JP2009069233A - カラー画像形成装置 - Google Patents

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Atsushi Ishizaki
厚史 石崎
Masaru Watanabe
優 渡辺
Hiroomi Nakatsuji
弘臣 仲辻
Kenji Katsuhara
健二 勝原
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Abstract

【課題】所定の特色を単色と同一の制御にて濃度補正することで、階調飛びや階調潰れを発生させずに特色を安定して出力可能なカラー画像形成装置を提供する。
【解決手段】ユーザにより特色が設定されると、特色を分解して得られたマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの特色分解パッチ画像ms、cs、ys及びksを濃度補正パターンM、C、Y、K中の最も濃度が近い単色パッチと置換する。
【選択図】図6

Description

本発明は、電子写真法を用いた画像形成装置に関し、特にカラー画像形成装置における出力画像の濃度補正方法に関するものである。
電子写真プロセスを用いた画像形成装置においては、装置起動時或いは画像濃度を適正に設定するためのモード(キャリブレーションモード)が設定されたとき、トナー担持体上に直接トナーを転写して濃度補正パターン(基準画像)を形成し、その濃度を検出して濃度補正を行う。例えば特許文献1には、ベタ画像の濃度補正を行う第1の補正と中間調画像の濃度補正を行う第2の補正とを順次実行することにより、中間調を含む画像を安定して高品質に出力できる画像形成装置が開示されている。
画像濃度の調整方法としては、検知された画像濃度に基づいて感光体の帯電電位、現像バイアス電位、或いは露光ユニットによる露光量を調整する方法、画像信号の濃度データを直接変更する方法、或いは両者を組み合わせた方法等が挙げられるが、感光体の帯電量や露光量、現像バイアス値等の濃度補正に用いる各パラメータ値を濃度段階に応じて変更することは困難であるため、濃度段階に応じた精密な濃度補正を行う場合は画像信号の濃度データを変更する方法が用いられる。
カラー画像形成装置の場合、マゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各画像形成部により像担持体上に各色の基準画像が形成され、検知手段により基準画像の濃度を検知して濃度補正を行う。また、一定の数式を用いて4色のトナーの混合量を決定することによりモニターの画面や原稿色に特色を合わせる、いわゆるカラーマッチング技術が用いられている。しかし、一意的なカラーマッチングでは、会社のロゴマーク色や企業や団体等の組織を象徴するコーポレートカラーを正確に再現することは困難であった。
そこで、所望の色について濃度補正の精度を高める方法が提案されており、例えば特許文献2には、ユーザの登録した所定色(特色)に対しては数種類の色サンプルを提示して出力する色を指定可能とし、さらに指定された特色を単色に分解してパッチ画像を形成することにより、通常の各色の濃度補正と同時に特色の濃度補正も行うようにした画像形成システムが開示されている。
特許第2972254号公報 特開2006−287708号公報
しかしながら、特許文献1の方法を用いてγ補正などの画像形成条件が最適に調整されたとしても、濃度補正パターンとして印字される濃度は所定の色を構成する単色の濃度と異なる場合がほとんどであり、所定の色が正確に濃度調整される保障はない。また、特許文献2の方法では、特色と単色をそれぞれ別のLUT(ルックアップテーブル)を用いて補正するため、感光体ドラムや現像装置等のプロセスユニットの経年変化を受けて特色とその近傍の色に階調飛びや階調潰れ等の画像不良が発生するおそれがあった。即ち、特定の色に対して出力するマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各色の濃度が指定された場合、設定当初は狙いの色が出力されても経時変化によって狙いとする色から変化する可能性があった。
