerin) 菌を用いての癌
免疫療法剤に関しては今まで多くの治療成績が蓄積され
ている。例えば、臨床における癌免疫療法に関しては特
に1960年代の後半から Mathe等が急性リンパ性白血病
で、Molton等がメラノーマでBCG免疫療法剤の効果を
確認して以来、今日まで多くの報告が行われている。し
かしその臨床成績として、推計学的に有意差検定(無作
為割付け法による対照群との生存率)されるようになっ
てからは、BCG癌免疫療法の無効例が増加している傾
向にあるので、BCG癌免疫療法そのものの有効性が疑
問視され、使用されるとしても多くの場合化学療法剤等
との併用で補助的に用いられるに過ぎなかった。また、
BCG以外の細菌としては、C.parvum、Hemolytic stre
ptococcus 、OK432 が用いられている。しかしながら、
これらを用いた場合でも、BCG同様、有効、無効の報
告例に分かれ、これらの評価もいまだ明確ではない。
【0003】そこで、近年になりBCG免疫療法剤にお
いては菌体を磨砕して遠沈分画して得た細胞壁から調製
された細胞骨格成分(cell wall skeleton, CWS)が使用
され、副作用の回避や投与量、回数コントロールの改良
が行われた。そして、阪大の山村らを中心に、BCG−
CWSついで N.rubra−CWSによる無作為割付け法に
よる治験が肺癌、白血病、胃癌などで行われた。しかし
ながら、その結果は、推計学的有意差のある生存期間の
延長が見られるものの、十分なものでなく、免疫療法と
しては否定的なものであった。そして、現在では、次の
ような評価が定評となっていると考えられる。「その成
果はすでに述べたように逆効果、無効、有意性なし、有
効と免疫療法の有効性を確定しうるような一定の方向性
がみられていないのが現状である。その原因はいろいろ
あろうが、免疫療法を補助療法として用いた群と用いな
かった群とで推計学的有意差を行うことに大きな原因が
あり、いわば直接の抗腫瘍効果を示さない免疫療法の限
界を暗示している。」(岩波講座、免疫科学7、移植免
疫と腫瘍免疫、1984年2/29発行、p302)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来の
BCG−CWSの癌免疫療法の在り方に疑問を抱き、そ
の療法の問題点を整理して、従来の療法が抗癌剤、放射
線などの強力な免疫抑制効果を持つ治療法と併用されて
きた点に着目した。BCG−CWSや N.rubra−CWS
等を用いる免疫賦活療法に対して、免疫抑制効果を持つ
化学療法を併用することは、それぞれの療法の特徴を相
殺するものであり、治療方法として矛盾したものである
と考えられた。そこで、BCG−CWSや N.rubra−C
WS等を用いる癌免疫療法の有効性を明らかにするため
には、免疫賦活を起こしやすい投与方法を確立すると共
に、免疫応答能が適切に存在する患者を選択することが
重要と考えられた。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、初
回治療後、化学療法等の治療と併用するのでなく、BC
G−CWSによる単独治療を試み、従来にない優れた成
績が得られることを見出した(Pro.Japan Acad.,70,Ser.
B 205-209(1994))。そして、治療を受けた患者の末梢血
の分析から、BCG−CWSの皮内投与により、明確な
IFN−γの誘導の見られた患者は、完全治癒例を含む
健康な状態で生存するが、IFN−γの誘導のない患者
は短期間で死亡することが分かった。さらに、本発明者
らは、BCG−CWSの接種に伴うIFN−γの誘導と
抗癌効果の関係を検討し、直接に関係することを見出し
ている(第54回癌学会総会記事、No.2411,1995年) 。
【0006】発明者らは、これらの知見に基づき、細菌
の菌体成分を有効成分とする癌免疫療法の単独療法を確
立することを目的として鋭意検討を行った。その結果、
本療法に好適な免疫応答能を保有する患者の識別のため
には、細菌の菌体成分の接種後の免疫応答能の指標とし
てIFN−γやG−CSFと共にCD28が適切である
ことを見出した。また、好適な免疫応答能を維持するた
めには、初回治療の療法によって大きい影響を受け、こ
の初回治療の療法選択が大きな意味を持つことを見出
し、これらのことより、本発明を完成した。
【0007】本発明で明らかとなった癌免疫療法の概要
を以下に説明する。BCG−CWS等を用いる免疫療法
は、当然のことではあるが免疫応答能のある患者にのみ
