JP4961308B2 - カラー画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法を用いた画像形成装置に関し、特にカラー画像形成装置における出力画像の階調補正方法に関するものである。
電子写真プロセスを用いた画像形成装置においては、装置起動時或いは画像濃度(階調)を適正に設定するためのモード(キャリブレーションモード)が設定されたとき、トナー担持体上或いは記録媒体上にトナーを転写して階調パターン(基準画像)を形成し、その濃度を検出して階調補正を行う。例えばカラー画像形成装置の場合、マゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各画像形成部によりトナー担持体上或いは記録媒体上に各色の階調パターンが形成され、階調パターンを構成するパッチ画像の濃度を検知して階調補正を行う。
ここで、階調パターンを記録媒体上に形成する場合、転写工程及び定着工程を経た実際の画像濃度を検知できるため、階調パターンを中間転写ベルト等のトナー担持体上に形成する場合に比べて高精度な補正が可能となる。例えば特許文献1には、記録媒体上に印字された階調パターンをスキャナ等の画像読取装置で読み取り、その濃度情報をγ補正等の画像形成条件にフィードバックさせることにより画像品質の安定性を向上させるカラー画像形成装置が開示されている。画像濃度の調整方法としては、検知された画像濃度を目標値と比較して階調入力値と実際の階調出力値(出力濃度)とを関連づける階調補正テーブル(γテーブル)を作成し、作成されたγテーブルに基づいて階調入力値を補正する方法が一般的である。
また、カラー画像形成装置には一定の数式を用いて4色のトナーの混合量を決定することによりモニターの画面や原稿色に特色を合わせる、いわゆるカラーマッチング技術が用いられている。しかし、一意的なカラーマッチングでは、会社のロゴマーク色や企業や団体等の組織を象徴するコーポレートカラーを正確に再現することは困難であった。
そこで、所望の色について濃度補正の精度を高める方法が提案されており、例えば特許文献2には、ユーザの登録した所定色(特色)に対しては数種類の色サンプルを提示して出力する色を指定可能とし、さらに指定された特色を単色に分解してパッチ画像を形成することにより、通常の各色の濃度補正と同時に特色の濃度補正も行うようにした画像形成システムが開示されている。
特開平9−172547号公報 特開2006−287708号公報
しかしながら、特許文献1の方法を用いてγ補正などの画像形成条件が最適に調整されたとしても、階調パターンとして印字される各パッチ画像の濃度は所定の色を構成する単色の濃度と異なる場合がほとんどであり、所定の色が正確に濃度調整される保障はない。また、特許文献2の方法では、特色と単色をそれぞれ別のLUT(ルックアップテーブル)を用いて補正するため、感光体ドラムや現像装置等のプロセスユニットの経年変化を受けて特色とその近傍の色に階調飛びや階調潰れ等の画像不良が発生するおそれがあった。即ち、特定の色に対して出力するマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各色の濃度が指定された場合、設定当初は狙いの色が出力されても経時変化によって狙いとする色から変化する可能性があった。
本発明は、上記問題点に鑑み、所定の色と単色を同一の制御にて補正することで、階調飛びや階調潰れを発生させずに所定の色を安定して出力可能なカラー画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、記録媒体上に濃度の異なる単色パッチから成る複数色の階調パターンを形成可能な画像形成部と、該画像形成部により形成された各色の前記階調パターンの階調を読み取り可能な画像読取部と、該画像読取部における前記階調パターンの読み取り結果を目標値と比較して階調補正用のγテーブルを作成する制御手段と、を備えたカラー画像形成装置において、前記制御手段は、ユーザにより所定の特色が設定されている場合、前記特色を単色に分解した特色分解パッチを前記階調パターン中に追加するとともに、少なくとも前記特色分解パッチを含む複数の単色パッチの階調差が略均等化されるように前記階調パターンを変更することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記制御手段は、前記特色分解パッチに階調が近接する2つの単色パッチが、前記特色分解パッチと前記2つの単色パッチに階調が近接する他の単色パッチとの階調差を二等分するように前記階調パターンを変更することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記制御手段は、前記階調パターンを前記特色分解パッチよりも低階調側の第1の領域と、前記特色分解パッチよりも高階調側の第2の領域とに分割し、該第1及び第2の領域内において階調が近接する各単色パッチ間の階調差がそれぞれ均等となるように前記階調パターンを変更することを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、ユーザの指定する特色を単色の階調補正と同時に直接補正することができ、画像形成に用いられるプロセスユニットの経年変化に関係なく特色の色調を高いレベルに維持することができる。