以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態に係るアクセスポイント情報交換システム(以下、「AP情報交換システム」と称する。)の構成と動作とを示す概念図である。本実施の形態に係るAP情報交換システムは、通信端末20aと通信端末20b(以下、これらを総称して、通信端末20と称する。)とを含む。本実施の形態の場合、通信端末20は、インターネットプロトコルに従って通信する携帯電話として実現される。本実施の形態の場合、通信端末20は、アクセスポイント30を介してインターネットに接続できる。通信端末20は、アクセスポイント30を介してインターネットに接続できる通信端末であるかぎり、どのような機器として実現されてもよい。たとえば、通信端末20は、携帯型オーディオプレーヤとして実現されてもよいし、ポータブルDVD(Digital Versatile Disc)プレーヤとして実現されてもよい。
ユーザによって持ち歩かれた通信端末20は、定期的に電波を送信する。この電波は、要求情報を示す。本実施の形態において、「要求情報」とは、応答を要求することを示す情報を意味する。通信端末20は、他の通信端末20が送信した電波を要求情報の送信の合間に検出する。この電波は、応答情報を示す。本実施の形態において、「応答情報」とは、要求情報に対する応答と、その応答を返信した通信端末20の識別情報とを示す。電波が検出されると、通信端末20は、その電波の強度が閾値を超えているか否かを判断し、閾値を超えている場合、アクセスポイント30の位置や電波強度などを示す情報(本実施の形態において、この情報を「AP情報」と称する。)を交換できるか否かの判断を行なう。AP情報が交換できると判断した場合、通信端末20は、応答情報を送信した通信端末20と、AP情報を交換するための処理を実施する。AP情報を交換できるか否かの判断や、AP情報を交換するための処理については後述する。
図2は、本実施の形態に係る通信端末20の構成を示す図である。本実施の形態に係る通信端末20は、AP通信部40と、近接通信部42と、キー操作部44と、マイク46と、スピーカ48と、ヘッドホン50と、音声処理部52と、表示部54と、メモリ56と、制御部58と、GPS(Global Positioning System)通信部60とを含む。
AP通信部40は、アクセスポイント30と通信する。AP通信部40による通信は、WiFi(Wireless Fidelity、登録商標)に準拠する。アクセスポイント30は、ネットワーク32を介してサーバ34と通信する。サーバ34は、ネットワーク32を介して電話機36や他の通信端末20と通信する。これにより、通信端末20のユーザは電話機36のユーザや他の通信端末20のユーザと通話することができる。なお、そのための具体的な方法は周知なので、ここではその詳細な説明は繰返さない。
近接通信部42は、他の通信端末20と直接通信する。本実施の形態の場合、近接通信部42は、アクセスポイント30を介してサーバ34と通信することがない。近接通信部42が他の通信端末20と通信するためのプロトコルは、AP通信部40がアクセスポイント30と通信するためのプロトコルとは異なる。なお、本実施の形態において、通信端末20同士が直接行なう通信を「近接無線通信」と称する。本実施の形態において、この通信が、アクセスポイント30と通信端末20との間の通信よりも近距離で行なわれるため、この通信を「近接無線通信」称する。
キー操作部44は、ユーザの操作に応じて信号を生成することにより、ユーザの指示や情報の入力を受付ける。
マイク46は、音声を電気信号に変換する。これにより、マイク46は、ユーザの音声を受付けることとなる。
スピーカ48は、音声を示す電気信号を音声に変換する。これにより、スピーカ48は、音声を出力することとなる。
ヘッドホン50は、マイク46およびスピーカ48とは別に、ユーザの音声を電気信号に変換し、音声を示す電気信号を音声に変換する。
音声処理部52は、マイク46やヘッドホン50が出力した電気信号を制御部58などが利用できる信号に変換する。また、音声処理部52は、制御部58などが出力した信号をスピーカ48やヘッドホン50が利用できる信号に変換する。
表示部54は、電気信号の入力があるとその電気信号に応じた情報を表示する。これにより、表示部54は、その電気信号が示す情報を表示する装置として動作することとなる。
メモリ56は、情報を記憶する。本実施の形態の場合、メモリ56が記憶する情報の一種に、上述したAP情報と、地図データがある。
地図データは、地図画像を示す画像データと、関係情報とを含むデータである。関係情報とは、その地図画像における座標と、その座標が示す現実の地点の緯度および経度との関係を示すデータである。地図画像における座標が示す現実の地点の位置は、必ずしも緯度および経度によって示されるものでなくてもよいが、本実施の形態においては、緯度および経度によって示されることとする。
制御部58は、CPU(Central Processing Unit)により実現され、通信端末20の各部を制御する。また、制御部58は、各種の演算や検索などを行なう。
GPS通信部60は、GPS衛星38から、衛星の軌道を示す情報と時刻を示す情報とを受信する。なお、図1には図示していないが、GPS通信部60は、複数のGPS衛星38からそれらの情報を受信する。
AP通信部40は、AP変調部70と、AP復調部72と、信号測定部74とを含む。
AP変調部70は、制御部58などが出力した信号を、AP通信部40に設けられたアンテナが送信するための信号に変調する。AP復調部72は、そのアンテナが受信した信号を、制御部58などが利用できる信号に復調する。信号測定部74は、AP復調部72が復調した信号の強度(厳密には、その信号の通信に用いられる電波の強度)を測定する。本実施の形態においては、電波をいったん電気信号に変換し、その電気信号の電圧を測定し、測定値を電波の強度とみなす。このため、本実施の形態における電波の強度の単位は「V」である。
近接通信部42は、近接変調部80と、近接復調部82と、信号測定部84とを含む。
近接変調部80は、制御部58などが出力した信号を、近接変調部80に設けられたアンテナが送信するための信号に変調する。近接復調部82は、そのアンテナが受信した信号を、制御部58などが利用できる信号に復調する。信号測定部84は、近接復調部82が復調した信号の強度(厳密には、その信号の通信に用いられる電波の強度)を測定する。