本発明は、上記問題点に鑑み、所定の色と単色を同一の制御にて補正することで、階調飛びや階調潰れを発生させずに所定の色を安定して出力可能なカラー画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、像担持体と、該像担持体上に濃度の異なる単色パッチから成る複数色の濃度補正パターンを形成可能な画像形成部と、該画像形成部により形成された濃度補正パターンの濃度を検知する検知手段と、該検知手段の検知結果に基づいて各色の濃度補正を行う制御手段と、を備えたカラー画像形成装置において、前記制御手段は、ユーザにより所定の特色が設定されている場合、前記特色を単色に分解した特色分解パッチを、該特色分解パッチと最も濃度が近い前記濃度補正パターン中の単色パッチと置換することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記制御手段は、前記特色分解パッチに濃度が隣接する2つの単色パッチが、前記特色分解パッチと前記2つの単色パッチに濃度が隣接する他の単色パッチとの濃度差を二等分するように前記濃度補正パターンを変更することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記制御手段は、前記濃度補正パターンを前記特色分解パッチよりも低濃度側の第1の領域と、前記特色分解パッチよりも高濃度側の第2の領域とに分割し、該第1及び第2の領域内において濃度が隣接する各単色パッチ間の濃度差がそれぞれ均等となるように前記濃度補正パターンを変更することを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、ユーザの指定する特色を単色の濃度補正と同時に直接補正することができ、画像形成に用いられるプロセスユニットの経年変化に関係なく特色の色調を高いレベルに維持することができる。また、特色分解パッチの近傍においてパッチ間の濃度差が広がるため、濃度検知センサの読み取り誤差による中間調の濃度補正精度の劣化も抑制できる。さらに、特色分解パッチの追加によって濃度補正パターンを構成する単色パッチ数が変化せず、濃度補正パターンの読み取り長さも変化しないため、補正時間が長くならず制御負荷も増大しない。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、特色分解パッチに濃度が隣接する2つの単色パッチの濃度を変更するだけで、特色分解パッチを中心とした5つのパッチ間の濃度差が特色分解パッチの低濃度側及び高濃度側それぞれにおいて簡単に均等化され、中間調の濃度補正をより精度良く行うことができる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、特色分解パッチよりも低濃度側の第1の領域と特色分解パッチよりも高濃度側の第2の領域において濃度が隣接する各単色パッチ間の濃度差がそれぞれ均等となるため、濃度補正パターン全域に亘ってパッチ間の濃度差が均等化され、中間調の濃度補正を一層精度良く行うことができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明のカラー画像形成装置の構成を示す概略図である。画像形成装置100本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが、搬送方向上流側(図1では右側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエロー及びブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの画像を順次形成する。
この画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1a、1b、1c及び1dが配設されており、これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、駆動手段(図示せず)により図1において時計回りに回転しながら各画像形成部に隣接して移動する中間転写ベルト8上に順次転写(一次転写)された後、二次転写ローラ9において用紙S上に一度に転写(二次転写)され、さらに、定着部7において用紙S上に定着された後、装置本体より排出される構成となっている。感光体ドラム1a〜1dを図1において反時計回りに回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
トナー像が転写される用紙Sは、装置下部の用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラ12a及びレジストローラ対12bを介して二次転写ローラ9へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、その両端部を互いに重ね合わせて接合しエンドレス形状にしたベルトや、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。また、二次転写ローラ9の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナーを除去するためのクリーニングブレード19が配置されている。