また、特色分解パッチの近傍においてパッチ間の階調差が略均等化されるため、画像読取部の読み取り誤差による中間調の階調補正精度の劣化も抑制できる。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、特色分解パッチに階調が近接する2つの単色パッチの階調を変更するだけで、特色分解パッチを中心とした5つのパッチ間の階調差が、特色分解パッチの低階調側及び高階調側それぞれにおいて簡単に均等化できる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、特色分解パッチよりも低階調側の第1の領域と特色分解パッチよりも高階調側の第2の領域において階調が近接する各単色パッチ間の階調差がそれぞれ均等となるため、階調パターン全域に亘ってパッチ間の階調差が均等化され、中間調の階調補正をより精度良く行うことができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明のカラー画像形成装置の構成を示す概略図である。画像形成装置100本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが、搬送方向上流側(図1では右側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエロー及びブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの画像を順次形成する。
この画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1a、1b、1c及び1dが配設されており、これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、駆動手段(図示せず)により図1において時計回りに回転しながら各画像形成部に近接して移動する中間転写ベルト8上に順次転写(一次転写)された後、二次転写ローラ9において用紙S上に一度に転写(二次転写)され、さらに、定着部7において用紙S上に定着された後、装置本体より排出される構成となっている。感光体ドラム1a〜1dを図1において反時計回りに回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
トナー像が転写される用紙Sは、装置下部の用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラ12a及びレジストローラ対12bを介して二次転写ローラ9へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、その両端部を互いに重ね合わせて接合しエンドレス形状にしたベルトや、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。また、二次転写ローラ9の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナーを除去するためのクリーニングブレード19が配置されている。
画像読取部30は、複写時に原稿を照明するスキャナランプや原稿からの反射光の光路を変更するミラーが搭載された走査光学系、原稿からの反射光を集光して結像する集光レンズ、及び結像された画像光を電気信号に変換するCCD等(いずれも図示せず)から構成されており、原稿画像を読み取って画像情報に変換する。また、後述するように画像形成部Pa〜Pdにおいて用紙S上に形成された各色の階調パターンのRGB値を読み取り濃度を測定する機能も有している。
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲及び下方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電器2a、2b、2c及び2dと、各感光体ドラム1a〜1dに画像情報を露光する露光ユニット4と、感光体ドラム1a〜1d上にトナー像を形成する現像ユニット3a、3b、3c及び3dと、感光体ドラム1a〜1d上に残留した現像剤(トナー)を除去するクリーニング部5a、5b、5c及び5dが設けられている。
ユーザにより画像形成開始が入力されると、先ず、帯電器2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いで露光ユニット4によって光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像読取部30からの画像信号に応じた静電潜像を形成する。現像ユニット3a〜3dは、感光体ドラム1a〜1dに対向配置された現像ローラ(現像剤担持体)を備え、それぞれマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各色のトナーが補給装置(図示せず)によって所定量充填されている。このトナーは、現像ユニット3a〜3dの現像ローラにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光ユニット4からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