図3は、本実施の形態にかかる制御部58の機能ブロック図である。本実施の形態に係る制御部58は、自端末位置情報取得部90と、登録制御部92と、AP位置情報処理部94と、情報合成部96と、表示制御部98と、遮断制御部100と、時刻検出部102と、全体シーケンス制御部104とを含む。
自端末位置情報取得部90は、自らの位置を示す情報を取得する。本実施の形態の場合についてより具体的に説明すると、自端末位置情報取得部90は、GPS通信部60が受信した情報に基づき、自らの位置(緯度および経度)を算出する。その位置を算出するための具体的な手順は周知なので、ここではその手順については説明しない。
登録制御部92は、次に述べる3種類の情報を対応付けて記憶するように、メモリ56を制御する。その第1の情報は、自端末位置情報取得部90が算出した、自端末位置情報取得部90自身の位置を示す情報である。なお、本実施の形態においては、自端末位置情報取得部90が算出した、自端末位置情報取得部90自身の位置を示す情報を、「位置情報」と称する。登録制御部92の制御によりメモリ56に記憶されるのは、アクセスポイント30の識別IDが受信されたとき作成された位置情報である。第2の情報は、前述した第1の情報が作成される直前に受信された(つまり、第1の情報の作成のトリガとなった)アクセスポイント30の識別IDである。第3の情報は、そのアクセスポイント30の識別IDが受信されたとき検出された時刻を示す情報である。
AP位置情報処理部94は、メモリ56に記憶されたAP情報の選択やその検索などを行なう。本実施の形態において、「AP情報」とは、登録制御部92の制御によりメモリ56に記憶された情報と、遮断制御部100の制御によりメモリ56に記憶された情報との総称である。
AP位置情報処理部94は、AP位置情報選択部120と、AP位置情報追加部122とを含む。
AP位置情報選択部120は近接通信部42を制御する。この制御により、近接通信部42は、位置情報と、その位置情報に対応付けて記憶されたアクセスポイント30の識別IDとを、他の通信端末20に対して送信する。本実施の形態の場合には、位置情報のうち、検出された時刻との差が閾値を下回る時刻(つまり、検出された時刻までの経過時間が閾値を越えていない時刻)に対応付けられた情報と、それに対応付けられている識別IDとが送信の対象となるが、送信の対象となる位置情報と識別IDとをこれに限らなくともよい。
AP位置情報追加部122は、他の通信端末20からAP通信部40が受信した位置情報とそれに対応付けて送信されたアクセスポイント30の識別IDとを対応付けて記憶するように、メモリ56を制御する。
情報合成部96は、地図画像を作成する。その地図画像は、アクセスポイント30の位置とその通信範囲とを示す。
情報合成部96は、地図情報選択部110と、表示情報選択部112と、座標算出部114と、位置表示データ作成部116と、変更部118とを含む。
表示情報選択部112は、自端末位置情報取得部90が位置情報を作成したことを条件として、メモリ56が記憶した位置情報のうち、作成された情報が示す位置との距離が閾値を下回る位置を示す情報を選択する。
座標算出部114は、表示情報選択部112が選択した位置情報とメモリ56に記憶された関係情報とに基づいて、作成される地図画像における通信端末20自身(厳密には自端末位置情報取得部90)の座標を算出する。
位置表示データ作成部116は、位置表示データを作成する。本実施の形態において、「位置表示データ」は、時刻検出部102が検出した時刻とAP通信部40が受信した時刻との差に応じた形態の画像を示す。
位置表示データ作成部116は、形態選択部124と、データ作成部126とを含む。形態選択部124は、時刻検出部102が検出した時刻とAP情報に含まれた情報が示す時刻との差に応じて、地図画像においてアクセスポイント30として表示される画像の形態を選択する。そのための画像データは、メモリ56に記憶されている。データ作成部126は、形態選択部124が選択した形態を示す画像データ(位置表示データ)を作成する。本実施の形態においては、データ作成部126は、形態選択部124が形態を選択するために用いた画像データを、電波の強度を示す情報(AP情報に含まれている)に基づいて改変する。この改変の結果、その画像は、電波の強度に応じて拡大されたり縮小されたりする。
地図情報選択部110は、作成される地図画像の元となる画像データを、メモリ56に記憶された画像データの中から選択する。
変更部118は、座標算出部114が算出した座標に対応する部分を、位置表示データの内容に変更する。
表示制御部98は、情報合成部96が作成した画像を表示するように表示部54を制御する。
遮断制御部100は、アクセスポイント30とAP通信部40との間の通信が遮断されたとき作成された位置情報と、そのアクセスポイント30の識別IDとを対応付けて記憶するように、メモリ56を制御する。
時刻検出部102は、時刻を検出する。本実施の形態の場合、時刻検出部102は、CPUに内蔵されたRTC(Real Time Clock)により実現される。
全体シーケンス制御部104は、アクセスポイント30およびサーバ34を介した通話その他の制御を行なう。
図4は、本実施の形態にかかるアクセスポイント30の構成を示す図である。本実施の形態にかかるアクセスポイント30は、有線通信部150と、無線通信部152と、記憶部154と、制御部156とを含む。
有線通信部150は、ネットワーク32を介してサーバ34と通信する。無線通信部152は、通信端末20と無線通信する。記憶部154は、端末データベースを記憶する。本実施の形態において、端末データベースとは、無線通信部152が通信中の通信端末20に関する情報(通信端末20の識別情報など)のデータベースである。制御部156は、アクセスポイント30の各部を制御する。
制御部156は、通信制御部160と、端末認証部162とを含む。通信制御部160は、有線通信部150による通信と無線通信部152による通信とを制御する。端末認証部162は、通信端末20からログインがあったときに認証処理(この場合、ログインのために予め定められた情報が送信されたか否かを判断する処理を意味する。)を行なう。また、端末認証部162は、認証処理の際に無線通信部152が受信した情報を端末データベースの一部として記憶するように記憶部154を制御する。
