JP4959973B2 - ミシン - Google Patents
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Description
かかるミシンにおいては、例えば、部品交換やメンテナンスの際に、ミシン本体を倒して倒置位置に保持した状態で作業を行い、作業終了後には再びミシン本体を起こして直立位置に復帰させる構成となっている。
本実施形態では、ミシンとして本縫いミシンを例に説明する。
ここで、後述するミシンテーブル3の上面に垂直な方向をZ軸方向(上下方向)とし、これと直交するミシンアーム部(図示略)の長手方向をY軸方向(前後方向)とし、Z軸方向とY軸方向の両方に直交する方向をX軸方向(左右方向)と定義する。
図1は本実施形態たるミシン1の要部構成を示す側面図である。
図1に示すように、ミシン1は、縫製を行う各機構部を格納し、直立位置(図1参照)と倒置位置(図2参照)とに設置可能なミシン本体2と、このミシン本体2を載置するミシンテーブル3と、ミシン本体2を倒置位置から直立位置に回動する際に、このミシン本体2を、直立位置よりも手前の中間停止位置(図3参照)に停止する中間停止手段としての中間停止装置10と、を備えている。
なお、ミシン1は、ミシン動作の駆動源となるミシンモータ(図示省略)、該ミシンモータと連結され回転自在に設けられた上軸(図示略)、上軸の回転駆動力を上下動に変換して縫い針を上下に駆動する針駆動機構(図示省略)、針落ち位置近傍において被縫製物の浮き上がりを防止する布押さえ(図示略)、縫い針による縫製動作の直後に布に縫着された上糸Tを引き上げることで当該布に形成された縫い目を締結する図示しない天秤機構、被縫製物たる布を搬送する布送り機構(図示省略)、布送り機構に駆動力を伝達する下軸(図示省略)等を備えており、縫製を行うための一般的な各機能が設けられているが、これらは従来周知の構成と同様であるため本実施形態では詳述しない。
また、ミシンテーブル3の上面であって、上記開口部3aの右側近傍には支持部材7が設けられている。この支持部材7は、ミシンテーブル3の上面に対してほぼ垂直に立設されており、後述するミシン本体2の倒置位置を規定し、該倒置位置に配置されたミシン本体2を支持することが可能となっている。
ミシンベッド部2aの内部には、縫い針の上下動と協働して縫製を行う釜機構(図示略)や、該釜機構に駆動力を伝達する下軸(図示略)等が配設されている。
そして、ミシン本体2が倒置位置(図2参照)に配置された際には、縦胴部2bの一側(図1における右側)のうち、上下方向のほぼ中央部が上述した支持部材7の上端部に当接され、ミシン本体2が傾倒した状態で該倒置位置に保持される構成となっている。
かかる進退ピン11の先端(図1における左端)は円弧状に形成されている。また、進退ピン11の長手方向における略中央部の下端には、下方に向けて突設された下部突起12が形成されている(図11及び図12参照)。この下部突起12は、進退ピン11の前進方向C(図2、図9及び図10参照)側の端縁がほぼ垂直な垂直部12aとなっている。一方、下部突起12の後方側の端縁は、傾斜部12bとなっている(図5及び図6参照)。
かかる進退ピン11は、後述する押圧ばね19の付勢力によって前進方向Cに向かって押し出され、下部突起12がストッパ14に当接する最前進位置(前進位置)に到達した状態で、上記円弧部分がミシンテーブル3の開口部3aの外側まで突出するようになっている。
かかる押圧ばね19の一端(左端)は、上記進退ピン11の右端に当接されており、押圧ばね19の他端(右端)は枠体20の内壁に当接されている。
この押圧ばね19は、進退ピン11と同様に、ミシン本体2の縦胴部2bの立設方向及びミシンアーム部の長手方向の何れにも直交する方向(ミシン本体2が直立位置にある状態においてX軸方向)に沿って伸縮自在に設けられている。