そして、中間転写ベルト8に所定の転写電圧で電界が付与された後、転写ローラ6a〜6dにより感光体ドラム1a〜1d上のマゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング部5a〜5dにより除去される。
中間転写ベルト8は、従動ローラ10、駆動ローラ11及びテンションローラ20に掛け渡されており、駆動モータ(図示せず)による駆動ローラ11の回転に伴い中間転写ベルト8が時計回りに回転を開始すると、用紙Sがレジストローラ12bから所定のタイミングで中間転写ベルト8に近接して設けられた二次転写ローラ9へ搬送され、中間転写ベルト8とのニップ部(二次転写ニップ部)において用紙S上にフルカラー画像が二次転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部7へと搬送される。
定着部7に搬送された用紙Sは、定着ローラ対13のニップ部(定着ニップ部)を通過する際に加熱及び加圧されてトナー像が用紙Sの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Sは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられる。用紙Sの片面のみに画像を形成する場合は、そのまま排出ローラ15によって排出トレイ17に排出される。
一方、用紙Sの両面に画像を形成する場合は、定着部7を通過した用紙Sの一部を一旦排出ローラ15から装置外部にまで突出させる。その後、用紙Sは排出ローラ15を逆回転させることにより分岐部14で用紙搬送路18に振り分けられ、画像面を反転させた状態で二次転写ローラ9に再搬送される。そして、中間転写ベルト8上に形成された次の画像が二次転写ローラ9により用紙Sの画像が形成されていない面に転写され、定着部7に搬送されてトナー像が定着された後、排出トレイ17に排出される。
図2は、本発明のカラー画像形成装置の制御経路を示すブロック図である。図1と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。画像形成装置100は、画像形成部Pa〜Pd、画像読取部30、AD変換部31、制御部32、記憶部33、操作パネル34、定着部7、中間転写ベルト8等を含む構成である。
画像読取部30で読み取られた画像信号はAD変換部31においてデジタル信号に変換された後、記憶部33内の画像メモリ40に送出される。記憶部33は、画像メモリ40、RAM41、及びROM42を備えており、画像メモリ40は、画像読取部30で読み取られ、AD変換部31においてデジタル変換された画像信号を記憶し、制御部32に送出する。RAM41及びROM42は、制御部32の処理プログラムや処理内容等を記憶する。
また、RAM41には、画像読取部30で読み取られた画像光のRGB値と、RGB値に対応する出力濃度とを関連づけて記憶したルックアップテーブル(RGB−濃度LUT)、階調入力値とそれに対する出力濃度の目標値とを関連づけて記憶したルックアップテーブル(階調−濃度LUT)や、階調入力値と実際の階調出力値とを関連づけて記憶したγテーブルが格納されている。
操作パネル34は、複数の操作キーから成る操作部と、設定条件や装置の状態等を表示する表示部(いずれも図示せず)とから構成されており、ユーザが印刷条件等の設定を行う他、例えば画像形成装置100がファクシミリ機能を有する場合は、記憶部33にファクシミリ送信先を登録し、さらに登録された送信先の読み出しや書き換えを行う等の種々の設定にも使用される。また、ユーザが所望の色(以下、特色という)を設定する場合にも用いられる。設定された特色は記憶部33のRAM41に記憶される。
制御部32は、例えば中央処理装置(CPU)であり、設定されたプログラムに従って画像読取部30、画像形成部Pa〜Pd、定着部7、及び用紙カセット16(図1参照)からの用紙Sの搬送等を全般的に制御するとともに、画像読取部30から入力された画像信号を、必要に応じて変倍処理或いは階調処理して画像データに変換する。露光ユニット4は、処理後の画像データに基づいてレーザ光を照射し、感光体ドラム1a〜1d上に潜像を形成する。
さらに制御部32は、操作パネル34のキー操作等によりキャリブレーションモードが設定されると、画像読取部30で読み取られた階調パターンの各パッチ画像の出力濃度を目標値と比較してγテーブルを作成する機能、作成されたγテーブルを用いて画像メモリ40内に記憶された画像信号の階調データを調整することにより、各色について階調補正を行う機能を有している。
次に、本発明のカラー画像形成装置における階調補正について説明する。図3は、特色が設定されていない場合の階調パターンの一例である。例えばマゼンタの階調パターンMは、0から255までの256階調を略均等割りするように、白ベタ画像(m1)から最も濃色の画像(m30)まで30階調のパッチ画像m1〜m30が形成され、近接するパッチ画像は、境界において階調(濃度)が変化するようにそれぞれ単色で形成されている。なお、シアン、イエロー及びブラックの階調パターンC、Y、Kも同様に30階調のパッチ画像から構成されている。