図5を参照して、通信端末20で実行されるプログラムは、AP情報の取得に関し、以下のような制御を実行する。
ステップS200にて、アクセスポイント30の通信制御部160は、電波を用いて自らの識別IDを繰返し送信するように無線通信部152を制御する。通信端末20の登録制御部92は、次に述べる2つの要件が満たされたか否かに基づき、アクセスポイント30を検出したか否かを判断する。第1の要件は、AP復調部72が復調した信号がその識別IDを示すことである。第2の要件は、信号測定部74によって測定された、識別IDを示す電波の強度(なお、この強度を示す情報は、強度が測定された際に時刻検出部102が検出した時刻を示す情報と共に、登録制御部92に出力される)が、予め定められた閾値を越えていることである。この他の要件に基づいてアクセスポイント30を検出したか否かを判断してもよいことは言うまでもないが、本実施の形態においてはこれらの要件が満たされたか否かに基づき、アクセスポイント30を検出したか否かが判断される。アクセスポイント30を検出したと判断した場合(ステップS200にてYES)、処理はステップS202へと移される。もしそうでないと(ステップS202にてNO)、処理はステップS200へと戻される。
ステップS202にて、自端末位置情報取得部90は、メモリ56に予め記憶されたフラグの値に基づき、アクセスポイント30にその所在を示す情報(この情報が受信されたとき、この情報は位置情報として扱われる)を要求するか否かを判断する。メモリ56に記憶されたフラグの値が、アクセスポイント30に位置情報を要求するよう指示するものであった場合、自端末位置情報取得部90は、アクセスポイント30に位置情報を要求すると判断する。所在を示す情報を要求すると判断した場合(ステップS202にてYES)、処理はステップS204へと移される。もしそうでないと(ステップS202にてNO)、処理はステップS206へと移される。
ステップS204にて、登録制御部92は、所在を示す情報を要求することを示す信号をAP変調部70に出力する。AP変調部70は、その信号をアンテナが送信できる信号に変調し、アンテナに出力する。アンテナは、アクセスポイント30に対し変調された信号を送信する。アクセスポイント30の無線通信部152は、その信号を受信する。無線通信部152は、その信号を復調し、通信制御部160に出力する。通信制御部160は、記憶部154から自らの所在を示す情報(本実施の形態の場合、この情報は、アクセスポイント30の位置を緯度と経度とで示すこととする)を読出し、無線通信部152に出力する。無線通信部152は、それらの情報を示す信号を変調し、通信端末20に送信する。通信端末20のAP通信部40のアンテナは、その電波を受信し、AP復調部72に出力する。AP復調部72は、その信号を復調し、登録制御部92に出力する。登録制御部92は、ステップS200にて受信された識別IDと、タイプ(「タイプ」については後述する)を示す値と、ステップS200にて信号測定部74により測定された電波の強度を示す情報と、ステップS200にて検出された電波の強度の測定の時刻を示す情報と、アクセスポイント30の所在を示す情報とを対応付けてメモリ56に記憶させる。本実施の形態においては、このステップにおいてメモリ56に記憶された情報を「AP位置情報(0)」と称する。AP位置情報(0)は、AP情報の一種である。
ステップS206にて、自端末位置情報取得部90は、GPS通信部60が複数のGPS衛星38から軌道と時刻とを示す情報を受信するのを待受ける。GPS通信部60は、それらの情報を受信すると、それらの情報を自端末位置情報取得部90に出力する。自端末位置情報取得部90は、予め定めた時間(この時間は通信端末20の設計者が任意に設定する時間である)の間にGPS通信部60がそれらの情報を出力したか否かに基づき、GPS通信部60がGPS衛星38からそれらの情報を受信したか否かを判断する。GPS衛星38からそれらの情報を受信したと判断した場合(ステップS206にてYES)、処理はステップS208へと移される。もしそうでないと(ステップS206にてNO)、処理は終了する。なお、GPS通信部60がそれらの情報を出力した場合、自端末位置情報取得部90は、GPS通信部60が出力した情報に基づき、自らの位置を算出する。
ステップS208にて、自端末位置情報取得部90は、自らが算出した自らの位置を示す情報を登録制御部92に出力する。登録制御部92は、その情報が取得されると、ステップS200にて受信された識別IDと、タイプを示す値と、ステップS200にて信号測定部74により測定された電波の強度を示す情報と、ステップS200にて検出された電波の強度の測定の時刻を示す情報と、自端末位置情報取得部90が算出した位置を示す情報とを対応付けてメモリ56に記憶させる。本実施の形態においては、このステップにおいてメモリ56に記憶された情報を「AP位置情報(1)」と称する。AP位置情報(1)は、AP情報の一種である。
ステップS210にて、遮断制御部100は、アクセスポイント30との接続が切断されたか否かを判断する。本実施の形態の場合、遮断制御部100は、予め定められた期間(この期間は通信端末20の設計者が予め定めた期間である)信号測定部74が出力した信号の強度が閾値を下回り続けているとき、アクセスポイント30との接続が切断されたと判断する。アクセスポイント30との接続が切断されたと判断した場合(ステップS210にてYES)、処理はステップS212へと移される。もしそうでないと(ステップS210にてNO)、処理はステップS210へと戻される。
ステップS212にて、自端末位置情報取得部90は、GPS衛星38から軌道と時刻とを示す情報をGPS通信部60が取得したか否かを判断する。本実施の形態の場合、その情報を取得したか否かの判断基準は、ステップS206と同様である。その情報を受信したと判断した場合(ステップS212にてYES)、処理はステップS214へと移される。もしそうでないと(ステップS212にてNO)、処理は終了する。