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲及び下方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電器2a、2b、2c及び2dと、各感光体ドラム1a〜1dに画像情報を露光する露光ユニット4と、感光体ドラム1a〜1d上にトナー像を形成する現像ユニット3a、3b、3c及び3dと、感光体ドラム1a〜1d上に残留した現像剤(トナー)を除去するクリーニング部5a、5b、5c及び5dが設けられている。
ユーザにより画像形成開始が入力されると、先ず、帯電器2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いで露光ユニット4によって光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像信号に応じた静電潜像を形成する。現像ユニット3a〜3dは、感光体ドラム1a〜1dに対向配置された現像ローラ(現像剤担持体)を備え、それぞれマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各色のトナーが補給装置(図示せず)によって所定量充填されている。このトナーは、現像ユニット3a〜3dの現像ローラにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光ユニット4からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
そして、中間転写ベルト8に所定の転写電圧で電界が付与された後、転写ローラ6a〜6dにより感光体ドラム1a〜1d上のマゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング部5a〜5dにより除去される。
中間転写ベルト8は、従動ローラ10、駆動ローラ11及びテンションローラ20に掛け渡されており、駆動モータ(図示せず)による駆動ローラ11の回転に伴い中間転写ベルト8が時計回りに回転を開始すると、用紙Sがレジストローラ12bから所定のタイミングで中間転写ベルト8に隣接して設けられた二次転写ローラ9へ搬送され、中間転写ベルト8とのニップ部(二次転写ニップ部)において用紙S上にフルカラー画像が二次転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部7へと搬送される。
定着部7に搬送された用紙Sは、定着ローラ対13のニップ部(定着ニップ部)を通過する際に加熱及び加圧されてトナー像が用紙Sの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Sは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられる。用紙Sの片面のみに画像を形成する場合は、そのまま排出ローラ15によって排出トレイ17に排出される。
一方、用紙Sの両面に画像を形成する場合は、定着部7を通過した用紙Sの一部を一旦排出ローラ15から装置外部にまで突出させる。その後、用紙Sは排出ローラ15を逆回転させることにより分岐部14で用紙搬送路18に振り分けられ、画像面を反転させた状態で二次転写ローラ9に再搬送される。そして、中間転写ベルト8上に形成された次の画像が二次転写ローラ9により用紙Sの画像が形成されていない面に転写され、定着部7に搬送されてトナー像が定着された後、排出トレイ17に排出される。
画像形成部Pdの下流側且つ二次転写ローラ9の上流側直近には濃度検知センサ21が配置されている。濃度検知センサ21は、画像形成部Pa〜Pdにおいて中間転写ベルト8上に形成される濃度補正パターンに測定光を照射し、濃度補正パターンを構成する各パッチ画像からの反射光量を検出する。検出結果は受光出力信号として後述する制御部32に送信される。濃度検知センサ21としては、一般にLED等から成る発光素子と、フォトダイオード等から成る受光素子を備えた光学センサが用いられる。濃度補正パターンの濃度を測定する際、発光素子から中間転写ベルト8上の各パッチ画像に対し順次測定光を照射すると、測定光はトナーによって反射される光、及びベルト表面によって反射される光として受光素子に入射する。