本発明では、ユーザにより特色が設定されている場合、特色をマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)及びブラック(K)の各単色に分解し、得られた4色のパッチを通常の階調パターン中に追加する。即ち、ユーザにより特色が設定されると、図4に示すように、特色を分解して得られたマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの特色分解パッチ画像ms、cs、ys及びksが階調パターンM、C、Y、K中に追加され、各階調パターンM〜Kは計31階調のパッチ画像を含むこととなる。
次に、本発明の画像形成装置における第1実施形態の階調補正制御について説明する。図5は、階調パターンを形成する各パッチ画像の階調入力値と出力濃度との関係を示すグラフであり、図6は、第1実施形態の階調補正における階調パターンの変更方法を示すグラフである。なお、ここではマゼンタの階調パターンMを例に挙げて説明するが、他の階調パターンC、Y、Kも全く同様に説明される。
階調入力値と出力濃度とは理論的には比例関係となるため、目標とする階調−濃度特性は図5中に破線で示すような直線Lとなる。しかし、図4に示したような、m1〜m30にmsを追加した31階調のパッチ画像のRGB値を画像読取部30で読み取り、横軸に階調入力値、縦軸に出力濃度をとって結果をプロットすると、直線Lから外れた曲線Sとなる。例えば特色分解パッチ画像msの階調入力値をDとすると、実際に形成された特色分解パッチ画像msを読み取ったときの出力値Qは目標値Q′(直線L上においてX座標がDである点のY座標)よりも高い値となる。
そのため、特色分解パッチ画像msの出力値を目標値Q′とするためには、特色分解パッチ画像msの階調入力値をD′(曲線S上においてY座標がQ′である点のX座標)に設定し、画像メモリ40に記憶された画像信号中に特色が含まれる場合はマゼンタの階調入力値がD′となるように(出力値がQ′となるように)階調データを変更すれば良い。
このように曲線S及び直線Lを用いて各階調の入力値を設定し、設定された階調となるように階調データを調整することで、感光体ドラムや現像装置等の経年変化に伴う階調変化に係わらず、常に一定の階調を維持することができる。また、特色分解パッチms〜ksを追加することで、特色に用いられる単色階調を直接制御することができるため、特色の濃度安定性も向上する。各パッチの階調入力値は、直線L及び曲線Sに基づいて階調と出力濃度の実測値及び目標値とを対応づけた2種類の階調−濃度LUTを用いて設定しても良いし、曲線S及び直線Lから導かれる数式を用いて演算により算出しても良い。
ところで、追加された特色分解パッチの階調によっては、元のパッチと階調が近接している場合がある。例えば図5では、特色分解パッチmsとパッチm26の階調が近接している。この場合、画像読取部30の読み取り誤差により特色分解パッチmsとパッチm26の読み取り値が逆転してしまい、特色の近傍で階調飛びや階調潰れが発生するおそれがある。
そこで、図6に示すように、パッチm24とm25の階調差Δaと、パッチm25と特色分解パッチmsの階調差Δbとが等しく、特色分解パッチmsとパッチm26の階調差Δcと、パッチm26とm27の階調差Δdとが等しくなるようにパッチm25、m26の階調を変更する。即ち、特色分解パッチmsに階調が近接する2つのパッチm25、m26が、それぞれパッチm25、m26に階調が近接する特色分解パッチmsとパッチm24、特色分解パッチmsとパッチm27の階調差を二等分するように階調パターンを変更する。
例えば、m1〜m30の階調が0階調から9、18、27・・・と9階調ずつ増加するように設定されているとき、パッチm24、m25、m26及びm27の階調はそれぞれ207、216、225、234となる。いま、特色分解パッチmsの階調が221であるとすると、特色分解パッチmsに濃度が近接するパッチm25の階調を(207+221)/2=214とし、パッチm26の階調を(221+234)/2=227.5≒228とする。
このようにして変更された階調パターンを図7に示す。図7では、階調パターンM中のパッチ画像が濃度順に並ぶように特色分解パッチms、cs、ys及びksが追加され、さらに特色分解パッチms、cs、ys及びksに近接するパッチ画像の階調が変更されている。これにより、特色分解パッチms〜ksの近傍でパッチ画像間の階調差が略均等化されるため、中間調の階調補正精度を劣化させずに特色の濃度安定化を図ることができる。なお、ここでは階調パターンM〜K中のパッチ画像が階調順に並ぶようにしているが、特色分解パッチ画像ms〜ksを他の場所(例えば各パターンの直後)に配置しても良い。