ステップS214にて、自端末位置情報取得部90は、自らが算出した自らの位置を示す情報を登録制御部92に出力する。登録制御部92は、その情報が取得されると、ステップS200にて受信された識別IDと、タイプを示す値と、ステップS200にて信号測定部74により測定された電波の強度を示す情報と、ステップS200にて検出された電波の強度の測定の時刻を示す情報と、自端末位置情報取得部90が算出した位置を示す情報とを対応付けてメモリ56に記憶させる。本実施の形態においては、このステップにおいてメモリ56に記憶された情報を「AP位置情報(2)」と称する。AP位置情報(2)は、AP情報の一種である。
図6および図7を参照して、通信端末20で実行されるプログラムは、AP情報の交換に関し、以下のような制御を実行する。
ステップS220にて、近接通信部42のアンテナは、受信した電波を電気信号に変換し、近接復調部82に出力する。近接復調部82は、その信号を復調し、信号測定部84に出力する。信号測定部84は、その信号に基づき、近接通信部42のアンテナが受信した電波の強度を測定する。信号測定部84は、その強度を示す情報をAP位置情報選択部120に出力する。AP位置情報選択部120は、信号測定部84が出力した情報に基づき、他の通信端末20が近接したか否かを判断する。信号測定部84が出力した情報が示す信号の強度が閾値を超えているとき、AP位置情報選択部120は、他の通信端末20が近接したと判断する。他の通信端末20が近接したと判断した場合(ステップS220にてYES)、処理はステップS222へと移される。もしそうでないと(ステップS220にてNO)、処理はステップS220へと戻される。
ステップS222にて、近接復調部82は、近接通信部42のアンテナが出力した電気信号を復調し、AP位置情報選択部120に出力する。AP位置情報選択部120は、近接復調部82が出力した情報に基づき、他の通信端末20から近接無線通信の確立を要求されたか否かを判断する。近接無線通信の確立を要求されたと判断した場合(ステップS222にてYES)、処理はステップS240へと移される。もしそうでないと(ステップS222にてNO)、処理はステップS224へと移される。
ステップS224にて、AP位置情報選択部120は、近接変調部80に対し信号を出力する。この信号は、近接無線通信の確立を要求することを示す。この信号の送信先は、ステップS220にて近接したと判断された通信端末20である。近接変調部80は、その信号を変調し、近接通信部42のアンテナに出力する。近接通信部42のアンテナは、その信号に応じて電波を放射する。
ステップS226にて、近接通信部42のアンテナが近接無線通信の確立に応じることを示す信号を受信すると、近接復調部82は、その信号を復調し、AP位置情報選択部120に出力する。AP位置情報選択部120は、その信号が出力されると、その信号の送信元である通信端末20との通信を確立するため、各種の処理を行なう。これにより、その通信端末20との間で、近接無線通信が確立される。
ステップS228にて、AP位置情報選択部120は、近接変調部80に信号を出力する。この信号は、AP情報の交換を要求することを示す。近接変調部80は、その信号を変調し、近接通信部42のアンテナに出力する。近接通信部42のアンテナはその信号に応じて電波を放射する。これにより、近接無線通信が確立された通信端末20に対しAP情報の交換を要求する旨の情報が送信されることとなる。なお、通信を確立するためのその他の処理は周知なので、ここではその詳細な説明は繰返さない。
ステップS230にて、近接通信部42のアンテナは、電波を受信する。近接復調部82は、その電波が示す信号を復調し、AP位置情報選択部120に出力する。この信号が、HP情報の交換に応じることを示すとき、AP位置情報選択部120は、予め時刻検出部102が検出した時刻を読み出した上で、メモリ56に記憶されたAP情報(位置情報とアクセスポイント30の識別IDとがその一種である)から、送信の対象となる情報を選択する。送信の対象となるのは、AP情報のうち、その中に含まれた情報が示す時刻と時刻検出部102から読み出された時刻との差が閾値を下回るものである。
ステップS232にて、AP位置情報選択部120は、自らが選択したAP情報を示す信号を近接変調部80に出力する。近接変調部80は、その信号を変調し、近接通信部42のアンテナに出力する。近接通信部42のアンテナは、その信号に応じた電波を放射する。これにより、近接無線通信を確立した通信端末20に対し、AP情報が送信されることとなる。
ステップS234にて、近接通信部42のアンテナは電波を受信し、その電波に応じた信号を近接復調部82に出力する。近接復調部82は、その信号を復調し、AP位置情報追加部122に出力する。AP位置情報追加部122は、受信したAP情報をメモリ56に記憶させる。これにより、それまでメモリ56に記憶されていなかったAP情報の追加記憶が行なわれる。また、本実施の形態の場合、AP位置情報追加部122は、メモリ56に記憶されたAP情報の更新を行なう。更新の対象となるAP情報は、次の2つの要件を示すものである。第1の要件は、近接通信部42が受信したAP情報と同一のアクセスポイントの識別IDを含むというものである。第2の要件は、AP情報として含まれた情報が示す時刻を比較したとき、近接通信部42が受信したAP情報のものが示す時刻よりも前(つまり過去)を示すことである。更新の対象となったAP情報は削除され、その代わりに近接通信部42が受信したAP情報がメモリ56に記憶される。
ステップS236にて、AP位置情報選択部120は、近接変調部80に信号を出力する。この信号は、近接無線通信を遮断することを示す。近接変調部80は、その信号を変調し、近接通信部42のアンテナに出力する。近接通信部42のアンテナは、その信号に応じて電波を放射する。これにより、近接無線通信を遮断するための情報が、近接無線通信を行なっている通信端末20に送信されることとなる。その後、近接通信部42が遮断に応じることを示す情報を受信し、AP位置情報選択部120にその旨を出力すると、AP位置情報選択部120は、通信を遮断するための必要な処理を行ない、通信を遮断する。なお、通信を遮断するためのその他の処理は周知なので、ここではその詳細な説明は繰返さない。
ステップS240にて、近接通信部42のアンテナは、他の通信端末20から電波を受信し、その電波に応じた信号を出力する。近接復調部82は、その信号を復調し、AP位置情報選択部120に出力する。AP位置情報選択部120は、その情報が近接無線通信の確立を要求することを示す場合、必要な処理を行ない、近接無線通信を確立する。なお、通信を確立するためのその他の処理は周知なので、ここではその詳細な説明は繰返さない。