また、押圧ばね19は、進退ピン11が上述した前進位置、中間位置及び後退位置の何れに配置された場合であっても、自然長よりも短く圧縮された状態となるようにその長さが設定されている。つまり、押圧ばね19は、その左端に当接された進退ピン11を、前進方向C側に向けて常時付勢した状態となっている。
この案内部材16の長手方向のほぼ中央部には、当該案内部材16をY軸方向に貫通し、進退ピン11の進退移動方向に長く形成された長穴部18が設けられている。そして、長穴部18には、上述した進退ピン11の側面突起13が摺動自在に挿入されている(図6乃至図8参照)。すなわち、案内部材16は、その長穴部18内に側面突起13が係合した状態において、進退ピン11と摺動して当該進退ピン11の進退移動方向(前進方向C及び後退方向D)に対して進退移動可能に設けられている。
そして、長穴部18は、側面突起13が当該長穴部18内の最右端側に配置された状態において、後述する下部突起17の傾斜部17bが、進退ピン11の下部突起12の垂直部12aより前方に位置するように構成されている。
下部突起17の左側の傾斜部17aは、側面突起13が長穴部18の最左端側に配置された状態において、相互の下部突起17,12が互いに重合し、且つ、当該傾斜部17aが進退ピン11の下部突起12の垂直部12aよりも左側(前進方向C側)に配置されるように形成されている(図6参照)。
かかるラチェット15は、上記ストッパ14よりも進退ピン11の進退移動方向において後方側に配置されており、下部に連結されたばね21を介して中間停止装置10内部の底面に対して下方に退避可能に支持されている。また、ラチェット15の上部には突起部15aが形成されている。
突起部15aは、進退ピン11及び案内部材16が後退位置に配置されている状態においては、下部突起12及び下部突起17よりも進退移動方向前方側すなわち、図6における左側に位置するように配置されている。また、突起部15aは、進退ピン11及び案内部材16が前進方向Cに向かって前進移動を行った際に、当該突起部15aが下部突起12及び下部突起17の移動方向の延長線上に配置されるようになっている。
このラチェット15は、本実施形態における進退ピン11の中間位置を規定する第2規制部材として設けられている。
まず、ミシン本体2が直立位置に配置されている状態(例えば、縫製時)においては、進退ピン11は案内部材16と供に後退位置に配置され、押圧ばね19が最も圧縮された待機状態となる(図1及び図6参照)。かかる待機状態では、進退ピン11の左端がアンダーカバー5の内壁面に当接され、前進方向Cへの移動が規制されているため、進退ピン11及び案内部材16が後退位置に保持される。また、下部突起12及び下部突起17は、何れもラチェット15の突起部15aよりも進退移動方向における後方側(図1及び図6における右側)に配置される。
倒置方向Aに向かうミシン本体2の回動により、進退ピン11の左端部の規制が解除されると、押圧ばね19の付勢力により進退ピン11が前進方向Cに向かって移動される。その際、進退ピン11の側面突起13が案内部材16の長穴部18の左端側に当接され、進退ピン11と供に案内部材16もまた前進方向Cに向かって移動される。
側面突起13が長穴部18の最左端側に当接された状態においては、下部突起17の傾斜部17aが下部突起12の垂直部12aよりも左側(前進方向Cにおける前進方向)に配置されるため、これら下部突起12及び下部突起17の移動方向の前方(図6における左側)に位置するラチェット15の突起部15aには案内部材17の傾斜部17aが当接される(図9参照)。
上端の突起部15aに傾斜部17aが当接され、さらに、押圧ばね19の付勢力で下部突起17が前進方向Cに移動することで、ラチェット15が下方側に押し付けられる。すなわち、案内部材16の下部突起17(特に、傾斜部17a)によってラチェット15が円滑に下方側に退避される。これにより、案内部材16と供に進退ピン11の下部突起12がラチェット15の上部を通過することを可能としている。