そして、図7に示した階調パターンM〜KのRGB値を画像読取部30で読み取り、数式またはRGB−濃度LUTを用いてRGB値(通常はRGBのうち最も感度の良い値)から各パッチの出力濃度を算出する。さらに、階調入力値と出力濃度との関係を用いて図8のような入出力特性を示すγテーブルが作成される。図8では、0から255までの256階調について、階調入力値(階調データ)と、出力濃度を目標値とするための階調出力値とが対応づけて記憶されている。例えば元の階調データが200であるとき、実際には160を出力することにより、出力濃度が目標値と一致する。なお、全256階調に対して各階調パターンM〜Kは31階調であるため、パッチのない階調の出力値は計算により補完されたものである。
図9は、第1実施形態の階調補正手順を示すフローチャートである。図1〜図8を参照しながら、図9のステップに従い本実施形態の階調補正手順について説明する。
ユーザの操作によりキャリブレーションモードが設定され階調パターンの印字が指示されると(ステップS1)、操作パネル34から特色が設定されているか否かが判断される(ステップS2)。ユーザにより特色が設定されている場合は、特色をマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの単色に分解する(ステップS3)。そして、分解して得られた特色分解パッチms、cs、ys及びksを階調パターンM、C、Y、Kに追加する(ステップS4)。
次に、追加した特色分解パッチms、cs、ys及びksに階調が近接する2点の単色パッチ(図5ではパッチm25とm26)について、それぞれに近接する単色パッチ(図5では特色分解パッチmsとパッチm24、及び特色分解パッチmsとパッチm27)の中間階調に階調変更する(ステップS5)。また、記憶部33に格納されている階調−濃度LUTを用いて、階調変更後の単色パッチに対する出力濃度の目標値を設定する。
そして、変更された階調パターンM〜K(図7参照)を用紙S上に形成して各色の階調補正を実行する(ステップS6)。具体的には、階調パターンM〜Kを形成した用紙Sを画像読取部30にセットして各パッチのRGB値を読み取り、出力信号を制御部32に送信する。制御部32は各パッチのRGB値を用いて算出された出力濃度を目標値と比較し、各色についてγテーブルを作成して階調補正を実行する。
一方、ステップS2において特色が設定されていない場合は、特色分解パッチms〜ksを追加しない通常の階調パターン(図3参照)を用紙S上に形成して各色の階調補正を実行する(ステップS7)。階調補正の具体的な方法はステップS6と同様であるため説明を省略する。
上記手順で階調補正を行うことにより、ユーザの指定する特色を単色の階調補正と同時に直接補正することができ、画像形成に用いられるプロセスユニットの経年変化に関係なく特色の色調を高いレベルに維持することができる。また、特色分解パッチの近傍においてパッチ間の階調差が略均等化されるため、画像読取部30の読み取り誤差による中間調の階調補正精度の劣化も抑制できる。
次に、本発明の画像形成装置における第2実施形態の階調補正制御について説明する。図10は、第2実施形態の階調補正における階調パターンの変更方法を示すグラフであり、図11は、第2実施形態の階調補正手順を示すフローチャートである。図1〜図5、及び図10を参照しながら、図11のステップに従い本実施形態の階調補正手順について説明する。なお、ここではマゼンタの階調パターンMを例に挙げて説明するが、他の階調パターンC、Y、Kも全く同様に説明される。また、階調補正パターンや作成されるγテーブルも図7及び図8と同様であるため説明を省略する。
本実施形態においては、図11に示すように、ステップS2において特色が設定されている場合、特色が単色に分解され、各色の階調パターンに特色分解パッチが追加されるまで(ステップS3、S4)は第1実施形態の制御と同様である。その後、図10に示すように、階調パターンを特色分解パッチmsよりも低階調側の領域(第1の領域)R1と、特色分解パッチmsよりも高階調側の領域(第2の領域)R2とに分け、それぞれの領域R1、R2内の各パッチの階調差が均等(Δe及びΔf)となるように階調パターンを変更する(ステップS5)。
例えば、m1〜m30の階調が0階調から9、18、27・・・と9階調ずつ増加するように設定されているとき、特色分解パッチmsの階調が221であるとすると、第1の領域R1においてはΔe=(221−0)/25≒8.8となるため、m2、m3、m4、・・・m25の階調をそれぞれ、9、18、26、・・・211に変更する。一方、第2の領域R2においてはΔf=(255−221)/5=6.8となるため、m26、m27、m28、m29の階調を、それぞれ228、235、241、248に変更する。
これにより、特色分解パッチmsの近傍のみでなく階調パターン全域においてパッチ画像間の階調差が略均等化されるため、第1実施形態に比べて中間調の階調補正をより精度良く行うことができる。なお、ステップS5以降の制御手順は第1実施形態と同様であるため説明は省略する。
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態において示した階調パターンは一例に過ぎず、他のパターンを用いることもできる。