ステップS242にて、近接通信部42のアンテナは近接無線通信を確立した通信端末20から電波を受信する。近接復調部82は、その電波が示す信号を復調し、AP位置情報選択部120に出力する。AP位置情報選択部120は、その信号がAP情報の交換を要求するものであるとき、近接変調部80に対し、信号を出力する。この信号は、AP情報の交換に応じることを示す。近接変調部80は、その信号を変調し、近接通信部42のアンテナに出力する。近接通信部42のアンテナは、その信号に応じた電波を放射する。これにより、近接無線通信が確立された通信端末20に対して、AP情報の交換に応じることを示す情報が送信されることとなる。
ステップS246にて、近接通信部42のアンテナは電波を受信し、その電波に応じた信号を近接復調部82に出力する。近接復調部82は、その信号を復調し、AP位置情報選択部120に出力する。この信号は、AP情報を示す。AP位置情報追加部122は、受信したAP情報をメモリ56に記憶させる。これにより、それまでメモリ56に記憶されていなかったAP情報の追加記憶が行なわれる。また、本実施の形態の場合、AP位置情報追加部122は、メモリ56に記憶されたAP情報の更新を行なう。更新の対象となるAP情報は、次の2つの要件を示すものである。第1の要件は、近接通信部42が受信したAP情報と同一のアクセスポイントの識別IDを含むというものである。第2の要件は、AP情報として含まれた情報が示す時刻を比較したとき、近接通信部42が受信したAP情報のものが示す時刻よりも前(つまり過去)を示すことである。更新の対象となったAP情報は削除され、その代わりに近接通信部42が受信したAP情報がメモリ56に記憶される。
ステップS248にて、AP位置情報選択部120は、AP位置情報選択部120は、予め時刻検出部102が検出した時刻を読み出した上で、メモリ56に記憶されたAP情報(位置情報とアクセスポイント30の識別IDとがその一種である)から、送信の対象となる情報を選択する。送信の対象となるのは、AP情報のうち、その中に含まれた情報が示す時刻と時刻検出部102から読み出された時刻との差が閾値を下回るものである。AP情報が選択されると、AP位置情報選択部120は、信号を近接変調部80に出力する。その信号は、AP位置情報選択部120が選択したAP情報を示す。近接変調部80は、その信号を変調し、近接通信部42のアンテナに出力する。近接通信部42のアンテナは、その信号に応じて電波を放射する。これにより、近接無線通信が確立された通信端末20に対し、AP情報が送信されることとなる。
ステップS250にて、近接通信部42のアンテナは、電波を受信し、その電波に応じた信号を近接復調部82に出力する。近接復調部82は、その信号を復調し、AP位置情報選択部120に出力する。AP位置情報選択部120は、その信号が近接無線通信の遮断の要求を示すとき、次に述べる2つの処理を行なう。その第1の処理は、近接変調部80に信号を出力する処理である。この信号は、近接無線通信の遮断に応じることを示す。近接変調部80は、その信号を変調し、近接通信部42のアンテナに出力する。近接通信部42のアンテナは、その信号に応じて電波を放射する。第2の処理は、近接無線通信を遮断するための必要な処理を行なうことである。なお、通信を遮断するための具体的な処理は周知なので、ここではその詳細な説明は繰返さない。
図8を参照して、通信端末20で実行されるプログラムは、地図画像の表示に関し、以下のような制御を実行する。
ステップS260にて、地図情報選択部110は、メモリ56にAP情報が記憶されているか否かを判断する。AP情報が記憶されていると判断した場合(ステップS260にてYES)、処理はステップS262へと移される。もしそうでないと(ステップS260にてNO)、処理は終了する。
ステップS262にて、GPS通信部60は、GPS衛星38からの情報を待受ける。自端末位置情報取得部90は、予め定められた期間にGPS通信部60がその情報を出力したか否かに基づき、GPS衛星38からの情報が受信されたか否かを判断する。GPS通信部60が情報を受信したと判断すると(ステップS262にてYES)、処理はステップS264へと移される。もしそうでないと(ステップS262にてNO)、処理は終了する。
ステップS264にて、自端末位置情報取得部90は、GPS通信部60が受信した情報に基づき、自らの位置を算出する。自らの位置を算出した自端末位置情報取得部90は、その位置を示す情報をメモリ56に記憶させる。その情報がメモリ56に記憶されると、地図情報選択部110は、その情報に基づき、画像の合成に用いる地図データをメモリ56から読出す。本実施の形態の場合についてより具体的に述べると、地図情報選択部110は、メモリ56に記憶された関係情報の中から、自端末位置情報取得部90が算出した位置に対応する座標を読み出す。座標が読み出されると、地図情報選択部110は、地図画像のうちその座標を中心とする部分(その部分の大きさは通信端末20の設計者によって予め定められている)に相当する、画像データの一部を読み出す。
ステップS266にて、地図情報選択部110は、ステップS264にて自らが読み出したデータをメモリ56の作業領域に複写する。これにより、表示部54が表示する地図画像の基礎となるデータが生成されたことになる。
ステップS268にて、表示情報選択部112は、ステップS264にて自端末位置情報取得部90が算出した位置周辺(本実施の形態の場合、その位置からの直線距離が閾値以下の場所にあることを示す)にあるアクセスポイント30ついてのAP情報をメモリ56から読出す。表示情報選択部112は、AP情報に含まれた情報が示す緯度および経度とステップS264にて自端末位置情報取得部90が算出した緯度および経度から、AP情報が示すアクセスポイント30と自端末位置情報取得部90が算出した位置との直線距離を算出する。その距離が算出されると、表示情報選択部112は、算出された距離が閾値以下か否かを判断する。閾値以下であれば、距離の算出に用いられたAP情報は読出しの対象となる。
ステップS270にて、座標算出部114は、AP情報に含まれたタイプ(後述する)を示す値に基づき、表示情報選択部112により読出されたAP情報がAP位置情報(0)か否かを判断する。AP位置情報(0)と判断した場合(ステップS270にてYES)、処理はステップS272へと移される。もしそうでないと(ステップS270にてNO)、処理はステップS274へと移される。