有効である。また、免疫応答能は初回治療の療法によっ
て大きい影響を受けることから、なるべく外科手術など
により出来るだけ癌細胞を取り除いた後、免疫応答能を
低下させると考えられるあらゆる薬剤、放射線などとの
併用を止め、BCG−CWS等の単独治療が原則であ
る。
【0008】BCG−CWS等の接種に伴い、その末梢
血の構成成分には、一過性の一連の変化が見出される。
その変化は次のように本免疫療法の有効性と密接に関連
している。 (1)免疫療法が有効であった患者の末梢血の構成成分
変化 接種後、約15〜約18時間をピークとして、細胞成分
としては白血球の増加、特に顆粒球の増加、リンパ球の
減少(約24時間持続)が見られる。サイトカインとし
ては、IFN−γの増加(約30時間持続)、G−CS
Fの増加(約1週間持続)が見られる。T細胞表面マー
カーとしては、CD28強陽性のリンパ球群の増加(約
4〜6週間持続)が見られた。 (2)免疫療法が無効であった患者の末梢血の構成成分
変化 上記の細胞成分、サイトカインおよびT細胞表面マーカ
ーはいずれにも変化が見られなかった。また、免疫療法
が有効であった患者の中で、上記の構成成分の項目内、
CD28について増加が見られなかった患者3例が見出
された。治療当初には、これらの患者は順調に回復、経
過したが、2年を過ぎた頃より2名に脳転移が出現し、
ともに死亡した。
【0009】このように、治療結果を予測させる免疫応
答能の指標としては、末梢血の構成成分の上記変化の中
で、IFN−γとCD28が有効なものであると考えら
れる。そこで、この免疫応答能に初回治療を含めた前治
療がいかに大きな影響を与えているかを、特に、IFN
−γの誘導能で確認し、次の知見を得た。 (1)化学療法や放射線療法などの免疫応答能に影響を
与える前治療を受けていない患者では、BCG−CWS
単独療法により約90%の患者にIFN−γの誘導が見
られた。 (2)化学療法や放射線療法などの免疫応答能に影響を
与える前治療を受けた患者では、BCG−CWSの単独
療法を行っても、約30%の患者にIFN−γの誘導が
見られるにとどまった。 (3)さらに、生存率に関しても次のように大差が見ら
れた。IFN−γが誘導され、陽性であった患者の約9
0%がBCG−CWS治療開始後6カ月以上生存してい
る。一方、IFN−γが誘導されなかった、陰性の患者
では、約20%がBCG−CWS治療開始後6カ月以上
生存するにとどまった。 以上のことから、BCG−CWS等の癌免疫療法として
は、なるべく外科手術などにより出来るだけ癌細胞を取
り除いた後、免疫応答能を低下させると考えられるあら
ゆる薬剤、放射線などとの併用を止め、BCG−CWS
等の単独治療が望ましいことが明らかとなった。
【0010】これらの知見に基づき、本発明の要旨は、
次のように示される。 (1)皮内投与により、癌患者に血中IFN−γおよび
CD28強陽性のリンパ球群の増加を指標とする免疫応
答能を誘導し得る細菌の菌体成分を有効成分とする、単
独療法用の癌免疫療法剤。 (2)次の患者に投与され、再発または2次癌の発生を
抑制することを特徴とする上記(1)記載の癌免疫療法
剤。 (a) 免疫能の低下を起こしていない患者であり、(b)
脳、肝臓、骨を含む遠隔転移を有しない患者。 (3)初回治療によって寛解導入または原発巣除去手術
を受けた癌患者に投与することを特徴とする上記(2)
記載の癌免疫療法剤。 (4)癌患者が固形癌を有する患者であり、初回治療が
外科手術であることを特徴とする、上記(3)記載の癌
免疫療法剤。 (5)癌患者が非固形癌を有する患者であり、初回治療
が化学療法であることを特徴とする、上記(3)記載の
癌免疫療法剤。 (6)癌のリンパ節転移を治療することを特徴とする、
上記(1)記載の癌免疫療法剤。 (7)患者が肺癌患者であることを特徴とする、上記
(1)記載の癌免疫療法剤。 (8)細菌の菌体成分を皮内投与された癌患者由来の血
液に含まれるIFN−γおよびCD28マーカーを測定
することからなる単独免疫療法の免疫応答能の検定方
法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の第1の態様は、細菌の菌
体成分を有効成分とする、単独療法用癌免疫療法剤であ
って、細菌の菌体成分としては、公知の抗腫瘍免疫アジ
ュバント(岩波講座免疫科学7、265 頁表5.2 、1984年
発行) であれば適用可能であり、例えば、好ましいもの
としてはBCG−CWS、 N.rubra−CWS等が挙げら