また、上記実施形態においては、中間転写ベルト8上に各色のトナー像を順次積層して形成されたフルカラー画像を用紙上に一度に転写する中間転写方式のタンデム型カラー画像形成装置について説明したが、本発明は、搬送ベルト上に担持されて搬送される用紙上に各色のトナー像を順次転写する直接転写方式のタンデム型カラー画像形成装置や、一つの感光体ドラムの周囲に複数の現像装置を配置したワンドラム式のカラー画像形成装置においても全く同様に適用可能である。
また、図1では装置本体に画像読取部30が搭載されたカラー複写機を例に挙げて説明したが、本発明は、画像読取部(スキャナ)が外部機器として接続されたカラープリンタにも全く同様に適用可能である。
本発明は、記録媒体上に濃度の異なる単色パッチから成る複数色の階調パターンを形成可能な画像形成部と、該画像形成部により形成された各色の階調パターンの階調を読み取り可能な画像読取部と、該画像読取部における階調パターンの読み取り結果を目標値と比較して階調補正用のγテーブルを作成する制御手段と、を備え、ユーザにより所定の特色が設定されている場合、特色を単色に分解した特色分解パッチを階調パターン中に追加するとともに、少なくとも特色分解パッチを含む複数の単色パッチの階調差が略均等化されるように階調パターンを変更するカラー画像形成装置である。
これにより、ユーザの指定する特色を単色の階調補正と同時に直接補正することでプロセスユニットの経年変化に関係なく特色の色調を高いレベルに維持することができ、中間調の階調補正精度の劣化も抑制可能なカラー画像形成装置を提供することができる。
また、特色分解パッチに階調が近接する2つの単色パッチが、特色分解パッチと2つの単色パッチに階調が近接する他の単色パッチとの階調差を二等分するように階調パターンを変更したので、2点のパッチの階調を変更するだけで特色分解パッチ近傍の単色パッチの階調差が簡単に略均等化される。
また、階調パターンを特色分解パッチよりも低階調側の第1の領域と高階調側の第2の領域とに分割し、第1及び第2の領域内において階調が近接する各単色パッチ間の階調差がそれぞれ均等となるように階調パターンを変更したので、階調パターン全域に亘ってパッチ間の階調差が均等化され、中間調の階調補正精度が一層向上する。
は、本発明のカラー画像形成装置の全体構成を示す概略図である。 は、本発明のカラー画像形成装置の制御経路を示すブロック図である。 は、特色が設定されていない場合の階調パターンの一例を示す図である。 は、特色が設定された階調パターンの一例を示す図である。 は、階調パターンを形成する各パッチ画像の階調と画像読取部の読み取り値との関係を示すグラフである。 は、第1実施形態の階調補正における階調パターンの変更方法を示すグラフである。 は、第1実施形態の方法により変更された階調パターンを示す図である。 は、第1実施形態の階調補正で作成されたγテーブルの一例を示す図である。 は、第1実施形態の階調補正手順を説明するフローチャートである。 は、第2実施形態の階調補正における階調パターンの変更方法を示すグラフである。 は、第2実施形態の階調補正手順を説明するフローチャートである。
符号の説明
Pa〜Pd 画像形成部
1a〜1d 感光体ドラム(像担持体)
2a〜2d 帯電器
3a〜3d 現像ユニット
4 露光ユニット
6a〜6d 転写ローラ
7 定着部
8 中間転写ベルト(像担持体)
9 二次転写ローラ
30 画像読取部
32 制御部(制御手段)
33 記憶部
34 操作パネル
100 画像形成装置
P 用紙(記録媒体)
M〜K 階調パターン
ms〜ks 特色分解パッチ
R1 第1の領域
R2 第2の領域

Claims (3)

  1. 記録媒体上に濃度の異なる単色パッチから成る複数色の階調パターンを形成可能な画像形成部と、
    該画像形成部により形成された各色の前記階調パターンの階調を読み取り可能な画像読取部と、
    該画像読取部における前記階調パターンの読み取り結果を目標値と比較して階調補正用のγテーブルを作成する制御手段と、を備えたカラー画像形成装置において、
    前記制御手段は、ユーザにより所定の特色が設定されている場合、前記特色を単色に分解した特色分解パッチを前記階調パターン中に追加するとともに、少なくとも前記特色分解パッチを含む複数の単色パッチの階調差が略均等化されるように前記階調パターンを変更することを特徴とするカラー画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記特色分解パッチに階調が近接する2つの単色パッチが、前記特色分解パッチと前記2つの単色パッチに階調が近接する他の単色パッチとの階調差を二等分するように前記階調パターンを変更することを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記階調パターンを前記特色分解パッチよりも低階調側の第1の領域と、前記特色分解パッチよりも高階調側の第2の領域とに分割し、該第1及び第2の領域内において階調が近接する各単色パッチ間の階調差がそれぞれ均等となるように前記階調パターンを変更することを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
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