そして、下部突起12の垂直部12aがストッパ14に当接されると、前進方向Cに向かう進退ピン11の移動が規制される。つまり、進退ピン11が前進位置に配置された状態となる(図10参照)。ラチェット15は、ばね21の弾性によってもとの位置に復帰される。
ここで、下方に退避したラチェット15がばね21の弾性によってもとの位置に復帰すると、突起部15aと垂直部12aとが係合され、前進方向Cに対する進退ピン11の移動が規制される。つまり、進退ピン11が中間位置に配置された状態となる(図4及び図11参照)。
また、この中間位置では、進退ピン11の左端すなわち、円弧の曲線部がミシンテーブル3の開口部3aの端縁と係合される配置となる。
つまり、進退ピン11が中間位置に配置された状態で、ミシン本体2を直立位置に向けて回動すると、進退ピン11の左端が、その曲線部によって開口部3aの端縁から当該開口部3aの内壁面に沿って摺動され、ミシン本体2が直立位置に配置される。このとき、進退ピン11は、先端部の摺動により押圧ばね19の付勢力に抗するミシンの自重によって後退方向Dに押し戻される(図5参照)。
そして、進退ピン11が、摺動により中間位置からさらに後退方向Dに向かって押し戻されると、長穴部18の最右端に当接された側面突起13により、進退ピン11と供に案内部材16が後退方向Dに向かって移動され(図12参照)、後退位置に配置されることとなる。
以上のように、本実施形態たるミシン1によれば、進退ピン11を有する中間停止装置10を備えることにより、ミシン本体2を倒置位置から直立位置に回動する際には、ミシン本体2を、直立位置よりも手前の中間停止位置に停止することができる。つまり、ミシン本体2を倒置位置から直立位置に回動する際には、ミシン本体2を、一度、中間停止位置に停止した後で直立位置に移動することができる。従って、ミシン本体2が倒置位置から直立位置に復帰する際の衝撃を効果的に低減することができる。
また、進退ピン11及び案内部材16は、本実施形態においては板状としているが、必ずしも板状に限定されるものではなく、例えば、棒状であってもよい。
2 ミシン本体(ミシン頭部)
3 ミシンテーブル
4 プーリ
5 アンダーカバー
6 連結部
7 支持部材
10 安全装置(中間停止手段)
11 進退ピン
12 下部突起
12a 垂直部
12b 傾斜部
13 側面突起
14 ストッパ(第1規制手段)
15 ラチェット(第2規制手段)
15a 突起部
16 案内部材(案内手段)
17 案内部
18 長穴部
19 押圧ばね(付勢手段)
20 枠体
21 ばね
A 倒置方向
B 復帰方向
C 前進方向
D 後退方向
Claims (1)
- ミシンベッド部が格納可能な開口部が形成されたミシンテーブルと、前記ミシンテーブルに回動自在に支持され、直立位置と倒置位置とに設置可能なミシン本体とを備え、前記直立位置で前記開口部に前記ミシンベッド部が収納されるミシンにおいて、
前記ミシン本体を前記倒置位置から前記直立位置に回動する際に、前記ミシン本体を、前記直立位置よりも手前の中間停止位置に停止する中間停止手段を備え、
前記中間停止手段は、
前記ミシン本体に進退自在に支持され、先端部が外方に突出して前記直立位置の手前でミシン本体の回動を制止させる前進位置と、ミシン本体が直立位置に配置されることを妨げない後退位置と、前記前進位置より後方であって、ミシン本体の直立位置側への回動により先端部がミシンテーブルの開口部の内壁面に摺動して後退移動可能な中間位置とに移動可能な進退ピンと、
前記進退ピンを前進位置方向に付勢する付勢手段と、
前記進退ピンの前進位置を規定する第1規制手段と、
前記進退ピンの中間位置を規定する第2規制手段と、
前記進退ピンが後退位置から前進位置に移動する際に、前記第2規制手段による規制を解除して前記進退ピンを前記前進位置に案内する案内手段と、
を備えることを特徴とするミシン。
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