れる。なお、より好ましいものとしては、BCG−CW
Sが挙げられる。
【0012】本発明の単独療法用の癌免疫療法剤は、好
ましくは皮内投与により血中IFN−γおよびCD28
マーカーの上昇を指標とする免疫応答能を誘導された患
者に投与される。本発明の単独療法用癌免疫療法剤は非
特異的免疫療法剤であるため、ほとんどあらゆる癌に対
応し得ることができる。例えば、肺癌、胃癌、大腸癌、
乳癌、舌癌、咽頭癌、急性骨髄性白血病、膵臓癌、卵巣
癌等の癌の免疫療法剤として使用することができる。現
在までに181例の癌患者に本発明の単独療法用癌免疫
療法剤を使用したが、肺癌が最も多く75例であった。
それ以外に胃癌、大腸癌、乳癌などほとんどあらゆる癌
を含んでいた。本発明の第2の態様は、癌患者の中でも
本発明の癌免疫療法剤の好適な対象としては、次の患者
であることを示している。 (a) 免疫能の低下を起こしていない患者であり、(b)
脳、肝臓、骨を含む遠隔転移を有しない患者。
【0013】さらに、本発明の癌免疫療法剤を癌継続維
持療法として使用することにより、癌の転移を含む再発
または2次癌の発生を抑制できることを示している。本
発明の第3の態様は、初回治療によって寛解導入された
急性骨髄性白血病等の患者や外科手術により癌の原発巣
の除去手術を受けた癌患者に本発明の癌免疫療法剤を投
与することが好ましいことを示している。
【0014】本発明の第4の態様は、固形癌を持つ患者
に対して、外科手術により癌の原発巣をできるだけ削除
し、しかる後に本発明の癌免疫療法剤を単独で投与する
ことが好ましいことを示している。固形癌としては、肺
癌、胃癌、大腸癌等の癌を挙げることができる。好まし
いものとしては、肺癌を挙げることができる。
【0015】本発明の第5の態様は、非固形癌を持つ患
者に対して、初回治療として化学療法を用いて、寛解導
入したのち本発明の癌免疫療法剤を投与することが好ま
しいことを示している。非固形癌としては、白血病等が
挙げられる。好ましいものとしては、急性骨髄性白血病
が挙げられる。
【0016】本発明の第6の態様は、本発明の癌免疫療
法剤が癌の原発巣から癌が転移することを抑制すると共
に、リンパ節に転移した癌については特に有効であるこ
とを示している。免疫応答能のある患者、即ち、IFN
−γの誘導陽性の患者では明らかに効果が顕著であり、
かなり大きなリンパ節転移でも消失することが認められ
た。なお、転移の中でも、肝臓、脳、骨などにおいて、
免疫療法開始前にすでに、そこに転移しているもので
は、例えIFN−γの誘導陽性の患者でも効果は乏しい
ことが示されている。また、本発明の癌免疫療法剤、特
にBCG−CWS免疫療法剤がリンパ節転移に有効な理
由は、CTL(Cytotoxic T lymphocyte、各癌特異的に
作用)の活性化とCD28が直接関係するからであると
考えられる。すなわち、CD28量の上昇は、CD28
強陽性のリンパ球群の増加、すなわち癌特異的CTLの
活性化を意味する。
【0017】本発明の第7の態様は、本発明の癌免疫療
法剤が肺癌患者に対して用いられることを示している。
後述するように、最も症例数の多い肺癌患者について最
も詳細に本発明の癌免疫療法剤の効果が解析されてい
る。本発明の第8の態様は、本発明の癌免疫療法剤を投
与するに好適な患者の末梢血の検定方法である。具体的
な検定方法としては、例えば、IFN−γの誘導能の測
定法としては、BCG−CWSを100γあるいは20
0γ接種前および接種後の18時間目に採血し、末梢血
中のIFN−γの量を測定し、IFN−γの誘導能が陽
性か陰性かを判定する。なお、測定の時期としては、B
CG−CWSに対する免疫応答が誘発される感作期の第
4回目と治療期の第1回目が適切で、それにより免疫療
法の継続の当否を早期に判定することもできる。また、
末梢血中のリンパ球のうちCD28強陽性のリンパ球群
は、公知の方法、例えばフローサイトメトリー法によっ
て測定することができる。
【0018】さらに、本態様は、単に、初回治療に引き
続いて実施する癌継続維持療法として、単独免疫療法を
受けるにふさわしい担癌患者の検定方法にとどまらず、
免疫療法が不適切で他の治療法の必要性を評価検定する
方法ともなり得るものである。従って、IFN−γの誘
導能の高い患者には、外科的手術とBCG−CWSを用
いる単独免疫療法が好適であり、IFN−γの誘導能の
ない患者には他の治療法を早期に実施することができ
る。このようにして、初回治療に引き続き患者の免疫能