トナーの付着量が多い場合には、ベルト表面からの反射光がトナーによって遮光されるので、受光素子の受光量が減少する。一方、トナーの付着量が少ない場合には、逆にベルト表面からの反射光が多くなる結果、受光素子の受光量が増大する。従って、受光した反射光量に基づく受光信号の出力値により各色のパッチ画像のトナー付着量(画像濃度)を検知し、予め定められた基準濃度と比較して現像バイアスの特性値などを調整することにより、各色について濃度補正が行われる。
濃度検知センサ21は、測定対象物までの距離を厳密に規定しておく必要があるため、図1に示すように、中間転写ベルト8表面までの距離変動の少ない駆動ローラ11に対抗するような位置に配置されており、中間転写ベルト8上の濃度補正パターンの形成位置に合わせて中間転写ベルト8の幅方向に位置決めされている。
なお、濃度検知センサ21は中間転写ベルト8上の濃度補正パターンを検知可能な他の位置に配置しても良いが、例えば二次転写ローラ9よりも下流側に配置した場合、画像形成部Pa〜Pdにより濃度補正パターンが形成されてから濃度検知が行われるまでの時間が長くなり、さらに濃度補正パターンが二次転写ローラ9と接触することにより濃度補正パターンの表面状態が変化するおそれもある。そのため、図1のように画像形成部Pdよりも下流側且つ二次転写ローラ9の接触位置よりも上流側に配置することが好ましい。
図2は、本発明のカラー画像形成装置の制御経路を示すブロック図である。図1と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。画像形成装置100は、画像形成部Pa〜Pd、画像入力部30、AD変換部31、制御部32、記憶部33、操作パネル34、定着部7、中間転写ベルト8及び濃度検知センサ21等を含む構成である。
画像入力部30は、画像形成装置100がカラー複写機である場合、複写時に原稿を照明するスキャナランプや原稿からの反射光の光路を変更するミラーが搭載された走査光学系、原稿からの反射光を集光して結像する集光レンズ、及び結像された画像光を電気信号に変換するCCD等から構成される画像読取部であり、画像形成装置100が図1に示すようなカラープリンタである場合、パーソナルコンピュータ等から送信される画像データを受信する受信部である。画像入力部30より入力された画像信号はAD変換部31においてデジタル信号に変換された後、記憶部33内の画像メモリ40に送出される。
記憶部33は、画像メモリ40、RAM41、及びROM42を備えており、画像メモリ40は、画像入力部30から入力され、AD変換部31においてデジタル変換された画像信号を記憶し、制御部32に送出する。RAM41及びROM42は、制御部32の処理プログラムや処理内容等を記憶する。
また、RAM41には、濃度補正パターン中の各パッチ画像の濃度と濃度検知センサ21の出力値とを関連づけて記憶したパッチ濃度−センサ出力値ルックアップテーブル(濃度−センサ出力値LUT)、濃度データの入力値とそれに対するセンサ出力値の目標値とを関連づけて記憶したルックアップテーブル(データ入力値−センサ出力値LUT)や、濃度入力値と実際の濃度出力値とを関連づけて記憶したγテーブルが格納されている。
操作パネル34は、複数の操作キーから成る操作部と、設定条件や装置の状態等を表示する表示部(いずれも図示せず)とから構成されており、ユーザが印刷条件等の設定を行う他、例えば画像形成装置100がファクシミリ機能を有する場合は、記憶部33にファクシミリ送信先を登録し、さらに登録された送信先の読み出しや書き換えを行う等の種々の設定にも使用される。また、ユーザが所望の色(以下、特色という)を設定する場合にも用いられる。なお、画像形成装置がパーソナルコンピュータ等の外部入力装置にオンライン接続されている場合は、外部入力装置から特色を設定するようにしても良い。設定された特色は記憶部33のRAM41に記憶される。
制御部32は、例えば中央処理装置(CPU)であり、設定されたプログラムに従って画像入力部30、画像形成部Pa〜Pd、定着部7、及び用紙カセット16(図1参照)からの用紙Sの搬送等を全般的に制御するとともに、画像入力部30から入力された画像信号を、必要に応じて変倍処理或いは階調処理して画像データに変換する。露光ユニット4は、処理後の画像データに基づいてレーザ光を照射し、感光体ドラム1a〜1d上に潜像を形成する。