ステップS272にて、座標算出部114は、表示情報選択部112が選択したAP情報と関係情報とに基づいて、地図画像(メモリ56の作業領域に記憶された地図データが示す画像)における自端末位置情報取得部90の座標を算出する。座標が算出されると、形態選択部124は、アクセスポイント30として表示される画像の形態を選択する。形態選択部124は、時刻検出部102が検出した時刻とAP情報に含まれた情報が示す時刻との差に応じて、その形態を選択する。本実施の形態の場合、その時間差に比例して暗い色の画像が選択されることとする。形態が選択されると、データ作成部126は、位置表示データを作成する。位置表示データが作成されると、変更部118は、メモリ56の作業領域に記憶されたデータのうち、自端末位置情報取得部90の座標を中心とする部分を、位置表示データの内容に書換える。これにより、その地図データが示す地図にアクセスポイント30の位置や通信可能な範囲を示す画像が合成されたことになる。
ステップS274にて、座標算出部114は、表示情報選択部112が選択したAP位置情報(1)が示す位置とAP位置情報(2)が示す位置との中点を算出する。中点が算出されると、座標算出部114は、地図画像(メモリ56の作業領域に記憶された地図データが示す画像)におけるその中点の座標を算出する。座標が算出されると、形態選択部124は、AP位置情報(2)が示す時刻と中点の座標が算出された時点の時刻(時刻検出部102がそれを検出する)との差に基づいて、アクセスポイント30として表示される画像の形態を選択する。選択のためにAP位置情報(2)が示す時刻を用いるのは、AP位置情報(1)よりもAP位置情報(2)の方が新しいためである。本実施の形態の場合、その時間差に比例して暗い色の画像が選択されることとする。形態が選択されると、データ作成部126は、位置表示データを作成する。位置表示データを作成する際、それが示す図形のサイズは、AP位置情報(2)が示す電波の強さに比例する。位置表示データ作成のためにAP位置情報(2)が示す強度を用いるのも、AP位置情報(1)よりもAP位置情報(2)の方が新しいためである。位置表示データが作成されると、変更部118は、メモリ56の作業領域に記憶されたデータのうち、座標算出部114が算出した「中点」を中心とする部分を、位置表示データの内容に書換える。これにより、その地図データが示す地図にアクセスポイント30の位置や通信可能な範囲を示す画像が合成されたことになる。
ステップS276にて、表示情報選択部112は、読出すべきAP情報がメモリ56に記憶されているか否かを判断する。そのようなAP情報が記憶されていると判断した場合(ステップS276にてYES)、処理はステップS268へと移される。もしそうでないと(ステップS276にてNO)、処理は終了する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、AP情報交換システムの動作について説明する。
図9は、通信端末20aの通信経路と、通信端末20bの通信経路と、アクセスポイント30の所在とその通信範囲とを示す図である。図9において、破線の矢印は通信端末20aの経路を示す。実線の矢印は通信端末20bの経路を示す。これらの交点において、AP情報が交換される。左下がりのハッチングで塗り潰された円は通信端末20aがAP情報を受信したアクセスポイント30の位置と通信可能な範囲とを示す。右下がりのハッチングで塗り潰された円は、その円の中心に存在し、かつ通信端末20aにAP情報を送信しなかったアクセスポイント30を示す。
通信端末20aの登録制御部92は、アクセスポイント30を検出したか否かを判断する(ステップS200)。図9に示す経路の途中でアクセスポイント30を検出したとすると(ステップS200にてYES)、通信端末20aの自端末位置情報取得部90は、アクセスポイント30に位置情報を要求するか否かを判断する(ステップS202)。
この場合、アクセスポイント30に位置情報を要求しないとすると(ステップS202にてNO)、自端末位置情報取得部90は、GPS通信部60が複数のGPS衛星38から情報を取得したか否かを判断する(ステップS206)。この場合、GPS衛星38から情報を取得したとすると(ステップS206にてYES)、登録制御部92は、AP位置情報(1)をメモリ56に記憶させる(ステップS208)。
AP位置情報(1)が記憶されると、遮断制御部100は、アクセスポイント30との接続が切断されたか否かを判断する(ステップS210)。当分の間、アクセスポイント30との接続は切断されないが(ステップS210にてNO)、通信端末20aが移動する結果、最終的にはアクセスポイント30との接続は切断されるので(ステップS210にてYES)、自端末位置情報取得部90は、GPS衛星38から情報を取得したか否かを判断する(ステップS212)。この場合、GPS衛星38から情報を受信したとすると(ステップS212にてYES)、登録制御部92は、AP位置情報(2)をメモリ56に記憶させる(ステップS214)。図10は、この時点においてメモリ56に記憶されたAP情報の構成を示す概念図である。本実施の形態において、メモリ56に記憶されたAP情報は、アクセスポイント30の識別IDと、タイプを示す値と、緯度と、経度と、測定日時と、電波の強度とを含む。「タイプ」は、AP位置情報(0)なのか、AP位置情報(1)なのか、それともAP位置情報(2)なのかを示す。タイプを示す値が「0」ならば、その値が含まれるAP情報は、AP情報(0)である。タイプを示す値が「1」ならば、その値が含まれるAP情報は、AP位置情報(1)である。タイプを示す値が「2」ならば、その値が含まれるAP情報は、AP位置情報(2)である。その他の情報がそれぞれ何を示すかは、上述した通りである。
その後、通信端末20aは、図9において、破線の矢印と実線の矢印とが交差する点で、通信端末20bと近接することとなる。図11は、通信端末20aと通信端末20bとが近接したときの、通信過程を示す図である。図11において、「端末(1)」は通信端末20aを示す。「端末(2)」は通信端末20bを示す。