に応じた適切な治療計画が実施可能となる。
【0019】(BCG−CWS接種液の調製)BCG−
CWSは、文献記載の方法(Azumaら, J. Natl. Cancer
Inst. 52: 95-101 (1974))に従って調製できる。BC
G−CWS接種液は、文献記載の方法(Hayashi, A.; P
roc. Japan Acad., 70, Ser. B (1994))に準じて調製で
きる。すなわち、BCG−CWS粉末を5mlグラインダ
ーチューブ(grinder tube)に入れ、これに26G注射針
を用いてBCG−CWS1mgに対して1滴の割合で鉱物
油(Drakeol-6VR; Pennsylvania Refining Co., Butle
r, U.S.A.)を加え、その後むらなくペースト状になる
までホモゲナイズする。これに、1.1% Tween8
0加生理的食塩水を加え、ホモゲナイズする。BCG−
CWSを含む小油滴の均一懸濁液は最終濃度1mg/mlで
ある。このOil attached BCG−CWS懸濁液を60
℃で30分間殺菌する。
【0020】(接種スケジュール)BCG−CWSは、
常に単独接種が原則である。接種スケジュールは、感作
期と治療期に分けられる。感作期には通常200γのB
CG−CWSを週1回、計4回上腕外側皮内に左右交互
に接種する。次いで治療期には4週おきに左右交互に接
種を反復する。この治療期の投与量は、患者の生体反応
により、10から250γ、好ましくは25から200
γの範囲で決められる。
【0021】(投与量決定の指標となる生体反応)投与
量決定の指標となる生体反応は局所的生体反応と全身的
生体反応に分けられる。 (1)局所的生体反応 主に注射局所の皮膚反応が挙げられる。具体的には発
赤、硬結、さらには潰瘍形成である。また、局所リンパ
節の腫脹、すなわち注射局所から所属リンパ節に至るリ
ンパ管炎およびリンパ節炎も局所的生体反応として希に
起こることがあるが、いずれも一過性である。 (2)全身的生体反応 患者自身の感受性と接種量との関係で、以下のごとき一
過性の過剰反応を訴えることがあるが、減量により症状
を軽減することができる。 臨床症状:全身倦怠感、発熱、食思不振、時に悪心、嘔
吐である。 臨床検査:白血球増加症、C反応性タンパク(CRP)
上昇、時に軽度のGOT、GPT上昇である。 上記局所的、全身的生体反応のみられない患者には、B
CG−CWSによる免疫療法の効果は期待できない。
【0022】(IFN−γ誘導能の測定)IFN−γ誘
導能を測定することによって、BCG−CWSによる免
疫療法の効果を予測することができる。本測定は、感作
期の4回目(S4)と治療期の1回目(T1)に実施す
る。それぞれ、BCG−CWS接種前および接種後18
時間目に採血し、末梢血中のIFN−γを測定する。B
CG−CWS接種により、IFN−γ量が35pg/ml以
上増加した場合、IFN−γ誘導能は陽性と判断され
る。 (CD28誘導能の測定)上記と同様にCD28誘導能
を測定することによって、BCG−CWSによる免疫療
法の効果を予測することができる。BCG−CWS接種
前および接種後18時間目に採血し、末梢血中のリンパ
球のうちCD28強陽性のリンパ球群の増加を測定す
る。 (BCG−CWSを用いる癌免疫療法の臨床効果) (1)リンパ節に転移した癌については特に有効であ
る。ただし、リンパ節転移の有無とは無関係に著明な臨
床効果が認められる。 (2)特定の癌というよりは広い範囲の癌に対して同じ
ように効果を示す。BCG−CWSは基本的なヒト生体
防御機構を介して強い抗癌効果を示し、完全治癒に至ら
せる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一例として実施例により本発
明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例
によりなんら限定されるものではない。実施例1 長期生存例 (第1例)長期生存例の第1例は典型的な急性前骨髄性
白血病患者である。大阪大学第3内科の外来患者で、完
全寛解導入後に単独免疫療法を始めるために大阪府立成
人病センターに移された。図1に示されるように、化学
療法により比較的簡単に寛解導入されたが、PSK(ク
レスチン)の治験に組み込まれていた等の問題があり、
BCG−CWS単独の免疫療法が不規則になり、約1年
半で再発した。その後、化学療法を反復することなく、
本格的なBCG−CWS単独療法を開始したところ約3