さらに制御部32は、操作パネル34のキー操作等によりキャリブレーションモードが設定されると、濃度検知センサ21からの出力信号を受信し、濃度補正パターンの各パッチ画像のセンサ出力値を目標値と比較する機能、比較結果に応じて画像メモリ40内に記憶された画像信号の濃度データを調整することにより、各色について濃度補正を行う機能を有している。なお、キャリブレーションモードは、ユーザによるマニュアル設定の他、装置の電源ON時や所定枚数の画像形成処理が終了した時にも自動的に設定されるようにしてもよい。
次に、本発明のカラー画像形成装置における第1実施形態の濃度補正制御について説明する。図3は第1実施形態の濃度補正制御に用いられる濃度補正パターンの一例である。本実施形態では、ユーザにより所定の色(以下、特色という)が設定されている場合、特色をマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)及びブラック(K)の各単色に分解し、得られた4色のパッチを通常の濃度補正パターン中の最も濃度が近い単色パッチと置換する。
図3(a)は、特色が設定されていない場合の濃度補正パターン(階調パターン)の一例である。例えばマゼンタの濃度補正パターンMは、白ベタ画像(m1)から最も濃色の画像(m9)まで9段階の濃度のパッチ画像m1〜m9が進行方向から順に形成され、隣接するパッチ画像は、境界において濃度が変化するようにそれぞれ単色で形成されている。なお、シアン、イエロー及びブラックの濃度補正パターンC、Y、Kも同様に9段階のパッチ画像から構成されている。
ユーザにより特色が設定されると、図3(b)に示すように、特色を分解して得られたマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの特色分解パッチ画像ms、cs、ys及びksが濃度補正パターンM、C、Y、K中の最も濃度が近い単色パッチと置換され、各濃度補正パターンM〜Kは9段階の濃度のパッチ画像を含むこととなる。図3(b)におけるマゼンタの濃度補正パターンMの拡大図を図4に示す。ここでは図4のように、特色分解パッチ画像msをパッチ画像m5と置換しており、濃度補正パターンM中のパッチ画像が濃度順に並ぶようにしている。他の濃度補正パターンC〜Kについても同様であるが、特色分解パッチ画像ms〜ksを他の場所(例えば各パターンの直後)に配置しても良い。
図5は、濃度補正パターンを形成する各パッチ画像の濃度と濃度検知センサの出力値との関係を示すグラフであり、図6は、第1実施形態の濃度補正制御における濃度補正パターンの変更方法を示すグラフである。なお、ここではマゼンタの濃度補正パターンMを例に挙げて説明するが、他の濃度補正パターンC、Y、Kも全く同様に説明される。
各パッチ画像の濃度とセンサ出力値とは理論的には比例関係となるため、目標とする濃度−出力値特性は図5中に破線で示すような直線Lとなる。しかし、m1〜m9にmsを追加した10段階のパッチ画像の濃度を濃度検知センサ21で検知し、横軸に濃度(%)、縦軸にセンサ出力値をとって検知結果をプロットすると、直線Lから外れた曲線Sとなる。例えば特色分解パッチ画像msの濃度の入力値をD%とすると、実際に形成された特色分解パッチ画像msを検知したときのセンサ出力値Qは目標値Q′(直線L上においてX座標がD%である点のY座標)よりも高い値となる。
そのため、特色分解パッチ画像msの濃度がD%であるとき、センサ出力値を目標値Q′とするためには、特色分解パッチ画像msの濃度の入力値をD′%(曲線S上においてY座標がQ′である点のX座標)に設定し、濃度がD′%となるように(センサ出力値がQ′となるように)画像メモリ40に記憶された画像信号の濃度データを直接変更すれば良い。
このように曲線S及び直線Lを用いて各濃度の入力値を設定し、設定された濃度(またはセンサ出力値)となるように濃度データを調整することで、感光体ドラムや現像装置等の経年変化に伴う濃度変化に係わらず、常に一定の濃度を維持することができる。また、特色分解パッチms〜ksを追加することで、特色に用いられる単色濃度を直接制御することができるため、特色の濃度安定性も向上する。パッチ濃度の入力値は、直線L及び曲線Sに基づいてパッチ濃度とセンサ出力値を対応づけた2種類の濃度−出力値LUTを用いて設定しても良いし、曲線S及び直線Lから導かれる数式を用いて演算により算出しても良い。
ところで、追加された特色分解パッチの濃度によっては、元のパッチと濃度が近接している場合がある。例えば図5では、特色分解パッチmsとパッチm5の濃度が近接している。この場合、濃度検知センサ21の読み取り誤差により特色分解パッチmsとパッチm5のセンサ出力値が逆転してしまい、特色の近傍で階調飛びや階調潰れが発生するおそれがある。