このとき、通信端末20aのAP位置情報選択部120は、他の通信端末20が近接したか否かを判断する(ステップS220)。その結果、AP位置情報選択部120は、通信端末20bが近接したことを検出するので(ステップS220にYES)、AP位置情報選択部120は、近接無線通信の確立を要求されたか否かを判断する(ステップS222)。
一方、通信端末20bのAP位置情報選択部120は、他の通信端末20が近接したか否かを判断する(ステップS220)。この場合、通信端末20aが近接したので(ステップS220にてYES)、AP位置情報選択部120は、近接無線通信の確立を要求されたか否かを判断する(ステップS220)。
この場合、通信端末20bが近接無線通信の確立を要求しないとすると、通信端末20aのAP位置情報選択部120は、通信端末20bに対し、近接無線通信の確立を要求する(ステップS224)。その結果、通信端末20bのAP位置情報選択部120は、近接無線通信の確立を要求されたと判断するので(ステップS222にてYES)、近接無線通信を確立する(ステップS240)。
通信端末20aのAP位置情報選択部120も、通信端末20bの、近接無線通信の確立に応じる旨の情報の受信を受けて、近接無線通信を確立する(ステップS226)。
これにより、図11に示すように、近接無線通信の確立を要求する旨の情報が送信され(図11の「近接無線通信確立要求」と記載された矢印がこれを示す)、近接無線通信の確立に応じる旨の情報が返信される(図11の「近接無線通信確立応答」と記載された矢印がこれを示す)。その結果、近接無線通信が確立される。
近接無線通信が確立されると、通信端末20aのAP位置情報選択部120は、AP情報の交換を要求する旨の情報を近接通信部42に送信させる(ステップS228)。図11の「AP情報交換要求」と記載された矢印がこれを示す。これに対し、通信端末20bのAP位置情報選択部120は、AP情報の交換に応じることを示す情報を近接通信部42に送信させる(ステップS242)。図11の「AP情報交換許可応答」と記載された矢印がこれを示す。その情報が送信されると、通信端末20aのAP位置情報選択部120は、通信端末20bに送信するAP情報を選択する(ステップS230)。AP情報が選択されると、AP位置情報選択部120は、近接通信部42に、自らが選択したAP情報を送信させる(ステップS232)。図11において、「自端末内AP情報確認」という記載と「送信データ決定」という記載と、「AP情報交換送信」という記載とがこれらの処理を示す。
通信端末20aから通信端末20bにAP情報が送信されると、通信端末20bのAP位置情報追加部122は、受信したAP情報に基づき、メモリ56に記憶されたAP情報の更新とメモリ56に記憶されていないAP情報の追加記憶とを行なう(ステップS246)。それらが行なわれると、通信端末20bのAP位置情報選択部120は、近接通信部42が受信したAP情報に基づき、通信端末20aに送信するAP情報を選択する(ステップS248)。図11において、「受信データ保存」と「重複データ除外+更新」と「送信データ決定」と「AP情報交換返信」とがこれらの処理を示す。
通信端末20aのAP位置情報追加部122は、通信端末20bから受信したAP情報に基づき、メモリ56に記憶されたAP情報の更新とメモリ56に記憶されていないAP情報の追加記憶とを行なう(ステップS234)。図11において、「重複データ更新・新規追加」がこの処理を示す。
メモリ56に記憶されたAP情報の更新や追加記憶が行なわれると、通信端末20aのAP位置情報選択部120は、近接無線通信を遮断する(ステップS236)。通信端末20bのAP位置情報選択部120も近接無線通信を遮断する(ステップS250)。図11において、「受信完了通知・切断要求」と「切断応答通知」とはこれらの処理を示す。
AP情報を受信した通信端末20bの地図情報選択部110は、メモリ56にAP情報が記憶されているか否かを判断する(ステップS260)。この場合、AP情報が記憶されているので(ステップS260にてYES)、自端末位置情報取得部90は、GPS衛星38から情報を受信したか否かを判断する(ステップS262)。この場合、GPS衛星38から情報を受信したとすると(ステップS262にてYES)、地図情報選択部110は、自端末位置情報取得部90が算出した位置に基づき、画像の合成に用いる地図データをメモリ56から読出す(ステップS264)。地図データが読み出されると、地図情報選択部110は、ステップS264にて自らが読み出したデータをメモリ56の作業領域に複写する(ステップS266)。データが複写されると、表示情報選択部112は、AP情報を読出す(ステップS268)。AP情報が読出されると、座標算出部114は、そのAP情報が、AP位置情報(0)か否かを判断する(ステップS270)。この場合、そうではないとすると(ステップS270にてNO)、座標算出部114は、AP位置情報(1)とAP位置情報(2)との中点にアクセスポイント30の位置や通信可能な範囲を示す画像をプロットする(ステップS274)。地図に対するプロットが終了すると、表示情報選択部112は、読出すべきAP情報がメモリ56に記憶されているか否かを判断する(ステップS276)。この場合、そのようなAP情報があるとすると(ステップS276にてYES)、ステップS268〜ステップS276の処理が繰返される。
その後、読出すべきAP情報がなくなると(ステップS276にてNO)、情報合成部96は、表示部54に地図(メモリ56の作業領域に記憶されたデータが示す地図画像のこと)を表示させ、処理を終了する。
図12は、通信端末20bの表示部54に表示される地図の一例を示す図である。通信端末20b自身の位置は白丸で表示される。通信端末20aから受信したアクセスポイント30のうち通信端末20bの近いものがハッチングにより塗り潰された円で表示される。図12には示されていないが、本実施の形態の場合、アクセスポイント30を示す円のうち、古い情報が示す円ほど、暗い色の画像である。
以上のようにして、本実施の形態に係るAP情報交換システムを構成する通信端末20は、アクセスポイント30の位置(そのようにみなし得る位置の場合もある)や通信可能な範囲(予測される範囲の場合もある)を示す情報を互いに交換し、交換された情報に基づき、アクセスポイント30の位置や通信可能な範囲を表示する。通信端末20のユーザは、アクセスポイント30の通信圏外に居ても、どこに行けばアクセスポイント30を介してインターネットに接続できるか容易に知ることができる。