週間でアウエル小体(Auer body)は完全に消失し、そ
の後、再発もなく22年を経た現在、健康で普通の生活
を送っている(図1参照)。BCG−CWS単独療法に
より、再発した急性前骨髄性白血病が完全に治癒した初
めての例である。
【0024】(第2例)第2例は、長期生存固形癌(大
腸癌)患者の例で、72才の女性であった。腸閉塞で発
病し、外科手術、術後の化学療法を実施しながら経過を
見て居たところ、一旦順調に低下してきたCEA(癌胎
児性抗原:carcinoembryonic antigen)が再び上昇し始
め、同時に癌性腹膜炎を併発してきた。この患者に、B
CG−CWSによる単独免疫療法を始めたところ、腹水
は消失し、CEAは完全に正常化し、2度と出現するこ
とはなかった。この患者は、15年生存し、87才で死
亡した。
【0025】(第3例)長期生存例の第3例は急性骨髄
性白血病患者である。寛解導入に成功後、すぐBCG−
CWSによる単独免疫療法を始めることができ、その後
再発もなく、20年になろうとしている現在、健康であ
る。
【0026】(第4例)第4例は、肺癌(大細胞癌)の
女性患者である。外科手術が可能であったので手術を実
施し、BCG−CWSの単独免疫療法により、6年後の
現在も健康であり、後に免疫療法の効果判定の指標であ
るIFN−γ発見のきっかけとなった患者である。
【0027】実施例2 BCG−CWS接種に伴う生物学的指標の経時変化 BCG−CWS接種後の患者から血液を採取し、測定可
能な約12種類のサイトカインを通常のELISA法に
より、測定した。その結果、G−CSF、IL−6およ
びIFN−γの3種類が末梢血に出現することがわかっ
た。図2は100γのBCG−CWSを皮内接種した後
の生物学的指標の経時変化を示す。図2Aは末梢血中サ
イトカイン量(G−CSF、IL−12、IFN−γ)
を示し、図2Bは末梢血中の血液細胞数(白血球、赤血
球、血小板)を示し、図2Cは末梢血中の白血球数(顆
粒球、リンパ球、単球)を示す。BCG−CWS接種
後、約15〜約18時間をピークにG−CSF、IFN
−γが、特にIFN−γが著明に誘導されたがIL−1
2は出現しなかった。同時に、白血球増加症(leukocyt
osis)と血小板減少症(thrombocytopenia)、さらに顆粒
球増加症(granulocytosis)とリンパ球減少症(lympho
penia)が出現した。印象的なことは、IFN−γが約3
0時間でほどんど消失することであった(図2参照)。
【0028】実施例3 BCG−CWS単独で治療された患者のIFN−γ誘導
試験および予後に対する免疫抑制療法の影響 現在までに117名の患者についてIFN−γ誘導テス
トを実施することができた。その結果を、BCG−CW
Sの単独免疫療法を開始する前に抗癌剤や放射線のよう
な免疫抑制的に働く治療を受けたか、受けていないかに
分けて解析した。図3のように、IFN−γ陽性率は免
疫抑制治療を受けたグループでは約3割と低く、免疫抑
制治療を受けないグループでは約9割と高かった。これ
らIFN−γ陽性者は免疫抑制治療とは関係なく、約9
割がBCG−CWS治療開始後6ケ月以上生存してい
た。一方、IFN−γ陰性者は逆に生存者が少なく、約
2割がBCG−CWS治療開始後6ケ月以上生存するに
とどまった。この結果は、患者の免疫力に対する抗癌剤
や放射線の影響がいかに大きいかを示すものであって、
BCG−CWSを抗癌剤や放射線療法と併用せず単独で
用いることが好ましいことを示すものである。
【0029】実施例4 BCG−CWS単独免疫療法により治療した癌患者 現在までに181例の患者に単独免疫療法を実施した
が、図4に示すように肺癌が最も多く75例、以下胃
癌、大腸癌、乳癌などはほとんどあらゆる癌を含んでい
る。進行度(ステージ:stage)別では、IV期が最も多
い(図4)。
【0030】実施例5 原発性肺癌患者に対する術後単独免疫療法の影響 最も症例数の多い原発性肺癌(非小細胞肺癌)につい
て、外科手術後にBCG−CWSによる単独免疫療法を
受けた患者と、1988年から1989年に大阪府立成
人病センターで外科手術を受けた歴史的(historical)
コントロールの経過をそれぞれKaplan−Meye
r法により解析し、得られた生存曲線を比較した(図
5)。その結果、BCG−CWSによる単独免疫療法は
進行度I、II、IIIを通してすべて生存しており、
特に進行度IIIでは、明らかにかつて報告されたこと
のないほど大きな有意差が得られた(Log-Rank法でp=0.