そこで、本実施形態の濃度補正制御では、図6に示すように、特色分解パッチmsと濃度が最も近いパッチm5を特色分解パッチmsで置換している。例えば、m1〜m9の設定濃度をそれぞれm1=0%、m2=12.5%、m3=25%、m4=37.5%、m5=50%、m6=62.5%、m7=75%、m8=87.5%、m9=100%とし、特色分解パッチmsの設定濃度を46%とする。このとき、特色分解パッチmsに濃度が最も近いパッチはm5であるから、m5をmsで置換する。
即ち、濃度補正パターンMを、m1=0%、m2=12.5%、m3=25%、m4=37.5%、ms=46%、m6=62.5%、m7=75%、m8=87.5%、m9=100%から成る9段階のパターンに変更する。これにより、特色分解パッチmsの近傍でパッチ画像間の濃度差が広がるため、中間調の濃度補正精度を劣化させずに特色の濃度安定化を図ることができる。また、特色分解パッチmsの近傍においてパッチ間の濃度差が広がるため、濃度検知センサの読み取り誤差による中間調の濃度補正精度の劣化も抑制できる。さらに、特色分解パッチの追加によって濃度補正パターンを構成する単色パッチ数が変化せず、濃度補正パターンの読み取り長さも変化しないため、濃度補正に要する時間が長くならず制御負荷も増大しない。
図7は、第1実施形態の濃度補正手順を示すフローチャートである。図1〜図6を参照しながら、図7のステップに従いキャリブレーションの実行手順について説明する。
ユーザの操作により、若しくは所定枚数印字後にキャリブレーションモードが設定されると、制御部32は濃度補正パターンの形成を指示する(ステップS1)。次に、操作パネル34やパーソナルコンピュータから特色が設定されているか否かが判断される(ステップS2)。ユーザにより特色が設定されている場合は、特色をマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの単色に分解する(ステップS3)。そして、分解して得られた特色分解パッチms、cs、ys及びksを濃度補正パターンM、C、Y、K中の最も濃度が近い単色パッチと置換する(ステップS4)。また、特色分解パッチに対するセンサ出力値の目標値を設定する。
そして、変更された濃度補正パターン(図3(b)参照)を中間転写ベルト8上に形成して各色の濃度補正を実行する(ステップS5)。具体的には、濃度補正パターンを構成する各パッチの濃度を濃度検知センサ21により検知し、検知信号を制御部32に送信する。制御部32は各パッチのセンサ出力値を目標値と比較し、各色についてγテーブルを作成して濃度補正を実行する。その後、クリーニングブレード19により中間転写ベルト8上の濃度補正パターンM〜Kが除去されてキャリブレーションが終了する。
一方、ステップS2において特色が設定されていない場合は、特色分解パッチms〜ksと置換しない通常の濃度補正パターン(図3(a)参照)を中間転写ベルト8上に形成して各色の濃度補正を実行する(ステップS6)。濃度補正の具体的な方法はステップS5と同様であるため説明を省略する。
上記手順で濃度補正を行うことにより、ユーザの指定する特色を単色の濃度補正と同時に直接補正することができ、画像形成に用いられるプロセスユニットの経年変化に関係なく特色の色調を高いレベルに維持することができる。また、特色分解パッチを最も濃度が近いパッチと置換することで、特色分解パッチの近傍におけるパッチ間の濃度差が広がるため、濃度検知センサの読み取り誤差による中間調の濃度補正精度の劣化も抑制できる。
次に、本発明の画像形成装置における第2実施形態の濃度補正制御について説明する。図8は、第2実施形態の濃度補正における濃度補正パターンの変更方法を示すグラフであり、図9は、第2実施形態の濃度補正手順を示すフローチャートである。図1〜図6及び図8を参照しながら、図9のステップに従いキャリブレーションの実行手順について説明する。なお、ここではマゼンタの濃度補正パターンMを例に挙げて説明するが、他の濃度補正パターンC、Y、Kも全く同様に説明される。
本実施形態においては、図9に示すように、ステップS2において特色が設定されている場合、特色が単色に分解され、特色分解パッチを各色の濃度補正パターン中の最も濃度が近い単色パッチと置換するまで(ステップS3、S4)は第1実施形態の制御と同様である。その後、置換した特色分解パッチms、cs、ys及びksに濃度が隣接する2点の単色パッチの濃度を、それぞれに隣接する単色パッチの中間濃度に濃度変更する(ステップS5)。また、記憶部33に格納されている濃度−出力値LUTを用いて、濃度変更後の単色パッチに対するセンサ出力値の目標値を設定する。