また、情報交換は、通信端末20同士が近づいたときに行なわれる。通信端末20同士が近づいたときに情報交換が行なわれるため、その交換回数は通信端末20同士が近づいた回数に比例する。その回数その他の要因により指数的に増加することはない。遠く離れ、かつ、ユーザ同士の関わりもない他の通信端末20のためにある通信端末20が動作することもない。これにより、各々の通信端末20に要求される機能も自ずと低くなる。
また、アクセスポイント30の位置や通信可能な範囲は、地図画像として表示される。これにより、どこに行けばアクセスポイント30を介してインターネットに接続できるかを、視覚を通じてユーザに知らせることができる。
また、アクセスポイント30の位置や通信可能な範囲は、古い情報に基づくものほど暗い色の図形で示される。
また、位置などが表示されるアクセスポイント30は、それらを表示する通信端末20の現在位置近辺のものである。これにより、ユーザは最寄のアクセスポイント30がどこにあるかを容易に知ることができる。
また、AP位置情報(0)を用いてアクセスポイント30の位置や範囲が算出されるので、アクセスポイント30の位置は、かなり的確に示すことができる。
また、AP情報の交換は近接通信部42によって行なわれるので、AP通信部40を用いてAP情報を交換する場合に比べ、通信端末20が消費する電力を少なくすることができる上、各通信端末20のユーザにとって無関係なアクセスポイント30に関する情報が交換される可能性を低くできる。新しい情報が交換されることで、その可能性はさらに低くなる。
また、識別IDを示す電波の強度が閾値を越えるとその識別IDの記憶が行なわれるので、事実上アクセスできないアクセスポイント30の情報が交換されることを未然に防止できる。
なお、第1の変形例として、自端末位置情報取得部90は、GPS通信部60が受信した情報以外の情報に基づいて、自らの位置を示す情報を取得してもよい。そのような情報の例として、AP復調部72が復調した情報と信号測定部74が測定した信号強度との組合せがある。これらの情報を用いると、三角測量の要領で自らの位置を算出したり、あるアクセスポイントの位置を自らの位置とみなしたりすることができる。
また、第2の変形例として、アクセスポイント30の位置や通信可能な範囲は、情報の古さに応じて異なる形の図形として表示されてもよい。例えば、AP情報に含まれた情報が示す時刻からの経過時間がある閾値を越えるまでは円で、それ以降は多角形で、アクセスポイント30の位置や通信可能な範囲が表示されてもよい。この場合、メモリ56には、選択される図形を示す画像データが予め記憶されることとなる。
また、第3の変形例として、通信端末20は、近接通信部42を用いずに上述した実施例と同様の処理を行なってもよい。この場合、近接変調部80が行なっていたことはAP変調部70が行ない、近接復調部82が行なっていたことはAP復調部72が行ない、信号測定部84が行なっていたことは信号測定部74が行なう。ただし、この場合、通信端末20とアクセスポイント30との通信はインフラストラクチャーモードで行ない、通信端末20同士の通信はアドホックモードで行なうことが望ましい。あるいは、通信端末20同士の通信において、アクセスポイント30との通信よりも電波の出力を低下させてもよい。これにより、混線の防止が容易になるためである。
また、第4の変形例として、読出すべきAP情報がなくなると表示部54に地図を表示させるのではなく、キー操作部44が操作されるのをまって地図を表示させてもよい。キー操作部44のキーのうち任意のキーが操作されるのではなく、予め定められたキーが操作されるのをまって地図を表示させてもよい。
また、第5の変形例として、情報合成部96は、地図情報選択部110と座標算出部114と位置表示データ作成部116とに代え、文字列画像作成部を含んでもよい。文字列画像作成部は、AP情報の一部である位置情報や時刻を文字列で示す画像を作成する。そのような画像を作成するための具体的な方法は特に限定されないが、例えば、位置表示データとして文字を示す画像のデータを作成してもよい。その場合には、基礎となる画像データが予めメモリ56に記憶されているのではなく、表示形態を示す情報のみがメモリ56に記憶されていればよい。文字列画像作成部は、そのデータとAP情報とから、位置情報を文字列で示す画像を作成する。
また、第6の変形例として、AP位置情報(0)には、アクセスポイント30の周辺のランドマークの名称を示す情報が含まれていてもよい。その場合、アクセスポイント30は、所在地を示す情報と共に、それを通信端末20に送信する。送信された情報を用いて、ランドマークの名称を示す位置表示データを作成してもよい。また、地図データがランドマークの名称を示す情報を含んでおり、地図画像を作成するために画像データの一部を読み出す際、そのような情報を一緒に読み出し、ランドマークの名称を示す位置表示データを作成してもよい。
また、第7の変形例として、位置表示データは、アクセスポイント30の位置や通信範囲だけでなく、識別IDも示すものであってもよい。その場合には、位置表示データを作成する際、識別IDを示すテキスト画像が合成される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
20 通信端末、30 アクセスポイント、32 ネットワーク、34 サーバ、36 電話機、38 GPS衛星、40 AP通信部、42 近接通信部、44 キー操作部、46 マイク、48 スピーカ、50 ヘッドホン、52 音声処理部、54 表示部、56 メモリ、58,156 制御部、60 GPS通信部、70 AP変調部、72 AP復調部、74,84 信号測定部、80 近接変調部、82 近接復調部、90 自端末位置情報取得部、92 登録制御部、94 AP位置情報処理部、96 情報合成部、98 表示制御部、100 遮断制御部、102 時刻検出部、104 全体シーケンス制御部、110 地図情報選択部、112 表示情報選択部、114 座標算出部、116 位置表示データ作成部、118 変更部、120 AP位置情報選択部、122 AP位置情報追加部、124 形態選択部、126 データ作成部、150 有線通信部、152 無線通信部、154 記憶部、160 通信制御部、162 端末認証部。