0009、Wilcoxon法でp=0.0012)。
【0031】実施例6 BCG−CWSによる単独免疫療法を実施している原発
性肺癌患者 肺癌患者のBCG−CWSによる単独免疫療法例におい
て、外科手術可能例と不能例を比較した(図6)。手術
可能例において、前述の進行度I、II、IIIと比較
して進行度IVで強いて手術した例は予後が悪く、約8
割が死亡した。さらに、手術不能例では、進行度II
I、IV、特にIVが圧倒的に多く、予後も非常に悪か
った。これらの患者の大部分は、抗癌剤や放射線療法の
ため免疫力が極端に低下した患者が多いため、免疫療法
の対象にならないものが多く、またIFN−γ誘導が認
められた患者でも、脳、肝、骨などへの遠隔転移を有す
る患者ばかりであった。
【0032】実施例7 リンパ節転移に対する治療効果例 肺癌(大細胞癌)患者の症例(男性)において、頚部リ
ンパ節に転移したため、このリンパ節転移に対し放射線
療法を実施したが大きな効果がなかった(図7、放射線
療法後、免疫療法前のCTスキャン写真の模写図参
照)。本患者に対し、BCG−CWSによる癌免疫療法
を実施したところ、治療開始してから6ヶ月後に頚部リ
ンパ節の腫大がほぼ消失した。治療開始後約1年半にお
いても頚部リンパ節の腫大は認められなかった(図8、
免疫療法後のCTスキャン写真の模写図参照)。
【0033】実施例8 BCG−CWS接種に伴う末梢血構成成分の変化と免疫
療法の有効性との関係 BCG−CWSの接種に伴い、その末梢血の構成成分に
は、一過性の一連の変化がみいだされた。その変化は次
のように本免疫療法の有効性と密接に関連していた。 (1)免疫療法が有効であった患者の末梢血の構成成分
変化 免疫療法が有効であり、現在健康な状態で生存している
患者6例において、BCG−CWS接種後、約15〜約
18時間をピークとして、細胞成分としては白血球の増
加、特に、顆粒球の増加、リンパ球の減少(約24時間
持続)がみられ、サイトカインとしては、IFN−γの
増加(約30時間持続)、G−CSFの増加(約1週間
持続)がみられた。T細胞表面マーカーとしては、CD
28の増加(約4〜約6週間持続)がみられた。図9に
は、BCG−CWS免疫療法が有効であり、現在健康な
状態で生存している患者のうち1例の末梢血のco−s
timulatory signal CD28の経時変
化が示されている。
【0034】CD28を含むT細胞表面マーカーの測定
に用いた試料および方法は次の通りである。 1.試料:リンパ球;通常の方法により、EDTA加全
血にFicoll Plaque(ファルマシア社製)
を加えて精製し、調製後2時間以内に使用した。抗体;
CD28に対するモノクローナル抗体は生化学工業より
購入し、CD46に対するモノクローナル抗体は、大阪
成人病センター研究所で調製したものを使用した。 2.フローサイトメトリー:精製したリンパ球を該モノ
クローナル抗体とインキュベートし、通常の方法で洗
浄、固定後、Epics Profile II(コール
ター社製)により解析した。
【0035】図10は、前記の免疫療法が有効であった
患者6例のうち4例(S.H.、Sa.H.、E.