具体的には、図8に示すように、パッチm3とm4の濃度差Δaと、パッチm4と特色分解パッチmsの濃度差Δbとが等しく、特色分解パッチmsとパッチm6の濃度差Δcと、パッチm6とm7の濃度差Δdとが等しくなるようにパッチm4、m6の濃度を変更する。即ち、特色分解パッチmsに濃度が隣接する2つのパッチm4、m6が、それぞれパッチm4、m6に濃度が隣接する特色分解パッチmsとパッチm3、特色分解パッチmsとパッチm7の濃度差を二等分するように濃度補正パターンを変更する。
例えば、濃度補正パターンM中のパッチ濃度をm1=0%、m2=12.5%、m3=25%、m4=37.5%、ms=46%、m6=62.5%、m7=75%、m8=87.5%、m9=100%とする。このとき、特色分解パッチmsに濃度が隣接するパッチm4の濃度を(25+46)/2=35.5%とし、パッチm6の濃度を(46+75)/2=60.5%とする。
上記手順で濃度補正を行うことにより、特色分解パッチを中心とした5つのパッチ間の濃度差が高濃度側及び低濃度側でそれぞれ略均等化されるため、第1実施形態に比べて特色分解パッチmsの近傍でパッチ画像間の濃度差がより均等化され、中間調の濃度補正精度を劣化させずに特色の濃度安定化を図ることができる。なお、ステップS5以降の制御手順は第1実施形態と同様であるため説明は省略する。
次に、本発明の画像形成装置における第3実施形態の濃度補正制御について説明する。図10は、第3実施形態の濃度補正における濃度補正パターンの変更方法を示すグラフであり、図11は、第3実施形態の濃度補正手順を示すフローチャートである。図1〜図5、及び図10を参照しながら、図11のステップに従いキャリブレーションの実行手順について説明する。なお、ここではマゼンタの濃度補正パターンMを例に挙げて説明するが、他の濃度補正パターンC、Y、Kも全く同様に説明される。
本実施形態においては、図11に示すように、ステップS2において特色が設定されている場合、特色が単色に分解され、特色分解パッチを各色の濃度補正パターン中の最も濃度が近い単色パッチと置換するまで(ステップS3、S4)は第1及び第2実施形態の制御と同様である。その後、図10に示すように、濃度補正パターンを特色分解パッチmsよりも低濃度側の領域(第1の領域)R1と、特色分解パッチmsよりも高濃度側の領域(第2の領域)R2とに分け、それぞれの領域R1、R2内の各パッチの濃度差が均等(Δe及びΔf)となるように濃度補正パターンを変更する(ステップS5)。
例えば、濃度補正パターンM中のパッチ濃度をm1=0%、m2=12.5%、m3=25%、m4=37.5%、ms=48%、m6=62.5%、m7=75%、m8=87.5%、m9=100%とする。このとき、第1の領域R1においてはΔe=(48−0)/4=12%となるため、m2、m3、m4の濃度をそれぞれ12%、24%、36%に変更する。一方、第2の領域R2においてはΔe=(100−48)/4=13%となるため、m6=48+13=61%、m7=48+13×2=74%、m8=48+13×3=87%に変更する。
上記手順で濃度補正を行うことにより、特色分解パッチmsの近傍のみでなく濃度補正パターン全域においてパッチ画像間の濃度差が略均等化されるため、第1及び第2実施形態に比べて中間調の濃度補正をより精度良く行うことができる。なお、ステップS5以降の制御手順は第1及び第2実施形態と同様であるため説明は省略する。
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態において示した濃度補正パターンは一例に過ぎず、他のパターンを用いることもできる。
また、上記実施形態においては、中間転写ベルト8上に各色のトナー像を順次積層して形成されたフルカラー画像を用紙上に一度に転写する中間転写方式のタンデム型カラー画像形成装置について説明したが、本発明は、搬送ベルト上に担持されて搬送される用紙上に各色のトナー像を順次転写する直接転写方式のタンデム型カラー画像形成装置や、一つの感光体ドラムの周囲に複数の現像装置を配置したワンドラム式のカラー画像形成装置においても全く同様に適用可能である。また、濃度補正パターンを中間転写ベルトや搬送ベルト上に転写せずに、感光体ドラム上に形成された濃度補正パターンの濃度を検知する構成とすれば、ベルトの表面状態に係わらず高精度の濃度検知が可能となる。
本発明は、像担持体と、該像担持体上に濃度の異なる単色パッチから成る複数色の濃度補正パターンを形成可能な画像形成部と、該画像形成部により形成された濃度補正パターンの濃度を検知する検知手段と、該検知手段の検知結果に基づいて各色の濃度補正を行う制御手段と、を備え、ユーザにより所定の特色が設定されている場合は特色を単色に分解した特色分解パッチを、該特色分解パッチと最も濃度が近い濃度補正パターン中の単色パッチと置換するカラー画像形成装置である。
これにより、ユーザの指定する特色を単色の濃度補正と同時に直接補正することでプロセスユニットの経年変化に関係なく特色の色調を高いレベルに維持することができ、中間調の濃度補正精度の劣化も抑制可能なカラー画像形成装置を提供することができる。また、特色分解パッチ近傍のパッチ間の濃度差が広がるため濃度読み取り誤差の発生も抑制され、特色分解パッチの追加によって濃度補正パターンを構成する単色パッチ数が変化しないため、補正時間が長くならず制御負荷も増大しない画像形成装置となる。
また、特色分解パッチに濃度が隣接する2つの単色パッチが、特色分解パッチと2つの単色パッチに濃度が隣接する他の単色パッチとの濃度差を二等分するように濃度変更したので、2点のパッチ濃度を変更するだけで特色分解パッチ近傍の単色パッチの濃度差が簡単に略均等化される。
また、濃度補正パターンを特色分解パッチよりも低濃度側の第1の領域と高濃度側の第2の領域とに分割し、第1及び第2の領域内において濃度が隣接する各単色パッチ間の濃度差がそれぞれ均等となるように濃度変更したので、濃度補正パターン全域に亘ってパッチ間の濃度差が均等化され、中間調の濃度補正精度が一層向上する。
は、本発明のカラー画像形成装置の全体構成を示す概略図である。 は、本発明のカラー画像形成装置の制御経路を示すブロック図である。 は、第1実施形態の濃度補正制御に用いられる濃度補正パターンの一例を示す図である。 は、図3(b)におけるマゼンタの濃度補正パターンの拡大図である。 は、濃度補正パターンを形成する各パッチ画像の濃度と濃度検知センサの出力値との関係を示すグラフである。 は、第1実施形態の濃度補正における濃度補正パターンの変更方法を示すグラフである。 は、第1実施形態の濃度補正手順を説明するフローチャートである。 は、第2実施形態の濃度補正における濃度補正パターンの変更方法を示すグラフである。 は、第2実施形態の濃度補正手順を説明するフローチャートである。 は、第3実施形態の濃度補正における濃度補正パターンの変更方法を示すグラフである。 は、第3実施形態の濃度補正手順を説明するフローチャートである。
符号の説明
Pa〜Pd 画像形成部
1a〜1d 感光体ドラム(像担持体)
2a〜2d 帯電器
3a〜3d 現像ユニット
4 露光ユニット
6a〜6d 転写ローラ
7 定着部
8 中間転写ベルト(像担持体)
9 二次転写ローラ
21 濃度検知センサ(検知手段)
32 制御部(制御手段)
33 記憶部
34 操作パネル
100 画像形成装置
M〜K 濃度補正パターン
ms〜ks 特色分解パッチ
R1 第1の領域
R2 第2の領域

Claims (3)

  1. 像担持体と、
    該像担持体上に濃度の異なる単色パッチから成る複数色の濃度補正パターンを形成可能な画像形成部と、
    該画像形成部により形成された濃度補正パターンの濃度を検知する検知手段と、
    該検知手段の検知結果に基づいて各色の濃度補正を行う制御手段と、を備えたカラー画像形成装置において、
    前記制御手段は、ユーザにより所定の特色が設定されている場合、前記特色を単色に分解した特色分解パッチを、該特色分解パッチと最も濃度が近い前記濃度補正パターン中の単色パッチと置換することを特徴とするカラー画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記特色分解パッチに濃度が隣接する2つの単色パッチが、前記特色分解パッチと前記2つの単色パッチに濃度が隣接する他の単色パッチとの濃度差を二等分するように前記濃度補正パターンを変更することを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記濃度補正パターンを前記特色分解パッチよりも低濃度側の第1の領域と、前記特色分解パッチよりも高濃度側の第2の領域とに分割し、該第1及び第2の領域内において濃度が隣接する各単色パッチ間の濃度差がそれぞれ均等となるように前記濃度補正パターンを変更することを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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