T.、K.O.)および他の有効例3例(Su.H.、
H.D.、N.U.)につき、BCG−CWS接種前お
よび接種後のCD28マーカーを比較した結果を示す。
IFN−γの増加などの上記の項目のうち、図10に示
すようにCD28マーカーの増加が認められなかった患
者3例(Su.H.、H.D.、N.U.)はいずれも
順調に経過したが、2年を過ぎた頃2例に脳転移が出現
し、2例ともに死亡した。残る1例は3年を経た現在も
健康である。 (2)免疫療法が無効であった患者の末梢血の構成成分
変化 免疫療法が無効であった患者1例においては、上記の細
胞成分、サイトカイン(特にIFN−γ)およびT細胞
表面マーカー(特にCD28)のいずれにも変化がみら
れず、経過は良くない。
【0036】実施例9 リンパ節転移に対する治療効果例 副腎皮質癌患者の症例(男性)において、腹腔内の癌を
外科手術により摘出した。手術してから約3年後、腹腔
内のリンパ節転移が確認され、2回にわたり摘出された
が、初回手術から約4年後、またも新しい腹腔内リンパ
節転移がみいだされた(図11、CTスキャン写真の模
写図参照)。本患者に対し、BCG−CWSによる癌免
疫療法を実施した。BCG−CWSを200μgずつ1
週間間隔で左右交互に上腕皮内に4回接種し、その後は
100μgを4週間間隔で接種した。治療開始後4週間
でIFN−γが強く誘導されることを確認した。治療開
始から2カ月の時点ではまだリンパ節転移巣がはっきり
と認められた(図12、CTスキャン写真の模式図参
照)。治療開始から3カ月経つと、リンパ節転移巣は著
しく縮小し、癌転移リンパ腫の空洞化が認められた(図
13、CTスキャン写真の模式図参照)。この時点で、
縮小したリンパ節転移巣を外科手術により摘出し、組織
切片の標本を作製し、病理的解析を加えた。その結果、
癌のリンパ節転移巣における変化として、マクロファー
ジ、樹枝細胞の浸潤、HLA−DRの増加とともに著明
なT細胞の浸潤が認められ、癌細胞の壊死、崩壊がみら
れた。このことは、癌特異的キラーT細胞が関与してい
る可能性が高いことを示している。
【0037】
【発明の効果】化学療法や放射線療法とは異なり、次の
ような利点を有する癌免疫療法剤が提供される。 (1)治療効果の質が良く完全治癒が見込まれ、長期生
存例でも転移を含む再発や2次癌の発生がみられない。 (2)何よりも経費が安い。 (3)この治療法は分類するとnon-specific active im
munotherapyになるが、ほとんどあらゆる癌に対応する
ことができ、患者体内では癌に対して特異的に働くキラ
ー細胞が作られていると考えられる。 (4)皮膚の傷を除いてQOL(quality of life)は
高い。 (5)IFN−γおよびCD28をマーカーとして治療
効果をかなり正確に評価することができ、効果が期待で
きなければ他の方法に転換が可能。 (6)操作はきわめて簡単で、計算上は1人の医師が約
500人の癌患者と同時進行で治療することも可能。 (7)現在実用化されている膀胱癌に対するBCG生菌
と違い、結核感染の心配が全くなく、注射局所への混合
感染もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 BCG−CWSの単独免疫療法を受けた急性
前骨髄性白血病患者の臨床経過を示す。
【図2】 100γのBCG−CWSを皮内接種した後
の生物学的指標の経時変化を示す。測定時期は、接種前
及び接種後18時間、42時間、7日、15日、21
日、28日である。図2Aは末梢血サイトカイン量(G
−CSF、IL−12、IFN−γ)を示し、図2Bは
末梢血中の血液細胞数(白血球、赤血球、血小板)を示
し、図2Cは末梢血中の白血球数(顆粒球、リンパ球、
単球)を示す。
【図3】 BCG−CWS単独で治療された患者のIF
N−γ誘導試験および予後に対する免疫抑制療法の影響
を示す。図中の「免疫抑制治療」とは、BCG−CWS
免疫療法前の化学療法および/または放射線療法であ
る。IFN−γ誘導試験の結果は、感作期の4回目(S
4)あるいは治療期の1回目(T1)に得られた結果で
ある。生存あるいは死亡は、BCG−CWS免疫療法開
始後、6カ月の時点で判定した。
【図4】 BCG−CWS単独免疫療法により治療した
癌患者数を癌の種類別に示したものである。
【図5】 原発性肺癌(非小細胞肺癌)について、外科
手術可能で外科手術後BCG−CWSによる単独免疫療
法を受けた患者の生存曲線と、1988年から1989
年に大阪府立成人病センターで外科手術を受けた歴史的
コントロールの生存曲線とを比較した図である。有意差
検定の結果は、進行度Iでは、Log-Rank法でp=0.2287、
Wilcoxon法でp=0.2313、進行度IIでは、Log-Rank法で
p=0.2037、Wilcoxon法でp=0.2115であり、進行度III
では、Log-Rank法でp=0.0009、Wilcoxon法でp=0.0012で
あった。
【図6】 BCG−CWSによる単独免疫療法を実施し
ている原発性肺癌患者において、外科手術可能例と外科
手術不能例を比較した図である。
【図7】 頚部リンパ節に転移を有する、肺癌(大細胞
癌)患者の症例において、このリンパ節転移に対し放射
線療法を実施した後、かつBCG−CWSによる癌免疫
療法前の頚部CTスキャンの写真の模写図である。
【図8】 頚部リンパ節に転移を有する、肺癌(大細胞
癌)患者の症例において、BCG−CWSによる癌免疫
療法を開始して約1年半後の頚部CTスキャンの写真の
模写図である。
【図9】 BCG−CWS免疫療法が有効であり、現在
健康な状態で生存している患者において、100γのB
CG−CWSを皮内接種した後の末梢血の構成成分の経
時変化、特にco−stimulatory sign
al CD28の経時変化を示す。測定時期は、接種前
および接種後18時間、42時間、1、2、3、4、
5、および6週間である。図9Aはリンパ球表面マーカ
ー量(CD28およびCD46)を示し、図9Cは末梢
血中の白血球数(顆粒球、リンパ球、単球)を示す。
【図10】 BCG−CWS免疫療法が有効であった患
者7例において、100γのBCG−CWSを皮内接種
した後のco−stimulatory signal
CD28マーカーの変化を示す。測定時期は、接種前お
よび接種後18時間である。4例(S.H.、Sa.
H.、E.T.、K.O.)にCD28マーカーの上昇
が認められた。
【図11】 腹腔内リンパ節転移を有する、副腎皮質癌
患者の症例において、BCG−CWSによる癌免疫療法
を開始する前(1997年4月18日)の腹部CTスキ
ャンの写真の模写図である。矢印はリンパ節転移部を示
す。
【図12】 腹腔内リンパ節転移を有する、副腎皮質癌
患者の症例において、BCG−CWSによる癌免疫療法
を開始して2ヶ月後(1997年7月15日)の腹部C
Tスキャンの写真の模写図である。矢印はリンパ節転移
部を示す。
【図13】 腹腔内リンパ節転移を有する、副腎皮質癌
患者の症例において、BCG−CWSによる癌免疫療法
を開始して3ヶ月後(1997年8月21日)の腹部C
Tスキャンの写真の模写図である。矢印はリンパ節転移
部を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 昭 大阪府吹田市津雲台3丁目9番5号 (72)発明者 東 市郎 北海道札幌市南区真駒内上町5丁目3番2 号 (72)発明者 豊島 久真男 大阪府大阪市都島区中野町5丁目13番3− 1404号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮内投与により、癌患者に血中IFN−
    γおよびCD28強陽性のリンパ球群の増加を指標とす
    る免疫応答能を誘導し得る細菌の菌体成分を有効成分と
    する、単独療法用の癌免疫療法剤。
  2. 【請求項2】 次の癌患者に投与され、再発または2次
    癌の発生を抑制することを特徴とする請求項1記載の癌
    免疫療法剤。 (a)免疫能の低下を起こしていない癌患者であり、
    (b)脳、肝臓、骨を含む遠隔転移を有しない癌患者。
  3. 【請求項3】 初回治療によって寛解導入または原発巣
    除去手術を受けた癌患者に投与することを特徴とする請
    求項2記載の癌免疫療法剤。
  4. 【請求項4】 癌患者が固形癌を有する患者であり、初
    回治療が外科手術であることを特徴とする、請求項3記
    載の癌免疫療法剤。
  5. 【請求項5】 癌患者が非固形癌を有する患者であり、
    初回治療が化学療法であることを特徴とする、請求項3
    記載の癌免疫療法剤。
  6. 【請求項6】 癌のリンパ節転移を治療することを特徴
    とする、請求項1記載の癌免疫療法剤。
  7. 【請求項7】 患者が肺癌患者であることを特徴とす
    る、請求項1記載の癌免疫療法剤。
  8. 【請求項8】 細菌の菌体成分を皮内投与された癌患者
    由来の血液に含まれるIFN−γおよびCD28マーカ
    ーを測定することからなる単独免疫療法の免疫応答能の
    検定方法。
JP9367943A 1997-03-07 1997-12-26 細菌の菌体成分を有効成分とする癌免疫療法剤 Pending JPH10306029A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000058728A1 (fr) * 1999-03-26 2000-10-05 Uno, Akitane Moyen d'examen precoce de tumeur maligne
CN100341574C (zh) * 2005-07-08 2007-10-10 中国药科大学 红色奴卡氏放线菌细胞壁骨架用于治疗肝脏疾病的新用途
JP2009102332A (ja) * 2001-07-19 2009-05-14 Akira Hayashi ヒト免疫療法
JP2012521549A (ja) * 2009-03-24 2012-09-13 トランジェーヌ、ソシエテ、アノニム 患者をモニターするためのバイオマーカー

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